JP3190277U - 血漿採集装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠心方式で血液分離を操作する血漿採集装置を提供する。【解決手段】順に第一チューブ体部10、チューブネック部30、第二チューブ体部50が形成されているチューブ体を備える。前記第一チューブ体は第一開口101と外フランジ部とを備え、第二チューブ体は第二開口を備える。チューブネック部30は第一チューブ体10と第二チューブ体50に接続する。さらに前記第一開口から前記第一チューブ体部のチャンバに設置される内嵌合部203と、前記内嵌合部の外縁に環状に設置され、前記外フランジ部と接触する外環部201とを有して前記第一開口を遮蔽する蓋体20と、前記第二チューブ体のチャンバ内に設置され、前記第二開口を遮蔽するためのピストン40と、前記ピストンに対応して前記第二チューブ体部に設けられ、軸方向に沿ってスライドしてピストン40と抵触して該ピストンを駆動してスライドさせることで、血液分離の位置を調整し、特定の血液層をはっきりさせる。【選択図】図2B

Description

本考案は、チューブ体構造に関し、特に遠心分離チューブ体構造であって使用者が全血サンプルを血液分離層に遠心分離した後、特定の血漿層を採取しやすいチューブ体構造に関する。
血液組成分の分離は、医療行為においてはごく普遍的な作業であり、通常は遠心分離法により採取する。伝統的には、直接採血により取得した周辺血液が「全血」であり、赤血球、血清、血漿と多くの生物化学分子を含み、異なる成分はそれぞれ異なる医療用途を有する。
一般に、取得した患者の血液は抗凝固剤により処理された後、遠心分離方法により血液を比重に応じて分離させ、上層の血漿と下層の赤血球の沈殿が顕かに観察できる。また血漿と赤血球との間にある特殊な血漿層の組成を「バフィーコート(buffy coat)」といい、上記の上層の血漿と下層の赤血球の沈殿が占める体積と比較すると、バッフィーコートが占める体積は非常に小さく、血液体積全体のわずか1%程度であるため、分離後の血液中において薄膜状を呈している。
バフィーコートは高濃度の血小板、リンパ球、成長因子及び少量の幹細胞を豊富に含んでいるため、このバフィーコートはよく「高濃度血小板血漿(platelet rich plasma; 以下PRPという) 」とも言われる。
PRP中の血小板は適切な刺激を受けると、豊富な且つ多元的な成長因子を分泌し、バイオケミカルメカニズムの起動に対応して細胞の増生、移動、分化及びコラーゲンタンパク質合成など多種にわたる生理修復メカニズムを引き起こす。他方で、バフィーコートは少量で貴重な成体幹細胞、造血幹細胞(hematopoietic stem cells)及び間葉幹細胞(mesenchymal stem cells)も含んでおり、且つ上記血小板と成長因子の雰囲気下で、幹細胞を活性化した後に組織の修復に関与しこれを促進する。
PRPの組織修復促進機能は広く研究されており、臨床医療上に応用されている。主に、歯科治療、骨科治療、眼科治療、関節炎治療、整形医療、美容医療など傷口の治癒促進や組織修復の用途で用いられ、非常に応用価値のあるものである。
目下、バフィーコート採取に用いられる方法は、やはり試験管採取が主である。然しながら、血液が遠心分離された後は、薄い層のバフィーコートのみが得られ、また通常血液を分離する遠心分離管若しくは採血管は全体の内径が同じであるものが多く、薄層状のバフィーコートを判別しにくく、血漿層と赤血球層との間から判別してバフィーコートを分離しにくい。更に、薄層状のバフィーコートは血漿層と赤血球層との間にあるので、操作上中に深く挿入して採取する必要があり、操作効率がよく無い、などいずれも操作者はバフィーコートを採取しにくかった。
このほか、安全上の理由から、バフィーコートの分離操作は原則無菌操作で行なう必要があるため、従来の遠心分離管の上蓋で開口を密封するもの、特に螺旋蓋や嵌蓋などを使用する。然しながら、バフィーコートの分離操作には例えば、採血により取得した周辺血液を遠心分離管へ移す、上層の血漿層をまず取り除く、そして薄層状のバフィーコートを後続の使用に供する、など多項にわたる「液移動」の工程が必要である。従って、従来の遠心分離管の上蓋は操作上不便であり、さらに操作が妥当でない場合には、検体の汚染など重大な問題を生じる可能性もある。
