JP3191641B2 - スライム成長モニター - Google Patents
スライム成長モニターInfo
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Description
白水系や工業用冷却水系において、スライム成長量をバ
イパス経路で連続測定する装置に関するものであり、こ
れを利用して実系のスライムコントロール効果を予測し
たり、評価する、あるいはこれを実系の環境条件を反映
したモデル水系として運転し、実系で最適な処理方法を
試験検討することが可能なスライム成長モニターに関す
る。
るが、水中、および原料中の栄養源を利用してスライム
が発生し、それが脱落すると断紙を生じて抄紙機の運転
が停止し、生産効率を低下させたり、製品である紙、板
紙に斑点を生じて商品価値を著しく低下させるなどの障
害をもたらす。また、各種工場の循環冷却水系において
も水中の不純有機物を栄養源としてスライムが発生し、
熱交換効率を低下させたり、冷却塔に損傷を生じるなど
の障害をもたらす。
イムコントロール剤を用水に添加してスライムの発生を
防止する処置が講じられているが、スライムコントロー
ルの効果は実系の運転が停止した際に内部を観察して主
観的に判断するしか方法がなく、系を連続運転中にも任
意の時、または経時的に、定量的な測定を行って随時適
当なスライムコントロール管理ができるようにすること
が望まれている。
ール効果は水系に含まれる栄養源、pH、温度などさま
ざまな環境条件によって影響されるから、最適のスライ
ムコントロール方法は系によって異なる。一方、スライ
ムコントロールは抄紙機のようなプロセス工程や、冷却
水系のようにプロセスと密接な関係がある系で行われる
ことが多いから、処理の失敗は重大な被害をもたらし、
実系で試行錯誤を繰り返すことが困難である。そこで、
実系の各種条件を忠実に反映したモデル水系で最適処理
方法を実験したいという要望がある。
めの試験器として、図2に示すように、静止した外部シ
リンダ1と、回転する内部シリンダ2からなるスライム
付着試験器がある。
間に試料水を連続供給すると、内部シリンダ表面に生物
膜(スライム)が増殖・付着する。この内部シリンダ2
の回転軸3にトルクメータを取り付け、生物膜付着量に
応じて増加するトルクをトルクトランスジューサーを介
して記録することにより、生物膜成長量を連続記録する
(例えば W.G.Characklis : EPRI CS-1554 Research Pr
oject 902-1, Final Rep., 1980 Biofilm Development
and Destruction.) 。
部シリンダ2を回転させるためのトルクが増大するの
で、このトルク(又はそれに対応する物理量、例えばモ
ータ通電電流値など)を計測することにより、スライム
付着量を検出できる。
着試験器を冷却水系、紙パルプ工業抄紙機の白水系にお
けるスライムモニターに転用することを試みた。懸濁物
質が少ない冷却水系に短期間適用した場合は、時折ゴミ
がポンプを詰まらせたり、ゴミが回転軸に巻き付いて付
着量測定を妨害することがあった程度であるが、製紙抄
紙機の白水系のように懸濁物質濃度が高い水系に適用し
た場合、 ポンプ(羽根、逆止弁など)、バルブ、流量計な
ど、各部において閉塞事故が多発する、 ポンプなどを介して空気泡を巻き込んだ水をシリン
ダ部分に送ると、既に付着成長していたスライムを物理
的衝撃によって破壊され、大部分が脱落することがあ
る、 部分的閉塞によって塊になったり、綿状に成長した
付着物が剥離し、シリンダー内に運ばれると既に付着成
長しているスライムを物理的に脱落させるなどの事故が
続き、長期間の連続測定をすることができなかった。
い水系でも、長期間の連続測定をすれば、同様のトラブ
ルが生じる恐れがある。
転する内部シリンダからなるスライム付着試験器に実水
系の水を連続供給し、内部シリンダ表面に増殖、付着し
た生物膜(スライム)量をトルクメータで測定する方法
は、懸濁物質、沈降性粒子、水中空気泡などによるトラ
ブルのため、長期連続測定が困難である。
白水のように懸濁物質や沈降性粒子が多い水系のスライ
ムモニターとして利用することができるスライム付着試
験器を備えたスライム成長モニターを提供することを目
的とする。
