JP3190917U - 紙布 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来破棄されていた使用済漆漉し紙を緯糸とする紙布であって、廃棄物の再利用を図ると共に、美観と耐久性にも優れ、従来にない独特の風合いと美観を備えた紙布を提供する。【解決手段】手織り織布の緯糸としてリボン状に裁断した使用済の漆漉し紙を長手方向に連接した紙片を用いている。製織に際しては、経糸開口4に紙片3bを、先に織り込まれている紙片3aの折り返し端に端部の白地の部分を重ね合わせるように、挿入して筬打ちをし、織布の縁からはみ出している紙片3bを折り返して経糸開口4内に挿通し、その折り返し端の白地の部分と次の紙片の白地の部分とが重なるように次の紙片を連接した状態で経糸開口内に挿通し、筬打ちをする。上記の操作を継続することによって、所望幅の紙布を織ってゆく。織り組織は綾織りが好ましい。【選択図】図3

Description

この考案は、緯糸に紙を用いた織布(紙布)に関するもので、細く裁断した使用済漆漉し紙を緯糸とする紙布に関するものである。
漆器の塗料として用いる天然漆の製造工程において、炭、べんがら、胡粉などの着色材と混合した漆の樹液を漆漉し紙と呼ばれる紙で漉す(濾過する)操作が行われている。この濾過操作は、漉し紙の上に漆を垂らし、この漆を包み込むように漉し紙を折り曲げて両端を捩ることにより、包み込んだ漆を漉し紙を通して絞り出すというものである。漉し紙としては、従来和紙が用いられていたが、最近は天然のパルプを原料とした機械抄きの紙も用いられている。
このような濾過操作の結果として使用済漉し紙は、図1に示すように、その中央の部分22には漆が付着し、その両側の捩るときに掴む部分21は、漆が付着していない白地の部分となっている。漆の濾過操作は、例えば山中塗りでは3回行っており、1回目の濾過に使用した漉し紙は、不均一に漉し滓が付着した状態となっているが、2回目、3回目の濾過に使用した漉し紙は、その中央部に比較的均一に漆が付着した状態となっている。使用済の漉し紙は、再利用することができないので、そのまま破棄されていた。
本願の考案者は、永年手織りの指導を行ってきたところ、使用済の漆漉し紙がそのまま廃棄されていることを知り、漉し紙の紙としての品質及び使用済漉し紙に付着している漆の塗料としての品質に着目し、漆漉し紙を用いて装飾性が高く、かつ耐久性にも優れた紙布が得られるのではないかという着想を得、種々の試行錯誤の結果、本願考案を完成させた。
すなわち、本願考案は、従来破棄されていた使用済漆漉し紙を紙布の材料として用いることにより、廃棄物の再利用を図ると共に、美観と耐久性にも優れ、従来にない独特の風合いを備えた紙布を得ることを課題としている。得られた紙布は、コースターや小物入れなどの日用品、壁掛けなどの室内装飾品として用いることができるものである。
この考案では、リボン状に裁断した使用済漆漉し紙を手織物の緯糸として使用することにより、漆漉し紙2を再利用している。また、この考案では、裁断した漆漉し紙のリボン状の紙片3を経糸開口4に挿入して筬打ちする際、筬打ち動作でリボン状の使用済漆漉し紙がリボンの幅方向に押し潰されて不規則に折畳まれた状態となることを利用して、得られる紙布1に独特の風合いを付与している。
裁断した所定長さLのリボン状の紙片3は、その長さ中間部までを経糸開口4に差し込んで筬打ちをし、その後、残りの部分を折り返して経糸開口4内に挿入し、折り返した紙片3a、3bの端の部分に次の紙片3b、3cの端を連接して筬打ちをし、連接した紙片3b、3cを織り幅の縁でまた折り返して次の紙片を連接するという操作を繰り返すことで、この考案の紙布1が得られる。
漆漉し紙を裁断して緯糸用の紙片3とするとき、リボン状の紙片の両端に漆が付着していない白地の部分21が残る方向で漉し紙2を裁断し、かつ緯入れするときに長手方向に連接する紙片相互を端の白地部分21を重ね合わせた状態で連接してゆくと、緯糸に付着している漆の色の中に横方向の短い白模様がランダムに織模様として現れることから、得られる織布に独特の美観を与えることができる。なお、両端の白い部分を切り取って織れば、このような織り模様のない紙布が得られる。
