JP3177640B2 - ポリシランを用いた偏光発光el素子及びその製造方法 - Google Patents
ポリシランを用いた偏光発光el素子及びその製造方法Info
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10K—ORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
- H10K50/00—Organic light-emitting devices
- H10K50/80—Constructional details
- H10K50/868—Arrangements for polarized light emission
Landscapes
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
Description
【0001】
【本発明の属する技術分野】本発明は、偏光エレクトロ
ルミネッセンス素子(以下偏光EL素子と言う)に関
し、ポリシランを用いて偏光EL素子を作ることに関す
る。
ルミネッセンス素子(以下偏光EL素子と言う)に関
し、ポリシランを用いて偏光EL素子を作ることに関す
る。
【従来の技術】ポリシランは主鎖に沿ったケイ素シグマ
電子の共役に基づく光電子物性を示し、発光材料やホー
ル輸送材料としての利用が注目されている。ポリシラン
類の発光特性とホール輸送特性を生かした、ポリシラン
EL素子の作製が試みられている。多くのポリシラン類
のEL発光は、液体窒素温度においてのみ観測されてい
るが、最近ポリ[ビス(p−ブチルフェニルシラン)]
が、室温でEL発光を示すことが報告されている。(Ap
pl.Phys.Lett.71(23), 1997 p3326-p3328及びPOLYMER V
olume 36 Number 12 1995 p2477-p2480) しかしながら、素子内でポリシランの配向膜を作製し、
ポリシランの偏光発光EL素子を作製した例は報告され
ていない。
電子の共役に基づく光電子物性を示し、発光材料やホー
ル輸送材料としての利用が注目されている。ポリシラン
類の発光特性とホール輸送特性を生かした、ポリシラン
EL素子の作製が試みられている。多くのポリシラン類
のEL発光は、液体窒素温度においてのみ観測されてい
るが、最近ポリ[ビス(p−ブチルフェニルシラン)]
が、室温でEL発光を示すことが報告されている。(Ap
pl.Phys.Lett.71(23), 1997 p3326-p3328及びPOLYMER V
olume 36 Number 12 1995 p2477-p2480) しかしながら、素子内でポリシランの配向膜を作製し、
ポリシランの偏光発光EL素子を作製した例は報告され
ていない。
【0002】
【本発明が解決する課題】本発明では、ポリシラン類の
配向膜を作製し、ポリシランの偏光発光EL素子を作製
する。ポリシランの配向膜自体は既に公知であり、本発
明者等はポリシラン類の配向膜の製造方法を出願し、特
開平7−292135として公開され、特許第2535
780号として登録された。これは、メカニカルデポジ
ション法として知られるもので、ポリシラン類の粉末を
プレス成形し、この成形体を平滑な透明体表面の一方向
に押圧摩擦展延することにより、ポリシラン類の配向膜
が得られる。
配向膜を作製し、ポリシランの偏光発光EL素子を作製
する。ポリシランの配向膜自体は既に公知であり、本発
明者等はポリシラン類の配向膜の製造方法を出願し、特
開平7−292135として公開され、特許第2535
780号として登録された。これは、メカニカルデポジ
ション法として知られるもので、ポリシラン類の粉末を
プレス成形し、この成形体を平滑な透明体表面の一方向
に押圧摩擦展延することにより、ポリシラン類の配向膜
が得られる。
【0003】
【解決手段】本発明は、ポリシランを用いた偏光発光E
L素子及びその製造方法に関し、2種類のポリシランの
配向膜を組み合わせることにより、素子内に均一な配向
膜を形成し、偏光した発光特性を有するEL素子を提供
する。すなわち、図1に示すように、透明陽極板1の上
に、メカニカルデポジション法により配向させた第一の
ポリシラン膜2を設け、その上にエピタキシャル成長に
より配向させた第二のポリシラン膜3を設け、さらにそ
の上に陰極板4を設けたEL素子、およびその製造方法
