JP3181494U - 携行用調味液入れ容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的低粘性の調味液、自宅や食堂といった調味液を常備してある場所以外での食事などにおいて使用することができ、繰り返し使用が可能になるようにする携行用調味液入れ容器を提供する。
【解決手段】小径で、雄ネジ部31を設けた滴下口3の基端がわに細長の誘導室1を形成し、該誘導室1の何れか一方の外側からは、その軸心に交叉する方向に向け、調味液注入に支障のない径の筒状で、雄ネジ部41を設けた注入口4を形成した上、これら滴下口3および注入口4には、個別の雌ネジ51、61付きのキャップ5、6を脱着自在に組み合わせる一方、当該誘導室1の滴下口3形成がわとは反対がわに連続させた貯留室2を、前記注入口4に螺合したキャップ6頂面の属する面と略同一面か、その面を下回ることのない面とした外側面となるよう規制、形成した携行用調味液入れ容器Bである。
【選択図】図2

Description

この考案は、比較的低粘性の調味液、例えば醤油などを、自宅や食堂といった調味液を常備してある場所以外での食事などにおいて使用する目的で携行するための携行用調味液入れ容器に関するものであり、その試作、生産、販売、そして使用に係わる分野を中心とし、それら分野に直接的にも間接的にも係わりを有するか、有することが予測されるその他の分野までと、あらゆる分野を包含するものであって関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
外食産業が充実した昨今では、ファーストフードの店やコンビニエンスストアのような店で、手軽に昼食など外食を摂ることが可能になって来てはいるものの、長引く景気の低迷で節約志向が強まって来ていることに加え、適切な栄養バランスに注意を払う健康志向の広がりにも影響されてか、手作り弁当持参、愛妻弁当持参で職場に勤務したり、作業現場に赴く人の数が、以前にも増してかなりの割合で増えて来ており、それらの人達は、一頃のものとは違って、保温性を考慮した構造で合理的な仕切を設けるなどして様々に進化させた多種多様な市販のランチボックス、つまり弁当容器に、各家庭や個々人の事情に合わせ、心を込めた献立に仕立てたおかずを詰め、見るからに食欲をそそるように整えられた弁当を毎日持参しては、思い思いの場所で食事を摂ることとなったが、揚げ物やオヒタシ、生野菜などいった惣菜類をおかずに選んであるときには、それらを見栄え良く盛り付け且つ美味しい弁当に仕上げるという目的からと、何よりも携行、移動中の漏れ出し防止のため、予め必要な調味液で味付けをしないままとしておき、食する際に、それら惣菜に必要な調味液、例えば、我が国の醤油に代表されるような調味液の外、イタリアのバルサミコ酢やイギリスのウースターソース、タイのナンプラーなどといった比較的低粘性で漏れ出し易い調味液を、食事を摂るその場で掛けて頂くようにするのが一般的である。
しかし、それら弁当持参で外食する場合に、会社の休憩室、社員食堂といった調味液が常備してある場所を使用できるようなときには問題とならないものの、それら以外の、例えば勤務先の自席であったり、作業現場辺りや公園のベンチなどといった屋外の何処かであって、持参しない限りには必要な調味液などを所望、用立てしようもない状況下において食事を摂るような時には、おかずとして調味液の必要な惣菜を献立とする弁当を作る際、これまでであれば、予め、切り口付きプラスチック小袋に特定の調味液の必要最小限を封入した形態で市販されているものを同包しておくか、あるいは、やはりプラスチック製で、高さ2cm程度、太さが1cmにも満たないキャップ付き容器であって、通称「タレビン」と称して市販される小型の調味液入れ容器に、奥さん又は本人といった調理担当者が、目的の調味液をその都度満たすようにするか、あるいは先の小袋形態のものと同様に、予めそれら容器に特定の調味液を充填、封入して市販する、通称「タレビン」と称される既成の調味液入り容器を採用するかして、何れにしても手作り弁当と共に自らで携行するようにしなければならなくなる。
このようなケースで、小袋タイプのものを採用したのであれば、調味液を注いだ後に残った小袋自体は、芥として捨ててしまって再利用することなどは一切無くなるものの、後者のように小型容器を利用して目的の調味液を用立てするような場合では、調味液を注ぎ、使い果たして空とした後のタレビンを、その場で芥として捨てしまう使い捨て派と、使い捨てにしないで空弁当容器の中に入れて持ち帰る再利用派とに別れるが、使い捨て派の多くは、再利用に際して、持ち帰ってから汚れの洗い流しと、その都度所望する調味液の充填し直しという手間に関し、市販のものには、その手間をできるだけ容易いものにするという点での配慮が足りないか、殆どなされていないという現状から、それら煩わしさを嫌っての止むを得ない「使い捨て」派の方を選択している可能性が高く、また、再利用派にあっても、このような実態からして「使い捨て」派の方を選択したいのは山々なのだが、エコの見地に節約という経済効果を絡め、止むを得ず再利用派に回っている人達も少なくはないものと予想される。
しかしながら、こうした実情にあるにも拘らず、調味液入れ容器を提供して来た、所謂「たれびん」流通業界では、再利用派への配慮をすることなどは、これまでのところ一切見受けられず、もっといえば、敢えて再利用し難くしたままとして消耗品となして、生産・流通サイドの利益優先策に徹して来たのではないのかと憶測したくもなるような状況下にあり、このような実情に甘んじて来てはいたものの、このままの状況にしていたのでは、これまでの経緯から推して、何時まで経ってもそれらが改善される可能性は少ないものと諦め掛かっていたところ、あの忌まわしい3・11東日本大震災に見舞われ、物品に対する価値観が国民全体の中で大きく変わり始め、あらゆる資源を見直す風潮が復活して来たことに加え、何よりも、外食には自らが所望する手作り弁当を日々持参すると決めて来た多くの人々にとって、震災を契機に、今後は尚更のこと弁当持参の習慣は続けなければならないとの思いを強くしたに相違ないことに鑑みると、この僅かな単価でしかない調味液入れ容器とはいうものの、日々膨大な数の人々の使用によって大量消費され続けていくことが、貴重な資源の無駄使いに繋がってしまうと再認識される可能性は非常に高く、これらを考慮すると、これまでは全く無視され続けて来ていた事実を見直し、是非とも、繰り返しの使用に耐え得る構造であって使い勝手の良いという機能を兼ね備えた携行用の小型調味液入れ容器の実現が必要と考えるに至ったものである。
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案も、これまでに全く散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものでは、携行用の小型調味液入れ容器として従前までのものの代表的な魚型タレビンや徳利型タレビンなどは、一回の使用分だけの容量のものとして機能するように設定されいるために、当然のことながらその差し口口径が小さくなり、所望の調味液を注入しようにもそのままでは注入することがかなり難しいことから、この文献のものは、タレビンの方を、従前からのもの、そのままの構造で細い差し口を前提とするもので、その細い差し口に対しても、簡単に調味液の補充が可能となるよう、通常サイズの醤油差し(調味液入れ容器)の方に改良を加えるようにするものであって、通常の醤油差しとして使用できるビク(差し口)外周に雄ネジを形成したものとし、該雄ネジに螺合するようにしたノズルの先端を、従前までのタレビン差し口に挿入できる程に細くして、それらタレビンに醤油を補充する時だけ、当該ノズルを装着使用できるようにしたものが提案されている。
一方、特許文献1(2)に提案されているもののように、携行用の小型調味液入れ容器の構造というよりは、醤油差し全般を対象として、その差す量を、一滴ずつから比較的大量までと自在且つ簡単に注ぎ調整するために、従来のものが容器蓋の差し口反対側に開けられていた通気口を、厚みを持たせた容器蓋天井部に、差し口がわ表面からその反対がわ斜め下方内がわに向けて通孔することにより、差すときの指での調節操作がし易くなるようにして醤油を一滴ずつでも比較的大量にでも自在にさせるよう工夫したものなど、注ぎ方に係わる構造に関するものは多数の事例を見出すことができる。
また、特許文献ではなく、非特許文献1として取り上げてあるインターネットにアップロードされいる事例の一つで、崎陽軒(店名)の「ひょうちゃん」(商品名)に見られる、かなり古くから採用され続けて名物となっているもので、醤油入れとしては珍しく瀬戸物製としたものや、その他で、同じくインターネットにアップロードされいるもので、お馴染みのプラスチック製で、外観だけに拘った「ポケモン醤油入れ」(商品名)や「アンパンマン顔型タレビン」(商品名)、「わんこタレビン」(商品名)、「るんるんパンダ」(商品名)、「おすわりパンダ」(商品名)などいって提供されている類いのものに見受けられるように、携行用の調味液入れ容器としての構造、機能については、従前からの小ビン型タレビンなどと何等変わりのない捩じ込み蓋付き容器のものでは、見た目の可愛さや愛らしさを狙っただけのことであって、形は違えど以前から提供され続けて来ている類いのものでしかないことが判る。
しかし、上記に見た従前からのもの何れもが、結局のところ、この携行用調味液入れ容器としてのタレビンについては、携行していく先での必要調味液の容量により、容器サイズに多少の違いがあっても、それら全てが注入口を兼用する差し口が必須の構成となっているものばかりであって、その従来からの注入口兼用差し口を備えた携行用調味液入れ容器を大前提とした上で、使い捨てにするものを除いた繰り返し使用のもの、あるいは、使い捨て式のものであっても、使用者自らにおいて、その都度充填使用を前提にして空の多数の携行用調味液入れ容器として市販されているものなどにおいては、必然的に小さくならざるを得ない注入口兼用差し口自体に代替するような提案は、前記特許文献1(2)や非特許文献1に見た如く皆無であり、それらに対しては、専用のスポイトが付属品として市販されていて、それを使って吸い込んだ調味液を、細い注入口兼用差し口から注意深く注入するようにするだけのもので、如何にして注入、充填操作を容易なものにするかという観点からの提案は見られない。
また、それら最も一般的なスポイト使用を当て込んだものにあっては、当の専用スポイトを用意するだけではなく、別に調味液溜まりも用意した上、一々その調味液溜まりから調味液を吸上げる手間を要するため、同特許文献1(1)にあるもののように、通常使用、即ち、日常的に家庭などの食卓に備え置いて調味液差しとして普通に使用するタイプの調味液入れ容器自体に、予め携行用調味液入れ容器、つまりタレビンの注入口兼用差し口への注入、充填用とするノズルを着脱自在に付属させておき、必要に応じ、その付属ノズルを本体から取り外し、その根元を当該調味液入れ容器の通常の差し口に取り付ければ、スポイトのときのように、わざわざ別に調味液溜まりを用意せずとも、通常の調味液入れ容器から直接調味液を注入、充填でき、一般的なスポイト使用のものよりは簡便に注入、充填した上で携行用調味液入れ容器を携行できるとしたものでも、やはり、対象としている携行用調味液入れ容器は、従前からの、所謂タレビンであることに変わりはなかった。
こうして、結局のところ、何れも細い注入口兼用差し口へ相対することに変わりは無く、それらスポイトにせよノズルにせよ、視力の衰えた老齢者と言わずとも、細い注入口兼用差し口に対し、スポイトあるいはノズルの注ぎ口を差し込む操作は、必ずしも容易いものと言う訳にはいかないだけでなく、上手く挿入できたとしても、今度は、調味液を注ぎ始めた途端、細い注入口兼用差し口とスポイトあるいはノズルの注ぎ口とが密着状となっていたり、密着状でなくとも調味液が介在して双方間に隙間を失ってしまっていたりすると、携行用調味液入れ容器内の空気の逃げ場が無くなってスポイト内あるいはノズルを付けた通常の調味液入れ容器内から調味液が円滑に流入しないか溢れ出すこととなるなどの不都合を来すことになって、結局、従前までの携行用調味液入れ容器の使用が疎まれ、折角の手作り弁当持参という機運に水を差し兼ねない、一つのマイナス要因となってしまったり、市販弁当にあっては、一個一個は些細な金額とは言え、タレビンは使い捨てるもの、と見限られてしまうこととなって、これまでのところ資源の無駄使いに繋がる遠因の一つになっていたというのが実態である。
(1)登録実用新案第3071939号公報 (2)特開2008−23285 崎陽軒のホームページ「ひょうちゃん」 http://www.kiyoken.com/hyo/index.html
(問題意識)
