JP3187745B2 - 光スイッチ及び光スイッチの製造方法 - Google Patents

光スイッチ及び光スイッチの製造方法

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JP3187745B2 JP14133797A JP14133797A JP3187745B2 JP 3187745 B2 JP3187745 B2 JP 3187745B2 JP 14133797 A JP14133797 A JP 14133797A JP 14133797 A JP14133797 A JP 14133797A JP 3187745 B2 JP3187745 B2 JP 3187745B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信システム等
における光路設定・切替に用いられる光スイッチの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から液体を駆動して光路を切り替え
る光スイッチ及び光スイッチの製造方法が提案されてい
る。この光スイッチは、基板中に設けられた互いに交差
する光導波路とこの光導波路の交差点に配置された光導
波路の光軸と所定の角度を成す壁面を持つ溝、さらに、
この溝に封入された屈折率整合液から構成されている。
【0003】光導波路の光軸の交差点部に屈折率整合液
が存在するとき光は溝の中を直進して光路は切り替わら
ない。それ以外の位置に存在するとき溝の壁面で光は全
反射を起こし光路は切り替わる。この液体の移動は、溝
の近傍に設けたヒーターによる加熱によって行われる。
ヒーターによって発生した温度勾配は表面張力の場所に
よる変化を引き起こし、そのために、液体はより温度の
低い方向に移動する。
【0004】図11は「光スイッチ」(特開平7−28
9566号公報)に開示された従来技術に係る構造であ
る。図11中、符号41i,41o,42i,42oは
光導波路、43は屈折率整合液が駆動するための溝、4
4は屈折率整合液、45は接着剤を流し込むための溝
(凹)、46は接着剤を流し込むための溝(凸)、47
は接着剤、48は光導波路基板及び49は上部基板を各
々図示する。図11に示すように、光導波路基板48の
表層部には、光導波路41i,41o及び、これら光導
波路に直交する光導波路42i,42oが形成されてい
る。また、これらの光軸の交点において、前記光導波路
をそれぞれ遮断する深さを有し、且つ、光導波路41i
の光信号を光導波路42oへ反射させるような方向の壁
面を有する屈折率整合液が駆動するための溝43が形成
されている。さらに、該溝43中に屈折率整合液44が
上部基板であるガラス板49によって封止されている。
簡略化のために図には示していないが、溝の両端には液
の駆動のためにヒーターが形成されている。従来の製造
方法では、溝43に屈折率整合液44を注入し、その
後、上方より溝43の開口を塞ぐようにガラス板49を
接着剤47で固定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来から提案
されている光スイッチには、製造性と信頼性に関し、い
くつかの課題が残されていた。
【0006】例えば、屈折率整合液44を溝43に注入
する量は極めて微少である。溝43の形状は幅10μ
m,深さ40μm,長さ100μm程度であるため、該
溝43へ注入する量は数十plである。このような微少
量の液体を計測し、注入することは極めて困難である。
【0007】また、接着剤47を用いて溝43に蓋をす
ることは光路切替動作を不安定にする。屈折率整合液4
4と接着剤47とが長時間触れ合うと互いに反応し、屈
折率整合液の透過率、屈折率が変化するおそれがある。
このため、光スイッチの光学的特性が劣化する可能性が
ある。さらに、接着剤47の機械的強度が劣化し封が不
完全になると、屈折率整合液が逃げ出して光スイッチは
切替動作しなくなる。
【0008】さらに、屈折率整合液44が注入された溝
43に接着剤47を用いてガラス板49で蓋をすること
は困難である。一般に屈折率整合液44として用いられ
るシリコンオイルが光導波路基板の材料であるガラスの
表面に存在すると接着剤47の密着性が悪くなる。シリ
コンオイルとガラスの濡れ性は極めて高く、溝内に注入
した場合、基板表面への濡れ広がりを押さえることは難
しく、そのため接着剤47による蓋の固定では信頼性の
高い密封はできない。さらに、溝43に蓋をするときに
基板48とガラス板49との間に溝の幅よりも狭い隙間
ができ、毛細管現象で屈折率整合液44は溝から基板4
8とガラス板49との隙間に逃げ出す。そのため前記と
同様の理由で密封はできない。
【0009】前記のように、従来構造の光スイッチ及び
その製造方法では、溝内に注入する液量の制御、液体の
密封といった製造上の問題、さらにこれに係る信頼性上
の問題があった。本発明は、前記従来技術の問題点に鑑
み、製造性及び信頼性で優れた光スイッチの製造方法を
実現する手段を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する[請
求項1]の光スイッチの製造方法の発明は、光導波路基
板内で互いに交差する光導波路の交差部に設けられた駆
動管路内に光導波路と屈折率が等しい屈折率整合液体が
封入され、この屈折率整合液体を駆動管路内で移動さ
せ、それにより互いに交差する光導波路間で光路の切替
を行う光スイッチであって、前記駆動管路よりも幅の狭
い注入管路が駆動管路に接続されている光スイッチの製
造方法において、 前記注入管路の入口を前記液体に浸
し、前記駆動管路に注入する前記液体の量を時間で制御
することを特徴とする。
【0011】[請求項2]の発明は、光導波路基板内で
互いに交差する光導波路の交差部に設けられた駆動管路
内に光導波路と屈折率が等しい屈折率整合液体が封入さ
れ、この屈折率整合液体を駆動管路内で移動させ、それ
により互いに交差する光導波路間で光路の切替を行う光
スイッチであって、前記駆動管路よりも幅の狭い注入管
路が駆動管路に接続されていると共に、前記注入管路を
一カ所のみ有する光スイッチの製造方法において、 前記
注入管路の入口を前記液体に浸し、前記駆動管路に注入
する前記液体の量を時間で制御することを特徴とする光
スイッチの製造方法。
【0012】[請求項3]の発明は、光導波路基板内で
互いに交差する光導波路の交差部に設けられた駆動管路
内に光導波路と屈折率が等しい屈折率整合液体が封入さ
れ、この屈折率整合液体を駆動管路内で移動させ、それ
により互いに交差する光導波路間で光路の切替を行う光
スイッチであって、前記駆動管路よりも幅の狭い注入管
路が駆動管路に接続されている光スイッチの製造方法に
おいて、 前記注入管路の入口を前記液体に浸し、室温よ
り高い温度の状態に一定時間保持し、再び室温に戻すこ
とにより、あるいは、室温より高い温度の状態に一定時
間保持し、前記注入管路の入口を前記液体に浸し、再び
