JP3174190U - グラファイト電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気アーク炉内で受ける熱応力および機械的応力により一層効果的に耐えることができかつ商業的実用性ある製造工程により製造することができるグラファイト電極を提供する。
【解決手段】グラファイト電極には、第1の端部と第2の端部と長尺本体部とが設けられている。グラファイト電極の前記第1の端部には、第1のゾーンが設けられ、前記電極の前記長尺本体部には、第2のゾーンが設けられ、前記第1のゾーンが、前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量よりも大きい炭素繊維含有量を有し、かつ、前記前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量が、第1の端部における機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされ、かつ、長尺本体部における炭素繊維含有量が、前記電極の前記長尺本体部の機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされている。
【選択図】図1
【解決手段】グラファイト電極には、第1の端部と第2の端部と長尺本体部とが設けられている。グラファイト電極の前記第1の端部には、第1のゾーンが設けられ、前記電極の前記長尺本体部には、第2のゾーンが設けられ、前記第1のゾーンが、前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量よりも大きい炭素繊維含有量を有し、かつ、前記前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量が、第1の端部における機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされ、かつ、長尺本体部における炭素繊維含有量が、前記電極の前記長尺本体部の機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされている。
【選択図】図1
Description
本考案は、グラファイト電極に関するものであり、特に、電気製鋼アーク炉等において用いられるグラファイト電極に関する。
従来、グラファイト製品としてのグラファイト電極は、製鋼業において鋼を形成するために金属と他の成分とを電気製鋼アーク炉中で融解させるのに使用されている。金属の融解に必要な熱は、複数の電極(典型的にはAC炉で3本、DC炉で1本)に電流を通し、電極と金属との間にアークを発生させて生成される。100,000アンペアを超える大電流によって得られる高温により、金属や他の成分が融解する。一般的に、鋼炉で使用する電極は、各電極カラム、すなわち一連の個別電極を接合して単一のカラムを形成したものからなる。また、電気炉製鋼法では、電極が炉の運転中に消耗(電極先端のアーク発生部におけるスポーリングによる消耗、高熱による昇華消耗、炉の開口部から侵入する酸化性ガスによる耗酸化等)するので、操業にともなう電極の消耗に応じて交換電極を適宜カラムに接合させることで、炉中に延在するカラムの長さが維持される。
一般的に、グラファイト電極は、隣接する電極の端部を接合するためのピン(ニップルと呼ばれることがある)を介して、カラムの中に接合される。典型的には、かかるピンは、対向する雄ネジ部分の形態を取り、電極の少なくとも一端は、ピンの雄ネジ部分と咬合することができる雌ネジ部分を含む。従って、ピンの対向する雄ネジ部分を、2本の電極の雌ネジ部分の中にねじ込むことで、これらの電極が一つの電極カラムに接合される。隣接する電極の接合端部、およびそれらの電極間のピンは、この分野では接合部(ジョイント)と呼ばれている。
代替的に、電極の一端に雄ネジ付き突起またはタング(突起部)を機械加工し、他端に雌ネジ付きソケットを機械加工し、一方の電極のタング(突起部)を他方の電極のソケット中にねじ込むことにより複数の電極を接合して、電極カラムを形成することができる。あるいは、電極の一端に雄ネジ付き突起またはタング(突起部)を機械加工し、他端に雌ネジ付きソケットを機械加工して、電極の雄スタッブを第二の電極の雌ソケット中にねじ込むことにより、電極カラムを形成することもできる。このようにして相互に接合された2つの電極の接合端部は、ピンレス接合部(pinless joint)とよばれる。
ピンレス型の接合部を有する電極の場合、接合部のねじ山を、いわゆる「ブロック型(blocked)」のねじ山(業界用語でいうところの「fully jammed」とよばれ、しばしば用いられるものである)として構成することができる。「ブロック型」のねじ山においては、接合要素(雄タング、突起部など)のネジ山の両側面は、他の要素(雌ソケットなど)のネジ山の両側面と接触するようになっている。他方、非ブロック型(non‐blockedまたはunblocked)のねじ山(業界用語でいうところの「jammed」または「partly‐jammed」型のねじ山)として構成してもよい。非ブロック型の場合、一方の接合要素のねじ山の両側面の一方のみが、他方の接合要素のねじ山のそれと接触される構成となり、一般的にピン接合部においてもこの型式のものが用いられている。
前述したような電気製鋼アーク炉、特にDCアーク炉において顕著であるが、電極には、その先端の消耗だけでなく電極接続部における電極の消耗が生じる。すなわち、電極および接合部(実際には電極カラム全体)に極端な熱的応力がかかるので、電極および接合部の機械的要因/熱的要因(強度、熱膨脹、および亀裂耐性等)を慎重に均衡させて、電極カラムまたは個々の電極の損傷および破壊を防止する必要がある。
