JP3174641B2 - 円筒形チップ電子部品の内面塗布装置 - Google Patents

円筒形チップ電子部品の内面塗布装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円筒形チップ電子部品
の製造装置に関し、特に、円筒形部品の微小径貫通穴の
内面に塗料を塗布して内詰めするに好適な円筒形チップ
電子部品の内面塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】円筒形チップ電子部品1では、一般に、
図5に示す様に、その微小径貫通孔の円筒内面に形成し
た内部電極2を保護するため、いわゆるアンダーコート
3を塗布し、尚且つ、PCボード上に装着して半田付け
する際に半田によってその外部電極と内部電極とが接続
されて導通状態になることを防止するため、絶縁材を円
筒内面に塗布してカバーする、いわゆる内詰め4が行わ
れている。
【0003】このような内詰めを行うための従来の内面
塗布方法では、まず、パーツフィーダから整列機に円筒
形部品を投入して、部品の向きを同一方向に揃える。そ
の後、同一方向に向きを揃えた部品を、内詰め機の搬送
板の外周に形成した溝内に挿入して保持し、塗装ステー
ションへ移動させる。そして、この塗装ステーションで
は、図6に例示する様に、搬送板5上に保持された部品
1、1…の端面の一方に対向し、その中心軸と同軸上に
配置されたドリル6がセットされており、まず、このド
リル6の先端に塗布すべき絶縁塗料4をディスペンサー
7等を用いて一定量だけ滴下して付着させ、その後、ド
リル6の先端を部品1の端面まで移動させて円筒形チッ
プ電子部品の内詰め塗布作業を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来技術の内面塗布装置においては、内詰めされる円筒
形チップ電子部品への絶縁塗料の塗布は、ドリルの先端
で1個づつ個別に処理されるため、その処理能力は低
く、その生産量を大幅に増大することは不可能であっ
た。
【0005】また、円筒形チップ電子部品は、本来、そ
の片端面にだけ絶縁塗料を塗布し、その後、その端面に
端子用の電極を形成するためのメッキ処理を行う。しか
しながら、前記従来技術の内面塗布装置によって円筒形
部品の片端面に内詰め作業を行った場合には、絶縁塗料
塗布による内詰め作業後のチップ部品は個々別々に、バ
ラバラにされてメッキ処理が行われるが、その際、メッ
キされた電極はこれら円筒形部品の内詰めされた端面に
のみ確実に施されるとは限らず、そのため、絶縁塗料塗
布による内詰めは、円筒形部品の両側に施されており、
これでは塗料が2倍必要となるという問題点もあった。
【0006】そこで、本発明は、上述の従来技術におけ
る問題点に鑑み、多数の円筒形チップ電子部品に絶縁塗
料による内詰め処理を同時に行うことが出来、円筒形チ
ップ電子部品の内面塗布作業の生産性を大幅に向上する
ことの可能な円筒形チップ電子部品の内面塗布装置を提
供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、前記の目的を
達成するため、本発明では、弾性板の表面に部品保持用
の貫通孔を複数形成した部品保持プレートと、パーツフ
ィーダから搬送されて来る円筒形チップ電子部品を所定
の方向に規正しながら整列させるストッカーと、前記ス
トッカーにより整列された円筒形チップ電子部品を前記
保持プレートの部品保持用貫通孔内へ挿入保持する部品
押圧手段と、前記部品保持プレートの部品保持用貫通孔
内に保持された円筒形チップ電子部品の端面に対応した
位置に複数の塗布ピンを植え込んだピンヘッドと、塗料
を満たした塗料槽と、前記ピンヘッドを前記塗料槽と保
持プレートとの間で移動し、前記塗布ピンの先端を前記
塗料槽内の塗料と前記保持プレートの部品保持用貫通孔
内に保持された円筒形チップ電子部品の端面との間で移
動させる移動機構を備えることを特徴とする円筒形チッ
プ電子部品の内面塗布装置を提案する。
【0008】
【作用】前記の本発明により前記に提案された円筒形チ
ップ電子部品の内面塗布装置によれば、複数の円筒形チ
ップ電子部品を部品保持プレートの部品保持用貫通穴内
に保持した状態で、ピンヘッドに植え込んだ複数の塗布
ピンの先端に付着させた絶縁塗料を、円筒形チップ電子
部品貫通穴の端面に、確実に塗布することが可能であ
る。このため、同時に多数の円筒形チップ電子部品の端
面の内詰め作業を行うことができ、その生産能力を著し
く向上することが可能になる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら詳細に説明する。図2には、本発明の円筒形チ
