JP3193840U - 平紐連結装置およびネックストラップ - Google Patents
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Abstract
Description
本考案は、上述の問題に鑑みてなされたもので、連結部分の連結姿勢の変化がないまたは変化が少なく、長さ調整機能を有し、引っ張り力により連結解除可能な平紐連結装置を提供することを目的とする。
平紐連結装置は、紐をその内部に貫通させ自在に平紐を往復移動させることができるスライド部材と、平紐の端を固定可能な保持部材と、を有する。
スライド部材および保持部材は、一方には外方に突出し突出端近傍が厚さを有する舌部が設けられ、他方には舌部を収容および抜き出し可能な孔が設けられ、かつ、一方には平紐に組み合わされたときの平紐の幅方向の両端にそれぞれ案内突起を備え、他方には幅方向の両端に案内突起を着脱可能に嵌め入れる切り欠きを備える。
好ましくは、スライド部材および保持部材は、切り欠きを備えるいずれか一方が、案内突起を切り欠きに嵌め入れるときに案内突起を案内する、幅方向の外方を向く案内面を有する。
好ましくは、保持部材は、断面が幅方向に長い矩形であって一方の開口側の高さが内方に向かうに伴い低くなる平紐保持孔が貫通する第3部品と、全体として板状であって平紐保持孔よりも幅が狭く、平紐保持孔に収容可能な第4部品と、で構成される。第3部品は、他方の開口側に切り欠きを有し、第4部品は、その表面から突出し先が尖った突起を複数有し、かつ一方の開口側から平紐保持孔に挿入したとき平紐保持孔の高さが不足することにより途中でその移動が制限されるように形成される。
一対の平紐連結装置は、それぞれのスライド部材を、平紐の一端側および他端側の互いに異なる一方が貫通しており、それぞれの保持部材が、平紐の一端および他端の互いに異なる一方に一体化されていることによりストラップの長さが長さ調整可能である。
第1部品2は、本体11(以下「第1本体11」という)、貫通孔12および一対の案内突起13,13を備える
第1本体11は、平面視が、台形について辺の長さの短い上底および2つの斜辺を外方に凸状に湾曲させた形状であり(図3参照)、上底側から下底側に徐々に厚さが増加する(図2参照)。第1本体11は、一方の表面14が略平らであり、他方の表面15が台形の下底に平行な母線を有する円柱の表面のようにわずかに外方に凸状の湾曲面である。以下、略平らな一方の表面14を「第1内面14」という。
第1部品2は、本体11の平面視台形の下底側の端近傍において、第1内面14からこの第1内面14に略直交して、下底に沿って両斜辺を結ぶように下底側の端近傍の厚さと同程度に外方に突出する突出部20を有する。突出部20には、短辺に比べ長辺が極めて長い矩形断面の貫通孔12が設けられている。矩形断面の長辺の一方に対応する貫通孔12の内側面は、第1本体11の第1内面14でもある。この第1内面14に対向する貫通孔12の他の内側面は、幅方向に延びた母線を有して湾曲する。この内側面の湾曲する部分を「湾曲側面21」という。湾曲側面21は、側面視(図2)における断面形状が「S」字状であり、その一部(連結方向における切り欠き17の反対側)は、貫通孔12の内方に(第1内面14側に)凸である。
第2部品3は、本体31(以下「第2本体31」という)および一対の爪部32,32を有する。
第2本体31は、第1本体11と同様の、平面視が、台形について辺の長さの短い上底および2つの斜辺を外方に凸状に湾曲させた形状である(図6参照)。平面視台形における斜辺の湾曲の程度は小さい。台形の斜辺の湾曲の程度が小さいことは第1本体11も同じである。
第2本体31は、厚さ方向の一方を向く表面33が、幅方向に延びた母線を有する円柱の表面のような、わずかに外方に凸状の湾曲面である。
第2本体31は、平面視の台形における上底(長さの短い方の底辺)側の端から連結方向の内方に向けて徐々に厚み(厚さ方向の寸法)が増加し、連結方向の略中間で急激に厚みが減少して、以後台形における下底まで略同じ厚さとなる。これに伴い、第2本体31における厚さ方向の他方を向く表面34(「第2内面34」という)は、急激に厚みが減少する部分が、幅方向に延びた母線を有する円柱の表面のように外方に湾曲する。第2内面34における外方に湾曲する部分を、「凸状湾曲面35」という。第2内面34は、凸
状湾曲面35を除き、略平面である。
第3部品4は、本体41(以下「第3本体41」という)および舌部42を有する。
第3本体41は、外観が、平面視(図9)において正方形に近い矩形で高さが低い箱形である。第3本体41は、連結方向の一端から他端に徐々に厚くなっている。第3本体41は、連結方向に貫通する平紐保持孔43を有する。
