JP3191295U - 電流センサー - Google Patents

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Abstract

【課題】監視対象の電気回路に流れる過電流、特に誘導雷サージを検出し、ON/OFFの電気信号に変換して出力する電流センサーを提供する。
【解決手段】ケース2内部に、監視対象回路に流れる過電流及び異常電流を小電流に変換する電流トランス3と、小電流をON/OFFからなる電気信号に変換して出力するサージ変換回路4を備える構成とした。また、サージ変換回路は、ツェナーダイオード11、整流用ダイオード13、コンデンサ12、可変抵抗器14、及びフォトカプラ15とからなる構成とした。
【選択図】図2

Description

本考案は、監視対象の電気回路に流れる過電流、特に誘導雷サージを検出し、ON/OFFの電気信号に変換して出力する電流センサーに関するものである。
従来から、電子機器や電子回路に流れる過電流あるいは異常電流を感知・検出する装置が存在する。
例えば、過電流が電子回路に流れた回数を計測する機器として、サージ計数機器(40)が挙げられる。これは図6に示すように、保護対象となる機器や避雷器(6)の接地端子に取り付けられるアース線にサージ計数機器を取り付けるものであり、アース線に過電流が発生した際に、その発生回数を計測するものである。
また、雷サージが発生し、電源線や電気回路に雷サージが侵入した場合に、設置機器が雷サージにより破壊されないよう、雷サージを誘導し、大地に放電させるなどして設置機器を保護する避雷器(サージ防護デバイス)がある(例えば特開2006−50810)。
特開2006−50810
しかし、従来のサージ計数機器やその他の過電流を感知・検出し、その結果を表示する装置、あるいはサージ防護デバイスは、一つの機器の中に過電流を検出する部品を組み込んでいた。
そのため、機器ごとに過電流検出機構を備えていなければならず、各機器専用の過電流検出機構を設計の上、機器の製造を行っていたため過電流検出機構の機器単位での設計及び製造に多大な費用がかかっていた。
また、過電流を監視する機器には計数機器の他にも、監視対象機器に発生した故障などのイベントを記録するロガーや、無人施設におかれる監視対象機器に設置されるテレメータなど様々なものがある。監視し保護する必要がある機器に設置される監視機器を別の物に取り替える場合、例えば計数器からロガーに取り替える場合など、設置回路から既存の監視機器を取り外し、別の監視機器を設置する必要があり、この作業には大変な手間がかかっていた。
また、一つの機器の中に、過電流検出機構、結果表示機構、電源等様々な機構を配置する必要があり、機器が巨大になったり重くなったりするといった問題が生じていた。
また、計数器メーカーやロガーメーカー、テレメーターメーカーは複数存在するものの、いずれも過電流の中でも特に雷サージに関する知識に乏しく、雷サージを検出するサージ計数器やサージロガーは主に避雷器メーカーが製作していた。そのため、避雷器メーカーが製作したサージ計数器やサージロガーは雷サージ用途に特化した製品となってしまい、身近にある(あるいは使い慣れた)計数器やロガー、テレメータなどを雷サージ用に利用することができなかった。
本願考案に係る電流センサーは、上記従来技術の問題点を鑑みて考案したものである。
前記の課題を解決するために、本考案に係る電流センサーは、ケース内部に、監視対象回路に流れる過電流及び異常電流を小電流に変換する電流トランスと、該小電流をON/OFFからなる電気信号に変換して出力するサージ変換回路を備えており、かつ、電源を備えておらず、サージ変換回路は、ツェナーダイオード、整流用ダイオード、コンデンサ、可変抵抗器、及びフォトカプラからなることを要旨とする。
また、本考案に係る電流センサーは前記構成において、電流トランスにより変換された小電流をさらに、ツェナーダイオードにより過電圧を制限する手段と、整流用ダイオードにより交流電流を直流電流へと変換する手段と、コンデンサにより電圧を平滑化する手段と、可変抵抗器によりON信号を出力する電流の閾値を5アンペアから50アンペアの範囲で設定する手段と、フォトカプラにより電流を電気信号に変換し出力する手段とを備えたことを要旨とする。