に関する。また、第2図に示すように、エピタキシャル
成長により配向させた第二のポリシラン膜3と陰極板4
の間にホールブロッキング層5を設けることにより正電
荷が陰極に流れるのを防止して、より安定な特性のEL
素子とすることができる。陽極板の材料としては、透明
導電物質ならどのようなものでも良いが、正孔注入効率
が高く、効率よく光を取り出すためにインジウム−錫酸
化物(ITO)が望ましい。また、陰極板の材料として
は、空気中で安定な金属ならどのようなものでも良い
が、電子輸送層に効率よく電子を注入できる電極として
オーミックで接触抵抗が低い(仕事関数が小さい)イン
ジウム、アルミニウム、マグネシウム−銀合金等の金属
が選ばれる。とくに経済性の面からアルミニウムが望ま
しい。
L素子及びその製造方法に関し、2種類のポリシランの
配向膜を組み合わせることにより、素子内に均一な配向
膜を形成し、偏光した発光特性を有するEL素子を提供
する。すなわち、図1に示すように、透明陽極板1の上
に、メカニカルデポジション法により配向させた第一の
ポリシラン膜2を設け、その上にエピタキシャル成長に
より配向させた第二のポリシラン膜3を設け、さらにそ
の上に陰極板4を設けたEL素子、およびその製造方法
に関する。また、第2図に示すように、エピタキシャル
成長により配向させた第二のポリシラン膜3と陰極板4
の間にホールブロッキング層5を設けることにより正電
荷が陰極に流れるのを防止して、より安定な特性のEL
素子とすることができる。陽極板の材料としては、透明
導電物質ならどのようなものでも良いが、正孔注入効率
が高く、効率よく光を取り出すためにインジウム−錫酸
化物(ITO)が望ましい。また、陰極板の材料として
は、空気中で安定な金属ならどのようなものでも良い
が、電子輸送層に効率よく電子を注入できる電極として
オーミックで接触抵抗が低い(仕事関数が小さい)イン
ジウム、アルミニウム、マグネシウム−銀合金等の金属
が選ばれる。とくに経済性の面からアルミニウムが望ま
しい。
【0004】
【実施の形態】EL素子内に一方向に分子が並んだポリ
シランの配向膜を形成する手段としては、従来公知のメ
カニカルデポジション法が適している。しかし、メカニ
カルデポジション法だけでは、EL素子に必要な厚さと
膜の均一性が確保できないため、メカニカルデポジショ
ン膜の上で第二のポリシランの薄膜を形成し、第二のポ
リシラン薄膜をエピタキシャル成長により配向させるこ
とが必要である。エピタキシャル成長の手法としては、
溶液からのキャスト法や、真空蒸着法などが考えられる
が、均一な高分子の配向薄膜を形成するためには、溶液
からのスピンコート法が好ましい。
シランの配向膜を形成する手段としては、従来公知のメ
カニカルデポジション法が適している。しかし、メカニ
カルデポジション法だけでは、EL素子に必要な厚さと
膜の均一性が確保できないため、メカニカルデポジショ
ン膜の上で第二のポリシランの薄膜を形成し、第二のポ
リシラン薄膜をエピタキシャル成長により配向させるこ
とが必要である。エピタキシャル成長の手法としては、
溶液からのキャスト法や、真空蒸着法などが考えられる
が、均一な高分子の配向薄膜を形成するためには、溶液
からのスピンコート法が好ましい。
【0005】メカニカルデポジションに用いるポリシラ
ンは、高配向を生じやすいもので不溶性であることが必
要である。このようなポリシランとしては、ポリジメチ
ルシラン、ポリジエチルシラン、ポリジプロピルシラ
ン、ポリジフェニルシランなどがあげられる。このよう
なポリシランの重量平均分子量は、通常、5,000以
上好ましくは、20,000以上である。メカニカルデ
ポジション法は、ポリシランの粉末をプレス成形し、こ
の成形体を基板として、平滑な基板の一方向に押圧摩擦
展延することにより、その基板上に薄層の高配向膜を形
成する方法である。EL素子内にメカニカルデポジショ
ン膜を形成するためには、平滑な基板としてITO透明
電極を用いることが必要である。摩擦展延する基板の表
面温度は、室温またはそれ以上の温度であるが、薄膜を
形成しやすくかつ高度に配向したものを得るために、そ
のポリシランの軟化温度以上で熱分解温度以下の温度、
好ましくは200〜230゜Cの温度に加熱するのがよ
い。このような方法により得られたポリシラン配向膜
は、その厚さが一般的に10〜40nm程度であり、ま
た、そのポリシランの主鎖が押圧摩擦展延した方向に高
度に配向している。