上述してきたとおり、従前までのこの種弁当と共に携行することになる携行用調味液入れ容器、所謂タレビンは、弁当のおかずの中の限られた惣菜に対する1回ポッキリの使用に供されるものであって、その使用量が僅かなものに限定されていることに加え、弁当に添えられるもののために、弁当持参、移動の邪魔になってはならないという物品としての制約などとから、その容量は、一般的に4ないし10cc程度の容量のものが多く使用されていて、素材の使用量からしてもその無駄が然程目立たず、また、それを満たすための所作についても僅かな量だけに、その煩わしさについても我慢して遣れなくはない程度のことでもあり、したがって、今の今まで、この携行用調味液入れ容器に関する構造、機能についての配慮を欠いたまま経過してきているとしか思えず、特に、日常的に弁当を持参する者の一人で、この携行用調味液入れ容器の再利用派としては、その思いが極めて強い。
(考案の目的)
そこで、この考案は、手作り弁当持参組であれば必ず直面して来ている携行用調味液入れ容器の取り扱い、特に繰り返し使用で避けられない洗浄処理、その後に行う調味液の注入操作などを簡便且つ効率的に実施可能とする新たな携行用調味液入れ容器の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の携行用調味液入れ容器を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(考案の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この考案の携行用調味液入れ容器は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、雄ネジ部を設けた小径の滴下口の基端がわに細長の誘導室を形成し、該誘導室の軸心に平行するがわの何れか一方の外側からは、その軸心に交叉する方向に向け、調味液注入に支障のない径の筒状で、雄ネジ部を設けた注入口を形成した上、これら滴下口および注入口には、個別の雌ネジ付きのキャップを脱着自在に組み合わせる一方、当該誘導室の滴下口形成がわとは反対がわに連続させた貯留室を、前記注入口に螺合したキャップ頂面の属する面と略同一面か、その面を下回ることのない面とした外側面であり、その対抗外側面は、注入口形成がわに対抗する誘導室の外側面と面一状となるよう規制、形成してなるものとした構成を要旨とする携行用調味液入れ容器である。
この基本的な構成からなる携行用調味液入れ容器を、より具体的なものとして示すならば、比較的長めとした小径の筒状で、外周には雄ネジ部を設けて滴下口とし、その基端がわには、該滴下口軸心に同一または平行する方向に細長で一体的とした誘導室を形成すると共に、該誘導室の軸心に平行するがわの何れか一方の外側からは、その軸心に交叉する方向に向け、調味液注入に支障のない径とし、比較的長めとした筒状で、外周には雄ネジ部を設けてある注入口を突出形成した上、これら滴下口および注入口には、夫々に設けた雄ネジ部に水密状に螺合可能な個別の雌ネジ付きのキャップを脱着自在に組み合わせる一方、当該誘導室の滴下口形成がわとは反対がわで、その軸心に平行する方向に連続させ、所望調味液量に応じた内容積とした貯留室を、前記注入口に水密状に螺合したキャップ頂面の属する面と略同一面か、その面を下回ることのない面とした外側面であり、その対抗外側面は、注入口形成がわに対抗する誘導室の外側面と面一状となるよう規制、形成してなるものとした構成からなる携行用調味液入れ容器と言える。
さらに具体的には、内径4mm程度と小径に対し、長さ10mm程度と比較的長めとした筒状で、外周には雄ネジ部を設けて滴下口とし、その基端がわには、該滴下口軸心に同一または平行する方向に細長で一体的とした誘導室を形成すると共に、該誘導室の軸心に平行するがわの何れか一方の外側からは、その軸心に交叉する方向に向け、内径10mm程度と調味液注入に支障のない径とし、長さ10mm程度と比較的長めとした筒状で、外周には雄ネジ部を設けてある注入口を突出形成した上、これら滴下口および注入口には、夫々に設けた雄ネジ部に水密状に螺合可能な雌ネジ付きのキャップを脱着自在に組み合わせる一方、当該誘導室の滴下口形成がわとは反対がわで、その軸心に平行する方向に連続させ、所望調味液量に応じた内容積とした貯留室を、前記注入口に水密状に螺合したキャップ頂面の属する面と略同一面か、その面を下回ることの面とした外側面であり、その対抗外側面は、注入口形成がわに対抗する誘導室の外側面と面一状となるよう規制、形成してなるものとした携行用調味液入れ容器と言うことができる。
上述したとおりの固有の構成を有するこの考案の携行用調味液入れ容器は、細長く形成した誘導室と滴下口とは、互いの軸芯方向が同一または平行するものとした上、この小断面で細長く規制して形成した誘導室に対し、貯留室は、その一外側面を、注入口に水密状に螺合した雌ネジキャップ頂面の属する面と略同一面あるいはそれよりも低くなることのない面となるよう規制し、その対抗外側面がわは、誘導室の一外側面と面一状となるよう規制、形成してあって、誘導室と貯留室との境界部分に段差(貯留室がわから誘導室がわに移る部分で急に断面を狭め)ることから、調味液入れ容器として使用する際、注ぎ操作するために指で掴んでその軸心方向に沿って振り動かした場合、中の調味液は、細長い空間に集中的に流れ込んで勢いを増した状態(ベルヌーイの定理)で滴下口がわに達し、滴下口には、その都度、十分なエネルギーを受けた調味液が送り込まれ、円滑に滴下できるものとなり、仮令、滴下口の径が、キャップを外したままで不用意に横倒しするなどしても、その零れ出しを最小限に食い止められるよう小径のものに制限してあるとしても、誘導室と貯留室との規制した構成によって調味液入れ容器としての機能を十分に発揮することがでるという大きな効果を得られるものになっている。
また、それら特徴ある構成から、滴下口とは別に専用の注入口を設けた上に、誘導室と注入口とは、互いの軸芯方向が交叉するよう規制した関係のものとしてあることから、注ぎ操作するために調味液入れ容器を指で掴んで誘導室の軸心方向に沿って強く振る取り扱いをした場合にあっても、上述した滴下口方向への流れに勢いがついて調味液の注ぎ出しに利するようになっていても、この注入口がわへの流れは、逆に抵抗が掛かって勢いは削がれ、仮令そのキャップに少し弛みが有ったとしても不用意に漏れ出す現象などは発生しないという利点を有することとなり、別に注入口を用意したことからもたらされるかもしれない弊害を完璧に回避可能としている。
しかも、従前までの「タレビン」に代表される携行用調味液入れ容器とは違い、滴下口とは別の注入口を、その口径を調味液の注入に支障がない程度の比較的大きい内径に規制したものとして設けたことから、当然のことながら、これまでの滴下口からスポイトなど仲介物を使用して注入していた作業に比較すれば、格段に円滑なものとなって煩わしさを解消し得るものになし得るのは言うまでもなく、それに加えて、この容器の洗浄が、従前までのもののように、単に水を注いで濯ぐしか方法のなかったものとは違い、必要に応じて小さなブラシやスポンジなどを使った洗浄を可能にすることとなるから、長年の繰り返し使用に耐え得ることとなり、使用者にとっても衛生的で経済的なものになるだけではなく、資源を無駄にしないという、これからの地球規模での取り組みにも合致するエコロジカルな技術となっている。
特に、その口径と筒状の長さとを規制したものの場合、調味液を、我が国で最も一般的な醤油とし、手作り弁当のために携行する携行用調味液入れ容器とした場合に、その流動性からしても、また、市販される醤油ボトルの口の大きさからしても、繰り返し使用へ向けた十分な配慮がなされていて、それまで使い捨て派に廻ってしまっていた多くの人々でも、繰り返しの使用をする再利用派に転じる切っ掛けを作り出すことになるものと予想され、そのような工夫、配慮を組み込んであるにも拘らず、携行すべきものとしての大きさに制限を受ける容器として最適値のものとすることができ、広く利用、普及させる上で大いに威力を発揮し得るものになるという大きな効果をもたらすことができるものとなっている。
上記したとおりの構成からなるこの考案の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
この考案の携行用調味液入れ容器で対象としている調味液は、例えば手作り弁当を持参し、その弁当のおかずなどに必要な調味液の用意されていない屋外その他での食事が予定される場合に、予め、その弁当のおかずに必要となる調味液、例えば、我が国の醤油に代表されるような調味液の外、イタリアのバルサミコ酢やイギリスのウースターソース、タイのナンプラーなどといった比較的低粘性で漏れ出し易い調味液を主に想定しているものの、その他の種類で粘性がやや高い、例えばトンカツソースやある種のドレッシング、低粘性のマヨネーズのような類いの調味液にあっても、その粘性などに合わせた滴下口および/または注入口の形状、構造などを適宜最適値に選択、形成することにより、この考案の技術的思想を生かした携行用調味液入れ容器とすることができることは言うまでもないことである。
携行用調味液入れ容器は、基本的に誘導室と貯留室とを備えていなければならず、両者は一体成形されると共に、内部空間において滞ることのない滑らかな形状のものとして調味液の流動にできるだけ支障を来すことが無く、しかも滓などの残留物が残り難く配慮したものとすべきである。そして、携行用とするため、弁当本体と共に移動してもその携行に邪魔になり難い形状・構造のものとなるようにし、全体の大凡の外形は、一般的な使い捨てシガライターよろしく平べったい角柱体や、リップスティクのような円柱体など、外形の余計なところに凹凸が無いか、極力少なくして携行の際に引っ掛かりが無く、また繰り返し使用に供されて洗浄し易いものとするのが望ましいと言えるが、調味液を入れた容器として使用する際に、滴下口から中の調味液を滴下操作するとき、摘んだ指から不用意に滑り落してしまわないよう配慮して、例えば滑り止め用の細かい凹凸の梨地仕上げのものとしたり、緩やかな凹凸形状を付与したりすることなどは、その必要に応じて自由に採用可能であり、また、人気が出るよう全体に模様を表したり、何かのキャラクターその他をイメージさせるものにすることなども適宜採用することができ、容器全体の長さとしては、10cm前後、8ないし12cm程度までを一つの目安とし、その容量に応じて巾寸法、あるいは直径寸法など全体の寸法を最適値に決定するようにする。
誘導室は、この携行用調味液入れ容器において、専ら調味液の流出、流入といった流動を円滑なさしめる機能を発揮すると共に、その軸線方向の一端がわには滴下口を一体形成可能とし、同他端がわには、後述する貯留室を連続、一体形成なさしめ、また、同軸先に交叉する方向一端がわに、調味液用の注入口を、夫々最適な大きさのものとして突設、形成可能とする機能を果たすものであり、細長筒状の内部空間とし、夫々が繋がる内面形状はできるだけ滑らかに連続するようにすべきである。
滴下口は、携行すべき調味液を、対象とするおかずなどに適量ずつ滴下、流出するよう機能するものであり、したがって、適用する調味液に応じた、正確には液体粘性に応じて適量の滴下、即ち、一気に連続状に流出してしまう状態ではなく、適量ずつ小分けに流れ出すよう配慮した差し口としての機能が全うされるものとしなればならず、例えば、一般的な粘性の醤油を対象とした場合であれば、実施例としても取り上げてあるとおり、内径を4mm、あるいはそれにプラスマイナス0.2mm程度のものとするようにしたり、その他適応する調味液用として試験、実証的に確認できた最適値を採用するようにすれば足り、当然、ある固有値に特定されるべきものではない。
また、上述した誘導室の軸心に合致する軸心を有するものとするか、あるいはややズレて平行状となる軸心を有するものとするかして、該誘導室の軸心方向一端がわから、同誘導室に一体的に突出、形成されると共に、その外側周面には雄ネジ部を形成し、完全に口を閉鎖し得る雌ネジ部付きキャップの被冠が可能となし、携行時に不用意に漏れ出すなどといった失態を惹起しないよう十分配慮したものにしなければならない。
注入口は、初めての使用時は勿論のこと、繰り返しの使用時に最も有用となって対象とする調味液の適量を注ぎ込むための注ぎ口として機能する部位であり、従前までであれば、別途スポイトなど仲介物を介さなければ充満できなかった調味液を、現在では市販の主流となっているペットボトル入り醤油製品の口から、この注入口に直接注ぎ込むことを狙いとするものであり、したがって、この操作を可能とする上で、特別の訓練を要せずして大多数の人が実施可能とするに必要最小限の口径のもの、例えば、実施例にも有るとおり、その内径が10mm程度で、その外側周面には雄ネジ部を形成したものとなし、上記した滴下口の場合にも当て嵌まるように、雌ネジ部付きキャップが水密状に被冠できるように、誘導室からの突出高は、少なくとも10mmを下ることがないようにして十分な螺合構造の実現可能なものとするのが望ましいと言える。とはいえ、希望する全体の外観形状その他の要因から、十分な突出高の確保が難しいようなときには、それら水密性を確保し得る有効な公知技術、例えば改良されたパッキング材や中栓併用のキャップに代替するなどとすることは十分可能である。