緯糸とする漉し紙の裁断幅は、3〜8mm、特に5mm程度が適当である。前述したように、裁断した紙片は、筬打ち動作によりリボン幅方向に押し潰された状態で織り込まれる。紙片の幅が広すぎると、押し潰された状態の紙片が嵩張って得られる紙布が硬く荒れた感じとなり、美観及び風合いが悪くなる。一方、細いとボリューム感がなくなり、経糸との関係で、使用済漆漉し紙を使用したことによる独特の風合いが現れにくくなる。幅5mm程度に裁断した漆漉し紙を緯糸とすると、適度な剛性を持った使用済漆漉し紙を使用したことによる独特の美観と風合いを備えた紙布が得られる。
この美観と風合いを損なわずに紙布に柔軟性を付与したいときは、経糸として用いた糸と同様な植物性天然繊維の糸であって、経糸より細い糸を漆漉し紙の緯糸と交互に、あるいは2本おきなどにして、緯入れすると良い。
手織物は、製品の大きさに合せた大きさで織る。例えばコースターにするならコースターの大きさに、壁掛けにするなら壁掛けの大きさに織り、袋にするのであれば、2つ折りにしたときに袋の大きさになる大きさに織る。このようにして織った織布の縦方向の端の部分には、すなわち織り始めと終りの部分には、経糸と同材質で、それより細い糸を緯糸とした織組織の部分を設けておくことにより、織布の縦方向の端部の処理を従来と同様な方法で行うことができる。
経糸5としては、各種の糸を用いることが可能であるが、植物性の天然繊維である麻や綿が漆漉し紙の材質感と合致する素朴な風合いを紙布に付与するのに好適である。経糸の太さは、60番手の糸を2〜5本撚り合わせた糸を用いるのが良い。
織組織としては、種々の組織が可能であるが、平織りとした場合、強度はあるが、平坦な感じで風合いが少し劣る。2越の綾織や3越程度が適しており、越数がこれより多くなると、布の表面に長い緯糸が織り込まれない状態で出て来るため、強度の点で問題が生ずる。経糸との関係で表面に出て来る織模様や耐久性、風合い等の関係で、綾織が最も優れている。また、紗や絽などで知られるような経糸を絡ませて織る捩織(もじりおり)とすることで、強度に優れかつ通常の平織や綾織では得られない特有の風合い及び美観を備えた紙布を得ることもできる。
この考案により、従来廃棄されていた使用済み漆漉し紙を再利用することができ、従来廃棄されていた使用済み漆漉し紙を用いて、独特の美観と風合いを備え、強度にも優れた、従って日用品や装飾品などの種々の用途に利用できる紙布が得られる。
得られる紙布の色は、漉し紙に付着している漆の色と経糸の色とによって決まる。漆が付着している部分は、漆によって紙の強度が上り、撥水性も付与され腰も強くなっている。両端の白い部分は、漆が付いた部分より薄く柔らかいので、その部分を重ねるようにして緯糸を繋いでゆくと、全体の強度や厚みが一定して、しかもランダムな横縞模様が現れるため、優れたデザインの織物が得られる。
得られた布の用途としては、コースター、テーブルランナー、ブックカバー、札入れ、名刺入れ、お数珠入れ、眼鏡ケースなどの小物入れ、バッグ、タペストリー(壁掛け)などが考えられる。タペストリーなどにするときは、漆の漉し滓がむらになって付いている一枚目の漉し紙を使って織れば、特有の風合いのものが得られる。小物入れとしては、例えば眼鏡入れやお数珠入れが考えられ、これらの場合には、出し入れ時の滑りを良くするための内袋を設けのが好ましい。
漉し紙は漆によって耐水性や強度が付与されているので、数回程度洗濯しても問題はない。漆は水を弾くので、それなりの耐水性も備えている。リボン状の紙片に裁断した漉し紙は、撚ったりしないでそのままの状態で緯入れすることにより、得られる布の質感が優れ、強度も優れている。緯糸として漉し紙の他に細い糸を入れることで、柔らかい布地が得られ、種々の用途に対応できる。細い緯糸を使うことで、漆漉し紙による独特の美観や風合いが損なわれることもない。
使用済漆漉し紙の模式的な平面図 漉し紙を裁断した紙片を示す図 製織中の状態を示す第1の図 製織中の状態を示す第2の図 得られた紙布の一例を示す図 得られた紙布で製作した眼鏡ケースの模式的な平面図 図6のA−A線の模式的な断面図
