JP3173509B1 - 光ディスク - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】 物理フォーマット情報またはディスク製造情
報を損なうことなく、正しいディスク識別を行い、著作
権侵害を有効に防止することができる光ディスクを提供
すること。 【解決手段】 主データがウォブルを有するトラックに
記録されている主情報領域と、主情報領域の内周側にコ
ントロールデータ領域と副情報領域を備え、コントロー
ルデータ領域と副情報領域の情報構造または物理フォー
マット構造を相違させるものであり、前記副情報領域を
新たに設けることで、副情報領域に書き込みを行う最終
アドレスや最大転送レート等の物理フォーマット情報ま
たはディスク製造情報を記録し、そしてＤＶＤ再生機等
での再生時は副情報領域の物理フォーマット情報または
ディスク製造情報を読みとる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクに関す
るものであって、とくに不正な複製から著作物を保護す
るために映像や音声などの記録信号を暗号化して記録し
ている円盤状の光ディスクに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、映画や音楽などを収録（記録）
している市販のＤＶＤ（Digital Versatile Disk）で
は、不正な複製から著作物を保護するために、すなわち
著作権を保護するために、映像や音声などのデータ情報
を暗号化して記録するようにしている。そして、ＤＶＤ
をＤＶＤ再生装置で再生する際には、ＤＶＤ再生装置
は、該ＤＶＤのコントロールデータ領域に記録されてい
る鍵情報を読み出し、この鍵情報を用いて、暗号化され
たデータ情報の暗号を解き、元の映像や音声などを再構
築して再生するようになっている。

【０００３】以下、このような従来のＤＶＤ及びＤＶＤ
再生装置を具体的に説明する。なお、ここでは、ＤＶＤ
の１つの具体例であるＤＶＤ−Ｒ（追記型ＤＶＤ）につ
いて説明する。

【０００４】図４は、従来のＤＶＤ−Ｒの概略構造を示
す斜視図である。図４において、１０１はＤＶＤ−Ｒを
示している。１０２はＤＶＤ−Ｒ１０１の主情報領域を
示している。映像や音声などのデータ情報は、通常、暗
号化されて主情報領域１０２に記録されている。１０３
はコントロールデータ領域を示している。このコントロ
ールデータ領域１０３は、主情報領域１０２に記録され
たデータ情報の暗号を解くための鍵情報を含む物理フォ
ーマット情報及びディスク製造情報を記録している。な
お、コントロールデータ領域１０３は、ＤＶＤ−Ｒ１０
１の内周部側の部位に位置している。このＤＶＤ−Ｒ１
０１においては、両領域１０２、１０３にわたって、ウ
ォブルを備えた螺旋状のグルーブが内周部側から外周部
側にかけて形成されている。そして、このグルーブの記
録層にデータ情報が記録されるようになっている。ここ
で、アドレス情報、ディスク記録条件等は、グルーブ間
プリピットとして、予め基板上に記録されている。

【０００５】図５は、従来のＤＶＤ再生装置の概略構成
を示すブロック図である。図５において、１０１はＤＶ
Ｄを示している。このＤＶＤ１０１は、再生されるべき
映像や音声のデータ情報を記録している。１０４は光ピ
ックアップを示している。この光ピックアップ１０４
は、レーザ光を用いてＤＶＤ１０１の記録信号を読み取
る。１０５は移送制御器を示している。この移送制御器
１０５は、ＤＶＤ１０１上の任意の位置で記録信号を読
むため、光ピックアップ１０４をＤＶＤ１０１の半径方
向に移動させる。１０６はディスクモータを示してい
る。このディスクモータ１０６は、ＤＶＤ１０１を回転
させる。