室温に戻すことにより、前記駆動管路に注入する前記液
体の量を温度で制御することを特徴とする。
【0013】[請求項4]の発明は、光導波路基板内で
互いに交差する光導波路の交差部に設けられた駆動管路
内に光導波路と屈折率が等しい屈折率整合液体が封入さ
れ、この屈折率整合液体を駆動管路内で移動させ、それ
により互いに交差する光導波路間で光路の切替を行う光
スイッチであって、前記駆動管路よりも幅の狭い注入管
路が駆動管路に接続されていると共に、前記注入管路を
一カ所のみ有する光スイッチの製造方法において、 前記
注入管路の入口を前記液体に浸し、室温より高い温度の
状態に一定時間保持し、再び室温に戻すことにより、あ
るいは、室温より高い温度の状態に一定時間保持し、前
記注入管路の入口を前記液体に浸し、再び室温に戻すこ
とにより、前記駆動管路に注入する前記液体の量を温度
で制御することを特徴とする。
【0014】[請求項5]の発明は、光導波路基板内で
互いに交差する光導波路の交差部に設けられた駆動管路
内に光導波路と屈折率が等しい屈折率整合液体が封入さ
れ、この屈折率整合液体を駆動管路内で移動させ、それ
により互いに交差する光導波路間で光路の切替を行う光
スイッチであって、前記駆動管路よりも幅の狭い注入管
路が駆動管路に接続されている光スイッチの製造方法に
おいて、 前記注入管路の入口を前記液体に浸し、大気圧
より低い圧力の状態に一定時間保持し、再び大気圧に戻
すことにより、あるいは、大気圧より低い圧力の状態に
一定時間保持し、前記注入管路の入口を前記液体に浸
し、再び大気圧に戻すことにより、前記駆動管路に注入
する前記液体の量を圧力で制御することを特徴とする。
【0015】[請求項6]の発明は、光導波路基板内で
互いに交差する光導波路の交差部に設けられた駆動管路
内に光導波路と屈折率が等しい屈折率整合液体が封入さ
れ、この屈折率整合液体を駆動管路内で移動させ、それ
により互いに交差する光導波路間で光路の切替を行う光
スイッチであって、前記駆動管路よりも幅の狭い注入管
路が駆動管路に接続されていると共に、前記注入管路を
一カ所のみ有する光スイッチの製造方法において、前記
注入管路の入口を前記液体に浸し、大気圧より低い圧力
の状態に一定時間保持し、再び大気圧に戻すことによ
り、あるいは、大気圧より低い圧力の状態に一定時間保
持し、前記注入管路の入口を前記液体に浸し、再び大気
圧に戻すことにより、前記駆動管路に注入する前記液体
の量を圧力で制御することを特徴とする。
【0016】[請求項7]の発明は、請求項3乃至6の
いずれか一項の光スイッチの製造方法において、それぞ
れの方法で、温度を室温に戻した後、あるいは大気圧に
戻した後、圧力を加え、その後、その圧力を除去するこ
とを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明に関わる光スイッチは、交差光導波
路と、各交差点部に光導波路の光軸と全反射条件を満足
する角度を成す壁面を持ち光導波路の屈折率に近似した
屈折率を持つ光学的に透明な液体が一部に封止された駆
動管路と、駆動管路近傍にヒーターを有することを特徴
とした光スイッチにおいて、前記駆動管路に接続された
前記駆動管路の最も管路幅の狭い部分よりも管路幅の狭
くしたものであり、更に好ましくは注入管路を一カ所の
み有することとしたものである。
【0018】したがって、本発明の光スイッチ製造方法
では、従来の製造順序と異なり、まず駆動管路に蓋をす
る。このとき、駆動管路に接続された注入管路によって
駆動管路は外部とつながっている。
【0019】本発明の光スイッチでは、この注入管路
は、前記光導波路基板中に設けられた駆動管路に、前記
光導波路とは異なる上部基板を陽極接合を用いて接合す
ることにより構成される。上部基板には接合時に前記駆
動管路の両端と接続する迂回管路が構成される位置に駆
動管路があらかじめ形成されている。
【0020】本発明の光スイッチ製造方法では、このよ
うにして形成された注入管路の入口を屈折率整合液体に
浸し、一定時間放置することで駆動管路に注入する前記
液体の量を制御するようにしたものである。
【0021】あるいは、前記注入管路の入口を前記液体
に浸し、室温より高い温度の状態に一定時間保持し、再
び室温に戻すことにより、前記駆動管路に注入する前記
液体の量を温度で制御することとしてもよい。
【0022】あるいは、室温より高い温度の状態に一定
時間保持し、前記注入管路の入口を前記液体に浸し、再
び室温に戻すことにより、前記駆動管路に注入する前記
液体の量を温度で制御することとしてもよい。
【0023】あるいは、前記注入管路の入口を前記液体
に浸し、大気圧より低い圧力の状態に一定時間保持し、
再び大気圧に戻すことにより、前記駆動管路に注入する
前記液体の量を圧力で制御することとしてもよい。
【0024】あるいは、大気圧より低い圧力の状態に一
定時間保持し、前記注入管路の入口を前記液体に浸し、
再び大気圧に戻すことにより、前記駆動管路に注入する
前記液体の量を圧力で制御することを特徴としてもよ
い。
【0025】さらに、前記の注入液量制御において、そ
れぞれ、室温,大気圧に戻した後、圧力を加え、その後
圧力を除去し大気圧に戻すこととしてもよい。
【0026】[作用]駆動管路に屈折率整合液を注入し
てから蓋をする従来技術の方法は前記のように製造上、
信頼性上問題がある。そこで、本発明では、先に蓋をし
てから駆動管路につながった注入管路から液を注入する
方法を採る。
【0027】本発明の光スイッチでは、例えば注入管路
は幅10μm未満、深さ40μmのように大変狭いた
め、屈折率整合液を管路に注入するときには毛細管現象
を考慮しければならない。注入管路の入口に屈折率整合
液を浸すと毛細管現象によって屈折率整合液は管路内の
気体を圧迫しながら進入する。注入管路が複数存在する
と圧迫された気体は他の注入管路の入口から管路外部に
逃げ出す。この場合、屈折率整合液の進入を妨げるもの
がないため短時間で駆動管路は屈折率整合液によって満
たされ、注入液量を制御することはほとんど不可能であ
る。必要な液量を計測して注入管路の入口に滴下すれば
目的の状態、すなわち、駆動管路の一部に液柱を保持し
た状態に出来るが、このような微少な液量を計測,滴下
する方法はない。
【0028】生命工学等で行われる細胞融合に用いるマ
イクロシリンジやマイクロピペットを用いても高々nl
程度の液量しか制御できない。
【0029】注入管路を一カ所有する構造の場合、注入
管路の入口に屈折率整合液を浸すと前記説明と同じく毛
細管現象によって屈折率整合液は注入管路内の気体を圧
迫しながら進入する。しかし、圧迫された気体は逃げ場
がないため管路内に閉じこめられる。閉じこめられた気
体の圧力が毛細管現象による表面張力圧と釣り合うと屈
折率整合液の進入は停止する。しかし、この釣り合いに
達した後も、閉じこめられた気体の圧力は管路外部の気
体の圧力、すなわち、管路に進入した屈折率整合液の圧
力よりも高いため、閉じこめられた気体は屈折率整合液
