JP3173092B2 - 帯域通過フィルタのための自動設定装置 - Google Patents

帯域通過フィルタのための自動設定装置

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JP3173092B2
JP3173092B2 JP00220792A JP220792A JP3173092B2 JP 3173092 B2 JP3173092 B2 JP 3173092B2 JP 00220792 A JP00220792 A JP 00220792A JP 220792 A JP220792 A JP 220792A JP 3173092 B2 JP3173092 B2 JP 3173092B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、設定すべき信号通過帯
域の中心周波数(以下、単に中心周波数という。)に基
づいて、中心周波数を変化することが可能な帯域通過フ
ィルタの中心周波数を上記設定すべき中心周波数に自動
的に設定する、帯域通過フィルタのための自動設定装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図17は、特開平1−105601号に
おいて提案された第1の従来例の自動同調型帯域通過フ
ィルタのブロック図である。
【0003】図17において、この第1の従来例の自動
同調型帯域通過フィルタは、入力される高周波信号を一
方向に通過させかつ反射電力結合端子111を備えたア
イソレータ101と、アイソレータ101を通過した高
周波信号を帯域ろ波する帯域通過フィルタとして動作す
る共振器102と、上記共振器102内の共振周波数調
整素子(図示せず。)を移動させることによって共振器
102の共振周波数を変化させる駆動機構103と、ア
イソレータ101の反射電力結合端子111から出力さ
れる高周波信号をダイオードD1によって検波し、検波
された信号に基づいて駆動機構103を制御する制御回
路104とを備える。
【0004】この自動同調型帯域通過フィルタにおいて
は、当該帯域通過フィルタに、ある高周波信号を通過さ
せた場合に、上記ダイオードD1によって検波された反
射電力の高周波信号(以下、反射信号という。)のレベ
ルが上記共振器102の共振周波数において最小になる
ことを利用し、上記制御回路104は、上記反射信号に
基づいて、上記反射信号のレベルが最小となるように駆
動機構103を制御する。これによって、共振器102
の共振周波数に概ね等しい当該帯域通過フィルタの中心
周波数を、アイソレータ101を通過する高周波信号の
周波数に同調させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
第1の従来例の自動同調型帯域通過フィルタでは、共振
器102の共振周波数において反射信号のレベルが最小
となることを利用して上述の同調動作を行っているの
で、例えば図17の自動同調型帯域通過フィルタをアン
テナ共用装置に用いたときに他チャンネルからの回り込
みの信号が当該自動同調型帯域通過フィルタに入力され
た場合、もしくは上記アイソレータ101を通過する高
周波信号に近接する干渉波信号が当該自動同調型帯域通
過フィルタに入力された場合、正確に上記同調動作を行
なうことができないという問題点があった。
【0006】以上の自動同調型帯域通過フィルタは1個
の共振器102を備えているが、それぞれ互いに異なり
かつ近接する共振周波数を有する複数の共振器が信号の
入力端と出力端との間に並列に電気的に接続された並列
多段型帯域通過フィルタ(以下、第2の従来例とい
う。)が、特開平3−72701号公報において開示さ
れている。
【0007】この第2の従来例の並列多段型帯域通過フ
ィルタの中心周波数と帯域幅を調整するときは、当該並
列多段型帯域通過フィルタの入出力端にネットワークア
ナライザを接続し、その入力端に少なくとも当該帯域通
過フィルタの信号通過帯域を周波数掃引する掃引信号を
入力した後、その出力端の信号のスペクトラムを観測し
ながら、個々の帯域通過フィルタの中心周波数を調整し
ていた。すなわち、並列多段型帯域通過フィルタの中心
周波数と帯域幅を自動的に調整することはできず、手動
で行なう必要があるという問題点があった。
【0008】本発明の第1の目的は以上の問題点を解決
し、従来例に比較し良好な精度で、帯域通過フィルタの
中心周波数を所望の設定値に自動的に調整することがで
きる、帯域通過フィルタのための自動設定装置を提供す
ることにある。また、本発明の第2の目的は、従来例に
比較し良好な精度で、帯域通過フィルタの中心周波数を
所望の設定値に自動的に調整することができる、自動同
調型帯域通過フィルタを提供することにある。さらに、
本発明の第3の目的は、例えば自動同調型帯域通過フィ
ルタをアンテナ共用装置に用いたときに、他チャンネル
からの回り込みの信号が当該自動同調型帯域通過フィル
タに入力された場合であっても、正確に上記同調動作を
行なうことができる、複数の自動同調型帯域通過フィル
タを備えたアンテナ共用装置を提供することにある。
【0009】また、本発明の第4の目的は、従来例に比
較し良好な精度で、並列多段型帯域通過フィルタの中心
周波数と帯域幅をそれぞれ所望の設定値に自動的に調整
することができる、並列多段型帯域通過フィルタのため
の自動設定装置を提供することにある。さらに、本発明
の第5の目的は、従来例に比較し良好な精度で、並列多
段型帯域通過フィルタの中心周波数と帯域幅をそれぞれ
所望の設定値に自動的に調整することができる、並列多
段自動同調型帯域通過フィルタを提供することにある。
またさらに、本発明の第6の目的は、例えば並列多段自
動同調型帯域通過フィルタをアンテナ共用装置に用いた
ときに、他チャンネルからの回り込みの信号が当該自動
同調型帯域通過フィルタに入力された場合であっても、
正確に上記同調動作を行なうことができる、複数の並列
多段自動同調型帯域通過フィルタを備えたアンテナ共用
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の帯域通過フィルタのための自動設定装置は、中心周
波数を変化することが可能な帯域通過フィルタの中心周
波数を所定の設定周波数に自動的に設定する帯域通過フ
ィルタのための自動設定装置であって、上記所定の設定
周波数を有する基準信号を発生する第1の信号発生手段
と、上記所定の設定周波数から所定の中間周波数だけず
れた局部発振周波数を有する局部発振信号を発生する第
2の信号発生手段と、上記第1の信号発生手段によって
発生された上記基準信号を上記帯域通過フィルタに入力
したときに上記帯域通過フィルタから反射される信号の
一部を取り出す結合手段と、上記結合手段によって取り
出された信号を、上記第2の信号発生手段によって発生
された局部発振信号を用いて上記中間周波数を有する中
間周波信号に変換する周波数変換手段と、上記周波数変
換手段によって変換された上記中間周波信号を検波して
検波信号を出力する検波手段と、上記検波手段によって
検波された上記検波信号に基づいて上記検波信号のレベ
ルが最小となるように上記帯域通過フィルタの中心周波
数を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】また、請求項2記載の自動設定装置は、請
求項1記載の自動設定装置において、さらに、上記所定
の設定周波数を入力する入力手段を備えたことを特徴と
する。
【0012】さらに、請求項3記載の自動設定装置は、
請求項1記載の自動設定装置において、さらに、上記所
定の設定周波数の情報を外部装置から受信する受信手段
を備えたことを特徴とする。
【0013】またさらに、請求項4記載の自動設定装置
は、請求項1、2又は3記載の自動設定装置において、
上記帯域通過フィルタは共振器を備え、上記制御手段
は、上記検波手段によって検波された上記検波信号に基
づいて上記基準信号の周波数が上記共振器の共振周波数
に一致するように上記第1の信号発生手段と上記第2の
信号発生手段とを制御して上記基準信号の周波数と上記
局部発振信号の局部発振周波数とを変更し、上記変更さ
れた上記基準信号の周波数に基づいて上記帯域通過フィ
ルタの中心周波数が上記所定の設定周波数に一致するよ
うに上記帯域通過フィルタを制御する周波数制御手段と
を備えたことを特徴とする。
【0014】また、請求項5記載の自動設定装置は、請
求項4記載の自動設定装置において、上記帯域通過フィ
ルタは、上記帯域通過フィルタの中心周波数を決定する
素子定数を変化させることが可能である周波数可変素子
を備え、上記制御手段は、上記帯域通過フィルタの周波
数可変素子の素子定数を変更させる素子定数変更手段
と、上記周波数制御手段による上記帯域通過フィルタの
中心周波数の上記制御に先立って、上記帯域通過フィル
タの中心周波数と上記周波数可変素子の素子定数との間
の予め測定された関係に基づいて、上記帯域通過フィル
タの中心周波数が上記所定の設定周波数に概ね一致する
ように上記素子定数変更手段を制御して上記帯域通過フ
ィルタの周波数可変素子の素子定数を変更させる前置周
波数制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】さらに、請求項6記載の自動設定装置は、
請求項1、2又は3記載の自動設定装置において、上記
帯域通過フィルタは、上記帯域通過フィルタの中心周波
数を決定する素子定数を変化させることが可能である周
波数可変素子を備え、上記制御手段は、上記帯域通過フ
ィルタの周波数可変素子の素子定数を変更させる素子定
数変更手段と、上記検波手段によって検波された上記検
波信号に基づいて上記検波信号のレベルが最小となるよ
うに上記素子定数変更手段を制御して上記帯域通過フィ
ルタの周波数可変素子の素子定数を変更させ、これによ
って上記帯域通過フィルタの中心周波数を制御する周波
数制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】またさらに、請求項7記載の自動設定装置
は、請求項6記載の自動設定装置において、上記制御手
段はさらに、上記周波数制御手段による上記帯域通過フ
ィルタの中心周波数の上記制御に先立って、上記帯域通
過フィルタの中心周波数と上記周波数可変素子の素子定
数との間の予め測定された関係に基づいて、上記帯域通
過フィルタの中心周波数が上記所定の設定周波数に概ね
一致するように上記素子定数変更手段を制御して上記帯
域通過フィルタの周波数可変素子の素子定数を変更させ
る前置周波数制御手段を備えたことを特徴とする。
【0017】また、請求項8記載の自動同調型帯域通過
フィルタは、中心周波数を変化することが可能な帯域通
過フィルタと、請求項1、2、3、4、5、6又は7記
載の自動設定装置とを備えたことを特徴とする。
【0018】さらに、請求項9記載のアンテナ共用装置
は、請求項8記載の自動同調型帯域通過フィルタを複数
個備え、上記各自動同調型帯域通過フィルタ内の各帯域
通過フィルタから出力される信号を出力する、上記各自
動同調型帯域通過フィルタの各出力端子をともに電気的
に接続して構成されることを特徴とする。
【0019】本発明に係る請求項10記載の並列多段型
帯域通過フィルタのための自動設定装置は、それぞれ中
心周波数を変化することが可能な複数の帯域通過フィル
タが電気的に並列に接続された並列多段型帯域通過フィ
ルタにおいて設定すべき中心周波数と帯域幅とに基づい
て、上記各帯域通過フィルタにおいて設定すべき上記各
中心周波数を計算する計算手段と、上記計算手段によっ
て計算された各中心周波数をそれぞれ有する各基準信号
を発生する第1の信号発生手段と、上記計算手段によっ
て計算された各中心周波数からそれぞれ所定の中間周波
数だけずれた局部発振周波数を有する各局部発振信号を
発生する第2の信号発生手段と、上記第1の信号発生手
段によって発生された上記各基準信号をそれぞれ上記各
帯域通過フィルタに入力したときに上記各帯域通過フィ
ルタから反射される各信号の一部を取り出す結合手段
と、上記結合手段によって取り出された各信号をそれぞ
れ、上記第2の信号発生手段によって発生された各局部
発振信号を用いて上記中間周波数を有する各中間周波信
号に変換する周波数変換手段と、上記周波数変換手段に
よって変換された上記各中間周波信号を検波してそれぞ
れ各検波信号を出力する検波手段と、上記検波手段によ
って検波された上記各検波信号に基づいて、上記各検波
信号のレベルがそれぞれ最小となるように上記各帯域通
過フィルタの中心周波数を制御する制御手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0020】また、請求項11記載の自動設定装置は、
請求項10記載の自動設定装置において、さらに、上記
並列多段型帯域通過フィルタにおいて設定すべき中心周
波数と帯域幅とを入力する入力手段を備えたことを特徴
とする。
【0021】さらに、請求項12記載の自動設定装置
は、請求項10記載の自動設定装置において、さらに、
上記並列多段型帯域通過フィルタにおいて設定すべき中
心周波数と帯域幅の情報を外部装置から受信する受信手
段を備えたことを特徴とする。
【0022】またさらに、請求項13記載の自動設定装
置は、請求項10、11又は12記載の自動設定装置に
おいて、上記各帯域通過フィルタはそれぞれ共振器を備
え、上記制御手段は、上記検波手段によって検波された
上記各検波信号に基づいて上記各基準信号の周波数がそ
れぞれ上記各共振器の共振周波数に一致するように上記
第1の信号発生手段と上記第2の信号発生手段とを制御
して上記各基準信号の周波数と上記各局部発振信号の局
部発振周波数とを変更し、上記変更された上記各基準信
号の周波数に基づいて上記各帯域通過フィルタの中心周
波数がそれぞれ上記設定すべき各中心周波数に一致する
ように上記各帯域通過フィルタを制御する周波数制御手
段とを備えたことを特徴とする。
【0023】また、請求項14記載の自動設定装置は、
請求項13記載の自動設定装置において、上記各帯域通
過フィルタはそれぞれ、上記各帯域通過フィルタの中心
周波数を決定する素子定数を変化させることが可能であ
る周波数可変素子を備え、上記制御手段は、上記各帯域
通過フィルタの周波数可変素子の各素子定数をそれぞれ
変更させる素子定数変更手段と、上記周波数制御手段に
よる上記各帯域通過フィルタの中心周波数の上記制御に
先立って、上記各帯域通過フィルタの中心周波数と上記
各周波数可変素子の素子定数との間の予め測定された関
係に基づいて、上記各帯域通過フィルタの中心周波数が
それぞれ上記設定すべき各中心周波数に概ね一致するよ
うに上記素子定数変更手段を制御して上記各帯域通過フ
ィルタの周波数可変素子の素子定数を変更させる前置周
波数制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】さらに、請求項15記載の自動設定装置
は、請求項10、11又は12記載の自動設定装置にお
いて、上記各帯域通過フィルタはそれぞれ、上記各帯域
通過フィルタの中心周波数を決定する素子定数を変化さ
せることが可能である周波数可変素子を備え、上記制御
手段は、上記各帯域通過フィルタの周波数可変素子の各
素子定数をそれぞれ変更させる素子定数変更手段と、上
記検波手段によって検波された上記各検波信号に基づい
てそれぞれ上記各検波信号のレベルが最小となるように
上記素子定数変更手段を制御して上記各帯域通過フィル
タの周波数可変素子の各素子定数を変更させ、これによ
って上記各帯域通過フィルタの各中心周波数を制御する
周波数制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0025】またさらに、請求項16記載の自動設定装