【０００６】１０７は第１の制御回路を示している。こ
の第１の制御回路１０７は、光ピックアップ１０４と移
送制御器１０５とディスクモータ１０６とを制御する。
１０８は増幅器を示している。この増幅器１０８は、光
ピックアップ１０４が読み取った信号を増幅する。１０
９は第２の制御回路を示している。この第２の制御回路
１０９には、増幅器１０８の出力信号が入力される。第
２の制御回路１０９は、この信号に基づいて、光ピック
アップ１０４がＤＶＤ１０１の記録信号を読み取る際に
必要とされるフォーカスエラー信号やトラッキングエラ
ー信号などのサーボ信号を生成し、これを第１の制御回
路１０７に出力する。また、第２の制御回路１０９は、
アナログ信号である入力信号をディジタル化（２値化）
する。

【０００７】１１０は復調回路を示している。この復調
回路１１０は、ＤＶＤ１０１から読み取られてディジタ
ル化された信号を解析するとともに、元の映像や音楽な
どのデータ情報を再構築する。１１１はシステム制御回
路を示している。このシステム制御回路１１１は、ＤＶ
Ｄ再生装置全体を制御する。

【０００８】以下、このように構成されたＤＶＤ再生装
置の動作を説明する。市販のＤＶＤ１０１を再生する際
には、まずシステム制御回路１１１の指示に従って、第
１の制御回路１０７が移送制御器１０５を駆動制御す
る。その結果、移送制御器１０５は、光ピックアップ１
０４を、ＤＶＤ１０１の内周部側の部位に移動させる。
光ピックアップ１０４によって読み取られた信号は、増
幅器１０８で増幅された後、第２の制御回路１０９によ
りディジタル化される。復調回路１１０は、このディジ
タル信号の内容を読み取り、その結果をシステム制御回
路１１１に送る。システム制御回路１１１は、読み取ら
れた内容がコントロールデータ領域１０３（図４参照）
の鍵情報でなければ、再び第１の制御回路１０７に指示
を出し、第１の制御回路１０７に移送制御器１０５を駆
動制御させる。その結果、移送制御器１０５は、光ピッ
クアップ１０４をさらにＤＶＤ１０１の内周部側の部位
に移動させ、ＤＶＤ１０１の鍵情報を探す。

【０００９】このような動作を繰り返すことにより、Ｄ
ＶＤ１０１の内周部側の部位に位置するコントロールデ
ータ領域１０３に記録されている鍵情報が探し出され
る。そして、復調回路１１０はこの鍵情報を読み取る。
復調回路１１０がＤＶＤ１０１の鍵情報を読み取ったこ
とをシステム制御回路１１１が検知すると、システム制
御回路１１１の指示に従って、第１の制御回路１０７は
移送制御器１０５を駆動制御する。その結果、移送制御
器１０５は、光ピックアップ１０４をＤＶＤ１０１の外
周部側の部位に移動させる。そして、光ピックアップ１
０４は、ＤＶＤ１０１の主情報領域１０２（図４参照）
に記録されているデータ情報を読み出す。このデータ情
報は、一般的には暗号化されているので、そのまま再生
しても正常な映像や音声信号は得られない。

【００１０】しかしながら、先に読み出された、コント
ロールデータ領域１０３に記録されていた鍵情報を用い
ると、この暗号を解くことができる。そこで、復調回路
１１０は、読み出した鍵情報を用いて主情報領域１０２
のデータ情報の暗号を解き、元の正常な映像や音声デー
タを再構築する。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ＤＶＤ
−Ｒ等の記録可能な光ディスクにおいては、このように
データ情報が暗号化されていても、データ情報とともに
コントロールデータ領域の情報を該ＤＶＤ−Ｒにコピー
すれば、容易に複製ディスクができあがるといった問題
がある。そこで、このようなコントロールデータ領域の
情報のコピーを物理的に防止するため、少なくともＤＶ
Ｄ−Ｒの鍵情報を記録すべき領域に、予め別の信号を記
録しておき、鍵情報がこの領域にコピーされるのを防止
するといった手法が提案されている。これは、ＤＶＤ−
Ｒの鍵情報を記録すべき領域を含むコントロールデータ
領域に、エンボスを形成するなどして予め別の情報を伴
ったプリピットを形成し、正規の鍵情報を破壊し、再生
装置で正規の鍵情報を再生できないようにするといった
手法である。