上記の問題や欠点を解決すべく、バフィーコートを精確に判別、取得でき、操作が簡便な装置を提供することが、この分野における当業者の目的である。
上記の現在の課題と要求に対し、本考案の主な目的は血液分離に用いる遠心分離管装置であって、遠心方式で血液分離を操作する装置を提供することである。
本考案の別の目的は、次のような血漿採集装置を提供することである。
特殊な構造設計である遠心分離管装置であって、該チューブ体のチャンバにまず血液を収納し、遠心分離処理により血液を分層する。遠心管装置において、チューブ体の中段にネック型設計を設け、チューブ体内に設けたピストンと押圧バーの作動に合わせて、使用者の需要に応じて血漿層、バフィーコート、赤血球層をチューブ体の特定位置に調整することで、血液を遠心分離した後の層をより顕かにし、特定の血液成分を分離、収集する。また、本考案は特にバフィーコートの採取に適する。
本考案のまた別の目的は、該遠心管装置を赤血球の含有量が低すぎるか高すぎるかの判定にも用いることである。
本考案の更に別の目的は、次のような血漿採集装置を提供することである。
これまでの血液分層方法に関する装置は、通常特定の遠心分離機を使用する必要があり、また時間やコストがかかる工程によりPRPを取得していた。本考案の血漿採集装置は、通常よく使われる遠心分離管の構造に改良を加え、広く多数の遠心分離設備に適用できる。従って、一回(通常約10分の)遠心分離をするだけで、後続に特殊な構造設計をもつ血漿採集装置と合わせて簡易な操作を行なえば、容易にバフィーコートを収集することができ、更に有効に純化したPRPを採集することができる。
本考案のまた別の目的は、次のような血漿採集装置を提供することである。
該遠心管装置に設けた蓋体に弾性体を採用し、内側から嵌込む形でチューブ体一端の開口に設置して、遮蔽及び密封の効果を達成する。また、この蓋体には弾性体を使用しているので、注射針で貫通させることができ、使用者の操作過程において針先を繰返しチューブ体に進入させて液体の排除又は吸引を行なうことができ、このような設計により、使用者は頻繁に蓋体を開けることなく液体移動をすることができ、操作の便利性、安全性の向上、及び検体の汚染などのリスクを排除する効果が達成できる。
本考案は、上記の目的を達成するための血漿採集装置であって、軸方向に沿って順に、第一チューブ体部、チューブネック部、第二チューブ体部を形成し、且つ前記第一チューブ体部の軸方向に沿った辺端部に第一開口及び外フランジ部を形成し、前記第二チューブ体部の軸方向に沿った辺端部に第二開口を形成し、前記チューブネック部が前記第一チューブ体部と第二チューブ体部を連結し、且つチューブネック部の平均内径がチューブ体の平均内径より小さいチューブ体と、さらに前記第一開口から前記第一チューブ体部のチャンバに設置される内嵌合部及び、前記内嵌合部の外縁に環状に設置され、前記外フランジ部と接触する外環部とを有して前記第一開口を遮蔽する蓋体と、前記第二チューブ体のチャンバ内に設置され、前記第二開口を遮蔽するためのピストンと、前記ピストンに対応して設けられ、前記第二開口から前記第二チューブ体部のチャンバ内に伸入して軸方向に沿ってスライドする押圧バーと、を備え、前記押圧バーがピストンと接触すると、押圧バーによりピストンを軸方向に沿ってスライドさせる。
上記の本考案の血漿採集装置によれば、チューブネック部の軸方向に沿った第一チューブ体部及び第二チューブ体部の連結部にそれぞれ傾斜面を形成し、且つ傾斜面と軸方向との間に鋭角が存在する。この、鋭角は30〜80度である。
上記の本考案の血漿採集装置によれば、前記チューブネック部の平均内径は0.2〜1cmである。
上記の本考案の血漿採集装置によれば、前記ピストンは外径が1〜1.6cmである。
上記の本考案の血漿採集装置によれば、ピストン上に更にチューブネック栓が設けられ、前記ピストンが軸方向に沿ってチューブネック部と第二チューブ体部の連結部までスライドしたときにチューブネック部に伸入する。