置は、請求項15記載の自動設定装置において、上記制
御手段はさらに、上記周波数制御手段による上記各帯域
通過フィルタの中心周波数の上記制御に先立って、上記
各帯域通過フィルタの中心周波数と上記各周波数可変素
子の素子定数との間の予め測定された関係に基づいて、
上記各帯域通過フィルタの中心周波数がそれぞれ上記設
定すべき各中心周波数に概ね一致するように上記素子定
数変更手段を制御して上記各帯域通過フィルタの周波数
可変素子の素子定数を変更させる前置周波数制御手段を
備えたことを特徴とする。
【0026】また、請求項17記載の並列多段自動同調
型帯域通過フィルタは、それぞれ中心周波数を変化する
ことが可能な複数の帯域通過フィルタが電気的に並列に
接続された並列多段型帯域通過フィルタと、請求項1
0、11、12、13、14、15又は16記載の自動
設定装置とを備えたことを特徴とする。
【0027】さらに、請求項18記載のアンテナ共用装
置は、請求項17記載の並列多段自動同調型帯域通過フ
ィルタを複数個備え、上記各並列多段自動同調型帯域通
過フィルタ内の各帯域通過フィルタから出力される信号
を出力する、上記各並列多段自動同調型帯域通過フィル
タの各出力端子をともに電気的に接続して構成される。
【0028】
【作用】以上のように構成された請求項1記載の帯域通
過フィルタのための自動設定装置においては、上記第1
の信号発生手段は、上記所定の設定周波数を有する基準
信号を発生し、上記第2の信号発生手段は、上記所定の
設定周波数から所定の中間周波数だけずれた局部発振周
波数を有する局部発振信号を発生する。次いで、上記結
合手段は、上記第1の信号発生手段によって発生された
上記基準信号を上記帯域通過フィルタに入力したときに
上記帯域通過フィルタから反射される信号の一部を取り
出した後、上記周波数変換手段は、上記結合手段によっ
て取り出された信号を、上記第2の信号発生手段によっ
て発生された局部発振信号を用いて上記中間周波数を有
する中間周波信号に変換する。さらに、上記検波手段
は、上記周波数変換手段によって変換された上記中間周
波信号を検波して検波信号を出力した後、上記制御手段
は、上記検波手段によって検波された上記検波信号に基
づいて上記検波信号のレベルが最小となるように上記帯
域通過フィルタの中心周波数を制御する。ここで、上記
基準信号の周波数に対して十分に離れている周波数成分
を有する干渉波信号が上記帯域通過フィルタの出力端に
入力される場合、上記干渉波信号が上記帯域通過フィル
タの入力端を介して上記周波数変換手段に入力される
が、上記干渉波信号の周波数が上記基準信号の周波数に
対して十分に離れているので、上記干渉波信号の周波数
成分は上記中間周波信号に変換されないで除去され、す
なわち上記検波信号に現れることがなく、上記自動設定
動作に影響を与えることがない。従って、簡単な回路構
成でしかも従来例に比較して良好な精度で、上記帯域通
過フィルタの中心周波数を上記所定の設定周波数に自動
的に設定することができる。
【0029】また、請求項2記載の自動設定装置におい
ては、好ましくは、さらに、上記所定の設定周波数を入
力する入力手段を備える。これによって、上記帯域通過
フィルタにおいて設定すべき中心周波数を上記入力手段
を用いて入力できる。
【0030】さらに、請求項3記載の自動設定装置にお
いては、好ましくは、さらに、上記所定の設定周波数の
情報を外部装置から受信する受信手段を備える。これに
よって、上記帯域通過フィルタにおいて設定すべき中心
周波数の情報を外部装置から受信することができる。
【0031】またさらに、請求項4記載の自動設定装置
においては、好ましくは、上記帯域通過フィルタは共振
器を備え、上記制御手段の上記周波数制御手段は、上記
検波手段によって検波された上記検波信号に基づいて上
記基準信号の周波数が上記共振器の共振周波数に一致す
るように上記第1の信号発生手段と上記第2の信号発生
手段とを制御して上記基準信号の周波数と上記局部発振
信号の局部発振周波数とを変更し、上記変更された上記
基準信号の周波数に基づいて上記帯域通過フィルタの中
心周波数が上記所定の設定周波数に一致するように上記
帯域通過フィルタを制御する。従って、従来例に比較し
てより良好な精度で、上記帯域通過フィルタの中心周波
数を上記所定の設定周波数に自動的に設定することがで
きる。
【0032】また、請求項5記載の自動設定装置におい
ては、好ましくは、上記帯域通過フィルタは、上記帯域
通過フィルタの中心周波数を決定する素子定数を変化さ
せることが可能である周波数可変素子を備え、上記制御
手段の上記前置周波数制御手段は、上記周波数制御手段
による上記帯域通過フィルタの中心周波数の上記制御に
先立って、上記帯域通過フィルタの中心周波数と上記周
波数可変素子の素子定数との間の予め測定された関係に
基づいて、上記帯域通過フィルタの中心周波数が上記所
定の設定周波数に概ね一致するように上記素子定数変更
手段を制御して上記帯域通過フィルタの周波数可変素子
の素子定数を変更させる。従って、上記周波数制御手段
による上記帯域通過フィルタの中心周波数の上記制御に
先立って、上記帯域通過フィルタの中心周波数を上記所
定の設定周波数に概ね一致させる粗調整処理を行い、こ
れによって、上記自動設定動作をより高速で行うことが
できる。
【0033】さらに、請求項6記載の自動設定装置にお
いては、好ましくは、上記帯域通過フィルタは、上記帯
域通過フィルタの中心周波数を決定する素子定数を変化
させることが可能である周波数可変素子を備え、上記制
御手段の上記周波数制御手段は、上記検波手段によって
検波された上記検波信号に基づいて上記検波信号のレベ
ルが最小となるように上記素子定数変更手段を制御して
上記帯域通過フィルタの周波数可変素子の素子定数を変
更させ、これによって上記帯域通過フィルタの中心周波
数を制御する。従って、従来例に比較してより良好な精
度で、上記帯域通過フィルタの中心周波数を上記所定の
設定周波数に自動的に設定することができる。
【0034】またさらに、請求項7記載の自動設定装置
においては、上記制御手段の上記前置周波数制御手段
は、上記周波数制御手段による上記帯域通過フィルタの
中心周波数の上記制御に先立って、上記帯域通過フィル
タの中心周波数と上記周波数可変素子の素子定数との間
の予め測定された関係に基づいて、上記帯域通過フィル
タの中心周波数が上記所定の設定周波数に概ね一致する
ように上記素子定数変更手段を制御して上記帯域通過フ
ィルタの周波数可変素子の素子定数を変更させる。従っ
て、上記周波数制御手段による上記帯域通過フィルタの
中心周波数の上記制御に先立って、上記帯域通過フィル
タの中心周波数を上記所定の設定周波数に概ね一致させ
る粗調整処理を行い、これによって、上記自動設定動作
をより高速で行うことができる。
【0035】また、請求項8記載の自動同調型帯域通過
フィルタにおいては、中心周波数を変化することが可能
な帯域通過フィルタと、請求項1、2、3、4、5、6
又は7記載の自動設定装置とを備えて、自動同調型帯域
通過フィルタを構成することができる。
【0036】さらに、請求項9記載のアンテナ共用装置
においては、請求項8記載の自動同調型帯域通過フィル
タを複数個備え、上記各自動同調型帯域通過フィルタ内
の各帯域通過フィルタから出力される信号を出力する、
上記各自動同調型帯域通過フィルタの各出力端子をとも
に電気的に接続することによって、上記各自動同調型帯
域通過フィルタが他のチャンネルからの回り込みの信号
の影響を受けることなく、上述の自動設定動作を行うこ
とができるアンテナ共用装置を構成することができる。
【0037】請求項10記載の並列多段型帯域通過フィ
ルタのための自動設定装置においては、上記計算手段
は、それぞれ中心周波数を変化することが可能な複数の
帯域通過フィルタが電気的に並列に接続された並列多段
型帯域通過フィルタにおいて設定すべき中心周波数と帯
域幅とに基づいて、上記各帯域通過フィルタにおいて設
定すべき上記各中心周波数を計算する。次いで、上記第
1の信号発生手段は、上記計算手段によって計算された
各中心周波数をそれぞれ有する各基準信号を発生し、上
記第2の信号発生手段は、上記計算手段によって計算さ
れた各中心周波数からそれぞれ所定の中間周波数だけず
れた局部発振周波数を有する各局部発振信号を発生す
る。次いで、上記結合手段は、上記第1の信号発生手段
によって発生された上記各基準信号をそれぞれ上記各帯
域通過フィルタに入力したときに上記各帯域通過フィル
タから反射される各信号の一部を取り出した後、上記周
波数変換手段は、上記結合手段によって取り出された各
信号をそれぞれ、上記第2の信号発生手段によって発生
された各局部発振信号を用いて上記中間周波数を有する
各中間周波信号に変換する。さらに、上記検波手段は、
上記周波数変換手段によって変換された上記各中間周波
信号を検波してそれぞれ各検波信号を出力した後、上記
制御手段は、上記検波手段によって検波された上記各検
波信号に基づいて、上記各検波信号のレベルがそれぞれ
最小となるように上記各帯域通過フィルタの中心周波数
を制御する。ここで、上記各基準信号の周波数に対して
十分に離れている周波数成分を有する干渉波信号が上記
各帯域通過フィルタの出力端に入力される場合、上記干
渉波信号が上記各帯域通過フィルタの入力端を介して上
記周波数変換手段に入力されるが、上記干渉波信号の周
波数が上記各基準信号の周波数に対して十分に離れてい
るので、上記干渉波信号の周波数成分は上記各中間周波
信号に変換されないで除去され、すなわち上記各検波信
号に現れることがなく、上記自動設定動作に影響を与え
ることがない。従って、簡単な回路構成でしかも従来例
に比較して良好な精度で、上記並列多段型帯域通過フィ
ルタの中心周波数と帯域幅とをそれぞれ所望の設定値に
自動的に設定することができる。
【0038】また、請求項11記載の自動設定装置にお
いては、好ましくは、さらに、上記並列多段型帯域通過
フィルタにおいて設定すべき中心周波数と帯域幅とを入
力する入力手段を備える。これによって、上記並列多段
型帯域通過フィルタにおいて設定すべき中心周波数と帯
域幅とを上記入力手段を用いて入力できる。
【0039】さらに、請求項12記載の自動設定装置に
おいては、好ましくは、さらに、上記並列多段型帯域通
過フィルタにおいて設定すべき中心周波数と帯域幅の情
報を外部装置から受信する受信手段を備える。これによ
って、上記並列多段型帯域通過フィルタにおいて設定す
べき中心周波数と帯域幅の情報とを外部装置から受信す
ることができる。
【0040】またさらに、請求項13記載の自動設定装
置においては、好ましくは、上記各帯域通過フィルタは
それぞれ共振器を備え、上記制御手段の上記周波数制御
手段は、上記検波手段によって検波された上記各検波信
号に基づいて上記各基準信号の周波数がそれぞれ上記各
共振器の共振周波数に一致するように上記第1の信号発
生手段と上記第2の信号発生手段とを制御して上記各基
準信号の周波数と上記各局部発振信号の局部発振周波数
とを変更し、上記変更された上記各基準信号の周波数に
基づいて上記各帯域通過フィルタの中心周波数がそれぞ
れ上記設定すべき各中心周波数に一致するように上記各
帯域通過フィルタを制御する。従って、従来例に比較し
てより良好な精度で、上記並列多段型帯域通過フィルタ
の中心周波数と帯域幅とをそれぞれ所望の設定値に自動
的に設定することができる。
【0041】また、請求項14記載の自動設定装置にお
いては、好ましくは、上記各帯域通過フィルタはそれぞ
れ、上記各帯域通過フィルタの中心周波数を決定する素
子定数を変化させることが可能である周波数可変素子を
備え、上記制御手段の上記前置周波数制御手段は、上記
周波数制御手段による上記各帯域通過フィルタの中心周
波数の上記制御に先立って、上記各帯域通過フィルタの
中心周波数と上記各周波数可変素子の素子定数との間の
予め測定された関係に基づいて、上記各帯域通過フィル
タの中心周波数がそれぞれ上記設定すべき各中心周波数
に概ね一致するように上記素子定数変更手段を制御して
上記各帯域通過フィルタの周波数可変素子の素子定数を
変更させる。従って、上記周波数制御手段による上記各
帯域通過フィルタの中心周波数の上記制御に先立って、
上記各帯域通過フィルタの中心周波数をそれぞれ上記設
定すべき各中心周波数に概ね一致させる粗調整処理を行
い、これによって、上記自動設定動作をより高速で行う
ことができる。
【0042】さらに、請求項15記載の自動設定装置に
おいては、好ましくは、上記各帯域通過フィルタはそれ
ぞれ、上記各帯域通過フィルタの中心周波数を決定する
素子定数を変化させることが可能である周波数可変素子
を備え、上記制御手段の上記周波数制御手段は、上記検
波手段によって検波された上記各検波信号に基づいてそ
れぞれ上記各検波信号のレベルが最小となるように上記
素子定数変更手段を制御して上記各帯域通過フィルタの
周波数可変素子の各素子定数を変更させ、これによって
上記各帯域通過フィルタの各中心周波数を制御する。従
って、従来例に比較してより良好な精度で、上記並列多
段型帯域通過フィルタの中心周波数と帯域幅とをそれぞ
れ所望の設定値に自動的に設定することができる。
【0043】またさらに、請求項16記載の自動設定装
置においては、好ましくは、上記制御手段の上記前置周
波数制御手段は、上記周波数制御手段による上記各帯域
通過フィルタの中心周波数の上記制御に先立って、上記
各帯域通過フィルタの中心周波数と上記各周波数可変素
子の素子定数との間の予め測定された関係に基づいて、
上記各帯域通過フィルタの中心周波数がそれぞれ上記設
定すべき各中心周波数に概ね一致するように上記素子定
数変更手段を制御して上記各帯域通過フィルタの周波数
可変素子の素子定数を変更させる。従って、上記周波数
制御手段による上記各帯域通過フィルタの中心周波数の
上記制御に先立って、上記各帯域通過フィルタの中心周
波数をそれぞれ上記設定すべき各中心周波数に概ね一致
させる粗調整処理を行い、これによって、上記自動設定
動作をより高速で行うことができる。
【0044】また、請求項17記載の並列多段自動同調
型帯域通過フィルタにおいては、それぞれ中心周波数を
変化することが可能な複数の帯域通過フィルタが電気的
に並列に接続された並列多段型帯域通過フィルタと、請
求項10、11、12、13、14、15又は16記載
の自動設定装置とを備えて、並列多段自動同調型帯域通
過フィルタを構成することができる。
【0045】さらに、請求項18記載のアンテナ共用装
置においては、請求項17記載の並列多段自動同調型帯
域通過フィルタを複数個備え、上記各並列多段自動同調
型帯域通過フィルタ内の各帯域通過フィルタから出力さ
れる信号を出力する、上記各並列多段自動同調型帯域通
過フィルタの各出力端子をともに電気的に接続すること
によって、上記各並列多段自動同調型帯域通過フィルタ
が他のチャンネルからの回り込みの信号の影響を受ける
ことなく、上述の自動設定動作を行うことができるアン
テナ共用装置を構成することができる。
【0046】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る実施例に
ついて説明する。
【0047】<第1の実施例>図1は本発明の第1の実
施例である自動同調型帯域通過フィルタ2dのブロック
図である。この第1の実施例の自動同調型帯域通過フィ
ルタ2dは、誘電体共振器31を含む帯域通過フィルタ
30を備え、キーボード81を用いて入力される、自動
同調型帯域通過フィルタ2dにおいて設定すべき中心周
波数(以下、設定周波数という。)fdのデータに基づ
いて、内蔵する信号発生器71に上記設定周波数fdの
信号を発生させ、当該信号を基準信号として用いて、帯
