JP3178028U - ラケットのグリップエンドのキャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】使い勝手と装飾性に優れたテニスやバトミントンラケットのグリップエンドのキャップを提供する。
【解決手段】ラケットのグリップエンドに嵌着される筒状で有底のキャップ1において、キャップ1は、硬度65〜80の柔軟性を有する素材で形成されるとともに、該キャップ1の外側底面には表示部1a−1を該キャップ1と一体に形成して備えた。前記表示部にはラケットメーカーのロゴやクラブチームのロゴなどのデザインを多色でカラフルに表示して装飾性を高めることができる。
【選択図】図2

Description

本考案は、テニスやバトミントンなどのラケットのグリップエンドに取り付けられるキャップに関するものである。
昨今、テニスやバトミントンなどのラケットのフレームは、繊維強化樹脂製パイプで中空に形成されたラケットが主流である。これらラケットのグリップエンドには、ナイロンなどの硬質樹脂材で射出成形によって一体成形されたキャップが嵌着されており、脱落防止のためタッカーによってステープル(ピン)を打ち込んで固定されている。例えば特開2001−346912号公報(特許文献1)のラケットの発明が解決しようとする課題(段落番号0007)、図5(B)の符号15及び発明の実施の形態(段落番号0030)にこのような技術が記載されている。
また、フレームを繊維強化樹脂製パイプで中空に形成されたラケットでは、ラケットの製造過程やガット孔の穿設時に生じたバリ屑などの異物をキャップを嵌着する前にグリップエンドの開口から排出しているが、打球時の衝撃などにより新たにバリ屑などの異物が生じ、この異物がプレー中にラケットの中空となったフレーム内を動き回ったり、キャップに当たったりして異音が発生しプレーに集中できないなどの問題があった。そこで、特開平5−269223号(特許文献2)のラケットフレームのグリップ構造及びその製法では、キャップのグリップ部後端開口に当たる位置に、別体の蓋を取り外し自在に取り付けて、蓋を取り外して異音の原因となる異物を中空部から取り出せるようにした技術が提案されている。
さらに、これらキャップの底面には、ラケットメーカーのブランドロゴなどのデザインを一体的に成形し、ロゴの部分に金、銀色などのフィルムを熱融着してロゴを目立たせたり、デザインを施した樹脂製プレートを貼付したりして表示する方法が用いられている。例えば、特開平10−165544号公報(特許文献3)のラケット用エンドキャップの従来技術(段落番号0002)にこのような技術が記載されている。
特開2001−346912号 公報 特開平5−269223号 公報 特開平10−165544号 公報
ところで、前記した特許文献1に開示されたラケットのキャップは、当該公報の課題を解決するための手段の段落番号0021に、具体的な高分子材料として6ナイロンや12ナイロン、或いはポリスチレンブロックとビニル−ポリイソプレンブロックとを有するトリブロック共重合体単体(例えばクラレ社製のハイブラー)、或いはこれにポリプロピレンや無機充填材を配合した混合物などを挙げるとともに、段落番号0022でキャップの材料は、或る程度の軟らかさはあった方が好ましいが或る程度の硬さ(剛性)は必要であることが記載されている。このようにキャップは硬質材で形成されているため、グリップしたときにキャップ部分の手の触感は硬くプレーヤーの手を痛めたり、衝撃を与えて肘を痛めたり、誤ってラケットを床に落下させたときに床に傷が付いたりといった課題があった。
特許文献2に開示されたラケットフレームのグリップ構造及びその製法は、キャップのグリップ部後端開口に当たる位置に、別体の蓋を取り外し自在に取り付けたもので、蓋を取り外して異音の原因となる異物を中空部から取り出せるようにしたものであるが、この蓋部分自体が製造精度などによってスウィング時に異音の発生原因となることも指摘されている。
特許文献3に開示された従来技術では、キャップの底面には、ラケットメーカーのブランドロゴなどのデザインを一体的に成形し、ロゴの部分に金、銀色などのフィルムを熱融着してロゴを目立たせたり、デザインを施した樹脂製プレートを貼付したりして表示しているが、キャップの底面にロゴを一体的に成形しロゴ部分に金などのフィルムを熱融着した場合では、キャップ本体とフィルムとの密着力が十分でないため、比較的短期間でフィルムが剥離してロゴが目立たなくなってしまう。また、キャップ底面に樹脂製プレートを貼付した場合では、プレートの粘着力が弱いと容易に剥離してしまったり、使用中に表面が傷つきデザインが見えなくなってしまったりという問題および部品点数が増えることによるコストへの影響があった。
そこで、本考案は上記した課題を考慮し、使い勝手と装飾性に優れたラケットのグリップエンドのキャップを提供することを目的とするものである。
かかる課題を解決するために、本考案の請求項1によれば、ラケットのグリップエンドに嵌着される筒状で有底のキャップにおいて、キャップは、硬度65〜80の柔軟性を有する素材で形成されるとともに、該キャップの外側底面には表示部を該キャップと一体に形成して備えたことで解決される。