貯留室は、当該携行用調味液入れ容器として、専らその調味液溜まりとして機能する部位であり、所望の容量に応じて決定される容積した内部空間を確保するよう形成されなければならず、特にこの部分の外形は、この携行用調味液入れ容器として想定する外観形状に占める割合からして、外観の主要部を構成する部位であることを考慮して形成されなければならないことは言うまでもない上、最も重要な要因は、前記した誘導室一側面から突出状に形成する、キャップを被冠した注入口の突出高に等しいか、それをやや越える寸法のものとなるようにすべきであって、決して該突出高に達することのない外形のものに形成しないようにしなければならない。
なお、これら各部位で構成することなるこの考案の携行用調味液入れ容器は、繰り返し使用する上での耐久性や取り扱い上の安定性、愛着性などの観点からは、やや厚手で重厚感のあるガラス製のものとして形成するのが最も望ましいと言えるが、勿論、素材が限定されるものではなく、陶磁器製やステンレスやアルマイトなどといった金属製のもの、あるいは、それまでのタレビンの場合同様にプラスチック製のもの、将又それら素材を適宜の組合せで形成するようにしても何等差し支えはなく、需要に応じて最適なものが宣されるべきである。
以下では、この考案の技術的思想を最も良く具現化した代表的な実施例を取り上げ、その構成を具体的に説示していくこととする。
図面は、この考案の携行用調味液入れ容器の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
携行用調味液入れ容器を示す横倒し状態で示す正面図である。 同縦断面図である。 同左側面図である。 同右側面図である。 同平面図である。 同底面図である。 上記図2に付随して示す滴下口3用のキャップ5の正面図と底面図である。 上記図2に付随して示す注入口4用のキャップ6の正面図と底面図である。
図1の横倒し状態で示す正面図、図2の同縦断面図、図3の左側面図、図4の右側面図、図5の平面図、図6の底面図、および、図7の、上記図2に付随して示す滴下口3用のキャップ5の正面図と底面図、図8の、上記図2に付随して示す注入口4用のキャップ6の正面図と底面図に示す事例は、誘導室1を扁平細長の角筒状となし、貯留室2は、それを上下に二段に重ねた正方形断面に相当の角筒状としたものであって、滴下口3は、当該誘導室1の軸心Cに同心真円形としたもので、それに対し、注入口4は、同誘導室1の軸心Cに直交状のものとした総ガラス製のものとして形成すると共に、これら滴下口3、注入口3に螺合、水密状とする各々のキャップ5、6をプラスチック製のものとした、この考案の携行用調味液入れ容器における代表的な一実施例を示すものである。
それら図1ないし図3の各図からも明確に把握できるとおり、滴下口3および注入口4に被冠するプラスチック製のキャップを除き、全体的に2ないし3mm厚程度といった比較的厚手のガラス製のものとして形成する、この考案の携行用調味液入れ容器Bは、滴下口3にキャップ5を被冠して中の調味液がこぼれ出さない状態で、該キャップ5天面から貯留室2底部外側までの長さ寸法を115mmとし、図5の平面図に表れる誘導室1および貯留室2共通の巾、即ちこの携行用調味液入れ容器B自体の巾寸法を、図1の平面図に表れる貯留室2の高さ寸法、即ちこの携行用調味液入れ容器B自体の高さ寸法と同じ35mmとしたものであり、したがって、貯留室2は、外形35mm角の角筒体で、誘導室1との境界までを60mm程度とすると、その内部中空部の容積は、大凡40cc[3.5cm×3.5cm×6cm−(3.5cm×6cm×4×0.3cm+3.5cm×3.5cm×0.3cm×2)=41cm3]となり、誘導室1が、形状的にその1/2程度のものとなることから、全体として大凡60cc程度の調味液を携行可能とする携行用調味液入れ容器Bを実現するものである。
この携行用調味液入れ容器Bの誘導室1軸心の一方の端部側には、その軸心と同じくして外方に約10mm程度突出状にして、内径4mm程度(外径10mm程度)の滴下口3を形成し、その外側周面には雄ネジ部31を螺設するようにしてあり、該滴下口3から内部の調味液(図示せず)を対象となるおかずに注ぐことになり、おかずに滴下操作をするとき以外には、不用意なこぼれ出しを防止するよう、図7に示す滴下口3専用で肉厚プラスチック製とした雌ネジ部51付きのキャップ5を確実に螺合、被冠するものとする。
しかし、使用の途中に、このキャップ5の被冠を懈怠してしまって、何かの拍子に倒したり転がしてしまったとしても、当該滴下口3の内径を4mm程度のものとに規制して形成してあることから、その漏れ出し量を最小限に止め置くことが可能となる。
一方、携行用調味液入れ容器Bの誘導室1の長さ方向中間位置からは、その軸心に直交する方向で外方に向け、上記した滴下口3と同じくして約10mm程度、内径10mm程度(外径16mm程度)の注入口4を突出状に形成したものとし、その外側周面には、同様に雄ネジ部41を螺設してあり、該注入口4を使って、一般的な市販のペットボトル入り調味液(図示せず)を、同ペットボトルの口(内径20mm程度)から、そのまま携行用調味液入れ容器Bの内部に直接、つまり、従前までのもののようにスポイトなどといった注入器具を一切介することなく、所望する調味液の必要量を簡単、的確に注入または補充することが可能なものとなり、注入操作をするとき以外には、これまた不用意なこぼれ出しを確実に防止するよう、図8に示してある注入口4専用で肉厚プラスチック製とした雌ネジ部61付きのキャップ6をしっかりと螺合、被冠するようにするものである。
なお、滴下口3専用および注入口4専用とするこれらキャップ5、6は、携行過程は勿論のこと、静置状態に有ったときにおいても、温度変化による内圧や衝撃などによる破損などに起因した滲み出しを確実に阻止し得る高度な閉開栓機能をもたらすことが期待できるものでなければならず、肉厚としたプラスチック製のもので、確実、簡便な閉開操作ができるよう、八角形外観のものを採用してある。
(実施例の作用効果)
以上のように構成したこの考案を代表する携行用調味液入れ容器Bによれば、既述してあるとおりのこの考案の効果として記載する特徴を普く発揮するものになるのは言うまでもなく、特に肉厚の3mm程度としたガラス製のものとしたことから、所謂タレビンのように手作り弁当と共に携行、使用する際には、少々の衝撃などで破損の虞れを心配する必要は無く、長年に亘っての使用が可能になり、また、肉厚で八角形としたキャップ5、6を採用したため、使用に際しての漏れ出しを確実に阻止して安全な使用が保証され、更に、調味液の注ぎ使用をし終えて持ち帰り、再度使用するといった繰り返し使用についても、注入口4から内部の洗浄が容易、安全になると共に、同じ容器でも、ガラス製であるために洗浄に依って匂い、汚れなどの残留が極めて少なくなって種類の違う調味液に対しても共用できるようになることなどもあって、従前までのもののような煩わしさが一切払拭されてしまい、これまでタレビン使い捨て派に廻っていた人々を再利用派に呼び戻す効果をもたらし、それが惹いては資源の無駄を無くすことに繋がるものと期待される。
(結 び)
叙述の如く、この考案の携行用調味液入れ容器は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造についても従来から周知の手段で容易且つ大量生産可能なものであることから、従前からのタレビンの多くが使い捨てするしかない、利用者に取って使い勝手の悪かったものに比較し、確かに単価においては引けを取るにしても、繰り返し且つ安全、便利なものとして長期間に渡っての使用を可能にする結果、最終的にはそれら従前までのものよりも遥かに経済効果が期待され、一般消費者は勿論のこと、これまでのタレビンの類いを提供しを続けて器材業界をはじめとする製造、販売業界からも高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 誘導室
2 注入室
3 滴下口
31 同 雄ネジ部
4 注入口
41 同 雄ネジ部
5 滴下口用のキャップ
51 同 雌ネジ部
6 注入口用のキャップ
61 同 雌ネジ部
B 携行用調味液入れ容器
この考案は、比較的低粘性の調味液、例えば醤油などを、自宅や食堂といった調味液を常備してある場所以外での食事などにおいて使用する目的で携行するための携行用調味液入れ容器に関するものであり、その試作、生産、販売、そして使用に係わる分野を中心とし、それら分野に直接的にも間接的にも係わりを有するか、有することが予測されるその他の分野までと、あらゆる分野を包含するものであって関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
外食産業が充実した昨今では、ファーストフードの店やコンビニエンスストアのような店で、手軽に昼食など外食を摂ることが可能になって来てはいるものの、長引く景気の低迷で節約志向が強まって来ていることに加え、適切な栄養バランスに注意を払う健康志向の広がりにも影響されてか、手作り弁当持参、愛妻弁当持参で職場に勤務したり、作業現場に赴く人の数が、以前にも増してかなりの割合で増えて来ており、それらの人達は、一頃のものとは違って、保温性を考慮した構造で合理的な仕切を設けるなどして様々に進化させた多種多様な市販のランチボックス、つまり弁当容器に、各家庭や個々人の事情に合わせ、心を込めた献立に仕立てたおかずを詰め、見るからに食欲をそそるように整えられた弁当を毎日持参しては、思い思いの場所で食事を摂ることとなったが、揚げ物やオヒタシ、生野菜などいった惣菜類をおかずに選んであるときには、それらを見栄え良く盛り付け且つ美味しい弁当に仕上げるという目的からと、何よりも携行、移動中の漏れ出し防止のため、予め必要な調味液で味付けをしないままとしておき、食する際に、それら惣菜に必要な調味液、例えば、我が国の醤油に代表されるような調味液の外、イタリアのバルサミコ酢やイギリスのウースターソース、タイのナンプラーなどといった比較的低粘性で漏れ出し易い調味液を、食事を摂るその場で掛けて頂くようにするのが一般的である。
しかし、それら弁当持参で外食する場合に、会社の休憩室、社員食堂といった調味液が常備してある場所を使用できるようなときには問題とならないものの、それら以外の、例えば勤務先の自席であったり、作業現場辺りや公園のベンチなどといった屋外の何処かであって、持参しない限りには必要な調味液などを所望、用立てしようもない状況下において食事を摂るような時には、おかずとして調味液の必要な惣菜を献立とする弁当を作る際、これまでであれば、予め、切り口付きプラスチック小袋に特定の調味液の必要最小限を封入した形態で市販されているものを同包しておくか、あるいは、やはりプラスチック製で、高さ2cm程度、太さが1cmにも満たないキャップ付き容器であって、通称「タレビン」と称して市販される小型の調味液入れ容器に、奥さん又は本人といった調理担当者が、目的の調味液をその都度満たすようにするか、あるいは先の小袋形態のものと同様に、予めそれら容器に特定の調味液を充填、封入して市販する、通称「タレビン」と称される既成の調味液入り容器を採用するかして、何れにしても手作り弁当と共に自らで携行するようにしなければならなくなる。
このようなケースで、小袋タイプのものを採用したのであれば、調味液を注いだ後に残った小袋自体は、芥として捨ててしまって再利用することなどは一切無くなるものの、後者のように小型容器を利用して目的の調味液を用立てするような場合では、調味液を注ぎ、使い果たして空とした後のタレビンを、その場で芥として捨てしまう使い捨て派と、使い捨てにしないで空弁当容器の中に入れて持ち帰る再利用派とに別れるが、使い捨て派の多くは、再利用に際して、持ち帰ってから汚れの洗い流しと、その都度所望する調味液の充填し直しという手間に関し、市販のものには、その手間をできるだけ容易いものにするという点での配慮が足りないか、殆どなされていないという現状から、それら煩わしさを嫌っての止むを得ない「使い捨て」派の方を選択している可能性が高く、また、再利用派にあっても、このような実態からして「使い捨て」派の方を選択したいのは山々なのだが、エコの見地に節約という経済効果を絡め、止むを得ず再利用派に回っている人達も少なくはないものと予想される。
しかしながら、こうした実情にあるにも拘らず、調味液入れ容器を提供して来た、所謂「たれびん」流通業界では、再利用派への配慮をすることなどは、これまでのところ一切見受けられず、もっといえば、敢えて再利用し難くしたままとして消耗品となして、生産・流通サイドの利益優先策に徹して来たのではないのかと憶測したくもなるような状況下にあり、このような実情に甘んじて来てはいたものの、このままの状況にしていたのでは、これまでの経緯から推して、何時まで経ってもそれらが改善される可能性は少ないものと諦め掛かっていたところ、あの忌まわしい3・11東日本大震災に見舞われ、物品に対する価値観が国民全体の中で大きく変わり始め、あらゆる資源を見直す風潮が復活して来たことに加え、何よりも、外食には自らが所望する手作り弁当を日々持参すると決めて来た多くの人々にとって、震災を契機に、今後は尚更のこと弁当持参の習慣は続けなければならないとの思いを強くしたに相違ないことに鑑みると、この僅かな単価でしかない調味液入れ容器とはいうものの、日々膨大な数の人々の使用によって大量消費され続けていくことが、貴重な資源の無駄使いに繋がってしまうと再認識される可能性は非常に高く、これらを考慮すると、これまでは全く無視され続けて来ていた事実を見直し、是非とも、繰り返しの使用に耐え得る構造であって使い勝手の良いという機能を兼ね備えた携行用の小型調味液入れ容器の実現が必要と考えるに至ったものである。