【００１２】しかしながら、このような従来の光ディス
ク及びその再生システム又は記録システムでは、主情報
領域１０２にデータを記録する際に、後書きが必要な物
理フォーマット情報及びディスク製造情報、例えば書き
込む領域の最終アドレス情報等をコントロールデータ領
域１０３に記録することができない。そして、このよう
な物理フォーマット情報及びディスク製造情報がコント
ロールデータ領域１０３に記録されていないＤＶＤ−Ｒ
１（光ディスク）をＤＶＤ−ＲＯＭ再生装置で再生した
場合、種々の有用な機能、例えばディスク容量を短時間
で検知して表示させるなどといった機能が失われるとい
った問題が生じる。

【００１３】また、記録された位置情報に関連した応答
性も悪くなるといった問題も生じる。さらに、コントロ
ールデータ領域１０３の鍵情報を含む領域において、よ
り違法使用防止力の高いエンボスで予め記録ピットを構
成した場合、この領域にウォブルを形成することは極め
て困難である。このため、これをＤＶＤ再生装置で再生
すると、この領域にウォブルが存在しないため、ＤＶＤ
−Ｒであるのにもかかわらず、ＤＶＤ−ＲＯＭであると
誤判定される可能性があるといった問題も生じる。

【００１４】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、物理フォーマット情報及びデ
ィスク製造情報等（ディスク管理情報）を記録又は再生
する機能を損なうことなく、正確にディスクの識別を行
うことができ、かつ著作権の侵害を伴うＤＶＤその他の
光ディスクの違法使用を有効に防止することができる光
ディスク並びに該光ディスクの記録又は再生を行うため
の装置及び方法を提供することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明にかかる光ディスクは、ウォブルを備
えたグルーブの記録層に光を介して読み出すことが可能
な形態でデータ情報を記録出来る主情報領域と、前記主
情報領域より内周側に位置するコントロールデータ領域
と、副情報領域とを備え、前記コントロールデータ領域
には、再生専用ディスクにおける暗号解読鍵情報を含む
領域と同じアドレス領域に、別な情報が予め記録され、
かつ前記副情報領域には、前記コントロールデータ領域
とは異なる情報構造で、物理フォーマット情報が格納さ
れたものであって、前記コントロールデータ領域に前記
副情報領域とは物理構造が異なる領域を含むことを特徴
とする記録可能な光ディスク、であることを特徴とする
ものである。

【００１６】

【００１７】

【００１８】本発明にかかる光ディスクによれば、物理
フォーマット情報またはディスク製造情報を損なうこと
なく、正しくディスク識別が行われ、かつ著作権の侵害
を伴うＤＶＤディスクその他の光ディスクの違法使用を
有効に防止することができる。またコントロールデータ
領域を違法使用防止力がより強力であり且つより安価に
製造することが出来るエンボスによって予め記録ピット
を形成することが可能となり、低コストな光ディスクが
提供できる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。

【００２０】本発明にかかる光ディスクは、ウォブルを
有するトラックにデータ情報（主データ）が記録されて
いる主情報領域と、それぞれ主情報領域の内周側に位置
する第１及び第２のコントロールデータ領域とを備えて
いる。ここで、第１のコントロールデータ領域と第２の
コントロールデータ領域とでは、情報構造又は物理構造
が異なる。そして、第１のコントロールデータ領域は、
データ情報の暗号を解くための鍵情報を含む物理フォー
マット情報及びディスク製造情報等（ディスク管理情
報）を記録する領域を有している。かつ、第１のコント
ロールデータ領域の少なくとも鍵情報を記録する領域
に、予め別の情報を、エンボスを形成することにより、
又はレーザ光による書き込みにより記録することによ
り、著作権を保護する機能を有している。

