JP3188285U - 熱中症予防表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一定の区域で活動する多数の人に対し、熱中症が起こる危険の度合いを、リアルタイムで速やかに警告する熱中症予防表示装置を提供する。【解決手段】黒球温度を測定する温度センサと、乾球温度と湿球温度から相対湿度を検知する湿度センサと、温度センサと湿度センサの測定値から、温熱指標であるWBGTを求める演算手段と、温熱指標を表示する表示手段とで、熱中症予防表示装置を構成する。表示装置は、予め設定したWBGTの範囲により、(1)熱中症の危険度を色によって表示するランプ3a,3b,3c,3d、(2)熱中症の危険度を文言によって示す点灯装置、(3)熱中症の危険度によって、予め定められた文言を表示する告知手段、から選ばれる少なくとも1種と、温度表示手段1と、湿度表示手段2とで構成される看板所の部材で、一定範囲内で活動する人が視認できるようにする。【選択図】図2
Description
本考案は熱中症を予防する装置、特に温度と湿度の測定値から、装置が設置されている区域の環境の、熱中症を起こす危険の度合いを表示して、事前に必要な対策を講じることができるようにした装置に関わるものである。
近年、天気予報などで用いるために、猛暑日という呼称が制定されたように、夏季における気温の上昇が著しく、熱中症が重篤になり、死亡に至るケースが増加していて、屋内外を問わず予防する意識が重要となっている。
熱中症の発症には、温度、湿度、気流、放射熱などの環境因子の他に、性別、年齢、既往症や健康状態などの固体因子、さらには、運動、労働、日常生活などの様々な要因が作用することが知られるようになっている。しかしながら、日常において体感による気温の上昇は感知できても、湿度を含む環境の危険の度合いは容易に判断できない。
また、天気予報などで知り得る気温、湿度に関しては都道府県単位などの地域全体の予想値を示すものであり、個々人が活動する範囲の環境状態は個々に違っており、しかも時々刻々変化する。このため、重要な熱中症が起こり得る屋内外の環境変化を、適切に検知できないまま、活動を継続してしまう危険性が潜んでいた。
このような状況に鑑み、非特許文献1には、黒球を用いた温度計と、湿球及び乾球を用いた乾湿温度計を合わせて、WBGT(Wet Balb Globe Temperature)を、温熱指標として用い、熱中症予防に資する方法が開示されている。
ここで開示されているWBGTは1950年代にアメリカで提唱された温熱指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度により、次式で算出され、この数値と熱中症の発生との間には密接な関係があるとされている。
(1)屋外で日射がある場合
WBGT=(湿球温度)×0.7+(黒球温度)×0.2+(乾球温度)×0.1
(2)室内で日射のない場合
WBGT=(湿球温度)×0.7+(黒球温度)×0.3
(1)屋外で日射がある場合
WBGT=(湿球温度)×0.7+(黒球温度)×0.2+(乾球温度)×0.1
(2)室内で日射のない場合
WBGT=(湿球温度)×0.7+(黒球温度)×0.3
また、特許文献1には、前記の方法の具体化に必要な、温熱指標の測定装置として、黒球温度を測定する温度センサと、気温センサと湿度センサを一体化して測定部を構成し、さらに上記各センサからの出力に基づいて温熱指標を演算する演算手段と、該演算手段より得られる温熱指標を表示する表示手段を一体化して演算表示部を構成し、上記測定部と演算表示部を一体に連接するようにした温熱指標測定装置が開示されている。
しかしながら、前記の文献においては、屋内外で活動する多数の人に、温熱指標を示し、適切な熱中症対策を促す方法が、必ずしも十分に開示されているわけではなく、改善の余地がある。
日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針」Ver.3
従って、本考案の課題は、一定の区域で活動する多数の人に対し、熱中症が起こる危険の度合いを、リアルタイムで速やかに警告する装置を提供することにある。
本考案は、前記の課題解決のため、温度センサと湿度センサを用いて、温熱指標としてのWBGT指標を連動させ、予め設定した4段階の危険判定レベルを、文字による表示や、色の異なるランプの点灯によって示し、熱中症の起こり得る環境状態を広く告知することを検討した結果、なされたものである。
即ち、本考案は、黒球温度を測定する温度センサと、乾球温度と湿球温度から相対湿度を検知する湿度センサと、前記温度センサと湿度センサの測定値から温熱指標を求める演算手段と、前記温熱指標を表示する表示手段とを有することを特徴とする熱中症予防表示装置である。
また、本考案は、前記温熱指標が、WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)であることを特徴とする、前記の熱中症予防表示装置である。