上記の本考案の血漿採集装置によれば、本考案は蓋体の外環部に更に固定部材を設けており、蓋体と第一チューブ体部を固定連結する。
上記の本考案の血漿採集装置によれば、本考案は血漿採集装置に更にシール(封止)部材を設けて、蓋体と第一チューブ体部を封止する。
上記の本考案の血漿採集装置によれば、蓋体の成分は、ゴム、シリコン、ポリウレタン又はそれらの組合せから成る群から選ばれる。
本考案の血漿採集装置の改良の根拠となった先行装置の立体図 本考案の血漿採集装置の第一実施例の立体図。 本考案の血漿採集装置の第二実施例の立体図。 本考案の血漿採集装置の第二実施例を組立てた後の立体図。 本考案の血漿採集装置の第二実施例の使用方法略図、針先で液移動をしている様子。 本考案の血漿採集装置の第二実施例の使用方法略図、本考案の血漿採集装置の押圧バーの設置方法、及び血液を収容した後の状態を示す。 本考案の血漿採集装置の第二実施例の使用方法略図、本考案の血漿採集装置の押圧バーを用いて遠心分離後の血液を特定位置まで調整する様子を示す。 図6の領域Aを持つ本考案の血漿採集装置の第二実施例による使用時の、チューブネック部の局部拡大図、バフィーコートの状態を示す。 本考案の血漿採集装置の第三実施例の蓋体の立体図。 本考案の血漿採集装置の第三実施例の組立て後の立体図。 本考案の血漿採集装置の第四実施例の蓋体の立体図。 本考案の血漿採集装置の第四実施例の組立て後の立体図。
本考案の目的、技術特徴及び優れた点を関連する当業者が理解し、本考案を実施するために、以下図を参照しながら本考案の技術特徴や実施方法、更により好ましい実施例を挙げて説明を行なう。なお、以下で参照する図面は、本考案の特徴に係る略図を示すもので、実際の情況に応じた完全な作図ではない。
本考案の血漿採集装置は、チューブ体と、蓋体と、ピストンと、押圧バーと、を備える。本考案の説明の前に本考案においては血漿採集装置におけるチューブ体の縦方向(長さ方向)を「軸方向」と定義し、チューブ体はこの軸方向に沿って仮想上の中心軸を有する。またチューブ体(外観上はだいたい円柱状)の横方向(つまりチューブ体の断面方向)を「径方向」と定義する。
本考案の「チューブ体」は軸方向に沿って、順に第一チューブ体部、チューブネック部、第二チューブ体部が形成されている。このうち、第一チューブ体部の軸方向の辺端部に第一開口及び外フランジ部を形成する。同様に、第二チューブ体部の軸方向の辺端部に第二開口を形成する。従って、全体でみれば、チューブネック部は第一チューブ体部と第二チューブ体部とを連結し、且つチューブネック部の平均内径はチューブ体の平均内径より小さい。
チューブ体は、プラスチックからなり、必要に応じて、例えばポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)など異なるプラスッチクチューブ体を使用することができるが、なかでもポリプロピレン材で作製するのが好ましい。
このチューブ体が備える収容空間を「チャンバ」と定義し、このチャンバは収容と、液体保存排出(主に血液)、部材実装の空間を構成している。本考案によれば、チャンバは同時に「ガイド」と「液体流路」の機能も備える。具体的な「ガイド」の機能は、このチャンバに設けられた部材が外力駆動を受けたのち、関連部材をチャンバにガイドして軸方向前後にスライドさせる。「液体流路」の機能は、チャンバ内の液体を所定部材により押圧してチャンバ内での移動の効果を達成させるものである。
本考案のチューブ体の管の直径は、本考案による血漿採集装置が遠心分離により血液を分離するものであるため、管直径は設計上一般の遠心分離管又は採血管と相似し、通常の遠心分離設備の規格に合うようにしている。
本考案のより好ましい実施態様においては、チューブ体の径を一般に常用されている15ml分離管と同じに設計するのが好ましく、外径でいえば、通常約16〜19mmである。但し、本考案はチューブ体の内径については特に制限せず、チューブ体の材質又はその他の必要に応じて内径を調整する。このような設計にすることにより、本考案の血漿採集装置は、使用者が現在使用している遠心分離設備に広く用いることができ、新たな設備や、別途特定の設備とあわせて使用する必要がない。