例えば、電極の縦方向(電極/電極カラムの長さ方向)の熱膨脹、特にピンの速度と異なる速度での電極の熱膨脹によって、接合部が引き離されて、電極カラムの電流伝導効率を低下させてしまうことがある。
他方、ピンの横方向の熱膨脹量を超える電極の横方向(すなわち電極/電極カラムの直径を横切る方向)の熱膨脹量は、ピンと電極との間に強固な接続を形成するうえでは望ましい場合もないではない。しかし、電極の横方向の熱膨脹がピンの横方向の熱膨脹を大幅に超えると電極の損傷や接合部の分離が生じる場合がある。結局、縦方向の膨張であっても横方向の膨張であっても、電極カラムの電極としての効率性を低減させ、損傷の程度が過酷で電極カラムに接合部での破損が生じる場合には電極カラム自体の破損につながりうるという点においては共通であるということができる。
さらに、電極カラムが受ける熱応力および機械的応力の影響として、他のストレスが原因で、接合部を介して電極カラムに接続された電極がねじ込み状態から離脱してしまう(または接合部をなす電極とピンとが互いに離脱してしまう)という点がある。このねじ込み状態からの離脱によって、接合された複数の電極の間の電気的接触が十分でなくなり電極カラムとしての効率性が阻害されることがある。最も過酷なケースでは、ねじ込み状態からの離脱によって、接合部の下部に存在している電極カラムが破損してしまうおそれがある。
本考案は、上記した点に鑑み、商業的に実用性のある製造工程により製造することができ、かつ、従来のグラファイト電極と比較して、電気アーク炉内で受ける熱応力および機械的応力により一層効果的に耐えうるグラファイト電極を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本考案は、第1の端部と、前記第1の端部に対向する第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在された長尺本体部を有するモノリシック型グラファイト電極であって、(イ)前記第1の端部には、炭素繊維を含有する第1のゾーンが設けられ、(ロ)前記長尺本体部には、炭素繊維を含有する第2のゾーンが設けられ、(ハ)前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量が、該第1の端部の機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされ、(ニ)前記長尺本体部における炭素繊維含有量が、該長尺本体部の機械的強度を増加させるのに十分な含有量とされ、かつ、(ホ)前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量よりも大きいものとされていることを特徴としている。
請求項2に記載の本考案は、請求項1に記載された本考案において、前記第2の端部には、炭素繊維を含有する第3のゾーンが設けられ、前記第3のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第2の端部の機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされ、かつ、前記第3のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量よりも大きいものとされていることを特徴としている。
請求項3に記載の本考案は、請求項1に記載された本考案において、前記第2の端部には、炭素繊維を含有する第3のゾーンが設けられ、かつ、前記第3のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第2の端部における機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされていることを特徴としている。
請求項4に記載の本考案は、請求項2または3に記載された本考案において、前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量および前記第3のゾーンにおける炭素繊維含有量が、1パーセントないし10重量パーセントとされていることを特徴としている。
請求項5に記載の本考案は、請求項2または3に記載された本考案において、前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量または前記第3のゾーンにおける炭素繊維含有量よりも少なくとも20パーセントだけ少ないものとされていることを特徴としている。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の本考案は、(a)炭素繊維をそれぞれ含有する、(a)第1の電極ソケットが設けられた第1のゾーンと、(b)前記第1のゾーンに接続され電極の中央部分をなす第2のゾーンと、(c)前記第2のゾーンに接続され第2の電極ソケットが設けられた第3のゾーンと、を少なくとも有するグラファイト電極であって、(イ)前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量が、該第1のゾーンの機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされ、(ロ)前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量よりも大きいものとされ、かつ、(ハ)前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量よりも少なくとも20パーセント少ないものとされていることを特徴としている。
