JP3172219U - 遠心分離用チューブ - Google Patents
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Abstract
【課題】固相分散抽出を行う際に、固相の洗浄用または溶出用の溶媒をチューブ内に容易に充填することができるようにした遠心分離用チューブを提供する。【解決手段】遠心分離機に用いられる遠心分離用チューブであって、遠心分離により液体と固体を濾別するための遠心濾過フィルター3と、遠心濾過フィルター3の頂部に嵌着する、試料、溶媒または固相を注入できる無底筒状の上部チューブ1と、遠心濾過フィルター3の底部に嵌着する、濾過された濾液を受ける有底筒状の下部チューブ2と、上部チューブ1の頂部開口部を閉塞する着脱可能なキャップ4とから構成されており、遠心濾過フィルター3は、上部チューブ1から下部チューブ2の方向に液体のみを通過させる薄板状の濾紙および該濾紙を支持するための内周面が円筒状のハウジングユニットとから構成されている。【選択図】図1
Description
本考案は、遠心濾過フィルターを具備する遠心分離用チューブに関するものである。
従来、ミニチューブ内において分散または懸濁している溶液中の液体と固体を濾別するためには、次のような方法が行われている。
第一に、濾過を行うために、濾紙およびロートを別に用意し、ミニチューブ内の分散若しくは懸濁溶液を系外に出して濾過を行う方法である。
第二に、メンブランフィルターが内包されている、いわゆるコマフィルターをシリンジにつけ、シリンジ内に懸濁溶液を移し替えて加圧または減圧により濾過を行う方法である。
しかし、これらの方法では、いずれもミニチューブ内の分散若しくは懸濁溶液を一旦外に出して行う必要があるという問題がある。
第一に、濾過を行うために、濾紙およびロートを別に用意し、ミニチューブ内の分散若しくは懸濁溶液を系外に出して濾過を行う方法である。
第二に、メンブランフィルターが内包されている、いわゆるコマフィルターをシリンジにつけ、シリンジ内に懸濁溶液を移し替えて加圧または減圧により濾過を行う方法である。
しかし、これらの方法では、いずれもミニチューブ内の分散若しくは懸濁溶液を一旦外に出して行う必要があるという問題がある。
そこで、遠心力を利用して液体と固体を分離する装置である遠心分離機にミニチューブをセットして高速で回転することにより遠心分離することで、液相と固相を分別する方法が行われている。
しかし、この方法では、ミニチューブ内で液体と固体を一旦分離できるものの、実際にその後の操作で必要となる液相または固相(あるいはその両方)を取るためには、通常、上層にある液相をピペットなどを用いて外に取り出す必要が生じる。また、その際には液相と固相の界面が乱れることが多く、液体と固体を分離して取り出すことは、濾過による方法に比べると不完全であるという問題があった。
そこで、前処理方法(固相分散抽出法)を行うに当たり、ミニチューブ内に分散している固体と液体を分離するのに効果的な遠心濾過フィルター(特許文献1を参照)が提供されている。
しかし、この方法では、ミニチューブ内で液体と固体を一旦分離できるものの、実際にその後の操作で必要となる液相または固相(あるいはその両方)を取るためには、通常、上層にある液相をピペットなどを用いて外に取り出す必要が生じる。また、その際には液相と固相の界面が乱れることが多く、液体と固体を分離して取り出すことは、濾過による方法に比べると不完全であるという問題があった。
そこで、前処理方法(固相分散抽出法)を行うに当たり、ミニチューブ内に分散している固体と液体を分離するのに効果的な遠心濾過フィルター(特許文献1を参照)が提供されている。
しかし、この遠心濾過フィルターの上下を上部チューブおよび下部チューブに連結して固相分散抽出を行う際に、固相の洗浄用または溶出用の溶媒を固相が入っている上部チューブに入れるためには、各操作の直前に下部チューブに適当な溶媒を入れた後、天地を逆にして遠心分離操作を行って溶媒を上部チューブに移す操作が必要であり、操作が煩雑であった。