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案も、これまでに全く散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものでは、携行用の小型調味液入れ容器として従前までのものの代表的な魚型タレビンや徳利型タレビンなどは、一回の使用分だけの容量のものとして機能するように設定されいるために、当然のことながらその差し口口径が小さくなり、所望の調味液を注入しようにもそのままでは注入することがかなり難しいことから、この文献のものは、タレビンの方を、従前からのもの、そのままの構造で細い差し口を前提とするもので、その細い差し口に対しても、簡単に調味液の補充が可能となるよう、通常サイズの醤油差し(調味液入れ容器)の方に改良を加えるようにするものであって、通常の醤油差しとして使用できるビク(差し口)外周に雄ネジを形成したものとし、該雄ネジに螺合するようにしたノズルの先端を、従前までのタレビン差し口に挿入できる程に細くして、それらタレビンに醤油を補充する時だけ、当該ノズルを装着使用できるようにしたものが提案されている。
一方、特許文献1(2)に提案されているもののように、携行用の小型調味液入れ容器の構造というよりは、醤油差し全般を対象として、その差す量を、一滴ずつから比較的大量までと自在且つ簡単に注ぎ調整するために、従来のものが容器蓋の差し口反対側に開けられていた通気口を、厚みを持たせた容器蓋天井部に、差し口がわ表面からその反対がわ斜め下方内がわに向けて通孔することにより、差すときの指での調節操作がし易くなるようにして醤油を一滴ずつでも比較的大量にでも自在にさせるよう工夫したものなど、注ぎ方に係わる構造に関するものは多数の事例を見出すことができる。
また、特許文献ではなく、非特許文献1として取り上げてあるインターネットにアップロードされいる事例の一つで、崎陽軒(店名)の「ひょうちゃん」(商品名)に見られる、かなり古くから採用され続けて名物となっているもので、醤油入れとしては珍しく瀬戸物製としたものや、その他で、同じくインターネットにアップロードされいるもので、お馴染みのプラスチック製で、外観だけに拘った「ポケモン醤油入れ」(商品名)や「アンパンマン顔型タレビン」(商品名)、「わんこタレビン」(商品名)、「るんるんパンダ」(商品名)、「おすわりパンダ」(商品名)などいって提供されている類いのものに見受けられるように、携行用の調味液入れ容器としての構造、機能については、従前からの小ビン型タレビンなどと何等変わりのない捩じ込み蓋付き容器のものでは、見た目の可愛さや愛らしさを狙っただけのことであって、形は違えど以前から提供され続けて来ている類いのものでしかないことが判る。
しかし、上記に見た従前からのもの何れもが、結局のところ、この携行用調味液入れ容器としてのタレビンについては、携行していく先での必要調味液の容量により、容器サイズに多少の違いがあっても、それら全てが注入口を兼用する差し口が必須の構成となっているものばかりであって、その従来からの注入口兼用差し口を備えた携行用調味液入れ容器を大前提とした上で、使い捨てにするものを除いた繰り返し使用のもの、あるいは、使い捨て式のものであっても、使用者自らにおいて、その都度充填使用を前提にして空の多数の携行用調味液入れ容器として市販されているものなどにおいては、必然的に小さくならざるを得ない注入口兼用差し口自体に代替するような提案は、前記特許文献1(2)や非特許文献1に見た如く皆無であり、それらに対しては、専用のスポイトが付属品として市販されていて、それを使って吸い込んだ調味液を、細い注入口兼用差し口から注意深く注入するようにするだけのもので、如何にして注入、充填操作を容易なものにするかという観点からの提案は見られない。
また、それら最も一般的なスポイト使用を当て込んだものにあっては、当の専用スポイトを用意するだけではなく、別に調味液溜まりも用意した上、一々その調味液溜まりから調味液を吸上げる手間を要するため、同特許文献1(1)にあるもののように、通常使用、即ち、日常的に家庭などの食卓に備え置いて調味液差しとして普通に使用するタイプの調味液入れ容器自体に、予め携行用調味液入れ容器、つまりタレビンの注入口兼用差し口への注入、充填用とするノズルを着脱自在に付属させておき、必要に応じ、その付属ノズルを本体から取り外し、その根元を当該調味液入れ容器の通常の差し口に取り付ければ、スポイトのときのように、わざわざ別に調味液溜まりを用意せずとも、通常の調味液入れ容器から直接調味液を注入、充填でき、一般的なスポイト使用のものよりは簡便に注入、充填した上で携行用調味液入れ容器を携行できるとしたものでも、やはり、対象としている携行用調味液入れ容器は、従前からの、所謂タレビンであることに変わりはなかった。
こうして、結局のところ、何れも細い注入口兼用差し口へ相対することに変わりは無く、それらスポイトにせよノズルにせよ、視力の衰えた老齢者と言わずとも、細い注入口兼用差し口に対し、スポイトあるいはノズルの注ぎ口を差し込む操作は、必ずしも容易いものと言う訳にはいかないだけでなく、上手く挿入できたとしても、今度は、調味液を注ぎ始めた途端、細い注入口兼用差し口とスポイトあるいはノズルの注ぎ口とが密着状となっていたり、密着状でなくとも調味液が介在して双方間に隙間を失ってしまっていたりすると、携行用調味液入れ容器内の空気の逃げ場が無くなってスポイト内あるいはノズルを付けた通常の調味液入れ容器内から調味液が円滑に流入しないか溢れ出すこととなるなどの不都合を来すことになって、結局、従前までの携行用調味液入れ容器の使用が疎まれ、折角の手作り弁当持参という機運に水を差し兼ねない、一つのマイナス要因となってしまったり、市販弁当にあっては、一個一個は些細な金額とは言え、タレビンは使い捨てるもの、と見限られてしまうこととなって、これまでのところ資源の無駄使いに繋がる遠因の一つになっていたというのが実態である。
(1)登録実用新案第3071939号公報 (2)特開2008−23285 崎陽軒のホームページ「ひょうちゃん」 http://www.kiyoken.com/hyo/index.html
(問題意識)
上述してきたとおり、従前までのこの種弁当と共に携行することになる携行用調味液入れ容器、所謂タレビンは、弁当のおかずの中の限られた惣菜に対する1回ポッキリの使用に供されるものであって、その使用量が僅かなものに限定されていることに加え、弁当に添えられるもののために、弁当持参、移動の邪魔になってはならないという物品としての制約などとから、その容量は、一般的に4ないし10cc程度の容量のものが多く使用されていて、素材の使用量からしてもその無駄が然程目立たず、また、それを満たすための所作についても僅かな量だけに、その煩わしさについても我慢して遣れなくはない程度のことでもあり、したがって、今の今まで、この携行用調味液入れ容器に関する構造、機能についての配慮を欠いたまま経過してきているとしか思えず、特に、日常的に弁当を持参する者の一人で、この携行用調味液入れ容器の再利用派としては、その思いが極めて強い。
(考案の目的)
そこで、この考案は、手作り弁当持参組であれば必ず直面して来ている携行用調味液入れ容器の取り扱い、特に繰り返し使用で避けられない洗浄処理、その後に行う調味液の注入操作などを簡便且つ効率的に実施可能とする新たな携行用調味液入れ容器の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の携行用調味液入れ容器を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(考案の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この考案の携行用調味液入れ容器は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、雄ネジ部を設けた小径の滴下口の基端がわに細長の誘導室を形成し、該誘導室の軸心に平行するがわの何れか一方の外側からは、その軸心に交叉する方向に向け、調味液注入に支障のない径の筒状で、雄ネジ部を設けた注入口を形成した上、これら滴下口および注入口には、個別の雌ネジ付きのキャップを脱着自在に組み合わせる一方、当該誘導室の滴下口形成がわとは反対がわに連続させた貯留室を、その貯留室を構成する外側面で、前記注入口がわに位置することとなる外側面が、当該注入口に螺合したキャップ頂面の属する面と略同一面か、その面を下回ることのない面とした外側面となり、該外側面に相対する対向外側面は、前記誘導室の外側面の中、注入口形成がわに対向する誘導室の外側面と面一状となるよう規制、形成してなるものとした構成を要旨とする携行用調味液入れ容器である。
この基本的な構成からなる携行用調味液入れ容器を、より具体的なものとして示すならば、比較的長めとした小径の筒状で、外周には雄ネジ部を設けて滴下口とし、その基端がわには、該滴下口軸心に同一または平行する方向に細長で一体的とした誘導室を形成すると共に、該誘導室の軸心に平行するがわの何れか一方の外側からは、その軸心に交叉する方向に向け、調味液注入に支障のない径とし、比較的長めとした筒状で、外周には雄ネジ部を設けてある注入口を突出形成した上、これら滴下口および注入口には、夫々に設けた雄ネジ部に水密状に螺合可能な個別の雌ネジ付きのキャップを脱着自在に組み合わせる一方、当該誘導室の滴下口形成がわとは反対がわで、その軸心に平行する方向に連続させ、所望調味液量に応じた内容積とした貯留室を、その貯留室を構成する外側面で、前記注入口がわに位置することとなる外側面が、当該注入口に水密状に螺合したキャップ頂面の属する面と略同一面か、その面を下回ることのない面とした外側面となり、該外側面に相対する対向外側面は、前記誘導室の外側面の中、注入口形成がわに対向する誘導室の外側面と面一状となるよう規制、形成してなるものとした構成からなる携行用調味液入れ容器と言える。
さらに具体的には、内径4mm程度と小径に対し、長さ10mm程度と比較的長めとした筒状で、外周には雄ネジ部を設けて滴下口とし、その基端がわには、該滴下口軸心に同一または平行する方向に細長で一体的とした誘導室を形成すると共に、該誘導室の軸心に平行するがわの何れか一方の外側からは、その軸心に交叉する方向に向け、内径10mm程度と調味液注入に支障のない径とし、長さ10mm程度と比較的長めとした筒状で、外周には雄ネジ部を設けてある注入口を突出形成した上、これら滴下口および注入口には、夫々に設けた雄ネジ部に水密状に螺合可能な雌ネジ付きのキャップを脱着自在に組み合わせる一方、当該誘導室の滴下口形成がわとは反対がわで、その軸心に平行する方向に連続させ、所望調味液量に応じた内容積とした貯留室を、その貯留室を構成する外側面で、前記注入口がわに位置することとなる外側面が、当該注入口に水密状に螺合したキャップ頂面の属する面と略同一面か、その面を下回ることのない面とした外側面となり、該外側面に相対する対向外側面は、前記誘導室の外側面の中、注入口形成がわに対向する誘導室の外側面と面一状となるよう規制、形成してなるものとした携行用調味液入れ容器と言うことができる。
上述したとおりの固有の構成を有するこの考案の携行用調味液入れ容器は、細長く形成した誘導室と滴下口とは、互いの軸芯方向が同一または平行するものとした上、この小断面で細長く規制して形成した誘導室に対し、貯留室は、その一外側面を、注入口に水密状に螺合した雌ネジキャップ頂面の属する面と略同一面あるいはそれよりも低くなることのない面となるよう規制し、その対向 外側面がわは、誘導室の一外側面と面一状となるよう規制、形成してあって、誘導室と貯留室との境界部分に段差(貯留室がわから誘導室がわに移る部分で急に断面を狭め)ることから、調味液入れ容器として使用する際、注ぎ操作するために指で掴んでその軸心方向に沿って振り動かした場合、中の調味液は、細長い空間に集中的に流れ込んで勢いを増した状態(ベルヌーイの定理)で滴下口がわに達し、滴下口には、その都度、十分なエネルギーを受けた調味液が送り込まれ、円滑に滴下できるものとなり、仮令、滴下口の径が、キャップを外したままで不用意に横倒しするなどしても、その零れ出しを最小限に食い止められるよう小径のものに制限してあるとしても、誘導室と貯留室との規制した構成によって調味液入れ容器としての機能を十分に発揮することがでるという大きな効果を得られるものになっている。