ップ電子部品の内面塗布装置、特に、保持プレート10
と、それに円筒形チップ電子部品(ワーク)を供給する
ためのストッカー20が示されている。また、このスト
ッカー20に隣接して、いわゆる、パーツフィーダ30
が設けられており、このパーツフィーダ30内の皿に収
納されたワークは、振動により、その供給パイプ31か
ら順次、連続的に供給されるようになっている。
【0010】一方、前記パーツフィーダ30から順次供
給されるワークは、続いて、ストッカー20に一列に形
成した複数の収納孔21、21…の内部に、順次、供給
される。すなわち、前記供給パイプ31の先端には、モ
ータ22により回転駆動される回転軸23上に摺動可能
に搭載された口金24が取り付けられている。そのた
め、前記モータ22の回転に伴い、前記口金24は回転
軸23上を平行方向(図中に矢印で示す)に移動しなが
ら、前記供給パイプ31の先端をストッカー20の収納
穴21、21…の上方を移動しながら、ワークを次々に
充填して行く。
【0011】そして、前記ストッカー20の下部には、
例えば硬質ゴム等の弾性材からなる板状部材11をその
外部から金属製の枠体12で取り囲み、その弾性板状部
材11の表面上には複数の部品保持用の貫通穴13、1
3…を形成した、いわゆる、部品の保持プレート10が
配置される。なお、この保持プレート10の弾性板状部
材11表面上に形成された部品保持用貫通穴13は、少
なくともその一部の断面は内部に保持するワーク、すな
わち円筒形チップ電子部品の断面よりも小さくなってお
り、その弾性力によってワークを内部に保持する。この
部品保持用貫通穴の断面は、本実施例では、例えばひし
形に形成されており、その上方開口部からワークを下方
に押圧することにより貫通穴13の内部に挿入して保持
することが出来るようになっている。
【0012】すなわち、図3に示すように、前記ストッ
カー20に供給された円筒形ワークaは、その下面から
前記保持プレート10の部品保持用貫通穴13、13…
内に各列毎に充填される。図において、符号50は、前
記保持プレート10上に供給された複数のワークを下方
に押し下げ、ワークをその部品保持用貫通穴13、13
…内に挿入するためのプッシャーである。このプッシャ
ー50のプレート51の下面には、前記部品保持用貫通
穴13、13…に対応した位置に取り付けられた、ワー
クaの外径と略等しい径のプッシュロッド52、52…
が複数突出している。すなわち、このプッシャー50
は、図に矢印で示すように、前記ストッカー20の下面
からワークが前記保持プレート10の部品保持用貫通穴
13、13…の上端に供給された後、水平方向(図中に
矢印で示す)に移動し、そのプッシュロッド52、52
…を供給されたワークa、a…の上方に位置させる。そ
の後、プッシャー50は、下方(図中に矢印で示す)に
移動しながら、そのプッシュロッド52、52…をワー
クa、a…の上端面に押し当てながら下降し、もって、
ワークaを部品保持用貫通穴13の内部に挿入して保持
する。
【0013】前記のストッカー20とプッシャー50等
により、以上に説明した動作を複数回繰り返して、保持
プレート10の全ての部品保持用貫通穴13、13…内
にワークを挿入して保持した後、この保持プレート10
は、図1に示すように、絶縁塗料塗布装置へ移動され
る。この絶縁塗料塗布装置には、保持プレート10を配
置する塗布ステーション60と、これに隣接して配置さ
れ、その内部に塗布すべき絶縁塗料を満たした塗料槽7
0とが設けられている。さらに、この塗布ステーション
及び塗料槽70の両方に渡って、移動用ガイド80、8
0が配置され、このガイドの上には、シリンダー81に
より平行方向(図中に矢印で示す)に移動可能なスライ
ダー82が設けられている。このスライダー82には、
外形略「T」字形のピンヘッド83が上下方向(図中に
矢印で示す)に移動可能に取り付けられており、このピ
ンヘッド83の下面には、前記保持プレート10の部品
保持用貫通穴13、13…内に挿入保持されたワークの
配列ピッチと同じピッチで配列された塗布ピン84、8
4…が複数植え込まれている(図4を参照)。
【0014】すなわち、前記の絶縁塗料塗布装置におい
ては、全ての部品保持用貫通穴13、13…内にワーク
を挿入して保持した保持プレート10は、塗布ステーシ
ョン60上に配置される。そこで、シリンダー81の働
きによりスライダー82が塗料槽70の上方へ移動し、
ピンヘッド83を下方へ移動する。この塗料槽70内に
は、絶縁塗料が充填されており、この塗料の表面は、常
に、全面が所定の高さで平行でフラットになるように管