に拡散して徐々に管路外部に逃げ出す。気体が逃げ出す
とその体積分だけ屈折率整合液が管路に注入される。気
体が屈折率整合液に拡散する量は微少であるため屈折率
整合液が管路に注入される速度は遅い。従って、必要な
屈折率整合液が駆動管路に注入された時点で注入口を接
着剤等で封をすれば屈折率整合液を目的の量を注入する
ことが可能となる。
【0030】前記について、図1を用いてさらに詳細な
説明を行う。図1中、符号20は光導波路基板、21は
上部基板、22は駆動管路、23は注入管路、24は管
路23の注入口、25は屈折率整合液、26i,26
o,27i,27oは光導波路を各々図示する。図1に
示すように、注入管路23の断面積が微小であるため、
該注入管路23の入口24を液体25に浸すと外気圧
(Po )と管路に閉じこめた気体の圧力(Pa )と液体
と気体の表面張力圧(Ps )とが平衡状態に達する
【数1】 まで、液体が表面張力によって注入管路に注入される。
ここで、平衡状態に達したときの注入される液量Va
【数2】 である。ここで、Vは管路容積である。
【0031】図1では説明を簡略化するため、注入管路
23と駆動管路22との断面を同寸法にし直線に配置し
区別のない構造にしてある。従って、注入される液体2
5の体積は注入管路23においても駆動管路22におい
ても同様に進入長に比例する。全管路長がLであると
き、液体の界面は表面張力によって次式で表されるl1
の位置まで進入する。
【数3】 ここで、σは表面張力、dは注入管路及び駆動管路の深
さ、wは注入管路及び駆動管路の幅である。Ps は表面
張力圧であり、
【数4】 である。この表面張力による液体の進入は比較的速やか
に完了する。断面数十μm角、長さ数百μmの注入管路
で数十秒程度である。
【0032】しかし、液体の進入はこれで終わるわけで
はなく引き続きゆっくりとした進入が起きる。前記平衡
状態において、管路に閉じこめられた気体の圧力は大気
圧より常に表面張力圧Ps だけ高い。そのため、閉じこ
められた気体は液体中を拡散して徐々に外部に放出され
続けて減少し、気体が減少した体積の液体が注入され
る。従って、平衡状態後、時刻tにおける液体の注入長
2
【数5】 である。ここで、ξは前記気体の溶解度と拡散係数によ
って決定される定数である。断面寸法10μm×40μ
m、長さ100μmを持つ注入管路への注入速度は数十
pl/hである。屈折率整合液に用いられるシリコンオ
イルの表面張力は20dyne/cm、動粘度は50c
Stなので定数ξは約7.0×10-154 /N・sで
ある。
【0033】このように、屈折率整合液25は表面張力
と気体の拡散による作用で注入されるため。式(5)か
らも分かるように駆動管路22に注入される液体の量を
時間により制御することが出来る。
【0034】前記の気体の拡散を利用して注入量を時間
で制御する方法はゆっくりした液注入なので制御性が高
い特徴がある。しかし、その反面注入が完了するまでに
比較的長く時間がかかる欠点がある。例えば、幅10μ
m,深さ40μm,長さ500μmの管路に動粘度50
cStの屈折率整合液を400μm注入する場合、3時
間程度必要である。製造性を考慮すると時間を短縮する
必要がある。
【0035】注入に要する時間を短縮する方法として二
つの方法がある。第1の方法は、室温において注入管路
の入口を液体に浸し、室温より高い温度の状態に一定時
間保持し、再び室温に戻すことにより、駆動管路に屈折
率整合液を注入する方法である。この方法は、管路内に
閉じこめられた気体を温度上昇によって膨張させ管路外
に放出することによって閉じこめられた気体の体積を減
少させる方法である。第2の方法は、大気圧中において
注入管路の入口を液体に浸し、大気圧より低い圧力の状
態に一定時間保持し、再び大気圧に戻すことにより、駆
動管路に屈折率整合液を注入する方法である。この方法
は、一つ目の方法と同様の効果を管路外部の圧力を大気
圧より降下させることによって得る方法である。
【0036】第1の方法を図8を用いてさらに詳しく説
明する。室温において注入管路の入口を屈折率整合液に
浸すと平衡状態に達するまで、すなわち、注入長l1
で液体の界面は進入する(図8−1参照)。次に、光ス
イッチを室温より高い温度T3 (T3 >T2 >T1 )の
状態にすると管路に閉じこめられた気体が膨張する(図
8−2参照)。このため、液体の界面は外気圧と管路に
閉じこめた気体の圧力と液体と気体の表面張力圧とが平
衡状態に達するまで注入管路入口の方向に戻される(図
8−3参照)。平衡状態に達したときの液体の進入長l
3
【数6】 である。ここで、PT3は室温より高い室温(T3 )状態
における閉じこめられた気体の圧力であり、
【数7】 である。ここで、σT3は室温より高い温度(T3 )状態
における液体の表面張力である。式(6),(7)より
進入長l3
【数8】 である。
【0037】温度の増加分が少ないと液体の界面は管路
内に止まり、気体は外部に放出されない(図8−3参
照)。この状態で室温に戻しても液体の界面は温度を上
げる前の位置に戻るだけである。従って、管路に閉じこ
められた気体を管路の外部に放出するためには、
【数9】 を満たさなければならない。式(8),(9)より、
【数10】 を満たすように温度を上げる必要がある。
【0038】前記の条件を満たすように温度を上昇させ
ると管路に閉じこめられた気体は注入管路の入口に達す
る(図8−4参照)。入口は注入管路の断面積よりも広
いため入口に達した液体の界面は空間的に解放されて表
面張力圧が急激に小さくなり局率半径が大きくなる(図
8−5参照)。はみ出した部分の体積が大きくなると浮
力が大きくなるため、はみ出した部分の気体はある瞬間
で閉じこめられた気体と分離して液体中に拡散して外部
に放出される。はみ出した部分の気体が分離すると、表
面張力により液体が注入管路に進入する(図8−6参
照)。温度が上昇する間、前記の膨張・放出・収縮を繰
り返す。
【0039】平衡状態に達した後に再び室温に戻すと、
閉じこめられた気体は温度を上げる前の体積よりも管路
外に放出された気体の分だけ少ない体積に収縮し、その
分だけ屈折率整合液が注入される。
【0040】前記のように、温度を調節することによっ
て液体の注入量を制御することが出来る。温度を上昇さ
せて平衡状態に落ちつかせるために要する時間は、80
℃で幅10μm,深さ40μm,長さ500μmの管路
に400μm注入する場合で数分程度である。室温に戻
すのに要する時間を考慮しても必要な時間は数十分程度
である。従って、気体拡散によって液体を注入する方法
に比べて注入に要する時間を4分の1程度に短縮するこ
とが出来る。
【0041】また、第2の方法、すなわち管路外部の圧
力を大気圧より降下させる方法を用いても前記の加熱に
よる方法と同様の効果が得られるため液体を注入するた
めに要する時間は短縮される。前記の液注入方法では、
室温、大気圧の状態で注入管路の入口を屈折率整合液体
に浸して、加熱あるいは減圧する工程順番である。この