ンは、高配向を生じやすいもので不溶性であることが必
要である。このようなポリシランとしては、ポリジメチ
ルシラン、ポリジエチルシラン、ポリジプロピルシラ
ン、ポリジフェニルシランなどがあげられる。このよう
なポリシランの重量平均分子量は、通常、5,000以
上好ましくは、20,000以上である。メカニカルデ
ポジション法は、ポリシランの粉末をプレス成形し、こ
の成形体を基板として、平滑な基板の一方向に押圧摩擦
展延することにより、その基板上に薄層の高配向膜を形
成する方法である。EL素子内にメカニカルデポジショ
ン膜を形成するためには、平滑な基板としてITO透明
電極を用いることが必要である。摩擦展延する基板の表
面温度は、室温またはそれ以上の温度であるが、薄膜を
形成しやすくかつ高度に配向したものを得るために、そ
のポリシランの軟化温度以上で熱分解温度以下の温度、
好ましくは200〜230゜Cの温度に加熱するのがよ
い。このような方法により得られたポリシラン配向膜
は、その厚さが一般的に10〜40nm程度であり、ま
た、そのポリシランの主鎖が押圧摩擦展延した方向に高
度に配向している。
【0006】一方、メカニカルデポジション膜上で、エ
ピタキシャル成長させる第二のポリシラン薄膜の素材と
しては、有機溶媒に可溶であると同時に、EL発光過程
で発生するジュール熱等による劣化に耐えられる耐熱性
を備えている素材であって、またエピタキシャル成長に
より配向しやすい剛直な分子構造を有していることが必
要である。このような素材としては、下記一般式(1)
ピタキシャル成長させる第二のポリシラン薄膜の素材と
しては、有機溶媒に可溶であると同時に、EL発光過程
で発生するジュール熱等による劣化に耐えられる耐熱性
を備えている素材であって、またエピタキシャル成長に
より配向しやすい剛直な分子構造を有していることが必
要である。このような素材としては、下記一般式(1)
【化2】 (式中、R1及びR2は、フェニル基、アルキルフェニ
ル基、アルコキシフェニル基、アルキル基から選ばれる
基であり、 R1及びR2は同じであっても良い。nは
30〜20,000の正数である )で表される繰り返
し構造をもつポリシランであって、 前記式中、R1及
びR2が、共にアルキルフェニル基またはアルコキシフ
ェニル基であるポリシラン、R1がフェニル基でR2が
アルキルフェニル基、アルコキシフェニル基であるポリ
シラン、あるいはR1がフェニル基でR2がアルキル基
であるポリシラン、あるいはR1がメチル基でR2がエ
チル基であるポリシランなど上記の要件を満たす。この
ようなポリシランの重量平均分子量は、通常、5,00
0〜2,000,000好ましくは10,000〜1,
000,000である。
ル基、アルコキシフェニル基、アルキル基から選ばれる
基であり、 R1及びR2は同じであっても良い。nは
30〜20,000の正数である )で表される繰り返
し構造をもつポリシランであって、 前記式中、R1及
びR2が、共にアルキルフェニル基またはアルコキシフ
ェニル基であるポリシラン、R1がフェニル基でR2が
アルキルフェニル基、アルコキシフェニル基であるポリ
シラン、あるいはR1がフェニル基でR2がアルキル基
であるポリシラン、あるいはR1がメチル基でR2がエ
チル基であるポリシランなど上記の要件を満たす。この
ようなポリシランの重量平均分子量は、通常、5,00
0〜2,000,000好ましくは10,000〜1,
000,000である。
【0007】ポリシランを溶媒に溶解し、スピンコート
法によってメカニカルデポジション膜上に積層し均一な
配向膜を形成する。スピンコート膜の厚さは、50〜5
00nm、好ましくは100〜300nmである。膜厚が厚
すぎると配向度が低下し、薄すぎると欠陥が生じ、電場
を印加した際に短絡してしまう。上記ポリシラン薄膜に
ホールブロッキング層(正電荷が陰極へ流れるのを防ぐ
層)を真空蒸着により積層する。ホールブロッキング層
としては、正電荷の輸送を阻止し電子伝導性があるもの
であればどんなものでもよいが、その代表的なものとし
ては下記分子式で記述されるTAZがあげられる。
法によってメカニカルデポジション膜上に積層し均一な
配向膜を形成する。スピンコート膜の厚さは、50〜5
00nm、好ましくは100〜300nmである。膜厚が厚
すぎると配向度が低下し、薄すぎると欠陥が生じ、電場
を印加した際に短絡してしまう。上記ポリシラン薄膜に
