JP3182007B2 - ファジィ線分モデル生成方法および装置 - Google Patents

ファジィ線分モデル生成方法および装置

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JP3182007B2
JP3182007B2 JP33522992A JP33522992A JP3182007B2 JP 3182007 B2 JP3182007 B2 JP 3182007B2 JP 33522992 A JP33522992 A JP 33522992A JP 33522992 A JP33522992 A JP 33522992A JP 3182007 B2 JP3182007 B2 JP 3182007B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手書き入力された文字
・記号等の認識処理のためのパターン認識システムに係
り、特に、手書き曲線を、入力の曖昧さ情報を含むファ
ジィ曲線情報として入力し、その入力ファジィ曲線情報
の一部分としてのセグメントの曲線サンプルモデルをレ
ファレンスパターンとしてのファジィ表現されたレファ
レンスモデルと比較して入力曲線のパターンを弁別する
パターン認識システムにおける入力曲線サンプルモデル
が直線の線分であると仮定した場合のレファレンスモデ
ルとしてのファジィ線分モデルを生成するためのファジ
ィ線分モデル生成方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ペンコンピュータ等と称されるシ
ステム、すなわちディスプレイ付きのペン入力タブレッ
トを入出力装置として持つコンピュータシステムが注目
されている。このようなペンコンピュータシステムは、
例えばコンピュータ、このコンピュータに接続されたデ
ィスプレイ付きタブレットおよびこのタブレットに接続
された入力操作用の入力ペンを有して構成される。この
場合、ディスプレイ付きタブレットは、コンピュータの
出力装置としてのディスプレイ装置とコンピュータに対
する入力用の入力装置とを兼ねている。このような手書
き入力を用いるシステムおよびこのようなシステムで動
作するアプリケーションプログラムにおいては、オペレ
ータの手書きペン入力情報をコンピュータ内で認識する
ため、手書きペン入力による直接的な線図形入力データ
の意味する内容をコンピュータ内で認識・判別する必要
がある。タブレット上のペンによる入力データは、一般
に、時間的に等間隔にサンプリングされた点列として与
えられるので、これを適宜補間して連続的な曲線として
理論的に取り扱えるようにするためにスプライン補間処
理が用いられる。
【0003】このような与えられた点列から補間曲線を
求めるスプライン補間処理としては、例えば、点列とし
て与えられた各点の座標情報に基づいて、これら各点を
通過するようにスプライン曲線をあらわす基底関数の結
合係数を求めることにより、スプライン曲線の制御多角
形を求めて、補間曲線を求めるのが一般的である。例え
ば、3次スプライン曲線の場合は、補間曲線が与えられ
た各通過点の間を互いになめらかに接続するような(例
えば、いわゆる「C2 連続」の条件を満たすような)3
次ベジェ曲線で接続した形のスプライン曲線を求める。
また、従来、このようにしてスプライン補間されたパタ
ーン情報がどのような文字・記号等をあらわしているか
を認識・判定するには、入力されたサンプル図形と予め
用意されたレファレンス図形とのマッチングの度合いを
調べ、入力されたサンプル図形を、最もよくマッチング
するレファレンス図形に対応する文字・記号と認識・判
定していた。
【0004】このような従来のシステムにおいては、サ
ンプル図形のスプライン補間処理にあたって、与えられ
る点列が確定した点列であることを前提としており、現
実には、与えられる入力点列に、曖昧な点や厳密には位
置が正しくない点が含まれることが多いにもかかわら
ず、点列として与えられる各点の情報の中に曖昧な点や
位置が正しくない点が含まれる場合を考慮していない。
また、サンプル図形に限らずレファレンス図形もある確
定した情報として処理され、その結果、これらのマッチ
ングの度合いの情報も確定した単純な情報として求めら
れる。したがって、上述の従来のシステムでは、ペンコ
ンピュータ等における手書き入力のように、曖昧な点や
厳密には位置が正しくない点が含まれ得る入力点列か
ら、曖昧さを適切に評定して、オペレータの意図に即し
た認識処理を行うことは非常に困難である。
【0005】これに対して、本発明者等は、先に、特願
平4−157573号として、入力情報から曖昧な要素
を適切に評定・処理して、オペレータの意図に応じたパ
ターン認識を行うことを可能とするパターン認識方法お
よび装置を提案した。すなわち、このパターン認識方法
および装置は、入力サンプル図形の曖昧さ情報を含むフ
ァジィスプライン曲線にて該サンプル図形を表現し、こ
のサンプル図形の所定個数のファジィ表現された代表点
情報を求めるとともに、レファレンス図形についてのフ
ァジィ表現された代表点情報を前記サンプルの代表点に
それぞれ対応させて所定個数求め、前記サンプルの代表
点情報とレファレンスの代表点情報との対応するペア同
士のマッチングの度合いの区間真理値から図形曲線全体
の区間真理値を求めて、図形曲線全体のマッチングの度
合いを判定するものである。
【0006】このように、曖昧さ情報を含むファジィス
プライン曲線により表現された入力サンプル図形の曲線
情報から、手書き入力の書き手の意図した図形を推論
し、弁別・認識するにあたっては、推論処理系の処理能
力は有限であり、膨大なあるいは無限の情報を瞬時に処
理することができるわけではないことから、入力された
ファジィスプライン曲線をセグメンテーションにより適
宜なる大きさのセグメントに分割し、各セグメント毎に
推論を行うことが有効である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、曖昧
さ情報を含むファジィスプライン曲線により表現された
入力サンプル図形の曲線情報を、適切なセグメンテーシ
ョンによりセグメントに分割した状態でレファレンス図
形と比較し入力サンプル図形を弁別・認識するために
は、レファレンス図形モデルとしてセグメント毎の部分
図形にほぼ対応する単位図形毎の図形モデルを複数用意
して、それら図形モデルとセグメント毎の入力曲線サン
プルモデルとのマッチングの度合いを判定することにな
る。この場合、入力曲線サンプルモデルがファジィ表現
された曲線情報であることから、レファレンス図形モデ
ルもファジィ表現された情報とすれば、曖昧さ情報を有
効に利用したファジィ推論により、書き手の意図した曲
線の弁別・認識を一層適切に行うことができると考えら
れる。
【0008】しかしながら、従来は、このようなファジ
ィ表現されたスプライン曲線の処理が一般的ではなかっ
たため、ファジィ化された入力曲線サンプルモデルに対
応してファジィ化された単位図形のレファレンス図形モ
デル、例えばファジィ線分モデルを生成する技術は存在
しなかった。本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、ファジィ化された入力曲線サンプルモデルに
対応して、適切にファジィ化された直線線分情報からな
るファジィ線分モデルを生成することを可能とするファ
ジィ線分モデル生成方法および装置を提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るファジィ線
分モデル生成方法は、手書き曲線を、入力の曖昧さ情報
を含むファジィ曲線情報として入力し、その入力ファジ
ィ曲線情報の一部分としてのセグメントの曲線サンプル
モデルをレファレンスパターンとしてのファジィ表現さ
れたレファレンスモデルと比較して入力曲線のパターン
を弁別するパターン認識における入力曲線サンプルモデ
ルが直線の線分であると仮定した場合のレファレンスモ
デルとしてのファジィ線分モデルを生成するにあたり、
入力曲線サンプルモデルをあらわすファジィスプライン
曲線上から適宜なる2個のファジィ点を第1および第2
のファジィ代表点として選択する代表点選択ステップ
と、上記第1および第2のファジィ代表点を満足するフ
ァジィ線分を、これら第1および第2のファジィ代表点
間の内分ファジィ点および外分ファジィ点の集合として
構成しファジィ線分モデルとする線分構成ステップとを
有することを特徴としている。
【0010】本発明に係るファジィ線分モデル生成装置
は、手書き曲線を、入力の曖昧さ情報を含むファジィ曲
線情報として入力し、その入力ファジィ曲線情報の一部
分としてのセグメントの曲線サンプルモデルをレファレ
ンスパターンとしてのファジィ表現されたレファレンス
モデルと比較して入力曲線のパターンを弁別するパター
ン認識システムにおける入力曲線サンプルモデルが直線
の線分であると仮定した場合のレファレンスモデルとし
てのファジィ線分モデルを生成するためのファジィ線分
モデル生成装置において、入力曲線サンプルモデルをあ
らわすファジィスプライン曲線上から適宜なる2個のフ
ァジィ点を第1および第2のファジィ代表点として選択
するための代表点選択手段と、上記第1および第2のフ
ァジィ代表点を満足するファジィ線分を、これら第1お
よび第2のファジィ代表点間の内分ファジィ点および外
分ファジィ点の集合として構成しファジィ線分モデルと
するための線分構成手段とを具備することを特徴として
いる。
【0011】
【作用】本発明のファジィ線分モデル生成方法および装
置は、手書き曲線を、入力の曖昧さ情報を含むファジィ
曲線情報として入力し、その入力ファジィ曲線情報の一
部分としてのセグメントの曲線サンプルモデルをレファ
レンスパターンとしてのファジィ表現されたレファレン
スモデルと比較して入力曲線のパターンを弁別するパタ
ーン認識における入力曲線サンプルモデルが直線の線分
であると仮定した場合のレファレンスモデルとしてのフ
ァジィ線分モデルを生成するにあたり、入力曲線サンプ
ルモデルをあらわすファジィスプライン曲線上から適宜
なる2個のファジィ点を第1および第2のファジィ代表
点として選択し、これら第1および第2のファジィ代表
点を満足するファジィ線分を、これら第1および第2の
ファジィ代表点間の内分ファジィ点および外分ファジィ
点の集合として構成しファジィ線分モデルとするので、
ファジィ化された入力曲線サンプルモデルに対応して、
適切にファジィ化された直線線分情報からなるファジィ
線分モデルを生成することができる。
【0012】
【実施例】 《ファジィスプライン補間》本発明の実施例の説明に先
立ち、まず、各点毎の位置情報として与えられる点列デ
ータを補間近似して、これら点列に対応するファジィス
プライン曲線情報を得るための基本的な原理を説明す
る。この場合、各点の位置が曖昧で且つある広がりを持
つファジィ点列が与えられたとき、この曖昧さ情報を含
んだままでスプライン補間を行い、曖昧さによる広がり
を持ったなめらかな曲線を生成する。例えば、手書き入
力図形のサンプル点列の位置情報自体に曖昧さが内在
し、これが2次元のファジィ点列(各々が2次元のファ
ジィ集合としてあらわされた点の系列)として表現され
るものと仮定した場合に、これらのファジィ点列を、あ
る仮定のもとに補間して、連続的でしかも曖昧さを含ん
だ曲線、すなわちファジィスプライン曲線として表現す
ることにより、コンピュータ内で理論的に処理・利用し
易い形で保存することを可能とする。
【0013】点列の位置情報の曖昧さとは、オペレータ
が描こうと意図している図形の概念的な位置情報に対し
て、実際に描かれてサンプリングされたデータが持つ不
正確さすなわち曖昧さのことである。一般的にいって、
オペレータが丁寧に描いている部分の曲線のサンプル点
の位置情報は、オペレータが描こうと意図している図形
に対する忠実度が高く、それに含まれる曖昧な要素が少
ないと考えられる。一方、オペレータが粗雑に描いてい
る部分の曲線のサンプル点の位置情報は、オペレータが
描こうと意図している図形に対して曖昧な要素が多く含
まれる情報であると考えられる。したがって、このよう
な性質を考慮した上で、各サンプリング点の位置情報に
適切な曖昧さを付加し、ファジィスプライン補間法によ
りファジィスプライン曲線を生成して、コンピュータ内
に保持させるようにすれば、入力曲線情報としては、入
力された線図形それ自体の形状と共にその線図形の各部
分の描き方に応じた曖昧さ情報が保持されることにな
る。
【0014】上述した曖昧さ情報の付加の仕方について