より詳しく説明すると、固相の洗浄用または溶出用の溶媒を、固相が入っている上部チューブに入れるためには、第1に、最初の固相分散で目的物質を固相に吸着させた後、遠心濾過して不必要な試料溶液を下部チューブに濾別する。第2に、濾液が入った下部チューブを遠心濾過フィルターから取り外し、予め洗浄用溶媒を入れておいた別の下部チューブを遠心濾過フィルターに連結させた後、天地を逆にして遠心分離操作を行って該溶媒を上部チューブに移す。第3に、改めて固相を液相中に分散させた後、再度、天地を逆にして遠心分離機にかけて、上部チューブから下部チューブへ遠心濾過フィルターを介して遠心濾過を行う。そして、続く別の洗浄用または溶出用の溶媒の充填に際しては、第2から第3の操作を必要な回数繰り返さなければならなかった。
そこで、本考案は上記のような従来技術の問題点に鑑みて、遠心濾過フィルターを具備した遠心分離用チューブにおいて、固相分散抽出を行う際に固相の洗浄用または溶出用の溶媒をチューブ内に容易に充填することができるようにした遠心分離用チューブを提供することを目的とするものである。
より詳しく説明すると、固相の洗浄用または溶出用の溶媒を、固相が入っている上部チューブに入れるためには、第1に、最初の固相分散で目的物質を固相に吸着させた後、遠心濾過して不必要な試料溶液を下部チューブに濾別する。第2に、濾液が入った下部チューブを遠心濾過フィルターから取り外し、予め洗浄用溶媒を入れておいた別の下部チューブを遠心濾過フィルターに連結させた後、天地を逆にして遠心分離操作を行って該溶媒を上部チューブに移す。第3に、改めて固相を液相中に分散させた後、再度、天地を逆にして遠心分離機にかけて、上部チューブから下部チューブへ遠心濾過フィルターを介して遠心濾過を行う。そして、続く別の洗浄用または溶出用の溶媒の充填に際しては、第2から第3の操作を必要な回数繰り返さなければならなかった。
そこで、本考案は上記のような従来技術の問題点に鑑みて、遠心濾過フィルターを具備した遠心分離用チューブにおいて、固相分散抽出を行う際に固相の洗浄用または溶出用の溶媒をチューブ内に容易に充填することができるようにした遠心分離用チューブを提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、本考案にかかる遠心分離用チューブは、遠心分離機に用いられる遠心分離用チューブであって、遠心分離により液体と固体を濾別するための遠心濾過フィルターと、前記遠心濾過フィルターの頂部に嵌着する、試料、溶媒または固相を注入できる無底筒状の上部チューブと、前記遠心濾過フィルターの底部に嵌着する、濾過された濾液を受ける有底筒状の下部チューブと、前記上部チューブの頂部開口部を閉塞する着脱可能なキャップとから構成されており、前記遠心濾過フィルターは、前記上部チューブから前記下部チューブの方向に液体のみを通過させる薄板状の濾紙および該濾紙を支持するための内周面が円筒状のハウジングユニットとから構成されていることを特徴とする。
前記キャップはスクリューキャップであり、前記上部チューブの外周または内周には該スクリューキャップと螺合するネジ部を有することを特徴とする。
また、前記キャップは前記上部チューブとスナップ式の接続により結合されていることを特徴とする。
また、前記キャップの頂部には空気を前記上部チューブ内に供給するための空気取入孔が形成されていることを特徴とする。
また、前記上部チューブの内周面のうち底部開口部から前記遠心濾過フィルターの頂部が挿入される位置までの部位、または前記下部チューブの内周面のうち頂部開口部から前記遠心濾過フィルターの底部が挿入される位置までの部位は、前記遠心濾過フィルターが挿入される開口部に向かって広くなるテーパー状になっており、前記テーパーの角度は1〜3°の範囲にあることを特徴とする。
また、前記上部チューブの内周面のうち底部開口部から前記遠心濾過フィルターの頂部が挿入される位置までの部位、または前記下部チューブの内周面のうち頂部開口部から前記遠心濾過フィルターの底部が挿入される位置までの部位は、粗面加工されていることを特徴とする。
また、前記遠心濾過フィルターの頂部または底部の外周面に環状凸部または環状凹部が形成されるとともに、前記環状凸部または環状凹部と嵌合する環状凹部または環状凸部が前記上部チューブの底部または前記下部チューブの頂部の内周面に形成され、前記上部チューブまたは前記下部チューブを前記遠心濾過フィルターに挿入すると、前記遠心濾過フィルターの頂部または底部の外周面に形成されている前記環状凸部または環状凹部が、前記上部チューブの底部または前記下部チューブの頂部の内周面に形成されている前記環状凹部または環状凸部と嵌合することを特徴とする。