順番では、注入管路の入口を屈折率整合液体に浸す作業
を室温、大気圧中で行えるため簡便である長所を持って
いる。しかし、先に説明したように、注入管路の入口を
屈折率整合液体に浸すと直ぐに注入管路には毛細管現象
で液が進入し始め、加熱,減圧により内部の気体を排除
する際にはこの毛細管現象による圧力に対向しなければ
ならない。注入管路や駆動管路の加工寸法には偏差が存
在するため常に同じ量の気体を排除できるわけではな
い。例えば、注入管路の途中に管路幅が少し狭まった箇
所が存在すると、その箇所を越えて気体を排除するには
より高い圧力差を必要とし、予定の量の気体の排除がで
きなくなる。スイッチを複数並べてマトリクススイッチ
を構成する場合では、複数のスイッチを同時に組み立て
る必要があり、すべての駆動管路に同一量の液を注入す
る必要がある。前記の方法は複数の管路に均一に液を注
入することが困難である。
【0042】これを避けるには、あらかじめ加熱,減圧
工程を施し、内部気体の量を減じた状態で、注入管路の
入口を液に接触させる方法をとればよい。このために
は、加熱,減圧状態で注入管路の入口を液に接触させる
ための工夫が必要となるが、液注入量の均一化には有効
な手段である。
【0043】前記のような方法を用いることによって後
述する実施例で説明する図2のような実際的構造を持つ
管路に必要量の液体を注入することが出来るが、本発明
の光スイッチの駆動管路に液体を注入する場合には、単
に規定量を注入するだけでは不充分で目的の長さの液柱
(管路断面を満たした有限の長さを持った液の固まり)
を駆動管路の中に発生させなければならない。必要量の
液量を注入した段階で液柱が発生する場合もあるが、た
いていの場合液柱は発生しない。そのため余分に液を注
入する以下のような手順をとる場合がある。
【0044】前述の注入方法により液体が内部に進入す
ると、先ず、駆動管路及び迂回管路の内壁が液体で濡
れ、管路の断面四隅に溜まる。これは、シリコンオイル
を材料としている屈折率整合液の、基板を形成するガラ
スに対する、濡れ性が極めて高いためである。
【0045】さらに液体が進入すると、液体は断面四隅
に溜まり続けて最も管路幅の狭い駆動管路に液柱が出来
る。このとき、液体の界面の曲率半径が小さくなって断
面四隅に溜まる液量が少なくなる。液体と閉じこめられ
た気体の圧力差は液面の曲率半径で決定され、半径が小
さいほど気体の圧力が高くなるためである。この断面四
隅に溜まる液量が少なくなる現象と、気体の圧力が上昇
する現象が重なり、駆動管路の液柱に液が追加され液柱
の成長が加速される。たいていの場合このようにして追
加で流れ込んだ量は必要な液量を越え、液量過多の状態
になる。
【0046】目的の長さの液柱を完成させるには、前記
の液量過多の状態で、加熱、あるいは外部を減圧して、
内部に閉じこめられている気体の容積を増大させ、余分
の液体を注入管路を通じて外部に排除させる。この際、
駆動管路の幅より注入管路の幅が狭いことが必要であ
る。前記したように閉じこめられた気体と液体の圧力差
は液面の半径に反比例するため、もし、駆動管路の幅よ
り注入管路の幅が広いと、気体の膨張に伴って液界面が
注入管路に浸入すると、駆動管路の液柱の圧力は注入管
路の液体の圧力より低い状態になるので、液は排除され
ずに気体が注入管路に浸入することになる。管路幅が逆
の関係にあれば、例え液界面が注入管路に浸入しても注
入管路に詰まっている液体の圧力より液柱の圧力の方が
常に高いので、気体の膨張に伴い液柱の液体が排除され
ることになる。このように注入管路が駆動管路より幅が
狭いことは液量を調整するために重要な設計上の条件と
なる。前記の液量調整は、温度を上げる、あるいは減圧
した状態での注入管路入口の封を必要とする。
【0047】これまでに説明してきた方法では、液の注
入は自然にまかせていた。すなわち、気体拡散による注
入,加熱,減圧による内部気体の排除による注入であ
る。しかしながら、このような液注入を自然にまかせた
方法では、次のような現象が起きやすく複数の駆動管路
に同じように注入することが難しい問題がある。
【0048】すなわち、一旦、液柱が発生して、内部に
閉じこめられた気体の圧力が上昇すると、気体のオイル
への溶解量が増し、液柱が発生する前よりも速く気体が
外部にオイル中を拡散して外部へ漏れ出す。したがっ
て、先に液柱が発生すると、ゆっくりではあるが、液柱
ができる前よりも速い速度でオイルが注入される。すな
わち、先にオイルが入った駆動管路ほどオイル注入量が
ますます増加するといったポジティブなフィードバック
が働く。液柱の発生する時期は製造上の寸法のばらつき
のために管路毎にずれるので、自然にまかせた液注入で
は注入量の均一化は困難なのである。また、自然にまか
せた液注入では、駆動管路中に液柱が発生した段階で必
ず液量過多になってしまい、液量の調整作業が必要とな
る面倒もある。
【0049】これを解決するため、圧力を一旦加え、そ
の後その圧力を除き、大気圧に戻す方法をとる。これに
より、前記の、減圧して大気圧に戻す注入方法あるいは
加熱して室温に戻す注入方法では困難であった複数の駆
動管路への均等な液注入が可能になる。以下に、本発明
の液注入方法での液の挙動を説明する。液注入を行う光
スイッチの構造は図9に示すものである。
【0050】まず、最終的に大気圧に戻した状態で、必
要量の液体が駆動管路内に溜まり、圧力の平衡が成立す
るよう、注入管路の容積、駆動管路の容積を最適化して
あらかじめ設計,作製しておく。具体的に示すため、図
9の駆動管路5、注入管路7の構造を有す光スイッチ構
造の場合を説明する。図9中、符号1は光導波路基板、
2は光導波路層、3は光導波路、4は上部蓋、5は駆動
管路、6は迂回管路、7は注入管路、8は注入管路入
口、9はヒーター及び10は屈折率整合液体(オイル)
を各々図示する。図9に示す光スイッチ構造において、
駆動管路5の容積Vs (ここでは迂回管路6の容積も含
める)と注入管路7の容積Vi を合わせた容積をV、最
終的に駆動管路5内に保持されるオイル10の液柱の体
積をv、駆動管路5の幅をw、深さdとすると、最終的
に液柱が注入された状態では、閉じこめられた空気の圧
力pは、オイル10の表面張力γと次の関係が成立す
る。
【数11】
【数12】 ここで、P0 は大気圧である。式(12)では、注入管
路7はオイル10で満たされることを仮定している。し
たがって、気体の体積はVs-v である。図9に示す駆動
管路5、注入管路7の構造は、式(11),式(12)
を満足するとして説明する。注入管路7の幅は駆動管路
5の最小幅より通常狭く作られる。これは、溝5内に液
柱が発生した際に、注入管路7を満たした液体が抜け出
て液柱に流れ込むのを防ぐためである。注入管路7の途
中にオイル10の界面が存在するとき、その界面の曲率
半径が、溝5内に発生する液柱の曲率半径より小さくな
くてはならない。さもないと、圧力差で注入管路7の液
体は液柱へ流れ出して、液柱の量の制御ができなくな
る。