ホールブロッキング層(正電荷が陰極へ流れるのを防ぐ
層)を真空蒸着により積層する。ホールブロッキング層
としては、正電荷の輸送を阻止し電子伝導性があるもの
であればどんなものでもよいが、その代表的なものとし
ては下記分子式で記述されるTAZがあげられる。
【化3】 (式中tーBuは第3級ブチル基を表す) ホールブロッキング層の厚さは、10〜200nm程度
であり、好ましくは20〜50nmである。さらに、そ
の上にアルミニウム電極を真空蒸着により積層する。I
TO電極を+極、アルミニウム電極を−極として電場を
印加して、ITO透明電極側から発光を観測した。印加
する電圧の大きさは、20V以上50V以下であり、好
ましくは30〜40Vである。
であり、好ましくは20〜50nmである。さらに、そ
の上にアルミニウム電極を真空蒸着により積層する。I
TO電極を+極、アルミニウム電極を−極として電場を
印加して、ITO透明電極側から発光を観測した。印加
する電圧の大きさは、20V以上50V以下であり、好
ましくは30〜40Vである。
【0008】
【実施例】メカニカルデポジション用ポリシランとし
て、重量平均分子量(Mw)が5,000以上で、その
軟化点が190゜Cの不溶性のポリジエチルシランを用
いた。このポリシランをメカニカルデポジション法によ
り、ITO基板上に製膜して厚さ約20nmの高配向膜
(メカニカルデポジション膜)を作製した。次にこの高
配向膜上にスピンコート法により、重量平均分子量が4
70,000のポリ[(p−ブトキシフェニル)フェニ
ルシラン)]のテトラヒドロフラン溶液をキャストして
スピンコートし、厚さ300nmの均一な配向膜を形成
した。さらに、その上に、TAZを真空蒸着し、厚さ3
0nmのホールブロッキング層を積層した。その上に、
大きさが2×2mmのアルミニウム電極を真空蒸着によ
り積層した。
て、重量平均分子量(Mw)が5,000以上で、その
軟化点が190゜Cの不溶性のポリジエチルシランを用
いた。このポリシランをメカニカルデポジション法によ
り、ITO基板上に製膜して厚さ約20nmの高配向膜
(メカニカルデポジション膜)を作製した。次にこの高
配向膜上にスピンコート法により、重量平均分子量が4
70,000のポリ[(p−ブトキシフェニル)フェニ
ルシラン)]のテトラヒドロフラン溶液をキャストして
スピンコートし、厚さ300nmの均一な配向膜を形成
した。さらに、その上に、TAZを真空蒸着し、厚さ3
0nmのホールブロッキング層を積層した。その上に、
大きさが2×2mmのアルミニウム電極を真空蒸着によ
り積層した。
【0009】ITO電極を+極に、アルミニウム電極を
−極にして電圧を印加してELスペクトルを観測した。
発光の検出には、窒素冷却CCDカメラ付き分光器およ
びクローズドサイクル式クライオスタットを用いた。室
温295Kおよび15KにおけるELスペクトルの電圧
依存特性を図3に示す。発光は印加電圧が20V付近か
ら観測され、電圧の増加に伴い発光強度が増加した。E
Lスペクトルは、410nm付近の近紫外発光と630
nm付近にピークを持つブロードな可視発光からなり、
15Kでは、近紫外発光の強度が増加した。次に、偏光
子を用いて発光の偏光特性を調べた。偏光EL発光スペク
トルを図4に示す。可視域の発光帯については、偏光特
性が観測されなかったが、近紫外発光については、偏光
発光が観測された。すなわち、偏光子の方向がメカニカ
ルデポジションの方向と平行の時には、発光が強く、垂
直の時には発光が弱くなり、その二色比は2程度であっ
た。410nm付近の発光はポリ[(p−ブトキシフェ
ニル)フェニルシラン)]のσσ*遷移による発光であ
り、ポリ[(p−ブトキシフェニル)フェニルシラ
ン)]がメカニカルデポジション膜上でエピタキシャル
成長により配向していることによって、偏光している。
−極にして電圧を印加してELスペクトルを観測した。
発光の検出には、窒素冷却CCDカメラ付き分光器およ
びクローズドサイクル式クライオスタットを用いた。室
温295Kおよび15KにおけるELスペクトルの電圧
依存特性を図3に示す。発光は印加電圧が20V付近か
ら観測され、電圧の増加に伴い発光強度が増加した。E
Lスペクトルは、410nm付近の近紫外発光と630
nm付近にピークを持つブロードな可視発光からなり、
15Kでは、近紫外発光の強度が増加した。次に、偏光
子を用いて発光の偏光特性を調べた。偏光EL発光スペク