請求項7に記載の本考案は、請求項6に記載された本考案において、前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量が、該第2のゾーンにおける機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされていることを特徴としている。
請求項8に記載の本考案は、請求項7に記載された本考案において、前記第3のゾーンにおける炭素繊維含有量が、該第3のゾーンにおける機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされていることを特徴としている。
本考案によれば、異なる炭素繊維含有量を付与して他のゾーンとは異なる特性を有するように構成した、明確に区別されたゾーンを電極に設けることにより、電気アーク炉内において曝される熱応力・機械的応力に対してより一層効果的に耐えうるロバストなグラファイト電極を提供することができ、特に電極カラムとの接合部の機械的強度をより一層向上させたグラファイト電極を提供することができる。
また、本実施形態に係るグラファイト電極は、第1のゾーンにおける炭素繊維含有量を優先的に強化するようにしたので、炭素繊維含有にともなう費用の増大を抑制しつつ商業的実用性あるグラファイト電極を製造することができ、従来製品と比較して費用対効果により一層優れたグラファイト電極を提供することができる。
以下、本考案の一実施の形態に係るグラファイト電極を、図1を参照して説明する。
〔本考案に係るグラファイト電極の概要〕
グラファイト製品としてのグラファイト電極は、後述するように、コークスおよびピッチからなる原料を押出成形、一次焼成、含浸、再焼成、黒鉛化および追加的加工処理することにより得られる。本考案の一実施形態に係るグラファイト電極は、複数のゾーンを有するモノリシックタイプのものであって、少なくとも1つのゾーンが、他のゾーンに対して測定可能な程度に明確に区別されたゾーンとされているものである。
グラファイト製品としてのグラファイト電極は、後述するように、コークスおよびピッチからなる原料を押出成形、一次焼成、含浸、再焼成、黒鉛化および追加的加工処理することにより得られる。本考案の一実施形態に係るグラファイト電極は、複数のゾーンを有するモノリシックタイプのものであって、少なくとも1つのゾーンが、他のゾーンに対して測定可能な程度に明確に区別されたゾーンとされているものである。
ここにいう「ゾーン(zone)」なる用語は、グラファイト電極12のうちの一領域または一部分を意味するものとして用いている。また、「測定可能な程度に明確に区別された(measurably distinct)」とは、最終製品の第1のゾーンと当該最終製品の第2のゾーンとを比較した場合に、少なくとも1つの物理的・電気的特性における差異が測定可能な程度に存在していることを意味する。例えば、これに限定する趣旨でなないが、ある物質の含有量についていえば、その物質の含有量が、第1のゾーンと第2のゾーンとで、少なくとも約20パーセント、好ましくは少なくとも約25パーセント、より一層好ましくは少なくとも約50パーセントだけ相違していることを意味しうる。かかる物理的・電気的特性における差異は、典型的には、異なる混合物を用いてそれらのゾーンを構成することによって達成されうる、つまり、後述するごとく異なる原料混合体または混合物を適宜組み合わせることによって、達成することができる。
〔グラファイト電極の構成〕
図1に示すように、本考案の一実施形態に係るグラファイト電極12は、(a)炭素繊維を含有する材料で構成された第1のゾーン14と、(b)この第1のゾーン14に設けられた第1の電極ソケット18と、(c)第1のゾーン14に接続され、炭素繊維を含有する材料で構成されていて、長尺本体部をなすところの、第2のゾーン10と、(c)前記第2のゾーン10に接続され、炭素繊維を含有する材料で構成された第3のゾーン(14で代用)と、この第3のゾーン14に設けられた第2の電極ソケット(18で代用)と、を有している。
図1に示すように、本考案の一実施形態に係るグラファイト電極12は、(a)炭素繊維を含有する材料で構成された第1のゾーン14と、(b)この第1のゾーン14に設けられた第1の電極ソケット18と、(c)第1のゾーン14に接続され、炭素繊維を含有する材料で構成されていて、長尺本体部をなすところの、第2のゾーン10と、(c)前記第2のゾーン10に接続され、炭素繊維を含有する材料で構成された第3のゾーン(14で代用)と、この第3のゾーン14に設けられた第2の電極ソケット(18で代用)と、を有している。
第1のゾーン14は、図1に示すように、第2のゾーン10すなわち電極本体部の一方の端部に設けられている。
第1のゾーン14には、図1に示すように、前記グラファイト電極12の一方の端部において開口する第1の電極ソケット18が機械加工により設けられている。また、第1の電極ソケットの内部表面には、雌ねじ山が機械加工により設けられている。雌ねじ山は、グラファイト電極12を図示しない電極カラムに接続するためのピンの外表面に設けられた、雄ねじ山と嵌合する形状とされている。
第2のゾーン10は、図1に示すように、両端部を有するグラファイト電極12の長尺本体部をなしている。また、長尺本体部10は、コア部分とその周囲に設けられた外側部分とを有している。なお、このコア部分と外側部分とは、後述するいわゆる共押出成形により成形することができる。
第3のゾーン14は、図1に示すように、第2のゾーン10(長尺本体部)の長手方向において第1のゾーン14と反対側となる、第2のゾーン10(長尺本体部)の他方の端部に設けられている。
