JP3193065U - 畜舎 - Google Patents

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JP3193065U
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稔 高柳
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株式会社興和工業
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Abstract

【課題】路上の糞対策を講じることができる牛舎(畜舎)を提供する。
【解決手段】幅員W1で延び作業車11が走行する車路12と、幅員W2で延び家畜が歩行する家畜路13とを舎内に有する畜舎10において、車路12と家畜路13が、交差しており、この交差点21に、家畜が歩行するときには跳ね上げ、作業車11が走行するときには降ろす跳ね橋30が、備えられている。家畜路13上に糞があっても、その上を跳ね橋30が覆う。この跳ね橋30上を作業車11が走行するため、作業車11の車輪11aに糞が付く心配はない。
【選択図】図1

Description

本考案は、乳牛飼育に好適な畜舎に関する。
畜舎の一種である牛舎の構造は種々であるが、多数の乳牛を飼育する飼育舎に、乳牛から搾乳する搾乳舎を併設する構造が知られている(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図7は従来の牛舎の平面図であり、中央に作業用通路101が設けられ、この作業用通路101の両側に飼育スペース102、103が設けられている。乳牛は、毎日朝夕の2回搾乳される。
そのときには、乳牛は連絡通路104を通って、隣の搾乳舎105へ導かれる。搾乳中に、飼育スペース102、103を掃除することができる。
中央の作業用通路101は、行き止まりであるため、後述するミキサー車での給餌は困難である。そこで、猫車と呼ばれる一輪車や、軽量の台車を用いて作業者の手で給餌を行うことになる。しかし、作業者の負担を軽減することが求められる。
そこで、作業者の負担が軽減できることから、給餌作業の機械が進められてきた(例えば、特許文献2(図1)参照。)。
特許文献2を次図に基づいて説明する。
図8は従来の別の牛舎の平面図であり、中央に作業用通路111が設けられ、この作業用通路111の両側に飼料桶112、112が配置され、作業用通路111を走行する飼料混合車(ミキサー車)113で飼料が飼料桶112、112に供給される。ミキサー車113は、トラクタ114で牽引するため、後進は困難である。そこで、ミキサー車113は、第1の扉116を開けて牛舎内へ進入し、給餌後は、他方の第2の扉117を開けて外へ出る。
特許文献1の牛舎に、特許文献2のミキサー車113を導入してなる牛舎の形態を検討する。
図9は従来の更なる別の牛舎の平面図であり、この牛舎120では、ミキサー車121が走行する車路122は、第1の扉123から第2の扉124まで延びている。乳牛は連絡通路125を通って搾乳舎126へ移動するため、家畜路127は、不可避的に車路122と交差する。
乳牛は飼育エリア128はもとより、交差点129を含む家畜路127上にも排泄物(糞尿。以下、単に「糞」と記する。)を落とす。糞をミキサー車121の車輪131が踏むと、糞が車輪131に付着する。衛生管理の観点から、車輪131を頻繁に掃除する必要がある。対策として、ミキサー車121が通るときに交差点129に、ぬかを蒔くことや、絨毯(じゅうたん)を被せることが行われている。しかし、ぬかや絨毯では手間が掛かり、作業者の負担が増す。
よって、交差点における好ましい糞対策が切望されている。
実用新案登録第3127423号公報 特表2001−501836公報
本考案は、作業者の負担を増すことなく、路上の糞に対する対策を講じることができる牛舎(畜舎)を提供することを課題とする。
請求項1に係る考案は、一定の幅員で延び作業車が走行する車路と、所定の幅員で延び家畜が歩行する家畜路とを舎内に有する畜舎において、
前記車路と前記家畜路が、舎内で交差しており、この交差点に、前記家畜が歩行するときには跳ね上げ、前記作業車が走行するときには降ろす跳ね橋が、備えられていることを特徴とする。
請求項2に係る考案では、跳ね橋は、一端がヒンジで床に連結されているブリッジ本体と、建屋の梁に取付けられブリッジ本体の他端を引き上げる引き上げ機構とからなり、ブリッジ本体は、作業車の車輪が接する路面板と、この路面板を受ける補強フレームと、この補強フレームより下へ突出して家畜路に当たる複数個の脚とからなることを特徴とする。