【0051】この注入管路7の入り口にオイル10を接
触させると表面張力でオイル10は注入管路7の中に進
入する。同時に内部の空気は閉じこめられ、オイル10
の進入によって圧縮される。このオイル10の進入は、
オイル10の界面が注入管路7から駆動管路5へ接続さ
れる箇所へ到達すると一旦停止する。なぜなら、その場
所で、狭い注入管路7の幅が広がり、オイル界面の曲率
半径が大きくなって、それ以上空気を圧縮して内部にオ
イル10が進入することはできなくなるためである。
【0052】前記の注入法では、この状態で保持し、徐
々に閉じこめられた気体がオイル中を拡散して外部に排
除されるのを待つ。あるいは、減圧,加熱を行なって強
制的に内部の気体を排除してオイル10を注入するので
あるが、これらの方法では、前記課題として説明したよ
うに、均一な注入は困難である。
【0053】本実施の形態では、一旦オイル10の進入
が停止したこの状態で、外部から圧力を加える。そうす
ると、内部に閉じこめられた気体は圧縮され、その分、
オイル10が駆動管路5内へ進入する。溝幅や溝の深
さ,加工の不完全さのため、駆動管路5内に液柱ができ
るタイミングは異なるが、加圧しオイル10を強制的に
駆動管路5内へ余分に注入することで、複数の溝がある
場合においてもすべてに液柱を発生させることができ
る。その後、圧力を減じて大気圧に戻すと、内部に閉じ
こめられた空気の圧力は、最終状態の圧力、すなわち式
(11)に表される圧力pになり、式(12)にしたが
った量の液量を駆動管路5内に保持して余分なオイル1
0は注入管路7から外部へ排除される。これで目的の液
注入が完了する。このときも注入管路7の幅が液柱のあ
る駆動管路5の最小幅より狭いことが重要である。も
し、幅の大小が逆転していると、内部気体の圧力で外部
に余分なオイル10が排除される際、駆動管路5内のオ
イル10でなく、注入管路7に存在するオイル10が排
除されてしまう。注入管路7は常にオイル10で満たさ
れた状態を保っている必要があり、そのためその幅は駆
動管路5よりも狭く作られるのである。
【0054】また、余分なオイル10が排除される際、
駆動管路5内の液柱が消滅しないのは、一旦液柱ができ
てしまうと、その状態の方が駆動管路5の隅に溜まって
いるときより空気とオイル10が接している面積が少な
くなり、より安定した状態が実現されるからである。
【0055】大気圧に戻した状態で必要量の液柱が溝5
内に完成しているので、あとは注入管路7の入り口付近
の余分なオイル10をふき取るなどして除去した後、接
着剤などのシール材11で封をすれば液柱入が完了す
る。
【0056】前記説明では、大気圧,室温の条件の下で
作業が完了できるよう、あらかじめ各管路の容積を考慮
して設計しているが、当然ながら、先に説明した、加
熱,減圧により内部に閉じこめる気体の量を制御する方
法と組み合わせることもできる。
【0057】以上のように注入管路を用いて駆動管路に
屈折率整合液を注入する方法を記したが、このような液
体注入方法をとれるよう本発明では、液体を注入する前
に密閉された管路を形成している。本発明においては、
接着剤を用いない陽極接合により二枚の基板を接合す
る。陽極接合は二枚の基板間に電圧を印加し静電力によ
って分子間結合を形成する接合方法である。接着剤を用
いないので接着剤の劣化による信頼性上の問題、整合液
との接触による相互の劣化等を心配する必要がない。た
だし、本発明においても、注入管路の入口を接着剤を用
いて封止するが注入管路の入口の断面積は小さく、か
つ、管路は長いので駆動管路内の屈折率整合液に影響を
与えることはない。
【0058】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0059】(第1の実施例:光スイッチの基本構造
1)図2は本発明の第1の実施例を説明する図であり、
光スイッチの基本構造を示す。図2中、符号28は光導
波路基板、29は上部基板、30は駆動管路、31は注
入管路、32は前記管路31の注入口、33は迂回管
路、34は屈折率整合液35i,35o,36i,36
oは光導波路を各々図示する。
【0060】本発明の光スイッチは、光導波路と管路と
ヒーター(図示せず)から構成されている。これらの構
造物は光スイッチを超小型で安価なものにするため、ス
パッタリング,フォトリソグラフィやドライエッチング
に代表される微細加工技術を用いて同一の光導波路基板
上に形成されている。
【0061】これらの構造物のうち光導波路35i,3
5oと光導波路36i,36oは光導波路基板28中で
互いに交差している。光導波路の交差部には、光路を切
り替えるために光導波路の光軸と所定の角度を成す壁面
を持つ駆動管路30が形成されている。光導波路と駆動
管路の交差角は全反射条件を満たす。また、駆動管路の
幅は透過損失を低減するために10mmの狭小である。
さらに、光導波路を伝搬する光を完全に遮るのに充分な
深さを有する。通常、光導波路の中心は表面から20〜
25mmの位置にあるので、伝搬光の広がりを考慮して
40mm程度の深さに加工する。さらに、透過・反射損
失を低減するために駆動管路30の壁面は垂直からの角
度ずれが0.5°以下、平滑さ(粗さ)が100〜25
0Åである。これらの加工はRIE(反応性イオンエッ
チング)により作製される。
【0062】屈折率整合液34を駆動管路30に注入す
るための注入管路31が駆動管路30と注入管路入口3
2を結ぶように形成されている。ここでは、注入管路3
1を駆動管路30と同時に加工して形成するため、その
寸法は幅5mm,深さ40mmである。このように大変
幅が狭いので屈折率整合液34を管路に注入するときに
は毛細管現象を考慮しなければならない。本実施例の光
スイッチにおいては毛細管現象による液体の急激な進入
を防ぐために注入管路31をただ一カ所のみ形成してい
る。
【0063】また、駆動管路30の寸法は幅10mm,
深さ40mm,長さ100mmであり、必要とされる屈
折率整合液34の量は数十plである。この微少な注入
量を制御するため、前記作用で記したように注入管路の
幅を駆動管路の幅よりも狭くした。ここでは、注入管路
31の幅を5mmにしている。
【0064】また、液体を注入後、注入管路入口32を
接着剤で封止するため、駆動管路30にある屈折率整合
液34が接着剤と反応して光学的特性を損なわないよう
に注入管路31を長くする必要がある。この理由から、
本実施例において注入管路31の長さは約2mmであ
る。
【0065】このように封止された屈折率整合液の駆動
はヒーターによって加熱することにより液体の表面張力
を減少させて行っている。図2では図が煩雑になるのを
さけるため記載していないが、そのためのヒーターや電
気配線が、駆動管路30の周辺部に形成されている。ヒ
ーターは駆動管路の近傍にTiやCrの薄膜で形成さ
れ、配線はAu薄膜によって形成される。
【0066】本実施例では、図2のように屈折率整合液
34の移動を容易にするため駆動管路30の両端を結ぶ