また、本考案に係る電流センサーは前記構成においてさらに、可変抵抗器とフォトカプラとの間にさらにロジックIC、及び電源を備え、電流を幅のあるパルス信号に変換する手段を設け、フォトカプラにより小電流を電気信号に変換することを可能としたことを要旨とする。
また、本考案に係る電流センサーは前記構成においてさらに、ケースは回路等収納部と蓋部とからなり、回路等収納部の一端を軸に蓋部は回動し、監視対象回路を挟み込み、回路等収納部と蓋部とを掛止具により掛止可能としたことを要旨とする。
また、本考案に係る電流センサーは前記構成においてさらに、出力端子にコネクタが設けられ、出力先に、汎用カウンタ、多段搭載型カウンタユニット、多チャンネルカウンタ、テレメータ、ロガーから選ばれる一つ又は複数の機器を該コネクタに接続することを要旨とする。
本願考案に係る電流センサーは単体で過電流の検出及び検出信号の発信を行うものであり、検出機能を省いた計数機器やその他の過電流監視機器を外部接続して用いるものである。
これにより、サージ計数機器や監視機器から過電流検出機構を省くことができ、それらの機器の小型化及び軽量化が可能となる。
また、電流センサーは種々の外部機器に接続可能なため、監視対象の電気回路等に本願考案に係る電流センサーを取り付けておけば、必要に応じて適宜外部機器を容易に交換することが可能となる。
また、サージ計数機器や監視機器などの機器から過電流検出機構を省くことができ、各機器専用の過電流検出機構を設計の上、機器の製造を行う必要がなくなり、機器単位で過電流検出機構を設計製造する費用が抑えられる。
特に、避雷器メーカーが製造するサージ計数器やサージロガーなどを購入し使用しなくとも、本願考案に係る電流センサーを監視対象の回路や電線などに設置し、電流センサーの出力先に一般の計数器やロガー、テレメータなどを取り付けることで、一般の計数器やロガー、テレメータなどをサージ監視検出目的で用いることができる。これにより、需要者にとって高価なサージ計数器やサージロガーを購入する必要がなくなりコストダウンを図ることができる上、使い慣れた一般の計数器やロガー、テレメータなどをそのまま利用できるため、別途操作方法などを覚える必要がなくなり利便性が向上する。
また、電流センサーは一端が3cmから6cm程度の直方体であり、非常にコンパクトな形となっており、設置場所をとらずにすむ。さらに、電流センサーは一端を軸に二つに分割されるようになっており、実際に監視対象となる回路や電線に設置する際は、電流センサーで回路や電線を挟みこむだけで容易に設置することができる。
実施例1に係る電流センサーの概略図である。 実施例1に係る電流センサーの内部構造図である。 実施例1に係る電流センサーの回路図である。 実施例1に係る電流センサーの外観図である。 実施例2に係る電流センサーの使用態様を示す図である。 従来技術に係るサージ計数機器の概略図である。
本願考案に係る電流センサーは、主に、樹脂製のケースと、ケース内に設けられる電流トランス(計器用変流器・CT)及びサージ変換回路からなる。
樹脂製のケースは、電流トランスやサージ変換回路などが収納できればどのようなものでもよい。樹脂は熱可塑性樹脂でも熱硬化性でもよく、例えば汎用プラスチック、エンジニアリング・プラスチックなどの熱硬化性樹脂を用いることが考えられる。
電流トランスは、電流センサーを設置する電力回路や電気回路に流れる電流を検出及び小電流に変換することができれば、どのようなものを用いてもよい。電流変成器、計器用変流器、CT(カレントトランス)などが含まれる。
サージ変換回路は、電流トランスにより検出及び変換された小電流をON/OFF信号に変換するためのものである。一例としてサージ変換回路はダイオード、ボリューム、コンデンサ、可変抵抗器、フォトカプラ、からなり、検出された交流電流をダイオードにより直流電流に変換し、ボリュームとコンデンサにより電圧の平滑化を行う。
これにより安定化した直流電流によりフォトカプラ内の発光ダイオードを発光させ、フォトカプラ内のトランジスタをONにして小電流をON/OFF信号に変換する。
なお、フォトカプラではなくトランジスタのみを用いることもできる。
また、本願考案に係る電流センサーでは、センサー内を通過する電流エネルギーにより発光ダイオードを発光させるため、電池などの電源は不要である。