第3のゾーン14には、図1に示すように、グラファイト電極12の他方の端部において開口され、第1の電極ソケット18に対向して配置された、前記第2の電極ソケット18が機械加工により設けられている。前記第2のソケット18の内表面には、前記第1のソケット17におけると同様、雌ねじ山が機械加工により設けられている。
グラファイト電極12は、その端部を電極カラムに接続するためのピン(またはニップル)を介して、電極カラムに接合される。このピンの表面には、雄ネジが機械加工により設けられており、グラファイト電極12の端部に設けられたソケットの雌ねじ山と嵌合される形状とされている。そして、対向する一対のピンの雄ネジ部分を、それぞれ、2本の電極の雌ネジ部分の中にねじ込むことで、これらの電極が一つの電極カラムに接合される。隣接する電極の接合端部、およびそれらの電極間のピンは、この分野では接合部(ジョイント)と呼ばれている。
〔炭素繊維の含有について〕
グラファイト電極12と電極カラムとの接合部の消耗または破損を防止するために、電極の接合部の機械的強度を高めることが求められているが、グラファイト製品に繊維を含ませることで、グラファイト製品の強度を向上させることについてはよく知られているところである(例えば、Kortovichほかによる国際公開2004/020185号、Singerによる米国特許第4,005,183号およびShaoほかによる米国特許第6,280,663号を参照)。他方、グラファイト電極を製造するのに必要な量を超えて過大な炭素繊維が用いられると製造費用が法外となることもよく知られているところである。そこで、高応力に曝される部位(例えば、ねじ切りされた部位など)にあたるグラファイト電極の特定部分にのみ炭素繊維19を含有させることで、炭素繊維による強度の向上という利点を低コストで実現することが可能になり、一般に市場で販売される製品としての商業的実現可能性を保持したグラファイト電極12を提供することができる。
グラファイト電極12と電極カラムとの接合部の消耗または破損を防止するために、電極の接合部の機械的強度を高めることが求められているが、グラファイト製品に繊維を含ませることで、グラファイト製品の強度を向上させることについてはよく知られているところである(例えば、Kortovichほかによる国際公開2004/020185号、Singerによる米国特許第4,005,183号およびShaoほかによる米国特許第6,280,663号を参照)。他方、グラファイト電極を製造するのに必要な量を超えて過大な炭素繊維が用いられると製造費用が法外となることもよく知られているところである。そこで、高応力に曝される部位(例えば、ねじ切りされた部位など)にあたるグラファイト電極の特定部分にのみ炭素繊維19を含有させることで、炭素繊維による強度の向上という利点を低コストで実現することが可能になり、一般に市場で販売される製品としての商業的実現可能性を保持したグラファイト電極12を提供することができる。
グラファイト電極12の少なくとも1つのゾーンは、電極のうち高応力領域における強度を増大させるために繊維(図1中の波形ダッシュ状の要素に相当)が含有されている。繊維は、例えば、メソフェーズピッチ系炭素繊維またはPAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維である。また、使用する炭素繊維は、約15x106psiないし約40x106psiのヤング率(炭化後)を有するように適宜選択するのが望ましい。
炭素繊維としては、好適には、約6ミクロンないし約15ミクロンの平均直径を有し、約200x103psiないし約400x103psiの引張強度を有し、かつ、平均約4ミリメートルないし約32ミリメートルの長さを有する繊維を用いるのが好ましい。好適な繊維の長さは、平均長さ約6ミリメートルまたはそれ以下、約12ミリメートルまたはそれ以下、約18ミリメートルまたはそれ以下、または約25ミリメートルまたはそれ以下などである。また、炭素繊維の長さについては、最も大きいコークス粒子よりも長くないのが好ましい。最も有利には、炭素繊維は、混合物に対して、1バンドルあたり約2,000ないし約20,000炭素繊維を含む、サイジングを利用して圧縮されたバンドル、として付加される。
炭素繊維は、好ましくは、グラファイト電極12の複数のゾーンのいずれかにおいて、約1重量パーセントないし約10重量パーセント、より好ましくは約1.5重量パーセントないし約7.5重量パーセント、より一層好ましくは,約5.0重量パーセントそれ以下のレベルで含まれている。しかしながら、グラファイト電極12の他のゾーンにおいては、炭素繊維は、少なくとも約20パーセント未満、またはさらに約25パーセント未満、またはより一層好ましい約50パーセント未満のレベルで存在している。このように、炭素繊維を有するゾーンは、グラファイト電極12における明確に区別されたゾーン(複数のゾーン)を構成する。
変形例として、少なくとも1つの他のゾーンは、炭素繊維を全く含んでおらず、したがって、1重量パーセントまたはそれ以上の炭素繊維を有するゾーンに比べて明確に区別されたゾーンである。グラファイト電極12の第1のゾーン14において、例えば、グラファイト電極12の第1の電極ソケット領域において、炭素繊維含有量は、約10パーセントであってもよい。グラファイト電極12の第2のゾーン10においては、例えば、グラファイト電極12の中央部分では、第2のゾーン10における炭素繊維含有量は、約8.0パーセント以下である。
さらに、グラファイト電極12は、実質的に炭素繊維が全く含まれない1以上のセグメントを有してもよい、グラファイト電極12が有すべき所望の特性に影響を与えるのに十分な量の炭素繊維を有する、という意味である。さらにより一層好ましくは、電極セグメントは、炭素繊維を全く含有していなくてもよい。本明細書に記載された複数の実施形態および変形例は、任意の組み合せにおいて実施することができるものである。