迂回管路33が光導波路と交差しないよう上部基板29
に形成されている。
【0067】図2に示した迂回管路33の形状はコーナ
ーが直角のコの字形なのでコーナーに屈折率整合液34
が溜まり、液体注入時の液量の見積もりが難しい。コー
ナーに屈折率整合液34が溜らないよう迂回管路33の
コーナーを屈折率整合液の界面の曲率半径よりも大きな
半径を持つように丸めると液柱入が容易になる。また、
管路断面四角を丸めることによっても同様の効果が得ら
れる。
【0068】(第2の実施例:光スイッチの基本構造
2)図3は本発明の第2の実施例を説明する図であり、
注入管路入口の構造を示す。図2に示した駆動管路30
と注入管路31,迂回管路33は上部基板29と光導波
路基板28を固定することによって形成される。二枚の
基板は駆動管路30と迂回管路33を位置合わせして注
入管路入口を塞がないように固定されるため、上部基板
29の側面と光導波路基板28によってL字形の角37
が出来る。このL字形の角37と注入管路31がつなが
っているため、注入された液体は濡れによって管路外に
逃げてしまう。このため、逃げ出した屈折率整合液34
が注入管路入口32を封止する際に接着剤の機械的強度
を低下させてしまう。接着剤の機械的強度の低下は光ス
イッチの信頼性や製造性を劣化させるため、このような
L字形の角が出来ないような構造が必要である。
【0069】このため、図3に示す光スイッチでは、上
部基板29に注入管路入口32と同じ半径を持つ貫通穴
38を設けた構造としている。この貫通穴38を注入管
路入口32に位置合わせして上部基板29を光導波路基
板28の全体を覆うように被せることによって、前記の
問題を解決している。この貫通穴38はドライエッチン
グやサンドプラスト、超音波加工等を用いて形成され
る。
【0070】(第3の実施例:光スイッチの製造)図4
は、本発明の第3の実施例を示す図であり、駆動管路へ
の屈折率整合液の注入方法を示す。
【0071】駆動管路30への屈折率整合液34の注入
は、光導波路基板28と上部基板29を固定した後に行
う。図4に示すように、基板外部に露出したただ一つの
注入口32に屈折率整合液34を浸すと液体は表面張力
によって平衡状態に達するまで管路内へ進入する。平衡
状態に達するまでの時間は断面10mm×40mm,長
さ100mmの管路において数秒である。平衡状態に達
した後、液体は閉じこめられた気体の拡散によって進入
する。気体拡散による液体の進入は時間に依存し、幅1
0mm×深さ40mm×長さ100mmの注入管路への
注入速度は数十Pl/hである(図5を参照)。従っ
て、駆動管路30に注入する必要量を前記の液体の進入
速度で割って注入時間を算出する。液体を注入管路入口
に浸してからこの算出した時間が経過した時点で入口を
封止することによって駆動管路30に必要な液体量を注
入する。例えば、幅10mm,深さ40mm,長さ50
0mmの管路に動粘度50cStの屈折率整合液を40
0mm注入する場合、約3時間で注入することが出来
る。
【0072】このように気体の拡散を利用して注入量を
時間で制御する方法は比較的長く時間がかかるため、製
造性を考慮すると時間を短縮する必要があり、そのため
に次の二つの方法を採る。
【0073】第1の方法は、温度によって注入量を制御
する方法である(図6を参照)。これは、室温において
注入管路入口を液体に浸し液体が平衡状態に達するまで
放置した後、温度を上げて閉じこめられた気体39を膨
張させて管路外に排出し、閉じこめられた気体39の量
を減少させてから室温に戻すことによって液体を注入す
る方法である。この方法を用いると前記の例の寸法の管
路に液体を注入するのに温度約80℃で数十分程度であ
る。
【0074】実際には、室温において平衡状態達するま
で液体を注入した後、光スイッチをヒーターに載せて前
記のように80℃まで加熱する。80℃で平衡状態に達
してからヒーターの温度を室温に戻す。室温で平衡状態
に達したときに駆動管路30に必要量の液体が注入され
ていなければ、再び不足分に相当する温度に上昇させ気
体39を排出することによって注入量を調節することが
出来る。室温で平衡状態に達した後、注入管路入口32
の余分な液体を拭き取り、接着剤で封止する。ここで
は、接着剤はエポキシ樹脂系であるがシリコンゴム等を
用いても良い。注入,封止に要する時間はほとんど温度
を上げたり下げたりする温度調節時間であるため、数分
程度である。
【0075】また、第2の方法は、圧力によって注入量
を制御する方法である(図7を参照)。これは閉じこめ
られた気体39の膨張を、前記温度を上昇させることに
よって得るのではなく光スイッチの外側の圧力を下げる
ことによって得る方法である。この方法を用いても同様
に時間を短縮することが出来る。
【0076】実際には、大気圧において気体39を平衡
状態に達するまで液体を注入した後、光スイッチを減圧
槽に入れて減圧する。減圧された雰囲気で平衡状態に達
してから雰囲気を大気圧に戻す。大気圧で平衡状態に達
したとき駆動管路に必要量の液体が注入されていなけれ
ば、再び不足分に相当する圧力を減げて閉じこめられた
気体39を排出することによって注入量を調節すること
が出来る。大気圧で平衡状態に達した後、注入管路入口
32の余分な液体を拭き取り接着剤で封止する。この方
法においても、注入に要する時間は圧力を調節するのに
かかる時間だけに依存するため、より短時間で圧力を落
ちつかせることによって注入に要する時間を短縮するこ
とが出来る。
【0077】前記、第3の実施例で説明した製造方法で
は、管路の製造上の寸法のばらつきのために複数の管路
に均等に液を注入することが困難な場合がある。それを
改善するための実施例を以下に説明する。
【0078】(第4の実施例:光スイッチの製造)図1
0は本発明の液注入方法の手順を表す図である。液注入
を行う光スイッチの構造は、図9に示したものと同じで
ある。この光スイッチでは、光導波路基板に駆動管路5
が形成され、その駆動管路5の両端をつなぐように迂回
管路6が蓋側に形成されている。さらに注入管路7が上
部蓋4の側面から駆動管路5に達するよう上部蓋4に形
成されている。この上部蓋4はパイレックスガラスにフ
ォトリソグラフィにより迂回管路6,注入管路7となる
溝を形成したもので、同じくフォトリソグラフィで駆動
管路5を形成された導波路基板の上部に接合されてい
る。接合は、陽極接合により行われている。導波路基板
側の駆動管路5の幅は5μm,深さ40μm,長さ20
0μm、蓋側の迂回管路6の幅40μm,深さ20μ
m,長さ400μmとする。これらの寸法は、この種の
光スイッチの典型的な値である。注入すべき液柱は駆動
管路5の1/3程度の長さを占めると理想的である。し
たがって、液柱の容積は、v=1.3×104 μm3
溝の容積は、Vs =4.0×105 μm3 である。オイ
ル10の表面張力は、室温で20dyn/cmなので、
式(11)より閉じこめられた空気の圧力は大気圧より
9.0×103 Paほど高くなる。1気圧が約1.0×
