JP3186636U - ピンセット - Google Patents
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Abstract
【課題】 対象物の損傷を防止しつつ良好に保持し、必要な作業を対象物に施すことができるピンセットを提供する。
【解決手段】 ピンセット10は、連結支点12から2つの把持腕14,16が開くように伸びており、交差部20で交差して、延長腕22,24にそれぞれ接続している。延長腕22,24の先端には、外側に湾曲した湾曲部30,40を介して、保持部32,42が設けられている。保持部32,42は、熱収縮性の樹脂チューブによる樹脂カバー34,44によって覆われている。湾曲部30,40が設けられているので、保持部32,42の先端が対象物Wに当接するようになる。また、対象物Wを保持部32,42で挟んでも、樹脂カバー34,44が当たるので、対象物Wの損傷が防止される。
【選択図】図1
【解決手段】 ピンセット10は、連結支点12から2つの把持腕14,16が開くように伸びており、交差部20で交差して、延長腕22,24にそれぞれ接続している。延長腕22,24の先端には、外側に湾曲した湾曲部30,40を介して、保持部32,42が設けられている。保持部32,42は、熱収縮性の樹脂チューブによる樹脂カバー34,44によって覆われている。湾曲部30,40が設けられているので、保持部32,42の先端が対象物Wに当接するようになる。また、対象物Wを保持部32,42で挟んでも、樹脂カバー34,44が当たるので、対象物Wの損傷が防止される。
【選択図】図1
Description
本考案はピンセットに関し、例えば、歯科のインレーやクラウンなどの製作に好適なピンセットの改良に関するものである。
従来のピンセット,特に歯科用のピンセットとしては、下記特許文献に記載されたものがある。特許文献1には、先端部の内側に、医療器具との係合部ないし嵌合部を設けるようにすることで、歯科用器具等の医療器具を挟持して運搬、保持、除去等する場合の操作性の向上を図るようにした医療用ピンセットが開示されている。特許文献2には、本体先端部内側の対応挟着面が、最先端部にフラットな肉厚部を有し、その肉厚部の直角落差に続く内側附近部に断面湾曲状窪み部を形成するとともにその両側端縁長手方向に歯状を形成し、前記肉厚部のフラット面の長手方向中心には先端へ抜ける滑り防止溝を穿設することで、綿球や棒状物の把持という機能を保ちつつ、鋳造冠、抜去歯牙等の滑りやすい小片の、さらには根充時のガッタパーチャ等のポイントを確実に把持できるようにした歯科用ピンセットが開示されている。特許文献3には、挟込板及び挟込片を非磁性体の純チタン製とするとともに、支点部を磁性体のマグネットとし、この支点部を下方へ若干傾斜させるようにすることで、磁性体アタッチメントをチェサーサイドで操作したり、技工操作をする時に、治療作業を極めて容易にし、かつ、磁性体アタッチメントの磁石構造体やキーパー等を口内に運びやすくした歯科用ピンセットが開示されている。
ところで、歯の補綴ないし修復を行うための被せ物(クラウン)や詰め物(インレー)としては、金属,ジルコニア,セラミックスなどの材料が使用されるが、近年は、審美性(見栄え)の観点からセラミックが主流となっている。これらには、必要に応じて、セラミックを何層も重ねることで、天然歯(自然歯)と比較しても遜色のない質感や色を得る築成,ステイン(色付け)やグレーズ(つや出し),スチームクリーナーによる汚れの除去,などの各種の作業が施される。
しかしながら、作業の際に従来の金属製のピンセットを使用すると、対象物の表面に傷を付けたり、圧力を強く掛けすぎて破損してしまう,ピンセット先端の金属が付着してしまうといった不都合がある。加えて、従来のピンセットでは良好に保持できないような形状や形態の補綴物もある。
本考案は、以上の点に着目したもので、対象物の損傷を防止しつつ良好に保持し、必要な作業を対象物に施すことができるピンセットを提供することを、その目的とする。