請求項3に係る考案では、路面板の上面から脚の下面までの長さが、100mm〜200mmであることを特徴とする。
請求項4に係る考案では、引き上げ機構は、チェーンと、このチェーンを掛けるチェーンシーブと、このチェーンシーブを回転させる電動モータと、チェーンシーブを制動するブレーキとを備える電動チェーンブロックであることを特徴とする。
請求項5に係る考案では、ブリッジ本体は、2枚で1基の跳ね橋を構成し、縦寸法が車路の幅員に相当し、横寸法が家畜路の幅員の半分に相当する矩形体であることを特徴とする。
請求項6に係る考案では、複数個の電動チェーンブロックは、1個のスイッチボックスで、一括して制御されることを特徴とする。
請求項7に係る考案では、ブリッジ本体は、家畜路を遮る柵を備えていることを特徴とする。
請求項8に係る考案では、作業車は、飼料を運ぶミキサー車であり、家畜は乳牛であることを特徴とする。
請求項1に係る考案では、車路と家畜路とを有する畜舎において、車路と家畜路の交差点に、家畜が歩行するときには跳ね上げ、作業車が走行するときには降ろす跳ね橋が、備えられている。家畜路上に糞があっても、その上を跳ね橋が覆う。この跳ね橋上を作業車が走行するため、作業車の車輪に糞が付く心配はない。
作業者は跳ね橋を上げ下げする作業は行うものの、従来実施していた絨毯を敷いたり、外したりする作業を行う必要がない。よって、本考案によれば、作業者の負担を増すことなく、糞対策を講じることができる畜舎が提供される。
請求項2に係る考案では、跳ね橋は、ブリッジ本体と引き上げ機構とからなり、ブリッジ本体は、路面板と補強フレームと補強フレームより下へ突出して家畜路に当たる複数個の脚とからなる。脚に糞が付くものの、補強フレームや路面板には糞が付かない。すなわち、脚を掃除するだけで済み、掃除が楽である。
請求項3に係る考案では、路面板の上面から脚の下面までの長さが、100mm〜200mmである。交差点において、家畜路が低く、車路が高くなるが、この高低差は100mm〜200mmである。高低差が比較的小さいため、車路にモルタルを盛るなどすれば、既存の畜舎を容易に改造することができる。
請求項4に係る考案では、引き上げ機構は、電動チェーンブロックである。電動チェーンブロックは汎用品であり、安価で容易に入手できる。引き上げ機構が故障や破損した場合に、新品と交換すればよく、畜舎の維持管理が容易となる。
請求項5に係る考案では、ブリッジ本体は、2枚で1基の跳ね橋を構成し、縦寸法が車路の幅員に相当し、横寸法が家畜路の幅員の半分に相当する矩形体である。すなわち、跳ね橋は両開き橋である。ブリッジ本体が半分の大きさになるため、引き上げ機構の巻き量が半減し、引き上げ、引き下げに要する作業時間が短くなる。
請求項6に係る考案では、複数個の電動チェーンブロックを1個のスイッチボックスで、一括して制御することで、作業者の負担が軽減される。
請求項7に係る考案では、ブリッジ本体は、家畜路を遮る柵を備えている。家畜が誤って跳ね橋の路面板に乗る心配がない。
請求項8に係る考案では、作業車は、飼料を運ぶミキサー車であり、家畜は乳牛である。本考案の畜舎は、馬、綿羊、その他の動物の飼育に供することができるが、牛舎に好適である。すなわち、ミキサー車の車輪に糞が付くと、この糞の粉末が搾乳舎に紛れることが心配されるが、本考案によれば、ミキサー車の車輪に糞が付かないため、糞の粉末が搾乳舎に紛れることはない。よって、本考案の畜舎は、牛舎に最適である。
本考案に係る牛舎の平面図である。 図1の2−2矢視図である。 引き上げ手段としての電動チェーンブロックの構成図である。 跳ね橋の作用図である。 本考案の変更例を示す図である。 図5の6−6矢視図である。 従来の牛舎の平面図である。 従来の別の牛舎の平面図である。 従来の更なる別の牛舎の平面図である。
本考案の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
本考案に係る畜舎で飼育する家畜は、牛、馬、綿羊、羊、その他の動物であれば、種類は問わないが、以下の実施例では「乳牛」を例に説明する。畜舎は「牛舎」を例に説明する。
図1に示すように、牛舎10は、一定の幅員W1で延び作業車としてのミキサー車11が走行する車路12と、所定の幅員W2で延び乳牛(図4、符号50)が歩行する家畜路13とを舎内に有する畜舎であり、例えば、車路12の両側に、第1〜第4飼育エリア14〜17を備え、家畜路13の一端は連絡通路18を介して搾乳舎19に繋がっている。
