JP3194512U - パイプ式ブレース材 - Google Patents

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Abstract

【課題】パイプより成る本体部の内部空間に雨水を貯留し、生活用水として活用することができるパイプ式ブレース材を提供する。【解決手段】両端が開口した角パイプより成る本体部12を有するパイプ式ブレース材10であって、本体部の下端開口を蓋部材34a,34bで閉塞すると共に、本体部の下端近傍に、管体部40aが本体部内に挿通される蛇口40を取付け、さらに、本体部の上端開口の上方に、上端開口へ向かって下方傾斜し、雨水42を上端開口へ案内する断面略L字状の板材より成るガイド部46bを有する雨水ガイド部材46を配置した。【選択図】図6

Description

この考案はパイプ式ブレース材に係り、特に、パイプより成る本体部の内部空間を利用して雨水を貯留することができるパイプ式ブレース材に関する。
従来より、自走式立体駐車場等の屋外建造物を構成する柱及び梁より成る矩形枠体の強度・耐震性を向上させるため、上記矩形枠体にパイプ式ブレース材を取付けることが行われている。
図9は、従来のパイプ式ブレース材の一例を示すものであり、該パイプ式ブレース材70は、両端に開口を有する長尺な角パイプより成る本体部72と、上記本体部72の両端に形成した切欠(図示省略)に嵌入接合される一対のガセットプレート74,76と、上記本体部72からのガセットプレート74,76の突出端を挟んだ状態でボルト78を介してガセットプレート74,76に接合されるスプライスプレート80,82を備えている。
また、上記ガセットプレート74,76からのスプライスプレート80,82の突出端には、ボルト挿入用の孔84が複数形成されており、該スプライスプレート80,82の突出端と、屋外建造物を構成する矩形枠体側に設けたガセットプレート(図示省略)とがボルトを介して接合されるのである。
尚、この種構造のパイプ式ブレース材は、例えば特開平10−317508号公報(特許文献1)に開示されている。
特開平10−317508号公報
上記したパイプ式ブレース材70は、本体部72が内部空洞と成された角パイプで構成されており、従来、上記角パイプより成る本体部72の内部空間は全く利用されていない状況であった。
一方、近年、地球温暖化・異常気象等の影響で大規模災害が多発し、重要なライフラインである上下水道が停止する事態が増えている。
本考案は、従来の上記状況に鑑みて案出されたものであり、パイプ式ブレース材の本体部の内部空間が未利用である点に着目し、パイプより成る本体部の内部空間に雨水を貯留し、生活用水として活用することができるパイプ式ブレース材の実現を目的とするものである。
上記の目的を達成するため、本考案の請求項1に記載のパイプ式ブレース材は、
両端が開口したパイプより成る本体部を有するパイプ式ブレース材であって、
上記本体部の下端開口を蓋部材で閉塞すると共に、本体部の下端近傍に、本体部内に挿通される取水部材を取付け、さらに、上記本体部の上端開口の上方に、本体部の上端開口へ向かって下方傾斜し、雨水を本体部の上端開口へ案内するガイド部を有する雨水ガイド部材を配置したことを特徴とする。
本考案の請求項2に記載のパイプ式ブレース材は、請求項1に記載のパイプ式ブレース材において、
上記本体部の上下両端にガセットプレートが接合されると共に、該ガセットプレートにスプライスプレートが接合されており、上記雨水ガイド部材を、本体部の上端開口の上方に位置するスプライスプレートに取付けたことを特徴とする。
本考案の請求項3に記載のパイプ式ブレース材は、請求項1又は2に記載のパイプ式ブレース材において、
上端開口近傍の本体部内に、多数の網目を有する防虫ネットを配置したことを特徴とする。
本考案に係るパイプ式ブレース材にあっては、雨水ガイド部材のガイド部によって本体部の上端開口に案内された雨水を、パイプより成る本体部の内部空間に貯留することができると共に、貯留した雨水は、取水部材を介して取り出すことができるので、雨水を例えばトイレ用水、園芸用水、防火用水等の各種生活用水として使用することができる。
また、請求項3に記載のパイプ式ブレース材の如く、上端開口近傍の本体部内に、多数の網目を有する防虫ネットを配置した場合には、本体部の内部に貯留した雨水に虫やゴミ等の異物が混入することを防止できる。