理されている。そのため、前記ピンヘッド83を塗料槽
70の上方に移動し、所定の位置まで降下させることに
より、その下面に植え込んだ塗布ピン84、84…の先
端部が一定の長さだけ塗料の中に入り、必要な一定量の
塗料pを付着させる。
【0015】その後、塗料を付着したピンヘッド83を
上昇させ、図4に示すように、予めセットされた塗装ス
テーション60上の前記保持プレート10の位置まで移
動し、再び、ピンヘッド83を下降させてワークの端面
に塗料を塗布する。すなわち、前記塗布ピン84、84
…の先端部を、前記保持プレート10の部品保持用貫通
穴13、13…内に挿入されて保持されたワークa、a
…の上端面に接触し、又は、押し付けて、その先端部に
付着した一定量の絶縁塗料pを塗布しながら、ワークで
ある円筒形チップ電子部品の貫通孔内周面への内詰め作
業を行う。
【0016】前記のように、本発明の円筒形チップ電子
部品の内面塗布装置によれば、従来の1個ずつ個々別々
の作業に比較し、多数の部品を同時に内詰め作業して絶
縁塗布することが出来るため、その生産能力を大幅にア
ップすることが可能になる。
【0017】また、絶縁塗料が内詰め塗布されるワーク
aは前記保持プレート10の部品保持用貫通穴13、1
3…内に所定の方向に保持されていることから、これを
そのままの状態で、その片端面に電極形成のための電極
材の塗布作業、あるいは、メッキ処理を行うことによ
り、確実に、電極を形成した必要な片側端にだけ内詰め
塗布を行うことが可能となり、内詰め処理の効率の向上
と同時に、次工程の端子電極塗布作業の簡素化を図るこ
とが可能になる。このことからも、従来のような円筒形
ワークの両端に内詰めを施するものに比較して、略半分
の絶縁塗料だけで内詰め作業が済む。
【0018】さらに、前記円筒形チップ電子部品の内面
塗布装置に使用される各構成要素は比較的簡単な機構で
構成することが可能であるため、その設備価格も安価で
済み、しかも、前記の実施例では、その1回のサイクル
を2〜30秒程度と比較的遅く設定することにより、機
械の摩耗も少なく、長時間に渡って高精度を維持するこ
とが出来る。
【0019】
【発明の効果】以上の説明からも明かな様に、本発明の
円筒形チップ電子部品の内面塗布装置によれば、保持プ
レート及びピンヘッドを使用することにより、同時に多
数の円筒形チップ電子部品に絶縁塗料を内詰め塗布する
ことが出来、生産能力を著しく向上させることが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である円筒形チップ電子部品
の内面塗布装置の構造を示す斜視図である。
【図2】前記円筒形チップ電子部品の内面塗布装置のス
トッカー部の構造を示す斜視図である。
【図3】前記ストッカー部の動作を説明するための一部
拡大斜視図である。
【図4】前記内面塗布装置の動作を説明するための一部
拡大斜視図である。
【図5】円筒形チップ電子部品の詳細構造を説明する一
部拡大断面斜視図である。
【図6】従来技術の円筒形チップ電子部品の内面塗布方
法の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 保持プレート 13 部品保持用貫通穴 20 ストッカー 21 収納穴 24 口金 30 パーツフィーダ 31 供給パイプ 50 プッシャー 70 塗料槽 80 移動用ガイド 81 シリンダー 82 スライダー 83 ピンヘッド 84 塗布ピン a ワーク(円筒形チップ電子部品)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性板の表面に部品保持用の貫通孔を複
    数形成した部品保持プレートと、パーツフィーダから搬
    送されて来る円筒形チップ電子部品を所定の方向に規正
    しながら整列させるストッカーと、前記ストッカーによ
    り整列された円筒形チップ電子部品を前記保持プレート
    の部品保持用貫通孔内へ挿入保持する部品押圧手段と、
    前記部品保持プレートの部品保持用貫通孔内に保持され
    た円筒形チップ電子部品の端面に対応した位置に複数の
    塗布ピンを植え込んだピンヘッドと、塗料を満たした塗
    料槽と、前記ピンヘッドを前記塗料槽と保持プレートと
    の間で移動し、前記塗布ピンの先端を前記塗料槽内の塗
    料と前記保持プレートの部品保持用貫通孔内に保持され
    た円筒形チップ電子部品の端面との間で移動させる移動
    機構を備えることを特徴とする円筒形チップ電子部品の
    内面塗布装置。
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