JP3173208U - 表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラスの抵抗性を増し、破裂とスクラッチ防止の機能を向上し、切削、分割或いは研磨などの加工に便利な、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板を提供する。
【解決手段】ガラス基板は、ガラス基板の少なくとも一つの表面に支圧応力層パターンが設けられ、パターンは異なる支圧応力を具えた複数の局部領域を画定し、それは若干の高圧応力領域と低圧応力領域を包含し、低圧応力領域によりこれら高圧応力領域相互間が隔離設置される。高圧応力領域と低圧応力領域の間の支圧応力差異値が100MPa以上、或いは支圧応力層深さの差異値が5μm以上とされる。特に、該低圧応力領域の支圧応力層深さ範囲は約0〜20μm、支圧応力値は400MPa以下とされ、該高圧応力領域の支圧応力層深さ範囲は約5〜90μm、支圧応力範囲は約100〜800MPaである。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス基板は、ガラス基板の少なくとも一つの表面に支圧応力層パターンが設けられ、パターンは異なる支圧応力を具えた複数の局部領域を画定し、それは若干の高圧応力領域と低圧応力領域を包含し、低圧応力領域によりこれら高圧応力領域相互間が隔離設置される。高圧応力領域と低圧応力領域の間の支圧応力差異値が100MPa以上、或いは支圧応力層深さの差異値が5μm以上とされる。特に、該低圧応力領域の支圧応力層深さ範囲は約0〜20μm、支圧応力値は400MPa以下とされ、該高圧応力領域の支圧応力層深さ範囲は約5〜90μm、支圧応力範囲は約100〜800MPaである。
【選択図】図1
Description
本考案は一種の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板に係り、特に一種の強化ガラスであって、その板体上に非強化面局部領域を具え、これにより、該強化ガラスに対する切断或いは分割の加工が行いやすくされたものに関する。
強化ガラスは一種の予応力ガラスである。周知のガラス強化方式の主なものには二種類があり、一種類は熱強化方式、もう一種類は化学イオン強化方式である。
そのうち、熱強化方式は、ガラス板をひずみ点以上でガラス軟化点以下の温度に加熱してから迅速にひずみ点以下の温度に冷却し、ガラス表面に支圧応力層を発生させて、ガラスの抵抗性を増す。化学イオン強化は、強化しようとするガラス板(たとえばナトリウムガラス)を溶融したガラス強化液(たとえばカリウム塩)中に浸漬させ、強化液中の大型イオン(たとえばカリウムイオン)にガラス板上の小型イオン(たとえばナトリウムイオン)を置換し、このような置換作用により、その引張り応力に抵抗する支圧応力層を予めガラス表面に設置することで、ガラス強化の目的を達成する。
現在、どちらのガラス強化方式であっても、ガラス板の全部の表面に対して強化加工を実行しており、それは実益がないか或いは不必要なガラス表面部分も包含する。ただし、強化ガラスの支圧応力により、切削或いは分割の加工が更に困難となってしまい、特に、機械ツールを利用して強化層深さが約20μm以上、支圧応力が400MPa以上の強化ガラスを切削する時は、通常、コントロール不能の亀裂伝播を形成して、ガラスの破砕をもたらし、且つガラス板が順調に分割されても、特に、厚いガラス板ではエッジ品質が非常に悪くなる恐れがある。前述したように、強化後のガラスは加工性が悪くなり、ゆえにガラス板の切削、さん孔、或いは研磨等の関係する加工のほとんどは、強化処理前に実行されなければならず、そうでなければ、強化後のガラス板はさらに加工を行うことが難しく、この結果、強化ガラス板の各種パネル製造工程面での応用が厳重に縮限される。たとえば、パネル製造時には、ただ、個別ユニットを逐一生産する方式しか採用できず、すなわち、予めガラス基板を切削して個別ユニットが必要とする寸法規格の小板材とした後、これらの分割された小板材それぞれに対し、必要な回路の配置等のパネル生産工程を実行する必要がある。ただし、パネル工程は、精密性と複雑性を有するため、前述のように個別のユニットを逐一生産するパネル製造方式は、生産効率を下げ、且つガラス基板を分割してなる小寸法の板材は、パネル工程中のアライメント工程をますます困難とし、この結果、生産技術上のネックを形成するのみならず、製品不良率を下げることができなくなるという欠点を有する。
本考案は一種の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板を提供することを目的とし、それは、ガラス基板表面に強化面と非強化面の局部領域を形成し、これにより、該ガラス基板表面の強化面の局部領域によりガラスの抵抗性を増し、破砕とスクラッチ防止の性能を向上し、非強化面の局部領域により、加工性を保持させ、切削、分割或いは研磨等の加工に便利としたガラス基板であるものとする。
上述の考案の目的を達成するため、本考案の提供する表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板は、該ガラス基板上に少なくとも一つの支圧応力層パターンを具えたガラス基板は、該ガラス基板の少なくとも一つの表面に支圧応力層パターンを具え、該パターンは該表面において、異なる支圧応力を具えた複数の局部領域を画定する。実行可能な実施例において、該支圧応力層は低圧応力領域により隔離された若干の高圧応力領域を包含し、該高圧応力領域と低圧応力領域の間の支圧応力の差異値は100MPa以上とされるか、或いは支圧応力層深さの差異値が5μm以上とされる。そのうち、該低圧応力領域の支圧応力値は400MPa以下、最も好ましくは0MPaに等しいか接近する。該高圧応力領域の支圧応力範囲は100から800MPaとされるか、或いは該低圧応力領域の支圧応力層の深さ範囲が約0〜20μmで、高圧応力領域の支圧応力層の深さ範囲が約5〜90μmとされる。これにより、本考案のガラス基板は高圧応力領域において高強度の局部領域を形成し、各種パネルの透明基板或いはカバー板を製造するのに供され得て、これら低圧応力領域は優良な加工性を保持し、ガラス基板を強化処理した後に、ガラス基板の低圧応力領域に対して切削、分割或いは研磨等の加工を行え、これにより、周知の強化ガラスのパネル工程への応用面での制限を克服して生産効率と品質歩留りのアップの目的を達成する。