第4部品5は、第4本体51、6つの第1鋭突起52,…,52および2つの第2鋭突起53,53で形成される。
第4本体51は、平面視(図11)において連結方向がやや長い略矩形の板状部分である。第4本体51は、矩形の四隅に、位置決め突起54,54,55,55が表面から同方向に突出する。位置決め突起54,54,55,55は、いずれもその厚さ方向を(第4本体51の)幅方向とし、連結方向および突出方向に拡がる板状である。それぞれ幅方向に表面を対向させて並ぶ位置決め突起54,54の間隔および位置決め突起55,55の間隔は、平紐連結装置1に組み合わされる平紐の幅よりもわずかに大きい。
連結方向の一方の側の位置決め突起55,55は、他方の側の位置決め突起54,54よりも突起の程度(高さ)が大きい。位置決め突起55は、連結方向における長さが突出側に向かって徐々に小さくなるように位置決め突起54側の側面が傾斜する。第4本体51は、位置決め突起55,55間に、位置決め突起55と略同じ高さに突出する紐端止め56を備える。紐端止め56の幅(連結方向の寸法)は、位置決め突起55の傾斜する側面を除く連結方向の長さよりも小さい。
頂点は、位置決め突起55側に偏っている。第2鋭突起53は、第1鋭突起52と同じ方向に突出し、その形状は円錐である。第1鋭突起52,…,52は、互いに間隔を有して位置決め突起54,54側に偏って配されている。第2鋭突起53,53は、幅方向に並べて第1鋭突起52,…,52よりも位置決め突起55,55側に配されている。
図13は第1部品2および第2部品3による平紐9を任意に通過させる部材(以下「スライド部材6」という)の組み立ての様子を示す図、図14は第3部品4および第4部品5による平紐9の端を固定する部材(以下「保持部材7」という)の組み立ての様子を示す図である。なお、図13(b)および(d)は、図13(a)のC−C矢視断面および(c)のC−C矢視に相当する断面である。
固定作業では、初めに、舌部42が突出する側の反対側から、平紐9が第3部品4の平紐保持孔43に挿入され、舌部42の側から引き出される。平紐保持孔43から引き出された平紐9は、その端を位置決め突起55側に位置させて、第4部品5の一対の位置決め突起54および一対の位置決め突起55それぞれの間に重ねられる。平紐9の端近傍は第4本体51側に押しつけられて、第1鋭突起52,52,52および第2鋭突起53が平紐9の繊維間に入り込む(図14(a))。
第4部品5は、平紐保持孔43内を奥に押し進められ、位置決め突起55の高さと平紐保持孔43の高さとが等しくなる場所で進入が停止する。ここでいう高さとは、厚さ方向にけるそれぞれの寸法である。平紐保持孔43は、舌部42側から内方に向けて徐々に高さが低くなっており、平紐9を舌部42とは反対側から引き出すことにより、第4部品5は、適度な位置で進入を停止して平紐保持孔43内に強固に一体化される(図14(c))。
平紐9は、第1鋭突起52,52,52および第2鋭突起53により強固に保持部材7に固定される。
図14の作業において、第4部品5の第3部品4に対する姿勢を、180度反転(上下
反転)させても同様の保持部材7を形成することができる。
上述した平紐9の一端側におけるスライド部材6および保持部材7の形成作業は、平紐9の他端側に対しても、別の第1部品2〜第4部品5を用いて行われる。
平紐9の一端側に取り付けられた(貫通させた)スライド部材6の案内突起13,13に、平紐9の他端を保持する保持部材7を、舌部42が平紐9側になるようにして近づける。スライド部材6の一対の案内突起13,13の互いに対向する面に、保持部材7における(側壁44の)切り欠き45から露出する幅方向両側のそれぞれの位置決め突起55の一部551を沿わせて、保持部材7をスライド部材6に接近させる。切り欠き45から露出する位置決め突起55の一部551は、案内突起13を案内することで、いずれも小さなスライド部材6および保持部材7の連結作業を容易にする。
平紐連結装置1は、スライド部材6がその内部を貫通する平紐9を適度な抵抗の元で自在に往復させることができ、別の平紐連結装置1に接近させ、またはこれから遠ざけることにより、閉ループになったストラップの大きさ(ループ長さ)を自由に調節することができる。
平紐連結装置1は、スライド部材6と保持部材7との連結において、舌部42における外方に湾曲して突出する連結部46が、貫通孔12の湾曲側面21における案内突起13側の孔内に凸となった部分211を乗り越えて、凹状部分212に停止するように設計される。
