JP3189220U - 蓄光服飾 - Google Patents

Abstract

【課題】一般光の下で美観効果を呈するだけでなく、同時に、蓄光繊維の蓄光特性を利用し、光エネルギーを十分に吸収した後、暗い場所で柔らかな光を発して、心に安らぎを与えるとともに、安全警告の役割も果たす、蓄光服飾を提供する。【解決手段】蓄光服飾は、少なくとも１つの蓄光織物１０を有する服飾本体１を含み、この蓄光織物１０は主に蓄光繊維２０を製織して成り、蓄光後に発光する。服飾本体１は主に全部または一部が蓄光織物１０で構成されている。あるいは、蓄光織物１０を服飾本体１の表面に別途取り付けることもできる。また、この蓄光織物１０は、一色または多色の発光色の蓄光繊維２０を製織して成るものでもよく、蓄光繊維２０とその他の異なる混合繊維を製織して得てもよい。【選択図】図１

Description

本考案は発光服飾に関するものであって、特に、蓄光特性を有する蓄光服飾に関するものである。

成長段階にある子供の想像力が豊かで、現実と想像の境界がはっきりせず、暗闇を怖がりやすく、夜中に泣き出したり眠れなかったりすることは、親を悩ませる問題である。
一般的な親はこの問題を解決するために寝室の照明をつけておくことを選択するが、イギリスの学者の研究報告によると、就寝時に小さな照明をつけて眠る子供は近視になる確率が３０％であり、明るい環境で眠った場合はさらにその確率が５５％に達することから、過度な照明にさらされた睡眠環境は子供の視力の発達に影響し、照明をつけて眠るのはエネルギーを浪費するだけでなく、子供の正常な発育にも影響を及ぼすことがわかった。

このため、本考案の出願人は特に、子供の暗闇に対する恐怖心を取り除く助けになるよう、柔らかな光源を提供できる発光服飾の研究に注力した。
従来の発光服飾は、特許文献１で開示された蓄光紡織品のように、表面浸漬方式を採用し、蓄光剤を浸み込ませた糸で紡織品を織るが、このような蓄光紡織品は皮膚に触れることでアレルギー反応を起こしやすく、水洗いに弱い。
また、特許文献２で開示された発光衣服は、衣服本体の外表面に発光素子を取り付け、発光素子と電源コントローラを電気的に接続して発光させるが、このような発光衣服は絶えず電池交換をする必要があり、漏電の恐れもある。

台湾特許公告第Ｉ３９３５４５号公報 台湾実用新案登録公告第Ｍ３３７２５６号公報

上述の欠点を克服するため、環境保護性と安全性を兼ね備えた蓄光服飾を提供する本考案をここに開示し出願する。
本考案の主な目的は、蓄光繊維が光を吸収して蓄光する特性を利用し、蓄光繊維を製織して成る蓄光織物が夜間や暗闇で発光することにより、柔らかな照明を提供するのに有効であり、放射性物質を含まず、安全無害であり、水洗いに強く、永久的に省エネできる利点を有する、蓄光服飾を提供することである。
このように蓄光服飾が柔らかな光を発することで、子供の暗闇におけるマイナスの情緒を取り除き、心に安らぎを与える効果を達成すると同時に、近視の確率を低下させ、子供が心身ともに健康で楽しく成長できるようにする助けとなる。

本考案のもう１つの目的は、一色または多色の発光色の蓄光繊維を製織した様々な形体の蓄光織物により、異なる組織形式のデザインを利用して、蓄光織物が暗闇で異なる光を呈する効果をもたらし、流行に沿い時代に先駆けた美観を有するとともに、安全警告の役割も果たす、蓄光服飾を提供することである。

上述の目的を達成するため、本考案が提案する蓄光服飾は、少なくとも１つの蓄光織物を有する服飾本体を含み、この蓄光織物は複数の蓄光繊維を製織して成るものであり、蓄光繊維により蓄光した後発光する。

服飾本体は全部または一部が蓄光織物で構成されている。あるいは、蓄光織物は服飾本体表面の部材に取り付けることもできる。蓄光織物は蓄光繊維を単独製織して成るものでもよく、この蓄光繊維は同じまたは異なる発光色を有する。
あるいは、蓄光織物は蓄光繊維に異なる繊維を混合製織して成るものでもよく、この蓄光繊維は同じまたは異なる発光色を有する。具体的には、蓄光織物は文字、模様、記号、しわ、曲線、波形またはジャガード柄等の形体を織り出したデザインを有することができ、異なる視覚効果を生む。