なお、第3のゾーン14と第1のゾーン14とは、対向して設けられているが、その他の点においては同様の構成である。すなわち、第3のゾーン14における炭素繊維含有量は、第1のゾーン14と実質的に同一である。
変形例として、グラファイト電極12は、1つのゾーンにのみパフィング(puffing)を防ぐため硫黄を含有させ、他の複数のゾーンは硫黄を含有させないように構成してもよい。例えば、グラファイト電極12のうちねじ山が設けられた複数のゾーンにのみ硫黄を含有させることは有用であるが、グラファイト電極12の内部にまで硫黄を含ませることは、スプリッティング(splitting)を惹起する可能性を考慮すると有利ではない。
そのような場合には、ねじ切りされた部位を有するゾーンに硫黄を含有させ、内部を構成するゾーンには硫黄を含有させないようにグラファイト電極12を成形するとよい。加えて、コークス粒子サイズを複数ゾーンごとに適宜制御するようにしてもよい。さらに、特定の単一または複数のゾーンにのみ酸化鉄を含有させることも有利である。
他の変形例として、炭素繊維含有レベル(繊維充填度)が高いゾーンをグラファイト電極12の外側部分に設けて電極強度を向上させたい場合に、グラファイト電極12の内側部分またはコア部分にまで繊維充填度が高いゾーンを設けることがコスト効率性の面であまり有利で内ということがありうる。そのような状況においては、共押出成形によってグラファイト電極12を形成するのがすこぶる有利である。
このようにして、例えば、第1のゾーン14が少なくとも1重量パーセントの炭素繊維を含みかつ第2のゾーン10が第1のゾーン14の炭素繊維よりも少なくとも約25重量パーセント、約50パーセントまたは約75パーセント少ない炭素繊維を含んでいるといった、互いに明確に区別された2つのゾーンを有するグラファイト電極12を共押出しにより成形することができる。
長尺本体部10のコア部分と比較してその外側部分において繊維充填を強化させたグラファイト電極12を共押出成形により形成する場合、少なくとも1重量パーセント炭素繊維を有する第1の原料混合物が調合され、共押出成形装置の外側押出成形パイプを経由して押し出される、そして、少なくとも25パーセント少ない繊維充填度(または、炭素繊維がないのがより好ましい)を有する第2の原料混合物が調合されて、押出成形装置の中央押出成形パイプを通って押し出される。このようにして、押出成形により、より多くの炭素繊維を有する外側部分と炭素繊維含有量が少ないか炭素繊維を全く含まないコア部分とを有する電極の長尺本体部を提供することができる。
他の変形例として、炭素体が加熱プレスにより形成(または形状付与)される場合に特に有用であるが、複数のホットプレス原料混合体を、モールド内に投入されて、それぞれ、最終物における明確に区別されたゾーンを形成するようにしてもよい。例えば、炭素繊維充填についていえば、少なくとも1重量パーセントの炭素繊維を有する第1のホットプレス原料混合物が調合され、また、炭素繊維の充填度が少なくとも25パーセントほど低い、または炭素繊維が全く含まれない第2のホットプレス原料混合物が調合される。これら2つのホットプレス原料混合物は、所定の順序で、所定の場所に、および/または所定の分量だけホットプレスモールド内に供給して、所望の複数のゾーンを形成する。
また、グラファイト電極12における一領域であってねじ山が設けられている領域、すなわち、製品の終端位置または端部には、より多くの炭素繊維を充填することが望ましい、なぜならば、これらの領域は、より高い強度が望ましい高応力領域であるからである。かかる状況において、少なくとも1重量パーセント炭素繊維を含有するホットプレス原料混合物が、まずモールド内に投入されて製品の第1の端末部分(first terminal position;第1の端部)が成形される。少なくとも25パーセント少ない繊維充填度を有する、あるいは炭素繊維が全く含まれないホットプレス原料混合物を次いでモールドに投入して製品の中央部分を形成し、少なくとも1重量パーセント炭素繊維を有するホットプレス原料混合物を、次いでモールドに投入して製品の第2の端末部分(second terminal position;第2の端部)を形成する。実施形態によるが、熱と圧力とを加える前に、セパレータをモールド内で複数のゾーンの間に配置した後、熱と圧力とが加えられると取り除いて均一な製品を形成することができる。
〔グラファイト電極の成形プロセスについて〕
以上、本考案の実施形態に係るグラファイト電極12の構成について説明したが、以下、本考案に係るグラファイト電極を製造する工程について詳述する。本考案の実施形態に係るグラファイト電極12は、典型的には、押出成形やホットプレスによって成形することができ、いわゆる共押出成形を用いることもできる。以下、順に説明する。
以上、本考案の実施形態に係るグラファイト電極12の構成について説明したが、以下、本考案に係るグラファイト電極を製造する工程について詳述する。本考案の実施形態に係るグラファイト電極12は、典型的には、押出成形やホットプレスによって成形することができ、いわゆる共押出成形を用いることもできる。以下、順に説明する。
〔押出成形による場合成形〕
グラファイト電極の製造のため、まず、か焼したコークス、ピッチおよび所望によりメソフェーズピッチまたはPAN系炭素繊維を含んでなる粒子状物質画分を混合して原料混合物を得る。より詳しくは、粉砕し、サイジングし、ミリングし、か焼した石油コークスを、コールタールピッチ結合剤と混合して混合物を形成する。か焼したコークスの粒子径は、当業者が製品の最終用途に応じて選択する。一般的に、鋼の処理に使用するグラファイト電極では、平均直径が約25ミリメートル(mm)までの粒子を混合物に使用する。粒子状物質画分は、コークス粉末を含んでなる小粒子径充填材を包含する。この小粒子径充填材中に配合できる他の添加剤としては、発煙(コークス粒子の内側で炭素と結合した硫黄が放出されるために生じる)を抑制するための酸化鉄、コークス粉末および油または他の、混合物の押出を容易にするための潤滑剤がある。