は、例えば、手書き入力時のペンの加速度や筆圧情報等
を利用することが考えられる。一般的には、加速度に比
例して曖昧さが多く含まれるものとして設定すればよ
い。上述のように、入力線図形およびその各部における
曖昧さ情報が同時にファジィスプライン曲線情報として
コンピュータ内部で保持されれば、例えば、意図的に丁
寧に描いた楕円のデータと、円を粗雑に描いたために楕
円になってしまったデータとがコンピュータ内で区別し
得る形で保持されることになる。このようにして、一旦
コンピュータ内に保持されたファジィスプライン曲線情
報は、手書き入力された線図形のサンプリングデータか
らオペレータが入力しようと意図した線図形を推論およ
び認識するための素材として利用することが可能である
はずである。上述したファジィスプライン補間の原理に
ついて、さらに具体的に説明する。
【0015】ファジィスプライン補間では、まず、曖昧
さを含んだ2次元平面上のベクトルをあらわすために円
錐型メンバシップ関数を持つファジィベクトルを考え、
そのファジィベクトルの演算を拡張原理に基づいて定義
する。次に、スプライン曲線の制御多角形の頂点をファ
ジィベクトルであらわすことによって、通常のスプライ
ン曲線の拡張であるファジィスプライン曲線を構成す
る。さらに、このファジィスプライン曲線によって、曖
昧さを含んだ平面上のファジィ点列を、曖昧さ情報を含
んだままで補間する。 〈円錐型ファジィベクトルとその演算〉円錐型のメンバ
シップ関数を持つファジィベクトルを考え、そのファジ
ィベクトル相互の和演算およびそのファジィベクトルと
クリスプなスカラ量との乗算を定義する。
【0016】まず、円錐型ファジィベクトルのメンバシ
ップ関数とその表記法について検討する。平面上の曖昧
な2次元ベクトルを表現するために、図3に示すような
円錐型メンバシップ関数によって特徴付けられるファジ
ィベクトルを考える。ここで、円錐の頂点の位置をあら
わすベクトルaと円錐の底円の半径ra とを用いて、前
記円錐型メンバシップ関数を持つ第1のファジィベクト
ルを数1であらわす。
【0017】
【数1】
【0018】なお、このときの数1であらわされる第1
のファジィベクトルのメンバシップ関数は、平面上の任
意の変数ベクトルvに対して数2で与えられる(なお、
数2における演算子「∨」は大きいほうをとるmax
(最大値)演算をあらわしている)。
【0019】
【数2】
【0020】この数1および数2に示す円錐型ファジィ
ベクトルはスカラ量のファジィモデルである対称三角型
ファジィ数の直接の拡張となっている。次に、円錐型フ
ァジィベクトル相互の和演算および円錐型ファジィベク
トルとクリスプなスカラとの演算について検討する。数
3に示すような第2のファジィベクトルを考える。
【0021】
【数3】
【0022】拡張原理を適用することにより、前記第1
のファジィベクトルと第2のファジィベクトルとの和は
数4であらわされることが導かれる。
【0023】
【数4】
【0024】また、同様にして前記第1のファジィベク
トルにクリスプなスカラ量kを乗じた結果は数5であら
わされる。
【0025】
【数5】
【0026】したがって、数6のようなファジィベクト
ルの線形結合も数7のように同様のタイプのファジィベ
クトルであらわされる。
【0027】
【数6】
【0028】
【数7】
【0029】〈ファジィスプライン曲線〉節点系列u
i-1 ,…,ui+n によって定義されるn次の規格化Bス
プライン関数をNi n (u)とすれば、パラメータ空間
上の区間:[un-1 ,un+L-1 ]を定義域とする任意の
n次スプライン曲線sn (u)は数8であらわされる。
【0030】
【数8】
【0031】ここで、位置ベクトルd0 ,…,dL+n-1
は制御多角形の頂点をあらわしており、スプライン曲線
上の点は制御多角形の頂点の線形結合として与えられて
いる。そこで、数8の制御多角形の頂点をあらわす位置
ベクトルを、前述のファジィベクトルによるファジィ位
置ベクトルに拡張することによってファジィスプライン
曲線を定義する。すなわち、ファジィ制御多角形の頂点
として数9を与えることにより、n次のファジィスプラ
イン曲線を数10のように数8の拡張として定義する。
【0032】
【数9】
【0033】
【数10】
【0034】数10はパラメータ値uに対応するファジ
ィスプライン曲線上の点が、ファジィ位置ベクトルの線
形結合となっていることを示す。したがって、上述のフ
ァジィベクトルの和演算およびクリスプなスカラ量によ
る乗算の演算規則を適用すれば、この点は数11であら
わすことができ、円錐型ファジィ位置ベクトルとして評
価されることがわかる。
【0035】
【数11】
【0036】〈ファジィスプライン曲線によるファジィ
点列の補間〉図形平面上にファジィ位置ベクトルによっ
て数12のようなファジィ点列が与えられたとき、これ
らを通過するようなファジィスプライン曲線の制御多角
形は数13であらわされる線形システムを解くことによ
り得られる。
【0037】
【数12】
【0038】
【数13】
【0039】ただし、m=L+n−1とおき、またsi
を数12のファジィ点列に対応するパラメータuの値と
すれば数14、数15および数16である。
【0040】
【数14】
【0041】
【数15】
【0042】
【数16】
【0043】上述のようにファジィスプライン曲線の制
御多角形を得るには、数13であらわされる線形システ
ムを数14について解けばよい。数13は、実際にはフ
ァジィベクトルの円錐の頂点のx軸要素、y軸要素およ
び円錐の底円の半径に関する3重の線形システムとなっ
ているから、これら3つの線形システムを解くことによ
りファジィスプライン曲線の制御多角形が求められる。
上述したファジィスプライン補間を具体的な例について
説明する。図4〜図6は図形空間上に与えられたファジ
ィ点列を3次ファジィスプライン曲線で補間する例を示
している。なお、図4〜図6における円は円錐型ファジ
ィベクトルの底円を示している。 (1) 円錐型のメンバシップ関数を持つ数17のファジィ
点列を図4に示すように与える。
【0044】
【数17】
【0045】このとき実際にサンプルされた点を円錐の
頂点とし曖昧さを底円の半径として与える。曖昧さは例
えば加速度等の情報をもとにして与える。 (2) 通常のスプライン補間手法を拡張した方法により、
数18のファジィ制御多角形を求める。このファジィ制
御多角形は図5に示される。
【0046】
【数18】
【0047】(3) 数18のファジィ制御多角形に対し
て、通常のド・ブーアのアルゴリズムを拡張した方法に
より、補間・評価を行って、所望の細かさで図6のよう
なファジィ曲線を生成する。
【0048】《手書き曲線のファジィセグメンテーショ
ン》上述したファジィスプライン曲線補間を応用し、タ
ブレット等から入力される曖昧さを含んでいると考えら
れる線図形の手書き入力データから、書き手が何を書こ
うとしたのかを推論するにあたり、入力データをある程
度の大きさのセグメントに区切る必要がある。この場
合、手書き線図形は、基本的に書き手が意図したストロ
ークで描かれることから、入力データを手書き入力のス
トロークにより区切ることが有効であると考えられる。
そこで、ファジィスプライン曲線からの、手書きストロ
ークの区切りによるセグメンテーションの原理について
説明する。
【0049】書き手が何を書こうとしたのかを探るた
め、セグメンテーションにあたっては、入力された線図
形がどのようなストロークで書かれているか、そのスト
ロークの区切りを検出する。手書き入力では、ストロー
クの区切りでは、入力速度が遅くなり、角や停止点とな
って線図形にあらわれる。そこで、ある点が止まってい
るかどうかを調べることにより、ストロークの区切りを
抽出することができると考えられ、ある点が、ある一定
時間停止しているかどうかをファジィ的に評価すれば、
ストロークの区切りによるファジィセグメンテーション
を行うことができる。 〈サンプル点のファジィスプライン補間〉一定時間間隔
でサンプリングされた入力点列pi は、必ずしも曲線の
書き手の意図を正確に反映した正確な位置情報をもって
いるとは限らない。一般に、曲線を粗雑に書けば書くほ
どその位置情報は曖昧になる。この観点から、各サンプ
ル点はその点における手書き加速度に比例する位置の曖
昧さをもっていると考えられる。このことは、各サンプ
ル点pi を示すのに、数19のファジィベクトルを用い
ることにより表現することができる。
【0050】
【数19】
【0051】ここで、rpiはサンプル点pi における加
速度に比例して設定される。このようなファジィベクト
ルであらわされるサンプル点列を、上述した手法により
補間してファジィスプライン曲線を得ることができる。 〈区間真理値による停止性の評価〉数11を用いること
により、もとのサンプリング間隔よりも短い一定時間間
隔でスプライン曲線が評価される。このことにより、よ
り細かいファジィ点列である数20が得られる。
【0052】
【数20】
【0053】数20の各ファジィ点における停止性の度
合いを、数21および数22に示す必然性測度Ni およ
び可能性測度Pi に基づく区間真理値[Ni ,Pi ]に
より評価する(なお、数21における演算子「∨」は大
きいほうをとるmax(最大値)演算をあらわし、数2
2における演算子「∧」は小さいほうをとるmin(最
小値)演算をあらわしており、数21における「in
f」は下限をとる操作を示し、数22における演算子
「sup」は上限をとる操作を示している)。
【0054】
【数21】
【0055】
【数22】
【0056】ここで、数21および数22に示す必然性
測度Ni および可能性測度Pi は、それぞれファジィ点
について数23に示す命題が成り立つ必然性および可能
性として定義される。kについて適切な整数を選択すれ
ば、上述の命題は、「時刻iにおける曲線上の位置が、
その微少時間(k時間)前の曲線上の位置と同じであ
る」と理解される。
【0057】
【数23】
【0058】〈ファジィセグメンテーション〉各点にお
ける停止性の度合いを評価する区間真理値を用いること
により、手書き曲線を書き手の意図したストロークに対
応してセグメントに分割する手法を提案する。この手法
は、曲線が注意深く書かれている場合には的確なセグメ
ンテーションとなる。一方、曲線が粗雑に書かれている
場合にはセグメンテーションの曖昧さが検出される。 [評価ファジィ点へのラベリング]区間真理値[Ni
i ]は、任意の閾値α∈[0,1]と比較されて量子
化され、図7に示すように、「1(真)」、「?(不
明)」または「0(偽)」にラベル付けされる。
【0059】[評価ファジィ点のグルーピング]次に、
図7のように「?」または「1」とラベル付けされたす
べてのファジィ点を、「0」とラベル付けされたファジ
ィ点と分離してGjにグループ化する。各グループGj
は停止点すなわち結合された2つのセグメントの区切り
点の候補に対応すると推定される。 [区切り点のファジィ抽出]各グループGjそれ自体
は、もしもそれが「1」にラベル付けされたファジィ点
を少なくとも1つ含んでいれば、「1」にラベル付けさ
れ、そうでなければ「0」にラベル付けされる。いま、
図7のように、各グループGj毎に1つのファジィ点を
選択することにより、数24に示すように、それらの母
群からラベルを受け継ぐ区切り点が抽出される。
【0060】
【数24】
【0061】「1」にラベル付けされた区切り点は、自
動的に抽出された的確な区切り点として扱われる。一
方、「?」にラベル付けされた区切り点は、依然として
疑問があり、曲線の書き手に、直接の判断を求めて、単
なる区切り点の候補として提示される。このような原理
によって、手書き操作による曖昧さ情報を含んだファジ
ィスプライン曲線情報から曖昧さ情報を有効に利用し
て、ストロークによる的確なセグメントに区切ることが
でき、認識処理に供することができる。
【0062】《手書き曲線のファジィ認識アルゴリズ
ム》ここで、本発明の実施例が適用される手書き曲線の
ファジィ認識システムにおける手書き曲線のファジィ認
識のアルゴリズムについて詳細に説明する。本システム
は、ペンコンピュータのようなタブレットとディスプレ
イが一体となった入力デバイス上において、スタイラス
ペンで曲線を手書きすることにより、書き手の所望の幾
何学的意味を持つ曲線を計算機内に生成する直接的な図
形入力ヒューマンインタフェースを実現するものであ
る。より具体的にいえば、これは「線分」、「円」、
「円弧」、「楕円」、「楕円弧」、「閉自由曲線」、
「開自由曲線」の7種類の曲線クラスを、手書きで書き