トルを図4に示す。可視域の発光帯については、偏光特
性が観測されなかったが、近紫外発光については、偏光
発光が観測された。すなわち、偏光子の方向がメカニカ
ルデポジションの方向と平行の時には、発光が強く、垂
直の時には発光が弱くなり、その二色比は2程度であっ
た。410nm付近の発光はポリ[(p−ブトキシフェ
ニル)フェニルシラン)]のσσ*遷移による発光であ
り、ポリ[(p−ブトキシフェニル)フェニルシラ
ン)]がメカニカルデポジション膜上でエピタキシャル
成長により配向していることによって、偏光している。
【0010】
【発明の効果】本発明によるEL発光素子は、偏光した
発光を示す光源として適用することが可能である。偏光
板を用いることなく、偏光した光を発光するため、表示
等、偏光光源を必要とする光学システムの小型化や効率
化に寄与することができる。
発光を示す光源として適用することが可能である。偏光
板を用いることなく、偏光した光を発光するため、表示
等、偏光光源を必要とする光学システムの小型化や効率
化に寄与することができる。
【0011】
【図面の簡単な説明】
【図1】 EL発光素子 の断面図
【図2】 ホールブロッキング層を持つEL発光素子
の断面図
の断面図
【図3】 EL発光素子 の電圧依存特性を示す図
【図4】 EL発光素子 の偏光特性を示す図
1・・・透明陽極板 2・・・メカニカルデポジション
法ポリシラン配向膜 3・・・エピタキシャル法ポリシラン配向膜 4・・・
陰極板 5・・・ ホールブロッキング層
法ポリシラン配向膜 3・・・エピタキシャル法ポリシラン配向膜 4・・・
陰極板 5・・・ ホールブロッキング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南 信次 茨城県つくば市東1ー1 工業技術院物 質工学工業技術研究所内 (72)発明者 八瀬 清志 茨城県つくば市東1ー1 工業技術院物 質工学工業技術研究所内 (72)発明者 田辺 義一 茨城県つくば市東1ー1 工業技術院物 質工学工業技術研究所内 (72)発明者 吉田 勝 茨城県つくば市東1ー1 工業技術院物 質工学工業技術研究所内 (72)発明者 横川 忍 千葉県野田市山崎2641番地 東京理科大 学理工学部内 (72)発明者 櫻井 英樹 千葉県野田市山崎2641番地 東京理科大 学理工学部内 審査官 今関 雅子 (56)参考文献 特開 平6−350133(JP,A) 特開 平9−202878(JP,A) 特開 平9−289337(JP,A) 特開 平9−78060(JP,A) 特開 平9−115669(JP,A) 特許2535780(JP,B2) 特表 平6−508477(JP,A) 「有機EL素子とその工業化最前線」 エヌ・ティー・エヌ発行,1998年 p. 183−184「3.偏光発光素子」 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/00
Claims (8)
- 【請求項1】 透明陽極板上に溶剤不溶性のポリシラン
を用いて、メカニカルデポジション法により配向させた
第一のポリシラン膜を設け、さらに第一のポリシラン膜
の上に、溶剤可溶性の第二のポリシランを用いて、エピ
タキシャル成長により配向させた第二のポリシラン膜を
設け、第二のポリシラン膜上に陰極板を設けたEL素
子。 - 【請求項2】 第一のポリシラン膜を構成する溶剤不溶
性のポリシランが、ポリジメチルシラン、ポリジエチル
シラン、ポリジプロピルシラン、ポリジフェニルシラン
の1種又は2種以上から選ばれる請求項1に記載された
EL素子。 - 【請求項3】 第二のポリシラン膜を構成する溶剤可溶
性のポリシランが一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、フェニル基、アルキルフェニ
ル基、アルコキシフェニル基、アルキル基から選ばれる
基であり、 R1及びR2は同じであっても良い。nは
30〜20,000の正数である )で表される繰り返
し構造をもつポリシランの1種又は2種以上から選ばれ
る請求項1又は請求項2のいずれか一つに記載されたE
L素子。 - 【請求項4】 第二のポリシラン膜の膜厚が50〜50
0nmである請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載
されたEL素子。 - 【請求項5】 第二のポリシラン膜と陰極板の間にホー