モニターは、静止した外部シリンダと、該外部シリンダ
内に同軸的に設置された内部シリンダとを有するスライ
ム付着試験器を備え、該外部シリンダと内部シリンダと
の間に試料水を流通させると共に該内部シリンダを回転
させ、該内部シリンダの表面にスライムを成長させるよ
うにしたスライム成長モニターにおいて、測定しようと
する水系からの水を粒子除去機構及び水中気泡除去機構
の少なくとも一方よりなる前処理機構を通した後、前記
スライム付着試験器に導くようにしたことを特徴とする
ものである。
懸濁粒子、沈降性粒子などの粒子あるいは水中空気泡が
除去されてからスライム付着試験器に導入されるため、
上記〜の課題が解決され、長期間連続してスライム
成長をモニターすることができる。
項1において、前記前処理機構によって処理した水を一
旦受け入れるタンクが設けられ、該タンク内の水を前記
スライム付着試験器に通し、このスライム付着試験器を
通過した水を再び該タンクに戻すようにしたことを特徴
とするものである。
ンクが設けられているため、実水系の運転が停止して
も、スライム成長モニターを直ちに停止する必要がな
く、短時間の停止であるならばそのままスライム成長モ
ニターによる測定を継続できる。
項1又は2において、前記内部シリンダの駆動トルク又
は該駆動トルクに対応した物理量を検出するための検出
手段が設けられると共に、この検出手段の検出値が所定
値以上になった場合にスライムコントロール剤の注入を
強化させる信号を出力する制御信号出力手段が設けられ
ていることを特徴とする。
出されたスライム成長状況に基づいて直ちにスライムコ
ントロール剤の注入を制御できる。
成長モニターの系統図であり、実水系からの水は懸濁物
質除去装置4及び沈降性粒子除去装置5を経てタンク
(中間タンク)6へ導入される。この中間タンク6には
オーバーフロー機構が設けられており、過剰量の水はオ
ーバーフロー機構を介して系外へ排出される。
によって水中気泡除去装置7に送られ、この水中気泡除
去装置7を通った後、スライム付着試験器8に送られ
る。このスライム付着試験器8は図2に示した構成のも
のであり、水は外部シリンダ1の底部の流入口1aから
外部シリンダ1と内部シリンダ2との間に流入し、溢流
部1bからオーバーフローし、流出口1cから流出す
る。この流出水は循環配管9を介して中間タンク6に戻
される。
クメータ10が連結されており、このトルクメータ10
の検出値はコントローラを兼ねるマイクロコンピュータ
11及び記録計12に入力される。このトルク検出値が
所定値以上になると、スライムコントロールを強化する
信号が出力される。
物質や沈降性粒子を含む実系水を連続通水しながら、長
期間にわたり安定してスライム成長を連続自動記録する
ために、手間がかからない連続運転式の懸濁物質、およ
び沈降性微粒子除去機構をシステムとして組み込むよう
にしたものである。
は、高濃度に存在したり、凝集フロックとして内部シリ
ンダに入ると、それが既に成長しているスライム付着面
に衝突し、その物理的衝撃によってスライムが脱落する
が、それが低濃度で、しかもフロックではない場合、ス
ライムを脱落させないことが判明した。図1のスライム
成長モニターでは、懸濁物質及び沈降性粒子を除去装置
4,5で除去しているため、スライム脱落がなく、長期
間連続測定できる。なお、除去装置4,5は、懸濁物質
や沈降性粒子を完全に除去する必要はなく、ポンプ、バ
ルブ、流量計内部などを閉塞させない程度に除去するも
のであればよい。
降性粒子の大部分を除去しても、スライム自体の成長速
度は全く低下しないことが認められ、長期間連続して、
しかも、高精度にてスライム成長をモニターできること
が確認された。
置としては、除去率の面からは濾過装置や凝集沈澱装置
などが優れているが、これらは運転管理を密にしなくて
はならないから、人手をかけない長期連続測定には不向
きである。本発明では、懸濁物質除去装置としては、測
定しようとする水系試料水から繊維状懸濁物質を連続的
に除去する目の細かいスクリーン(傾斜スクリーン、あ
るいは回転スクリーンなど)が好ましい。この目の細か
いスクリーンを採用することにより、測定妨害を防止す
ると共に、ゴミ、繊維などのスライム以外の付着物によ
る測定誤差を防止し、長期間運転が可能になる。