第1に、上部チューブの底部が開口していて、遠心濾過フィルターの頂部に嵌着でき、かつ、上部チューブの頂部開口部は着脱可能なキャップにより閉塞されていることから、洗浄用または溶出用の溶媒を充填する際には、着脱可能なキャップを取り外して、上部チューブの頂部開口部から直接に上部チューブ内に溶媒を容易に入れることができる。従って、遠心分離用チューブの天地を逆にすることなく、常に一方向で溶媒をチューブに入れることができるので、従来の遠心濾過フィルター付きの遠心分離用チューブでは必要であった何度も天地を逆にする煩雑な操作が不要になり、操作が簡便になった。
第2に、最初の遠心濾過と次の洗浄操作の間で下部チューブを取り外す必要が無く、下部チューブを取り外す必要があるのは洗浄操作と溶出操作の間のみであることから、有害な環境汚染物質や微生物の懸濁溶液などを取り扱う際に、実験者への該物質や該微生物の曝露が従来の操作に比べて軽減した。
第2に、最初の遠心濾過と次の洗浄操作の間で下部チューブを取り外す必要が無く、下部チューブを取り外す必要があるのは洗浄操作と溶出操作の間のみであることから、有害な環境汚染物質や微生物の懸濁溶液などを取り扱う際に、実験者への該物質や該微生物の曝露が従来の操作に比べて軽減した。
固相分散抽出を行う際に、固相の洗浄用または溶出用の溶媒をチューブ内に容易に充填することができるようにした遠心濾過フィルターを具備した遠心分離用チューブを提供するという目的を、上部チューブの頂部を開口して該開口部を閉塞する着脱可能なキャップを設けることにより実現した。
以下、図面を参照しながら、本考案の実施の形態について詳しく説明する。
図1は、本考案にかかる遠心分離用チューブの説明図である。
本考案にかかる遠心分離用チューブは、遠心分離により液体と固体を濾別するための遠心濾過フィルター3と、遠心濾過フィルター3の頂部に嵌着する、試料、溶媒または固相を注入できる無底筒状の上部チューブ1と、遠心濾過フィルター3の底部に嵌着する、濾過された濾液を受ける有底筒状の下部チューブ2と、上部チューブ1の頂部開口部を閉塞する着脱可能なキャップ4とから構成されている。
そして、遠心濾過フィルター3は、図2のように薄板状の濾紙8および濾紙8を内包するハウジングユニットとから構成されている。また、濾紙8は、前記ハウジングユニットの上端部分と下端部分の間に配置されている。
図1は、本考案にかかる遠心分離用チューブの説明図である。
本考案にかかる遠心分離用チューブは、遠心分離により液体と固体を濾別するための遠心濾過フィルター3と、遠心濾過フィルター3の頂部に嵌着する、試料、溶媒または固相を注入できる無底筒状の上部チューブ1と、遠心濾過フィルター3の底部に嵌着する、濾過された濾液を受ける有底筒状の下部チューブ2と、上部チューブ1の頂部開口部を閉塞する着脱可能なキャップ4とから構成されている。
そして、遠心濾過フィルター3は、図2のように薄板状の濾紙8および濾紙8を内包するハウジングユニットとから構成されている。また、濾紙8は、前記ハウジングユニットの上端部分と下端部分の間に配置されている。
上部チューブ1は頂部および底部が開口している無底筒状であり、下部チューブ2は頂部のみが開口している有底筒状である。そして、遠心濾過フィルター3と密に嵌合できる程度に、遠心濾過フィルター3の頂部外径と上部チューブ1の底部内径、並びに遠心濾過フィルター3の底部外径と下部チューブ2の頂部内径が合っている。
遠心濾過フィルター3の最大外径は、上部チューブ1または下部チューブ2の最大外径と同一の場合に限られるものではなく、上部チューブ1または下部チューブ2の最大外径より大であっても良い。これにより、遠心濾過フィルター3が持ちやすくなり、遠心濾過フィルター3を上部チューブ1および下部チューブ2に嵌着したり、逆に上部チューブ1および下部チューブ2から取り外したりすることが容易となる。
キャップ4は、上部チューブ1の頂部開口部を閉塞する際に、該キャップを手で回して締められるタイプであるスクリューキャップであり、上部チューブ1の頂部の外周または内周には該スクリューキャップと螺合するネジ部が形成されている。つまり、上部チューブ1の頂部の外周に該スクリューキャップと螺合するネジ部が形成されている外ネジの場合に限られるものではなく、上部チューブ1の頂部の内周に該スクリューキャップと螺合するネジ部が形成されている内ネジの場合であっても良い。
