JP3177836U - 飛行時間型質量分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高価な精密抵抗器を用いず、安価で高性能な飛行時間型質量分析装置を提供する。
【解決手段】リフレクトロン1の電極3に必要な電位を印加するための分圧抵抗器として、固定抵抗器6と可変抵抗器7を直列に接続したものを使用する。
【選択図】図2
【解決手段】リフレクトロン1の電極3に必要な電位を印加するための分圧抵抗器として、固定抵抗器6と可変抵抗器7を直列に接続したものを使用する。
【選択図】図2
Description
本考案は、リフレクトロンを備えた飛行時間型質量分析装置に関する。
飛行時間型質量分析装置には同一の質量電化比でありながら様々な運動エネルギーを持った荷電粒子を時間軸上で収束させ、ほぼ同じ時間で検出器に到達させるためにしばしばリフレクトロン(リフレクター)を装備している(特許文献1参照)。
リフレクトロンはイオンを有効に反射する電場を構築するための電極とそれをあらかじめ定められた電位に保つための複数の抵抗器を有している。
イオンを反射する電場として単一の一様な電界強度を有するリフレクトロンや電界強度が2段の折れ線状にしたものが一般に構築されている。
リフレクトロンで構築された電場の電界強度分布は、同一の質量電化比の粒子の収束程度、すなわち、飛行時間型質量分析装置の測定分解能に影響を及ぼす。
均一な電界強度分布を得るためには均一な分圧抵抗器が必要となり、高価な精密抵抗器や市販の抵抗器の中から均一なものを選別して使用していた。
2段の折れ線状の電場を構築するためには2種類の抵抗値の分圧抵抗器、または2種類の電極間ギャップを得るためのスペーサ、あるいは2種類の電源が必要となる。より多段の電場を構築するためには、より多種類の抵抗値の分圧抵抗器、スペーサあるいは電源が必要となる。
多段の電場を構築するためのリフレクトロンを実現するためには、高価で入手が困難な多種類の精密抵抗器や多種類のスペーサあるいは電源が必要となり、高価格で製作期間が長いという問題を有している。
本考案は上記課題を解決するもので、リフレクトロンに必要な電位を印加するための分圧抵抗器として、高価な精密抵抗器の代わりに、標準系列の固定抵抗器と可変抵抗器を直列に接続して構成したものである。
さらに、必要な印加電圧を得るための抵抗値をR、固定抵抗器の抵抗値をr、可変抵抗器の抵抗値をrv、抵抗精度を固定抵抗器についてはt、可変抵抗器についてはsとしたとき、rがR/(1+t)に等しいか、または小さい市販の標準系列の抵抗値の中から最も大きい抵抗値の固定抵抗器を採用し、rvが(R−(1−t)r)/(1−s)に等しいか、または大きい市販の可変抵抗器の中から最も小さい抵抗値の可変抵抗器を採用すれば可変抵抗器の寄与分を小さくできるので、より安定なリフレクトロンを装備した飛行時間型質量分析装置を実現できる。
本考案は以上説明した構造であるから、安価で入手しやすい市販の部品を搭載した高性能なリフレクトロンの実現により、安価で高性能な飛行時間型質量分析装置を供給できる。
以下本考案を図面に示す実施例にしたがって詳細に説明する。図1は本考案のリフレクトロンを有する飛行時間型質量分析装置の概略の構成を示す図である。イオン源11で生成されたイオンは、加速器12において所定の加速電圧により運動エネルギーが与えられ、フライトチューブと呼ばれる空間に導入され、一定距離を飛行した後、リフレクトロン1に進入する。リフレクトロン1の内部には傾斜電界が形成されており、この傾斜電界によりイオンは、入射方向から僅かに傾いた方向に反射されイオンビーム2として表すようにフライトチューブを戻ってイオン検出器13により検出される。この間の時間はイオンの質量に関係するので、飛行している時間を計測することでイオンの質量を測定することができる。
ここで、同一質量数のイオンであっても、大きい初期エネルギーを持つイオンはリフレクトロン1の奥まで進入するため、リフレクトロン1内での飛行時間は長くなる。一方、同一質量数でも小さい初期エネルギーを持つイオンはリフレクトロン1の入口近傍までしか進入しないため、リフレクトロン1内での飛行時間は短くなる。従って、リフレクトロン1における傾斜電界を適切に設定しておくことにより、これらの初期エネルギーの差異を補償して、同一質量数のイオンを同時にイオン検出器13に到達するようにできる。図2は本考案のリフレクトロンを説明するための図である。図2に示すようにリフレクトロン1の各電極3に適切な電位を印加するための分圧抵抗器として固定抵抗器6と可変抵抗器7を直列に接続してリフレクトロンに適切な傾斜電界を設定できるようにしたもので、以下に実施例を説明する。また、抵抗器の表示抵抗値と実際の抵抗値との偏差であって抵抗器メーカが許容する最大値を表示抵抗値で除した値を抵抗精度と定義する。