ルブロッキング層を設けた請求項1〜請求項4のいずれ
か一つに記載されたEL素子。 - 【請求項6】 ホールブロッキング層がTAZである請
求項1〜請求項5のいずれか一つに記載されたEL素
子。 - 【請求項7】 透明陽極がインジウム−錫酸化物(IT
O)であり、陰極がアルミニウムである 請求項1〜請
求項6のいずれか一つに記載されたEL素子。 - 【請求項8】 透明陽極板上に溶剤不溶性のポリシラン
を用いて、メカニカルデポジション法により配向させた
第一のポリシラン膜を設け、さらにメカニカルデポジシ
ョン膜上に、ポリシランを溶剤に溶解し、スピンコート
法によりエピタキシャル配向膜を形成させ、さらにエピ
タキシャル配向膜上に陰極板を設けるEL素子の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10454199A JP3177640B2 (ja) | 1999-04-12 | 1999-04-12 | ポリシランを用いた偏光発光el素子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10454199A JP3177640B2 (ja) | 1999-04-12 | 1999-04-12 | ポリシランを用いた偏光発光el素子及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000294374A JP2000294374A (ja) | 2000-10-20 |
JP3177640B2 true JP3177640B2 (ja) | 2001-06-18 |
Family
ID=14383362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10454199A Expired - Lifetime JP3177640B2 (ja) | 1999-04-12 | 1999-04-12 | ポリシランを用いた偏光発光el素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3177640B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006256283A (ja) * | 2005-03-18 | 2006-09-28 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 液晶性有機分子多層配向薄膜及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7854513B2 (en) * | 2006-03-03 | 2010-12-21 | Quach Cang V | One-way transparent display systems |
CN104039905B (zh) * | 2012-01-10 | 2016-08-31 | 三菱化学株式会社 | 涂料用组合物、多孔质膜、光散射膜和有机电致发光元件 |
-
1999
- 1999-04-12 JP JP10454199A patent/JP3177640B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「有機EL素子とその工業化最前線」エヌ・ティー・エヌ発行,1998年 p.183−184「3.偏光発光素子」 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006256283A (ja) * | 2005-03-18 | 2006-09-28 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 液晶性有機分子多層配向薄膜及びその製造方法 |
JP4524401B2 (ja) * | 2005-03-18 | 2010-08-18 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 液晶性有機分子多層配向薄膜及びその製造方法 |
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---|---|
JP2000294374A (ja) | 2000-10-20 |
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