本考案の設計の要点の一つは、チューブ体中段のチューブネック部構造の設計にある。つまり、チューブ体の両端をそれぞれ直径が均一な円管状とし、チューブ体の中段の外径及び内径を同時に縮小してチューブネック部とし、その平均内径がチューブ体全体の平均内径より小さくなるよう形成され、外観が砂時計状を呈する。
この設計の主な目的は、チューブ体を中段で軸方向に沿ってチューブ体の中心軸に向かって狭小化して、より狭く細長い液体流路を構成することで、使用者が血液を遠心分離したのち、各血液分層の位置を調整することで、分離層を顕在化させる効果を実現し、血液分離効果を向上させる。
従って、チューブ体の構造からいえば、チューブ体の軸方向へ第一チューブ体部、チューブネック部、第二チューブ体部を順に形成する。このうち、第一チューブ体部の軸方向の辺縁に第一開口及び外フランジ部が形成され、第二チューブ体の軸方向の辺縁に第二開口が形成されている。上記の構造設計及び対応する使用方法について、以下で順に説明する。
「蓋体」は、第一開口を遮蔽する。また、嵌合部とこの嵌合部の外側に環状に設けた外環部を有する。嵌合部が第一開口から第一チューブ体部のチャンバに設置され、且つ外環部が外フランジ部と接触して、蓋体が第一開口を遮蔽する。
従来の血漿採集装置は、硬質の蓋でチューブ体の開口を遮蔽するため、操作の過程で頻繁に蓋を開けなければならないという問題があった。本考案は、弾性を有し、針を刺した後でも本来の密閉性や気密性を保つことができ、また針を刺したことで剥がれやすくなるような現象が起こらないため、蓋を開けずに繰返して無菌針で貫通させ液体の吸引又は排出に使用できる嵌合式の蓋体を提供し、蓋の開放の過程においてチューブ体内の液体が外気に触れることで生じる安全上のリスクを有効に回避することができる。
本考案の蓋体の構成について、更に嵌合部と該嵌合部の外縁に環状に設置された外環部に分けることができる。このうち、組立ての完成した形態でいえば、嵌合部とは蓋体のうち第一チューブ底部のチャンバに伸入する部分を指し、外環部とは、蓋体がチャンバに伸入しすぎるのを阻止するよう設計されている。蓋体が弾性材料で構成されているので、嵌合部が第一開口に十分に伸入すると、第一チューブ体部を密閉する効果があり、この作動の原理については当業者であれば理解できる範囲であるので、ここで詳細には述べない。
外環部は、嵌合部を第一開口から第一チューブ体部のチャンバに適宜な深さまで入れると、第一チューブ体の縁端部の外フランジ部と互いに接触して押し合い、蓋体が第一チューブ体のチャンバへ引き続き伸入するのを防ぐことで、蓋体が第一開口を遮蔽して密封する効果が得られる。従って、外環部と外フランジ部が押し合う設計と、外環部と同じ弾性材料であるという特徴により、蓋体がより完全に、しっかりと第一開口及びチューブ体の縁端部を覆蓋且つ密閉することができる。
本考案の実施態様によれば、蓋体は市販の医療用ゴム栓を中心に多元なサイズ規格の選択が提供されている。本考案の嵌合式弾性蓋体が密封と針貫通の重複に必要な機能及び効果を達成するために、蓋体の成分は主にゴム、シリコン、ポリウレタン又はゴム、シリコン、ポリウレタンの混合物などが挙げられる。例えば、常用される医療用ゴム栓の成分は、臭素化ブチルゴム、塩化ブチルゴムなどのいずれも適用できる。
「ピストン」は第二チューブ体部のチャンバに設けられ第二開口を密封する。「押圧バー」は、ピストンと対応して設けられ、第二開口から第二チューブ体部のチャンバ内に載置されて押圧バーが第二チューブ体部のチャンバ内を軸方向に沿ってスライドし、且つ押圧バーがスライドしてピストンと抵触すると、押圧バーがピストンの軸方向のスライドを駆動する。
ここでいうピストンとは、第二開口を密封すると同時に、外力駆動により第二チューブ体部のチャンバにおいてスライドする弾性部材を指す。ピストンの主な機能として、チューブ体内に収容した液体(血液)が漏れ出すのを防ぎ、第二開口を密閉する効果、本考案の血漿採集装置が血液を収容しても漏れ出さない効果を達成する。他方で、ピストンは押圧バーの押圧を受けて移動すると同時にその密閉性の特徴は変わらないので、ピストンは液体をチャンバ内での移動を推進するための必要部材でもある。