車路12と家畜路13は、舎内で交差しており、この交差点21に、乳牛が歩行するときには跳ね上げ、作業車(ミキサー車11)が走行するときには降ろす跳ね橋30が、備えられている。
図2に示すように、跳ね橋30は、2枚のブリッジ本体31、31と、これらのブリッジ本体31、31を引き上げる引き上げ機構40、40とからなる。
ブリッジ本体31は、ミキサー車11の車輪11aが接する路面板32と、この路面板32を受ける補強フレーム33と、この補強フレーム33より下へ突出して家畜路13に当たる複数個の脚34とからなる。路面板32の上面から脚34の下面までの長さLは、100mm〜200mmである。好ましくは、路面板32に、0.6m×1.9m程度の大きさのスルー開口部(図1、符号36)を設ける。
ブリッジ本体31は、ヒンジ35で床に止められ、中央寄りの一端にチューン41が連結されている。引き上げ機構40は、建屋の梁42に取付けられている。ブリッジ本体の他端を引き上げる引き上げ機構40が、この例では、図面左右及び図面表裏に各々配置された、合計4個からなる。これらの複数個の引き上げ機構40は、1個のスイッチボックス43で一元的に操作(制御)される。
図3に示すように、引き上げ機構40は、チューン41と、このチューン41を掛けるチェーンシーブ44と、このチェーンシーブ44を回転させる電動モータ45と、チェーンシーブ44を制動する電磁ブレーキ46及び機械式ブレーキ47と、制御部48を備える電動チェーンブロックが好適である。
電動チェーンブロックは汎用品であり、安価で容易に入手できる。故障や破損した場合に、新品と交換すればよく、容易に復旧ができる。
図2の形態で、ミキサー車11は、路面板32、32上を、図面左から右へ走行する。脚34だけが家畜路13に当たっている。車重は、複数個の脚34で支持される。
乳牛が飼育エリアから搾乳舎へ移動する、又は、搾乳舎から飼育エリアへ戻る形態を次に説明する。
図4に示すように、引き上げ機構40、40で、ブリッジ本体31、31を立てる。すると、家畜路13が現れる(露出する)。乳牛50は、家畜路13を歩行する。ブリッジ本体31、31が障壁となっているため、乳牛50が、車路12へ進入する心配はない。
家畜路13に糞が落とされる。この糞は脚34に付くことはあっても、補強フレーム33や路面板32には付かない。
なお、必要であれば、作業員は、車路12からスルー開口部(図1、符号36)を通って家畜路13へ出入りすることができる。
次に、牛舎の変更例を説明する。
図5に示すように、路面板32の脇に、柵52、52を設ける。その他は、図1と同じであるため、符号を流用し、説明は省略する。
図6に示すように、柵52は路面板32と共に移動するため、柵52があっても跳ね上げ作業には支障がない。
図5において、柵52があるため、乳牛が家畜路13から路面板32に上がる心配はない。
また、図6において、ブリッジ本体31の高さ寸法(長さL)は100mm〜200mmである。この長さLはそれほど大きくない。
車路12と家畜路13が同じレベルである既存の牛舎の場合、図5にて、車路12にモルタルで長さ(厚さ)Lだけ嵩上げするだけで、本考案の牛舎に改造するが可能となる。
よって、本考案は、新設の牛舎の他、既設の牛舎にも適用できる。
既に述べたように、本考案は、牛舎の他、馬、綿羊、羊、その他の動物を飼育する畜舎に適用できる。ただし、ミキサー車の車輪に糞が付くと、この糞の粉末が搾乳舎に紛れることが心配されるが、本考案によれば、ミキサー車の車輪に糞が付かないため、糞の粉末が搾乳舎に紛れることはない。
また、作業車は、ミキサー車の他、運搬車(クローラ車を含む。)、耕耘機、トラックであってもよく、種類は問わない。
また、引き上げ機構は、電動チェーンブロックの他、手動チェーンブロック、チューンをワイヤに代えた電動ウインチであってもよく、種類は任意である。
本考案は、牛舎に好適である。
10…畜舎(牛舎)、11…作業車(ミキサー車)、11a…車輪、12…車路、13…家畜路、21…交差点、30…跳ね橋、31…ブリッジ本体、32…路面板、33…補強フレーム、34…脚、35…ヒンジ、36…スルー開口部、40…引き上げ機構(電動チェーンブロック)、41…チェーン、43…スイッチボックス、44…チェーンシーブ、45…電動モータ、46…電磁ブレーキ、47…機械式ブレーキ、50…乳牛、52…柵、L…路面板の上面から脚の下面までの長さ(ブリッジ本体の厚さ)、W1…車路の幅員、W2…家畜路の幅員。