分けて計算機に入力することができるヒューマンインタ
フェースを実現するものであり、これをCADなどに用
いれば、従来のようにメニュー選択などの間接的な操作
によらない、より直接的で自然な図形入力インタフェー
スを実現することが可能となる。
【0063】当然のことながら、手書きで入力され、観
測された曲線の位置情報と、書き手が本来書こうと意図
した理想的な曲線のそれとの間には、「ずれ」が生じ
る。したがって、入力・観測された曲線サンプルの位置
情報を確定的に取り扱うことはできない。本システムで
は、入力曲線サンプルをファジィスプライン曲線で表現
することによって、観測された位置情報の曖昧さ自体を
情報として保持し、手書き曲線の曖昧さを考慮しつつ書
き手の意図する理想的曲線の推論を実現する手法を与え
る。
【0064】ここでは、入力曲線サンプルの曖昧さ情報
を、その曲線の書かれた丁寧さ加減に基づいて設定して
推論・認識することにより、人間が曲線の形状と書き方
の丁寧さ加減によって自然に意図する曲線クラスを書き
分けることのできるヒューマンインタフェースを実現す
る。本システムによれば、結果的に、丁寧に書けば書く
ほどより自由度の高い複雑な曲線クラスとして、また粗
っぽく書けば書くほどより単純な曲線クラスとして認識
される傾向となる。したがって、書き手は、単純なクラ
スの曲線を書きたいときには曲線を適当に粗っぽく書く
ことにより象徴的に形状を表現し、また反対により複雑
な形状を意図的に書きたいときにはその実際に書かれて
いる形状が意図的なものであることを丁寧に書くことに
よって表現することができる。
【0065】例えば、適当にさらりと丸を書くことによ
り、少々形状が歪んでいても真円として認識されるよう
に曲線を入力したり、丁寧に書くことにより真円から微
妙にはずれた自由曲線を意図的に入力したりすることが
可能となる。さらに、本手法ではもともと曖昧さを含ん
だ情報に基づいて推論を実現しているため、推論結果、
すなわち「推論された曲線クラス」および「認識された
曲線形状」自体が、入力曲線サンプルの曖昧さを反映し
た曖昧さを含んだファジィ表現として得られる。このよ
うな、ファジィ表現は、最終的な曲線クラス決定や曲線
形状決定を行うための情報を、書き手の人間やより上位
の推論システムへ過不足なく伝えることができる。この
ため、人間の自然且つ効率的な次候補選択操作や、他の
情報と合わせて判断を行うようなより上位の推論システ
ムの実現などが可能となる。
【0066】〈アルゴリズムの流れ〉本アルゴリズム
は、例えばタブレットから入力された手書き曲線が、上
述したファジィスプライン補間によりファジィスプライ
ン曲線表現され、さらにこれがストロークを手がかり
に、上述したファジィセグメンテーションによって、基
本曲線毎にセグメンテーションされていることを前提と
する。このとき本手法は、個々の基本曲線セグメントが
「線分」、「円」、「円弧」、「楕円」、「楕円弧」、
「閉自由曲線」、「開自由曲線」の7つの曲線クラスの
うちのいずれであるかをファジィ的に推論する手段を与
え、さらに対話的に決定された基本曲線列をCADのデ
ータとして出力することを実現する。処理全体の概念的
な構成は図8のようになる。
【0067】まず、タブレット上から手書き曲線のサン
プルデータ点列が入力されたら(曲線サンプルデータ入
力M1)、このサンプルデータ点列を加速度などをもと
にしてファジィ化し、さらに得られたファジィサンプル
データ点列に対してファジィスプライン補間を施すこと
により、入力曲線のファジィスプライン曲線表現を得る
(ファジィスプライン補間M2)。次に、このファジィ
スプライン曲線全体を、ストロークの切れ目を頼りにし
て、線分、円、楕円などの基本曲線に対応すべき部分に
分割する。この分割は入力曲線の曖昧さを考慮したファ
ジィセグメンテーション手法により実行され、最終的に
は対話的に分割点を決定する(ファジィセグメンテーシ
ョンM3)。以上の前処理が終了したら、分割された個
々の基本曲線セグメント毎にそのセグメントの曲線クラ
スをファジィ的に推論する(各ファジィ曲線セグメント
毎の処理M4)。これは以下のように実行される。
【0068】まず、その基本曲線セグメントが「線
分」、「円弧(円を含む)」、「楕円弧(楕円を含
む)」である可能性をそれぞれファジィ的に求める(曲
線クラス可能性評価M9)。これは仮説検証によって実
現する。すなわち、ファジィスプライン曲線の一部分と
して表現されている基本曲線セグメントのうちの数点の
代表点を手がかりに、各曲線クラス毎の曲線リファレン
スモデルを構成する(線分レファレンスモデル構成M
6、円弧レファレンスモデル構成M7、楕円弧レファレ
ンスモデル構成M8)。次に、もとのファジィスプライ
ン曲線から、その基本曲線セグメントの曲線サンプルモ
デルを構成する(曲線サンプルモデル構成M5)。この
とき、この曲線サンプルモデルが各曲線クラス毎に仮定
された曲線レファレンスモデルと実際に基本曲線セグメ
ント全体にわたってどの程度合致している可能性がある
かをファジィ的に評価することにより、基本曲線セグメ
ントの曲線クラスがファジィ的に求められる。
【0069】また、一方、その基本曲線セグメントが閉
曲線である可能性を、ファジィスプライン曲線上のファ
ジィ点として得られる基本曲線セグメントの始終点を用
いて、ファジィ的に求める(閉図形可能性評価M1
0)。各曲線クラスの可能性と閉曲線の可能性が得られ
たら、これらの可能性を入力とするファジィ推論を実行
し、書き手が意図した曲線クラスをファジィ的に認識す
る(曲線認識のためのファジィ推論M11)。このとき
曲線クラスの認識結果は「線分」、「円」、「円弧」、
「楕円」、「楕円弧」、「閉自由曲線」、「開自由曲
線」の7つの曲線クラスを要素とする集合を定義域とす
る離散的ファジィ集合として得られる。さらにここで、
このファジィ推論結果をもとに書き手との対話的な処理
により曲線クラスを1つに決定する。この対話的な処理
はファジィ推論結果をもとに行うため書かれた曲線の曖
昧さに応じて効率的に実行される。
【0070】曲線クラスが決定されれば、それに対応し
た曲線リファレンスモデルとして認識曲線が得られる。
ただし、この曲線リファレンスモデル自身はファジィ表
現となっているため、用途に応じてその代表部分を通常
の曲線として抽出する(代表曲線抽出M12)。以上の
処理が全ての基本曲線セグメントに対して終了して各セ
グメントの代表曲線が得られたら、用途に応じてこれら
の代表曲線の接続処理をする(代表曲線の接続M1
3)。これは、曲線全体が一筆書きされていても、認識
される各曲線セグメントが必ずしも接続されたものとし
て得られないための処理である。最後に、認識された各
代表曲線の表現形式を通常のCADで利用しやすい形の
パラメータ形式に変換して(パラメータ変換M14)出
力する。これは、認識された曲線セグメントの内部表現
がBスプライン曲線あるいは有理型ベジェ曲線として得
られるためであり、例えば有理型ベジェ曲線表現された
「円」を「中心」と「半径」といったパラメータ表現に
変換する。
【0071】〈曲線サンプルモデルとそのFMPS〉入
力曲線サンプルのうち、着目する基本曲線セグメントの
部分の形状をあらわすモデルを曲線サンプルモデルとし
て構成する。さらに、この曲線サンプルモデルからファ
ジィマッチングポイントセット(以下、「FMPS」と
略称する)を抽出する。このFMPSは、曲線の全体的
な形状を例えば10点程度のファジィ点で代表するもの
で、後述するレファレンスモデルとの合致度の検証に用
いられる。
【0072】先に述べた、ファジィセグメンテーション
の手法により、1つの基本曲線セグメントのファジィ始
点〔q〕s とファジィ終点〔q〕e とがもとの入力曲線
全体をあらわすファジィスプライン曲線上の2つのファ
ジィ点〔q〕i および〔q〕i+k としてそれぞれ得られ
る。(なお、ファジィ点は、数式、図面等の上では、文
字の上にティルデ「〜」を付して示しているが、明細書
本文中では文字の上にティルデを付して表記することが
不可能であるため、説明の便宜上、ファジィ点はティル
デを付す代わりに「〔」と「〕」とで囲んで示すことと
する。) したがって、着目する基本曲線セグメントの曲線サンプ
ルモデルは、このファジィ始点〔q〕i を与えるパラメ
ータ値ui からファジィ終点〔q〕i+k を与えるパラメ
ータ値ui+k までのパラメータ値区間[ui ,ui+k
に対応するファジィスプライン曲線として既に与えられ
ていることになる。
【0073】次に、この曲線サンプルモデルを曲線に沿
って距離的に等間隔になるように定められた個数である
fmps個のファジィ点で評価し、得られたnfmps個のフ
ァジィ点の集合、すなわち数25を曲線サンプルモデル
のFMPSとする。
【0074】
【数25】
【0075】図9(a) および(b) 〜図11(a) および
(b) に、それぞれ曲線サンプルモデルおよびFMPSの
例を示す(これらの説明図では簡単のためにnfmps=5
の場合を示しているが、実際には基本曲線セグメント全
体の特徴をあらわすようにnfmpsを10程度以上とする
ことが望ましい)。ただし、ここでファジィスプライン
曲線を等距離間隔に分割する点を厳密に求めるのは難し
い。したがって、もとのファジィスプライン曲線上の評
価点〔q〕i ,…,〔q〕i+k のメンバシップ関数の頂
点が形成する多角形をもとに近似的に等距離に分割する
点に対応するパラメータ値を求め、これらのパラメータ
値におけるファジィスプライン曲線上のファジィ点を再
評価することによりFMPSを求める。
【0076】〈曲線クラス毎のレファレンスモデルとそ
のFMPS〉先に述べたファジィセグメンテーション手
法により抽出されたそれぞれの基本曲線セグメントの曲
線サンプルモデルについて、それが「線分」、「円弧
(円を含む)」および「楕円弧(楕円を含む)」のうち
ある特定のクラスの曲線であると仮定した場合に、どの
ような形状の曲線となり得るかという仮説を立てる。こ
こではこれを曲線クラス毎のレファレンスモデルと呼
ぶ。このレファレンスモデルは、曲線サンプルモデルの
うちの数点の代表ファジィ点を手がかりにファジィ有理
型ベジェ曲線として構成する。ファジィ有理型ベジェ曲
線は、「線分」、「円弧」および「楕円弧」の表現が可
能な曲線である通常の有理型ベジェ曲線をファジィ的に
拡張して定義するものであり、したがって得られるレフ
ァレンスモデルはファジィ曲線となる。
【0077】次に、上述した曲線サンプルモデルと同様
に、ファジィ有理型ベジェ曲線として構成されたレファ
レンスモデルの全体的な形状を10点程度のファジィ点
の集合で代表する数26に示すようなFMPSを構成す
る。
【0078】
【数26】
【0079】このレファレンスモデルのFMPSは後述
において曲線サンプルモデルとの合致度を検証するため
に用いられる。 〈線分レファレンスモデルの構成法〉このような曲線ク
ラス毎のレファレンスモデルとして、まず、本発明に係
る線分レファレンスモデルの構成法について説明する。
着目する基本曲線セグメントの曲線サンプルモデルが線
分であると仮定した場合のレファレンスモデルは、曲線
サンプルモデル上から2つのファジィ代表点を選択し、
これらを満足するファジィ線分として構成する。次にこ
のファジィ線分から線分レファレンスモデルのFMPS
を抽出する。
【0080】ファジィ代表点 直線は2点で決定されるので、基本的には曲線サンプル
モデル上から任意の2つのファジィ点を選出して、これ
らを線分レファレンスモデル構成のためのファジィ代表
点とすればよい。ただし、ファジィ代表点が曲線サンプ
ルモデルの全体的な概形を代表するものとなるように、
これらがあまり接近したものとならないように選択する
ことが望ましい。以下では、ファジィ代表点の1つ
〔a〕0 として曲線サンプルモデルの始点〔q〕s を、
もう一方のファジィ代表点〔a〕1 として曲線サンプル
モデル上の任意のファジィ点を設定する場合、すなわち
例えば図9(a) のような曲線サンプルモデルに対して、
図12のようにファジィ代表点〔a〕0 および〔a〕1
を設定する場合について説明する。
【0081】曲線サンプルモデル上の任意の2点をファ
ジィ代表点として選ぶ一般化された場合においても同様
の手法により線分レファレンスモデルを構成することが
可能であることは容易に理解できる。ちなみに実験で
は、〔a〕0 として曲線サンプルモデルの始点
〔q〕s 、〔a〕1 として曲線サンプルモデルの終点
〔q〕e をそれぞれ選択して良好な結果を得ている。 線分レファレンスモデル 線分レファレンスモデルは、選択されたファジィ代表点