前記目的を達成するため、本考案は、一端が固定された把持腕の先に延長腕が形成されており、これら延長腕の先に、対象物を保持する保持部が形成されているピンセットであって、前記保持部に樹脂カバーを形成したことを特徴とする。他の考案は、一端が固定された把持腕の先に交差部を介して延長腕が形成されており、これら延長腕の先に、対象物を保持する保持部が形成されている逆タイプのピンセットであって、前記保持部に、樹脂カバーを形成したことを特徴とする。
主要な形態の一つは、前記保持部の先端が対象物に当接するように、前記保持部と前記延長腕との間に湾曲部を形成したことを特徴とする。他の形態の一つは、前記保持部のうち、一方の先端が針状となっており、この針状先端が他方の側面を向いていることを特徴とする。更に他の形態の一つは、前記保持部のうち、いずれか一方が二股に分かれていることを特徴とする。更に他の形態によれば、前記保持部のうち、一方の樹脂カバーが熱収縮性の樹脂チューブによって形成されており、他方の樹脂カバーがPOMもしくはPETによって形成されたことを特徴とする。本考案の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本考案によれば、対象物を挟む保持部に樹脂カバーを形成することとしたので、対象物の損傷を防止しつつ良好に保持し、必要な作業を対象物に施すことができる。
以下、本考案を実施するための形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1(A)〜(C)を参照しながら、本考案の実施例1について説明する。本実施例のピンセット10は、いわゆる逆ピンセットで、手でつまむと先端が開き、手を離すと先端が閉じるタイプである。図1(A)は全体を示し、(B)は指で矢印の方向に押して先端が開いた(離れた)状態を示し、(C)は指を矢印の方向に離して物を挟んだ状態を示す。
これらの図において、ピンセット10は、連結支点12から2つの把持腕14,16が開くように伸びており、それらが交差部20で交差して、延長腕22,24にそれぞれ接続した構成となっている。これら連結支点12から延長腕22,24に至る部分は、一般的な逆ピンセットと同様であり、例えば金属材料(主にステンレス)が使用される。
前記延長腕22,24の先端には、図1(B)に示すように、前記連結支点12から延長腕22,24に至る長手方向に対し、外側に湾曲した湾曲部30,40が設けられており、これらの湾曲部30,40の先に保持部32,42がそれぞれ設けられている。これら湾曲部30,40や保持部32,42も金属材料が使用される。
湾曲部30,40は、同じ湾曲形状としてもよいが、図示の例では、湾曲部30は比較的強くS字状にカーブしており、湾曲部40は緩やかなS字状ないしL字状となっている。これらの湾曲の程度は、必要に応じて適宜設定してよい。前記保持部32,42のうち、保持部32は針状に尖っているのに対し、保持部42は比較的鈍く尖った形状となっている。以下、両者を区別するときは、針状保持部32,凸状保持部42と表現する。これら保持部32,42は、樹脂カバー34,44によって覆われている。
保持部32,42は、全体として、ピンセット10の長手方向LH(図1(B)参照)に対して、角度θで示す方向に傾いて形成されている。この角度θは、必要に応じて適宜設定してよい。このような角度θを設けることで、作業者は、ピンセット10の保持部32,42が見やすくなり、作業性が向上する。
前記保持部32,42の樹脂カバー34,44としては各種のものを使用してよいが、例えば、針状保持部32は、POM(ポリアセタール),PET(ポリエチレンテレフタレート)などの比較的固い樹脂材料(硬質樹脂)によって形成し、凸状保持部42は、熱収縮性の樹脂材料によって形成する。例えば、熱収縮性の樹脂チューブが好適である。他にゴムなどを使用してもよい。前記針状保持部32の先端は、凸状保持部42の先端付近の側面に当たっているが、樹脂カバー34,44が設けられているので、先端部分では樹脂同士が当たるようになる。