前述のガラス基板の上表面、下表面の少なくとも一方は平坦面とされ、該平坦面に背向する面は平坦面或いは非平坦面、たとえば凸面、凹面或いは凹凸面とされ、理想のガラス基板は平板ガラスが選択され、且つその板体厚さは5mmより小さい。該ガラス基板の材料は、ナトリウムカルシウムケイ酸塩ガラス、アルミニウムケイ酸塩ガラス等であるが、実施の材料はこれらに制限されるわけではない。
通常の実施態様中、該ガラス基板は支圧応力層パターンが設けられた表面に背向する表面に、均一な支圧応力層が設けられ、これにより、ガラス基板の2表面の間の支圧応力の差異が過大となることによる反り変形が防止され、この均一な支圧応力層はほぼ前述の低圧応力領域と同じく、その支圧応力層深さ範囲は約0〜20μm、支圧応力値は400MPa以下とされる。
本考案の別の実施可能な実施例中、該ガラス基板の上下表面には、支圧応力層パターンが設けられ、そのうち、該上下の表面の支圧応力層パターンは、相互に対応するように或いは不対応に設置される。
本考案は一種の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板を提供し、それは、ガラス基板表面に強化面と非強化面の局部領域を形成し、これにより、該ガラス基板表面の強化面の局部領域によりガラスの抵抗性を増し、破砕とスクラッチ防止の性能を向上し、非強化面の局部領域により、加工性を保持させ、切削、分割或いは研磨等の加工に便利としたガラス基板である。
本考案の技術内容、構造特徴、達成する目的を詳細に説明するため、以下に実施例を挙げ並びに図面を組み合わせて説明する。
図1、2に示されるように、本考案のガラス基板は、その表面に、化学強化ガラス手段により、支圧応力層パターンFが形成され、該支圧応力層パターン中に、若干の高圧応力領域12と低圧応力領域13が包含され、該低圧応力領域13によりこれら高圧応力領域12相互間が隔離設置され、これにより、該ガラス基板の表面上に、破砕と引っかき防止の高圧応力領域12(すなわち強化領域)と、切削、分割及び研磨の加工性を具えた低圧応力領域13(すなわち非強化領域或いは低強化領域)とが画定される。
好ましい実施例において、該ガラス基板には板体厚さが約1mmの平板型ナトリウムガラスが選択され、化学強化ガラス手段を利用し、該ガラス基板が溶融したカリウム塩浴池中に浸漬され、これにより該ガラス基板表面に、支圧応力層パターンが形成され、該支圧応力層パターンが設けられた局部領域の表面のガラス抵抗性が増加され、その他の局部領域の表面は、優良な切削加工性を保持する。そのうち、該ガラス基板の表面の低圧応力領域13は、その支圧応力層深さ範囲が約0〜20μmとされ、支圧応力値は400MPa以下とされる。該高圧応力領域12の支圧応力層深さ範囲は約5〜90μmとされ、支圧応力層深さ範囲は約100〜800μmとされる。上述の実施例中、該ガラス基板の表面は、高圧応力領域12と低圧応力領域13に区分されるが、表面上の任意の二つの隣り合う領域の間の支圧応力値差異値は100MPa以上であるか、或いは支圧応力層深さの差異値が5μm以上とされる。
周知の強化ガラスの応用方式とは異なり、本考案のガラス基板は、予めガラス強化工程を実行しても、その切削、分割及び研磨等の加工性を損なうことがない。たとえば、本考案のガラス基板は各種パネルの製造に応用され、パネル構造の関係回路及びデバイスをこれら高圧応力領域12内の表面に製造し、その後、低圧応力領域13に対して切削、分割及び研磨等の加工を行なうことができ、周知の強化ガラスのパネル応用工程方面での制限を克服し、生産効率と品質歩留りをアップする目的を達成する。
理解できることは、前述の実施例中、該ガラス基板の上表面は支圧応力層パターンFを具え、それに背向する下表面には均一な支圧応力層14が形成され(詳しくは図3のとおり)、これにより、ガラス基板の板体表面の支圧応力の差異が過大となることによる反りや変形を防止できる。通常は、該均一な支圧応力層14は前述の低圧応力領域13と同じく、その支圧応力層深さ範囲が約0〜20μm以下とされ、支圧応力値は400MPa以下とされる。
図4、5中には本考案の別の実施例が表示される。該ガラス基板は上下の表面それぞれに支圧応力層パターンF、F’が形成され、且つこれら上下表面の支圧応力層パターンは相互に対応するよう設置され、すなわち、ガラス基板の上表面の高圧応力領域12は下表面の高圧応力領域12’の位置と対応し、ガラス基板上表面の低圧応力領域13は、下表面の低圧応力領域13’の位置に対応する。これにより、ガラス基板板体の上下表面の支圧応力の平衡が保持されて、反り変形が防止されるほか、該ガラス基板の高圧応力領域表面のガラス抵抗性が倍増され、その他の低圧応力領域は良好な切削加工性を保持できる。
以上述べたことは、本考案の実施例にすぎず、本考案の実施の範囲を限定するものではなく、本考案の権利請求の範囲に基づきなし得る同等の変化と修飾は、いずれも本考案の権利のカバーする範囲内に属するものとする。
F、F’ 支圧応力層パターン
12、12’ 高圧応力領域
13、13’ 低圧応力領域
14 均一な支圧応力層
12、12’ 高圧応力領域
13、13’ 低圧応力領域
14 均一な支圧応力層
Claims (15)