〔a〕0 および〔a〕1 を満足するようなファジィ線分
として構成する。このファジィ線分はファジィ点〔a〕
0 および〔a〕1 の内分ファジィ点および外分ファジィ
点の集合として定義することができる(この定義は後述
する円弧および楕円弧のレファレンスモデルと同様にベ
ジェ曲線の特別な場合として定義していることと等価だ
が、線分の場合は簡単なので、ここでは特にベジェ曲線
としての扱いはしないことにする)。
【0082】例えば図12のように選ばれたファジィ代
表点に対しては図13のような線分レファレンスモデル
を構成する。ここで、線分レファレンスモデルの終点
〔q〕e Lineは、曲線サンプルモデルの〔a〕0 から
〔a〕1 への曲線に沿った長さと、〔a〕1 から〔q〕
e への曲線に沿った長さとの比が、線分レファレンスモ
デル上の〔a〕0 から〔a〕1 への距離と、〔a〕1
ら〔q〕e Lineへの距離との比に一致するように定め
る。なお、ここで内分ファジィ点および外分ファジィ点
は次のようにして求められる。ベクトルvを、ベクトル
の長さRv とベクトルのx軸からの角度θv を用いてR
v exp (jθv )と表現することにすれば(jは虚数単
位)、数1および数3のような任意の円錐型ファジィベ
クトル〔a〕と〔b〕のα−レベル集合は、それぞれ数
27および数28であらわされる。
【0083】
【数27】
【0084】
【数28】
【0085】ここで、拡張原理に基づけば、〔a〕と
〔b〕の演算結果である〔a〕+〔b〕のα−レベル集
合は、それぞれのα−レベル集合の演算結果となるか
ら、数29となる。したがってこの結果より、ファジィ
ベクトルの和は数30となる。
【0086】
【数29】
【0087】
【数30】
【0088】また、ある正の実数kに対して数31が成
り立つから、数32が得られる。
【0089】
【数31】
【0090】
【数32】
【0091】また、一方、ある負の実数kに対しては、
数33が成り立つから、数34が得られる。
【0092】
【数33】
【0093】
【数34】
【0094】したがって、数32と数34をまとめる
と、任意の実数kに対して数35が得られる。
【0095】
【数35】
【0096】ところで、いま、〔a〕および〔b〕をフ
ァジィ点とすると、これらをα:βに内分あるいは外分
するファジィ点〔p〕を数36と定義することができ
る。ここでαおよびβが共に正の場合が内分点、αある
いはβの一方が負の場合が外分点となる。またα+βは
常に正数である。
【0097】
【数36】
【0098】この数36に数30と数35の結果を用い
れば、結局、内分点、外分点は数37で求められること
になる。
【0099】
【数37】
【0100】このようすを図示すると例えば図14およ
び図15のようになる。さて、ここで最初に〔p〕と
〔b〕とが与えられて、〔p〕が〔a〕と〔b〕とを
α:βに内分する点となるように〔a〕を求めるような
場合には注意が必要となる。この場合、〔a〕は数38
であり、数39ではない。
【0101】
【数38】
【0102】
【数39】
【0103】FMPS 線分レファレンスモデル上に、これを等距離間隔で分割
するようにnfmps個のファジィ点を求めて線分レファレ
ンスモデルのFMPSとする。このようなFMPSは
〔a〕0 と〔a〕1 の内分ファジィ点および外分ファジ
ィ点を求める操作により容易に求められる。例えば、図
13のような線分レファレンスモデルより図16に示す
ような数40のFMPSを得る。
【0104】
【数40】
【0105】〈円弧レファレンスモデルの構成法〉次
に、着目する基本曲線セグメントの曲線サンプルモデル
が円弧(円を含む)であると仮定した場合のレファレン
スモデルは、曲線サンプルモデル上から3つのファジィ
代表点を選択し、これらを満足するファジィ円弧として
構成する。次にこのファジィ円弧から円弧レファレンス
モデルのFMPSを抽出する。 円弧の2次有理型ベジェ曲線表現 円弧は円錐曲線の一種であり、2次の有理型ベジェ曲線
により表現することが可能である。図17に2次有理型
ベジェ曲線表現された円弧の例を示す。図のb0 からf
を通過してb2 に至る部分の円弧は、ベジェ多角形b0
1 2 と、ある重みwとによって数41で与えられる
2次有理型ベジェ曲線のパラメータ値区間[0,1]の
部分としてあらわすことができる。
【0106】
【数41】
【0107】またb2 からfの反対側を通ってb0 に至
る部分の円弧は、ベジェ多角形b21 0 と符号を逆
にした重み−wによって数42で与えられる2次有理型
ベジェ曲線のパラメータ値区間[0,1]の部分として
あらわすことができる。ただし、Bi 2(t) は2次のバー
ンスタイン多項式とする。
【0108】
【数42】
【0109】このとき、これらの曲線が円弧であるため
の必要十分条件は、線分b1 mが線分b0 2 の垂直2
等分線となり、且つ重みwと図中に示した長さlおよび
hの間に数43に示す関係が成立することである。
【0110】
【数43】
【0111】ここで、円の重み算出について説明する。
円が図18のように2次有理型ベジェ曲線で与えられた
場合、重みwは数44となる。
【0112】
【数44】
【0113】この図でof b0 m且つoa b0 fと
なるから数45が成り立つ。
【0114】
【数45】
【0115】また三角形ab0 fは二等辺三角形となる
ので数46となる。
【0116】
【数46】
【0117】したがって、数44〜数46より、重みw
は数47で求められる。
【0118】
【数47】
【0119】ファジィ代表点 上述の性質によれば、円周上の2点b0 およびb2 、並
びにそれらの2点がなす線分b0 2 の垂直2等分線と
円周との1つの交点fが与えられれば、これら3点を通
過する円が2次有理型ベジェ曲線として求められる。し
たがって、これらと同様の関係にある3つのファジィ点
を曲線サンプルモデルから選出して、これらを円弧レフ
ァレンスモデル構成のためのファジィ代表点とすればよ
い。つまり、曲線サンプルモデル上から任意の2つのフ
ァジィ点〔a〕0 および〔a〕1を選出し、次にこの2
個のファジィ点のメンバシップ関数の頂点を結ぶ線分に
対する垂直2等分線を求める。さらに曲線サンプルモデ
ルの〔a〕0 から〔a〕1に至る部分のファジィ点のう
ちでこの垂直2等分線上にあるファジィ点〔f〕を求
め、これを第3のファジィ代表点とする。
【0120】ここで、ファジィ代表点が曲線サンプルモ
デルの全体的な概形を代表するものとなるようにするた
めには、これらがあまり接近したものとならないように
選択することが望ましい。以下ではファジィ代表点の1
つ〔a〕0 として曲線サンプルモデルの始点〔q〕
s を、2つ目のファジィ代表点〔a〕1 として曲線サン
プルモデル上の任意のファジィ点を設定する場合、すな
わち、例えば図10(a) のような曲線サンプルモデルに
対して、図19のようにファジィ代表点〔a〕0 および
〔a〕1 と、〔f〕とを求める場合について説明する。
【0121】曲線サンプルモデル上の任意の2点をファ
ジィ代表点〔a〕0 および〔a〕1として選ぶ一般化さ
れた場合においても同様の手法により円弧レファレンス
モデルを構成することが可能であるがここでは省略す
る。ちなみに実験では、〔a〕0 として〔q〕s
〔a〕1 として曲線サンプルモデルの後半部分のうちで
〔q〕s からの直線距離が最も遠いファジィ点を選択す
ることによって良好な結果を得ている。 円弧レファレンスモデル 円弧レファレンスモデルは3つのファジィ代表点を満足
するファジィ円弧として構成する。ここでファジィ円弧
は、数41および数42におけるベジェ多角形の頂点b
i(i=1,2,3)をファジィ点〔b〕i(i=1,
2,3)に拡張することにより数48および数49のよ
うに定義する。
【0122】
【数48】
【0123】
【数49】
【0124】このとき、このファジィ円弧が、与えられ
た3つのファジィ代表点〔a〕0 、〔a〕1 および
〔f〕を満たすように、ファジィベジェ多角形〔b〕i
(i=1,2,3)と重みwを定め、これを円弧のレフ
ァレンスモデルとする。この手順は次のようになる。ま
ず、図19に示すように2つのファジィ代表点〔a〕0
および〔a〕1 をそれぞれそのまま〔b〕0 および
〔b〕2 とする。次に、〔a〕0 と〔a〕1 のファジィ
中点〔m〕を数50により求める。
【0125】
【数50】
【0126】ここで、〔a〕0 と〔m〕のメンバシップ
関数の頂点間距離をlとして、また、〔f〕と〔m〕の
メンバシップ関数の頂点間距離をhとしてそれぞれ求
め、数43によって重みwを求める。最後に、〔f〕が
〔b〕1 と〔m〕を1:wに内分するファジィ点となる
ように、〔b〕1 を数51により求める。
【0127】
【数51】
【0128】このように円弧レファレンスモデルを構成
すれば、例えば図19のようなファジィ代表点を満足す
る円弧レファレンスモデルは図20のように求められ
る。ただしここで、円弧レファレンスモデルの終点
〔q〕e Circleは、曲線サンプルモデルの〔a〕0 から
〔a〕1 への曲線に沿った長さと〔a〕1 から〔q〕e
への曲線に沿った長さの比が、円弧レファレンスモデル
上の〔b〕0 から〔b〕2 への曲線に沿った長さと
〔b〕2 から〔q〕e Circleへの曲線に沿った長さの比
に一致するように定める。 FMPS 円弧レファレンスモデル上に、これを曲線に沿って等距
離間隔で分割するようにnfmps個のファジィ点を求め、
円弧レファレンスモデルのFMPS、すなわち数52と
する。例えば、図20の円弧レファレンスモデルから図
21のようなFMPSを得る。
【0129】
【数52】
【0130】ここで、ファジィ有理型ベジェ曲線を曲線
に沿って厳密に等間隔に分割することは困難である。し
たがって、まず、円弧レファレンスモデルをパラメータ
t上で等間隔となるように適当な点数で評価して円弧の
近似多角形を構成する。次にこれからパラメータと円弧
上の曲線に沿った距離の関係を折れ線グラフとして近似
的に求めて、曲線上の距離が等間隔となるように分割す
る点に対応するパラメータ値を近似的に求める。最後に
求められたパラメータ値において、円弧レファレンスモ
デルを再評価することによりFMPSを近似的に得る。
【0131】〈楕円弧レファレンスモデルの構成法〉着
目する基本曲線セグメントの曲線サンプルモデルが楕円
弧(楕円を含む)であると仮定した場合のレファレンス
モデルは、曲線サンプルモデル上から3つのファジィ代
表点と1つの補助点を選択し、これらを満足するファジ
ィ楕円弧として構成する。次にこのファジィ楕円弧から
楕円弧レファレンスモデルのFMPSを抽出する。 楕円弧の2次有理型ベジェ曲線表現 楕円弧は円錐曲線の一種であり、2次の有理型ベジェ曲
線により表現することが可能である。図22に2次有理
型ベジェ曲線表現された楕円弧の例を示す。図のb0
らfを通過してb2 に至る部分の楕円弧は、ベジェ多角
形b0 1 2とある重みw(1>w>−1)によって
数53で与えられる2次有理型ベジェ曲線のパラメータ
値区間[0,1]の部分としてあらわすことができる。
【0132】
【数53】
【0133】またb2 からfの反対側を通ってb0 に至
る部分の楕円弧は、ベジェ多角形b 2 1 0 と符号を
逆にした重み−wによって数54で与えられる2次有理
型ベジェ曲線のパラメータ値区間[0,1]の部分とし
てあらわすことができる。ただし、Bi 2(t) は2次のバ
ーンスタイン多項式とする。
【0134】
【数54】
【0135】このとき、線分b0 2 の中点をmとすれ
ば、線分b1 mと楕円弧との交点fは、楕円弧上の点の
うちで線分b0 2 から極遠となる点を与える。また、
図23のように、楕円弧上に任意にもう1点の補助点p
を与え、点pから線分b0 2 に平行になるように直線
fmにおろした線分の足をtとすれば、図中の距離c、
dおよび点tによる線分fmの内分比α:βと重みwの
間には、数55なる関係が成立する。
【0136】
【数55】
【0137】ここで、補助点による楕円の重み算出法に
ついて説明する。図24のように補助点pを楕円弧上に
とるものとする。すると、重みwは、数56となり、数
56を2乗すれば数57が得られる。
【0138】
【数56】
【0139】
【数57】
【0140】一方、図24より数58となっているか
ら、数59が得られる。
【0141】
【数58】
【0142】
【数59】
【0143】また、数60となっているから、数61が
得られる。さらに、数62となっているから、数63が
得られる。
【0144】
【数60】