次に、本実施例の作用を説明すると、例えばセラミックスの詰め物に対して上述した築成処理を行う場合、図1(C)に示すように、対象物W(築成前のセラミック基部)をピンセット10で挟むようにする。すなわち、ピンセット10の把持腕14,16の腹の部分を押すと、交差部20による逆ピンセット構造となっているため、保持部32,42の先端が開くようになる(図1(B)参照)。この状態で、築成の対象物Wを保持部32,42の先端の間に入れて把持腕14,16を離すと、保持部32,42の間に対象物Wが挟まれて保持されるようになる(図1(C)参照)。
図1(D)には、保持状態の一例が示されており、針状保持部32は、対象物Wの作業面側に対してほぼ垂直に先端が当たっている。一方、凸状保持部42は、その側面が対象物Wの作業面と反対の面に当たっている。例えば、針状保持部32の先端は、凸状保持部42の先端から約1ミリ程度下がった側面位置に当たるような形状となっている。このように、針状保持部32が対象物Wの作業面側にほぼ垂直に当たっているので、対象物Wの作業面に対して、上述した築成,ステイン,グレーズ,クリーニングなどの各種の作業を良好に施すことができる。このとき、湾曲部30,40が設けられているので、対象物Wを掴みやすく、掴んだ対象物Wを良好に目視できるので、作業性がよい。
更に、本実施例によれば、対象物Wに金属が直接当たることはなく、樹脂カバー34,44が当たるのみである。このため、対象物Wの表面に傷を付けたり、圧力を強く掛けすぎて対象物Wを破損したり,あるいはピンセット先端の金属が対象物Wに付着してしまうといった不都合が防止され、対象物Wを良好に保持するとともに、必要な作業を対象物Wに施すことができるようになる。なお、対象物Wの作業面のうち、針状保持部32の先端が当たっている僅かな部位は、どうしても築成などの処理を施すことができないが、作業台(例えばセラミックスの焼成台)の上に対象物Wを置いて、築成セラミックスの補充などを行うようにする。
図1(E)は変形例で、湾曲部30,40に対する保持部32,42の取付けを逆にした例である。すなわち、図1(A)〜(C)では、湾曲部30,40の先に保持部32,42がそれぞれ設けられているが、図1(E)では、逆に、湾曲部40,30の先に保持部32,42がそれぞれ設けられている。
次に、図2を参照しながら、本考案の他の実施例について説明する。上述した実施例1と同様の構成部分には同一の符号を用いることとする。まず、同図(A)の実施例は、上述した凸状保持部42の代わりに、二股に分岐した凸状保持部70を設けた例である。凸状保持部70は、湾曲部40から二股にV字状に分岐した凸状保持肢72,74を備えており、いずれも樹脂カバー76が被せられている。他方の針状保持部32の先端は、前記凸状保持肢72,74に挟まれた空間内に位置するようになる。この例によれば、針状保持部32の先端,凸状保持肢72,74の各先端の3点で対象物Wを挟んで支えることができるため、対象物Wの姿勢が安定し、作業性が向上する。
図2(B)の実施例は、上述した針状保持部32の代わりに、二股に分岐した針状保持部80を設けた例である。針状保持部80は、湾曲部30から二股にV字状に分岐した針状保持肢82,84を備えており、いずれも樹脂カバー86が被せられている。他方の凸状保持部42の先端は、前記針状保持肢82,84に挟まれた空間内に位置するようになる。この例でも、凸状保持部42の先端,針状保持肢82,84の各先端の3点で対象物Wを挟んで支えることができるため、対象物Wの姿勢が安定し、作業性が向上する。なお、図2(A)の実施例は、対象物Wの作業面に針状保持部32の先端が当たり、対象物Wの裏面に凸状保持肢72,74の先端が当たるが、図2(B)の実施例は、逆に、対象物Wの作業面に針状保持肢82,84の先端が当たり、対象物Wの裏面に凸状保持部42の先端が当たる。
上述した実施例はいずれも逆ピンセットタイプであるが、図2(C)の例は通常のピンセットタイプの例である。同図に示すように、ピンセット100は、連結支点102から2つの把持腕104,106が開くように伸びており、それらの先に、延長腕107,108を介して、保持部110,120が設けられている。これら保持部110,120は、先端が尖っており、樹脂カバー112,122によって覆われている。また、保持部110,120も、前記実施例と同様に、全体として、ピンセット100の長手方向に対し所定角度傾いて形成されている。本実施例では、湾曲部はなく、保持部110,120が側面で対象物Wを挟むようになっている。もちろん、上記実施例と同様に、湾曲を設けるようにしてもよいし、保持部110,120を二股に分岐させてもよい。