Claims (8)

  1. 一定の幅員で延び作業車が走行する車路と、所定の幅員で延び家畜が歩行する家畜路とを舎内に有する畜舎において、
    前記車路と前記家畜路が、舎内で交差しており、
    この交差点に、前記家畜が歩行するときには跳ね上げ、前記作業車が走行するときには降ろす跳ね橋が、備えられていることを特徴とする畜舎。
  2. 前記跳ね橋は、一端がヒンジで床に連結されているブリッジ本体と、建屋の梁に取付けられ前記ブリッジ本体の他端を引き上げる引き上げ機構とからなり、
    前記ブリッジ本体は、前記作業車の車輪が接する路面板と、この路面板を受ける補強フレームと、この補強フレームより下へ突出して前記家畜路に当たる複数個の脚とからなることを特徴とする請求項1記載の畜舎。
  3. 前記路面板の上面から前記脚の下面までの長さが、100mm〜200mmであることを特徴とする請求項2記載の畜舎。
  4. 前記引き上げ機構は、チェーンと、このチェーンを掛けるチェーンシーブと、このチェーンシーブを回転させる電動モータと、前記チェーンシーブを制動するブレーキとを備える電動チェーンブロックであることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の畜舎。
  5. 前記ブリッジ本体は、2枚で1基の跳ね橋を構成し、縦寸法が前記車路の幅員に相当し、横寸法が前記家畜路の幅員の半分に相当する矩形体であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の畜舎。
  6. 複数個の前記電動チェーンブロックは、1個のスイッチボックスで、一括して制御されることを特徴とする請求項4記載の畜舎。
  7. 前記ブリッジ本体は、前記家畜路を遮る柵を備えていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項記載の畜舎。
  8. 前記作業車は、飼料を運ぶミキサー車であり、前記家畜は乳牛であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の畜舎。
JP2014003544U 2014-07-03 畜舎 Expired - Lifetime JP3193065U (ja)

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