【0145】
【数61】
【0146】
【数62】
【0147】
【数63】
【0148】ここで、数63に数61を代入して整理す
れば数64となり、さらに数59を代入して整理すれば
数65となる。
【0149】
【数64】
【0150】
【数65】
【0151】ここで、数65の両辺の値をPとおき数6
6および数67とおけば、数68および数69となり、
数70が得られる。
【0152】
【数66】
【0153】
【数67】
【0154】
【数68】
【0155】
【数69】
【0156】
【数70】
【0157】さらに、数59に注意すれば、数71が得
られる。
【0158】
【数71】
【0159】さてここで、数68、数69および数71
の結果を数57に代入して整理すれば数72が得られ
る。
【0160】
【数72】
【0161】AおよびBは、数66および数67とおい
たものであったから、これらを数72に代入して整理す
ることにより、数73が得られる。
【0162】
【数73】
【0163】ここで、楕円の場合は−1<w<1なの
で、w≠−1である。したがって、数74となる。
【0164】
【数74】
【0165】数74をwについて解けば、重みは数75
で求められる。
【0166】
【数75】
【0167】上記数55の関係は、図25のように補助
点pをベジェ多角形b0 1 2 の外側にとった場合で
も成立するが、この場合、βは負になることに注意す
る。 ファジィ代表点 上述の性質によれば、楕円弧上の2点b0 およびb
2 と、線分b0 2 から極遠となる点fが与えられれ
ば、適宜なる重みを与えることにより、これら3点を通
過する楕円が2次有理型ベジェ曲線として求められる。
したがって、これらと同様の関係にある3つのファジィ
点を曲線サンプルモデル上から選出して、これらを楕円
弧レファレンスモデル構成のためのファジィ代表点とす
ればよい。つまり、曲線サンプルモデル上から任意の2
つのファジィ点〔a〕0 および〔a〕1を選出し、次に
曲線サンプルモデルの〔a〕0 から〔a〕1 に至る部分
のファジィ点のうちで〔a〕0 および〔a〕1 のメンバ
シップ関数の頂点間を結ぶ直線から極遠となるファジィ
点〔f〕を求め、これを第3のファジィ代表点とする。
【0168】ここで、ファジィ代表点が曲線サンプルモ
デルの全体的な概形を代表するものとなるようにするた
めには、これらがあまり接近したものとならないように
することが望ましい。以下ではファジィ代表点の1つ
〔a〕0 として曲線サンプルモデルの始点〔q〕s を、
2つ目のファジィ代表点〔a〕1 として曲線サンプルモ
デル上の任意のファジィ点を設定する場合、すなわち、
例えば図11(a) のような曲線サンプルモデルに対し
て、図26のようにファジィ代表点〔a〕0 および
〔a〕1 と、〔f〕とを求める場合について説明する。
【0169】曲線サンプルモデル上の任意の2点をファ
ジィ代表点〔a〕0 および〔a〕1として選ぶ一般化さ
れた場合においても同様の手法により楕円弧レファレン
スモデルを構成することが可能であるがここでは省略す
る。ちなみに実験では、〔a〕0 として〔q〕s
〔a〕1 として曲線サンプルモデルの後半部分のうちで
〔q〕s からの直線距離が最も遠いファジィ点を選択す
ることによって良好な結果を得ている。このようにファ
ジィ代表点を選択した場合の例を図27および図28に
示す。 楕円弧レファレンスモデル 楕円弧レファレンスモデルは3つのファジィ代表点を満
足するファジィ楕円弧として構成する。ここでファジィ
楕円弧は、数53および数54におけるベジェ多角形の
頂点bi(i=1,2,3)をファジィ点〔b〕i(i=
1,2,3)に拡張することにより数76および数77
のように定義する。
【0170】
【数76】
【0171】
【数77】
【0172】このとき、このファジィ楕円弧が、与えら
れた3つのファジィ代表点〔a〕0、〔a〕1 および
〔f〕を満たすように、ファジィベジェ多角形〔b〕i
(i=1,2,3)と重みwを定め、これを楕円弧のレ
ファレンスモデルとする。この手順は以下のようにな
る。まず、図26に示すように2つのファジィ代表点
〔a〕0 および〔a〕1 をそれぞれそのまま〔b〕0
よび〔b〕2 とする。次に、〔a〕0 と〔a〕1 のファ
ジィ中点〔m〕を数78により求める。
【0173】
【数78】
【0174】ここで、曲線サンプルモデル上に1つの補
助点pをとり、点pから〔b〕0 と〔b〕2 のメンバシ
ップ関数の頂点間を結ぶ直線に平行になるように〔f〕
と〔m〕のメンバシップ関数の頂点間を結ぶ直線におろ
した線分の足tを求め、図23あるいは図25のc、
d、αおよびβに対応する値を求めた後、数55により
重みwを算出する。最後に、〔f〕が〔b〕1 と〔m〕
を1:wに内分するファジィ点となるように、〔b〕1
を数79と求める。
【0175】
【数79】
【0176】このように楕円弧レファレンスモデルを構
成すれば、例えば図26のようなファジィ代表点を満足
する楕円弧レファレンスモデルは図29のように求めら
れる。ただしここで、楕円弧レファレンスモデルの終点
〔q〕e Ellipse は、曲線サンプルモデルの〔a〕0
ら〔a〕1 への曲線に沿った長さと〔a〕1 から〔q〕
e への曲線に沿った長さの比が、楕円弧レファレンスモ
デル上の〔b〕0 から〔b〕2 への曲線に沿った長さと
〔b〕2 から〔q〕e Ellipse への曲線に沿った長さの
比に一致するように定める。
【0177】ここで、補助点pは基本的に3つのファジ
ィ代表点からある程度離れた任意の曲線サンプルモデル
上の点を選べばよいのだが、補助点のとり方によっては
構成される楕円弧レファレンスモデルと元の曲線サンプ
ルモデルのずれが部分的に大きくなってしまう場合もあ
る。したがって、実験では、図30のように3つの補助
点p0 、p1 、p2 を選出して、それぞれの補助点に関
して都合3種類の楕円弧レファレンスモデルを構成して
おき、それらの中から後述する曲線クラスの可能性評価
で最も高い可能性の得られる楕円弧レファレンスモデル
を最終的な楕円弧レファレンスモデルとして採用するこ
とにより良好な結果を得ている。これら3つの補助点p
0 、p1 、p2 はそれぞれ〔a〕0 と〔f〕のメンバシ
ップ関数の頂点間を結ぶ線分、〔f〕と〔a〕1 のメン
バシップ関数の頂点間を結ぶ線分、〔a〕1 と〔a〕0
の頂点間を結ぶ線分からの極遠点を選択したものであ
る。
【0178】FMPS 楕円弧レファレンスモデル上に、これを曲線に沿って等
距離間隔で分割するようにnfmps個のファジィ点を求
め、楕円弧レファレンスモデルのFMPS、すなわち数
80とする。例えば、図29の楕円弧レファレンスモデ
ルから図31のようなFMPSを得る。
【0179】
【数80】
【0180】ここで、ファジィ有理型ベジェ曲線を曲線
に沿って厳密に等間隔に分割することは困難である。し
たがって、まず、楕円弧レファレンスモデルをパラメー
タt上で等間隔となるように適当な点数で評価して楕円
弧の近似多角形を構成する。次にこれからパラメータと
楕円弧上の曲線に沿った距離の関係を折れ線グラフとし
て近似的に求めて、曲線上の距離が等間隔となるように
分割する点に対応するパラメータ値を近似的に求める。
最後に求められたパラメータ値において、楕円弧レファ
レンスモデルを再評価することによりFMPSを近似的
に得る。
【0181】〈曲線クラス毎の可能性検証〉上述したよ
うにして、着目する基本曲線セグメントの曲線サンプル
モデルが得られ、さらにその曲線サンプルモデルが「線
分」、「円弧」および「楕円弧」であると仮定した場合
の曲線モデルがそれぞれ「線分レファレンスモデル」、
「円弧レファレンスモデル」および「楕円弧レファレン
スモデル」として得られた。しかし、ここで、これらの
レファレンスモデルは曲線サンプルモデルのうちの高々
数点のファジィ代表点を満足するように構成された仮説
モデルであり、実際に、これらの仮説が基本曲線セグメ
ント全体にわたってどの程度、元の曲線サンプルモデル
と合致しているかを検証する必要がある。
【0182】本手法では、このファジィ曲線同士の合致
度の検証を、先に述べた曲線サンプルモデルのFMPS
(数25)と上述した曲線クラス毎のレファレンスモデ
ルのFMPS(数26)の合致度に置き換え、これをフ
ァジィ測度の一種である可能性測度により評価する。す
なわち、ある1つの曲線サンプルモデルが曲線クラスC
lass(∈{Line,Circle,Ellips
e})である可能性PClass を数81と定義する。
【0183】
【数81】
【0184】ここで、小さいほうをとるmin 演算を示す
演算子∧で結合されている左右2つの項は、それぞれ
〔s〕i および〔r〕i Class の円錐型メンバシップ関
数をあらわしている。数81中の数82の部分は、「サ
ンプルモデルのi番目のファジィマッチングポイント
〔s〕i がレファレンスモデルのi番目のファジィマッ
チングポイント〔r〕i Class である」という命題の可
能性を可能性測度で求めたものとなっている。
【0185】
【数82】
【0186】数81は全てのファジィマッチングポイン
トにおけるこのような可能性のAND(論理積)をとっ
た可能性であるから、PClass は「サンプルモデルのF
MPSが全てレファレンスモデルのFMPSである」と
いう命題の可能性を意味することになる。数82は、例
えば図32に示すように〔s〕i と〔r〕i Class のメ
ンバシップ関数をそれらの頂点を結ぶ線で切った断面か
ら容易に求められるから、したがって数81の可能性P
Class も容易に求められる。このようなPClass を「線
分」、「円弧」、「楕円弧」それぞれについて求めれ
ば、各曲線クラス毎の可能性PLine、PCircle、P
Ellipse が求められる。
【0187】図33に図9(a) の曲線サンプルモデルの
FMPSが図16の線分レファレンスモデルのFMPS
となる可能性を検証する様子を、また図34に図10
(a) の曲線サンプルモデルのFMPSが図21の円弧レ
ファレンスモデルのFMPSとなる可能性を検証する様
子を、さらに図35に図11(a) の曲線サンプルモデル
のFMPSが図31の楕円弧レファレンスモデルのFM
PSとなる可能性を検証する様子をそれぞれ示す。
【0188】〈閉曲線の可能性〉先に述べた着目する基
本曲線セグメントの曲線サンプルモデルが、閉曲線であ
るかどうかを評価するために、曲線が閉じている可能性
Closedをファジィ測度の一種である可能性測度を用い
て数83と定義する。
【0189】
【数83】
【0190】ここで、μqs(v)およびμqe(v)はそ
れぞれqs およびqe の円錐型メンバシップ関数をあら
わしており、また∧は小さいほうをとるmin 演算であ
る。ここで、小さいほうをとるmin 演算を示す演算子∧
で結合されている左右2つの項は、それぞれ〔q〕s
よび〔q〕e の円錐型メンバシップ関数をあらわしてい
る。数83は「終点〔q〕e が始点〔q〕s である」と
いう命題の可能性をあらわすことになり、その値は図3
6に示すように〔q〕s と〔q〕e のメンバシップ関数
をそれらの頂点で結ぶ線で切った断面から容易に求めら
れる。
【0191】〈曲線クラスのファジィ推論〉上述のよう
にして求めた、線分の可能性PLine、円弧(円を含む)
の可能性PCircleおよび楕円弧(楕円を含む)の可能性
Ellipse と、閉曲線の可能性PClosedとから、着目す
る基本曲線セグメントの曲線サンプルモデルが「線
分」、「円」、「円弧」、「楕円」、「楕円弧」、「閉
自由曲線」、「開自由曲線」の7つの曲線クラスのうち
いずれを意図して書かれたものであるかをファジィ推論
により求める。曲線クラス「線分」、「円弧」、「楕円
弧」、「自由曲線」はこの順に自由度が大きくなり、図
37のような包含関係がある。したがって、同じ曲線サ
ンプルモデルに対してそれぞれの曲線クラス毎に別々に
求めた可能性の間には数84の関係が成立するのが一般
的である。
【0192】
【数84】
【0193】したがって、曲線クラス毎の可能性P
Class の大小関係から単純に意図された曲線を推論する
ことは無意味であり、各PClass (Class∈{Li
ne,Circle,Ellipse})の相互関係か
ら曲線クラスを推論することが必要となる。つまり、自
由度の低い単純な曲線クラスの可能性が十分に高けれ
ば、それが自由度の高い曲線である可能性より多少低く
とも、単純な曲線クラスが選ばれるような推論が必要と
なる。また一方、曲線が閉曲線かどうかによって各曲線
クラスを細分化することができる。例えば、「楕円弧」
