JP3184701B2 - 放電ランプ - Google Patents

放電ランプ

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JP3184701B2
JP3184701B2 JP04293494A JP4293494A JP3184701B2 JP 3184701 B2 JP3184701 B2 JP 3184701B2 JP 04293494 A JP04293494 A JP 04293494A JP 4293494 A JP4293494 A JP 4293494A JP 3184701 B2 JP3184701 B2 JP 3184701B2
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松下電子工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化セシウム等のセシ
ウム化合物をバルブ内に封入して始動特性を改善した冷
陰極蛍光ランプまたは無電極蛍光ランプ等の放電ランプ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置のバックライト等に
用いられる冷陰極蛍光ランプの始動特性を改善するため
に、仕事関数の比較的小さい酸化セシウムを陰極に含浸
させる技術が知られている(平成4年度照明学会全国大
会予稿No.42)。また、無電極蛍光ランプの始動特
性を改善するために、バルブ内放電空間に放射性物質を
封入する試みもある。この場合、放射性物質の崩壊に伴
って発生した電子を利用して点灯始動時に初期電子を速
やかに得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし前者の場合、酸
化セシウムを焼結電極に含浸させるので、含浸処理後の
電極の表面を研磨しておかないと、点灯時のイオン衝撃
で放出された多量のセシウムイオンによって電極近傍の
管壁を早期に黒化させてしまう。また、電極表面を研磨
処理するので該面における酸化セシウムの分子数に不足
をきたし、とくに暗所での点灯に発光ダイオード等の始
動補助光源が必要となる。
【0004】また、後者の場合は、放射性物質の取り扱
い上の安全面から放射線量を極力抑える関係上、とくに
民生用のものにおいて満足すべき始動性能を得難い。
【0005】したがって本発明の目的は、始動補助光源
や放射性物質を用いることなく、すぐれた始動性能をも
つ放電ランプを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の放電ランプは、
上述した目的を達成するために、バルブ内の、点灯時に
イオン衝撃を誘引する程度に電界強度が高い部分を避け
た位置に、セシウム化合物を放電空間に接して設けたこ
とを特徴としている。 また、本発明の放電ランプを、両
端部に電極が設けられたバルブ内であって、前記電極が
配置された部分を避けた位置に、セシウム化合物を放電
空間に接して設ける構成とすることもできる。 また、本
発明の放電ランプを、バルブと、前記バルブの外面に周
回配置され、前記バルブ内に電界を波及させるコイル
と、前記バルブ内であって前記コイルが周回配置されて
いる空間を避けた位置に、放電空間に接して設けられた
セシウム化合物とを備えた構成とすることもできる。
【0007】
【作用】セシウム化合物の仕事関数は比較的小さく、固
体中の電子が固体外へ離脱するのに必要な表面障壁が低
い。かかるセシウム化合物をバルブ内の電極部を避けた
位置に、放電空間に接して設けるので、光電子や熱エネ
ルギーのわずかな付与によって熱電子を放電空間に放出
させ得るので、すみやかに点灯始動に移行させることが
可能となる。つまり、電極を研磨したりセシウム化合物
を脱落させたりすることなく、すぐれた始動性能をもつ
放電ランプを得ることができる。
【0008】
【実施例】つぎに本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。
【0009】図1に示す冷陰極蛍光ランプは、水銀蒸気
およびアルゴンガスを封入したガラス製バルブ1の内面
上に蛍光体膜2を有し、バルブ1の両端部に設けられた
口金3a,3bの各内側に焼結電極4a,4bをそれぞ
れ封着している。そして、一方の焼結電極4aの近傍に
設けられた金属網5の表面上に、仕事関数約1eVの酸
化セシウム6が約200μg塗着されている。
【0010】このように構成された蛍光ランプの始動性
能を、従来の蛍光ランプの始動性能と比較テストしたと
ころ、以下の結果が得られた。
【0011】この比較テストで用いた従来の蛍光ランプ
にA,B,Cの3種がある。その一つたる従来品Aは、
1対の電極の一方に、酸化セシウムを含浸しかつ表面研
磨を施した焼結電極を用いている。従来品Bは、従来品
Aに始動補助光源たる発光ダイオードを組み合わせたも
のである。従来品Cは、酸化セシウムを全く含まない冷
陰極蛍光ランプである。なお、従来品A,Bの焼結電極
に含浸された酸化セシウムの量は研磨処理前に約200
μgであったが、表面研磨によって当該焼結電極の表面