また、キャップ4がスクリューキャップの場合、キャップ4を緩めることにより、空気を上部チューブ1内に取り入れることができる効果がある。
また、キャップ4がスクリューキャップの場合、キャップ4を緩めることにより、空気を上部チューブ1内に取り入れることができる効果がある。
キャップ4の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど様々なものが可能である。
また、キャップ4は、スクリューキャップに限られるものではなく、ワンタッチで締められるタイプであるスナップ式のものであっても良い。この場合、キャップ4は上部チューブ1の頂部とスナップ式の接続により結合される。
また、キャップ4は、スクリューキャップに限られるものではなく、ワンタッチで締められるタイプであるスナップ式のものであっても良い。この場合、キャップ4は上部チューブ1の頂部とスナップ式の接続により結合される。
図示しないが、キャップ4の頂部に空気を上部チューブ1内に供給するための空気取入孔が形成されていても良い。また、キャップ4は、注射針による穿刺に適した再封可能なセプタムを具備していても良い。このセプタムの場合、1回針を刺しても空気を上部チューブ1内に取り入れることができる効果がある。
本考案にかかる遠心分離用チューブを用いて濾別する方法について、説明する。
まず、上部チューブ1の底部に遠心濾過フィルター3を嵌着し、さらに、遠心濾過フィルター3の底部に下部チューブ2を連結する。
次に、分析対象試料および当該分析に必要な固相(充填剤)を上部チューブ1内に入れ、上部チューブ1の頂部開口部をキャップ4で閉塞した後、ボルテックスミキサー等で上部チューブ1内の液を分散・懸濁させる。
そして、遠心分離機に本考案にかかる遠心分離用チューブをセットして、遠心分離を行う。この遠心分離において上部チューブ1内の試料等が遠心濾過フィルター3により濾過されることによって、固体は上部チューブ1に留まり、液体が下部チューブ2に濾別される。
その後、キャップ4を取り外して洗浄用溶媒を上部チューブ1に入れ、再びキャップ4で閉塞した後、遠心分離して固相を洗浄する。この洗浄は、通常、1回もしくは2回行われる。
次に、下部チューブ2を別の空チューブに交換し、キャップ4を取り外し、溶出用溶媒を上部チューブ1に入れ、再びキャップ4で閉塞した後、遠心分離する。遠心分離された結果、目的物質が溶出された液相が、下部チューブ2に濾別される。
まず、上部チューブ1の底部に遠心濾過フィルター3を嵌着し、さらに、遠心濾過フィルター3の底部に下部チューブ2を連結する。
次に、分析対象試料および当該分析に必要な固相(充填剤)を上部チューブ1内に入れ、上部チューブ1の頂部開口部をキャップ4で閉塞した後、ボルテックスミキサー等で上部チューブ1内の液を分散・懸濁させる。
そして、遠心分離機に本考案にかかる遠心分離用チューブをセットして、遠心分離を行う。この遠心分離において上部チューブ1内の試料等が遠心濾過フィルター3により濾過されることによって、固体は上部チューブ1に留まり、液体が下部チューブ2に濾別される。
その後、キャップ4を取り外して洗浄用溶媒を上部チューブ1に入れ、再びキャップ4で閉塞した後、遠心分離して固相を洗浄する。この洗浄は、通常、1回もしくは2回行われる。
次に、下部チューブ2を別の空チューブに交換し、キャップ4を取り外し、溶出用溶媒を上部チューブ1に入れ、再びキャップ4で閉塞した後、遠心分離する。遠心分離された結果、目的物質が溶出された液相が、下部チューブ2に濾別される。
上部チューブ1および下部チューブ2の材質としては、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンなど様々なものが可能である。
遠心濾過フィルター3のハウジングユニットの材質としては、上部チューブ1および下部チューブ2と確実に嵌着できるものであればよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど様々なものが可能である。
濾紙8は、綿繊維やガラス繊維など様々な材質のものが可能であり、濾過する目的に応じて目の細かさが適切なものを選択する。