ンが目詰まりして、徐々に処理水量が低下してくること
がある。したがって、時々スクリーンの清掃は必要であ
るが、測定に必要な水量はわずかであり、大きめの処理
装置を付すことにより清掃回数を数日間隔にすることが
できる。
り、測定しようとする水系試料水から装置に沈降堆積す
る危険性のある沈降性粒子を沈降除去すると共に、この
沈降性粒子除去装置に、測定装置運転中の任意の時に堆
積粒子を除去できる機構を付すことにより、長期間運転
が可能となる。この沈降性粒子除去装置としては、いか
なる形式の除去装置でも適用可能であるが、横流沈澱池
形式のように長時間手間をかけなくてもすむような除去
装置が好ましい。
懸濁物質除去装置4及び沈降性粒子除去装置5を通った
水を一旦中間タンク6に受け、そこから循環ポンプによ
って水中気泡除去装置7を介してスライム付着試験器8
へ送り、オーバー水を中間タンクへ戻すようにしている
ため、実水系が突如停止し、試料水の送液が止まって
も、測定を中止しなくて済む(もし、この中間タンク6
がない状態で、実水系の停止により原水ポンプが空運転
の状態となり空気だけが導かれると、エアーチャンバー
だけでは気泡を除去できず、空気の剥離作用によってそ
れまでに成長していたスライムが一気に脱落し、その後
の測定ができなくなる場合がある。なお、短時間の運転
停止は実水系において度々行われるのが通常であ
る。)。
スライムコントロール剤が短時間添加方式で間欠注入さ
れている場合、スライム成長モニター全体の滞留時間が
大きいと、実水系とモニター内のスライム成長面におけ
るスライムコントロール剤の接触濃度と接触時間に差が
生じ、処理効果に違いができる恐れがある。しかし、こ
のような場合も中間タンク容量を小さくして、スライム
成長モニター全体の滞留時間を数分間以内に設定すれば
実用上の問題はなくなる。
実水系から多量の空気を含む試料水が送られてきても、
この中間タンク6で大部分の気泡が散逸するので、水中
気泡除去装置7による気泡除去と相俟って、スライム付
着試験器8への悪影響を確実になくすことが可能とな
る。
バ等を用いることができる。なお、気泡はポンプにおい
ても水中に混入する場合があるので、図1のスライム成
長モニターのように、水中気泡除去装置7は、ポンプと
スライム付着試験器8との間に設けるのが好ましい。
めに、定期観察時にバルブを開いても良く、また、自動
空気抜き弁を設け、タイマーによって定期的に開弁させ
て空気抜きするようにしても良い。
くするための検討を種々行った結果、トルクメータ10
として、回転粘度計に使用されているブルックフィール
ド式トルクメータが良いことが分かった。測定条件を選
べば、機械式トルクメータより薄いスライム(20μm
が限界:文献12)までを測定でき、測定装置を小型化
できる。
シリンダ2と外部シリンダ1のクリアランスが十分にあ
る場合、トルク及びトルクによるスライム測定感度には
次式が成立することがわかった。
リンダーサイズはこの式を利用して任意に選定すること
ができる。ブルックフィールド式トルクメータは測定感
度がよく、小さいトルク変化を検出できるから、内部シ
リンダ径の小さい測定装置を製作可能である。
柔らかく、わずかの衝撃で剥離するから測定のバラツキ
は大きくなる。また、逆に周速が大きいと、表面の剪断
力によってスライムは連続的に剥離し、成長速度が小さ
くなる。したがって、周速は適当な範囲を選ぶことが好
ましく、内部シリンダの周速を30〜200cm/秒と
なるよう、回転数調節するのが好ましい。
式トルクメータのような高いトルク測定機器を採用する
ことが可能である。小型化を必要としない場合は、採用
できるトルクメータは、それに見合うシリンダーを使用
さえすれば如何なる方式のものでもよい。
界点が異なるけれども、外部シリンダと内部シリンダの
クリアランスをある程度以上に小さくしたり、大きくす
ると、測定感度は増大する傾向がある。また、外部シリ
ンダの内側に邪魔板を設けると、測定感度を上昇させる
ことができる。したがって、測定感度がよく、かつ小型
化する方法としては、ブルックフィールド式トルクメー
タを採用する方法、あるいは外部シリンダのクリアラン
スを大きくしたり、あるいは逆に小さくした上、邪魔板
を設ける方法、および両者を併用する方法がある。実際
の装置製作においては測定目的に応じて任意の条件を選