【００２１】そして、鍵情報を含まない物理フォーマッ
ト情報及びディスク製造情報等を記録するための第２の
コントロールデータ領域を新たに設けている。これによ
り、第２のコントロールデータ領域に、所定の物理フォ
ーマット情報及びディスク製造情報等、例えば書き込み
を行う最終アドレスや最大転送レート等を記録すること
ができる。そして、ＤＶＤ再生機等を用いて該光ディス
クを再生する際には、第２のコントロールデータ領域の
物理フォーマット情報及びディスク製造情報を読み取る
ことにより、ＤＶＤ再生機等を良好な応答性でもって動
作させることができる。

【００２２】また鍵情報を含まない物理フォーマット情
報及びディスク製造情報等を第２のコントロールデータ
領域に記録し、光ディスクの再生時には、第２のコント
ロールデータ領域の情報を読み取って該情報に基づいて
光ピックアップを動作させることにより、さらに著作権
保護能力を高くすることができる。ここで、第２のコン
トロールデータ領域の情報構造を第１のコントロールデ
ータ領域の情報構造と異ならせることにより、両コント
ロールデータ領域の識別を、容易にかつ短時間で行うこ
とが可能となる。さらに、第１のコントロールデータ領
域をエンボス等で形成する一方、第２のコントロールデ
ータ領域をグルーブ間にピットを形成した構成とするな
どして、両領域の物理構造を変えれば、両コントロール
データ領域の識別が容易となる。そして、ディスク識別
条件、ディスク記録条件等の物理フォーマット情報及び
ディスク製造情報等の再生又は記録を、グルーブ間にピ
ットを有する第２のコントロールデータ領域で行うこと
により、ディスク識別の誤認ないしは誤動作を防止する
ことができる。

【００２３】本発明にかかる記録装置は、データを光デ
ィスクに記録しあるいはデータの暗号を解く鍵情報が内
周部側の部位に記録されている光ディスクの記録信号を
読み取るピックアップと、光ディスクの任意の位置でデ
ータを読み取れるようにピックアップを光ディスクの半
径方向の任意の位置に移動させることができる第１の制
御手段と、光ディスク中の暗号化されたデータの再生処
理を行う第２の制御手段と、第１のコントロールデータ
領域と第２のコントロールデータ領域とを識別する判定
手段と、データを暗号化及び構造化して記録するもう１
つの制御手段とを備えている。この記録装置は、ＤＶＤ
−Ｒの少なくとも第２のコントロールデータ領域に、記
録時の最終アドレス等を含む物理フォーマット情報及び
ディスク製造情報を、第１のコントロールデータ領域と
は異なる構造で記録する。ここで、第１のコントロール
データ領域と第２のコントロールデータ領域とを識別す
る判定手段は、ウォブルの有無に基づいて両者を識別す
るウォブル検出手段であってもよい。

【００２４】未記録の光ディスクに最初に記録する際
に、初期化として上記の記録動作を行い、さらに第２の
コントロールデータ領域に記録する物理フォーマット情
報及びディスク製造情報等のデータ構造を、鍵情報を含
まない構造とすることにより、それ以後の記録時又は再
生時に、第２のコントロールデータ領域を用いて物理フ
ォーマット情報及びディスク製造情報等を読み取ること
が可能となる。また、記録可能な光ディスクであること
を識別するウォブル検出手段と、再生処理後の信号が入
力される保護様態判定手段と、ウォブル検出手段から信
号が入力されるディスク判定手段と、保護様態判定結果
とディスク判定結果とが不整合であれば該ＤＶＤディス
クからの再生又は記録信号出力を禁止する出力禁止手段
とを付加することにより、さらに著作権保護機能を強化
することができる。