本考案が開示する蓄光服飾によれば、蓄光繊維が蓄光した後発光する特性を利用し、蓄光繊維を製織して成る各種服飾本体中の蓄光織物が、光源を十分に吸収した後、夜間や暗闇で柔らかな光を発することで、人々の暗闇に対する恐怖心を取り除く助けとなり、心に安らぎを与える効果を達成し、安全警告の役割も果たすことができる。
また、この蓄光服飾は、異なる組織形式の蓄光織物のデザインを利用して、暗闇で異なる光を呈する効果を生み出す。
本考案はさらに、従来の発光服飾とは違い、余分な電源が必要ないので、電気の消耗や漏電の問題がなく、放射性物質も含まず、安全無害で、水洗いに強いという利点を備え、環境保護や安全性のニーズに十分合ったものである。

本考案が提供する蓄光服飾の実施例を示す図。 本考案が提供する蓄光服飾の蓄光繊維を示す図（一）。 本考案が提供する蓄光服飾の蓄光繊維を示す図（二）。 本考案が提供する蓄光服飾のもう１つの実施例を示す図。 本考案が提供する蓄光服飾の使用状態を示す図。

本考案の目的、特徴および効果の更なる理解のため、図面を参照しながら以下に詳細を説明する。

本考案が提供する蓄光服飾の実施例を示す図１を参照されたい。本実施例では、蓄光服飾は服飾本体１を有し、この服飾本体１全体が蓄光織物１０により構成され、蓄光織物１０は蓄光繊維２０を用いて作製されている。
蓄光繊維２０は蓄光材料によって加工されたものなので（詳細は後述する）、蓄光材料の特性を有し、蓄光織物１０は昼間や光が十分な場所では可視光、太陽光または紫外線光を吸収し、光エネルギーに変換して保存し、夜間または暗闇で様々な色彩の光を発することができる。その光は柔らかで、目を刺激せず、快適で暖かな雰囲気を容易に造り出せる。

本考案において蓄光繊維２０は、暖色系の光波長を発する暖色系蓄光繊維と、寒色系の光波長を発する寒色系蓄光繊維から選ぶことができ、実際２種類の系統の蓄光繊維２０を混ぜて使用することもできる。
蓄光繊維２０は、暖色系または寒色系の蓄光材料に混練および紡糸技術を施して得るという方法で製造される。中でも、暖色系の蓄光材料は、二重アミド結合の立体構造を有する有機化合物を利用したもので、極低温環境下で希土類元素を含有する蓄光原料と高速衝突させて、衝突した表面の温度が瞬間的に高温になることにより二重アミド結合の立体構造を有する有機化合物が蓄光原料表面に噴きつけられ、極低温環境の影響で瞬間冷却されることにより、暖色系蓄光材料が得られる。
この暖色系蓄光材料はさらに、高温混練工程において熱可塑性高分子の架橋構造とキレート化することで、均一な分散効果が得られるとともに、紡糸工程を経て暖色系蓄光繊維が製造される。
また、寒色系蓄光材料は、無機金属酸化物を利用したもので、極低温環境下で希土類元素を含有する蓄光原料と高速衝突させ、この衝突過程により蓄光原料表面で無機金属酸化物が融合反応を起こし、結晶格子構造の変化により光子がずれる現象が起こり、寒色系蓄光材料が得られる。この寒色系蓄光材料はさらに、高温混練工程において熱可塑性高分子の架橋構造とキレート化することで、均一な分散効果が得られるとともに、紡糸工程を経て寒色系蓄光繊維が製造される。

次に、本考案の蓄光繊維２０、３０の２種類の構造である１成分形原抽出繊維と２成分形コアシェル構造繊維をそれぞれ示す図２ａと図２ｂを参照されたい。
蓄光繊維２０は１成分形原抽出繊維であり、すなわち単一蓄光繊維２１（図２ａに図示）により組成されたものである。蓄光繊維３０は２成分形コアシェル構造繊維であり、シェル層３１とコア層３２を有し、シェル層３１とコア層３２のうち一層は蓄光繊維であり、もう一層はその他の材質の繊維である（図２ｂに図示）。

本考案は、上述と同じまたは類似する蓄光繊維２０または３０を利用でき、単独製織、または異なる繊維との混合製織により蓄光織物１０を一体成形した後、蓄光織物１０を縫製して（図１の実施例のように）様々な形態の服飾本体１を作ることができる。
あるいは、蓄光織物１０で服飾本体１の１箇所のみまたは複数箇所を構成できる。具体的には、服飾本体１は衣服のトップス、ボトムス、ワンピース、ショール、ネクタイ、またはスカーフ類等の形体にできる。図１の実施例は一般的な衣服のトップスの形体である。