次に、本考案にかかる遠心濾過フィルター3の構造について、説明する。遠心濾過フィルター3は、濾紙8を内包するハウジングユニットを溶着して形成した場合、嵌着して形成した場合、一体成型によって形成した場合など、いずれの場合であっても良い。
まず、図2はハウジングユニットを溶着によって形成した遠心濾過フィルター3の縦断面図である。このように、遠心濾過フィルター3のハウジングユニットは、上部6と下部7に分れて構成されており、その上部6と下部7とが濾紙8を間に挟んで溶着されている構造となっている。
次に、図3はハウジングユニットを嵌着によって形成した遠心濾過フィルター3の縦断面図である。このように、遠心濾過フィルター3のハウジングユニットは、上部6と下部7に分れて構成されており、その上部6と下部7とが濾紙8を間に挟んで嵌着されている構造となっている。
さらに、図4はハウジングユニットを一体成型によって形成した濾過フィルター3の縦断面図である。このように、遠心濾過フィルター3のハウジングユニットは、上記の上部6と下部7に分れて構成されるものに限られるものではなく、図4のように濾紙8を内包した一体成型のハウジングユニット5であっても良い。
図2の溶着、図3の嵌着、図4の一体成型のいずれの場合であっても、遠心濾過フィルター3の天地を逆にしても同様に実施可能である。さらに、図3の嵌着の場合は、ハウジングユニットの上部6と下部7を分離することによって、濾紙8だけを交換することも可能である。
図5は、上部チューブ1と遠心濾過フィルター3の嵌着部分を示す縦断面図である。このように、上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位は、上部チューブ1の底部開口部に向かって広くなるテーパー状になっていても良い。この場合の前記テーパーの角度は1〜3°の範囲である。
上部チューブ1の底部開口部の内径と遠心濾過フィルター3の頂部開口部の外径がぴったりと合いすぎていると嵌め込む際に困難な場合がある。しかし、上部チューブ1の底部開口部付近がテーパー状になっていると、遠心濾過フィルター3を容易に嵌め込むことができる。
なお、テーパー状にするのは、上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位に限られるものではなく、下部チューブ2の内周面のうち頂部開口部から遠心濾過フィルター3の底部が挿入される位置までの部位が、下部チューブ2の頂部開口部に向かって広くなるテーパー状になっていても良い。この場合も、テーパーの角度は1〜3°の範囲が好適である。
さらに、上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位、および下部チューブ2の内周面のうち頂部開口部から遠心濾過フィルター3の底部が挿入される位置までの部位、の両方が遠心濾過フィルター3が挿入される開口部に向かって広くなるテーパー状になっていても良い。この場合も、各テーパーの角度は1〜3°の範囲が好適である。
上部チューブ1の底部開口部の内径と遠心濾過フィルター3の頂部開口部の外径がぴったりと合いすぎていると嵌め込む際に困難な場合がある。しかし、上部チューブ1の底部開口部付近がテーパー状になっていると、遠心濾過フィルター3を容易に嵌め込むことができる。
なお、テーパー状にするのは、上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位に限られるものではなく、下部チューブ2の内周面のうち頂部開口部から遠心濾過フィルター3の底部が挿入される位置までの部位が、下部チューブ2の頂部開口部に向かって広くなるテーパー状になっていても良い。この場合も、テーパーの角度は1〜3°の範囲が好適である。
さらに、上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位、および下部チューブ2の内周面のうち頂部開口部から遠心濾過フィルター3の底部が挿入される位置までの部位、の両方が遠心濾過フィルター3が挿入される開口部に向かって広くなるテーパー状になっていても良い。この場合も、各テーパーの角度は1〜3°の範囲が好適である。
上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位は、表面がざらつきのある粗面加工が施されていても良い。