また、本考案の請求項2によれば、該キャップの内側底面に薄板状のプレートを嵌装したことで解決される。
さらに、本考案の請求項3によれば、該キャップの素材は、熱硬化性エラストマー、または熱硬化性エラストマーの何れかであることで解決される。
本考案の請求項1によれば、本考案の請求項1によれば、ラケットのグリップエンドに嵌着される筒状で有底のキャップにおいて、キャップは、硬度65〜80の柔軟性を有する素材で形成されるとともに、該キャップの外側底面には表示部を該キャップと一体に形成して備えたので、柔軟性を有するとはいえ適当な硬度も持ち合わせて従来のラケットの製造方法と同様にタッカーによってステープルを打ち込んでキャップを固定することができる。また、その柔軟性によってグリップした際の手のあたりが柔らかく、手を痛めたり衝撃で肘を痛めたりといったことを解消することができ、誤ってラケットをグリップエンドから床面に落下させてしまっても床面への傷付きを防止するとともに、ラケット自体の損傷を防止することができる。さらに、フレーム内部の異物が移動することで発生する異音もキャップが柔軟性を有しているので異音の発生を低減することができる。さらにまた、キャップの外側底面に表示部を一体に形成して備えたので、熱融着したフィルムのように剥がれたり、樹脂製プレートにように表面が傷ついたり外れたりして見苦しくなることがなく、キャップの外側底面にラケットメーカーのロゴなどのデザインを多色でカラフルに表示して装飾性の向上を実現した。
本考案の請求項2によれば、該キャップの内側底面に薄板状のプレートを嵌装して備えたので、グリップエンドの開口が閉鎖されキャップの中央の凹みを防止しキャップ自体の強度を得ることができる。また、プレートの重量によって、ラケットの重量バランスを調整することができる。
本考案の請求項3によれば、該キャップの素材は、熱硬化性エラストマー、または熱硬化性エラストマーの何れかであるので、柔軟性及びゴム弾性によって前記した効果を確実に得ることが可能となった。
キャップの装着状態を示すラケットの全体図である。 キャップの底面図(外側底面)である。 キャップの正面図である。 図2における第1実施例のA−A線断面図である。 図2における第2実施例のA−A線断面図である。
以下、本考案のラケットのグリップエンドのキャップの第1の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、キャップ(1)の装着状態を示すラケットの全体図、図2は、キャップ(1)の底面図、図3は、キャップ(1)の正面図、図4は、図2における第1実施例のA−A線断面図である。
図1に示されるように、キャップ(1)は、ラケット(2)のグリップエンド(2a)に嵌着され、図3及び図4に示されるように脱落防止のためタッカーによってステープルを打ち込んでグリップエンド(2a)に固定される。
キャップ(1)は、硬度65〜80(ショアA)の柔軟性及びゴム弾性を有するエラストマー素材で外側底面(1a)に表示部(1a−1)をキャップ(1)と一体に備えて構成される。例えば熱硬化性エラストマーであるシリコン樹脂でキャップ(1)を成型する場合は、図2に示されるように(1)は、溶融したシリコン樹脂をオープン金型に流し込み(注型成形)加熱して熱硬化させることで形成される。他方、熱可塑性エラストマーであるPVC樹脂であれは、射出成形によって形成される。
キャップ(1)は、前述のように硬度65〜80(ショアA)のエラストマー素材によって柔軟性及びゴム弾性を有して形成するとともに、外側底面(1a)に表示部(1a−1)を一体に形成して備えて構成したことによって以下に説明するような特徴を備えている。
第1には、柔軟性及びゴム弾性を有するとはいえ適当な硬度も持ち合わせていることにある。すなわち、繊維強化樹脂製パイプで中空に形成されたラケットのグリップエンドに嵌着されるキャップを従来の製造方法と同様にタッカーによってステープルを打ち込んで固定することができる硬度を持ち合わせているのである。出願人の試験によれば硬度60の場合は、タッカーによって打ち込まれたステープルはキャップ(1)の厚みを突き破り、グリップエンド(2a)のフレーム部分に達してしまうためキャップ(1)を固定することができなかったが、硬度65からステープルがキャップ(1)の厚みを突き破ることなく固定できることを確認した。
第2には、その柔軟性及びゴム弾性を有することにある。従来のナイロンなどの硬質樹脂材からなるキャップと比較してグリップした際の手のあたりが柔らかく、手を痛めたり衝撃で肘を痛めたりといったことを解消することができる。また、誤ってラケットを床面に落下させた場合のうち、グリップエンド(2a)から床面に落下した場合は、床面への傷付きを防止するとともに、ラケット自体の損傷を防止することができる。また、ラケットの使用過程で打球時の衝撃などにより生じたフレーム(2c)内部の異物が移動することで発生する異音も、キャップ(1)が柔軟性を有しているので、異物がキャップ(1)の内側底面(1c)に当たったとき異音の発生を低減することができる。