このほか、本考案の「チューブネック部」設計によれば、ピストン上に対応するようにチューブネック栓を設けた。このチューブネック栓の機能は、ピストンが軸方向にチューブネック部と第二チューブ体部の連結部までスライドすると、ピストン本体が狭小化したチューブチャンバの形状の制限を受け、チューブネック栓が狭小化したチューブネック部に伸入することにより液体を押出し、液体の幅を拡張調整する。
従って、上記条件に符合する弾性部材であれば、いずれも本考案のピストンとして適用できる。このうち、現在市販されている注射針用ゴムピストンはより好ましい実施態様であり、規格もそろっており、使用もスムーズに使用でき且つ密封効果も優れているのが特徴である。
ピストンの外径については、実際は採用したチューブ体の寸法で決まり、特にチューブ体の内径と相関する。一般的には、ピストンの外径は1〜1.6cmの範囲が好ましい。
上記の「押圧バー」については、該ピストンに対応して設けられ、使用の際は、押圧バーを第二開口から第二チューブ体部のチャンバ内に伸入させるが、この際、押圧バーと第二チューブ体がスリーブ式で組合わさり、固定を加えずに、押圧バーを第二チューブ体部のチャンバ内を軸方向に前後してスライドできる。
押圧バーが前に向かってスライドするとピストンと接触して互いに抵抗するので、継続して押圧バーを押圧するとピストンを軸方向に駆動してスライドさせて、チューブネック部へと推移させる。押圧バーが前にスライドした後、後へスライドすれば再度第二開口から離脱し、第二チューブ体から離脱する。
従って、本考案の押圧バーはその他の部材と別に設置及び製造することができ、製造プロセスが簡略化できるほか、この種の設計の実際の使用上における特徴として、押圧バーとチューブ体、ピストンなどの部材を分けて設置できるので、検体採取者がまず蓋体、チューブ体、ピストンから成る装置を使用して液体を載置してから、直接遠心分離にかけることができ容器を交換する必要がない。その後、検体採取者は血液を分離した後に、押圧バーと組合せて、ピストンと血液を押圧する機能を実行することで、血液検体の採取段階と遠心分離段階で、余分な押圧バー部材を設けることによる検体採取と遠心分離作業の阻害を回避できる。
以下、本考案のより好ましい実施例を挙げて、図面を参照しながら本考案の血漿採集装置の特徴と操作方法、及び対応する達成できる有利な効果について詳細に説明する。
まず、図1を参照する。図1は、本考案の血漿採集装置の改良の根拠となる従来の装置100’の立体図である。この従来装置は、チューブ体123、ハード蓋体2、ピストン4、を備え、チューブ体中段が狭小化した設計により血液分離の目的を達成する。このうち、硬質の蓋体2がもたらす欠点や問題点は既に述べたので、ここでは省略する。
本考案は、図1の先行技術をもとに改良されたもので、その操作方式及び改良された特徴は後述する。図2Aは、本考案の第一実施例による血漿採集装置100の立体図である。血漿採集装置100はチューブ体135と、蓋体20と、ピストン40と押圧バー(図示せず)とを備え、チューブ体135が軸方向Zに沿って仮想の中心軸Cを有する。構造を説明しやすくするために、前記で定義した軸方向Zと径方向X,Yを本考案の構造配置の説明の根拠とする。
前記チューブ体135は、軸方向Zに沿って順に、第一チューブ体部10、チューブネック部30、第二チューブ体部50を形成する。このうち、第一チューブ体部10は軸方向Zの縁端で第一開口101及び外フランジ103を形成している。第二チューブ体部50は軸方向Zに沿って縁端部に第二開口501を形成する。チューブネック部30は第一チューブ体部10と第二チューブ体部50を連結する。
このうち、蓋体20は第一開口101を遮蔽し、嵌合部203と前記嵌合部203の外縁に環状に設けられた外環部201を含み、嵌合部203は第一開口101から第一チューブ体部10のチャンバに載置され、且つ外環部201は外フランジ103と互いに抵触して蓋体20に第一開口101を遮蔽させる。ピストン40は、第二チューブ体部50のチャンバ内に設けられ第二開口501を密閉する。