凸部が脱落したのに伴い、初期含浸量の50%以下の酸
化セシウムが表面凹部に残留しているにすぎない。
【0012】本発明を使用した冷陰極蛍光ランプ(本発
明品)および従来品A,B,Cをそれぞれ20数本準備
し、これらを点灯後48時間以上暗所に放置し、その
後、引き続き周囲温度0℃の暗所において両口金3a,
3b間に始動可能な交流電圧を印加し、点灯始動するま
での時間(50%累積平均値)を測定した。この測定結
果を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1から分かるように、本発明品は従来品
Cに比べて始動時間が1/1000倍近く短くなってい
る。一方、従来品A,Bとの比較においは、本発明品は
従来品Aに比べて良好な始動性能を有している。これは
放電空間に接する酸化セシウムの分子数の違いによるも
のである。また、本発明品および従来品Aがともに従来
品Cに比べて暗所において良好な始動性能をもつ理由
は、仕事関数1eV程度の酸化セシウムが固体表面温度
0℃という環境下にあってすら、その熱エネルギーによ
って固体表面から相当数の電子を離脱させることによ
る。そして、このようにして得られた電子がランプの始
動時に初期電子となり得たためである。
【0015】また、光電効果を利用する従来品Bの始動
性能は、本発明品と同等のレベルにあるものの、システ
ム的にはかなり複雑なものとならざるを得ない。また、
本発明品においては長期点灯後も電極近傍の管壁が目立
って黒化しないのに対し、従来品Bではこの黒化の弊害
が残る。
【0016】つぎに本発明の第2の実施例を図2ととも
に説明する。図2に示す無電極蛍光ランプは、その球形
のバルブ7の内面上に蛍光体膜8を有し、バルブ7内に
水銀蒸気およびアルゴンガスが封入されている。また、
高周波電流を通じるコイル9がバルブ7の外面上に周回
配置されている。そして、水銀供給機能を有するゲッタ
10と、酸化セシウム11を塗布してなる金属網12と
がバルブ7内の放電空間に接して設けられている。13
は点灯装置を示す。
【0017】始動時には、コイル9の上端9aと下端9
bとの間に電圧が印加され、バルブ7内に波及した電界
によって酸化セシウム11から放出された電子が加速作
用を受けるので、速やかに点灯始動に移行することがで
きる。酸化セシウム11に起因して起こる管壁の黒化は
無視できる程度のものである。
【0018】上述した2実施例では、金属網5(または
12)に酸化セシウム6(または11)を塗着している
ので、酸化セシウムの表面積を大きくとることができ
る。また、酸化セシウムの使用に代えて、それ以外のセ
シウム化合物を用いることができる。セシウム化合物は
総じて仕事関数が小さいので、上述した実施例における
と同様に使用して上述と同様の作用・効果を得ることが
できる。
【0019】また、上述した実施例では冷陰極蛍光ラン
プおよび無電極蛍光ランプを対象にしたが、その他の蛍
光ランプを含むあらゆる放電ランプに同様に適用するこ
とができる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明によると、バルブ内
の電極部を避けた位置に、セシウム化合物を放電空間に
接して設けるのであり、セシウム化合物を焼結電極に含
浸させたり、焼結電極の表面を研磨処理したり、管壁を
黒化させたりすることなく、また、始動補助光源や放射
性物質等を用いることなく、点灯始動時における電子放
出を容易ならしめ得るので、始動性能のすぐれ放電ラン
プを経済的に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の冷陰極蛍光ランプの一部破
断正面図
【図2】本発明の一実施例の無電極蛍光ランプの一部破
断正面図
【符号の説明】
1,7 バルブ 4a,4b 焼結電極 5,12 金属網 6,11 酸化セシウム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−290811(JP,A) 特開 昭57−21045(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/54 H01J 65/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブ内の、点灯時にイオン衝撃を誘引
    する程度に電界強度が高い部分を避けた位置に、セシウ
    ム化合物を放電空間に接して設けたことを特徴とする放
    電ランプ。
  2. 【請求項2】 両端部に電極が設けられたバルブ内であ
    って、前記電極が配置された部分を避けた位置に、セシ
    ウム化合物を放電空間に接して設けたことを特徴とする
    放電ランプ。
  3. 【請求項3】 バルブと、 前記バルブの外面に周回配置され、前記バルブ内に電界
    を波及させるコイルと、 前記バルブ内の、前記コイルで囲まれた空間を避けた位
    置に、放電空間に接して設けられたセシウム化合物とを
    備えたことを特徴とする放電ランプ。
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