と「楕円」を別々の曲線クラスに細分化することができ
る。ここで「楕円」は「楕円弧」の特別な場合とみなす
ことができるように、開曲線は閉曲線を特別な場合とし
て包含しており、開曲線は閉曲線より自由度の高い曲線
と考えることができる。
【0194】以上の事実を総合して、曲線の書き手が意
図したであろう曲線クラスを図38の推論ルールを用い
たファジィ推論で求める。例えば図38の1番目のルー
ルは「線分の可能性があれば線分である」、4番目のル
ールは「線分の可能性がなく、円弧の可能性がなく、楕
円弧の可能性があり、閉じている可能性があれば楕円で
ある」、7番目のルールは「線分の可能性がなく、円弧
の可能性がなく、楕円弧の可能性がなく、閉じている可
能性がなければ開自由曲線である」というルールを示し
ている。ここで、この推論はファジィ推論として実行さ
れるため、図38の推論ルールのうちのいずれか1つが
適用されるのではなく、7つのルール全てが並列的に評
価されることに注意する。またこの結果、得られる曲線
クラスは、数85を定義域とする離散的ファジィ集合と
して得られる。
【0195】
【数85】
【0196】これをより具体的に示せば、図38の推論
ルールによる曲線クラスの推論結果〔C〕I の各グレー
ド値は数86〜数92のように求められる。
【0197】
【数86】
【0198】
【数87】
【0199】
【数88】
【0200】
【数89】
【0201】
【数90】
【0202】
【数91】
【0203】
【数92】
【0204】図39(a) および(b) に曲線サンプルモデ
ルの例とそれに対して推論されたファジィ曲線クラス
〔C〕I を示す。この例では「楕円弧(EA)」のグレ
ード(数90)が最も高くなっているが、他の曲線クラ
スのグレードもかなり高くなっており、推論された曲線
クラスがかなり曖昧なものとなっている。これは本手法
による推論結果が、入力された曲線サンプルモデル自体
の書き方の粗っぽさおよび形状の曖昧さを反映すること
ができるためである。これに対して、曲線サンプルモデ
ルがもっと丁寧に書かれたものであったり、形状が特徴
的なものであったりする場合は曖昧さの少ない断定的な
推論結果が得られる。
【0205】推論されたファジィ曲線クラス〔C〕I
書き手に提示して対話的に最終的な曲線クラスを効率的
に選択させたり、これをさらに多くの判断情報を持つ上
位の推論システムへの1つの入力情報としてわたすこと
により曲線クラスを1つに決定する。実験システムで
は、書き手が受諾するまで順次グレードの最も高い曲線
クラスから画面上に提示してゆくことにより効率的なヒ
ューマンインタフェースを実現している。曲線クラスが
唯一に決定されたら、その曲線クラスに対応したレファ
レンスモデルを認識曲線として採択する。ただし、自由
曲線と決定された場合は曲線サンプルモデルをそのまま
認識曲線とする。この段階で認識された曲線はいずれも
ファジィ曲線として得られる。
【0206】〈認識曲線代表値(代表曲線)の算出〉上
述のようにして得られる認識曲線はいずれもファジィ曲
線であり画面上に表示したり通常のCADシステムに供
するのには適していない。そこで得られたファジィ曲線
のグレードが1である部分を認識曲線の代表値(代表曲
線)として抽出することにより通常の(ファジィではな
い)曲線を算出する。 線分の場合 認識曲線クラスが線分の場合は、図13のような線分レ
ファレンスモデルが認識曲線となる。したがって、
〔q〕s Lineのメンバシップ関数の頂点と〔q〕e Line
のメンバシップ関数の頂点を結ぶ線分を認識曲線の代表
値とする。
【0207】円の場合 認識曲線クラスが円の場合は、図20のような円弧レフ
ァレンスモデルが認識曲線となる。この場合は求められ
たファジィベジェ多角形〔b〕0 〔b〕1 〔b〕2 のそ
れぞれのメンバシップ関数の頂点によって通常のベジェ
多角形b0 12 を構成すれば数41および数42に
よって有理型ベジェ曲線の形式で認識曲線の代表値とな
る円が得られる。ここで、閉じた円となるように終点
〔q〕e Circleの位置にかかわらず両式ともにパラメー
タtの定義域を[0,1]とする。
【0208】円弧の場合 認識曲線クラスが円弧の場合は、円の場合と同様に図2
0のような円弧レファレンスモデルが認識曲線となる。
したがって求められたファジィベジェ多角形〔b〕
0 〔b〕1 〔b〕2 のそれぞれのメンバシップ関数の頂
点によって通常のベジェ多角形b0 1 2 を構成すれ
ば数41および数42によって有理型ベジェ曲線の形式
で認識曲線の代表値となる円弧が得られる。ただし、数
42のパラメータtの定義域は0から〔q〕e Circle
与えるパラメータ値までの範囲に限るものとする。
【0209】楕円の場合 認識曲線クラスが楕円の場合は、図29のような楕円弧
レファレンスモデルが認識曲線となる。この場合は求め
られたファジィベジェ多角形〔b〕0 〔b〕1〔b〕2
のそれぞれのメンバシップ関数の頂点によって通常のベ
ジェ多角形b01 2 を構成すれば数53および数5
4によって有理型ベジェ曲線の形式で認識曲線の代表値
となる楕円が得られる。ここで、閉じた楕円となるよう
に終点〔q〕e Ellipse の位置にかかわらず両式ともに
パラメータtの定義域を[0,1]とする。
【0210】楕円弧の場合 認識曲線クラスが楕円弧の場合は、楕円の場合と同様に
図29のような楕円弧レファレンスモデルが認識曲線と
なる。したがって求められたファジィベジェ多角形
〔b〕0 〔b〕1 〔b〕2 のそれぞれのメンバシップ関
数の頂点によって通常のベジェ多角形b0 1 2 を構
成すれば数53および数54によって有理型ベジェ曲線
の形式で認識曲線の代表値となる楕円弧が得られる。た
だし、数54のパラメータtの定義域は0から〔q〕e
Ellipse を与えるパラメータ値までの範囲に限るものと
する。
【0211】閉自由曲線の場合 認識曲線クラスが閉自由曲線の場合は、曲線サンプルモ
デル上のファジィ点を適当な数だけ求め、これらのメン
バシップ関数の頂点を通過する閉じたBスプライン曲線
を求め、これを認識曲線の代表値とする。 開自由曲線の場合 認識曲線クラスが開自由曲線の場合は、曲線サンプルモ
デル上のファジィ点を適当な数だけ求め、これらのメン
バシップ関数の頂点を通過する開いたBスプライン曲線
を求め、これを認識曲線の代表値とする。
【0212】〈認識曲線代表値(代表曲線)の接続処
理〉上述のような処理を各々の基本曲線セグメントに対
して全て行うことにより、最初に入力された曲線の全体
はいくつかの代表曲線の集合として認識される。しかし
ここで、元の入力曲線は一筆書きされたにもかかわら
ず、認識された代表曲線は互いに連結しあったものとし
て得られるとは限らず、例えば図40のように得られ
る。そこで、これらを連結したものとして認識する必要
のある場合は後処理による接続処理が必要となる。ここ
で、認識された曲線の曲線クラスを保存する必要がある
ことに注意すると、接続処理に利用することができる曲
線のアフィン変換は平行移動、回転、拡大・縮小に限ら
れる。したがって、次のような接続処理を行う。
【0213】まず、図41に示すように各曲線セグメン
トの代表曲線の始終点が一致するように2番目以降の代
表曲線を平行移動する。この時点で、最後の代表曲線の
終点(図41ではp′e 4 )は平行移動によるずれが蓄
積されて、元の点(図40ではpe 4 )とのずれが大き
くなる可能性がある。そこで、大局的な形状をなるべく
変化させないように、1番目の代表曲線の始点(図41
ではp′s 1 )から最も遠距離にある接続点(図41で
はp′s 3 )を求め、この点を中心にこの点以降の代表
曲線を回転および拡大・縮小して最後の代表曲線の終点
が元の終点の位置に一致するように変換する(図4
2)。
【0214】先に得られている代表曲線は有理型ベジェ
曲線あるいはBスプライン曲線として表現されているの
で、接続処理に必要な平行移動、回転、拡大・縮小など
のアフィン変換はベジェ多角形や制御多角形のアフィン
変換によって容易に実現される。認識・選択された代表
曲線が妥当なものであれば、この接続処理により図43
(a) および(b) 〜図45(a) および(b) のように良好な
接続処理が行われる。
【0215】〈認識曲線代表値(代表曲線)のパラメー
タ変換〉上述で得られる代表曲線のうち「円」、「円
弧」、「楕円」および「楕円弧」は有理型ベジェ曲線と
して表現されているが、これは通常のCADシステムの
表現形式としては一般的ではない。したがって本手法に
よる出力結果を通常のCADシステムに供するために一
般的なパラメータ表現に変換する必要がある。 円および円弧の場合 円の場合は中心と半径、円弧の場合は中心、半径、始点
および終点により表現する。ここで、円弧の始点および
終点は既に求められているから、中心と半径を求めれば
よい。中心oは図46に示すように、b0 を通るb0
1 の垂線とb2 を通るb2 1 の垂線の交点として求め
られる。中心oが求まれば、半径はb0 とoの距離とし
て求められる。
【0216】楕円および楕円弧の場合 楕円の場合は中心、長径、短径、長軸の横軸(x軸とす
る)に対する傾き角、楕円弧の場合は中心、長径、短
径、長軸の横軸に対する傾き角、始点、終点により表現
する。ここで、楕円弧の始点および終点は既に求められ
ているから、中心、長径、短径および長軸の傾き角を求
めればよい。まず、ベジェ多角形b0 1 2 および重
みwから数93のような楕円の陰関数表現を求めれば、
次に述べるような結果を得ることができる。
【0217】
【数93】
【0218】数93の陰関数表現より楕円の中心o=
(x0 ,y0 )は、数94および数95で求められる。
【0219】
【数94】
【0220】
【数95】
【0221】長径および短径を求めるためには、まず数
96のようなtの2次方程式の2つの解を求め、小さい
ほうの解をta 、大きいほうの解をtb とする。
【0222】
【数96】
【0223】次に数97を求めれば、長径(長軸の長
さ)dl および短径(短軸の長さ)ds は数98および
数99で求められる。
【0224】
【数97】
【0225】
【数98】
【0226】
【数99】
【0227】長軸の傾きθを求めるには、まず数100
を0≦θ′<(π/2)となるように求める。
【0228】
【数100】
【0229】するとθはhの符号に応じて数101とな
り、0≦θ<πとなるように求められる。以上のような
楕円のパラメータを図47に示す。
【0230】〈認識実験例〉図48(a) および(b) 〜図
51(a) および(b) に、1つの曲線セグメントからなる
曲線サンプルモデルとそれらについて推論されたファジ
ィ曲線クラスのいくつかの例を示す。図48(a) および
(b) は、粗っぽく書くことにより円弧を象徴的に入力し
た例、図49(a) および(b) は、中程度の粗っぽさで楕
円弧を入力した例、図50(a) および(b) は、丁寧な書
き方により自由曲線を入力した例、そして図51(a) お
よび(b) は、書き方および形状が微妙な例におけるファ
ジィ曲線クラスの推論結果をそれぞれ示す。図48〜図
50の例から書き方の粗っぽさおよび形状により、曲線
クラスのかき分けが可能なことがわかる。また、図51
の例から、書き方および形状が微妙で判断がつきかねる
場合は、その曖昧であるという情報が全ての曲線クラス
のグレードが高くなる曖昧なファジィ曲線クラスとして
出力されているのがわかる。
【0231】また、図52(a) 、(b) および図53(a)
、(b) に、複数の曲線セグメントからなる入力曲線の
認識例を示す。各図の(a) と(b) は、それぞれ、ファジ
ィスプライン曲線化された入力曲線と、それぞれの曲線
セグメントで推論されたファジィ曲線クラスで最も高い
グレードの得られた曲線クラスに対応する代表曲線を上
述のように接続処理したものとを示している。
【0232】《発明の実施例》上述の原理に基づく本発
明の実施例を、以下、図面を参照して説明する。図1
は、上述したシステムに適用される本発明の一実施例に
係るファジィ線分モデル生成装置の概略的な構成を示し
ている。本実施例のファジィ線分モデル生成装置は図8
に示したパターン認識システムの処理における線分レフ
ァレンスモデル構成M6に用いられ、ファジィスプライ
ン補間されセグメンテーションされた入力曲線サンプル
モデルが直線の線分であると仮定した場合のレファレン
スモデルとしてのファジィ線分モデルを生成して、曲線
認識のための曲線クラスの評価に供する。
【0233】図1に示すファジィ線分モデル生成装置