本考案に係るパイプ式ブレース材の使用状態を示す正面図である。 本考案に係るパイプ式ブレース材を示す正面図である。 本考案に係るパイプ式ブレース材を示す背面図である。 本考案に係るパイプ式ブレース材を示す斜視図である。 本考案に係るパイプ式ブレース材の上端近傍の拡大斜視図である。 本考案に係るパイプ式ブレース材の本体部の内部構造を示す概略拡大断面図である。 本考案に係るパイプ式ブレース材の本体部上端近傍の内部構造を示す概略拡大断面図である。 本考案に係るパイプ式ブレース材の本体部下端近傍の内部構造を示す概略拡大断面図である。 従来のパイプ式ブレース材を示す斜視図である。
以下、図面に基づき、本考案に係るパイプ式ブレース材の一実施形態を説明する。尚、本考案に係るパイプ式ブレース材は、下記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
図1は本考案に係るパイプ式ブレース材10の使用状態を示す正面図、図2は本考案に係るパイプ式ブレース材10を示す正面図、図3は同背面図、図4は同斜視図、図5は本考案に係るパイプ式ブレース材10の上端近傍の拡大斜視図、図6は本考案に係るパイプ式ブレース材10の本体部12の内部構造を示す概略拡大断面図、図7は本考案に係るパイプ式ブレース材10の本体部12上端近傍の内部構造を示す概略拡大断面図、図8は本考案に係るパイプ式ブレース材の本体部12下端近傍の内部構造を示す概略拡大断面図である。
図2〜図4に示すように、本考案に係るパイプ式ブレース材10は、両端に開口を有する長尺な角パイプより成る本体部12と、上記本体部12の上下両端に形成した切欠(図示省略)に嵌入接合される一対のガセットプレート14,16と、上記本体部12からのガセットプレート14,16の突出端を表裏両面から挟んだ状態でボルト18を介してガセットプレート14,16に接合されるスプライスプレート20,22を備えている。尚、上記本体部12とガセットプレート14,16とは溶接を介して接合されている。
パイプ式ブレース材10を構成する角パイプより成る上記本体部12、ガセットプレート14,16、スプライスプレート20,22は、例えば、亜鉛溶融メッキで表面処理を施した鉄材や鋼材で構成されている。
尚、上記本体部12は角パイプに限定されるものではなく、丸パイプは勿論、要するに、内部空間を有するたパイプであれば適用可能である。
上記ガセットプレート14,16からのスプライスプレート20,22の突出端には、ボルト挿入用の孔24が複数形成されている。
本考案に係るパイプ式ブレース材10は、図1に示すように、自走式立体駐車場等の屋外建造物を構成する矩形枠体26の梁28に設けたガセットプレート30と、本考案に係るパイプ式ブレース材10の上端側のスプライスプレート20,22突出端とを孔24に挿通したボルト18を介して接合すると共に、上記矩形枠体26の梁28と柱32との交差部に設けたガセットプレート30と、本考案に係るパイプ式ブレース材10の下端側のスプライスプレート20,22突出端とを孔24に挿通したボルト18を介して接合して使用されるものである。
図6及び図8に示すように、本体部12の下端開口は、板材より成る一対の蓋部材34a,34bで閉塞されていると共に、上記蓋部材34a,34bに形成されたネジ孔35(図8)にネジ式蓋36a,36bが挿通されている。図8において、38は蓋部材34a,34b外面において、上記ネジ孔35を囲繞するゴムパッキンであり、該ゴムパッキン38はネジ孔35からの漏水を防止する役割を果たしている。
尚、上記蓋部材34a,34bは溶接等を介して本体部12の下端に接合される。
また、図6に示すように、本体部12の下端近傍には、取水部材としての蛇口40が取付けられており、該蛇口40の管体部40aが本体部12内に挿通されている。従って、上記蛇口40を開栓することにより、本体部12の内部に貯留した雨水42を取り出すことができる。
図5及び図7に示すように、上端開口近傍の本体部12内に、多数の網目44aを有する防虫ネット44が配置されており、この結果、本体部12内部へ蚊や蠅等の虫やゴミ等の異物が侵入することを防止できるようになっている。
図4〜図7に示すように、本体部12の上端開口の上方に雨水ガイド部材46が配置されている。
すなわち、上記雨水ガイド部材46は、本体部12の上端開口の上方に位置するスプライスプレート20にボルト18を介して取付けられる取付板46aと、本体部12の上端開口へ向かって下方傾斜し、雨水42を本体部12の上端開口へ案内する断面略L字状の板材で構成されたガイド部46bを有している。
而して、上記雨水ガイド部材46のガイド部46b上に降った雨水42は、本体部12の上端開口へ向かって下方傾斜しているガイド部46bによって、本体部12の上端開口へ案内され、上記防虫ネット44の網目44aを通って本体部12の内部空間に貯留されるのである。
尚、本実施形態においては、上記雨受部材46を、本体部12の上端開口の上方に位置するスプライスプレート20に取付けた場合を例示して説明したが、これに限定されるものではない。