可変抵抗器の安定性は固定抵抗器のそれに劣るので安定な抵抗値を得るためには可変抵抗器の抵抗値をできるだけ小さくすることが望ましい。
必要な印加電圧を得るための抵抗値をR、固定抵抗器6の抵抗値をrその抵抗精度をt、可変抵抗器7の抵抗値をrvその抵抗精度をsとする。
固定抵抗器6は抵抗値rがR/(1+t)に等しいか、または小さい市販の標準系列の抵抗値の中から最も大きい抵抗値の固定抵抗器を採用する。
可変抵抗器7は抵抗値rvが(R−(1−t)r)/(1−s)に等しいか、または大きい市販の可変抵抗器の中から最も小さい抵抗値の可変抵抗器を採用する。
上記のように採用した標準系列の固定抵抗器6と可変抵抗器7を直列に接続したものをリフレクトロン電極電源5の電圧分圧抵抗器として必要な数だけ電極3に接続し、それぞれ必要な電界強度になるように可変抵抗器7を調節する。また、分圧抵抗器として固定抵抗器だけでなく可変抵抗器も使用するのでギャップ4を形成するスペーサ(図示しない)の誤差による電界強度の誤差も可変抵抗器7により補償できる。したがって、イオンビーム2を適切に反射するリフレクトロンを搭載した高性能な飛行時間型質量分析装置を実現できる。
本考案は、汎用技術と市販の部品の構成で実施でき、簡便に目的を達成でき、産業上利用可能なものである。
1 リフレクトロン
2 イオンビーム
3 電極
4 ギャップ
5 リフレクトロン電極電源
6 固定抵抗器
7 可変抵抗器
11 イオン源
12 加速器
13 イオン検出器
2 イオンビーム
3 電極
4 ギャップ
5 リフレクトロン電極電源
6 固定抵抗器
7 可変抵抗器
11 イオン源
12 加速器
13 イオン検出器
Claims (2)
- 各電極に必要な電位を印加するための分圧抵抗器として固定抵抗器と可変抵抗器を直列接続したリフレクトロンを搭載したことを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
- 必要な印加電圧を得るための抵抗値をR、前記固定抵抗器の抵抗値をr、前記可変抵抗器の抵抗値をrv、抵抗精度を固定抵抗器についてはt、可変抵抗器についてはsとしたとき、rがR/(1+t)に等しいか、または小さい市販の標準系列の抵抗値の中から最も大きい抵抗値の固定抵抗器を採用し、rvが(R−(1−t)r)/(1−s)に等しいか、または大きい市販の可変抵抗器の中から最も小さい抵抗値の可変抵抗器を採用した請求項1の飛行時間型質量分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012003464U JP3177836U (ja) | 2012-06-08 | 2012-06-08 | 飛行時間型質量分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012003464U JP3177836U (ja) | 2012-06-08 | 2012-06-08 | 飛行時間型質量分析装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3177836U true JP3177836U (ja) | 2012-08-16 |
Family
ID=48004626
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012003464U Expired - Fee Related JP3177836U (ja) | 2012-06-08 | 2012-06-08 | 飛行時間型質量分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3177836U (ja) |
-
2012
- 2012-06-08 JP JP2012003464U patent/JP3177836U/ja not_active Expired - Fee Related
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Legal Events
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