なお、上記構成に加えて、可変抵抗器とフォトカプラとの間にロジックICを組み込んでもよい。ロジックICを用いることで、信号の立上がりや立下りを利用して電流を幅のあるパルス信号に変換することができ、フォトカプラにおいて更に小電流を高い精度でON/OFF信号に変換することができる。
サージ変換回路にロジックICを用いる場合は電源が必要となるが、この場合は電流センサー内に電池を組み込む、あるいは出力先の機器やその他の電源から電源ラインを電流センサー内に引き込めるようにして、電力を供給できる構成とすればよい。
以下、本考案に係る電流センサーの好ましい第1の実施形態について、図1から図4を参照して説明する。図1は本実施例に係る電流センサーの概略図であり、図2は内部構造図であり、図3は回路図であり、図4は外観図である。
本実施例に係る電流センサー(1)は、図1に示すとおり、主にケース(2)、コア(42)と検出コイル(34)とからなる電流トランス(3)及びサージ変換回路(4)とからなる。また、電流センサーに接続する監視機器として、計数機器(5)を用いている。
電流センサー(1)のケース(2)は、図4に示すように、全体として直方体の形状をしている。主にケースは二つの部品が組み合わされて形成されており、電流トランスやサージ変換回路を収納している回路等収納部(6)と、該回路等収納部に対して一端を軸にして所定方向に回動自在に取り付けられる蓋部(7)とからなる。
回路等収納部と蓋部との間には中空部(8)が設けられており、ここに監視対象の回路や電線を挿入する。
蓋部は一端を軸に回動自在であり、かつ回路等収納部と接触する他端には掛止具(9)が設けられている。そのため実際には既存の電線に対して、蓋部を回動させて電線を中空部に通して挟み、あとは蓋部を戻して掛止具で蓋部を回路等収納部に掛止すれば、容易に電線等を中空部に通すことができる。
なお、ケース(2)のサイズは任意であるが、本実施例のケースは図4において、縦幅(H)が42mm〜64mm、横幅(T)が28mm〜45mm、厚さ(W)が28mm〜37mmである。また、中空部(8)の孔径は10mm〜24mmである。ここから分かるとおり、非常にコンパクトな作りになっている。
コア(42)と検出コイル(34)とからなる電流トランス(3)は、電流センサー(1)を設置する回路に流れる交流の大電流を小電流に変換するものである。一般に電流変成器あるいはカレントトランスなどとも呼ばれる。
クランプメータ(架線電流計)のように、監視対象の回路に挟むだけで交流の大電流を検出し、小電流に変換される。
検出コイル(34)により検出され変換された小電流は、サージ変換回路(4)を通過して、ON/OFF信号に変換されて出力される。
サージ変換回路(4)は図2に示すとおり、主にツェナーダイオード(11)、コンデンサ(12)、ダイオード(13)、可変抵抗器(14)及びフォトカプラ(15)からなる。
ツェナーダイオード(11)は降伏電圧が大幅に低くなるように設計されており、過電圧を制限し、一定電圧に保つ目的で利用される。
コンデンサ(12)には、いわゆる平滑コンデンサが用いられる。平滑コンデンサでは電圧が所定値を超えるまではコンデンサが充電され、逆に電圧が所定値を下回るとコンデンサは放電する。これにより、電圧の平滑化を図ることができる。
ダイオード(13)には、いわゆる整流用ダイオードが用いられる。これにより、交流電流を直流電流へと変換する。
可変抵抗器(14)は所定の電気抵抗値を得る目的で用いられる電子部品であり、一般に電流を制限する場合や電圧を分圧する場合に用いられるが、本実施例に係る電流センサー(1)では、所定の過電流が通過したときにON出力を行うように調整するために使用される。
可変抵抗器のボリュームを調整することで、検出する電流の値(閾値)を設定あるいは変更することができる。どのような閾値を有する可変抵抗器を使うかは任意であるが、一般的な過電流やサージを検出する目的で利用する場合は、5アンペアから50アンペアの範囲(例えば5アンペア、10アンペア、20アンペア、50アンペア)で値を設定できる可変抵抗器を用いることが好ましい。
フォトカプラ(15)は発光素子に発光ダイオードを使用したもの、及び受光素子にトランジスタを使用したものを用いている。フォトカプラに入力された電気信号により発光ダイオードが点灯し、これによる光信号をトランジスタで受光して電気信号へと変換し、電気信号(ON信号)を出力する。