は、サンプルモデル生成部1、代表点選択部2、線分モ
デル生成部3および線分モデルFMPS抽出部4を具備
している。なお、この装置は、典型的にはCPU(中央
処理装置)を含み主としてソフトウェアにより所定のご
とく機能するように構成される。もちろん、この装置の
一部または全部を、各機能要素に相当するハードウェア
により構成するようにしてもよい。サンプルモデル生成
部1は、曖昧さ情報を含むファジィ点列情報として入力
された入力曲線情報をファジィスプライン補間により、
連続的なファジィスプライン曲線とし、さらにファジィ
セグメンテーションによりセグメント化して、入力曲線
のファジィサンプルモデルを生成する。代表点選択部2
は、ファジィスプライン曲線として表現されている入力
曲線サンプルモデルから適宜なる2個のファジィ点を選
択し、それぞれ第1および第2のファジィ代表点とす
る。
【0234】線分モデル生成部3は、内分ファジィ点演
算部31、外分ファジィ点演算部32、終点演算部33
および線分構成部34を有し、上記代表点選択部2で選
択された第1および第2のファジィ代表点を満足するフ
ァジィ線分をファジィ線分モデルとして生成する。内分
ファジィ点演算部31は、上記代表点選択部2で選択さ
れた第1のファジィ代表点と第2のファジィ代表点との
間について、上記第1および第2のファジィ代表点間の
内分ファジィ点の集合を求める。終点演算部33は、曲
線サンプルモデルの第1のファジィ代表点から第2のフ
ァジィ代表点へのそのサンプルモデルの曲線に沿った長
さと、上記第2のファジィ代表点から上記曲線サンプル
モデルの終点へのそのサンプルモデルの曲線に沿った長
さとの比が、上記ファジィ線分モデル上の上記第1のフ
ァジィ代表点から第2のファジィ代表点への距離と、上
記第2のファジィ代表点から上記ファジィ線分モデルの
終点への距離との比に一致するようにして、ファジィ線
分モデルの終点を定める。
【0235】外分ファジィ点演算部32は、上記代表点
選択部2で選択された第2のファジィ代表点と終点演算
部33で求められるファジィ線分モデルの終点との間に
ついて、上記第1および第2のファジィ代表点間の外分
ファジィ点の集合を求める。線分構成部34は、上記内
分ファジィ点演算部31により求められる上記第1およ
び第2のファジィ代表点間についての内分ファジィ点の
集合と、上記外分ファジィ点演算部32により求められ
る上記第2のファジィ代表点と上記ファジィ線分モデル
の終点との間についての外分ファジィ点の集合とによ
り、ファジィ線分モデルを構成する。FMPS抽出部4
は、上記線分モデル生成部3で得られた線分レファレン
スモデル上に、これを等距離間隔で分割するようにn
fmps個のファジィ点を求めて、それを線分レファレンス
モデルのFMPSとする。このようなFMPSは先に述
べたように、上記第1のファジィ代表点と第2のファジ
ィ点の内分ファジィ点および外分ファジィ点を求める操
作により求めることができる。
【0236】次に、図1に構成を示した本実施例のファ
ジィ線分モデル生成装置における動作を詳細に説明す
る。図2に本実施例のファジィ線分モデル生成装置の処
理動作のフローチャートを示す。図2において、システ
ムがスタートすると、まず、例えばタブレット装置によ
り曖昧さ情報を含むファジィ点列情報として入力された
手書き曲線情報に基づく入力曲線情報が、サンプルモデ
ル生成部1によって、ファジィスプライン補間により連
続的なファジィスプライン曲線とされ、さらにファジィ
セグメンテーションによりセグメント化された入力曲線
のファジィサンプルモデルがシステムに取り込まれる
(ステップS1)。
【0237】次に、ステップS1で取り込まれたファジ
ィスプライン曲線として表現されている入力曲線サンプ
ルモデルから、代表点選択部2によって、それぞれ第1
および第2のファジィ代表点として適宜なる2個のファ
ジィ点が選択される(ステップS2)。次に、内分ファ
ジィ点演算部31、外分ファジィ点演算部32、終点演
算部33および線分構成部34を有する線分モデル生成
部3によって、上記第1および第2のファジィ代表点を
満足するファジィ線分がファジィ線分モデルとして生成
される(ステップS3)。
【0238】このステップS3においては、内分ファジ
ィ点演算部31により、上記第1のファジィ代表点と上
記第2のファジィ代表点との間について、上記第1およ
び第2のファジィ代表点間の内分ファジィ点の集合が求
められるとともに、終点演算部33により、上記第1の
ファジィ代表点から上記第2のファジィ代表点へのその
曲線サンプルモデルの曲線に沿った長さと、上記第2の
ファジィ代表点から上記曲線サンプルモデルの終点への
そのサンプルモデルの曲線に沿った長さとの比が、上記
ファジィ線分モデル上の上記第1のファジィ代表点から
第2のファジィ代表点への距離と、上記第2のファジィ
代表点から上記ファジィ線分モデルの終点への距離との
比に一致するようにして、ファジィ線分モデルの終点が
求められ、さらに、外分ファジィ点演算部32により、
上記第2のファジィ代表点と上記ファジィ線分モデルの
終点との間について、上記第1および第2のファジィ代
表点間の外分ファジィ点の集合が求められる。
【0239】さらに、このステップS3においては、線
分構成部34によって、上記第1および第2のファジィ
代表点間についての内分ファジィ点の集合と、上記第2
のファジィ代表点と上記ファジィ線分モデルの終点との
間についての外分ファジィ点の集合とにより、ファジィ
線分モデルが構成される。次に、上記ステップS3で得
られた線分レファレンスモデル上に、これを等距離間隔
で分割するようにnfmps個のファジィ点を求めて、それ
を線分レファレンスモデルのFMPSとする(ステップ
S4)。このステップS4では、例えば、上記第1のフ
ァジィ代表点と第2のファジィ点の内分ファジィ点およ
び外分ファジィ点を求める操作によりFMPSを求め
る。
【0240】このようにすれば、入力曲線サンプルモデ
ルが直線の線分であると仮定した場合のレファレンスモ
デルとして、ファジィ化された入力曲線サンプルモデル
に対応して、適切にファジィ化されたファジィ線分から
なるファジィ線分モデルを生成することができ、このフ
ァジィ線分モデルから例えばFMPSを生成して、曖昧
さ情報を生かした曲線推論のための曲線クラスの評価に
供することができる。なお、本発明によるファジィ線分
モデルの形成は、上述の原理説明に示したシステムに限
らず、ファジィ化された入力曲線サンプルモデルを処理
するシステムでさえあればどのようなシステムにおいて
もファジィ化された入力曲線サンプルモデルに対応して
ファジィ線分モデルを生成する際に適用することができ
る。
【0241】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、手
書き曲線を、入力の曖昧さ情報を含むファジィ曲線情報
として入力し、その入力ファジィ曲線情報の一部分とし
てのセグメントの曲線サンプルモデルをレファレンスパ
ターンとしてのファジィ表現されたレファレンスモデル
と比較して入力曲線のパターンを弁別するパターン認識
における入力曲線サンプルモデルが直線の線分であると
仮定した場合のレファレンスモデルとしてのファジィ線
分モデルを生成するにあたり、入力曲線サンプルモデル
をあらわすファジィスプライン曲線上から適宜なる2個
のファジィ点を第1および第2のファジィ代表点として
選択し、これら第1および第2のファジィ代表点を満足
するファジィ線分を、これら第1および第2のファジィ
代表点間の内分ファジィ点および外分ファジィ点の集合
として構成しファジィ線分モデルとすることにより、フ
ァジィ化された入力曲線サンプルモデルに対応して、適
切にファジィ化された直線線分情報からなるファジィ線
分モデルを生成することを可能とするファジィ線分モデ
ル生成方法および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るファジィ線分モデル
生成装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のファジィ線分モデル生成装置における
ファジィ線分モデル生成処理を概略的に説明するための
フローチャートである。
【図3】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ認
識におけるファジィスプライン補間の原理を説明するた
め、ファジィ位置ベクトルの円錐型メンバシップ関数を
説明するための模式図である。
【図4】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ認
識におけるファジィスプライン補間の原理を説明するた
め、与えられたファジィ点列を説明するための模式図で
ある。
【図5】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ認
識におけるファジィスプライン補間の原理を説明するた
め、与えられたファジィ点列を補間するように求められ
たファジィ制御多角形を説明するための模式図である。
【図6】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ認
識におけるファジィスプライン補間の原理を説明するた
め、図5のファジィ制御多角形から求められるファジィ
スプライン曲線を説明するための模式図である。
【図7】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ認
識におけるセグメンテーションの原理を説明するため、
ファジィ点列の区間真理値からのラベリング、グルーピ
ングおよび代表点抽出を説明するための模式図である。
【図8】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ認
識の原理を説明するためのシステムのアルゴリズムに従
った概略的な構成を示すブロック図である。
【図9】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ認
識におけるアルゴリズムを説明するための曲線サンプル
モデルおよび曲線サンプルモデルのFMPS(ファジィ
マッチングポイントセット)の一例を示す模式図であ
る。
【図10】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムを説明するための曲線サンプ
ルモデルおよび曲線サンプルモデルのFMPS(ファジ
ィマッチングポイントセット)の他の一例を示す模式図
である。
【図11】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムを説明するための曲線サンプ
ルモデルおよび曲線サンプルモデルのFMPS(ファジ
ィマッチングポイントセット)のその他の一例を示す模
式図である。
【図12】 手書き曲線のファジィ認識における本発明
に係る線分レファレンスモデルの生成原理を説明するた
めの曲線サンプルモデルの一例を示す模式図である。
【図13】 手書き曲線のファジィ認識における本発明
に係る線分レファレンスモデルの生成原理を説明するた
めの、図12の曲線サンプルモデルに対応するファジィ
化された線分レファレンスモデルの一例を示す模式図で
ある。
【図14】 手書き曲線のファジィ認識における本発明
に係る線分レファレンスモデルの生成原理を説明するた
めのファジィ点間の内分ファジィ点を示す模式図であ
る。
【図15】 手書き曲線のファジィ認識における本発明
に係る線分レファレンスモデルの生成原理を説明するた
めのファジィ点間の外分ファジィ点を示す模式図であ
る。
【図16】 手書き曲線のファジィ認識における本発明
に係る線分レファレンスモデルの生成原理を説明するた
めの、図13に示す線分レファレンスモデルのFMPS
の一例を示す模式図である。
【図17】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、円弧の2次有
理型ベジェ曲線表現の一例を説明するための模式図であ
る。
【図18】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、円の重みの一
例を説明するための模式図である。
【図19】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、円弧レファレ
ンスモデルの生成原理を説明するための曲線サンプルモ
デルの一例を示す模式図である。
【図20】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、円弧レファレ