また、それら特徴ある構成から、滴下口とは別に専用の注入口を設けた上に、誘導室と注入口とは、互いの軸芯方向が交叉するよう規制した関係のものとしてあることから、注ぎ操作するために調味液入れ容器を指で掴んで誘導室の軸心方向に沿って強く振る取り扱いをした場合にあっても、上述した滴下口方向への流れに勢いがついて調味液の注ぎ出しに利するようになっていても、この注入口がわへの流れは、逆に抵抗が掛かって勢いは削がれ、仮令そのキャップに少し弛みが有ったとしても不用意に漏れ出す現象などは発生しないという利点を有することとなり、別に注入口を用意したことからもたらされるかもしれない弊害を完璧に回避可能としている。
しかも、従前までの「タレビン」に代表される携行用調味液入れ容器とは違い、滴下口とは別の注入口を、その口径を調味液の注入に支障がない程度の比較的大きい内径に規制したものとして設けたことから、当然のことながら、これまでの滴下口からスポイトなど仲介物を使用して注入していた作業に比較すれば、格段に円滑なものとなって煩わしさを解消し得るものになし得るのは言うまでもなく、それに加えて、この容器の洗浄が、従前までのもののように、単に水を注いで濯ぐしか方法のなかったものとは違い、必要に応じて小さなブラシやスポンジなどを使った洗浄を可能にすることとなるから、長年の繰り返し使用に耐え得ることとなり、使用者にとっても衛生的で経済的なものになるだけではなく、資源を無駄にしないという、これからの地球規模での取り組みにも合致するエコロジカルな技術となっている。
特に、その口径と筒状の長さとを規制したものの場合、調味液を、我が国で最も一般的な醤油とし、手作り弁当のために携行する携行用調味液入れ容器とした場合に、その流動性からしても、また、市販される醤油ボトルの口の大きさからしても、繰り返し使用へ向けた十分な配慮がなされていて、それまで使い捨て派に廻ってしまっていた多くの人々でも、繰り返しの使用をする再利用派に転じる切っ掛けを作り出すことになるものと予想され、そのような工夫、配慮を組み込んであるにも拘らず、携行すべきものとしての大きさに制限を受ける容器として最適値のものとすることができ、広く利用、普及させる上で大いに威力を発揮し得るものになるという大きな効果をもたらすことができるものとなっている。
上記したとおりの構成からなるこの考案の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
この考案の携行用調味液入れ容器で対象としている調味液は、例えば手作り弁当を持参し、その弁当のおかずなどに必要な調味液の用意されていない屋外その他での食事が予定される場合に、予め、その弁当のおかずに必要となる調味液、例えば、我が国の醤油に代表されるような調味液の外、イタリアのバルサミコ酢やイギリスのウースターソース、タイのナンプラーなどといった比較的低粘性で漏れ出し易い調味液を主に想定しているものの、その他の種類で粘性がやや高い、例えばトンカツソースやある種のドレッシング、低粘性のマヨネーズのような類いの調味液にあっても、その粘性などに合わせた滴下口および/または注入口の形状、構造などを適宜最適値に選択、形成することにより、この考案の技術的思想を生かした携行用調味液入れ容器とすることができることは言うまでもないことである。
携行用調味液入れ容器は、基本的に誘導室と貯留室とを備えていなければならず、両者は一体成形されると共に、内部空間において滞ることのない滑らかな形状のものとして調味液の流動にできるだけ支障を来すことが無く、しかも滓などの残留物が残り難く配慮したものとすべきである。そして、携行用とするため、弁当本体と共に移動してもその携行に邪魔になり難い形状・構造のものとなるようにし、全体の大凡の外形は、一般的な使い捨てシガライターよろしく平べったい角柱体や、リップスティクのような円柱体など、外形の余計なところに凹凸が無いか、極力少なくして携行の際に引っ掛かりが無く、また繰り返し使用に供されて洗浄し易いものとするのが望ましいと言えるが、調味液を入れた容器として使用する際に、滴下口から中の調味液を滴下操作するとき、摘んだ指から不用意に滑り落してしまわないよう配慮して、例えば滑り止め用の細かい凹凸の梨地仕上げのものとしたり、緩やかな凹凸形状を付与したりすることなどは、その必要に応じて自由に採用可能であり、また、人気が出るよう全体に模様を表したり、何かのキャラクターその他をイメージさせるものにすることなども適宜採用することができ、容器全体の長さとしては、10cm前後、8ないし12cm程度までを一つの目安とし、その容量に応じて巾寸法、あるいは直径寸法など全体の寸法を最適値に決定するようにする。
誘導室は、この携行用調味液入れ容器において、専ら調味液の流出、流入といった流動を円滑なさしめる機能を発揮すると共に、その軸線方向の一端がわには滴下口を一体形成可能とし、同他端がわには、後述する貯留室を連続、一体形成なさしめ、また、同軸先に交叉する方向一端がわに、調味液用の注入口を、夫々最適な大きさのものとして突設、形成可能とする機能を果たすものであり、細長筒状の内部空間とし、夫々が繋がる内面形状はできるだけ滑らかに連続するようにすべきである。
滴下口は、携行すべき調味液を、対象とするおかずなどに適量ずつ滴下、流出するよう機能するものであり、したがって、適用する調味液に応じた、正確には液体粘性に応じて適量の滴下、即ち、一気に連続状に流出してしまう状態ではなく、適量ずつ小分けに流れ出すよう配慮した差し口としての機能が全うされるものとしなればならず、例えば、一般的な粘性の醤油を対象とした場合であれば、実施例としても取り上げてあるとおり、内径を4mm、あるいはそれにプラスマイナス0.2mm程度のものとするようにしたり、その他適応する調味液用として試験、実証的に確認できた最適値を採用するようにすれば足り、当然、ある固有値に特定されるべきものではない。
また、上述した誘導室の軸心に合致する軸心を有するものとするか、あるいはややズレて平行状となる軸心を有するものとするかして、該誘導室の軸心方向一端がわから、同誘導室に一体的に突出、形成されると共に、その外側周面には雄ネジ部を形成し、完全に口を閉鎖し得る雌ネジ部付きキャップの被冠が可能となし、携行時に不用意に漏れ出すなどといった失態を惹起しないよう十分配慮したものにしなければならない。
注入口は、初めての使用時は勿論のこと、繰り返しの使用時に最も有用となって対象とする調味液の適量を注ぎ込むための注ぎ口として機能する部位であり、従前までであれば、別途スポイトなど仲介物を介さなければ充満できなかった調味液を、現在では市販の主流となっているペットボトル入り醤油製品の口から、この注入口に直接注ぎ込むことを狙いとするものであり、したがって、この操作を可能とする上で、特別の訓練を要せずして大多数の人が実施可能とするに必要最小限の口径のもの、例えば、実施例にも有るとおり、その内径が10mm程度で、その外側周面には雄ネジ部を形成したものとなし、上記した滴下口の場合にも当て嵌まるように、雌ネジ部付きキャップが水密状に被冠できるように、誘導室からの突出高は、少なくとも10mmを下ることがないようにして十分な螺合構造の実現可能なものとするのが望ましいと言える。とはいえ、希望する全体の外観形状その他の要因から、十分な突出高の確保が難しいようなときには、それら水密性を確保し得る有効な公知技術、例えば改良されたパッキング材や中栓併用のキャップに代替するなどとすることは十分可能である。
貯留室は、当該携行用調味液入れ容器として、専らその調味液溜まりとして機能する部位であり、所望の容量に応じて決定される容積した内部空間を確保するよう形成されなければならず、特にこの部分の外形は、この携行用調味液入れ容器として想定する外観形状に占める割合からして、外観の主要部を構成する部位であることを考慮して形成されなければならないことは言うまでもない上、最も重要な要因は、前記した誘導室一側面から突出状に形成する、キャップを被冠した注入口の突出高に等しいか、それをやや越える寸法のものとなるようにすべきであって、決して該突出高に達することのない外形のものに形成しないようにしなければならない。
なお、これら各部位で構成することなるこの考案の携行用調味液入れ容器は、繰り返し使用する上での耐久性や取り扱い上の安定性、愛着性などの観点からは、やや厚手で重厚感のあるガラス製のものとして形成するのが最も望ましいと言えるが、勿論、素材が限定されるものではなく、陶磁器製やステンレスやアルマイトなどといった金属製のもの、あるいは、それまでのタレビンの場合同様にプラスチック製のもの、将又それら素材を適宜の組合せで形成するようにしても何等差し支えはなく、需要に応じて最適なものが宣されるべきである。
以下では、この考案の技術的思想を最も良く具現化した代表的な実施例を取り上げ、その構成を具体的に説示していくこととする。
図面は、この考案の携行用調味液入れ容器の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
携行用調味液入れ容器を示す横倒し状態で示す正面図である。 同縦断面図である。 同左側面図である。 同右側面図である。 同平面図である。 同底面図である。 上記図2に付随して示す滴下口3用のキャップ5の正面図と底面図である。 上記図2に付随して示す注入口4用のキャップ6の正面図と底面図である。
図1の横倒し状態で示す正面図、図2の同縦断面図、図3の左側面図、図4の右側面図、図5の平面図、図6の底面図、および、図7の、上記図2に付随して示す滴下口3用のキャップ5の正面図と底面図、図8の、上記図2に付随して示す注入口4用のキャップ6の正面図と底面図に示す事例は、誘導室1を扁平細長の角筒状となし、貯留室2は、それを上下に二段に重ねた正方形断面に相当の角筒状としたものであって、滴下口3は、当該誘導室1の軸心Cに同心真円形としたもので、それに対し、注入口4は、同誘導室1の軸心Cに直交状のものとした総ガラス製のものとして形成すると共に、これら滴下口3、注入口3に螺合、水密状とする各々のキャップ5、6をプラスチック製のものとした、この考案の携行用調味液入れ容器における代表的な一実施例を示すものである。
それら図1ないし図3の各図からも明確に把握できるとおり、滴下口3および注入口4に被冠するプラスチック製のキャップを除き、全体的に2ないし3mm厚程度といった比較的厚手のガラス製のものとして形成する、この考案の携行用調味液入れ容器Bは、滴下口3にキャップ5を被冠して中の調味液がこぼれ出さない状態で、該キャップ5天面から貯留室2底部外側までの長さ寸法を115mmとし、図5の平面図に表れる誘導室1および貯留室2共通の巾、即ちこの携行用調味液入れ容器B自体の巾寸法を、図1の平面図に表れる貯留室2の高さ寸法、即ちこの携行用調味液入れ容器B自体の高さ寸法と同じ35mmとしたものであり、したがって、貯留室2は、外形35mm角の角筒体で、誘導室1との境界までを60mm程度とすると、その内部中空部の容積は、大凡40cc[3.5cm×3.5cm×6cm−(3.5cm×6cm×4×0.3cm+3.5cm×3.5cm×0.3cm×2)=41cm3]となり、誘導室1が、形状的にその1/2程度のものとなることから、全体として大凡60cc程度の調味液を携行可能とする携行用調味液入れ容器Bを実現するものである。
この携行用調味液入れ容器Bの誘導室1軸心の一方の端部側には、その軸心と同じくして外方に約10mm程度突出状にして、内径4mm程度(外径10mm程度)の滴下口3を形成し、その外側周面には雄ネジ部31を螺設するようにしてあり、該滴下口3から内部の調味液(図示せず)を対象となるおかずに注ぐことになり、おかずに滴下操作をするとき以外には、不用意なこぼれ出しを防止するよう、図7に示す滴下口3専用で肉厚プラスチック製とした雌ネジ部51付きのキャップ5を確実に螺合、被冠するものとする。
しかし、使用の途中に、このキャップ5の被冠を懈怠してしまって、何かの拍子に倒したり転がしてしまったとしても、当該滴下口3の内径を4mm程度のものとに規制して形成してあることから、その漏れ出し量を最小限に止め置くことが可能となる。
一方、携行用調味液入れ容器Bの誘導室1の長さ方向中間位置からは、その軸心に直交する方向で外方に向け、上記した滴下口3と同じくして約10mm程度、内径10mm程度(外径16mm程度)の注入口4を突出状に形成したものとし、その外側周面には、同様に雄ネジ部41を螺設してあり、該注入口4を使って、一般的な市販のペットボトル入り調味液(図示せず)を、同ペットボトルの口(内径20mm程度)から、そのまま携行用調味液入れ容器Bの内部に直接、つまり、従前までのもののようにスポイトなどといった注入器具を一切介することなく、所望する調味液の必要量を簡単、的確に注入または補充することが可能なものとなり、注入操作をするとき以外には、これまた不用意なこぼれ出しを確実に防止するよう、図8に示してある注入口4専用で肉厚プラスチック製とした雌ネジ部61付きのキャップ6をしっかりと螺合、被冠するようにするものである。
なお、滴下口3専用および注入口4専用とするこれらキャップ5、6は、携行過程は勿論のこと、静置状態に有ったときにおいても、温度変化による内圧や衝撃などによる破損などに起因した滲み出しを確実に阻止し得る高度な閉開栓機能をもたらすことが期待できるものでなければならず、肉厚としたプラスチック製のもので、確実、簡便な閉開操作ができるよう、八角形外観のものを採用してある。
(実施例の作用効果)