域通過フィルタ30の中心周波数fcを上記設定周波数
fdに概ね一致させるように自動的に調整することを特
徴としている。
【0048】また、自動同調型帯域通過フィルタ2dに
おける帯域通過フィルタ30の同調動作においては、送
信機1から出力される送信信号の出力を停止させた後、
上記基準信号の周波数から所定の中間周波数fIFだけ高
い周波数側にずれた局部発振周波数fLを有する局部発
振信号を局部発振器61によって発生させ、次いで、上
記基準信号を帯域通過フィルタ30に入力させたとき
に、帯域通過フィルタ30から反射してくる上記基準信
号の反射信号と、アンテナ4を介して入力された後当該
帯域通過フィルタ30を通過してくる干渉波信号とを含
む信号(以下、検出信号という。)を、上記局部発振信
号を用いて混合器64及び上記中間周波数fIFの成分の
みを通過させる帯域通過フィルタ65からなる周波数変
換回路によって上記中間周波数fIFの中間周波信号に変
換し、変換された中間周波信号を検波し、検波後の検波
信号に基づいて、上記検波信号のレベルが概ね最小とな
るように、すなわち各帯域通過フィルタ30の信号通過
帯域の中心周波数fcが上記基準信号の周波数fdに概
ね一致するように、帯域通過フィルタ30内の誘電体共
振器31の可変キャパシタンスVCを変化させる、ステ
ッピングモータ33を駆動することを特徴としている。
【0049】図1に示すように、送信機1から出力され
かつ予め決められた一定のレベルを有し、例えばUHF
帯の周波数f1の送信信号は、送信用帯域通過フィルタ
として用いられる本実施例の自動同調型帯域通過フィル
タ2d及びアンテナ系の給電線路を介してアンテナ4に
出力され、上記送信信号がアンテナ4から放射される。
【0050】自動同調型帯域通過フィルタ2dにおい
て、送信機1から出力される送信信号はアイソレータ1
0を介して方向性結合器20の入力端20aに入力され
る。方向性結合器20は、上記分配された送信信号を通
過させる通過線路と、当該通過線路と電磁気的に結合し
通過する送信信号と結合線路の入力端20rに入力され
る基準信号とを合成できるように上記通過線路から所定
の間隔だけ離れて方向性結合器20の通過線路の出力端
20b側に設けられる基準信号合成用結合線路とを備え
る。方向性結合器20の通過線路の出力端20bから出
力される信号は、方向性結合器20と同様の構成を有す
る方向性結合器21の入力端21aと出力端21bとを
介して、帯域通過フィルタ30の入力端子T1に入力さ
れる。ここで、方向性結合器21は、方向性結合器20
を通過した後の信号を通過させる通過線路と、当該通過
線路と電磁気的に結合し出力端21bに接続された回路
から反射されて入力される反射信号の電力の一部を分岐
させて取り出すことができるように通過線路から所定の
間隔だけ離れて方向性結合器21の出力端21b側に設
けられ反射信号を検出する反射信号検出用結合線路とを
備え、当該反射信号検出用結合線路は出力端21rを備
える。当該結合線路の出力端21rから出力される信号
は、主信号として増幅器76を介して混合器64の主信
号入力端子に入力される。さらに、帯域通過フィルタ3
0の出力端子T2から出力される信号は、上述のよう
に、アンテナ系の給電線路を介してアンテナ4に出力さ
れる。
【0051】帯域通過フィルタ30は、誘電体共振器3
1を備え、中心周波数fcを有する。当該帯域通過フィ
ルタ30内の誘電体共振器31は、図2の等価回路に示
すように、それぞれ並列に接続された2個のインダクタ
ンスL11,L12と可変キャパシタンスVCと損失抵
抗Roとから構成され、インダクタンスL11が入力側
コイルL1に誘導結合+Mにより電磁気的に結合され、
一方、インダクタンスL12が帯域通過フィルタ30の
出力側コイルL2に誘導結合+Mにより電磁気的に結合
される。なお、入力側コイルL1の一端は入力端子T1
に接続され、その他端はアースに接続される。出力側コ
イルL2の一端は出力端子T2に接続され、その他端は
アースに接続される。さらに、キャパシタンスVCの静
電容量は、詳細後述するように制御回路50によって、
モータ駆動回路32を介して制御される、ステッピング
モータ33によって変化される。
【0052】図3に、誘電体共振器31を備えた各帯域
通過フィルタ30の断面図を示す。図3に示すように、
円筒形状の誘電体共振子211が、円筒形状のシールド
ケース210内の中央部にて、誘電体共振子211と同
一線膨張係数を有する支持台214上に載置されてい
る。この誘電体共振子211は、例えばTiO2を主成
分としてこれにZrSnを混合したセラミック誘電体共
振子であり、本実施例の誘電体共振器31は基本モード
であるTE01δモードにおいて、約886.4MHzの
共振周波数f0を有する。また、当該誘電体共振子21
1の円筒内部には、円柱形状の誘電体同調素子212が
シャフト215によって支持されて設けられる。ここ
で、シャフト215は、ステッピングモータ33によっ
て矢印A1の−方向及びその反対方向の矢印A2の+方
向に移動される。上記誘電体同調素子212を当該誘電
体共振子211の電場の勾配中において移動させること
により、当該誘電体共振子211の共振周波数f0を微
調整することができる。
【0053】図4は、図3の帯域通過フィルタ30の誘
電体同調素子212の位置と、誘電体共振器31の共振
周波数f0に概ね等しい帯域通過フィルタ30の中心周
波数fcとの関係を示すグラフである。ここで、gは誘
電体同調素子212の上面からシールドケース210の
上面内側までの距離である。図4から明らかなように、
誘電体同調素子212をシールドケース210の上面か
ら離して行くことによって、すなわち距離gを増大させ
ることによって、上記誘電体共振子211の共振周波数
0は距離gに概ね反比例して変化する。従って、誘電
体共振子211がある位置にあるときの共振周波数をf
0とし、帯域通過フィルタ30において設定すべき中心
周波数をfssとすると、当該誘電体共振器31の共振
周波数f 0を上記設定周波数fssに設定するために
は、誘電体同調素子212を移動すべき距離lmは次の
数1で表される。
【0054】
【数1】lm=k(f0−fss)
【0055】ここで、kは図4のグラフから決定される
定数である。本実施例では、詳細後述するように、数1
を用いて計算される移動距離lmに対応したパルス数の
パルス駆動信号をステッピングモータ33に入力させ
て、帯域通過フィルタ30内の誘電体同調素子212を
移動させ、これによって、帯域通過フィルタ30の中心
周波数fcを上記設定周波数fssに概ね一致するよう
に、帯域通過フィルタ30についての同調処理を行なう
ことができる。
【0056】図3において、上記シールドケース210
は、誘電体共振子211と同一の線膨張係数を有するセ
ラミックにてなる円筒形状の筺体の外表面に、電磁的遮
蔽のために、銀電極を焼き付けて構成されている。この
シールドケース210の下面上であって上記誘電体共振
子211の円筒外側縁端部の直下に、円筒の中心を中心
として互いに対向して離れた2つの位置にそれぞれ、図
3に示すように、当該誘電体共振子211の磁界と結合
するように、例えばそれぞれ1ターンの入力側コイルL
1と出力側コイルL2が設けられている。
【0057】図5は、図2及び図3の帯域通過フィルタ
30の出力端を所定のインピーダンスを有する終端抵抗
で終端した場合の当該帯域通過フィルタ30の入力端反
射係数S11の周波数特性を示すグラフである。図5から
明らかなように、入力端反射係数S11に対応する反射損
失は、誘電体共振器31の共振周波数f0において最小
となる。本実施例においては、図5の特性を利用して詳
細後述するように帯域通過フィルタ30の中心周波数の
設定処理を行う。
【0058】次いで、自動同調型帯域通過フィルタ2d
内の信号処理系及び制御系の回路について図1を参照し
て説明する。
【0059】図1に示すように、信号発生器71はPL
L回路を含み、発生する正弦波の基準信号の周波数を変
化させることができる信号発生器である。信号発生器7
1は、制御回路50のCPU51からインターフェイス
回路54を介して入力される設定周波数fdに等しい周
波数fs1のデータに基づいて、所定の信号レベルを有
する周波数fs1の基準信号を発生して、当該基準信号
を増幅器72及びアイソレータ74を介して方向性結合
器20の結合線路の入力端20rに出力する。また、局
部発振器61はPLL回路を含み、発生する正弦波の基
準信号の周波数を変化させることができる信号発生器で
ある。局部発振器61は、制御回路50のCPU51か
らインターフェイス回路54を介して入力される周波数
fs2のデータに基づいて、所定の信号レベルを有しか
つ上記周波数fs2に等しい局部発振周波数fLの局部
発振信号を発生して、当該局部発振信号を増幅器63を
介して混合器64の局部発振信号入力端子に出力する。
ここで、上記周波数fs2すなわち局部発振周波数fL
は詳細後述するように、fL=fs1+fIF、すなわち
上記基準信号の設定周波数fs1に所定の中間周波数f
IFを加算した周波数である。
【0060】当該自動同調型帯域通過フィルタ2dにお
いて、上記設定周波数fdと近接しているが上記設定周
波数fdと異なる周波数fIを有する、例えば他の無線
通信システムからの干渉波信号がアンテナ4を介して当
該自動同調型帯域通過フィルタ2dに入力されるとき、
当該干渉波信号は、図1に示すように、帯域通過フィル
タ30及び方向性結合器21の結合線路を介してその出
力端21rから出力される。一方、このとき、送信機1
から送信信号が送信されておらず、上述のように信号発
生器71が設定周波数fs1の基準信号を発生している
とき、当該基準信号は、増幅器72、アイソレータ74
及び方向性結合器20,21を介して帯域通過フィルタ
30の入力端子T1に入力される。このとき、図5を参
照して説明したように、帯域通過フィルタ30からの反
射信号が入力端子T1から出力され、この反射信号は、
方向性結合器21の結合線路を介してその出力端21r
から出力される。従って、この場合、方向性結合器21
の結合線路の出力端21rから、周波数fs1,fI
成分を含む上記検出信号が出力されることになる。この
検出信号は増幅器76を介して混合器64の主信号入力
端子に入力される。
【0061】乗算器で構成される混合器64は、増幅器
76から入力される上記検出信号と、増幅器63から入
力される局部発振信号とを混合して乗算し、混合後の信
号を帯域通過フィルタ65に出力する。ここで、混合器
64から出力される混合後の信号は、fL+fs1,fL
−fs1=fIF,fL+fI,fL−fIなどの周波数成分
を含むが、帯域通過フィルタ65は入力された混合後の
信号のうち中間周波数fIFの成分(以下、中間周波信号
という。)のみを通過させた後、当該中間周波信号を増
幅器66を介して検波回路67に出力する。なお、上述
のように、局部発振周波数fLはfL=fs1+fIFのよ
うに設定されるので、設定周波数fs1がいかなる値を
とっても、中間周波数fIFは一定である。
【0062】また、混合器64において、混合後の上記
各種周波数を含む信号のレベルは、公知の通り、方向性
結合器21の結合線路の出力端21rから増幅器76を
介して混合器64に入力される周波数fs1,fIの検
出信号のレベルと、増幅器63から混合器64に入力さ
れる局部発振周波数fLの局部発振信号のレベルの積に
比例しており、さらに、帯域通過フィルタ65の通過後
の中間周波信号のレベルは、増幅器76から混合器64
に入力される周波数fs1の検出信号のレベルと、増幅
器63から混合器64に入力される局部発振周波数fL
の局部発振信号のレベルの積に比例している。一方、上
述のように局部発振器61から出力される局部発振信号
の信号レベルは一定であり、また、信号発生器71から
出力される基準信号の信号レベルは一定であるので、上
記中間周波信号のレベルは、方向性結合器21の結合線
路の出力端21rから増幅器76を介して混合器64に
入力される周波数fs1の検出信号のレベルに比例して
いる。従って、上述のように、局部発振周波数fL=f
s1+fIFを有する局部発振信号を発生させ、発生され
た局部発振信号を用いて上記検出信号を上記中間周波信
号に周波数変換することによって、上記中間周波信号の
レベルは、上記検出信号のうち周波数fIの干渉波信号
のレベルに独立となる。
【0063】上記検波回路67は、入力された中間周波
信号を検波した後、所定のカットオフ周波数を有する低
域通過フィルタ(LPF)68及び増幅器69を介して
アナログ/デジタル変換(以下、A/D変換という。)
回路70に出力する。A/D変換回路70は、上記中間
周波信号から検波されたアナログ電圧信号をデジタル電
圧信号に変換して、制御回路50内のインターフェイス
回路57を介してCPU51に出力する。
【0064】図1に示すように、自動同調型帯域通過フ
ィルタ2d内の制御回路50は、帯域通過フィルタ30
の上記同調処理を実行し当該帯域通過フィルタ30内の
誘電体共振器31を制御するCPU51と、上記同調処
理の制御プログラム及び当該制御プログラムを実行する
ために必要なデータ(例えば、帯域通過フィルタ30内
の誘電体共振器31の誘電体同調素子212の後述する
所定位置の予め測定された共振周波数f0、並びに図4
の関係を示す数1における係数kなどである。)を予め
格納するためのROM52と、CPU51のワーキング
エリアとして用いられかつ各インターフェイス回路5
7,80を介して入力されるデータを格納するためのR
AM53とを備える。制御回路50はさらに、信号発生
器71及び局部発振器61に接続されるインターフェイ
ス回路54と、モータ駆動回路32を介してステッピン
グモータ33に接続されるインターフェイス回路56
と、A/D変換回路70に接続されるインターフェイス
回路57と、キーボード81に接続されるインターフェ
イス回路80とを備える。制御回路50内において、C
PU51と、ROM52と、RAM53と、各インター
フェイス回路54乃至57,80とがバス58を介して
接続されている。なお、本実施例において、当該自動同
調型帯域通過フィルタ2dにおいて設定すべき中心周波
数fdをキーボード81からインターフェイス回路80
を介してRAM53に取り込む処理を、CPU51の割
り込み処理で行っている。
【0065】当該CPU51は、信号発生器71に設定
周波数fdに等しい周波数fs1の基準信号を発生させ
た後、帯域通過フィルタ30内の誘電体共振器31の共
振周波数f0を上記基準信号の周波数fs1に概ね一致
させる帯域通過フィルタ30についての同調処理を行
う。すなわち、上記同調処理においては、A/D変換回
路70からインターフェイス回路57を介してCPU5
1に入力される上記検波信号のレベルが概ね最小となる
ように、ステッピングモータ33を駆動するためのモー
タ駆動信号をインターフェイス回路56及びモータ駆動
回路32を介してステッピングモータ33に出力して駆
動する。ここで、ステッピングモータ33に+極性のパ
ルスのモータ駆動信号が入力されるとき、帯域通過フィ
ルタ30内の誘電体同調素子212が図3に示すように
矢印A2の方向に移動され、また、ステッピングモータ
33に−極性のパルスのモータ駆動信号が入力されると
き、帯域通過フィルタ30内の誘電体同調素子212が
矢印A1の方向に移動される。これによって、図2の等
価回路における可変キャパシタンスVCの静電容量が変
化し、誘電体共振器31の共振周波数f0を変化させ、
これによって、共振周波数f0に概ね等しい帯域通過フ
ィルタ30の中心周波数fcを変化させることができ
る。本実施例においては、制御回路50が、検波回路6