【００２５】本発明にかかる再生装置は、データの暗号
を解く鍵情報が内周部側の部位に記録されている光ディ
スクの記録信号を読み取るピックアップと、光ディスク
の任意の位置でデータを読み取れるようにピックアップ
を光ディスクの半径方向の任意の位置に移動させること
ができる第１の制御手段と、光ディスク中の暗号化され
たデータの再生処理を行う第２の制御手段と、第１のコ
ントロールデータ領域と第２のコントロールデータ領域
とを識別する判定手段と備えている。この再生装置は、
判定手段の結果により第２のコントロールデータ領域の
物理フォーマット情報及びディスク製造情報を読み取
る。また、記録可能な光ディスクであるか否かを識別す
るウォブル検出手段と、再生処理後の信号が入力される
保護様態判定手段と、ウォブル検出手段から信号が入力
されるディスク判定手段と、保護様態判定結果とディス
ク判定結果とが不整合であれば該光ディスク（ＤＶＤ）
からの再生信号の出力を禁止する出力禁止手段とを付加
することにより、著作権保護機能を強化することができ
る。

【００２６】以下、図１〜図３を参照しつつ、本発明の
実施の形態をより具体的に説明する。

【００２７】図１は、本発明にかかるＤＶＤ−Ｒの概略
構造を示している。また、図２は、図１に示すＤＶＤ−
Ｒの、エンボス等で形成された第１のコントロールデー
タ領域と、第２のコントロールデータ領域とを拡大して
示している。

【００２８】図１において、１はＤＶＤ−Ｒを示してい
る。２は暗号化されたデータ情報が記録される主情報領
域を示している。３は暗号を解くための鍵情報を含む物
理フォーマット情報及びディスク製造情報を記録する第
１のコントロールデータ領域を示している。１５は、第
１のコントロールデータ領域３とは構造が異なる物理フ
ォーマット情報及びディスク製造情報を記録する第２の
コントロールデータ領域である。

【００２９】また、図２において、３は第１のコントロ
ールデータ領域を示している。１４は、第１のコントロ
ールデータ領域３内でエンボスで形成されたピットを示
している。１５は第２のコントロールデータ領域を示し
ている。１６はグルーブを示し、１７は該グルーブ１６
間に形成された、アドレス、ディスク記録条件等の情報
を記録しているグルーブ間ピットを示している。なお、
１８はウォブルを示している。

【００３０】図３は、本発明にかかるＤＶＤ記録再生装
置のブロック図である。図３において、１はＤＶＤを示
している。このＤＶＤ１には、物理フォーマット情報及
びディスク製造情報（ディスク管理情報）を記録する第
１のコントロールデータ領域３（図２参照）がエンボス
によって形成されている。なお、第１のコントロールデ
ータ領域３には、不正な複製から著作物を保護するため
に、すなわち著作権を保護するために、暗号を解くため
の鍵情報を記録する位置に、別の情報が予め記録されて
いる。

【００３１】４は光ピックアップを示している。この光
ピックアップ４は、レーザ光を用いてＤＶＤ１の記録信
号の再生及び記録を行う。５は移送制御器を示してい
る。この移送制御器５は、ＤＶＤ１の任意の位置で信号
の記録又は再生を行うために光ピックアップ４をＤＶＤ
１の半径方向に移動させる。６はディスクモータを示し
ている。このディスクモータ６は、ＤＶＤ１を回転させ
る。７は第１の制御回路を示している。この第１の制御
回路７は、光ピックアップ４と移送制御器５とディスク
モータ６とを制御する。８は増幅器を示している。この
増幅器８は、光ピックアップ４によって読み取られた信
号を増幅する。９は第２の制御回路を示している。この
第２の制御回路９には、増幅器８の出力信号が入力され
る。第２の制御回路９は、この信号から光ピックアップ
４がＤＶＤ１の信号を読み取る際に必要とされるフォー
カスエラー信号やトラッキングエラー信号などのサーボ
信号を生成し、これを第１の制御回路７に出力する。ま
た、第２の制御回路９に入力される信号はアナログ信号
であるが、第２の制御回路９はこのアナログ信号をディ
ジタル化（２値化）する。