以上のように構成したこの考案を代表する携行用調味液入れ容器Bによれば、既述してあるとおりのこの考案の効果として記載する特徴を普く発揮するものになるのは言うまでもなく、特に肉厚の3mm程度としたガラス製のものとしたことから、所謂タレビンのように手作り弁当と共に携行、使用する際には、少々の衝撃などで破損の虞れを心配する必要は無く、長年に亘っての使用が可能になり、また、肉厚で八角形としたキャップ5、6を採用したため、使用に際しての漏れ出しを確実に阻止して安全な使用が保証され、更に、調味液の注ぎ使用をし終えて持ち帰り、再度使用するといった繰り返し使用についても、注入口4から内部の洗浄が容易、安全になると共に、同じ容器でも、ガラス製であるために洗浄に依って匂い、汚れなどの残留が極めて少なくなって種類の違う調味液に対しても共用できるようになることなどもあって、従前までのもののような煩わしさが一切払拭されてしまい、これまでタレビン使い捨て派に廻っていた人々を再利用派に呼び戻す効果をもたらし、それが惹いては資源の無駄を無くすことに繋がるものと期待される。
(結 び)
叙述の如く、この考案の携行用調味液入れ容器は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造についても従来から周知の手段で容易且つ大量生産可能なものであることから、従前からのタレビンの多くが使い捨てするしかない、利用者に取って使い勝手の悪かったものに比較し、確かに単価においては引けを取るにしても、繰り返し且つ安全、便利なものとして長期間に渡っての使用を可能にする結果、最終的にはそれら従前までのものよりも遥かに経済効果が期待され、一般消費者は勿論のこと、これまでのタレビンの類いを提供しを続けて器材業界をはじめとする製造、販売業界からも高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 誘導室
2 注入室
3 滴下口
31 同 雄ネジ部
4 注入口
41 同 雄ネジ部
5 滴下口用のキャップ
51 同 雌ネジ部
6 注入口用のキャップ
61 同 雌ネジ部
B 携行用調味液入れ容器
この考案は、比較的低粘性の調味液、例えば醤油などを、自宅や食堂といった調味液を常備してある場所以外での食事などにおいて使用する目的で携行するための携行用調味液入れ容器に関するものであり、その試作、生産、販売、そして使用に係わる分野を中心とし、それら分野に直接的にも間接的にも係わりを有するか、有することが予測されるその他の分野までと、あらゆる分野を包含するものであって関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
外食産業が充実した昨今では、ファーストフードの店やコンビニエンスストアのような店で、手軽に昼食など外食を摂ることが可能になって来てはいるものの、長引く景気の低迷で節約志向が強まって来ていることに加え、適切な栄養バランスに注意を払う健康志向の広がりにも影響されてか、手作り弁当持参、愛妻弁当持参で職場に勤務したり、作業現場に赴く人の数が、以前にも増してかなりの割合で増えて来ており、それらの人達は、一頃のものとは違って、保温性を考慮した構造で合理的な仕切を設けるなどして様々に進化させた多種多様な市販のランチボックス、つまり弁当容器に、各家庭や個々人の事情に合わせ、心を込めた献立に仕立てたおかずを詰め、見るからに食欲をそそるように整えられた弁当を毎日持参しては、思い思いの場所で食事を摂ることとなったが、揚げ物やオヒタシ、生野菜などいった惣菜類をおかずに選んであるときには、それらを見栄え良く盛り付け且つ美味しい弁当に仕上げるという目的からと、何よりも携行、移動中の漏れ出し防止のため、予め必要な調味液で味付けをしないままとしておき、食する際に、それら惣菜に必要な調味液、例えば、我が国の醤油に代表されるような調味液の外、イタリアのバルサミコ酢やイギリスのウースターソース、タイのナンプラーなどといった比較的低粘性で漏れ出し易い調味液を、食事を摂るその場で掛けて頂くようにするのが一般的である。
しかし、それら弁当持参で外食する場合に、会社の休憩室、社員食堂といった調味液が常備してある場所を使用できるようなときには問題とならないものの、それら以外の、例えば勤務先の自席であったり、作業現場辺りや公園のベンチなどといった屋外の何処かであって、持参しない限りには必要な調味液などを所望、用立てしようもない状況下において食事を摂るような時には、おかずとして調味液の必要な惣菜を献立とする弁当を作る際、これまでであれば、予め、切り口付きプラスチック小袋に特定の調味液の必要最小限を封入した形態で市販されているものを同包しておくか、あるいは、やはりプラスチック製で、高さ2cm程度、太さが1cmにも満たないキャップ付き容器であって、通称「タレビン」と称して市販される小型の調味液入れ容器に、奥さん又は本人といった調理担当者が、目的の調味液をその都度満たすようにするか、あるいは先の小袋形態のものと同様に、予めそれら容器に特定の調味液を充填、封入して市販する、通称「タレビン」と称される既成の調味液入り容器を採用するかして、何れにしても手作り弁当と共に自らで携行するようにしなければならなくなる。
このようなケースで、小袋タイプのものを採用したのであれば、調味液を注いだ後に残った小袋自体は、芥として捨ててしまって再利用することなどは一切無くなるものの、後者のように小型容器を利用して目的の調味液を用立てするような場合では、調味液を注ぎ、使い果たして空とした後のタレビンを、その場で芥として捨てしまう使い捨て派と、使い捨てにしないで空弁当容器の中に入れて持ち帰る再利用派とに別れるが、使い捨て派の多くは、再利用に際して、持ち帰ってから汚れの洗い流しと、その都度所望する調味液の充填し直しという手間に関し、市販のものには、その手間をできるだけ容易いものにするという点での配慮が足りないか、殆どなされていないという現状から、それら煩わしさを嫌っての止むを得ない「使い捨て」派の方を選択している可能性が高く、また、再利用派にあっても、このような実態からして「使い捨て」派の方を選択したいのは山々なのだが、エコの見地に節約という経済効果を絡め、止むを得ず再利用派に回っている人達も少なくはないものと予想される。
しかしながら、こうした実情にあるにも拘らず、調味液入れ容器を提供して来た、所謂「たれびん」流通業界では、再利用派への配慮をすることなどは、これまでのところ一切見受けられず、もっといえば、敢えて再利用し難くしたままとして消耗品となして、生産・流通サイドの利益優先策に徹して来たのではないのかと憶測したくもなるような状況下にあり、このような実情に甘んじて来てはいたものの、このままの状況にしていたのでは、これまでの経緯から推して、何時まで経ってもそれらが改善される可能性は少ないものと諦め掛かっていたところ、あの忌まわしい3・11東日本大震災に見舞われ、物品に対する価値観が国民全体の中で大きく変わり始め、あらゆる資源を見直す風潮が復活して来たことに加え、何よりも、外食には自らが所望する手作り弁当を日々持参すると決めて来た多くの人々にとって、震災を契機に、今後は尚更のこと弁当持参の習慣は続けなければならないとの思いを強くしたに相違ないことに鑑みると、この僅かな単価でしかない調味液入れ容器とはいうものの、日々膨大な数の人々の使用によって大量消費され続けていくことが、貴重な資源の無駄使いに繋がってしまうと再認識される可能性は非常に高く、これらを考慮すると、これまでは全く無視され続けて来ていた事実を見直し、是非とも、繰り返しの使用に耐え得る構造であって使い勝手の良いという機能を兼ね備えた携行用の小型調味液入れ容器の実現が必要と考えるに至ったものである。
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案も、これまでに全く散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものでは、携行用の小型調味液入れ容器として従前までのものの代表的な魚型タレビンや徳利型タレビンなどは、一回の使用分だけの容量のものとして機能するように設定されいるために、当然のことながらその差し口口径が小さくなり、所望の調味液を注入しようにもそのままでは注入することがかなり難しいことから、この文献のものは、タレビンの方を、従前からのもの、そのままの構造で細い差し口を前提とするもので、その細い差し口に対しても、簡単に調味液の補充が可能となるよう、通常サイズの醤油差し(調味液入れ容器)の方に改良を加えるようにするものであって、通常の醤油差しとして使用できるビク(差し口)外周に雄ネジを形成したものとし、該雄ネジに螺合するようにしたノズルの先端を、従前までのタレビン差し口に挿入できる程に細くして、それらタレビンに醤油を補充する時だけ、当該ノズルを装着使用できるようにしたものが提案されている。
一方、特許文献1(2)に提案されているもののように、携行用の小型調味液入れ容器の構造というよりは、醤油差し全般を対象として、その差す量を、一滴ずつから比較的大量までと自在且つ簡単に注ぎ調整するために、従来のものが容器蓋の差し口反対側に開けられていた通気口を、厚みを持たせた容器蓋天井部に、差し口がわ表面からその反対がわ斜め下方内がわに向けて通孔することにより、差すときの指での調節操作がし易くなるようにして醤油を一滴ずつでも比較的大量にでも自在にさせるよう工夫したものなど、注ぎ方に係わる構造に関するものは多数の事例を見出すことができる。
また、特許文献ではなく、非特許文献1として取り上げてあるインターネットにアップロードされいる事例の一つで、崎陽軒(店名)の「ひょうちゃん」(商品名)に見られる、かなり古くから採用され続けて名物となっているもので、醤油入れとしては珍しく瀬戸物製としたものや、その他で、同じくインターネットにアップロードされいるもので、お馴染みのプラスチック製で、外観だけに拘った「ポケモン醤油入れ」(商品名)や「アンパンマン顔型タレビン」(商品名)、「わんこタレビン」(商品名)、「るんるんパンダ」(商品名)、「おすわりパンダ」(商品名)などいって提供されている類いのものに見受けられるように、携行用の調味液入れ容器としての構造、機能については、従前からの小ビン型タレビンなどと何等変わりのない捩じ込み蓋付き容器のものでは、見た目の可愛さや愛らしさを狙っただけのことであって、形は違えど以前から提供され続けて来ている類いのものでしかないことが判る。
しかし、上記に見た従前からのもの何れもが、結局のところ、この携行用調味液入れ容器としてのタレビンについては、携行していく先での必要調味液の容量により、容器サイズに多少の違いがあっても、それら全てが注入口を兼用する差し口が必須の構成となっているものばかりであって、その従来からの注入口兼用差し口を備えた携行用調味液入れ容器を大前提とした上で、使い捨てにするものを除いた繰り返し使用のもの、あるいは、使い捨て式のものであっても、使用者自らにおいて、その都度充填使用を前提にして空の多数の携行用調味液入れ容器として市販されているものなどにおいては、必然的に小さくならざるを得ない注入口兼用差し口自体に代替するような提案は、前記特許文献1(2)や非特許文献1に見た如く皆無であり、それらに対しては、専用のスポイトが付属品として市販されていて、それを使って吸い込んだ調味液を、細い注入口兼用差し口から注意深く注入するようにするだけのもので、如何にして注入、充填操作を容易なものにするかという観点からの提案は見られない。
また、それら最も一般的なスポイト使用を当て込んだものにあっては、当の専用スポイトを用意するだけではなく、別に調味液溜まりも用意した上、一々その調味液溜まりから調味液を吸上げる手間を要するため、同特許文献1(1)にあるもののように、通常使用、即ち、日常的に家庭などの食卓に備え置いて調味液差しとして普通に使用するタイプの調味液入れ容器自体に、予め携行用調味液入れ容器、つまりタレビンの注入口兼用差し口への注入、充填用とするノズルを着脱自在に付属させておき、必要に応じ、その付属ノズルを本体から取り外し、その根元を当該調味液入れ容器の通常の差し口に取り付ければ、スポイトのときのように、わざわざ別に調味液溜まりを用意せずとも、通常の調味液入れ容器から直接調味液を注入、充填でき、一般的なスポイト使用のものよりは簡便に注入、充填した上で携行用調味液入れ容器を携行できるとしたものでも、やはり、対象としている携行用調味液入れ容器は、従前からの、所謂タレビンであることに変わりはなかった。
こうして、結局のところ、何れも細い注入口兼用差し口へ相対することに変わりは無く、それらスポイトにせよノズルにせよ、視力の衰えた老齢者と言わずとも、細い注入口兼用差し口に対し、スポイトあるいはノズルの注ぎ口を差し込む操作は、必ずしも容易いものと言う訳にはいかないだけでなく、上手く挿入できたとしても、今度は、調味液を注ぎ始めた途端、細い注入口兼用差し口とスポイトあるいはノズルの注ぎ口とが密着状となっていたり、密着状でなくとも調味液が介在して双方間に隙間を失ってしまっていたりすると、携行用調味液入れ容器内の空気の逃げ場が無くなってスポイト内あるいはノズルを付けた通常の調味液入れ容器内から調味液が円滑に流入しないか溢れ出すこととなるなどの不都合を来すことになって、結局、従前までの携行用調味液入れ容器の使用が疎まれ、折角の手作り弁当持参という機運に水を差し兼ねない、一つのマイナス要因となってしまったり、市販弁当にあっては、一個一個は些細な金額とは言え、タレビンは使い捨てるもの、と見限られてしまうこととなって、これまでのところ資源の無駄使いに繋がる遠因の一つになっていたというのが実態である。