7から出力される検波信号のレベルが概ね最小となるよ
うにステッピングモータ33を駆動して、帯域通過フィ
ルタ30内の誘電体共振器31の共振周波数を変化さ
せ、これによって、共振周波数f0に概ね等しい帯域通
過フィルタ30の中心周波数fcを、信号発生器71に
よって発生される基準信号の周波数fs1に概ね一致さ
せることができる。
【0066】図6は図1の自動同調型帯域通過フィルタ
2dの制御回路50の同調処理のメインルーチンを示す
フローチャートであり、このメインルーチンは、上記同
調処理を実行して、当該帯域通過フィルタ30の中心周
波数fcを、キーボード81を用いて入力した設定周波
数fdに自動的に設定するための処理である。なお、こ
のメインルーチンのスタート前の初期状態において、帯
域通過フィルタ30内の誘電体共振器31の誘電体同調
素子212は任意の距離gの位置にある。このメインル
ーチンにおいて、ステップS103とステップS104
の処理は、内蔵する帯域通過フィルタ30の中心周波数
fcをそれぞれ、設定周波数fdの近傍の周波数に変化
させる粗同調処理であり、ステップS105からステッ
プS107までの処理は、内蔵する帯域通過フィルタ3
0の中心周波数fcを、上記粗同調処理後の上記周波数
fdの近傍の周波数から変化させて上記設定周波数fd
に概ね一致させるための微同調処理である。
【0067】制御回路50の電源スイッチ(図示せ
ず。)がオンされたとき図6の同調処理のメインルーチ
ンがスタートされ、まず、ステップS101において帯
域通過フィルタ30内の誘電体同調素子212をステッ
ピングモータ33を駆動して、g=4[mm]の位置
(以下、ホーム位置という。)に移動させる。すなわ
ち、本実施例においては、帯域通過フィルタ30内の誘
電体同調素子212は、上記ホーム位置から矢印A1の
方向に移動できないように、各帯域通過フィルタ30内
に誘電体同調素子用ストッパ(図示せず。)が設けら
れ、ステップS101において、ステッピングモータ3
3に−極性のパルスのモータ駆動信号が連続的に入力さ
れ、各誘電体同調素子212が上記ストッパによってホ
ーム位置に停止されたとき、当該ホーム位置に設けられ
たマイクロスイッチ(図示せず。)がオンとなり、この
とき、各ステッピングモータ33の駆動が停止される。
なお、当該ホーム位置における帯域通過フィルタ30内
の各誘電体共振器31の各共振周波数f0は、予め測定
された図4に示すように897[MHz]であり、その
データがRAM53に格納される。
【0068】次いで、ステップS102において、キー
ボード81を用いて、当該自動同調型帯域通過フィルタ
2dにおいて設定すべき設定周波数fdのデータが入力
されたか否かが判断され、入力されていないとき(ステ
ップS102においてNO)ステップS102のループ
処理を繰り返して待機状態となり、一方、入力されたと
き(ステップS102においてYES)ステップS10
3に進む。次いで、ステップS103において、粗同調
処理を行うため、RAM53に格納された共振周波数f
0のデータと設定すべき設定周波数fd(=fss)の
データに基づいて、数1を用いて帯域通過フィルタ30
内の誘電体同調素子212を移動させるべき移動距離l
mを計算する。次いで、ステップS104において、上
記計算された移動距離lmに対応したパルス数のパルス
駆動信号をそれぞれステッピングモータ33に入力させ
て、帯域通過フィルタ30内の誘電体同調素子212を
移動させる。なお、移動距離lmが正であるときはそれ
ぞれ、+の極性のパルス駆動信号がステッピングモータ
33に入力され、これによって、誘電体同調素子212
が上記移動距離lmだけ矢印A2の方向に移動され、一
方、移動距離lmが負であるときはそれぞれ、−の極性
のパルス駆動信号がステッピングモータ33に入力さ
れ、これによって、誘電体同調素子212が上記移動距
離lmだけ矢印A1の方向に移動される。以上で、粗同
調処理が終了する。
【0069】さらに、微同調処理を行うため、ステップ
S105において設定周波数fdのデータを設定周波数
fs1として信号発生器71に出力して、信号発生器7
1に設定周波数fs1の基準信号を発生させるととも
に、上記局部発振周波数fL(=fd+fIF)のデータ
を発振周波数fs2として局部発振器61に出力して、
局部発振器61に局部発振周波数fLの局部発振信号を
発生させる。次いで、ステップS106において、設定
周波数fdのデータを設定周波数fssとしてRAM5
3に格納する。さらに、ステップS107において、内
蔵する帯域通過フィルタ30の中心周波数fcを、上記
粗同調処理後の上記設定周波数fdの近傍の周波数から
変化させて、上記設定周波数fdに概ね一致させるため
の微同調処理(図7及び図8、並びに図9乃至図12参
照。)を実行した後、ステップS102に戻る。以下、
上記粗同調処理と上記微同調処理は、キーボード81を
用いて、当該自動同調型帯域通過フィルタ2dの設定周
波数が新たに入力される毎に繰り返される。
【0070】図7及び図8に、微同調処理(図6のステ
ップS107,及び後述する図15のステップS10,
S14)のサブルーチンのフローチャートを示す。
【0071】図7に示すように、ステップS21におい
て、A/D変換回路70から入力される出力電圧V1を
測定してRAM53に格納した後、ステップS22にお
いてステッピングモータ33に+の極性の1パルス分の
モータ駆動信号を入力させて、誘電体同調素子212を
矢印A2の+方向に移動させる。さらに、ステップS2
3においてA/D変換回路70から入力される出力電圧
V2を測定してRAM53に格納した後、図8に示すよ
うに、ステップS24において出力電圧V1が出力電圧
V2よりも大きいか否かを判別する。ステップS24に
おいて、出力電圧V1が出力電圧V2よりも大きいとき
(ステップS24においてYES)ステップS25にお
いてステッピングモータ33の駆動方向、すなわち誘電
体同調素子212の移動方向を矢印A2の+方向に設定
した後、ステップS27に進む。一方、ステップS24
において、出力電圧V1が出力電圧V2以下のとき(ス
テップS24においてNO)ステップS26においてス
テッピングモータ33の駆動方向、すなわち誘電体同調
素子212の移動方向を矢印A1の−方向に設定した
後、ステップS27に進む。
【0072】次いで、ステップS27において、上記ス
テップS25又はS26において設定された駆動方向に
対応する極性を有する1パルス分のモータ駆動信号をス
テッピングモータ33に入力させて、誘電体同調素子2
12を上記設定された駆動方向に移動させる。次いで、
ステップS28においてA/D変換回路70から入力さ
れる出力電圧V3を測定してRAM53に格納した後、
ステップS29において出力電圧V2が出力電圧V3よ
りも小さいか否かを判別する。ステップS29におい
て、出力電圧V2が出力電圧V3以上であるとき(ステ
ップS29においてNO)、帯域通過フィルタ30の中
心周波数fcがいまだ上記基準信号の設定周波数fs1
に概ね一致する近傍の周波数になっていないので、ステ
ップS30において出力電圧V3を出力電圧V2として
RAM53に格納した後、上述のステップS27乃至S
29の処理を繰り返すため、ステップS27に進む。
【0073】一方、ステップS29において、出力電圧
V2が出力電圧V3よりも小さいとき(ステップS29
においてYES)、ステップS31において、ステッピ
ングモータ33を、上記ステップS25又はS26にお
いて設定された駆動方向と反対の駆動方向に対応する極
性を有する1パルス分のモータ駆動信号をステッピング
モータ33に入力させて、誘電体同調素子212を上記
設定された駆動方向と反対の駆動方向に移動させる。こ
れによって、帯域通過フィルタ30の中心周波数fc
が、上記ステッピングモータ33を駆動する1パルスに
対応する周波数精度で、上記基準信号の設定周波数fs
1に概ね一致する。以上で、上記微同調処理が終了し、
図6のメインルーチンに戻る。
【0074】本実施例においては、上述のように、局部
発振周波数fL(=fs1+fIF)の局部発振信号を局
部発振器61に発生させ、発生された局部発振信号を用
いて上記検出信号を、混合器64及び帯域通過フィルタ
65からなる周波数変換回路によって中間周波信号に周
波数変換することによって、中間周波信号のレベルは、
干渉波信号の周波数fIの信号のレベルに独立となる。
また、この中間周波信号を検波することによって得られ
た検波信号のレベルは、A/D変換回路70から制御回
路50のCPU51に入力される出力電圧に比例してい
る。従って、A/D変換回路70の出力電圧は、方向性
結合器21の結合線路の出力端21rから出力される検
出信号のうちの周波数fs1のみの成分のレベルに比例
している。すなわち、上記検出信号のうちの周波数fs
1の成分のレベルに比例するA/D変換回路70の出力
電圧に基づいて帯域通過フィルタ30内の誘電体共振器
31を制御しているので、従来例のように、例えば他の
無線通信システムから回り込む干渉波信号に影響を受け
ることなく上記同調処理を行なうことができる。
【0075】本発明者の実験によれば、上記粗同調処理
と上記微同調処理から構成される同調処理によって、ス
テッピングモータ33を駆動する1個のパルス信号に対
応する約10kHz未満の精度で、内蔵する帯域通過フ
ィルタ30の中心周波数fcを、信号発生器71から出
力される基準信号の設定周波数fs1に一致させること
ができた。
【0076】図9乃至図12に、微同調処理(図6のス
テップS107,及び後述する図15のステップS1
0,S14)のサブルーチンの変形例のフローチャート
を示す。
【0077】図9に示すように、ステップS131にお
いて、設定周波数fssを信号発生器71用初期設定周
波数fp1としてRAM53に格納するとともに、設定
周波数fssに中間周波数fIFを加算した周波数(fs
s+fIF)を局部発振器61用初期設定周波数fp2と
してRAM53に格納する。次いで、ステップS132
においてA/D変換回路70から入力される出力電圧V
0を測定してRAM53に格納する。さらに、ステップ
S133において予め決められてROM52に格納され
た周波数変更量の初期値Δfpoを周波数変更量Δfp
としてRAM53に格納した後、ステップS134にお
いて周波数(fp1+Δfp)を周波数fs1としてR
AM53に格納して当該周波数fs1のデータを信号発
生器71に出力して周波数fs1の基準信号を発生させ
るとともに、周波数(fp2+Δfp)を周波数fs2
としてRAM53に格納して当該周波数fs2のデータ
を局部発振器61に出力して周波数fs2の局部発振信
号を発生させる。次いで、ステップS135においてA
/D変換回路70から入力される出力電圧V1を測定し
てRAM53に格納した後、ステップS136において
出力電圧V0と出力電圧V1とを比較し、出力電圧V0
が出力電圧V1よりも大きいか否かが判断される。もし
V0>V1のとき(ステップS136においてYE
S)、ステップS137において、信号発生器71によ
って発生される基準信号の周波数fs1と局部発振器6
1によって発生される局部発振信号の周波数fs2の各
変更方向を示す周波数変更フラグFFを1にセットした
後、図10のステップS141に進む。一方、もしV0
≦V1のとき(ステップS136においてNO)、ステ
ップS138において周波数変更フラグFFを0にリセ
ットした後、図10のステップS141に進む。
【0078】図10に示すように、ステップS141に
おいて処理パラメータJを0にリセットした後、ステッ
プS142において周波数変更フラグFFが1であるか
否かが判断される。もし周波数変更フラグFFが1であ
るとき(ステップS142においてYES)、ステップ
S143において周波数(fs1+Δfp)を周波数f
s1としてセットしてRAM53に格納し、当該周波数
fs1のデータを信号発生器71に出力して周波数fs
1の基準信号を発生させるとともに、周波数(fs2+
Δfp)を周波数fs2としてセットしてRAM53に
格納し、当該周波数fs2のデータを局部発振器61に
出力して周波数fs2の局部発振信号を発生させた後、
ステップS145に進む。一方、周波数変更フラグFF
が0であるとき(ステップS142においてNO)、周
波数(fs1−Δfp)を周波数fs1としてセットし
てRAM53に格納し、当該周波数fs1のデータを信
号発生器71に出力して周波数fs1の基準信号を発生
させるとともに、周波数(fs2−Δfp)を周波数f
s2としてセットしてRAM53に格納し、当該周波数
fs2のデータを局部発振器61に出力して周波数fs
2の局部発振信号を発生させた後、ステップS145に
進む。
【0079】ステップS145においてA/D変換回路
70から入力される出力電圧V2を測定してRAM53
に格納した後、ステップS146において出力電圧V2
が出力電圧V1よりも大きいか否かが判断される。ここ
で、もしV2≦V1であるとき(ステップS146にお
いてNO)、再び同一の周波数変更方向で信号発生器7
1によって発生される基準信号の周波数及び局部発振器
61によって発生される局部発振信号の周波数を変更す
るため、ステップS148においてRAM53に格納さ
れた出力電圧V2を出力電圧V1としてRAM53に格
納した後、ステップS142に戻り、当該ステップS1
42以降の処理を続ける。一方、もしV2>V1である
とき(ステップS146においてYES)、ステップS
149において処理パラメータJが2以上であるか否か
が判断される。
【0080】もし処理パラメータJが2未満であるとき
(ステップS149においてNO)、基準信号の周波数
fs1と局部発振信号の周波数fs2を、上げる方向と
下げる方向の2つの周波数変更方向(以下、2つの周波
数変更方向という。)で上記ステップS142からステ
ップS145までの処理を行っていないと判断して図1
1のステップS151に進み、一方、処理パラメータJ
が2以上であるとき、上記2つの周波数変更方向で上記
ステップS142からステップS145までの処理を行
ったと判断してステップS150に進む。ステップS1
50において、共振周波数f0に実質的に一致する基準
信号の周波数fs1と設定周波数fssとの差の絶対値
│fs1−fss│が予め決められた周波数誤差のしき
い値εよりも小さいか否かが判断される。もし│fs1
−fss│<εならば(ステップS150においてYE
S)、所定の誤差範囲内の所望の精度で微同調処理が完
了したとして、元のメインルーチンに戻る。一方、もし
│fs1−fss│≧εならば(ステップS150にお
いてNO)、信号発生器71によって発生される基準信
号の周波数fs1が所定の誤差範囲内に入っていないの
で、図12のステップS161に進む。
【0081】ステップS149から分岐する図11のス
テップS151において、周波数変更フラグFFが1で
あるか否かが判断される。もし周波数変更フラグFFが
1であるとき(ステップS151においてYES)ステ
ップS152において周波数変更フラグFFを0にリセ
ットした後、ステップS154に進み、一方、もし周波
数変更フラグFFが0であるとき(ステップS151に
おいてNO)ステップS153において周波数変更フラ
グFFを1にセットした後、ステップS154に進む。
上記ステップS151乃至S153において周波数の変
更方向を変更した後、ステップS154において、周波
数変更量Δfpを2で割った値を周波数変更量Δfpと
してRAM53に格納して周波数変更量Δfpを減少さ
せた後、ステップS155において処理パラメータJに
1を加算して、加算された値を処理パラメータJとして
RAM53に格納し、図10のステップS142に戻