べばよい。
ステムに組み立てることによって、手間をかけずに連続
自動記録が可能で、実用性ある長期間測定可能なスライ
ムモニターが提供される。
スライム成長曲線) 図1のスライム成長モニターにおいて、スライム付着試
験器8として、直径36mmの回転する内部シリンダ2
(SUS304製ローター)と内径100mmの静止し
た外部シリンダ1(容積488ml)からなる図2の構
成のものを用いた。内部シリンダ2の回転軸にはブルッ
クフィールド式トルクメータ(東機産業株式会社製回転
粘度計RE500H型を使用)を取り付け、コントロー
ラーを介して運転期間中のトルクを1時間毎に自動記録
した。回転数は255rpmとし、シリンダー部全体は
恒温水槽に浸し、温度を30℃に保った。
トン1部、酵母エキス1部、食塩0.5部からなり、B
OD 30ppmとなるよう脱塩素厚木市水道水で調製
した。
なるように一過式で連続通水した場合、内部シリンダ表
面に均一な厚さのスライムが成長した。この時のトルク
増加曲線を図3に示す。
トルクを増加させる因子はないから、図示したスムース
なトルク増加はスライム成長を示している。即ち、トル
ク測定によってスライム成長が連続測定できる。
ルクとスライム量との関係) 実施例1と同様な実験を繰り返し、トルク増加の各段階
で運転を止め、内部シリンダの表面に成長したスライム
を掻き落とした。掻き落としたスライム懸濁液は目盛り
付き遠沈管に移し、4,000rpmで15分間遠心分
離し、沈降容積としてスライム容積を測定した。スライ
ム厚さは「スライム容積/シリンダーの表面積」を計算
して求めた。
スライム厚さの関係は図4の通りであった。
スライム成長曲線の比較) 実施例2の実験において、送液ポンプが老朽化し、供給
する培地溶液に気泡が混入した場合、異常なトルク増加
の乱れが生じることが観察された。そこで、供給する培
地通水ラインに空気をペリスタポンプで混入させた場合
(0.6ml/分)とさせない場合のスライム成長、お
よびトルク増加観察した。この時のトルク増加経過の一
例を図5に示す。
よって回転しながらやがて水面上に発散するが、それま
での間にシリンダー表面のスライムに衝突する場合があ
る。この時、既に付着していたスライムを剥離すること
があり、それがトルク変化として測定されることが判明
した。
はスライム成長量の測定を妨害することが分かった。
に設置し、培地溶液の代わりに白水を連続通水した。こ
こではシリンダー部を恒温水槽に浸すことをしないかわ
り、送液量を増加させ滞留時間を5分間にした。
リックポンプ)に白水中のパルプ繊維が詰まり、極端に
流量が低下したり、通水が停ったりするトラブルが続発
した。また、詰まりかかったパルプの塊がシリンダー内
に送られると、気泡における場合と同様に既に付着して
いたスライムを剥離することがあった。
を除去する装置を組み込むことにした。
クリーン(振動子付き)を用いると逆洗などの手間をか
けなくても自動的に大型の懸濁物質を除去でき、装置の
閉塞事故も生じないことが分かった。
部シリンダ表面へのスライム成長による増加トルク測定
例を図6に示す。また同時に測定した白水、および処理
白水の水質分析結果を表1に示す。懸濁物質の除去率が
高いわけではなく、粒子の粒径測定値に認められるほど
の差はないのに、分析では表れない大型粒子が除かれる
ために目詰りしなくなったものと思われる。
切行わなかった。この結果、傾斜スクリーンの処理水量
は、運転開始時の15リットル/分から5日間後の試験
終了時は7.6リットル/分まで低下したけれども、処
理能力には余裕が残っていた。
物量とトルク測定値の関係) 白水ピットの壁面にスライムが成長している、紙コップ
原紙抄造のあるマシンにおいて比較試験をした。ここで
通水する白水は白水ピットからポンプで連続的に汲みだ
し、200メッシュの傾斜スクリーンと横流沈澱池から
なる懸濁物質、および沈降性粒子除去装置を通した白水
を容量1リットルの中間タンクに受け、そこから定量ポ
ンプでエアーチャンバーを通じてトルク測定用シリンダ
ー部分に給液した。内部シリンダの直径は36mm、外
部シリンダの直径は100mm(容積488ml)で、
ここを通過した水は中間タンクに戻すフローにした。通
液量は300ml/分で滞留時間はおよそ5分間とし
た。
し、常に水没し、かつ均一にスライムが付着するタイル