105 Paなので大気圧の約1/10ほど内部の気圧は
高いことになる。これらの数値を式(12)に代入して
注入管路7の容積を見積もると、2.2×104 μm3
となる。注入管路7の断面を10μm×5μmとする
と、長さは440μmとなる。パイレックス基板の表面
に幅10μmで、深さ5μmの溝を形成することは容易
である。この寸法に注入管路7が作製されているとす
る。
【0079】液注入の手順を図10に沿って説明する。
屈折率整合剤のオイル10を注入する前の状態は注入管
路7も駆動管路5も空の状態である(図10(a)参
照)。前述した作用の項で説明したように、オイル10
を注入管路7に接触させるとまず表面張力でオイル10
が注入管路7に進入し(図10(b)参照)、注入管路
7はオイル10で満たされる。オイル10の先頭界面が
駆動管路5に達するとオイル10の進入は一旦停止する
(図10(c)参照)。この状態で外部から0.1気圧加
圧すると、内部の気体39の体積はほぼ1/10ほど圧
縮されて減ずる。その体積、すなわちおよそ4.0×10
4 μm3 だけオイル10が駆動管路5内へ強制的に注入
される。この体積は目的とする液柱の体積の約3倍であ
り、これだけの量のオイル10が駆動管路5内へ入る
と、駆動管路5の狭い部分、実施例では5μm幅の箇所
に液柱が必ず発生する(図10(d)参照)。溝幅や表
面状態等が加工精度の範囲で違っていてもこの加圧状態
で必ず液柱を発生させることができる。実施例では1つ
の駆動管路で説明しているが、当然ながら、この方法で
複数の駆動管路を有する光スイッチ、あるいは、複数の
光スイッチを同時に処理して、オイル10を注入するこ
とができる。液柱を発生させたのち大気圧に戻すと、内
部の気体39が余分なオイル10を排出して、目的の量
の液柱を駆動管路5内に保持して、大気圧より9.0×
10 3 Paほど高い状態に留まる((図10(e)参
照)。この状態で圧力の平衡状態になるので、注入管路
7の入り口の余分なオイル10をふき取ってエポキシ樹
脂接着剤で封をする。これで液注入と封が完了する
((図10(f)参照)。
【0080】実施例では、注入管路入口8にオイル10
を接触させると説明したが、これは、注入管路入口8に
スポイト等でオイル10を滴下する。あるいは、オイル
10で濡れた細いガラス管を接触させるなどの方法を意
味する。これら以外にもスイッチの基板をオイル10の
浴に浸すなどの方法も同様の効果を与える。大量に処理
する場合などは後者の方法が効率が良い。注入が完了し
た後、注入管路入口8の余分なオイル10を除去する方
法として、ふき取る以外に、アルコールに浸して洗浄す
る。アルコールを吹き付ける、エアーを吹き付けて飛ば
す等の方法も有効である。封をするためのシール材11
として、実施例では、エポキシ樹脂接着剤を使っている
が、このほかにも、シリコンゴム,シリコン樹脂もシー
ル材11として使用できる。
【0081】前記実施例では、注入管路7の容積、駆動
管路の容積を式(11)、および(12)を満足するよ
うに調整して作製してある。そのため、オイル注入開始
時は大気圧下で行え、しかも加圧したのち大気圧に戻す
と自動的に必要量の液柱が完成する。このように、寸法
を調整して溝等を作製すると液注入が極めて容易に行え
る。しかし、注入管路7の容積が条件よりも大きくある
いは小さい場合でも、オイルを注入管路7に接する前に
あらかじめ減圧あるいは加圧し、その後、本発明の液注
入方法をとれば、同様に安定して液柱を完成させること
ができる。あるいは、加圧後、減圧して封をする時の圧
力を大気圧より高い、あるいは低く保持して適量の液柱
を完成させることも可能である。このように、従来減
圧,加熱による内部空気の排出を併用しても良い。
【0082】前記説明では、注入管路の幅が駆動管路の
幅より狭いことを必要な設計上の条件として、迂回管路
の幅については説明しなかったが、この迂回路の幅が駆
動管路の幅より大きい場合は、駆動管路内で液柱を駆動
するタイプの光スイッチが構成される。逆に、迂回路の
幅が駆動管路の幅より狭い場合は、液注入に伴い、駆動
管路より先に迂回管路に液柱が発生し、最終的に駆動管
路に気泡を残して他の場所はすべて液で満たされた状態
となる。これは駆動管路内で気泡を駆動するタイプの光
スイッチとなる。後者の場合、迂回管路と注入管路の幅
には特に大小の制限はない。どちらの構成の光スイッチ
の場合でも本発明の光スイッチの構造と製造方法はこれ
まで説明したように有効である。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光スイッ
チの構造によれば、数十plといった微少量の液体を注
入することが出来るため光スイッチの製造が容易にな
る。
【0084】また、陽極接合によって光導波路基板と上
部基板を固定するため、信頼性の高い光スイッチを実現
できる。
【0085】また、本発明の光スイッチの製造方法によ
れば、数十plといった微小量の液体を時間に換算して
注入することが出来るため光スイッチの製造が容易にな
った。
【0086】また、本発明の光スイッチの製造方法によ
れば、状態量である温度や圧力を制御することによって
注入時間を短縮することが出来るため光スイッチの製造
性が向上する。
【0087】また、前記の時間と温度,圧力を管理する
方法を用いることによって多数の素子に対して同一条件
で液体注入を行うことが出来るので同品質の光スイッチ
を大量生産することが出来る。
【0088】さらに、圧力を加えて強制的に液柱を発生
させる工程を加えることで、複数の溝へ同時にかつ均一
に屈折率整合液体を注入することができ、光スイッチ製
造の製造性を高めかつ歩留まりを大幅に改善することが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光スイッチの作用を説明するための概
略図である。
【図2】本発明に係る第1の実施例の光スイッチの概略
図である。
【図3】本発明に係る第2の実施例の光スイッチの概略
図である。
【図4】本発明に係る第3の実施例の光スイッチの製造
方法の概略図である。
【図5】本発明に係る第3の実施例の光スイッチの製造
方法の概略図である。
【図6】本発明に係る第3の実施例の光スイッチの製造
方法の概略図である。
【図7】本発明に係る第3の実施例の光スイッチの製造
方法の概略図である。
【図8】作用を説明するための概略図である。
【図9】本発明の第4の実施例に係る光スイッチ構造の
斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施例の手順を示す図であ
る。
【図11】従来の光スイッチの概略図である。
【符号の説明】
1 光導波路基板 2 光導波路層 3 光導波路 4 上部蓋 5 駆動管路 6 迂回管路 7 注入管路 8 注入管路入口 9 ヒーター 10 屈折率整合液体 11 シール材 20 光導波路基板 21 上部基板 22 駆動管路 23 注入管路 24 管路23の注入口 25 屈折率整合液 26i,26o,27i,27o 光導波路 28 光導波路基板 29 上部基板 30 駆動管路 31 注入管路 32 管路31の注入口 33 迂回管路 34 屈折率整合液 35i,35o,36i,36o 光導波路 37 上部基板側面と光導波路基板によって形成される