また、本考案は、前記表示手段が、予め設定した前記温熱指標の範囲により、
(1)熱中症の危険度を色によって表示するランプ、
(2)熱中症の危険度を文言によって示す点灯装置、
(3)熱中症の危険度によって、予め定められた文言を表示する告知手段、
から選ばれる少なくとも1種と、温度表示手段と、湿度表示手段とを有することを特徴とする、前記の熱中症予防表示装置である。
(1)熱中症の危険度を色によって表示するランプ、
(2)熱中症の危険度を文言によって示す点灯装置、
(3)熱中症の危険度によって、予め定められた文言を表示する告知手段、
から選ばれる少なくとも1種と、温度表示手段と、湿度表示手段とを有することを特徴とする、前記の熱中症予防表示装置である。
WBGTの計測には、前記のように、黒球を用いた温度計と湿球及び乾球を用いた乾湿温度計から、前記の演算処理を行うための高精度の装置が必要とされ、その機能を十全に発現するには、適切な設置場所と管理が必要となる。従って、本考案のように、本考案に係る熱中症予防表示装置のように、基本的に据置型とすることが望ましい。
また、WBGTの情報は、数値を確認した者のみが知り得る情報であり、広い範囲で活動する者への周知には、何らかの情報伝達手段が必要となるが、本考案に係る熱中症予防表示装置は、前記のような構成を具備しているので、看板のような形態で設置することが可能で、一定範囲内であれば、熱中症の起こり得る環境状態を視認できる。
次に、本考案の実施の形態について、具体的な図を用いて説明する。
図1は、本考案に係る熱中症予防装置における、データ処理のプロセスを示すフロー図である。本考案では、黒球温度、乾球温度、湿球温度の測定値を有線又は無線で、CPUつまり、演算手段に送信し、WBGTを計算し、その計算結果に基づいて、表示部に所要の情報を表示するというのが、基本的な構成である。
図2は、本考案の熱中症予防装置における表示部の一例を示す図である。図2において、1は温度表示部、2は湿度表示部、3a、3b、3c、3dは回転灯である。ここに示した例では、温度と湿度をリアルタイムで表示する他、演算手段で算出するWBGT値の範囲により、熱中症発生の危険度に関する情報を表示する。
より具体的には、図3に示した気温と相対湿度からWBGT値を推定する表で、25未満の領域を「注意」、25以上28未満の領域を「警戒」、28以上31未満の領域を「厳重注意」、31以上の領域を「危険」と設定し、情報を表示する。
図2に示した表示部の例では、「注意」、「警戒」、「厳重警戒」、「危険」と表示した文字パネルの裏側に装着されたランプを点灯する。その際に各文字パネルの上に設置された回転灯3a〜3dを点灯することもできる。また、各文字パネルとその上に設置された回転灯は、例えば、「注意」は緑、「警戒」は黄、「厳重注意」は赤、「危険」は紫のように色で識別できるようにすることで、より注意を喚起できる。
さらに、図2における告知部には、例えば「熱中症にご注意ください」のような、予め準備した文字列を表示することで、視認した人が具体的に起こすべき行動を示すことができる。
そして、この表示部は、適当な大きさで制作し、視認しやすい高さを有する場所に、看板のように設置することが可能で、その効果を十分に発現できる。
以上に説明したように、本考案によれば、熱中症が発生する危険の度合いを容易に視認できる熱中症予防装置を提供できる。なお、本考案は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本考案の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本考案の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本考案に含まれることは勿論である。
1・・・温度表示部 2・・・湿度表示部
3a,3b,3c,3d・・・回転灯
3a,3b,3c,3d・・・回転灯
Claims (3)
- 黒球温度を測定する温度センサと、乾球温度と湿球温度から相対湿度を検知する湿度センサと、前記温度センサと湿度センサの測定値から温熱指標を求める演算手段と、前記温熱指標を表示する表示手段とを有することを特徴とする熱中症予防表示装置。
- 前記温熱指標は、WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)であることを特徴とする、請求項1に記載の熱中症予防表示装置。
- 前記表示手段は、予め設定した前記温熱指標の範囲により、
(1)熱中症の危険度を色によって表示するランプ、
(2)熱中症の危険度を文言によって示す点灯装置、
(3)熱中症の危険度によって、予め定められた文言を表示する告知手段、
から選ばれる少なくとも1種と、温度表示手段と、湿度表示手段とを有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の熱中症予防表示装置。
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