以下、図面を参照して、この考案について更に説明する。図1は、使用済の漆漉し紙の例を示す図で、矩形の漆漉し紙に包み込んだ漆液をねじって絞り出すときに両手で把持する両側の部分21、21を残して中央の大部分22に漆が付着している。この使用済漆漉し紙2に付着した漆を乾燥した後、白地部分21、21が両端部となる方向に裁断して、両端が白地で中央の大部分に漆が付着しているリボン状の紙片3を得る。
こうして得られたリボン状の紙片3を緯糸として手織り織機で紙布を織る。製織に際しては、図3、4に示すように、経糸開口4に紙片3(3b)を、先に織り込まれている紙片3(3a)の折り返し端に端部の白地の部分21を重ね合わせるように、挿入して筬打ちをし、織布の縁からはみ出している紙片3bを折り返して経糸開口4内に挿通し、その折り返し端の白地の部分21と次の紙片3(3c)の白地の部分21とが重なるように次の紙片3cを連接した状態で経糸開口内に挿通し、筬打ちをする。上記の操作を継続することによって、所望幅の紙布を織ってゆく。
図の実施例では、経糸5として60番手の木綿糸を4本撚り合わせた240番手の木綿糸を用いており、緯糸として紙片3を挿通して製織するのに先立ち、60番手2本撚りの木綿糸を緯糸として複数回緯入れを行い、織り始めの部分11を製織している。図の例では、この織り始めの部分と図示していない織り終りの部分とを平織とし、緯糸として紙片3を用いる部分は綾織としている。
織布の一方の縁で折り返した紙片の先端が織布の反対側の縁に突出したときは、その突出部を再び折り返して次の経糸開口内に挿入する。また、織布の幅Wが紙片の長さLより広い場合で、先の紙片の先端に連接した次の紙片の反対側の端部が織布の縁から突出しないときは、更に次の紙片を連接して筬打ちを行う。
図5は、上記のようにして織られた織布の一例を示した図である。織布の織り始めと織り終りの部分11は、60番4本撚りの木綿の経糸と、60番2本撚りの木綿の緯糸との交織組織であり、中央の部分12は、使用済漆漉し紙の紙糸を緯糸として織った部分である。図示されていないが、中央の紙布の部分12には、緯糸の漆の付いていない白地の部分がランダムに現れて織模様を形成している。両端の13で示したものは、経糸の端部で形成された房である。
図6は、上記のようにして製織した紙布を2つ折りにして眼鏡ケースとした例を示す平面図、図7は、図6のA−A線断面図である。この場合の紙布1は、織り始めと織り終りの緯糸が木綿糸である領域11、11を狭くした織布を、その中央で二つ折りにしてその織り終りの部分(織り始めの部分でもよい)と二つ折りにした先端辺の部分14とを縫着して矩形の袋を形成している。この紙布の袋の内側にこれより若干小さい寸法に形成した革の内袋6を両者の入口部分の辺を縫着することにより取り付けている。このような構造とすることにより、外側はこの考案の紙布の風合いが生かされ、紙布が持つ硬さによって袋、特に袋口の偏平状態が保持され、袋の内面は眼鏡の出し入れがしやすい滑らかな面となった眼鏡ケースが得られる。
上記の実施例では、使用済漆漉し紙を裁断した紙片の両端の白地の部分21を残したまま緯糸として使用したが、この白地の部分を切除して緯糸とすれば、前述した白地の織模様を有しない紙布が得られる。
1 紙布
2 漆漉し紙
3 漆漉し紙を裁断した紙片(紙糸)
4 経糸開口
5 経糸
21 白地の部分

Claims (4)

  1. 緯糸としてリボン状に裁断した使用済の漆漉し紙を長手方向に連接した紙糸が用いられ、当該紙糸は、前記リボン状の漆漉し紙が筬打ち動作によってリボン幅方向に押し潰されて不規則に細く折畳まれた状態で織り込まれていることを特徴とする、紙布。
  2. 両端に漆が付着していない白地の部分を備える方向に使用済漆漉し紙を裁断してなるリボン状の紙片が、隣接する紙片相互の端の白地部分を繋ぎ合わせた状態で連接され、織り幅の縁で折り返された状態で織り込まれていることを特徴とする、請求項1記載の紙布。
  3. 経糸を植物性天然繊維とした綾織組織の布であることを特徴とする、請求項1又は2記載の紙布。
  4. 請求項1、2又は3記載の紙布の経方向両端部に、当該紙布の経糸と同材質の緯糸とを交織した織組織を備えた紙布。
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