(1)登録実用新案第3071939号公報 (2)特開2008−23285 崎陽軒のホームページ「ひょうちゃん」 http://www.kiyoken.com/hyo/index.html
(問題意識)
上述してきたとおり、従前までのこの種弁当と共に携行することになる携行用調味液入れ容器、所謂タレビンは、弁当のおかずの中の限られた惣菜に対する1回ポッキリの使用に供されるものであって、その使用量が僅かなものに限定されていることに加え、弁当に添えられるもののために、弁当持参、移動の邪魔になってはならないという物品としての制約などとから、その容量は、一般的に4ないし10cc程度の容量のものが多く使用されていて、素材の使用量からしてもその無駄が然程目立たず、また、それを満たすための所作についても僅かな量だけに、その煩わしさについても我慢して遣れなくはない程度のことでもあり、したがって、今の今まで、この携行用調味液入れ容器に関する構造、機能についての配慮を欠いたまま経過してきているとしか思えず、特に、日常的に弁当を持参する者の一人で、この携行用調味液入れ容器の再利用派としては、その思いが極めて強い。
(考案の目的)
そこで、この考案は、手作り弁当持参組であれば必ず直面して来ている携行用調味液入れ容器の取り扱い、特に繰り返し使用で避けられない洗浄処理、その後に行う調味液の注入操作などを簡便且つ効率的に実施可能とする新たな携行用調味液入れ容器の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の携行用調味液入れ容器を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(考案の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この考案の携行用調味液入れ容器は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、雄ネジ部を設けた小径の滴下口の基端がわに細長の誘導室を形成し、該誘導室の軸心に平行するがわの何れか一方の外側からは、その軸心に交叉する方向に向け、調味液注入に支障のない径の筒状で、雄ネジ部を設けた注入口を形成した上、これら滴下口および注入口には、個別の雌ネジ付きのキャップを脱着自在に組み合わせる一方、当該誘導室の滴下口形成がわとは反対がわに連続させた貯留室は、その貯留室を構成する外側面であって、前記注入口がわに位置し、当該注入口に螺合したキャップ頂面の属する面と略同一面か、その面を下回ることのない面とした外側面と、該外側面に相対する対向外側面であって、前記誘導室の外側面のうち注入口形成がわに対向する誘導室の外側面と面一状となるよう形成された外側面と、を備えてなるよう規制、形成してなるものとした構成を要旨とする携行用調味液入れ容器である。
この基本的な構成からなる携行用調味液入れ容器を、より具体的なものとして示すならば、比較的長めとした小径の筒状で、外周には雄ネジ部を設けて滴下口とし、その基端がわには、該滴下口軸心に同一または平行する方向に細長で一体的とした誘導室を形成すると共に、該誘導室の軸心に平行するがわの何れか一方の外側からは、その軸心に交叉する方向に向け、調味液注入に支障のない径とし、比較的長めとした筒状で、外周には雄ネジ部を設けてある注入口を突出形成した上、これら滴下口および注入口には、夫々に設けた雄ネジ部に水密状に螺合可能な個別の雌ネジ付きのキャップを脱着自在に組み合わせる一方、当該誘導室の滴下口形成がわとは反対がわで、その軸心に平行する方向に連続させ、所望調味液量に応じた内容積とした貯留室は、その貯留室を構成する外側面であって、前記注入口がわに位置し、当該注入口に水密状に螺合したキャップ頂面の属する面と略同一面か、その面を下回ることのない面とした外側面と、該外側面に相対する対向外側面であって、前記誘導室の外側面のうち注入口形成がわに対向する誘導室の外側面と面一状となるよう形成された外側面と、を備えてなるよう規制、形成してなるものとした構成からなる携行用調味液入れ容器と言える。
さらに具体的には、内径4mm程度と小径に対し、長さ10mm程度と比較的長めとした筒状で、外周には雄ネジ部を設けて滴下口とし、その基端がわには、該滴下口軸心に同一または平行する方向に細長で一体的とした誘導室を形成すると共に、該誘導室の軸心に平行するがわの何れか一方の外側からは、その軸心に交叉する方向に向け、内径10mm程度と調味液注入に支障のない径とし、長さ10mm程度と比較的長めとした筒状で、外周には雄ネジ部を設けてある注入口を突出形成した上、これら滴下口および注入口には、夫々に設けた雄ネジ部に水密状に螺合可能な雌ネジ付きのキャップを脱着自在に組み合わせる一方、当該誘導室の滴下口形成がわとは反対がわで、その軸心に平行する方向に連続させ、所望調味液量に応じた内容積とした貯留室は、その貯留室を構成する外側面であって、前記注入口がわに位置し、当該注入口に水密状に螺合したキャップ頂面の属する面と略同一面か、その面を下回ることのない面とした外側面と、該外側面に相対する対向外側面であって、前記誘導室の外側面のうち注入口形成がわに対向する誘導室の外側面と面一状となるよう形成された外側面と、を備えてなるよう規制、形成してなるものとした携行用調味液入れ容器と言うことができる。
上述したとおりの固有の構成を有するこの考案の携行用調味液入れ容器は、細長く形成した誘導室と滴下口とは、互いの軸芯方向が同一または平行するものとした上、この小断面で細長く規制して形成した誘導室に対し、貯留室は、その一外側面を、注入口に水密状に螺合した雌ネジキャップ頂面の属する面と略同一面あるいはそれよりも低くなることのない面となるよう規制し、その対向 外側面がわは、誘導室の一外側面と面一状となるよう規制、形成してあって、誘導室と貯留室との境界部分に段差(貯留室がわから誘導室がわに移る部分で急に断面を狭め)ることから、調味液入れ容器として使用する際、注ぎ操作するために指で掴んでその軸心方向に沿って振り動かした場合、中の調味液は、細長い空間に集中的に流れ込んで勢いを増した状態(ベルヌーイの定理)で滴下口がわに達し、滴下口には、その都度、十分なエネルギーを受けた調味液が送り込まれ、円滑に滴下できるものとなり、仮令、滴下口の径が、キャップを外したままで不用意に横倒しするなどしても、その零れ出しを最小限に食い止められるよう小径のものに制限してあるとしても、誘導室と貯留室との規制した構成によって調味液入れ容器としての機能を十分に発揮することがでるという大きな効果を得られるものになっている。
また、それら特徴ある構成から、滴下口とは別に専用の注入口を設けた上に、誘導室と注入口とは、互いの軸芯方向が交叉するよう規制した関係のものとしてあることから、注ぎ操作するために調味液入れ容器を指で掴んで誘導室の軸心方向に沿って強く振る取り扱いをした場合にあっても、上述した滴下口方向への流れに勢いがついて調味液の注ぎ出しに利するようになっていても、この注入口がわへの流れは、逆に抵抗が掛かって勢いは削がれ、仮令そのキャップに少し弛みが有ったとしても不用意に漏れ出す現象などは発生しないという利点を有することとなり、別に注入口を用意したことからもたらされるかもしれない弊害を完璧に回避可能としている。
しかも、従前までの「タレビン」に代表される携行用調味液入れ容器とは違い、滴下口とは別の注入口を、その口径を調味液の注入に支障がない程度の比較的大きい内径に規制したものとして設けたことから、当然のことながら、これまでの滴下口からスポイトなど仲介物を使用して注入していた作業に比較すれば、格段に円滑なものとなって煩わしさを解消し得るものになし得るのは言うまでもなく、それに加えて、この容器の洗浄が、従前までのもののように、単に水を注いで濯ぐしか方法のなかったものとは違い、必要に応じて小さなブラシやスポンジなどを使った洗浄を可能にすることとなるから、長年の繰り返し使用に耐え得ることとなり、使用者にとっても衛生的で経済的なものになるだけではなく、資源を無駄にしないという、これからの地球規模での取り組みにも合致するエコロジカルな技術となっている。
特に、その口径と筒状の長さとを規制したものの場合、調味液を、我が国で最も一般的な醤油とし、手作り弁当のために携行する携行用調味液入れ容器とした場合に、その流動性からしても、また、市販される醤油ボトルの口の大きさからしても、繰り返し使用へ向けた十分な配慮がなされていて、それまで使い捨て派に廻ってしまっていた多くの人々でも、繰り返しの使用をする再利用派に転じる切っ掛けを作り出すことになるものと予想され、そのような工夫、配慮を組み込んであるにも拘らず、携行すべきものとしての大きさに制限を受ける容器として最適値のものとすることができ、広く利用、普及させる上で大いに威力を発揮し得るものになるという大きな効果をもたらすことができるものとなっている。
上記したとおりの構成からなるこの考案の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
この考案の携行用調味液入れ容器で対象としている調味液は、例えば手作り弁当を持参し、その弁当のおかずなどに必要な調味液の用意されていない屋外その他での食事が予定される場合に、予め、その弁当のおかずに必要となる調味液、例えば、我が国の醤油に代表されるような調味液の外、イタリアのバルサミコ酢やイギリスのウースターソース、タイのナンプラーなどといった比較的低粘性で漏れ出し易い調味液を主に想定しているものの、その他の種類で粘性がやや高い、例えばトンカツソースやある種のドレッシング、低粘性のマヨネーズのような類いの調味液にあっても、その粘性などに合わせた滴下口および/または注入口の形状、構造などを適宜最適値に選択、形成することにより、この考案の技術的思想を生かした携行用調味液入れ容器とすることができることは言うまでもないことである。
携行用調味液入れ容器は、基本的に誘導室と貯留室とを備えていなければならず、両者は一体成形されると共に、内部空間において滞ることのない滑らかな形状のものとして調味液の流動にできるだけ支障を来すことが無く、しかも滓などの残留物が残り難く配慮したものとすべきである。そして、携行用とするため、弁当本体と共に移動してもその携行に邪魔になり難い形状・構造のものとなるようにし、全体の大凡の外形は、一般的な使い捨てシガライターよろしく平べったい角柱体や、リップスティクのような円柱体など、外形の余計なところに凹凸が無いか、極力少なくして携行の際に引っ掛かりが無く、また繰り返し使用に供されて洗浄し易いものとするのが望ましいと言えるが、調味液を入れた容器として使用する際に、滴下口から中の調味液を滴下操作するとき、摘んだ指から不用意に滑り落してしまわないよう配慮して、例えば滑り止め用の細かい凹凸の梨地仕上げのものとしたり、緩やかな凹凸形状を付与したりすることなどは、その必要に応じて自由に採用可能であり、また、人気が出るよう全体に模様を表したり、何かのキャラクターその他をイメージさせるものにすることなども適宜採用することができ、容器全体の長さとしては、10cm前後、8ないし12cm程度までを一つの目安とし、その容量に応じて巾寸法、あるいは直径寸法など全体の寸法を最適値に決定するようにする。
誘導室は、この携行用調味液入れ容器において、専ら調味液の流出、流入といった流動を円滑なさしめる機能を発揮すると共に、その軸線方向の一端がわには滴下口を一体形成可能とし、同他端がわには、後述する貯留室を連続、一体形成なさしめ、また、同軸先に交叉する方向一端がわに、調味液用の注入口を、夫々最適な大きさのものとして突設、形成可能とする機能を果たすものであり、細長筒状の内部空間とし、夫々が繋がる内面形状はできるだけ滑らかに連続するようにすべきである。
滴下口は、携行すべき調味液を、対象とするおかずなどに適量ずつ滴下、流出するよう機能するものであり、したがって、適用する調味液に応じた、正確には液体粘性に応じて適量の滴下、即ち、一気に連続状に流出してしまう状態ではなく、適量ずつ小分けに流れ出すよう配慮した差し口としての機能が全うされるものとしなればならず、例えば、一般的な粘性の醤油を対象とした場合であれば、実施例としても取り上げてあるとおり、内径を4mm、あるいはそれにプラスマイナス0.2mm程度のものとするようにしたり、その他適応する調味液用として試験、実証的に確認できた最適値を採用するようにすれば足り、当然、ある固有値に特定されるべきものではない。