また、図2に示すように、ケース(2)内において、電流トランスのコア(42)とサージ変換回路(4)との間には絶縁シート(41)を挟んでいる。これはコアと回路基板との間の絶縁を保つためである。電流センサーを設置しようとする電線が裸線の場合などに顕著となるが、電流トランスのコアと回路基板との間で通電が起きると、サージ変換回路(4)において電流が安定せず、サージ電流のON/OFF信号への変換が正常に行われない。そのため、コアと回路基板との間に絶縁シートを挟み、絶縁を保っているのである。
なお、フォトカプラ(15)も絶縁体で覆われているため、フォトカプラ単体でも絶縁機能が働いており、二重に絶縁する仕組みを導入している。
次に、図2及び図3を用いて、実際に本実施例に係る電流センサー(1)による過電流検出プロセスを説明する。図2では、被保護機器(17)を保護するために、被保護機器への電源ライン(18)に避雷器(16)を設置しており、避雷器からアース極(19)へ通じるアース線(20)に電流センサー(1)を設置している。
また、電源ラインに雷サージによる過電流が流れた事例を想定している。
図2に示すように、電源ライン(18)に雷サージが流れると、避雷器(16)により雷サージの流れがバイパスされ、アース極(19)へと誘導される。
電流センサー(1)では検出コイル(34)が雷サージを検出し、信号用の小電流へと変換する。そしてツェナーダイオード(11)により過電圧を制限する。この段階では図3に示すとおり、サージ電流波形はプラス側とマイナス側に振幅している。
次にダイオード(13)により交流電流を直流電流へと変換し、コンデンサ(12)により電圧の平滑化を行う。これによりサージ電流波形はプラス側にほぼ横ばいとなる。
そして可変抵抗器(14)により所定の雷サージ電流が通過したときに、ONとなる信号を出力するように調整がなされる。この信号はフォトカプラ(15)を通して、最終的にON信号として電流センサー(1)の出力端子(21a、21b)から出力される。
本実施例では図1に示すように、電流センサー(1)の出力先には、コネクタ(22)を介して計数機器(5)の入力端子に接続されている。計数機器側では、入力端子から入力されるON信号を受信する度にカウンタの値を1ずつ増加させて表示することで、雷サージ電流の発生回数を確認することが可能となる。
また、雷サージ電流の発生回数を確認することで、避雷器に流れた雷サージの回数を知ることができる。これにより、避雷器が受けた損傷(ダメージ)を把握でき、避雷器の寿命の判断が可能となる。また、回線を確かに保護できていることが確認できる。
さらに、例えば図2のように避雷器(16)を通して被保護機器(17)を設置しており、何らかの理由で被保護機器が故障したとする。この場合、例えば物損による保険請求のため、被保護機器の故障原因を証明することが必要になることがある。
ここで、本願考案に係る電流センサー(1)を介して、センサーが反応した日時を記録できる計数機器(5)やロガーなどを作動させていれば、被保護機器が故障したおおよその日時に、電流センサーに過電流が流れたかどうか計数機器やロガーを通して調べることができる。もし被保護機器が故障した日時に計数機器やロガーが過電流を検知していれば、被保護機器の故障原因が雷サージなどの過電流によるものであることが容易に証明できる。
以下、本考案に係る電流センサーの好ましい第2の実施形態について、図5(a)〜(e)を参照して説明する。図5(a)は電流センサーに汎用カウンタを接続した使用態様を示す参考図、図5(b)は電流センサーに3段搭載型カウンタユニットを接続した使用態様を示す参考図、図5(c)は電流センサーに多チャンネルカウンタ(8chカウンタ)を接続した使用態様を示す参考図、図5(d)は電流センサーにテレメータを接続した使用態様を示す参考図、図5(e)は電流センサーにロガーを接続した使用態様を示す参考図である。
本実施例で用いる電流センサーは、実施例1で説明した電流センサーと同じものである。本願考案に係る電流センサーは、雷サージなどによる過電流を検出・変換し、最終的にON信号として出力することができる。実施例1では計数機器に接続した例を説明したが、その他、過電流を検出・変換する機構を省略した種々の機器に接続することができる。本実施例ではそのいくつかの例を図面を参照しながら示す。