このうち、チューブネック部30は軸方向Zに沿って第一チューブ体部10及び第二チューブ体部50の連結部にそれぞれ斜面303、305を形成し、連続して狭管301を構成している。また狭管301は均一の内径を有して、チューブネック部30の平均内径がチューブ体135の平均内径より小さい。
前記斜面303と斜面305は実質互いに対称する態様が好ましく、この設計によれば、検体採取者が載置する液体の量や、液体移動時の体積変化を予測しやすいだけでなく、製造時にも有利である。この他、前記斜面303、305と中心軸Cとの間に夾角を構成しており、この夾角により斜面303、305が中心軸C周りに構成する「夾角角度」を定義することで、斜面303、305の形状を説明している。
つまり、チューブネック部の斜面303、305はチューブ体135の中段の管壁が軸方向Zに沿うと同時に、この夾角角度がチューブ体135の中心軸Cに向け次第に傾斜することで構成した斜面であって、従って斜面303、305は実質チューブネック部30と第一チューブ体部10及び第二チューブ体部50の連結部に位置し、チューブ体135の中段の外観は砂時計のような形態になる。このうち、前記の斜面303、305の夾角角度は30〜80度が好ましく、斜面の傾斜が過度になり、液体を押圧する際にゆれが生じて操作効果に影響がでるのを防ぐとともに、傾斜の不足により有限のチューブ体135の長さのなかで十分に狭小化して理想的な内径の狭管301が達成しにくいという問題を防ぐ。チュームネック部の平均内径は0.2〜1cmが好ましい。
図2Bは、本考案の第二実施例の血漿採集装置200の立体図である。然し、本考案の第二実施例の形状設計は、事実上第一実施例と同じであり、その差異は線部40の設計のみであるので、血漿採集装置200については、このピストンの設計に対してのみ説明を行い。その他の特徴は特に詳細に述べない。
血漿採集装置200のピストン40上にチューブネック栓401が設けられ、このチューブネック栓401の機能は、ピストンが軸方向Zに向かってチューブネック部30と第二チューブ体部50の連結部までスライドするときに、ピストン40の本体403の外径が実質狭管301の内径より大きい。従って、本体403が狭管301の狭長化したチャンバ形状に制限され、チューブネック栓401が狭管301に伸入することで液体を押圧し、本考案の血漿採集装置200が調整できる液体の幅を拡充できる。従って、以下の説明では、本考案の第二実施例である血漿採集装置200を例に、本考案の特徴について更に説明をする。
図3は、第二実施例の血漿採集装置200の組立て後の状態を示す。図3から明らかなように、蓋体20の外環部201と第一チューブ体部10の外フランジ103が相互に押し合い、蓋体20が第一開口101を遮蔽・密封するという効果がでる。
図4は蓋体20の使用状態の略図であり、針1を弾性材料で構成された蓋体20に刺し、針先1が蓋体20に貫通してチューブ体135のチャンバ内に進入して「液体移動」の機能を発揮し、且つ繰返し貫通させることができ、このような蓋体20の設計により血漿採集装置200が上記で本考案が主張する優れた効果を達成する。
血液の分離後、実際に血漿採集装置200を利用して血液分離層の位置を調整する操作方法については、図5、6、7を参照されたい。また血液分離層におけるバフィーコートの採取を例に、本考案の血漿採集装置の使用方法を説明する。
血液取得後の実際の操作としては、検体採取者は手動で蓋体20を開けるか、直接粗めの針(血球破裂を生じない程度を原則)で蓋体20を刺すなどして、6〜10mlの血液をチューブ体135のチャンバに注入し、続いて約0.5〜2mlの抗凝固剤を加え、チャンバ内の液体の総体積を約7〜11mlとし、蓋体20を被せるか、又は針を抜き、血液を遠心分離にかける作業を行なう(遠心回転速度は1000〜2000g)。
本考案の血漿採集装置200は、前記の血液分離作業において1回実行(全工程約10分程度)すれば血液分離の効果を達成できる。図5に示すように、分離を完成した血液分離層において、バフィーコート202は薄層状を呈しており、第二チューブ体部50において、バフィーコート202の上が血漿層204、その下は赤血球層206である。