り、ステップS142以降の処理を繰り返す。
【0082】さらに、ステップS150までの処理にお
いて信号発生器71によって発生される基準信号の周波
数fs1と局部発振器61によって発生される局部発振
信号の周波数fs2とを変更することによって当該帯域
通過フィルタ30内の誘電体共振器31の共振周波数f
0を求めることができ、ステップS150から分岐する
図12のステップS161の処理を実行する前における
基準信号の周波数fs1は当該帯域通過フィルタ30内
の誘電体共振器31の共振周波数f0にほぼ等しいこと
から、ステップS161において信号発生器71によっ
て発生された基準信号の周波数fs1と設定周波数fs
sとの差(fs1−fss)に基づいて上記数1と同様
の計算式、すなわちlm=k(fs1−fss)の計算
式を用いて、誘電体同調素子212を移動すべき移動距
離lmを計算した後、ステップS162において上記計
算された移動距離lmに対応したパルス数のパルス駆動
信号をステッピングモータ33に入力させて、誘電体同
調素子212を移動させる。次いで、ステップS163
乃至S165において基準信号の周波数fs1の変更方
向を変更する処理を行なう。すなわち、ステップS16
3において、周波数変更フラグFFが1であるか否かが
判断され、もし周波数変更フラグFFが1であるとき
(ステップS163においてYES)ステップS164
において周波数変更フラグFFを0にリセットした後、
ステップS166に進み、一方、もし周波数変更フラグ
FFが0であるとき(ステップS163においてNO)
ステップS165において周波数変更フラグFFを1に
セットした後、ステップS166に進む。ステップS1
66において、周波数変更量Δfpを2で割った値を周
波数変更量ΔfpとしてRAM53に格納して周波数変
更量を減少させた後、図10のステップS141に戻
る。
【0083】図9乃至図12に図示した微同調処理の変
形例は、図5に図示した、帯域通過フィルタ30からの
反射信号が誘電体共振器31の共振周波数f0で最小と
なるという特性を用いて基準信号の周波数fs1を共振
周波数f0に近づけるように信号発生器71によって発
生される基準信号の周波数fs1を変更して、近づけら
れた周波数fs1が当該共振周波数f0にほぼ等しいと
して共振周波数f0を求めた後、求められた共振周波数
0と設定周波数fssに基づいて誘電体同調素子21
2を移動すべき移動距離lmを計算してその移動距離l
mだけ移動させることによって、帯域通過フィルタ30
の中心周波数fcを設定周波数fssに自動的に設定す
る微同調処理を行っている。
【0084】上述の図7及び図8に図示した微同調処理
では、ステッピングモータ33を駆動することのみで微
同調処理を行っているが、図9乃至図12に図示した微
同調処理の変形例では信号発生器71によって発生され
る基準信号の周波数fs1と局部発振器61によって発
生される局部発振信号の周波数fs2とを変更して誘電
体共振器31の共振周波数f0を求めることと、ステッ
ピングモータ33を駆動することとを併用している。一
般に、ステッピングモータ33を駆動して誘電体同調素
子212を移動させる処理速度は、例えばPLL回路を
含む信号発生器71が発生する基準信号の周波数を所定
の周波数に設定する処理速度に比較して遅いため、後者
の変形例の微同調処理の方が高速で当該処理を実行する
ことができる。なお、ステップS154,S166にお
いて周波数の変更量Δfpを減少させるための除数とし
て2を用いているが、例えば3,4,5など1を超える
数であってもよい。
【0085】上記ステップS133で用いる予め決めら
れた周波数変更量の初期値Δfpoは好ましくは約30
kHzであり、上記ステップS150において用いる周
波数誤差のしきい値εは好ましくは、5kHz乃至10
kHzである。本発明者のシミュレーションによれば、
図6における粗同調処理の完了時に、設定周波数fss
と実際の帯域通過フィルタ30の中心周波数fcとの周
波数ずれは約50kHz乃至100kHzであるが、さ
らに図7及び図8、もしくは図9乃至図12に図示した
微同調処理を行なうことによって、上記周波数ずれは約
5kHz乃至10kHz以下になり、従来例に比較して
より精確に帯域通過フィルタ30の中心周波数の設定処
理を行なうことができる。
【0086】以上のように構成された自動同調型帯域通
過フィルタ2dにおいては、上記検出信号を検出するた
めに方向性結合器21を用いているが、例えば帯域通過
フィルタ30内の誘電体共振器31のインダクタンスL
11に、密又は疎の誘導結合により結合するように検出
ループを設けて上記検出信号を検出することも技術的に
可能である。しかしながら、密の誘導結合の検出ループ
を設けた場合、上記検出ループを含む誘電体共振器31
の無負荷Q(Q0)が減少し、これによって誘電体共振
器31の挿入損失が増加するとともに、誘電体共振器3
1を含む帯域通過フィルタ30において所望のシャープ
な帯域通過特性を実現することができなくなるという欠
点がある。一方、疎の誘導結合の検出ループを設けた場
合、上記検出ループによって検出される上記検出信号の
レベルの変化が小さくなり、これによって混合器64に
入力される上記検出信号のレベルの変化が小さくなり、
混合器64が正常に動作しなくなるという欠点がある。
これらの欠点を回避するために、本実施例においては、
上記検出信号を検出するために方向性結合器21を用い
ている。
【0087】さらに、上記自動同調型帯域通過フィルタ
2dにおいては、送信機1から出力される送信信号を用
いて帯域通過フィルタ30の同調処理を行なうのではな
く、当該帯域通過フィルタ2d内に信号発生器71を備
え、当該信号発生器71によって発生される基準信号を
用いて上述のように各帯域通過フィルタ30について上
記同調処理を行っている。一方、図17に図示した従来
例では、外部回路から高周波信号を入力する必要があ
る。すなわち、本発明に係る本実施例は、外部回路から
信号を入力しないで上記同調処理を行うことができると
いう特徴を有している。
【0088】以上の実施例において、キーボード81を
用いて設定すべき中心周波数fdのデータを入力してい
るが、本発明はこれに限らず、他の制御回路などの外部
装置から中心周波数fdのデータを受信する受信回路又
は制御回路50のインターフェイス回路を設け、制御回
路50は、受信された中心周波数fdのデータに基づい
て上記同調処理を行なうようにしてもよい。
【0089】以上の実施例において、帯域通過フィルタ
30を誘電体共振器31を用いて構成しているが、本発
明はこれに限らず、中心周波数を変化することが可能な
他の種々の帯域通過フィルタを用いてもよい。
【0090】以上の実施例においては、図6のステップ
S103及びS104において粗同調処理を行った後、
ステップS105からステップS107までにおいて帯
域通過フィルタ30の微同調処理を行っているが、本発
明はこれに限らず、上記微同調処理のみを行なうように
構成してもよい。
【0091】以上の実施例において、ステッピングモー
タ33を用いてデジタル的に同調処理を行っているが、
本発明はこれに限らず、アナログ信号により駆動される
モータを用いて低域通過フィルタ68の出力電圧が最小
となるように制御して同調処理を行ってもよい。
【0092】以上の実施例において、上記基準信号の周
波数fs1から所定の中間周波数fIFだけ高い周波数側
にずれた局部発振周波数を有する局部発振信号を局部発
振器61によって発生させているが、本発明はこれに限
らず、上記基準信号の周波数fs1から所定の中間周波
数fIFだけ低い周波数側にずれた局部発振周波数を有す
る局部発振信号を局部発振器61によって発生させても
よい。
【0093】<第2の実施例>図13は本発明の第2の
実施例である並列2段自動同調型帯域通過フィルタ2
a,2b,2cを備えたアンテナ共用装置2のブロック
図であり、図14は図13の並列2段自動同調型帯域通
過フィルタ2aのブロック図である。図13及び図14
において、図1と同様のものについては同一の符号を付
している。
【0094】本実施例の並列2段自動同調型帯域通過フ
ィルタ2a,2b,2cの各々は、合成器11と分配器
12を用いて電気的に並列に接続されかつそれぞれ1個
の誘電体共振器31を含む2個の帯域通過フィルタ30
a,30bを備え、キーボード81を用いて入力され
る、各並列2段自動同調型帯域通過フィルタ2a,2
b,2cの中心周波数fdと帯域幅ΔFのデータに基づ
いて、各帯域通過フィルタ30a,30bにおいて設定
すべき中心周波数f1c,f2cを計算し、まず、上記
計算された中心周波数f1cに基づいて内蔵する信号発
生器71に上記中心周波数f1cの信号を発生させ、当
該信号を基準信号として用いて、帯域通過フィルタ30
aの中心周波数fcを上記中心周波数f1cに概ね一致
させた後、次いで、上記計算された中心周波数f2cに
基づいて内蔵する信号発生器71に上記中心周波数f2
cの信号を発生させ、当該信号を基準信号として用い
て、帯域通過フィルタ30bの中心周波数fcを上記中
心周波数f2cに概ね一致させて同調させ、これによっ
て、各並列2段自動同調型帯域通過フィルタ2a,2
b,2cの中心周波数と帯域幅を上記入力されたデータ
値に自動的に調整することを特徴としている。
【0095】また、各並列2段自動同調型帯域通過フィ
ルタ2a,2b,2cにおける各帯域通過フィルタ30
a,30bの各同調動作においては、当該同調動作を行
なう並列2段自動同調型帯域通過フィルタ(2a,2
b,2cのうちの1つ)に対応する送信機(1a,1
b,1cのうちの1つ)から出力される送信信号の出力
を停止させた後、上記基準信号の周波数から所定の中間
周波数だけ高い周波数側にずれた局部発振周波数を有す
る局部発振信号を局部発振器61によって発生させ、次
いで、上記基準信号を各帯域通過フィルタ30a,30
bに入力させたときに、並列2段自動同調型帯域通過フ
ィルタ2b,2cから各帯域通過フィルタ30a,30
bを通過してくる信号及び各帯域通過フィルタ30a,
30bから反射してくる上記基準信号の反射信号を含む
検出信号を、上記局部発振信号を用いて混合器64及び
上記中間周波数fIFのみを通過させる帯域通過フィルタ
65からなる周波数変換回路によって上記中間周波数f
IFの中間周波信号に変換し、変換された中間周波信号を
検波し、検波後の検波信号に基づいて、上記検波信号の
レベルが概ね最小となるように、すなわち各帯域通過フ
ィルタ30a,30bの信号通過帯域の中心周波数fc
が上記基準信号の周波数に概ね一致するように、上記各
帯域通過フィルタ30a,30b内の誘電体共振器31
の可変キャパシタンスVCを変化させる、ステッピング
モータ33a,33bを駆動することを特徴としてい
る。
【0096】図14に示すように、各送信機1a,1
b,1cからそれぞれ出力されかつ予め決められた一定
のレベルを有し、例えばUHF帯の互いに異なる周波数
f1,f2,f3(f1<f2<f3)の各送信信号は
それぞれ、本実施例の並列2段自動同調型帯域通過フィ
ルタ2a,2b,2cを通過した後合成される。ここ
で、各並列2段自動同調型帯域通過フィルタ2a,2
b,2cの各出力端はともに電気的に接続される。次い
で、上記各送信信号は、上記周波数f1,f2,f3を
含む周波数帯域を通過させる送信用帯域通過フィルタ3
を介してアンテナ4に出力され、周波数多重された上記
各送信信号がアンテナ4から放射される。ここで、並列
2段自動同調型帯域通過フィルタ2a,2b,2cは互
いに同様の構成を有する。従って、以下、並列2段自動
同調型帯域通過フィルタ2aを例にとり、図13を参照
して詳細に説明する。
【0097】図13に示すように、送信機1aから出力
される信号はアイソレータ10を介して分配器11の入
力端に入力される。分配器11は入力された送信信号を
2分配し、方向性結合器20の入力端20a及び方向性
結合器22の入力端22aに出力する。
【0098】方向性結合器20,21はそれぞれ、第1
の実施例のそれらと同様に構成される。方向性結合器2
0の通過線路の出力端20bから出力される信号は、方
向性結合器21の入力端21aと出力端21bとを介し
て、帯域通過フィルタ30aの入力端子T1aに入力さ
れる。また、方向性結合器21の結合線路の出力端21
rから出力される信号は、主信号としてスイッチSW2
のa側及び増幅器76を介して混合器64の主信号入力
端子に入力される。さらに、帯域通過フィルタ30aの
出力端子T2aから出力される信号は、合成器12の第
1の入力端子に入力される。
【0099】一方、方向性結合器22は、上記分配され
た送信信号を通過させる通過線路と、当該通過線路と電
磁気的に結合し通過する送信信号と結合線路の入力端2
2rに入力される基準信号とを合成できるように上記通
過線路から所定の間隔だけ離れて方向性結合器22の通
過線路の出力端22b側に設けられる基準信号合成用結
合線路とを備える。方向性結合器22の通過線路の出力
端22bから出力される信号は、方向性結合器22と同
様の構成を有する方向性結合器23の入力端23aと出
力端23bとを介して、帯域通過フィルタ30bの入力
端子T1bに入力される。ここで、方向性結合器23
は、方向性結合器22を通過した後の信号を通過させる
通過線路と、当該通過線路と電磁気的に結合し出力端2
3bに接続された回路から反射されて入力される反射信
号の電力の一部を分岐させて取り出すことができるよう
に通過線路から所定の間隔だけ離れて方向性結合器23
の出力端23b側に設けられ反射信号を検出する反射信
号検出用結合線路とを備え、当該反射信号検出用結合線
路は出力端23rを備える。当該結合線路の出力端23
rから出力される信号は、主信号としてスイッチSW2
のb側及び増幅器76を介して混合器64の主信号入力
端子に入力される。さらに、帯域通過フィルタ30bの
出力端子T2bから出力される信号は、合成器12の第
2の入力端子に入力される。
【0100】合成器12は、第1と第2の入力端子に入
力される信号を合成し、合成した信号を帯域通過フィル
タ3に出力する。なお、各帯域通過フィルタ30a,3
0bはそれぞれ、誘電体共振器31を備え、第1の実施
例の帯域通過フィルタ30と同様に構成される。なお、
公知のインピーダンス整合の方法を用いて、各帯域通過
フィルタ30a,30b内のインダクタンスL1のアー
ス端からインダクタンスL1、入力端子T1a又はT1
b並びに方向性結合器21,20又は方向性結合器2
3,22の各通過線路を介して分配器11の分配点まで
の各電気長と、各帯域通過フィルタ30内のインダクタ
ンスL2のアース端からインダクタンスL2及び出力端
子T2a又はT2bを介して合成器12の合成点までの
各電気長とをそれぞれ所定の電気長に設定される。
【0101】次いで、並列2段自動同調型帯域通過フィ
ルタ2a内の信号処理系及び制御系の回路について図1
3を参照して説明する。
【0102】図13に示すように、信号発生器71はP
LL回路を含み、発生する正弦波の基準信号の周波数を
変化させることができる信号発生器であり、制御回路5
0aのCPU51からインターフェイス回路54を介し
て入力される設定周波数fs1のデータに基づいて、所
定の信号レベルを有する上記設定周波数fs1の基準信
号を発生して当該基準信号を増幅器72を介してスイッ
チSW1の共通端子に出力する。スイッチSW1のa端
子から出力される基準信号はアイソレータ74を介して
方向性結合器20の結合線路の入力端20rに入力さ
れ、また、スイッチSW1のb端子から出力される基準
信号はアイソレータ75を介して方向性結合器22の結
合線路の入力端22rに入力される。ここで、各スイッ