第3には、キャップ(1)の外側底面(1a)に表示部(1a−1)を一体に形成して備えたことにある。図2に示されるように複数の表示部(1a−1)は、それぞれを異なる色とすることができる。例えば、ラケットメーカーのロゴやクラブチームのロゴなどのデザインを多色でカラフルに表示して装飾性を高めることができるのである。例えば、例えば熱硬化性エラストマーであるシリコン樹脂の場合は、キャップ(1)のオープン金型の外側底面(1a)に相応する部分に彫り込まれた複数の表示部(1a−1)にそれぞれ異なる着色をしたシリコン樹脂を注入し一度熱硬化させた後に、キャップ(1)本体のシリコン樹脂を流し込むことで容易に多色の表示部(1a−1)をキャップ(1)本体と一体にして形成することが可能となる。また、熱可塑性エラストマーであるPVC樹脂の場合は、射出成形によって2色成形によって容易に多色の表示部(1a−1)をキャップ(1)本体と一体にして形成することが可能となる。このように、表示部(1a−1)は、キャップ(1)本体と一体に成形されているので、熱融着したフィルムのように剥がれたり、樹脂製プレートにように表面が傷ついたり外れたりして見苦しくなることがなく、キャップ(1)の外側底面(1a)にラケットメーカーのロゴやクラブのロゴなどのデザインを多色でカラフルに表示して装飾性の向上を実現した。前記した熱硬化性エラストマーのシリコン樹脂の成型方法によれば、溶融したシリコン樹脂をオープン金型に流し込み(注型成形)加熱して熱硬化させることで形成されるので、射出成形のように大がかりでなく多色かつ小ロットで生産することが容易であるので少人数でクラブチームのロゴなどを表示することが可能である。
なお、熱硬化性エラストマーは、一般的にゴムと呼ばれるウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂などがあげられ、熱可塑性エラストマーは、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、塩ビ系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、EVA樹脂などがあげられ、何れも柔軟性及びゴム弾性を有するとともに硬度65〜80(ショアA)で形成することが可能であるのでキャップ(1)の素材として好適である。
以下、本考案のラケットのグリップエンドのキャップの第2の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。図5は、図2における第2実施例のA−A線断面図である。第2実施例においては、キャップ(1)の内側底面(1c)に薄板状のプレート(1d)を備えたことにある。なお、第1の実施例で述べた特徴と重複することについては省略して説明をする。
キャップ(1)の内側底面(1c)に備えられたプレート(1d)は、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)などの薄板からなり、キャップ(1)の内側底面(1c)とともにグリップエンド(2a)の開口を閉鎖するとともに、ラケット(2)の重量バランスを調整するという特徴を備えている。
第1には、キャップ(1)の内側底面(1c)にプレート(1d)を備えたことによって、グリップエンド(2a)の開口が閉鎖されキャップ(1)の中央の凹みを防止してキャップ(1)自体の強度を得ることができる。
第2には、プレート(1d)の重量によって、ラケット(2)の重量バランスを調整することができる。プレート(1d)は、少ない面積かつPEやPPの薄板で極めて軽量とはいえ確実に重量バランスの調整に寄与する。特に軽量なバトミントンのラケットにおいては顕著な効果を得ることが可能である。
1 キャップ
1a 外側底面
1a−1 表示部
1b ステープル
1c 内側底面
1d プレート
2 ラケット
2a グリップエンド
2b グリップ
2c フレーム

Claims (3)

  1. ラケットのグリップエンドに嵌着される筒状で有底のキャップにおいて、キャップは、硬度65〜80の柔軟性を有する素材で形成されるとともに、該キャップの外側底面には表示部を該キャップと一体に形成して備えたことを特徴とするラケットのグリップエンドのキャップ。
  2. 該キャップの内側底面に薄板状のプレートを嵌装したことを特徴とする請求項1に記載のラケットのグリップエンドのキャップ。
  3. 該キャップの素材は、熱硬化性エラストマー、または熱硬化性エラストマーの何れかであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラケットのグリップエンドのキャップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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