図5(a)は電流センサー(1)の信号出力先に汎用カウンタ(31)を接続した使用態様を示している。実施例1では計数機器を接続した例を示したが、計数機器以外にも、過電流や異常電流をカウントする種々のカウンタを接続することができる。
これにより、監視対象の回路や電線に過電流又は異常電流が流れた回数をカウンタに表示させ、目視で確認することができる。
図5(b)は電流センサー(32a、32b、32c)の信号出力先に3段搭載型カウンタユニットを接続した使用態様を示している。ここでは電流センサーを監視対象のアース線(20)に3個取り付けており、それぞれの出力端子に汎用カウンタ(33a、33b、33c)を取り付けている。
電流センサーはそれぞれ、出力信号を発生させる検出電流の閾値を異なるものとしている。具体的には、電流センサーA(32a)は20アンペア以上の電流を検出した際に、ON信号を出力し、電流センサーB(32b)は10アンペア以上の電流を検出した際に、ON信号を出力し、電流センサーC(32c)は5アンペア以上の電流を検出した際に、ON信号を出力する。
これに対応して、カウンタ側では、電流センサーAに接続されるカウンタA(33a)ではアース線に20アンペア以上の電流が流れた場合にカウントを行い、電流センサーBに接続されるカウンタB(33b)ではアース線に10アンペア以上の電流が流れた場合にカウントを行い、電流センサーCに接続されるカウンタC(33c)ではアース線に5アンペア以上の電流が流れた場合にカウントを行う。
以上の仕組みにより、監視対象のアース線(20)に、何アンペアの電流が何回流れたのか、電流の大きさごとにその回数を確認することが可能となる。
図5(c)は電流センサー(1)の信号出力先に多チャンネルカウンタ(35)(本実施例では8チャンネルカウンタ)を接続した使用態様を示している。
建物や電気工作物によっては、電源、電話回線、LAN回線など複数の回線に避雷器などのサージ防護デバイスを取り付けることがある。このような場合、各避雷器から延伸されるアース線(20)に本願考案に係る電流センサーを取り付け、さらに各電流センサーの出力信号を多チャンネルカウンタに入力させることで、過電流が流れた回線を把握することが可能となる。
例えば、電源、電話回線、LAN回線に避雷器を取り付け、それぞれのアース線に電流センサーを設置する。そして各電流センサーの信号出力先を多チャンネルカウンタにする。この場合、電源に取り付けた避雷器に過電流が流れると、その避雷器のアース線に設置した電流センサーが過電流を検出し、多チャンネルカウンタに対してON信号を送信する。多チャンネルカウンタ側ではこのON信号を受信して、該電流センサーに対応したカウンタを増加させる。これにより、電源に取り付けた避雷器に過電流が流れたことが分かり、電源回路に過電流が流れたことが分かる。
図5(d)は電流センサー(1)の信号出力先にテレメータ(36)を接続した使用態様を示している。テレメータは一般に遠隔地の電気回路あるいは機械器具等の状況を監視又は記録等をするために用いられる機器である。
無人施設の保護対象回路などに電流センサー(1)を設置し、電流センサーの信号出力先にテレメータを接続しておくことで、回路に過電流が流れた場合に電流センサーが過電流を検出し、テレメータにON信号を送信する。
その後、テレメータはモデム(37)を介して電話回線(38)等により外部の有人監視室などに異常を知らせる。これにより有人監視室において、無人施設の所定回路に過電流が流れたことを把握することができる。その後、無人施設の回路を遮断するなど種々の保護措置をとればよい。
図5(e)は電流センサー(1)の信号出力先にロガー(39)を接続した使用態様を示している。一般にロガーにはイベント記録表示機能が備わっており、所定の形式で電流センサーに生じたイベントを記録することができる。
例えば、電流センサーから送信されたON信号をロガーが受信した場合、信号を受信した日時を記録することが考えられる。このようにすると、監視回路に過電流が生じた回数だけでなく、過電流が生じ、それを電流センサーが感知した日時まで記録として残すことができる。
もし機器が故障した場合、機器が故障した日時と、ロガーに記録された、回路に過電流が流れた日時とを比較することで、機器の故障が過電流によるものなのかそうでないのか、原因の特定に役立てることが可能となる。