ンスモデルの生成原理を説明するための、図19の曲線
サンプルモデルに対応するファジィ化された円弧レファ
レンスモデルの一例を示す模式図である。
【図21】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、円弧レファレ
ンスモデルの生成原理を説明するための、図20に示す
円弧レファレンスモデルのFMPSの一例を示す模式図
である。
【図22】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、楕円弧の2次
有理型ベジェ曲線表現の一例を説明するための模式図で
ある。
【図23】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、楕円の補助点
と重みの関係の一例を説明するための模式図である。
【図24】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、楕円の補助点
と重みの関係を説明するための模式図である。
【図25】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、楕円の補助点
と重みの関係の他の一例を説明するための模式図であ
る。
【図26】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、楕円弧レファ
レンスモデルの生成原理を説明するための曲線サンプル
モデルの一例を示す模式図である。
【図27】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、楕円弧レファ
レンスモデルの生成原理を説明するための曲線サンプル
モデルにおける代表点の選出の一例を示す模式図であ
る。
【図28】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、楕円弧レファ
レンスモデルの生成原理を説明するための曲線サンプル
モデルにおける代表点の選出の他の一例を示す模式図で
ある。
【図29】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、楕円弧レファ
レンスモデルの生成原理を説明するための、図26の曲
線サンプルモデルに対応するファジィ化された楕円弧レ
ファレンスモデルの一例を示す模式図である。
【図30】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、楕円弧レファ
レンスモデルの生成原理を説明するための曲線サンプル
モデルにおける重み決定のための補助点の選出の一例を
示す模式図である。
【図31】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、楕円弧レファ
レンスモデルの生成原理を説明するための、図29に示
す楕円弧レファレンスモデルのFMPSの一例を示す模
式図である。
【図32】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線サンプル
モデルと曲線レファレンスモデルのFMPSの合致の可
能性検証を説明するための模式図である。
【図33】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線サンプル
モデルと線分レファレンスモデルのFMPSの合致の可
能性検証を説明するための模式図である。
【図34】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線サンプル
モデルと円弧レファレンスモデルのFMPSの合致の可
能性検証を説明するための模式図である。
【図35】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線サンプル
モデルと楕円弧レファレンスモデルのFMPSの合致の
可能性検証を説明するための模式図である。
【図36】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線サンプル
モデルの閉曲線性の評価を説明するための模式図であ
る。
【図37】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線クラスの
包含関係を説明するための模式図である。
【図38】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線クラスの
推論ルールを説明するための図である。
【図39】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線サンプル
モデルおよび推論されたファジィ曲線クラスの一例を示
す模式図である。
【図40】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、代表曲線の接
続処理を説明するための認識された代表曲線群の一例を
示す模式図である。
【図41】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、代表曲線の接
続処理を説明するための認識された代表曲線群の平行移
動による接続の一例を示す模式図である。
【図42】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、代表曲線の接
続処理を説明するための認識された代表曲線群の回転、
拡大・縮小による終点の一致処理の一例を示す模式図で
ある。
【図43】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、代表曲線の接
続処理を説明するための接続処理前の代表曲線群および
接続処理された代表曲線群の一例を示す模式図である。
【図44】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、代表曲線の接
続処理を説明するための接続処理前の代表曲線群および
接続処理された代表曲線群の他の一例を示す模式図であ
る。
【図45】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、代表曲線の接
続処理を説明するための接続処理前の代表曲線群および
接続処理された代表曲線群のその他の一例を示す模式図
である。
【図46】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、円のベジェ多
角形とその中心を説明するための模式図である。
【図47】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、楕円のパラメ
ータを説明するための模式図である。
【図48】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線サンプル
モデルおよび本アルゴリズムによるファジィ曲線クラス
の推論結果の一例を説明するための模式図である。
【図49】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線サンプル
モデルおよび本アルゴリズムによるファジィ曲線クラス
の推論結果の他の一例を説明するための模式図である。
【図50】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線サンプル
モデルおよび本アルゴリズムによるファジィ曲線クラス
の推論結果のその他の一例を説明するための模式図であ
る。
【図51】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線サンプル
モデルおよび本アルゴリズムによるファジィ曲線クラス
の推論結果のさらにその他の一例を説明するための模式
図である。
【図52】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線サンプル
モデルおよび本アルゴリズムによる認識曲線の一例を説
明するための模式図である。
【図53】 本発明が適用される手書き曲線のファジィ
認識におけるアルゴリズムの説明に係り、曲線サンプル
モデルおよび本アルゴリズムによる認識曲線の他の一例
を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1…サンプルモデル生成部、2…代表点選択部、3…線
分モデル生成部、4…FMPS抽出部、31…内分ファ
ジィ点演算部、32…外分ファジィ点演算部、33…終
点演算部、34…線分構成部。
【数101】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 7/00 - 7/60 G06T 3/00 G06K 9/46 G06K 9/68 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手書き曲線を、入力の曖昧さ情報を含む
    ファジィ曲線情報として入力し、その入力ファジィ曲線
    情報の一部分としてのセグメントの曲線サンプルモデル
    をレファレンスパターンとしてのファジィ表現されたレ
    ファレンスモデルと比較して入力曲線のパターンを弁別
    するパターン認識における入力曲線サンプルモデルが直
    線の線分であると仮定した場合のレファレンスモデルと
    してのファジィ線分モデルを生成するにあたり、 入力曲線サンプルモデルをあらわすファジィスプライン
    曲線上から適宜なる2個のファジィ点を第1および第2
    のファジィ代表点として選択する代表点選択ステップ
    と、 上記第1および第2のファジィ代表点を満足するファジ
    ィ線分を、これら第1および第2のファジィ代表点間の
    内分ファジィ点および外分ファジィ点の集合として構成
    しファジィ線分モデルとする線分構成ステップとを有す
    ることを特徴とするファジィ線分モデル生成方法。
  2. 【請求項2】 線分構成ステップは、ファジィ線分モデ
    ルの終点を、曲線サンプルモデルの第1のファジィ代表
    点から第2のファジィ代表点への曲線に沿った長さと、
    上記第2のファジィ代表点から上記曲線サンプルモデル
    の終点への曲線に沿った長さとの比が、上記ファジィ線
    分モデル上の上記第1のファジィ代表点から第2のファ
    ジィ代表点への距離と、上記第2のファジィ代表点から
    上記ファジィ線分モデルの終点への距離との比に一致す
    るように定めるステップを含むことを特徴とする請求項
    1に記載のファジィ線分モデル生成方法。
  3. 【請求項3】 手書き曲線を、入力の曖昧さ情報を含む
    ファジィ曲線情報として入力し、その入力ファジィ曲線
    情報の一部分としてのセグメントの曲線サンプルモデル
    をレファレンスパターンとしてのファジィ表現されたレ
    ファレンスモデルと比較して入力曲線のパターンを弁別
    するパターン認識システムにおける入力曲線サンプルモ
    デルが直線の線分であると仮定した場合のレファレンス
    モデルとしてのファジィ線分モデルを生成するためのフ
    ァジィ線分モデル生成装置において、 入力曲線サンプルモデルをあらわすファジィスプライン
    曲線上から適宜なる2個のファジィ点を第1および第2
    のファジィ代表点として選択するための代表点選択手段
    と、 上記第1および第2のファジィ代表点を満足するファジ
    ィ線分を、これら第1および第2のファジィ代表点間の
    内分ファジィ点および外分ファジィ点の集合として構成
    しファジィ線分モデルとするための線分構成手段とを具
    備することを特徴とするファジィ線分モデル生成装置。
  4. 【請求項4】 線分構成手段は、ファジィ線分モデルの
    終点を、曲線サンプルモデルの第1のファジィ代表点か
    ら第2のファジィ代表点への曲線に沿った長さと、上記
    第2のファジィ代表点から上記曲線サンプルモデルの終
    点への曲線に沿った長さとの比が、上記ファジィ線分モ
    デル上の上記第1のファジィ代表点から第2のファジィ
    代表点への距離と、上記第2のファジィ代表点から上記
    ファジィ線分モデルの終点への距離との比に一致するよ
    うに定めるための手段を含むことを特徴とする請求項3
    に記載のファジィ線分モデル生成装置。
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