【００３２】１０は復調回路を示している。この復調回
路１０は、ＤＶＤ１から読み取られてディジタル化され
た信号を解析するとともに、元の映像や音楽などのデー
タを再構築する。１１は検出回路を示している。この検
出回路１１は、第２の制御回路９から出力される信号か
らアドレス信号等を検出し、これをシステム制御回路１
２に出力する。システム制御回路１２は、このＤＶＤ再
生装置全体を制御する。１３は変調回路を示している。
この変調回路１３は、記録時には記録信号（記録すべき
信号ないしは情報）を変調して増幅器８に出力する。こ
の記録信号は、光ピックアップ４から出力されるレーザ
光により、記録可能なＤＶＤ１に記録される。

【００３３】以下、このように構成されたＤＶＤ−Ｒ１
及びその記録再生装置の動作を説明する。

【００３４】主情報領域２と第１のコントロールデータ
領域３とを備えたＤＶＤ−Ｒ１にデータを記録する場
合、まずシステム制御回路１２の指示に従って、第１の
制御回路７が移送制御器５を駆動制御する。その結果、
移送制御器５は、光ピックアップ４を、ＤＶＤ１の内周
部側の部位に位置する第１のコントロールデータ領域３
に移動させる。光ピックアップ４によって読み取られた
信号は、増幅器８で増幅され、第２の制御回路９によっ
てディジタル化される。そして、復調回路１０は、この
ようにディジタル化された信号の内容を読み取り、その
結果をシステム制御回路１２に送る。システム制御回路
１２は、第１のコントロールデータ領域３から読み取ら
れ物理フォーマット情報及びディスク製造情報（ディス
ク管理情報）に基づいてディスクを識別し、記録条件等
を解読し、記録動作に移行する。

【００３５】変調回路１３は、暗号化された記録信号
（記録データ）を変調する。変調された記録信号は、増
幅器８で増幅された後、光ピックアップ４から出力され
るレーザ光により、ＤＶＤ１の主情報領域２に記録され
る。記録後、システム制御回路１２の指示に従って、第
１の制御回路７は移送制御器５を駆動制御する。その結
果、光ピックアップ４は、より内周部側の第２のコント
ロールデータ領域１５に対応する部位に移動させられ
る。そして、光ピックアップ４は、記録信号（記録デー
タ）中の所定の情報、例えば記録後の最終アドレス等を
記録する。その際、第１のコントロールデータ領域３の
物理フォーマット情報及びディスク製造情報を合わせて
記録する。ここで、第１のコントロールデータ領域３と
第２のコントロールデータ領域１５とを容易に識別でき
るように、両領域３、１５の構造は異なるものとされて
いる。

【００３６】以下、ＤＶＤ−Ｒ１を記録再生装置で再生
する場合の動作を説明する。この場合、システム制御回
路１２の指示に従って、第１の制御回路７は移送制御器
５を駆動制御する。その結果、移送制御器５は光ピック
アップ４を第２のコントロールデータ領域１５（図２参
照）に対応する部位に移動させる。そして、光ピックア
ップ４は、第２のコントロールデータ領域１５に記録さ
れている物理フォーマット情報及びディスク製造情報を
読み取る。これらの情報に基づいて、システム制御回路
１２は第１の制御回路７に指示を送る。システム制御回
路１２の指示に従って、第１の制御回路７は移送制御器
７を駆動制御する。その結果、移送制御器５は主情報領
域２の所望の位置に光ピックアップ４を移動させ、光ピ
ックアップ４はＤＶＤ１の記録信号（データ情報）を読
み取る。なお、データをＤＶＤ１に追記する場合におい
ても、同様に第２のコントロールデータ領域１５から物
理フォーマット情報及びディスク製造情報が読み取られ
る。そして、システム制御回路１２の指示に従って、第
１の制御回路７は移送制御器５を駆動制御する。その結
果、光ピックアップ４が所定の位置に移動させられ、デ
ータの追記が行われる。