また、上述した誘導室の軸心に合致する軸心を有するものとするか、あるいはややズレて平行状となる軸心を有するものとするかして、該誘導室の軸心方向一端がわから、同誘導室に一体的に突出、形成されると共に、その外側周面には雄ネジ部を形成し、完全に口を閉鎖し得る雌ネジ部付きキャップの被冠が可能となし、携行時に不用意に漏れ出すなどといった失態を惹起しないよう十分配慮したものにしなければならない。
注入口は、初めての使用時は勿論のこと、繰り返しの使用時に最も有用となって対象とする調味液の適量を注ぎ込むための注ぎ口として機能する部位であり、従前までであれば、別途スポイトなど仲介物を介さなければ充満できなかった調味液を、現在では市販の主流となっているペットボトル入り醤油製品の口から、この注入口に直接注ぎ込むことを狙いとするものであり、したがって、この操作を可能とする上で、特別の訓練を要せずして大多数の人が実施可能とするに必要最小限の口径のもの、例えば、実施例にも有るとおり、その内径が10mm程度で、その外側周面には雄ネジ部を形成したものとなし、上記した滴下口の場合にも当て嵌まるように、雌ネジ部付きキャップが水密状に被冠できるように、誘導室からの突出高は、少なくとも10mmを下ることがないようにして十分な螺合構造の実現可能なものとするのが望ましいと言える。とはいえ、希望する全体の外観形状その他の要因から、十分な突出高の確保が難しいようなときには、それら水密性を確保し得る有効な公知技術、例えば改良されたパッキング材や中栓併用のキャップに代替するなどとすることは十分可能である。
貯留室は、当該携行用調味液入れ容器として、専らその調味液溜まりとして機能する部位であり、所望の容量に応じて決定される容積した内部空間を確保するよう形成されなければならず、特にこの部分の外形は、この携行用調味液入れ容器として想定する外観形状に占める割合からして、外観の主要部を構成する部位であることを考慮して形成されなければならないことは言うまでもない上、最も重要な要因は、前記した誘導室一側面から突出状に形成する、キャップを被冠した注入口の突出高に等しいか、それをやや越える寸法のものとなるようにすべきであって、決して該突出高に達することのない外形のものに形成しないようにしなければならない。
なお、これら各部位で構成することなるこの考案の携行用調味液入れ容器は、繰り返し使用する上での耐久性や取り扱い上の安定性、愛着性などの観点からは、やや厚手で重厚感のあるガラス製のものとして形成するのが最も望ましいと言えるが、勿論、素材が限定されるものではなく、陶磁器製やステンレスやアルマイトなどといった金属製のもの、あるいは、それまでのタレビンの場合同様にプラスチック製のもの、将又それら素材を適宜の組合せで形成するようにしても何等差し支えはなく、需要に応じて最適なものが宣されるべきである。
以下では、この考案の技術的思想を最も良く具現化した代表的な実施例を取り上げ、その構成を具体的に説示していくこととする。
図面は、この考案の携行用調味液入れ容器の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
携行用調味液入れ容器を示す横倒し状態で示す正面図である。 同縦断面図である。 同左側面図である。 同右側面図である。 同平面図である。 同底面図である。 上記図2に付随して示す滴下口3用のキャップ5の正面図と底面図である。 上記図2に付随して示す注入口4用のキャップ6の正面図と底面図である。
図1の横倒し状態で示す正面図、図2の同縦断面図、図3の左側面図、図4の右側面図、図5の平面図、図6の底面図、および、図7の、上記図2に付随して示す滴下口3用のキャップ5の正面図と底面図、図8の、上記図2に付随して示す注入口4用のキャップ6の正面図と底面図に示す事例は、誘導室1を扁平細長の角筒状となし、貯留室2は、それを上下に二段に重ねた正方形断面に相当の角筒状としたものであって、滴下口3は、当該誘導室1の軸心Cに同心真円形としたもので、それに対し、注入口4は、同誘導室1の軸心Cに直交状のものとした総ガラス製のものとして形成すると共に、これら滴下口3、注入口3に螺合、水密状とする各々のキャップ5、6をプラスチック製のものとした、この考案の携行用調味液入れ容器における代表的な一実施例を示すものである。
それら図1ないし図3の各図からも明確に把握できるとおり、滴下口3および注入口4に被冠するプラスチック製のキャップを除き、全体的に2ないし3mm厚程度といった比較的厚手のガラス製のものとして形成する、この考案の携行用調味液入れ容器Bは、滴下口3にキャップ5を被冠して中の調味液がこぼれ出さない状態で、該キャップ5天面から貯留室2底部外側までの長さ寸法を115mmとし、図5の平面図に表れる誘導室1および貯留室2共通の巾、即ちこの携行用調味液入れ容器B自体の巾寸法を、図1の平面図に表れる貯留室2の高さ寸法、即ちこの携行用調味液入れ容器B自体の高さ寸法と同じ35mmとしたものであり、したがって、貯留室2は、外形35mm角の角筒体で、誘導室1との境界までを60mm程度とすると、その内部中空部の容積は、大凡40cc[3.5cm×3.5cm×6cm−(3.5cm×6cm×4×0.3cm+3.5cm×3.5cm×0.3cm×2)=41cm3]となり、誘導室1が、形状的にその1/2程度のものとなることから、全体として大凡60cc程度の調味液を携行可能とする携行用調味液入れ容器Bを実現するものである。
この携行用調味液入れ容器Bの誘導室1軸心の一方の端部側には、その軸心と同じくして外方に約10mm程度突出状にして、内径4mm程度(外径10mm程度)の滴下口3を形成し、その外側周面には雄ネジ部31を螺設するようにしてあり、該滴下口3から内部の調味液(図示せず)を対象となるおかずに注ぐことになり、おかずに滴下操作をするとき以外には、不用意なこぼれ出しを防止するよう、図7に示す滴下口3専用で肉厚プラスチック製とした雌ネジ部51付きのキャップ5を確実に螺合、被冠するものとする。
しかし、使用の途中に、このキャップ5の被冠を懈怠してしまって、何かの拍子に倒したり転がしてしまったとしても、当該滴下口3の内径を4mm程度のものとに規制して形成してあることから、その漏れ出し量を最小限に止め置くことが可能となる。
一方、携行用調味液入れ容器Bの誘導室1の長さ方向中間位置からは、その軸心に直交する方向で外方に向け、上記した滴下口3と同じくして約10mm程度、内径10mm程度(外径16mm程度)の注入口4を突出状に形成したものとし、その外側周面には、同様に雄ネジ部41を螺設してあり、該注入口4を使って、一般的な市販のペットボトル入り調味液(図示せず)を、同ペットボトルの口(内径20mm程度)から、そのまま携行用調味液入れ容器Bの内部に直接、つまり、従前までのもののようにスポイトなどといった注入器具を一切介することなく、所望する調味液の必要量を簡単、的確に注入または補充することが可能なものとなり、注入操作をするとき以外には、これまた不用意なこぼれ出しを確実に防止するよう、図8に示してある注入口4専用で肉厚プラスチック製とした雌ネジ部61付きのキャップ6をしっかりと螺合、被冠するようにするものである。
なお、滴下口3専用および注入口4専用とするこれらキャップ5、6は、携行過程は勿論のこと、静置状態に有ったときにおいても、温度変化による内圧や衝撃などによる破損などに起因した滲み出しを確実に阻止し得る高度な閉開栓機能をもたらすことが期待できるものでなければならず、肉厚としたプラスチック製のもので、確実、簡便な閉開操作ができるよう、八角形外観のものを採用してある。
(実施例の作用効果)
以上のように構成したこの考案を代表する携行用調味液入れ容器Bによれば、既述してあるとおりのこの考案の効果として記載する特徴を普く発揮するものになるのは言うまでもなく、特に肉厚の3mm程度としたガラス製のものとしたことから、所謂タレビンのように手作り弁当と共に携行、使用する際には、少々の衝撃などで破損の虞れを心配する必要は無く、長年に亘っての使用が可能になり、また、肉厚で八角形としたキャップ5、6を採用したため、使用に際しての漏れ出しを確実に阻止して安全な使用が保証され、更に、調味液の注ぎ使用をし終えて持ち帰り、再度使用するといった繰り返し使用についても、注入口4から内部の洗浄が容易、安全になると共に、同じ容器でも、ガラス製であるために洗浄に依って匂い、汚れなどの残留が極めて少なくなって種類の違う調味液に対しても共用できるようになることなどもあって、従前までのもののような煩わしさが一切払拭されてしまい、これまでタレビン使い捨て派に廻っていた人々を再利用派に呼び戻す効果をもたらし、それが惹いては資源の無駄を無くすことに繋がるものと期待される。
(結 び)
叙述の如く、この考案の携行用調味液入れ容器は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造についても従来から周知の手段で容易且つ大量生産可能なものであることから、従前からのタレビンの多くが使い捨てするしかない、利用者に取って使い勝手の悪かったものに比較し、確かに単価においては引けを取るにしても、繰り返し且つ安全、便利なものとして長期間に渡っての使用を可能にする結果、最終的にはそれら従前までのものよりも遥かに経済効果が期待され、一般消費者は勿論のこと、これまでのタレビンの類いを提供しを続けて器材業界をはじめとする製造、販売業界からも高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 誘導室
2 注入室
3 滴下口
31 同 雄ネジ部
4 注入口
41 同 雄ネジ部
5 滴下口用のキャップ
51 同 雌ネジ部
6 注入口用のキャップ
61 同 雌ネジ部
B 携行用調味液入れ容器

Claims (6)

  1. 雄ネジ部を設けた小径の滴下口の基端がわに細長の誘導室を形成し、該誘導室の軸心に平行するがわの何れか一方の外側からは、その軸心に交叉する方向に向け、調味液注入に支障のない径の筒状で、雄ネジ部を設けた注入口を形成した上、これら滴下口および注入口には、個別の雌ネジ付きのキャップを脱着自在に組み合わせる一方、当該誘導室の滴下口形成がわとは反対がわに連続させた貯留室を、前記注入口に螺合したキャップ頂面の属する面と略同一面か、その面を下回ることのない面とした外側面であり、その対抗外側面は、注入口形成がわに対抗する誘導室の外側面と面一状となるよう規制、形成してなるものとしたことを特徴とする携行用調味液入れ容器。
  2. 比較的長めとした小径の筒状で、外周には雄ネジ部を設けて滴下口とし、その基端がわには、該滴下口軸心に同一または平行する方向に細長で一体的とした誘導室を形成すると共に、該誘導室の軸心に平行するがわの何れか一方の外側からは、その軸心に交叉する方向に向け、調味液注入に支障のない径とし、比較的長めとした筒状で、外周には雄ネジ部を設けてある注入口を突出形成した上、これら滴下口および注入口には、夫々に設けた雄ネジ部に水密状に螺合可能な個別の雌ネジ付きのキャップを脱着自在に組み合わせる一方、当該誘導室の滴下口形成がわとは反対がわで、その軸心に平行する方向に連続させ、所望調味液量に応じた内容積とした貯留室を、前記注入口に水密状に螺合したキャップ頂面の属する面と略同一面か、その面を下回ることのない面とした外側面であり、その対抗外側面は、注入口形成がわに対抗する誘導室の外側面と面一状となるよう規制、形成してなるものとしたことを特徴とする携行用調味液入れ容器。
  3. 内径4mm程度と小径に対し、長さ10mm程度と比較的長めとした筒状で、外周には雄ネジ部を設けて滴下口とし、その基端がわには、該滴下口軸心に同一または平行する方向に細長で一体的とした誘導室を形成すると共に、該誘導室の軸心に平行するがわの何れか一方の外側からは、その軸心に交叉する方向に向け、内径10mm程度と調味液注入に支障のない径とし、長さ10mm程度と比較的長めとした筒状で、外周には雄ネジ部を設けてある注入口を突出形成した上、これら滴下口および注入口には、夫々に設けた雄ネジ部に水密状に螺合可能な雌ネジ付きのキャップを脱着自在に組み合わせる一方、当該誘導室の滴下口形成がわとは反対がわで、その軸心に平行する方向に連続させ、所望調味液量に応じた内容積とした貯留室を、前記注入口に水密状に螺合したキャップ頂面の属する面と略同一面か、その面を下回ることの面とした外側面であり、その対抗外側面は、注入口形成がわに対抗する誘導室の外側面と面一状となるよう規制、形成してなるものとしたことを特徴とする携行用調味液入れ容器。
  4. 各キャップを除き、滴下口、注入口、誘導室、および貯留室ともに、肉厚のガラス製のものとして一体形成してなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の携行用調味液入れ容器。
  5. 各キャップは、肉厚のプラスチック製のものとして形成してなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載の携行用調味液入れ容器。
  6. 各キャップ、およびその他各部の肉厚を、共に3mm厚として形成してなるものとした、請求項1ないし5何れか一項記載の携行用調味液入れ容器。
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