すなわち、雨受部材46は本体部12の上端開口の上方に配置されていれば良く、従って、例えば、本体部12の上端開口の上方に配置させた雨受部材46を、本体部12から延設させた図示しない支持棒等の支持部材で支えるようにしても良い。
また、雨受部材46のガイド部46bを断面略L字状の板材で構成した場合を例示したが、これに限定されるものでは無く、例えば、断面V字状の板材や断面U字状の板材で構成することもできるのは勿論のこと、板材に限らず、要するに、本体部12の上端開口へ向かって下方傾斜し、雨水42を本体部12の上端開口へ案内するものであれば良い。
上記した本考案に係るパイプ式ブレース材10にあっては、雨水ガイド部材46のガイド板46bによって本体部12の上端開口に案内された雨水42を、角パイプより成る本体部12の内部空間に貯留することができると共に、貯留した雨水42は、管体部40aが本体部12内に挿通された蛇口40を介して取り出すことができるので、雨水42を例えばトイレ用水、園芸用水、防火用水等の各種生活用水として使用することができる。
尚、上記の通り、上端開口近傍の本体部12内に、多数の網目44aを有する防虫ネット44を配置したので、本体部12内部に貯留した雨水に虫やゴミ等の異物が混入することを防止できる。
また、本体部12の下端開口を閉塞する蓋部材34a,34bに形成したネジ孔35(図8)にネジ式蓋36a,36bを挿通しているので、ネジ式蓋36a,36bを取り外すことにより、本体部12内に貯留された雨水をほぼ完全に排水することができると共に、ネジ孔35を通して本体部12内部にブラシ等を挿通することにより、本体部12内部の清掃を行うことができる。
尚、屋外建造物を構成する矩形枠体に従来構造のパイプ式ブレース材70(図9参照)が既に取り付けられている場合、取付現場において従来構造のパイプ式ブレース材70に所定の改修を施すことにより、本考案の上記パイプ式ブレース材10と成すことが可能である。
具体的には、従来構造のパイプ式ブレース材70において、
(1)本体部72の下端開口を、上記ネジ式蓋36a,36b及びゴムパッキン38が取付けられた一対の蓋部材34a,34bで閉塞し、
(2)本体部72の下端近傍に孔を開けて上記蛇口40を取り付け、
(3)上端開口近傍の本体部72内に、上記防虫ネット44を取り付け、
(4)本体部72の上端開口上方のスプライスプレート80に、ボルト78を介して上記雨受部材46を取り付けることにより、本考案に係るパイプ式ブレース材10に改修することができる。
10 パイプ式ブレース材
12 本体部
14 ガセットプレート
16 ガセットプレート
18 ボルト
20 スプライスプレート
22 スプライスプレート
24 孔
26 矩形枠体
28 梁
30 ガセットプレート
32 柱
34a 蓋部材
34b 蓋部材
35 ネジ孔
36a ネジ式蓋
36b ネジ式蓋
38 ゴムパッキン
40 蛇口
40a 蛇口の管体部
42 雨水
44 防虫ネット
44a 防虫ネットの網目
46 雨水ガイド部材
46a 雨水ガイド部材の取付板
46b 雨水ガイド部材のガイド部

Claims (3)

  1. 両端が開口したパイプより成る本体部を有するパイプ式ブレース材であって、
    上記本体部の下端開口を蓋部材で閉塞すると共に、本体部の下端近傍に、本体部内に挿通される取水部材を取付け、さらに、上記本体部の上端開口の上方に、本体部の上端開口へ向かって下方傾斜し、雨水を本体部の上端開口へ案内するガイド部を有する雨水ガイド部材を配置したことを特徴とするパイプ式ブレース材。
  2. 上記本体部の上下両端にガセットプレートが接合されると共に、該ガセットプレートにスプライスプレートが接合されており、上記雨水ガイド部材を、本体部の上端開口の上方に位置するスプライスプレートに取付けたことを特徴とする請求項1に記載のパイプ式ブレース材。
  3. 上端開口近傍の本体部内に、多数の網目を有する防虫ネットを配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のパイプ式ブレース材。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019152100A (ja) * 2019-06-25 2019-09-12 綿半ソリューションズ株式会社 雨水貯留機能付コラム柱
WO2022208591A1 (ja) * 2021-03-29 2022-10-06 日本電信電話株式会社 電柱
JP7571861B2 (ja) 2021-03-29 2024-10-23 日本電信電話株式会社 電柱

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