グラファイト電極の製造のため、まず、か焼したコークス、ピッチおよび所望によりメソフェーズピッチまたはPAN系炭素繊維を含んでなる粒子状物質画分を混合して原料混合物を得る。より詳しくは、粉砕し、サイジングし、ミリングし、か焼した石油コークスを、コールタールピッチ結合剤と混合して混合物を形成する。か焼したコークスの粒子径は、当業者が製品の最終用途に応じて選択する。一般的に、鋼の処理に使用するグラファイト電極では、平均直径が約25ミリメートル(mm)までの粒子を混合物に使用する。粒子状物質画分は、コークス粉末を含んでなる小粒子径充填材を包含する。この小粒子径充填材中に配合できる他の添加剤としては、発煙(コークス粒子の内側で炭素と結合した硫黄が放出されるために生じる)を抑制するための酸化鉄、コークス粉末および油または他の、混合物の押出を容易にするための潤滑剤がある。
粒子状物質画分、ピッチ結合剤等の混合物を調製した後、ダイを通して押し出すか、または従来の成形型中で成形することにより、物体を形成(または形状付与)し、未焼成原料(green stock)と呼ばれるものを形成する。ここでは押出による成形であっても、鋳造による成形であっても、ピッチの軟化点に近い温度、通常は約100℃以上で成形を行う。型(ダイ、モールド)は、実質的に最終の製品形態および製品寸法で物品を形成するが、少なくともネジ山のような構造を与えるためには、完成した製品に対して機械加工を施すことが通常必要である。なお、未焼成原料のサイズは適宜変更することができ、グラファイト電極は、その直径を約220mm〜800mmの間で適宜変更することができる。
押出成形に続いて、未焼成原料を温度約700℃〜約1,100℃、より好ましくは約800℃〜約1,000℃で焼成することにより熱処理し、ピッチ結合剤を固体のピッチコークスに炭化させ、製品に形状の永久性、高い機械的強度、良好な熱伝導性、および比較的低い電気抵抗を与え、これによって炭化された原料を形成する。未焼成原料は、酸化を防止するために、空気があまり存在しない状態で焼成する。焼成は、最終温度まで毎時約1℃〜約5℃の昇温速度で行う。焼成後、炭化された原料に、コールタールあるいは石油ピッチ、またはこの業界で公知の他の種類のピッチもしくは樹脂を1回以上含浸させ、原料の開いているすべての細孔中に追加のコークスを堆積させる。含浸させる度に、さらに焼成工程を行う。
焼成または含浸後の再焼成に続いて、炭化された原料をグラファイト化させる。グラファイト化は、最終温度約2,500℃〜約3,400℃で、コークスおよびピッチコークス結合剤中の炭素原子の、低秩序状態からグラファイトの結晶性構造への変換を誘起するのに十分な時間熱処理することにより行う。グラファイト化は、炭化された原料に対して少なくとも約2,700℃の温度で行うのが有利であり、温度約2,700℃〜約3,200℃で行うのがより有利である。これらの高い温度で、炭素以外の元素が揮発し、蒸気として散逸する。本考案の方法を使用してグラファイト化温度を維持するのに必要な時間は、約18時間以下、実際には約12時間以下である。好ましくは、グラファイト化は、約1.5時間ないし約8時間行う。グラファイト化が完了した後、できあがった製品を決められたサイズに切断し、次いでその最終的形状に機械加工または他の処理を行う。
前述したように、電極本体が原料混合物をダイに投入して押出成形により成形(または形状付与)される場合に特に有益であるが、明確に区別された複数のゾーンを、共押出成形(coextrusion)プロセスによって形成するようにしてもよい。共押出成形において、明確に区別された原料混合物、例えば、少なくとも1重量パーセントの炭素繊維を含む第1の原料混合物と、少なくとも25重量パーセント未満の炭素繊維を含む第2の原料混合物とを、互いに隣接する押出成形パイプから押し出され、しかる後、これらの原料混合物を合流させて単一の物品が構成される。なお、典型的には、2つの押出成形パイプが、一方が他方の周りとなるように同軸的に配置されるが、これらの押出成形パイプは、ユーザが明確に区別された複数のゾーンをどのように配列するかに応じて、様々な配置形態において適用することができる。
〔ホットプレスによる場合〕
代替的実施形態においては、グラファイト電極の形成は、加熱プレス(ホットプレス)工程においてピッチ結合剤などの粒子状物質画分の混合物の抵抗加熱を利用することにより達成することができる。加熱プレス工程においては、混合物の密度および炭化を増加させるために機械的圧力を加えて抵抗過熱を行う。選択的には、ホットプレスに続いて、グラファイト化工程に先立って予備成形物の密度をより一層増加させるために、予備成形電極を、炭化しうるピッチを利用する1以上の緻密化工程を経るようにしてもよい。
代替的実施形態においては、グラファイト電極の形成は、加熱プレス(ホットプレス)工程においてピッチ結合剤などの粒子状物質画分の混合物の抵抗加熱を利用することにより達成することができる。加熱プレス工程においては、混合物の密度および炭化を増加させるために機械的圧力を加えて抵抗過熱を行う。選択的には、ホットプレスに続いて、グラファイト化工程に先立って予備成形物の密度をより一層増加させるために、予備成形電極を、炭化しうるピッチを利用する1以上の緻密化工程を経るようにしてもよい。