製壁面を捜して、面積900cm2 の枠を線引きし、入
念に表面を洗浄した。その後マシンが運転され、次のマ
シン停止の時、線引きした範囲内に成長、付着したスラ
イムを採取した。
60cm/秒であった。
始と共に測定を開始し、次のマシン停止まで連続的に測
定した。測定に採用した回転数は255rpmである。
測定終了後、内部シリンダ表面に成長したスライムを同
様に採取した、。採取したマシン、およびスライムモニ
ターのスライムは4,000rpmで遠心分離後の沈降
容積を求め、各採取場所の表面積で割って平均スライム
厚さを求めた。試験期間中の白水温度、およびシリンダ
ー内の温度は24〜26℃の範囲内にあった。
期間中連続測定したスライムモニターのトルク値、試験
終了後に測定したスライムモニターのスライム厚さ、マ
シン白水ピットで測定したスライム厚さをまとめて図7
に示す。
ライムモニターの流速条件と多少相違がある可能性を考
慮すると、スライムモニターによるスライム成長は、実
マシンのスライム成長を忠実に反映しているものと判断
される。
時のスライム挙動変化の解析への応用例) 実施例1の装置、および実験条件を用い、通水する培地
溶液に一定時間、一定濃度のスライムコントロール剤を
注入した場合のスライムの挙動変化を測定した例を示
す。
6ppmとなるように代表的なスライムコントロール剤
の素材成分であるDBNPA(2,2−ジブロモ−3−
ニトリロプロピオンアミド)を2時間添加した場合の結
果を示す。まず、スライムモニターは培地溶液だけで稼
働し、スライムを成長させた。およそ20μmの厚さに
なった時点で、DBNPA 6ppmを含む培地通水に
変え、2時間後再び培地だけの溶液を通水した。
結果で、DBNPA添加と同時にスライムは厚さを減少
し始め、注入を停止した後もおよそ1時間は厚さの減少
傾向が続いた。その後スライムはDBNPA添加前とほ
ぼ同じ速度で厚さを増していった様子が読み取れる。
ようにスライムコントロール剤添加時のスライム厚さの
挙動を追跡することができ、直接付着スライムを試料と
してスライムコントロール剤の効力、間欠添加の方法な
どを詳細に試験検討することができるものである。
と、次の効果が奏される。
子などが除去されるため、製紙工場の白水系のように高
濃度のこれら物質を含む水系においても長時間の自動運
転が可能で、測定に手間を取られることが少なくなる。
また、水中空気泡によるスライム剥離を防止できるの
で、測定の失敗を大幅に減少できる。したがって、白水
系、工業用冷却水系などあらゆる水系でのスライム成長
をも長期間にわたりリアルタイムでモニタリングするこ
とが可能になる。
イム成長を長期間、連続的に自動記録しつつモニタリン
グできる。したがって、スライム成長からトラブル発生
を予知し、適切な処置を高じることが可能となる。さら
に、何らかの対策を講じた場合、その効果をもスライム
成長速度の変化として直ちに判断することも可能とな
り、適切なスライムコントロール剤注入管理が可能とな
る。
物を採取して検鏡するなどの操作ができず、測定を中断
しない限りスライムなのか、スライム以外の付着物(ス
ケールなど)なのか判明しなかった(したがって、スラ
イムコントロール方法の改善が必要が否かの判断が困
難)が、本発明のモニターによると、付着物の状況を肉
眼で観察することはもちろん、任意の時に一部を採取し
て検鏡することも可能である。
録できることと、任意の時に成長したスライムを観察
し、スライムであることを確認できる本機の特徴が重要
な役割を果たしている。
ーターに取り込むことができる。取り込んだデータを処
理する技術は既にあり、したがって、公知の簡単なプロ
グラムを作成するだけで、必要に応じスライムの成長が
設定した値を超えた時点で、スライムコントロールの方
法を予め決めておいた方法に切り替えるなどの自動管理
することが容易になる。
ール剤の効果は、わずかの環境要因の変化などによって
急変する場合があるが、本発明品はその兆候を早めにキ
ャッチし、人手をかけなくても予め決めておいた対策へ
自動的に変更できる。
フィールド式トルクメータを採用し、それに見合った内
部シリンダ径、回転速度、クリアランス、邪魔板付き外
部シリンダなどの条件を設定することにより、測定装置
を小型化することが可能になる。また、測定感度を上昇