チSW1,SW2はそれぞれ、制御回路50a内のCP
U51によってインターフェイス回路55を介して、選
択的にa側又はb側に切り換えられる。
【0103】局部発振器61はPLL回路を含み、発生
する正弦波の基準信号の周波数を変化させることができ
る信号発生器であり、制御回路50aのCPU51から
インターフェイス回路54を介して入力される周波数f
s2のデータに基づいて、所定の信号レベルを有しかつ
上記周波数fs2に等しい局部発振周波数fLの局部発
振信号を発生して当該局部発振信号を増幅器63を介し
て混合器64の局部発振信号入力端子に出力する。ここ
で、上記周波数fs2すなわち局部発振周波数fLは、
L=fs1+fIF、すなわち上記基準信号の設定周波
数fs1に所定の中間周波数fIFを加算した周波数であ
る。
【0104】図14に示すように、並列2段自動同調型
帯域通過フィルタ2a,2b,2cの各出力端がともに
電気的に接続されているので、例えばもし送信機1b,
1cから各送信信号が送信されているとき、それらの送
信信号は、図13に示すように、合成器12、帯域通過
フィルタ30a又は30b及び方向性結合器21又は2
3の結合線路を介してその出力端21r,23rから出
力される。また、このとき、送信機1aから送信信号が
送信されておらず、上述のように信号発生器71が設定
周波数fs1の基準信号を発生しているとき、当該基準
信号は、増幅器72、スイッチSW1、アイソレータ7
4又は75、方向性結合器20又は22及び方向性結合
器21又は23を介して帯域通過フィルタ30a又は3
0bに入力され、このとき、図5を参照して説明したよ
うに、帯域通過フィルタ30a又は30bからの反射信
号が入力端子T1a又はT1bから出力され、この反射
信号は、方向性結合器21又は23の結合線路を介して
その出力端21r又は23rから出力される。従って、
この場合、方向性結合器21又は23の出力端21r又
は23rから、周波数fs1,f2,f3の成分を含む
上記検出信号が出力されることになる。この検出信号は
スイッチSW2及び増幅器76を介して混合器64の主
信号入力端子に入力される。
【0105】乗算器で構成される混合器64は、増幅器
76から入力される上記検出信号と、増幅器63から入
力される局部発振信号とを混合して乗算し、混合後の信
号を帯域通過フィルタ65に出力する。ここで、混合器
64から出力される混合後の信号は、fL+fs1,fL
−fs1=fIF,fL+f2,fL−f2,fL+f3,
L−f3などの周波数成分を含むが、帯域通過フィル
タ65は、入力された混合後の信号のうち中間周波数f
IFの成分を含む中間周波信号のみを通過させた後、当該
中間周波信号を増幅器66を介して検波回路67に出力
する。なお、設定周波数fs1がいかなる値をとって
も、上述のように中間周波数fIFは一定である。
【0106】また、混合器64において、混合後の上記
各種周波数を含む信号のレベルは、公知の通り、方向性
結合器21又は23の結合線路の出力端21r又は23
rからスイッチSW2及び増幅器76を介して混合器6
4に入力される各周波数fs1,f2,f3の検出信号
のレベルと、増幅器63から混合器64に入力される局
部発振信号のレベルの積に比例しており、さらに、帯域
通過フィルタ65の通過後の中間周波信号のレベルは、
増幅器76から混合器64に入力される周波数fs1の
検出信号のレベルと、増幅器63から混合器64に入力
される局部発振信号のレベルの積に比例している。一
方、上述のように局部発振器61から出力される局部発
振信号の信号レベルは一定であり、また、信号発生器7
1から出力される基準信号の信号レベルは一定であるの
で、上記中間周波信号のレベルは、方向性結合器21又
は23の結合線路の出力端21r又は23rからスイッ
チSW2及び増幅器76を介して混合器64に入力され
る周波数fs1の検出信号のレベルに比例している。従
って、上述のように局部発振周波数fL=(fs1+f
IF)を有する局部発振信号を発生させ、発生された局部
発振信号を用いて上記検出信号を上記中間周波信号に周
波数変換することによって、上記中間周波信号のレベル
は、他チャンネルの周波数f2,f3の検出信号のレベ
ルに独立となる。
【0107】上記検波回路67は、入力された中間周波
信号を検波した後、所定のカットオフ周波数を有する低
域通過フィルタ(LPF)68及び増幅器69を介して
A/D変換回路70に出力する。A/D変換回路70
は、上記中間周波信号から検波されたアナログ電圧信号
をデジタル電圧信号に変換して、制御回路50a内のイ
ンターフェイス回路57を介してCPU51に出力す
る。
【0108】図13に示すように、並列2段自動同調型
帯域通過フィルタ2a内の制御回路50aは、第1の実
施例の制御回路50に比較してさらに、スイッチSW
1,SW2に接続されるインターフェイス回路55を備
える。なお、CPU51は、各帯域通過フィルタ30
a,30bの上記各同調処理を実行し帯域通過フィルタ
30a,30b内の誘電体共振器31を制御する。ま
た、インターフェイス回路56にモータ駆動回路32
a,32bに接続される。
【0109】CPU51は各帯域通過フィルタ30a,
30bの各同調処理を実行するときに、詳細後述するよ
うに、キーボード81を用いて入力される、当該並列2
段自動同調型帯域通過フィルタ2aにおいて設定すべき
中心周波数fdと帯域幅ΔFに基づいて、次の数2と数
3を用いて各帯域通過フィルタ30a,30bにおいて
それぞれ設定すべき中心周波数f1c,f2cを計算す
る。なお、本実施例において、当該並列2段自動同調型
帯域通過フィルタ2aにおいて設定すべき中心周波数f
dと帯域幅ΔFをキーボード81からインターフェイス
回路80を介してRAM53に取り込む処理を、CPU
51の割り込み処理で行っている。
【0110】
【数2】f1c=fd−2a2ΔF
【0111】
【数3】f2c=fd+2a2ΔF
【0112】ここで、a2は好ましくは0.8<a2
2.0の範囲にあり、各帯域通過フィルタ30a,30
b内の誘電体共振器31の負荷Q(QL)に依存して予
め決定される定数であり、ROM52に予め格納され
る。
【0113】次いで、CPU51は、信号発生器71に
周波数f1cの基準信号を発生させた後帯域通過フィル
タ30a内の誘電体共振器31の共振周波数f0を上記
基準信号の周波数f1cに概ね一致させる帯域通過フィ
ルタ30aについての同調処理(以下、第1の同調処理
という。)を行った後、信号発生器71に周波数f2c
の基準信号を発生させた後帯域通過フィルタ30b内の
誘電体共振器31の共振周波数f0を上記基準信号の周
波数f2cに概ね一致させる帯域通過フィルタ30bに
ついての同調処理(以下、第2の同調処理という。)を
行う。
【0114】すなわち、第1の同調処理においては、A
/D変換回路70からインターフェイス回路57を介し
てCPU51に入力される上記検波信号のレベルが概ね
最小となるように、ステッピングモータ33aを駆動す
るためのモータ駆動信号をインターフェイス回路56及
びモータ駆動回路32aを介してステッピングモータ3
3aに出力して駆動する。本実施例においては、制御回
路50aが、検波回路67から出力される検波信号のレ
ベルが概ね最小となるようにステッピングモータ33a
を駆動して、帯域通過フィルタ30a内の誘電体共振器
31の共振周波数を変化させ、これによって、共振周波
数f0に概ね等しい帯域通過フィルタ30aの中心周波
数fcを、信号発生器71によって発生される基準信号
の周波数f1cに概ね一致させることができる。
【0115】また、第2の同調処理においては、上記第
1の同調処理と同様に、A/D変換回路70からインタ
ーフェイス回路57を介してCPU51に入力される上
記検波信号のレベルが概ね最小となるように、ステッピ
ングモータ33bを駆動するためのモータ駆動信号をイ
ンターフェイス回路56及びモータ駆動回路32bを介
してステッピングモータ33bに出力して駆動する。こ
こで、制御回路50aは、検波回路67から出力される
検波信号のレベルが概ね最小となるようにステッピング
モータ33bを駆動して、帯域通過フィルタ30b内の
誘電体共振器31の共振周波数を変化させ、これによっ
て、共振周波数f0に概ね等しい帯域通過フィルタ30
bの中心周波数fcを、信号発生器71によって発生さ
れる基準信号の周波数f2cに概ね一致させることがで
きる。
【0116】上記第1と第2の同調処理を実行すること
によって、当該並列2段自動同調型帯域通過フィルタ2
aの中心周波数と帯域幅をそれぞれ、キーボード81を
用いて入力した各データ値fd,ΔFに自動的に設定す
ることができる。
【0117】図15は図13の並列2段自動同調型帯域
通過フィルタ2aの制御回路50aの同調処理のメイン
ルーチンを示すフローチャートであり、このメインルー
チンは、上記第1と第2の同調処理を実行して、当該帯
域通過フィルタ2aの中心周波数と帯域幅をそれぞれ、
キーボード81を用いて入力した各データ値fd,ΔF
に自動的に設定するための処理である。なお、このメイ
ンルーチンのスタート前の初期状態において、各帯域通
過フィルタ30a,30b内の誘電体共振器31の誘電
体同調素子212は任意の距離gの位置にあり、また、
送信機1aから出力される送信信号の出力を停止させ
る。このメインルーチンにおいて、ステップS5とステ
ップS6の処理は、内蔵する各帯域通過フィルタ30
a,30bの各中心周波数fcをそれぞれ、設定すべき
中心周波数f1c,f2cの近傍の周波数に変化させる
粗同調処理であり、ステップS7からステップS10ま
での処理は、内蔵する帯域通過フィルタ30aの中心周
波数fcを、上記粗同調処理後の上記周波数f1cの近
傍の周波数から変化させて上記周波数f1cに概ね一致
させるための第1の微同調処理であり、ステップS11
からステップS14までの処理は、内蔵する帯域通過フ
ィルタ30bの中心周波数fcを、上記粗同調処理後の
上記周波数f2cの近傍の周波数から変化させて上記周
波数f2cに概ね一致させるための第2の微同調処理で
ある。
【0118】制御回路50aの電源スイッチ(図示せ
ず。)がオンされたとき図15の同調処理のメインルー
チンがスタートされ、まず、ステップS1において各帯
域通過フィルタ30a,30b内の各誘電体同調素子2
12をステッピングモータ33a,33bを駆動してそ
れぞれ、ホーム位置に移動させる。すなわち、本実施例
においては、各帯域通過フィルタ30a,30b内の誘
電体同調素子212は、上記ホーム位置から矢印A1の
方向に移動できないように、各帯域通過フィルタ30
a,30b内に誘電体同調素子用ストッパ(図示せ
ず。)が設けられ、ステップS1において、ステッピン
グモータ33a,33bに−極性のパルスのモータ駆動
信号が連続的に入力され、各誘電体同調素子212が上
記ストッパによってホーム位置に停止されたとき、当該
ホーム位置に設けられたマイクロスイッチ(図示せ
ず。)がオンとなり、このとき、各ステッピングモータ
33a,33bの駆動が停止される。なお、当該ホーム
位置における帯域通過フィルタ30a,30b内の各誘
電体共振器31の各共振周波数f01,f02は、予め測定
された図4に示すように897[MHz]である。
【0119】次いで、ステップS2において、現在の帯
域通過フィルタ30a内の誘電体共振器31の共振周波
数f01のデータとして897[MHz]が設定されてR
AM53に格納され、また、現在の帯域通過フィルタ3
0b内の誘電体共振器31の共振周波数f02のデータと
して897[MHz]が設定されてRAM53に格納さ
れる。次いで、ステップS3において、キーボード81
を用いて、当該並列2段自動同調型帯域通過フィルタ2
aにおいて設定すべき中心周波数fdと帯域幅ΔFのデ
ータが入力されたか否かが判断され、入力されていない
とき(ステップS3においてNO)ステップS3のルー
プ処理を繰り返して待機状態となり、一方、入力された
とき(ステップS3においてYES)ステップS4に進
む。次いで、ステップS4において、入力された中心周
波数fdと帯域幅ΔFのデータに基づいて、上述の数2
と数3を用いて、各帯域通過フィルタ30a,30bに
おいて設定すべき中心周波数、すなわち上記設定周波数
f1c,f2cを計算した後、それらのデータをRAM
53に格納する。
【0120】次いで、ステップS5において、粗同調処
理を行うため、RAM53に格納された共振周波数
01,f02のデータと設定周波数f1c,f2cのデー
タに基づいて、上記数1から同様に導出される次の数4
と数5を用いて各帯域通過フィルタ30a,30b内の
誘電体同調素子212を移動させるべき移動距離lm
a,lmbを計算する。
【0121】
【数4】lma=k(f01−f1c)
【0122】
【数5】lmb=k(f02−f2c)
【0123】次いで、ステップS6において、上記計算
された移動距離lma,lmbに対応したパルス数の各
パルス駆動信号をそれぞれステッピングモータ33a,
33bに入力させて、各帯域通過フィルタ30a,30
b内の各誘電体同調素子212を移動させる。なお、移
動距離lma,lmbが正であるときはそれぞれ、+の
極性のパルス駆動信号がステッピングモータ33a,3
3bに入力され、これによって、誘電体同調素子212
が上記移動距離lma,lmbだけ矢印A2の方向に移
動され、一方、移動距離lma,lmbが負であるとき
はそれぞれ、−の極性のパルス駆動信号がステッピング
モータ33a,33bに入力され、これによって、誘電
体同調素子212が上記移動距離lma,lmbだけ矢
印A1の方向に移動される。以上で、粗同調処理が終了
する。
【0124】さらに、第1の微同調処理を行うため、ス
テップS7において、設定周波数f1cのデータを発振
周波数fs1として信号発生器71に出力して、信号発
生器71に設定周波数f1cの基準信号を発生させると
ともに、上記局部発振周波数fL(=f1c+fIF)の
データを発振周波数fs2として局部発振器61に出力
して、局部発振器61に局部発振周波数fLの局部発振
信号を発生させた後、ステップS8において各スイッチ
SW1,SW2をともにa側に切り換える。次いで、ス
テップS9において、設定周波数f1cのデータを設定
周波数fssとしてRAM53に格納した後、ステップ
S10において、内蔵する帯域通過フィルタ30aの中
心周波数fcを、上記粗同調処理後の上記設定周波数f
1cの近傍の周波数から変化させて、上記設定周波数f
1cに概ね一致させるための微同調処理(図7及び図
8、並びに図9乃至図12参照。)を実行した後、ステ
ップS11に進む。
【0125】次いで、第2の微同調処理を行うため、ス
テップS11において、設定周波数f2cのデータを発
振周波数fs1として信号発生器71に出力して、信号
発生器71に設定周波数f2cの基準信号を発生させる
とともに、上記局部発振周波数fL(=f2c+fIF
のデータを発振周波数fs2として局部発振器61に出
力して、局部発振器61に局部発振周波数fLの局部発
振信号を発生させた後、ステップS12において各スイ
ッチSW1,SW2をともにb側に切り換える。次い
で、ステップS13において、設定周波数f2cのデー
タを設定周波数fssとしてRAM53に格納した後、
ステップS14において、内蔵する帯域通過フィルタ3
0bの中心周波数fcを、上記粗同調処理後の上記設定
周波数f2cの近傍の周波数から変化させて、上記設定
周波数f2cに概ね一致させるための微同調処理(図7
及び図8、並びに図9乃至図12参照。)を実行した
後、ステップS3に戻る。以下、上記粗同調処理と上記
第1と第2の微同調処理からなる同調処理は、キーボー
ド81を用いて、当該並列2段自動同調型帯域通過フィ