L字形の角 38 上部基板29に設けられた注入口31に貫通する
穴 39 気泡 41i,41o,42i,42o 光導波路 43 屈折率整合液が駆動するための溝 44 屈折率整合液 45 接着剤を流し込むための溝(凹) 46 接着剤を流し込むための溝(凸) 47 接着剤 48 光導波路基板 49 上部基板 41i,41o,42i,42o 光導波路 43 屈折率整合液が駆動するための溝 44 屈折率整合液 45 接着剤を流し込むための溝(凹) 46 接着剤を流し込むための溝(凸) 47 接着剤 48 光導波路基板 49 上部基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 安秀 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−303048(JP,A) 特開 平1−304417(JP,A) 特開 平6−67049(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路基板内で互いに交差する光導波
    路の交差部に設けられた駆動管路内に光導波路と屈折率
    が等しい屈折率整合液体が封入され、この屈折率整合液
    体を駆動管路内で移動させ、それにより互いに交差する
    光導波路間で光路の切替を行う光スイッチであって、前
    記駆動管路よりも幅の狭い注入管路が駆動管路に接続さ
    れている光スイッチの製造方法において、 前記注入管路の入口を前記液体に浸し、前記駆動管路に
    注入する前記液体の量を時間で制御することを特徴とす
    る光スイッチの製造方法。
  2. 【請求項2】 光導波路基板内で互いに交差する光導波
    路の交差部に設けられた駆動管路内に光導波路と屈折率
    が等しい屈折率整合液体が封入され、この屈折率整合液
    体を駆動管路内で移動させ、それにより互いに交差する
    光導波路間で光路の切替を行う光スイッチであって、前
    記駆動管路よりも幅の狭い注入管路が駆動管路に接続さ
    れていると共に、前記注入管路を一カ所のみ有する光ス
    イッチの製造方法において、 前記注入管路の入口を前記液体に浸し、前記駆動管路に
    注入する前記液体の量を時間で制御することを特徴とす
    る光スイッチの製造方法。
  3. 【請求項3】 光導波路基板内で互いに交差する光導波
    路の交差部に設けられた駆動管路内に光導波路と屈折率
    が等しい屈折率整合液体が封入され、この屈折率整合液
    体を駆動管路内で移動させ、それにより互いに交差する
    光導波路間で光路の切替を行う光スイッチであって、前
    記駆動管路よりも幅の狭い注入管路が駆動管路に接続さ
    れている光スイッチの製造方法において、 前記注入管路の入口を前記液体に浸し、室温より高い温
    度の状態に一定時間保持し、再び室温に戻すことによ
    り、あるいは、室温より高い温度の状態に一定時間保持
    し、前記注入管路の入口を前記液体に浸し、再び室温に
    戻すことにより、前記駆動管路に注入する前記液体の量
    を温度で制御することを特徴とする光スイッチの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 光導波路基板内で互いに交差する光導波
    路の交差部に設けられた駆動管路内に光導波路と屈折率
    が等しい屈折率整合液体が封入され、この屈折率整合液
    体を駆動管路内で移動させ、それにより互いに交差する
    光導波路間で 光路の切替を行う光スイッチであって、前
    記駆動管路よりも幅の狭い注入管路が駆動管路に接続さ
    れていると共に、前記注入管路を一カ所のみ有する光ス
    イッチの製造方法において、 前記注入管路の入口を前記液体に浸し、室温より高い温
    度の状態に一定時間保持し、再び室温に戻すことによ
    り、あるいは、室温より高い温度の状態に一定時間保持
    し、前記注入管路の入口を前記液体に浸し、再び室温に
    戻すことにより、前記駆動管路に注入する前記液体の量
    を温度で制御することを特徴とする光スイッチの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 光導波路基板内で互いに交差する光導波
    路の交差部に設けられた駆動管路内に光導波路と屈折率
    が等しい屈折率整合液体が封入され、この屈折率整合液
    体を駆動管路内で移動させ、それにより互いに交差する
    光導波路間で光路の切替を行う光スイッチであって、前
    記駆動管路よりも幅の狭い注入管路が駆動管路に接続さ
    れている光スイッチの製造方法において、 前記注入管路の入口を前記液体に浸し、大気圧より低い
    圧力の状態に一定時間保持し、再び大気圧に戻すことに
    より、あるいは、大気圧より低い圧力の状態に一定時間
    保持し、前記注入管路の入口を前記液体に浸し、再び大
    気圧に戻すことにより、前記駆動管路に注入する前記液
    体の量を圧力で制御することを特徴とする光スイッチの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 光導波路基板内で互いに交差する光導波
    路の交差部に設けられた駆動管路内に光導波路と屈折率
    が等しい屈折率整合液体が封入され、この屈折率整合液
    体を駆動管路内で移動させ、それにより互いに交差する
    光導波路間で光路の切替を行う光スイッチであって、前
    記駆動管路よりも幅の狭い注入管路が駆動管路に接続さ
    れていると共に、前記注入管路を一カ所のみ有する光ス
    イッチの製造方法において、 前記注入管路の入口を前記液体に浸し、大気圧より低い
    圧力の状態に一定時間保持し、再び大気圧に戻すことに
    より、あるいは、大気圧より低い圧力の状態に一定時間
    保持し、前記注入管路の入口を前記液体に浸し、再び大
    気圧に戻すことにより、前記駆動管路に注入する前記液
    体の量を圧力で制御することを特徴とする光スイッチの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至6のいずれか一項の光スイ
    ッチの製造方法において、 それぞれの方法で、温度を室温に戻した後、あるいは大
    気圧に戻した後、圧力を加え、その後、その圧力を除去
    することを特徴とする光スイッチの製造方法。
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