加熱プレス段階の間、ホットプレス原料混合体または混合物は加熱プレスされて予備成形電極などの予備成形物が形成される。加熱プレスプロセスにおいては、ホットプレス混合体は、原料物質の少なくとも一部を融解させるのに十分な温度にまで加熱される。この加熱工程には、電流をホットプレス混合体に印加して、混合体の内部において熱が生成させることが含まれる。ホットプレス混合体を加熱する間、圧力が混合体に加えられて、少なくとも部分的に炭化された予備成形電極が形成される。
ホットプレス混合体(すなわち、乾燥混合原料または、選択的に、熱軟化原料または未焼成電極)を抵抗加熱するとともに油圧圧縮するように構成した油圧ホットプレスアセンブリが用いられて、予備成形電極などの予備成形炭素体を製造する。一例としての油圧ホットプレスアセンブリには、一体的に取り付けられたホットプレスモールドを有する油圧プレスが設けられており、このホットプレスモールドは、ホットプレス混合体を収容するように設けられたキャビティを有し、また、所望の予備成形物を成形するように設けられている。好ましくは、ホットプレスモールドは、黒鉛ピンまたは電極といった所望のグラファイト化された炭素体のおおよその形状に対応するような形状を有している。
また、ホットプレスモールドは、好ましくは、断熱ハウジング内に収容されている。圧力は、油圧ピストンによってホットプレス混合体に加えられて、好ましくは、均一な圧力を混合体に沿って加えるように、加えられる。加圧は、また、好ましくは、予備成形物の縦軸に対して垂直な成形方向において施されて、縦軸方向において好ましい炭素体、すなわち、最も大きい引張強度が炭素体の縦軸に沿って提供されるような配向を有する結晶構造を有する炭素体を得ることができる。好ましい構成において、ホットプレスモールドは、予備成形物を、その縦軸が水平面に位置付けられた状態で成形するような向きに向けられている。そして、単動式または複動式に動作する上側および/または下側垂直油圧ピストンによって、圧力がホットプレス混合体に加えられる。
好ましい実施形態において、ホットプレスモールドの端部は、ステンレス鋼エンドプレートであり、これは、ホットプレス混合体と電気的に接触している。抵抗加熱システムが、電流をホットプレス混合体に対して、これらのエンドプレートを解して適用する。より一層好ましい実施形態においては、ピストンおよびホットプレスモールドは、それぞれ、炭化ケイ素表面遮水を有しており、両方とも、油圧ホットプレスアセンブリのフレームに対して電気的に絶縁されている。
抵抗加熱システムは、低電圧で大電流を供給する電源(DC電源など)を有している。ただし、大電流であればAC電流であってもよいものとする。DCまたはAC電源は、ステンレス鋼エンドプレートと電気的に接続されている。油圧ホットプレスアセンブリ(図示せず)の構築は、ホットプレスモールドキャビティ内におけるホットプレス混合体のすべての部分が、実質的に均一な電流の流れに曝されるようになされる。ホットプレス混合体にわたって概して均一な電流条件および圧力条件下でホットプレス混合体を抵抗加熱および圧縮モールドすることにより、予備成形電極にわたって実質的に均一な特性を得ることができ、さらに、使用中に破損する原因となるような亀裂および他の凹凸の発生を大幅に低減することができる。好ましくは、電流と圧力とをあらかじめプログラムされた態様にて適用することにより、とりわけ、所望の焼成プロセスに応じたホットプレス混合体の温度、圧力、加熱速度および加圧速度を提供することができ、この計算は、特定の原料反応速度論に基づいて行われる。より好ましくは、油圧ホットプレスアセンブリと一体化されたプログラマブル制御システムは、電流と圧力とのプログラムされた適用を提供する。
加熱プレス作業の間の炭化の後、炭化された原料は、前述したとおりグラファイト化される。再び、グラファイト化は、摂氏約2,500度ないし約3,400度の最終温度にて、コークスの炭素原子とピッチコークス結合剤とが、規則的とはいえないような状態から黒鉛結晶構造へと変化するのに十分な時間、加熱処理することにより行われる。有利には、グラファイト化は、炭化された原料を少なくとも摂氏約2,700度の温度、より有利には摂氏約2,700度ないし約3,200度の温度に維持することにより行われる。
以上説明してきたように、本実施形態に係るグラファイト電極によれば、異なる炭素繊維含有量を付与して他のゾーンとは異なる特性を有するように構成した、明確に区別されたゾーンを電極に設けることにより、電気アーク炉内において曝される熱応力・機械的応力に対してより一層効果的に耐えうるロバストなグラファイト電極を提供することができ、特に電極カラムとの接合部の機械的強度をより一層向上させたグラファイト電極を提供することができる。同時に、本実施形態に係るグラファイト電極は、第1のゾーンにおける炭素繊維含有量を優先的に強化するようにしたので、炭素繊維含有にともなう費用の増大を抑制しつつ商業的実用性あるグラファイト電極を製造することができ、従来製品と比較して費用対効果により一層優れたグラファイト電極を提供することができる。
なお、本考案の実施形態は、本考案をグラファイト製品としてのグラファイト電極12として実施する事例を用いて説明するが、本考案の詳細な説明を通して、「グラファイト製品」は、他のグラファイト物品、例えば、グラファイト電極ピンやグラファイトビレットであってもよい点に留意すべきである。
なお、代替的構成として、一対の一対のソケット16に代えて、グラファイト電極12の一方の端部に雄ネジを有する突起部(またはタング)を機械加工により設けるとともに、他方の端部に雌ネジ付きソケットを機械加工により設け、一方のグラファイト電極12の突起部を他方のグラファイト電極12のソケットにねじ込むことにより複数のグラファイト電極12を接合させて、電極カラムを構成するようにしてもよい。