なお、本考案は、上述した実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例では、本考案のピンセットを、主として歯科技工用に用いる場合を説明したが、医療用,工業用など他の各種の用途に適用してよい。
(2)前記実施例に示した形状や寸法は一例であり、何ら前記実施例に限定されるものではない。例えば、前記実施例では、針状保持部32のほうが凸状保持部42よりも尖がっているが、その逆としてもよいし、同程度としてもよい。また、図2(A)において、針状保持部32を二つに分岐させ、凸状保持肢72,74を一本としてもよい。
(1)前記実施例では、本考案のピンセットを、主として歯科技工用に用いる場合を説明したが、医療用,工業用など他の各種の用途に適用してよい。
(2)前記実施例に示した形状や寸法は一例であり、何ら前記実施例に限定されるものではない。例えば、前記実施例では、針状保持部32のほうが凸状保持部42よりも尖がっているが、その逆としてもよいし、同程度としてもよい。また、図2(A)において、針状保持部32を二つに分岐させ、凸状保持肢72,74を一本としてもよい。
本考案によれば、ピンセットの先端部分に樹脂カバーを設けることとしたので、対象物表面に対する損傷を良好に防止することができる。例えば、歯科用のセラミックス詰め物や被せ物に対する築成,ステイン(色付け),グレーズ(つや出し),汚れの除去,などの各種の作業に好適である。
10:ピンセット
12:連結支点
14,16:把持腕
20:交差部
22,24:延長腕
30,40:湾曲部
32:針状保持部
42:凸状保持部
34,44:樹脂カバー
70:凸状保持部
72,74:凸状保持肢
76:樹脂カバー
80:針状保持部
82,84:針状保持肢
86:樹脂カバー
100:ピンセット
102:連結支点
104,106:把持腕
107,108:延長腕
110,120:保持部
112,122:樹脂カバー
LH:長手方向
W:対象物
θ:角度
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Claims (6)
- 一端が固定された把持腕の先に延長腕が形成されており、これら延長腕の先に、対象物を保持する保持部が形成されているピンセットであって、
前記保持部に樹脂カバーを形成したことを特徴とするピンセット。 - 一端が固定された把持腕の先に交差部を介して延長腕が形成されており、これら延長腕の先に、対象物を保持する保持部が形成されている逆タイプのピンセットであって、
前記保持部に、樹脂カバーを形成したことを特徴とするピンセット。 - 前記保持部の先端が対象物に当接するように、前記保持部と前記延長腕との間に湾曲部を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のピンセット。
- 前記保持部のうち、一方の先端が針状となっており、この針状先端が他方の側面を向いていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のピンセット。
- 前記保持部のうち、いずれか一方が二股に分かれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のピンセット。
- 前記保持部のうち、一方の樹脂カバーが熱収縮性の樹脂チューブによって形成されており、他方の樹脂カバーがPOMもしくはPETによって形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のピンセット。
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- 2013-08-06 JP JP2013004526U patent/JP3186636U/ja not_active Expired - Fee Related
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