一方、図5には血漿採集装置200の押圧バー60を血液分離層の位置調整に利用した組立て方式が呈されている。押圧バー60はピストン40と対応して設置され、押圧バー60が第二開口501から第二チューブ体部50のチャンバ内に載置され、この際バフィーコート202は「薄層状」で血液分離層に存在する。
図6では押圧バー60をスリーブ式で第二チューブ体部50のチャンバに載置した後の状態で、且つ押圧バー60を第二チューブ体部50のチャンバ内を軸方向Zに向かってスライドさせ、押圧バー60がピストン40と抵触するまでスライドすると、押圧バー60がピストン40を軸方向Zに向かってチューブネック部30へスライドするよう駆動することで、血液全体を押圧し、血液の分離層を所定の位置へ移動させる。
ここで、チューブネック部30は斜面303.305を有した設計であるから、操作の際にバフィーコート202をよりスムーズにチューブネック部30へ集中させA区域に示すように、バフィーコート202を狭管301まで到達させる。
続いて図7を見る。図7は、前記図6の区域Aの局部拡大図であって、バフィーコート202を狭管301まで移動したあと、凝集し厚さが増加する現象によりバフィーコート202がよりはっきりとなり採集しやすくなる。このようにして、検体採取者がより容易に血漿層と赤血球層の中間からバフィーコート202を判別できるようになると同時に、採取者がより容易に後続で使用するPRP又は幹細胞を取得できる。
上記の本考案の概念によれば、本考案は更に第二実施例の血漿採集装置をもとに、以下の第三実施例と第四実施例により本考案の「蓋体」設計の実施態様を提供するが、その他の特徴については特に詳細には述べない。
図8は、本考案の第三実施例である血漿採集装置300の蓋体の立体図であり、蓋体20’は嵌合部203′と外環部201′に分けられるほか、外環部201′周縁に更に固定部材205′を設けて蓋体20′と第一チューブ体部10とを固定連結する。
続いて図9は、血漿採集装置300が組立てを完了した状態であり、固定部材205′が更に蓋体20′と第一チューブ体部10の連結効果を強化し、より安全で汚染のリスクが低い装置を提供できることを説明している。
図10は、本考案の第三実施例である血漿採集装置400の蓋体の立体図であり、この蓋体は実質、上記第二実施例の蓋体20と同じである。血漿採取装置400と血漿採集装置200両者の差異は、血漿採集装置400に別途封止部材80を設け、蓋体20と第一チューブ体部10とを封止するのに用いられる。この封止部材80も同様に蓋体20と第一チューブ体10の連結効果を強化でき、またより安全且つ汚染のリスクの低い装置を提供することができる。このうち、封止部材80の材質は、アルミニウム金属片が好ましい。
以上、本考案の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限られるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本考案に含まれる。
100、200、300、400 血漿採集装置
123、135 チューブ体
10 第一チューブ体部
2、20、20′ 蓋体
30 チューブネック部
4、40、40′ ピストン
50 第二チューブ体部
60 押圧バー
80 封止部材
101 第一開口
103 外フランジ部
201、201′ 外環部
203、203′ 嵌合部
202 バフィーコート
204 血漿層
206 赤血球層
205′ 固定部材
301 狭管
303 斜面
305 斜面
401 ネック栓
403 本体
501 第二開口
C 中心軸
Z 軸方向
X、Y 径方向
A 区域

Claims (3)

  1. 血漿採集装置であって、
    軸方向に沿って順に、第一チューブ体部、チューブネック部、第二チューブ体部を形成し、且つ前記第一チューブ体部の前記軸方向に沿った縁端部に第一開口及び外フランジ部を形成し、前記第二チューブ体部の前記軸方向に沿った縁端部に第二開口を形成し、前記チューブネック部が前記第一チューブ体部と第二チューブ体部を連結し、且つチューブネック部の平均内径がチューブ体の平均内径より小さいチューブ体と、