なお、上記説明中、特に断らないかぎり、含有量に関するパーセンテージは重量パーセント(wt%)を用いて表記するものとした。
前述した実施形態は本考案の代表的な形態を示したに過ぎず、本考案は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本考案の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
他のゾーンとは異なる特性をもつ明確に区別された複数のゾーンを有する本考案に係るグラファイト電極によれば、従来の製品と比較して費用対効果に優れたグラファイト電極その他のグラファイト製品を提供することができ、電気アーク炉内において曝される熱応力・機械的応力に対してより一層効果的に耐えうるロバストなグラファイト製品を提供することができ、および、商業的実用性ある製造プロセスによってグラファイト製品を製造することができる。
10 長尺本体部(第2のゾーン)
12 グラファイト電極
14 第1のゾーン/第3のゾーン
16 ピン
18 ソケット(第1の電極ソケット/第2の電極ソケット)
〜(波形ダッシュ) 炭素繊維
12 グラファイト電極
14 第1のゾーン/第3のゾーン
16 ピン
18 ソケット(第1の電極ソケット/第2の電極ソケット)
〜(波形ダッシュ) 炭素繊維
Claims (8)
- 第1の端部と、前記第1の端部に対向する第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在された長尺本体部を有するモノリシック型グラファイト電極であって、(イ)前記第1の端部には、炭素繊維を含有する第1のゾーンが設けられ、(ロ)前記長尺本体部には、炭素繊維を含有する第2のゾーンが設けられ、(ハ)前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量が、該第1の端部の機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされ、
(ニ)前記長尺本体部における炭素繊維含有量が、該長尺本体部の機械的強度を増加させるのに十分な含有量とされ、かつ、
(ホ)前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量よりも大きいものとされている
ことを特徴とするグラファイト電極。 - 前記第2の端部には、炭素繊維を含有する第3のゾーンが設けられ、前記第3のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第2の端部の機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされ、かつ、前記第3のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量よりも大きいものとされていることを特徴とする請求項1に記載のグラファイト電極。
- 前記第2の端部には、炭素繊維を含有する第3のゾーンが設けられ、かつ、前記第3のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第2の端部における機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされていることを特徴とする請求項1に記載のグラファイト電極。
- 前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量および前記第3のゾーンにおける炭素繊維含有量が、1パーセントないし10重量パーセントとされていることを特徴とする請求項2または3に記載のグラファイト電極。
- 前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量または前記第3のゾーンにおける炭素繊維含有量よりも少なくとも20パーセントだけ少ないものとされていることを特徴とする請求項2または3に記載のグラファイト電極。
- 炭素繊維をそれぞれ含有する、(a)第1の電極ソケットが設けられた第1のゾーンと、(b)前記第1のゾーンに接続され電極の中央部分をなす第2のゾーンと、(c)前記第2のゾーンに接続され第2の電極ソケットが設けられた第3のゾーンと、を少なくとも有するグラファイト電極であって、
(イ)前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量が、該第1のゾーンの機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされ、
(ロ)前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量よりも大きいものとされ、かつ、
(ハ)前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量が、前記第1のゾーンにおける炭素繊維含有量よりも少なくとも20パーセント少ないものとされている
ことを特徴とするグラファイト電極。 - 前記第2のゾーンにおける炭素繊維含有量が、該第2のゾーンにおける機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされていることを特徴とする請求項6に記載のグラファイト電極。
- 前記第3のゾーンにおける炭素繊維含有量が、該第3のゾーンにおける機械的強度を増加させるのに十分な炭素繊維含有量とされていることを特徴とする請求項6または7に記載のグラファイト電極。
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