- 表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該ガラス基板の少なくとも一つの表面に、支圧応力層パターンを具え、該支圧応力層パターンは、該表面にあって、複数の、異なる支圧応力を具えた局部領域を画定し、該局部領域は、高圧応力領域と低圧応力領域を包含し、該低圧応力領域により該高圧応力領域相互間が隔離設置されることを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項1記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該高圧応力領域と該低圧応力領域はそれぞれ異なる支圧応力層深さを具え、且つ該高圧応力領域と該低圧応力領域の間の支圧応力層深さの差異値は5μm以上であることを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項2記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該低圧応力領域の支圧応力層深さ範囲は0〜20μm以下であることを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項2記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該高圧応力領域の支圧応力層深さ範囲は5〜90μmであることを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項1記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該高圧応力領域と該低圧応力領域の間の支圧応力差異値はは100MPa以上とされることを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項5記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該低圧応力領域の支圧応力値が400MPa以下とされることを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項6記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該高圧応力領域の支圧応力値が100〜800MPaとされることを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項1記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該ガラス基板の表面の上表面と下表面の少なくとも一方が平坦面とされ、該平坦面に背向する表面が平坦面或いは非平坦面とされることを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項2記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該ガラス基板の上下の表面がいずれも平坦面とされ、且つ該ガラス基板の板体厚さが5mmより小さいことを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項1記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該ガラス基板の材料は、ナトリウムカルシウムケイ酸塩ガラス、アルミニウムケイ酸塩ガラスのいずれかとされることを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項1記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、均一な支圧応力層が、該ガラス基板の支圧応力層パターンが設置された表面に背向する表面上に設置されたことを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項11記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該均一な支圧応力層の支圧応力値は400MPa以下とされることを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項11記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該均一な支圧応力層の深さ範囲は0〜20μmとされることを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項1記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該ガラス基板の上下の表面それぞれに支圧応力層パターンが設けられたことを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
- 請求項14記載の表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板において、該ガラス基板の上下の表面の支圧応力層パターンは相互に対応するように設置されることを特徴とする、表面に支圧応力層パターンを具えたガラス基板。
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CN103910484A (zh) * | 2013-01-03 | 2014-07-09 | 三星康宁精密素材株式会社 | 切割化学钢化玻璃的方法 |
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- 2011-11-11 JP JP2011006679U patent/JP3173208U/ja not_active Expired - Fee Related
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