本考案が開示する蓄光服飾は、一般的な蛍光灯の光または太陽光を１０分間照射し吸収させた後、余分な電力を提供しなくても、睡眠中の助けとなる柔らかな光を発することができ、その発光輝度は３０〜５０ｍｃｄ／ｍ²であり、発光時間は６時間以上持続でき、時間が経つにつれて明るさが低減する。

本考案は、同じまたは異なる発光色を有する蓄光繊維２０、３０を用い、異なる組織形式を織り交ぜた設計により、蓄光織物１０が異なる発光色と明るさを呈する効果をもたらし、蓄光織物１０は文字、模様、記号、しわ、曲線、波形またはジャガード柄等の形体を織り出すことができる。そのため、服飾本体１は一般光の下での美観効果を有するだけでなく、暗闇で発光した時に、流行に沿い時代に先駆けたデザイン性が表れ、心に安らぎを与える目的を達成し、安全警告の役割も果たすことができる。

本考案が提供する蓄光服飾のもう１つの実施例を示す図３を参照されたい。この実施例は衣服のトップスの形体である服飾本体１を含み、服飾本体１表面にはハート型の蓄光織物４０とアルファベット型の蓄光織物５０が取り付けられる。もちろん、本考案の精神のもとで、蓄光織物は自由自在に模様や色を変更でき、蓄光繊維の使用により、その発光スタイルも自由にデザインすることができる。
本考案は夜光性塗料の使用に限られず、水洗に対する耐久性と通気性を兼ね備えただけでなく、余分な電力消耗がないので、安全性の問題を心配する必要もなく、特に子供用の服飾に適しており、室内または屋外環境等の様々な場所でも適用できる。

本考案が提供する蓄光服飾の使用状態を示す図４を参照されたい。本応用例は、子供が着用する蓄光服飾であり、服飾本体１の胸部分には星形の蓄光織物６０を有し、この蓄光織物６０は蓄光繊維を製織して成るものである。
子供の就寝時に、暗闇で星形が微弱でぼんやりとした光を発するので、子供の怖さや不安といった情緒を取り除く助けとなり、身体を正常に休めることができると同時に、明るすぎる光が視力の発達に影響を与えることを心配する必要がないので、子供が心身ともに健康で楽しく成長できる。

本考案について上述のとおり実施例を開示したが、これは本考案を限定するものではない。
本考案の精神と領域を脱しない範囲内で加えた各種の変更や潤色は、すべて本考案の実用新案登録請求の範囲内に含まれる。本考案の保護範囲については実用新案登録請求の範囲を参照されたい。

１ 服飾本体
１０ 蓄光織物
２０ 蓄光繊維
２１ 単一蓄光繊維
３０ 蓄光繊維
３１ シェル層
３２ コア層
４０ 蓄光織物
５０ 蓄光織物
６０ 蓄光織物

Claims (9)

1. 服飾本体を含み、前記服飾本体は少なくとも１つの蓄光織物を有し、前記蓄光織物は複数の蓄光繊維を製織して成るものであり、前記蓄光繊維により蓄光した後発光する、ことを特徴とする蓄光服飾。
2. 前記服飾本体は全部または一部が前記蓄光繊維で構成されている、請求項１に記載の蓄光服飾。
3. 前記蓄光織物は前記服飾本体表面に取り付けられる、請求項１に記載の蓄光服飾。
4. 前記蓄光織物は前記蓄光繊維を単独製織して成る、請求項１に記載の蓄光服飾。
5. 前記蓄光織物は前記蓄光繊維に異なる繊維を混合製織して成る、請求項１に記載の蓄光服飾。
6. 前記蓄光織物は文字、模様、記号、しわ、曲線、波形またはジャガード柄の形体を織り出したものである、請求項１に記載の蓄光服飾。
7. 前記服飾本体は衣服のトップス、ボトムス、ワンピース、ショール、ネクタイ、またはスカーフのいずれかである、請求項１に記載の蓄光服飾。
8. 前記蓄光繊維は１成分形原抽出繊維または２成分形コアシェル構造繊維である、請求項１に記載の蓄光服飾。
9. 前記蓄光繊維は暖色系蓄光繊維または寒色系蓄光繊維から選ばれる、請求項１に記載の蓄光服飾。

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