ルタ2aの中心周波数と帯域幅が新たに入力される毎
に、繰り返される。
【0126】本実施例においては、上述のように、局部
発振周波数fL(=fs1+fIF)の局部発振信号を局
部発振器61に発生させ、発生された局部発振信号を用
いて上記検出信号を混合器64及び帯域通過フィルタ6
5からなる周波数変換回路によって中間周波信号に周波
数変換することによって、中間周波信号のレベルは、他
チャンネルの周波数f2,f3の信号のレベルに独立と
なる。また、この中間周波信号から検波された検波信号
のレベルは、A/D変換回路70から制御回路50aに
入力される出力電圧データに比例している。従って、A
/D変換回路70の出力電圧は、方向性結合器21又は
23の結合線路の出力端21r又は23rから出力され
る検出信号のうちの周波数fs1のみの成分のレベルに
比例している。すなわち、上記検出信号の周波数fs1
の成分のレベルに比例するA/D変換回路70の出力電
圧データに基づいて帯域通過フィルタ30a,30b内
の誘電体共振器31を制御しているので、従来例のよう
に、他チャンネルからの回り込む、例えば周波数f2,
f3の成分に影響を受けることなく上記同調処理を行な
うことができる。
【0127】本発明者の実験によれば、上記粗同調処理
と上記微同調処理から構成される同調処理によって、ス
テッピングモータ33a又は33bを駆動する1個のパ
ルス信号に対応する約10kHz未満の精度で、内蔵す
る帯域通過フィルタ30a,30bの中心周波数fc
を、信号発生器71から出力される基準信号の設定周波
数fs1に一致させることができた。
【0128】なお、並列2段自動同調型帯域通過フィル
タ2b及び2cは、上述の並列2段自動同調型帯域通過
フィルタ2aと同様の構成を有し、各並列2段自動同調
型帯域通過フィルタ2b,2cにおいては、内蔵する帯
域通過フィルタ30a,30bの中心周波数がそれぞ
れ、キーボード81を用いて入力された当該帯域通過フ
ィルタ2b,2cの中心周波数と帯域幅に基づいて計算
された各設定周波数f1c,f2cに概ね一致するよう
に上記同調処理が同様に実行される。
【0129】本実施例の並列2段自動同調型帯域通過フ
ィルタ2aにおいては、2個の帯域通過フィルタ30
a,30bが電気的に並列に接続された並列2段の帯域
通過フィルタを用いているが、例えば、複数の帯域通過
フィルタが電気的に縦続に接続された縦続多段の帯域通
過フィルタを用いることも考えられる。しかしながら、
縦続多段の帯域通過フィルタの場合、公知の通り、複数
の帯域通過フィルタの各共振モードを結合させて全体の
帯域通過特性を実現しているので、並列2段又は並列多
段の帯域通過フィルタのように各帯域通過フィルタの帯
域通過特性を単に重ね合わせて全体の帯域通過特性を実
現することができず、本実施例のように各帯域通過フィ
ルタを別々に上記同調処理を行なうことができない。従
って、本発明に係る本実施例を縦続多段の帯域通過フィ
ルタに適用することはできない。
【0130】さらに、上記並列2段自動同調型帯域通過
フィルタ2aにおいては、送信機1aから出力される送
信信号を用いて各帯域通過フィルタ30a,30bの同
調処理を行なうのではなく、当該帯域通過フィルタ2a
内に信号発生器71を備え、当該信号発生器71によっ
て発生される基準信号を用いて上述のように各帯域通過
フィルタ30a,30bについて上記同調処理を行って
いる。一方、図17に図示した従来例では、外部回路か
ら高周波信号を入力する必要がある。すなわち、本発明
に係る本実施例は、外部回路から信号を入力しないで上
記同調処理を行うことができるという特徴を有してい
る。
【0131】以上の実施例において、方向性結合器2
0,22を用いて基準信号を各帯域通過フィルタ30
a,30bに入力させているが、本発明はこれに限ら
ず、図16に図示した変形例の並列2段自動同調型帯域
通過フィルタ2aaに示すように、方向性結合器20,
22及びアイソレータ74,75の代わりにそれぞれ、
アイソレータ10と分配器11との間に方向性結合器2
0,22と同様の構成を有する方向性結合器24を設
け、方向性結合器24の基準信号合成用結合回路の入力
端24rと増幅器72との間にアイソレータ77を設け
てもよい。この場合、スイッチSW1を設ける必要がな
い。この変形例においては、送信機1aから出力される
送信信号はアイソレータ10及び方向性結合器24の通
過線路の入力端24a及び出力端24bを介して分配器
11に入力される。また、分配器11によって2分配さ
れた信号は直接に方向性結合器21の入力端21a及び
方向性結合器23の入力端23rに入力される。一方、
信号発生器71で発生された基準信号は増幅器72及び
アイソレータ77を介して方向性結合器24の基準信号
合成用結合線路の入力端24rに入力される。
【0132】以上の実施例において、キーボード81を
用いて設定すべき中心周波数fd及び帯域幅ΔFのデー
タを入力しているが、本発明はこれに限らず、他の制御
回路などの外部装置から中心周波数fdと帯域幅ΔFの
各データを受信する受信回路又は制御回路50aのイン
ターフェイス回路を設け、制御回路50aは、受信され
た中心周波数fdと帯域幅ΔFの各データに基づいて設
定周波数f1c,f2cを計算するようにしてもよい。
【0133】以上の実施例においては、図15のステッ
プS5及びS6において粗同調処理を行った後、ステッ
プS10及びS14においてそれぞれ各帯域通過フィル
タ30a,30bの微同調処理を行っているが、本発明
はこれに限らず、各帯域通過フィルタ30a,30bに
ついて上記微同調処理のみを行なうように構成してもよ
い。
【0134】以上の実施例において、第1の同調処理を
行うために必要なモータ駆動回路32a及びステッピン
グモータ33aと、第2の同調処理を行うために必要な
モータ駆動回路32b及びステッピングモータ33bと
を別々に設けているが、本発明はこれに限らず、別々に
設けず一方の回路と切り換えスイッチとを設けて上記切
り換えスイッチを用いて、第1と第2の同調処理に対し
て選択的に使用するように構成してもよい。
【0135】以上の実施例においては、図14に図示し
たアンテナ共用装置2は、2個の帯域通過フィルタ30
a,30bが並列に接続された3個の並列2段自動同調
型帯域通過フィルタ2a,2b,2cを備えているが、
本発明はこれに限らず、図1に図示した第1の実施例の
自動同調型帯域通過フィルタ2dを複数個備えて、それ
らの各出力端子を接続して構成してもよい。
【0136】以上の実施例においては、2個の帯域通過
フィルタ30a,30bが並列に接続された、並列2段
自動同調型帯域通過フィルタ2a,2b,2cについて
述べているが、本発明はこれに限らず、複数個の帯域通
過フィルタ30が並列に接続された並列多段自動同調型
帯域通過フィルタに適用することができる。
【0137】例えば、4個の帯域通過フィルタ30を備
えた並列3段自動同調型帯域通過フィルタの場合におい
ては、キーボード81を用いて入力される設定すべき中
心周波数fdと帯域幅ΔFに基づいて、次の数6と数7
と数8を用いて各帯域通過フィルタ30においてそれぞ
れ設定すべき中心周波数f1c,f2c,f3cを計算
することができる。
【0138】
【数6】f1c=fd−2a3ΔF
【0139】
【数7】f2c=fd+2b3ΔF
【0140】
【数8】f3c=fd+2c3ΔF
【0141】ここで、各正の定数a3,b3,c3は好ま
しくは、0.8<a3≒c3<2.0、かつ│b3│≪a3
の範囲にあり、各帯域通過フィルタ内の誘電体共振器3
1の負荷Q(QL)に依存して予め決定される定数であ
る。
【0142】例えば、4個の帯域通過フィルタ30を備
えた並列4段自動同調型帯域通過フィルタの場合におい
ては、キーボード81を用いて入力される設定すべき中
心周波数fdと帯域幅ΔFに基づいて、次の数9乃至数
12を用いて各帯域通過フィルタ30においてそれぞれ
設定すべき中心周波数f1c,f2c,f3c,f4c
を計算することができる。
【0143】
【数9】f1c=fd−2a4ΔF
【0144】
【数10】f2c=fd−2b4ΔF
【0145】
【数11】f3c=fd+2c4ΔF
【0146】
【数12】f4c=fd+2d4ΔF
【0147】ここで、各正の定数a4,b4,c4,d4
好ましくは、0.2<b4≒c4<a4≒d4<2.0の範
囲にあり、各帯域通過フィルタ内の誘電体共振器31の
負荷Q(QL)に依存して予め決定される定数である。
【0148】以下、同様にして、5個の以上の帯域通過
フィルタ30を備えた並列多段自動同調型帯域通過フィ
ルタの場合についても、各帯域通過フィルタ30におい
てそれぞれ設定すべき各中心周波数を計算することがで
きる。
【0149】なお、以上の実施例において、帯域通過フ
ィルタ30a,30bが分配器11と合成器12を介し
て並列に接続されている。ここで、帯域通過フィルタ3
0a又は30bの中心周波数の設定処理の調整動作が、
処理すべき帯域通過フィルタに接続されている負荷の影
響を大きく受ける場合は、上記中心周波数の設定処理時
に負荷を切り離す切り換えスイッチを設けてもよい。す
なわち、図13の実施例においては、帯域通過フィルタ
30aの中心周波数の設定処理のために、帯域通過フィ
ルタ30aを負荷から切り離すための切り換えスイッチ
を、分配器11と方向性結合器20の入力端20aとの
間、並びに帯域通過フィルタ30aの出力端子T2aと
合成器12との間に設けてもよい。また、帯域通過フィ
ルタ30bの中心周波数の設定処理のために、帯域通過
フィルタ30bを負荷から切り離すための切り換えスイ
ッチを、分配器11と方向性結合器22の入力端22a
との間、並びに帯域通過フィルタ30bの出力端子T2
bと合成器12との間に設けてもよい。また、図16の
変形例においては、帯域通過フィルタ30aの中心周波
数の設定処理のために、帯域通過フィルタ30aを負荷
から切り離すための切り換えスイッチを、分配器11と
方向性結合器23の入力端23aとの間、並びに帯域通
過フィルタ30aの出力端子T2aと合成器12との間
に設けてもよい。また、帯域通過フィルタ30bの中心
周波数の設定処理のために、帯域通過フィルタ30bを
負荷から切り離すための切り換えスイッチを、分配器1
1と方向性結合器21の入力端21aとの間、並びに帯
域通過フィルタ30bの出力端子T2bと合成器12と
の間に設けてもよい。
【0150】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る請求項
1記載の帯域通過フィルタのための自動同調装置によれ
ば、帯域通過フィルタにおいて設定すべき中心周波数で
ある所定の設定周波数を有する基準信号を発生し、上記
所定の設定周波数から所定の中間周波数だけずれた局部
発振周波数を有する局部発振信号を発生し、上記発生さ
れた上記基準信号を上記帯域通過フィルタに入力したと
きに上記帯域通過フィルタから反射される信号の一部を
取り出した後、上記取り出された信号を、上記局部発振
信号を用いて上記中間周波数を有する中間周波信号に変
換し、さらに、上記変換された上記中間周波信号を検波
して検波信号を出力した後、上記検波された上記検波信
号に基づいて上記検波信号のレベルが最小となるように
上記帯域通過フィルタの中心周波数を制御する。ここ
で、上記基準信号の周波数に対して十分に離れている周
波数成分を有する干渉波信号が上記帯域通過フィルタの
出力端に入力される場合、上記干渉波信号が上記帯域通
過フィルタの入力端を介して上記周波数変換手段に入力
されるが、上記干渉波信号の周波数が上記基準信号の周
波数に対して十分に離れているので、上記干渉波信号の
周波数成分は上記中間周波信号に変換されないで除去さ
れ、すなわち上記検波信号に現れることがなく、上記自
動設定動作に影響を与えることがない。従って、簡単な
回路構成でしかも従来例に比較して良好な精度で、上記
帯域通過フィルタの中心周波数を上記所定の設定周波数
に自動的に設定することができるという利点がある。
【0151】また、請求項8記載の自動同調型帯域通過
フィルタにおいては、中心周波数を変化することが可能
な帯域通過フィルタと、請求項1、2、3、4、5、6
又は7記載の自動設定装置とを備えて、自動同調型帯域
通過フィルタを構成することができる。
【0152】さらに、請求項9記載のアンテナ共用装置
においては、請求項8記載の自動同調型帯域通過フィル
タを複数個備え、上記各自動同調型帯域通過フィルタ内
の各帯域通過フィルタから出力される信号を出力する、
上記各自動同調型帯域通過フィルタの各出力端子をとも
に電気的に接続することによって、上記各自動同調型帯
域通過フィルタが他のチャンネルからの回り込みの信号
の影響を受けることなく、上述の自動設定動作を行うこ
とができるアンテナ共用装置を構成することができる。
【0153】本発明に係る請求項10記載の並列多段型
帯域通過フィルタのための自動設定装置によれば、それ
ぞれ中心周波数を変化することが可能な複数の帯域通過
フィルタが電気的に並列に接続された並列多段型帯域通
過フィルタにおいて設定すべき中心周波数と帯域幅とに
基づいて、上記各帯域通過フィルタにおいて設定すべき
上記各中心周波数を計算し、上記計算された各中心周波
数をそれぞれ有する各基準信号を発生し、上記計算され
た各中心周波数からそれぞれ所定の中間周波数だけずれ
た局部発振周波数を有する各局部発振信号を発生し、上
記発生された上記各基準信号をそれぞれ上記各帯域通過
フィルタに入力したときに上記各帯域通過フィルタから
反射される各信号の一部を取り出した後、上記取り出さ
れた各信号をそれぞれ、上記発生された各局部発振信号
を用いて上記中間周波数を有する各中間周波信号に変換
し、さらに、上記変換された上記各中間周波信号を検波
してそれぞれ各検波信号を出力した後、上記検波された
上記各検波信号に基づいて、上記各検波信号のレベルが
それぞれ最小となるように上記各帯域通過フィルタの中
心周波数を制御する。ここで、上記各基準信号の周波数
に対して十分に離れている周波数成分を有する干渉波信
号が上記各帯域通過フィルタの出力端に入力される場
合、上記干渉波信号が上記各帯域通過フィルタの入力端
を介して上記周波数変換手段に入力されるが、上記干渉
波信号の周波数が上記各基準信号の周波数に対して十分
に離れているので、上記干渉波信号の周波数成分は上記
各中間周波信号に変換されないで除去され、すなわち上
記各検波信号に現れることがなく、上記自動設定動作に
影響を与えることがない。従って、簡単な回路構成でし
かも従来例に比較して良好な精度で、上記並列多段型帯
域通過フィルタの中心周波数と帯域幅とをそれぞれ所望
の設定値に自動的に設定することができる。
【0154】また、請求項17記載の並列多段自動同調
型帯域通過フィルタにおいては、それぞれ中心周波数を
変化することが可能な複数の帯域通過フィルタが電気的
に並列に接続された並列多段型帯域通過フィルタと、請
求項10、11、12、13、14、15又は16記載
の自動設定装置とを備えて、並列多段自動同調型帯域通
過フィルタを構成することができる。
【0155】さらに、請求項18記載のアンテナ共用装
置においては、請求項17記載の並列多段自動同調型帯
域通過フィルタを複数個備え、上記各並列多段自動同調
型帯域通過フィルタ内の各帯域通過フィルタから出力さ
れる信号を出力する、上記各並列多段自動同調型帯域通
過フィルタの各出力端子をともに電気的に接続すること
によって、上記各並列多段自動同調型帯域通過フィルタ
が他のチャンネルからの回り込みの信号の影響を受ける
ことなく、上述の自動設定動作を行うことができるアン
テナ共用装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施例である自動同調型