させることも同時に可能であるから、目的に応じた大き
さと測定範囲の装置を自在に製作可能となる。
によって、通常の実水系で度々発生する突然の運転停止
時にもスライム成長測定を中断されることが解消され
る。
実験水系としても利用できる。実系の滞留時間、流速条
件だけを現場条件に合致させれば、他の条件は実水系と
同じなので、現場試験に替わって各種の最適化検討が可
能である。実系で処理効果が悪い恐れのある処理方法を
試験することは危険であるが、本発明のモニターをバイ
パスラインに取り付ければ、如何なる試験でも可能であ
る。
含まない水系であっても、長期間にわたって測定する場
合には、製紙工業に限らず、広くこの測定装置が利用で
きる。
Claims (3)
- 【請求項1】 静止した外部シリンダと、該外部シリン
ダ内に同軸的に設置された内部シリンダとを有するスラ
イム付着試験器を備え、該外部シリンダと内部シリンダ
との間に試料水を流通させると共に該内部シリンダを回
転させ、該内部シリンダの表面にスライムを成長させる
ようにしたスライム成長モニターにおいて、 測定しようとする水系からの水を粒子除去機構及び水中
気泡除去機構の少なくとも一方よりなる前処理機構を通
した後、前記スライム付着試験器に導くようにしたこと
を特徴とするスライム成長モニター。 - 【請求項2】 請求項1において、前記前処理機構によ
って処理した水を一旦受け入れるタンクが設けられ、 該タンク内の水を前記スライム付着試験器に通し、この
スライム付着試験器を通過した水を再び該タンクに戻す
ようにしたことを特徴とするスライム成長モニター。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、前記内部シリ
ンダの駆動トルク又は該駆動トルクに対応した物理量を
検出するための検出手段が設けられると共に、この検出
手段の検出値が所定値以上になった場合にスライムコン
トロール剤の注入を強化させる信号を出力する制御信号
出力手段が設けられていることを特徴とするスライム成
長モニター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23679395A JP3191641B2 (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | スライム成長モニター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23679395A JP3191641B2 (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | スライム成長モニター |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0975065A JPH0975065A (ja) | 1997-03-25 |
JP3191641B2 true JP3191641B2 (ja) | 2001-07-23 |
Family
ID=17005881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23679395A Expired - Lifetime JP3191641B2 (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | スライム成長モニター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3191641B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4775268B2 (ja) * | 2007-01-10 | 2011-09-21 | 栗田工業株式会社 | 澱粉を用いる紙の製造方法 |
-
1995
- 1995-09-14 JP JP23679395A patent/JP3191641B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0975065A (ja) | 1997-03-25 |
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