    前記第一開口から前記第一チューブ体部のチャンバに設置される嵌合部と、前記嵌合部の外縁に環状に設置され、前記外フランジ部と接触する外環部とを有して前記第一開口を遮蔽する蓋体と、
    前記第二チューブ体部のチャンバ内に設置され、前記第二開口を遮蔽するためのピストンと、
    前記ピストンに対応して設けられ、前記第二開口から前記第二チューブ体部のチャンバ内に伸入して軸方向に沿ってスライドする押圧バーと、を備え、
    前記押圧バーがピストンと接触すると、前記押圧バーによりピストンを前記軸方向に沿ってスライドさせることを特徴とする、
    血漿採集装置。
  2. 血漿採集装置であって、
    軸方向に沿って順に、第一チューブ体部、チューブネック部、第二チューブ体部を形成し、且つ前記第一チューブ体部が前記軸方向に沿った縁端部に第一開口及び外フランジ部を形成し、前記第二チューブ体部が前記軸方向に沿った縁端部に第二開口を形成し、前記チューブネック部が前記第一チューブ体部と第二チューブ体部を連結し、且つチューブネック部の平均内径がチューブ体の平均内径より小さいチューブ体と、
    前記第一開口から前記第一チューブ体部のチャンバに設置される嵌合部と、前記嵌合部の外縁に環状に設置され、前記外フランジ部と接触する外環部とを有して前記第一開口を遮蔽する蓋体と、
    前記第二チューブ体部のチャンバ内に設置され、前記第二開口を遮蔽するためのピストンと、
    前記ピストンに対応して設けられ、前記第二開口から前記第二チューブ体部のチャンバ内に進入して前記軸方向に沿ってスライドする押圧バーと、を備え、
    前記チューブネック部が軸方向に沿って前記第一チューブ体部と前記第二チューブ体部の連結部で、それぞれ斜面を形成し、且つ前記斜面と前記軸方向との間に30〜80度の鋭角が存在し、前記押圧バーがスライドして前記ピストンと抵触すると、前記押圧バーが前記ピストンを駆動して前記軸方向にスライドさせ、前記ピストンに更にネック栓が設けられ、該ネック栓が前記ピストンの前記軸方向に向かってチューブネック部と第二チューブ体部の連結部までスライドして前記チューブネック部に伸入し、前記蓋体の成分が、ゴム、シリコンゴム、ポリウレタン又はそれらの組合せからなる群から選ばれることを特徴とする、
    血漿採集装置。
  3. 血漿採集装置であって、
    軸方向に沿って順に、第一チューブ体部、チューブネック部、第二チューブ体部を形成し、且つ前記第一チューブ体部が前記軸方向に沿った縁端部に第一開口及び外フランジ部を形成し、前記第二チューブ体部が前記軸方向に沿った縁端部に第二開口を形成し、前記チューブネック部が前記第一チューブ体部と第二チューブ体部を連結し、且つチューブネック部の平均内径がチューブ体の平均内径より小さいチューブ体と、
    前記第一開口から前記第一チューブ体部のチャンバに設置される嵌合部と、前記嵌合部の外縁に環状に設置され、前記外フランジ部と接触する外環部とを有して前記第一開口を遮蔽する蓋体と、
    前記第二チューブ体部のチャンバ内に設置され、前記第二開口を遮蔽するためのピストンと、
    前記ピストンに対応して設けられ、前記第二開口から前記第二チューブ体部のチャンバ内に進入して前記軸方向に沿ってスライドする押圧バーと、を備え、
    前記ネック部が前記軸方向に沿って前記第一チューブ体部及び前記第二チューブ体部の連結部にそれぞれ一の斜面を形成し、且つ前記斜面と前記軸方向との間に30〜80度の鋭角が存在し、
    前記ネック部の平均内径が0.2〜1cmの範囲であり、
    前記押圧バーがスライドして前記ピストンと抵触すると、前記押圧バーが前記ピストンを前記軸方向に駆動してスライドさせ、
    前記ピストンが更にネックピストンを設け、前記ネックピストンは前記ピストンの前記軸方向へ前記ネック部と第二チューブ体部との連結部までスライドすると前記チューブネック部に伸入し、
    前記蓋体の成分が、ゴム、シリコンゴム、ポリウレタン又はそれらの組合せからなる群から選ばれることを特徴とする、
    血漿採集装置。
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