【００３７】ＤＶＤ−Ｒ１において、第１のコントロー
ルデータ領域３と第２のコントロールデータ領域１５と
では、記録する情報の構造又は該領域の物理構造が相違
する。ここで、情報の構造を相違させる場合は、第２の
コントロールデータ領域１５には、鍵情報を含まない構
造で情報が記録され、あるいは物理フォーマット情報及
びディスク製造情報の配置が第１のコントロールデータ
領域３の配置と相違するように情報が記録される。これ
により、著作権保護機能を強化することができ、またＤ
ＶＤ−Ｒ１とＤＶＤ−ＲＯＭ（再生専用ディスク）との
識別も容易となる。

【００３８】他方、両コントロールデータ領域３、１５
の物理構造を相違させる場合は、第１のコントロールデ
ータ領域３と第２のコントロールデータ領域１５のいず
れか一方を、グルーブ間ピット１７を備えた構造とし、
あるいはウォブル１８を形成しない構造とすることによ
り、ディスクの識別を容易に行うことができる。とく
に、第１のコントロールデータ領域３を、グルーブ間ピ
ット１７又はウォブル１８を形成しないＤＶＤ−ＲＯＭ
（再生専用ディスク）と同様の物理構造とし、第２のコ
ントロールデータ領域１５をＤＶＤ−Ｒ本来の物理構造
とすれば、第１のコントロールデータ領域３をエンボス
で形成することができる。このため、未記録状態での著
作権保護機能を強化することができ、さらに再生専用装
置との親和性を向上させることができる。また、物理構
造を相違させる場合は、線密度、トラック幅、ピットの
物理深さ等を変えてもよい。

【００３９】以上のように、本発明に係る光ディスク並
びに光ディスクの記録再生装置及び記録方法は、その著
作権保護能力が高く、かつ光ディスクないしは記録再生
装置装置を良好な応答性でもって動作させることが容易
である。

【００４０】本発明にかかる光ディスク並びに光ディス
クの記録再生装置及び記録方法は、光ディスクないしは
記録再生装置の機能を何ら損なうことなく、光ディスク
内に記録されている情報の不正な複写を有効に防止する
ことができる手段として有用であり、とくにＤＶＤない
しはその記録再生装置として用いるのに適している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるＤＶＤ−Ｒの概略構造を示す斜
視図

【図２】図１に示すＤＶＤ−Ｒの両コントロールデータ
領域を拡大して示した模式図

【図３】本発明にかかるＤＶＤ記録再生装置の概略構造
を示すブロック図

【図４】従来のＤＶＤ−Ｒの概略構造を示す斜視図

【図５】従来のＤＶＤ再生装置の概略構造を示すブロッ
ク図

【符号の説明】

１…ＤＶＤ−Ｒ ２…主情報領域 ３…第１のコントロールデータ領域 ４…光ピックアップ ５…移送制御器 ６…ディスクモータ ７…第１の制御回路 ８…増幅器 ９…第２の制御回路 １０…復調回路 １１…検出回路 １２…システム制御回路 １３…変調回路 １４…エンボスで形成されたピット １５…第２のコントロールデータ領域 １６…グルーブ １７…グルーブ間ピット １８…ウォブル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 伸一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平２−50360（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−153342（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−81938（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−274774（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−120733（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−212560（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−171619（ＪＰ，Ａ) 国際公開00／7183（ＷＯ，Ａ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G11B 7/00 - 7/007 G11B 20/10 G11B 20/12

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ウォブルを備えたグルーブの記録層に光
   を介して読み出すことが可能な形態でデータ情報を記録
   出来る主情報領域と、 前記主情報領域より内周側に位置するコントロールデー
   タ領域と、副情報領域 とを備え、前記コントロールデータ領域には、再生専用ディスクに
   おける暗号解読鍵情報を含む領域と同じアドレス領域
   に、別な情報が予め記録され、 かつ前記副情報領域には、前記コントロールデータ領域
   とは異なる情報構造で、 物理フォーマット情報 が格納されたものであって、 前記コントロールデータ領域に前記副情報領域とは物理
   構造が異なる領域を含むことを特徴とする記録可能な光
   ディスク。