帯域通過フィルタのブロック図である。
【図2】 図1の誘電体共振器から構成される帯域通過
フィルタの等価回路を示す回路図である。
【図3】 図2の帯域通過フィルタの断面図である。
【図4】 図3の帯域通過フィルタの誘電体同調素子の
位置と中心周波数との関係を示すグラフである。
【図5】 図2及び図3の帯域通過フィルタの入力端反
射係数S11の周波数特性を示すグラフである。
【図6】 図1の自動同調型帯域通過フィルタの制御回
路の制御フローのメインルーチンを示すフローチャート
である。
【図7】 図6と図15の微同調処理のサブルーチンの
第1の部分を示すフローチャートである。
【図8】 図6と図15の微同調処理のサブルーチンの
第2の部分を示すフローチャートである。
【図9】 図6と図15の微同調処理の変形例のサブル
ーチンの第1の部分を示すフローチャートである。
【図10】 図6と図15の微同調処理の変形例のサブ
ルーチンの第2の部分を示すフローチャートである。
【図11】 図6と図15の微同調処理の変形例のサブ
ルーチンの第3の部分を示すフローチャートである。
【図12】 図6と図15の微同調処理の変形例のサブ
ルーチンの第4の部分を示すフローチャートである。
【図13】 本発明に係る第2の実施例である並列2段
自動同調型帯域通過フィルタのブロック図である。
【図14】 図13の並列2段自動同調型帯域通過フィ
ルタを3個備えたアンテナ共用装置のブロック図であ
る。
【図15】 図13の並列2段自動同調型帯域通過フィ
ルタの制御回路の制御フローのメインルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図16】 図13の第2の実施例の変形例である並列
2段自動同調型帯域通過フィルタのブロック図である。
【図17】 従来例の自動同調型帯域通過フィルタのブ
ロック図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c…送信機、 2…アンテナ共用装置、 2a,2b,2c,2aa…並列2段自動同調型帯域通
過フィルタ、 2d…自動同調型帯域通過フィルタ、 11…分配器、 12…合成器、 20,21,22,23,24…方向性結合器、 30,30a,30b…帯域通過フィルタ(BPF)、 31…誘電体共振器、 32,32a,32b…モータ駆動回路、 33,33a,33b…ステッピングモータ、 50,50a…制御回路、 51…CPU、 52…ROM、 53…RAM、 61…局部発振器、 64…混合器、 65…帯域通過フィルタ(BPF)、 67…検波回路、 70…A/D変換回路、 71…信号発生器、 54,55,56,57,80…インターフェイス回
路、 81…キーボード、 211…誘電体共振子、 212…誘電体同調素子、 SW1,SW2…スイッチ。
フロントページの続き (72)発明者 久保 浩行 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 平2−291723(JP,A) 特開 平4−243301(JP,A) 特開 平4−156724(JP,A) 特開 平4−156723(JP,A) 特開 平4−167801(JP,A) 特開 平5−41604(JP,A) 特開 平3−274901(JP,A) 特開 平3−122998(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 7/10 H01P 1/20 H01P 1/213

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心周波数を変化することが可能な帯域
    通過フィルタの中心周波数を所定の設定周波数に自動的
    に設定する帯域通過フィルタのための自動設定装置であ
    って、 上記所定の設定周波数を有する基準信号を発生する第1
    の信号発生手段と、 上記所定の設定周波数から所定の中間周波数だけずれた
    局部発振周波数を有する局部発振信号を発生する第2の
    信号発生手段と、 上記第1の信号発生手段によって発生された上記基準信
    号を上記帯域通過フィルタに入力したときに上記帯域通
    過フィルタから反射される信号の一部を取り出す結合手
    段と、 上記結合手段によって取り出された信号を、上記第2の
    信号発生手段によって発生された局部発振信号を用いて
    上記中間周波数を有する中間周波信号に変換する周波数
    変換手段と、 上記周波数変換手段によって変換された上記中間周波信
    号を検波して検波信号を出力する検波手段と、 上記検波手段によって検波された上記検波信号に基づい
    て上記検波信号のレベルが最小となるように上記帯域通
    過フィルタの中心周波数を制御する制御手段とを備えた
    ことを特徴とする帯域通過フィルタのための自動設定装
    置。
  2. 【請求項2】 上記自動設定装置はさらに、 上記所定の設定周波数を入力する入力手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1記載の自動設定装置。
  3. 【請求項3】 上記自動設定装置はさらに、 上記所定の設定周波数の情報を外部装置から受信する受
    信手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の自動設
    定装置。
  4. 【請求項4】 上記帯域通過フィルタは共振器を備え、
    上記制御手段は、上記検波手段によって検波された上記
    検波信号に基づいて上記基準信号の周波数が上記共振器
    の共振周波数に一致するように上記第1の信号発生手段
    と上記第2の信号発生手段とを制御して上記基準信号の
    周波数と上記局部発振信号の局部発振周波数とを変更
    し、上記変更された上記基準信号の周波数に基づいて上
    記帯域通過フィルタの中心周波数が上記所定の設定周波
    数に一致するように上記帯域通過フィルタを制御する周
    波数制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1、2
    又は3記載の自動設定装置。
  5. 【請求項5】 上記帯域通過フィルタは、上記帯域通過
    フィルタの中心周波数を決定する素子定数を変化させる
    ことが可能である周波数可変素子を備え、 上記制御手段は、上記帯域通過フィルタの周波数可変素
    子の素子定数を変更させる素子定数変更手段と、 上記周波数制御手段による上記帯域通過フィルタの中心
    周波数の上記制御に先立って、上記帯域通過フィルタの
    中心周波数と上記周波数可変素子の素子定数との間の予
    め測定された関係に基づいて、上記帯域通過フィルタの
    中心周波数が上記所定の設定周波数に概ね一致するよう
    に上記素子定数変更手段を制御して上記帯域通過フィル
    タの周波数可変素子の素子定数を変更させる前置周波数
    制御手段とを備えたことを特徴とする請求項4記載の自
    動設定装置。
  6. 【請求項6】 上記帯域通過フィルタは、上記帯域通過
    フィルタの中心周波数を決定する素子定数を変化させる
    ことが可能である周波数可変素子を備え、 上記制御手段は、上記帯域通過フィルタの周波数可変素
    子の素子定数を変更させる素子定数変更手段と、 上記検波手段によって検波された上記検波信号に基づい
    て上記検波信号のレベルが最小となるように上記素子定
    数変更手段を制御して上記帯域通過フィルタの周波数可
    変素子の素子定数を変更させ、これによって上記帯域通
    過フィルタの中心周波数を制御する周波数制御手段とを
    備えたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の自動
    設定装置。
  7. 【請求項7】 上記制御手段はさらに、 上記周波数制御手段による上記帯域通過フィルタの中心
    周波数の上記制御に先立って、上記帯域通過フィルタの
    中心周波数と上記周波数可変素子の素子定数との間の予
    め測定された関係に基づいて、上記帯域通過フィルタの
    中心周波数が上記所定の設定周波数に概ね一致するよう
    に上記素子定数変更手段を制御して上記帯域通過フィル
    タの周波数可変素子の素子定数を変更させる前置周波数
    制御手段を備えたことを特徴とする請求項6記載の自動
    設定装置。
  8. 【請求項8】 中心周波数を変化することが可能な帯域
    通過フィルタと、 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の自動設定装
    置とを備えたことを特徴とする自動同調型帯域通過フィ
    ルタ。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の自動同調型帯域通過フィ
    ルタを複数個備え、上記各自動同調型帯域通過フィルタ
    内の各帯域通過フィルタから出力される信号を出力す
    る、上記各自動同調型帯域通過フィルタの各出力端子を
    ともに電気的に接続して構成されることを特徴とするア
    ンテナ共用装置。
  10. 【請求項10】 それぞれ中心周波数を変化することが
    可能な複数の帯域通過フィルタが電気的に並列に接続さ
    れた並列多段型帯域通過フィルタにおいて設定すべき中
    心周波数と帯域幅とに基づいて、上記各帯域通過フィル
    タにおいて設定すべき上記各中心周波数を計算する計算
    手段と、 上記計算手段によって計算された各中心周波数をそれぞ
    れ有する各基準信号を発生する第1の信号発生手段と、 上記計算手段によって計算された各中心周波数からそれ
    ぞれ所定の中間周波数だけずれた局部発振周波数を有す
    る各局部発振信号を発生する第2の信号発生手段と、 上記第1の信号発生手段によって発生された上記各基準
    信号をそれぞれ上記各帯域通過フィルタに入力したとき
    に上記各帯域通過フィルタから反射される各信号の一部
    を取り出す結合手段と、 上記結合手段によって取り出された各信号をそれぞれ、
    上記第2の信号発生手段によって発生された各局部発振
    信号を用いて上記中間周波数を有する各中間周波信号に
    変換する周波数変換手段と、 上記周波数変換手段によって変換された上記各中間周波
    信号を検波してそれぞれ各検波信号を出力する検波手段
    と、 上記検波手段によって検波された上記各検波信号に基づ
    いて、上記各検波信号のレベルがそれぞれ最小となるよ
    うに上記各帯域通過フィルタの中心周波数を制御する制
    御手段とを備えたことを特徴とする並列多段型帯域通過
    フィルタのための自動設定装置。
  11. 【請求項11】 上記自動設定装置はさらに、 上記並列多段型帯域通過フィルタにおいて設定すべき中
    心周波数と帯域幅とを入力する入力手段を備えたことを
    特徴とする請求項10記載の自動設定装置。
  12. 【請求項12】 上記自動設定装置はさらに、 上記並列多段型帯域通過フィルタにおいて設定すべき中
    心周波数と帯域幅の情報を外部装置から受信する受信手
    段を備えたことを特徴とする請求項10記載の自動設定
    装置。
  13. 【請求項13】 上記各帯域通過フィルタはそれぞれ共
    振器を備え、上記制御手段は、上記検波手段によって検
    波された上記各検波信号に基づいて上記各基準信号の周
    波数がそれぞれ上記各共振器の共振周波数に一致するよ
    うに上記第1の信号発生手段と上記第2の信号発生手段
    とを制御して上記各基準信号の周波数と上記各局部発振
    信号の局部発振周波数とを変更し、上記変更された上記
    各基準信号の周波数に基づいて上記各帯域通過フィルタ
    の中心周波数がそれぞれ上記設定すべき各中心周波数に
    一致するように上記各帯域通過フィルタを制御する周波
    数制御手段とを備えたことを特徴とする請求項10、1
    1又は12記載の自動設定装置。
  14. 【請求項14】 上記各帯域通過フィルタはそれぞれ、
    上記各帯域通過フィルタの中心周波数を決定する素子定
    数を変化させることが可能である周波数可変素子を備
    え、 上記制御手段は、上記各帯域通過フィルタの周波数可変
    素子の各素子定数をそれぞれ変更させる素子定数変更手
    段と、 上記周波数制御手段による上記各帯域通過フィルタの中
    心周波数の上記制御に先立って、上記各帯域通過フィル
    タの中心周波数と上記各周波数可変素子の素子定数との
    間の予め測定された関係に基づいて、上記各帯域通過フ
    ィルタの中心周波数がそれぞれ上記設定すべき各中心周
    波数に概ね一致するように上記素子定数変更手段を制御
    して上記各帯域通過フィルタの周波数可変素子の素子定
    数を変更させる前置周波数制御手段とを備えたことを特
    徴とする請求項13記載の自動設定装置。
  15. 【請求項15】 上記各帯域通過フィルタはそれぞれ、
    上記各帯域通過フィルタの中心周波数を決定する素子定
    数を変化させることが可能である周波数可変素子を備
    え、 上記制御手段は、上記各帯域通過フィルタの周波数可変
    素子の各素子定数をそれぞれ変更させる素子定数変更手
    段と、 上記検波手段によって検波された上記各検波信号に基づ
    いてそれぞれ上記各検波信号のレベルが最小となるよう
    に上記素子定数変更手段を制御して上記各帯域通過フィ
    ルタの周波数可変素子の各素子定数を変更させ、これに
    よって上記各帯域通過フィルタの各中心周波数を制御す
    る周波数制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1
    0、11又は12記載の自動設定装置。
  16. 【請求項16】 上記制御手段はさらに、 上記周波数制御手段による上記各帯域通過フィルタの中
    心周波数の上記制御に先立って、上記各帯域通過フィル
    タの中心周波数と上記各周波数可変素子の素子定数との
    間の予め測定された関係に基づいて、上記各帯域通過フ
    ィルタの中心周波数がそれぞれ上記設定すべき各中心周
    波数に概ね一致するように上記素子定数変更手段を制御
    して上記各帯域通過フィルタの周波数可変素子の素子定
    数を変更させる前置周波数制御手段を備えたことを特徴
    とする請求項15記載の自動設定装置。
  17. 【請求項17】 それぞれ中心周波数を変化することが
    可能な複数の帯域通過フィルタが電気的に並列に接続さ
    れた並列多段型帯域通過フィルタと、 請求項10、11、12、13、14、15又は16記
    載の自動設定装置とを備えたことを特徴とする並列多段
    自動同調型帯域通過フィルタ。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の並列多段自動同調型
    帯域通過フィルタを複数個備え、上記各並列多段自動同
    調型帯域通過フィルタ内の各帯域通過フィルタから出力
    される信号を出力する、上記各並列多段自動同調型帯域
    通過フィルタの各出力端子をともに電気的に接続して構
    成されることを特徴とするアンテナ共用装置。
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