なお、上記各実施形態の記述は本考案をこれに限定するものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更等が可能である。
1 電流センサー
2 ケース
3 電流トランス
4 サージ変換回路
5 計数機器
6 避雷器
7 蓋部
8 中空部
11 ツェナーダイオード
12 コンデンサ
13 ダイオード
14 可変抵抗器
15 フォトカプラ
16 避雷器
17 被保護機器
18 電源ライン
19 アース極
20 アース線
21(a)(b) 出力端子
22 コネクタ
31 汎用カウンタ
32(a)電流センサーA
32(b)電流センサーB
32(c)電流センサーC
33(a)カウンタA
33(b)カウンタB
33(c)カウンタC
34 検出コイル
35 多チャンネルカウンタ
36 テレメータ
37 モデム
38 電話回線
39 ロガー
40 サージ計数機器
41 絶縁シート
42 電流トランスのコア

しかし、従来のサージ計数機器やその他の過電流を感知・検出し、その結果を表示する装置、あるいはサージ防護デバイスは、一つの機器の中に過電流を検出する部品を組み込んでいた。
そのため、機器ごとに過電流検出機構を備えていなければならず、各機器専用の過電流検出機構を設計の上、機器の製造を行っていたため過電流検出機構の機器単位での設計及び製造に多大な費用がかかっていた。
また、過電流を監視する機器には計数機器の他にも、監視対象機器に発生した故障などのイベントを記録する記録器や、無人施設におかれる監視対象機器に設置されるテレメータなど様々なものがある。監視し保護する必要がある機器に設置される監視機器を別の物に取り替える場合、例えば計数器から記録器に取り替える場合など、設置回路から既存の監視機器を取り外し、別の監視機器を設置する必要があり、この作業には大変な手間がかかっていた。
また、一つの機器の中に、過電流検出機構、結果表示機構、電源等様々な機構を配置する必要があり、機器が巨大になったり重くなったりするといった問題が生じていた。
また、計数器メーカーや記録器メーカー、テレメーターメーカーは複数存在するものの、いずれも過電流の中でも特に雷サージに関する知識に乏しく、雷サージを検出するサージ計数器やサージ記録器は主に避雷器メーカーが製作していた。そのため、避雷器メーカーが製作したサージ計数器やサージ記録器は雷サージ用途に特化した製品となってしまい、身近にある(あるいは使い慣れた)計数器や記録器、テレメータなどを雷サージ用に利用することができなかった。
また、本考案に係る電流センサーは前記構成においてさらに、出力端子にコネクタが設けられ、出力先に、汎用カウンタ、多段搭載型カウンタユニット、多チャンネルカウンタ、テレメータ、記録器から選ばれる一つ又は複数の機器を該コネクタに接続することを要旨とする。
また、サージ計数機器や監視機器などの機器から過電流検出機構を省くことができ、各機器専用の過電流検出機構を設計の上、機器の製造を行う必要がなくなり、機器単位で過電流検出機構を設計製造する費用が抑えられる。
特に、避雷器メーカーが製造するサージ計数器やサージ記録器などを購入し使用しなくとも、本願考案に係る電流センサーを監視対象の回路や電線などに設置し、電流センサーの出力先に一般の計数器や記録器、テレメータなどを取り付けることで、一般の計数器や記録器、テレメータなどをサージ監視検出目的で用いることができる。これにより、需要者にとって高価なサージ計数器やサージ記録器を購入する必要がなくなりコストダウンを図ることができる上、使い慣れた一般の計数器や記録器、テレメータなどをそのまま利用できるため、別途操作方法などを覚える必要がなくなり利便性が向上する。

さらに、例えば図2のように避雷器(16)を通して被保護機器(17)を設置しており、何らかの理由で被保護機器が故障したとする。この場合、例えば物損による保険請求のため、被保護機器の故障原因を証明することが必要になることがある。
ここで、本願考案に係る電流センサー(1)を介して、センサーが反応した日時を記録できる計数機器(5)や記録器などを作動させていれば、被保護機器が故障したおおよその日時に、電流センサーに過電流が流れたかどうか計数機器や記録器を通して調べることができる。もし被保護機器が故障した日時に計数機器や記録器が過電流を検知していれば、被保護機器の故障原因が雷サージなどの過電流によるものであることが容易に証明できる。