図16(c)を参照して、ストラップ(平紐9)に力が加わると、初めは平紐連結装置1,1が接近し、ループが大きく(長く)なる。ストラップに力が加わり続けると、ループの伸びしろが無くなり平紐連結装置1,1が衝突する。ストラップに加わる力が小さい場合、この状態が維持される。さらに、装着者の安全に無視できないほどの大きさの力がストラップに加わると、平紐連結装置1は、舌部42が貫通孔12から抜け出て、スライド部材6と保持部材7とが分離する。舌部42が貫通孔12から抜け出る時の力の強さは、舌部42の連結部46の凸面の突出の程度、および貫通孔12の凸となった部分211の突出の程度で調節される。
平紐連結装置1では、スライド部材6の案内突起13が保持部材7の切り欠き45にぴったりと嵌り込みスライド部材6と保持部材7との位置関係の変化がなく、変化しても極めてわずかである。このことから、スライド部材6と保持部材7とを引き離す大きな力が加わらない限り、舌部42の連結部と貫通孔12の湾曲側面21との位置関係が変化せず、これらによる安定な連結が維持される。
部材6における貫通孔12の湾曲側面21の形状、およびこれに係止される保持部材7の舌部42の連結部46の断面形状は、湾曲面でなく段を有する他のものを用いてもよい、
スライド部材6における貫通孔12に相当する、凸部分(211)を有する貫通孔または有底の孔を保持部材に設け、この孔に係止される保持部材7の舌部42に相当する、外方に凸の連結部(46)を、スライド部材に設けた平紐連結装置は、平紐連結装置1と同様の作用効果を奏する。
その他、平紐連結装置1、および平紐連結装置1の各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本考案の趣旨に沿って適宜変更することができる。
4 第3部品
5 第4部品
6 スライド部材
7 保持部材
9 平紐
12 貫通孔(孔)
13 案内突起
42 舌部
43 平紐保持孔
45 切り欠き
52 第1鋭突起(先が尖った突起)
53 第2鋭突起(先が尖った突起)
551 切り欠きから露出する位置決め突起の一部(案内面)
Claims (5)
- 平紐の両端をループ状に連結して連結したままループの大きさを調節可能な平紐連結装置であって、
前記平紐をその内部に貫通させ自在に前記平紐を往復移動させることができるスライド部材と、
前記平紐の端を固定可能な保持部材と、を有し、
前記スライド部材および前記保持部材は、
一方には外方に突出し突出端近傍が厚さを有する舌部が設けられ、他方には前記舌部を収容および抜き出し可能な孔が設けられ、
かつ、一方には前記平紐に組み合わされたときの前記平紐の幅方向の両端にそれぞれ案内突起を備え、他方には前記幅方向の両端に前記案内突起を着脱可能に嵌め入れる切り欠きを備えており、
前記舌部を前記孔に入り込ませ、前記案内突起を前記切り欠きに嵌め入れることにより、前記スライド部材および前記保持部材が相手に対する姿勢を維持して連結されるように構成された
ことを特徴とする平紐連結装置。 - 前記スライド部材および前記保持部材は、前記切り欠きを備えるいずれか一方が、前記案内突起を前記切り欠きに嵌め入れるときに前記案内突起を案内する、前記幅方向の外方を向く案内面を有する
請求項1に記載の平紐連結装置。 - 前記スライド部材は、
前記平紐を貫通させたときに、その内部で前記平紐を一旦前記平紐の厚さ方向に曲げた後に曲げた方向とは反対側の前記厚さ方向に前記平紐を曲げるように形成された
請求項1または請求項2に記載の平紐連結装置。 - 前記保持部材は、
断面が幅方向に長い矩形であって一方の開口側の高さが内方に向かうに伴い低くなる平紐保持孔が貫通する第3部品と、
全体として板状であって前記平紐保持孔よりも幅が狭く、前記平紐保持孔に収容可能な第4部品と、で構成され、
前記第3部品は、他方の開口側に前記切り欠きを有し、
前記第4部品は、その表面から突出し先が尖った突起を複数有し、かつ前記一方の開口側から前記平紐保持孔に挿入したとき前記平紐保持孔の高さが不足することにより途中でその移動が制限されるように形成された
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の平紐連結装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の平紐連結装置が一対と、
平紐と、で形成され、
前記一対の平紐連結装置は、
それぞれの前記スライド部材を、前記平紐の一端側および他端側の互いに異なる一方が貫通しており、
それぞれの前記保持部材が、前記平紐の一端および他端の互いに異なる一方に一体化されていることによりストラップの長さが長さ調整可能な
ネックストラップ。
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