以下、本考案に係る電流センサーの好ましい第2の実施形態について、図5(a)〜(e)を参照して説明する。図5(a)は電流センサーに汎用カウンタを接続した使用態様を示す参考図、図5(b)は電流センサーに3段搭載型カウンタユニットを接続した使用態様を示す参考図、図5(c)は電流センサーに多チャンネルカウンタ(8chカウンタ)を接続した使用態様を示す参考図、図5(d)は電流センサーにテレメータを接続した使用態様を示す参考図、図5(e)は電流センサーに記録器を接続した使用態様を示す参考図である。
図5(e)は電流センサー(1)の信号出力先に記録器(39)を接続した使用態様を示している。一般に記録器にはイベント記録表示機能が備わっており、所定の形式で電流センサーに生じたイベントを記録することができる。
例えば、電流センサーから送信されたON信号を記録器が受信した場合、信号を受信した日時を記録することが考えられる。このようにすると、監視回路に過電流が生じた回数だけでなく、過電流が生じ、それを電流センサーが感知した日時まで記録として残すことができる。
もし機器が故障した場合、機器が故障した日時と、記録器に記録された、回路に過電流が流れた日時とを比較することで、機器の故障が過電流によるものなのかそうでないのか、原因の特定に役立てることが可能となる。
1 電流センサー
2 ケース
3 電流トランス
4 サージ変換回路
5 計数機器
6 避雷器
7 蓋部
8 中空部
11 ツェナーダイオード
12 コンデンサ
13 ダイオード
14 可変抵抗器
15 フォトカプラ
16 避雷器
17 被保護機器
18 電源ライン
19 アース極
20 アース線
21(a)(b) 出力端子
22 コネクタ
31 汎用カウンタ
32(a)電流センサーA
32(b)電流センサーB
32(c)電流センサーC
33(a)カウンタA
33(b)カウンタB
33(c)カウンタC
34 検出コイル
35 多チャンネルカウンタ
36 テレメータ
37 モデム
38 電話回線
39 記録器
40 サージ計数機器
41 絶縁シート
42 電流トランスのコア

Claims (5)

  1. ケース内部に、監視対象回路に流れる過電流及び異常電流を小電流に変換する電流トランスと、該小電流をON/OFFからなる電気信号に変換して出力するサージ変換回路を備えており、かつ、電源を備えておらず、
    サージ変換回路は、ツェナーダイオード、整流用ダイオード、コンデンサ、可変抵抗器、及びフォトカプラからなることを特徴とする電流センサー。
  2. 電流トランスにより変換された小電流をさらに、
    ツェナーダイオードにより過電圧を制限する手段と、
    整流用ダイオードにより交流電流を直流電流へと変換する手段と、
    コンデンサにより電圧を平滑化する手段と、
    可変抵抗器によりON信号を出力する電流の閾値を5アンペアから50アンペアの範囲で設定する手段と、
    フォトカプラにより電流を電気信号に変換し出力する手段とを備えたことを特徴とする、請求項1に記載の電流センサー。
  3. 可変抵抗器とフォトカプラとの間にさらにロジックIC、及び電源を備え、
    電流を幅のあるパルス信号に変換する手段を設け、フォトカプラにより小電流を電気信号に変換することを可能としたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の電流センサー。
  4. ケースは回路等収納部と蓋部とからなり、回路等収納部の一端を軸に蓋部は回動し、監視対象回路を挟み込み、回路等収納部と蓋部とを掛止具により掛止可能としたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の電流センサー。
  5. 出力端子にコネクタが設けられ、
    出力先に、汎用カウンタ、多段搭載型カウンタユニット、多チャンネルカウンタ、テレメータ、ロガーから選ばれる一つ又は複数の機器を該コネクタに接続することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の電流センサー。
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