上部チューブ1の底部の内周面と遠心濾過フィルター3の頂部の外周面が互いに滑沢の場合は嵌め込む際の摩擦が大きく、嵌め込むことが困難な場合がある。しかし、上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位にざらつきのある粗面加工が施されていると、上部チューブ1を遠心濾過フィルター3に容易に嵌め込むことができる。
なお、粗面加工するのは、上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位に限られるものではなく、下部チューブ2の内周面のうち頂部開口部から遠心濾過フィルター3の底部が挿入される位置までの部位が、粗面加工されていても良い。
さらに、上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位、および下部チューブ2の内周面のうち頂部開口部から遠心濾過フィルター3の底部が挿入される位置までの部位、の両方が粗面加工されていても良い。
上部チューブ1の底部の内周面と遠心濾過フィルター3の頂部の外周面が互いに滑沢の場合は嵌め込む際の摩擦が大きく、嵌め込むことが困難な場合がある。しかし、上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位にざらつきのある粗面加工が施されていると、上部チューブ1を遠心濾過フィルター3に容易に嵌め込むことができる。
なお、粗面加工するのは、上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位に限られるものではなく、下部チューブ2の内周面のうち頂部開口部から遠心濾過フィルター3の底部が挿入される位置までの部位が、粗面加工されていても良い。
さらに、上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位、および下部チューブ2の内周面のうち頂部開口部から遠心濾過フィルター3の底部が挿入される位置までの部位、の両方が粗面加工されていても良い。
遠心濾過フィルター3の頂部の外周面には、図5に示したように、環状凸部9が形成され、かつ上部チューブ1の底部の内周面には環状凹部10が形成されていても良い。従って、上部チューブ1の底部を遠心濾過フィルター3の頂部に挿入すると、遠心濾過フィルター3の頂部に形成された環状凸部9が上部チューブ1の底部の内周面を外側方向に押圧することにより、上部チューブ1の底部が外側方向に押し出され、遠心濾過フィルター3の頂部に形成された環状凸部9が上部チューブ1の底部に形成された環状凹部10に、「カチッ」というクリック音と共に嵌合する。
なお、環状凸部9が形成されるのは、遠心濾過フィルター3の頂部の外周面に限られるものではなく、遠心濾過フィルター3の底部の外周面に環状凸部9が形成されていても良い。この場合は、下部チューブ2の頂部の内周面に環状凹部10が形成される。そして、下部チューブ2の頂部を遠心濾過フィルター3の底部に挿入すると、遠心濾過フィルター3の底部に形成された環状凸部9が下部チューブ2の頂部の内周面を外側方向に押圧することにより、下部チューブ1の頂部が外側方向に押し出され、遠心濾過フィルター3の底部に形成された環状凸部9が下部チューブ2の頂部に形成された環状凹部10に、「カチッ」というクリック音と共に嵌合する。
さらに、遠心濾過フィルター3の頂部の外周面および遠心濾過フィルター3の底部の外周面の両方に環状凸部9が形成されていても良い。この場合は、上部チューブ1の底部の内周面および下部チューブ2の頂部の内周面に環状凹部10が形成される。
また、環状凸部と環状凹部が入れ替わっていても良い。つまり、遠心濾過フィルター3の頂部または/および底部の外周面に環状凹部が形成されており、上部チューブ1の底部の内周面または/および下部チューブ2の頂部の内周面に環状凸部が形成されていても良い。
なお、環状凸部9が形成されるのは、遠心濾過フィルター3の頂部の外周面に限られるものではなく、遠心濾過フィルター3の底部の外周面に環状凸部9が形成されていても良い。この場合は、下部チューブ2の頂部の内周面に環状凹部10が形成される。そして、下部チューブ2の頂部を遠心濾過フィルター3の底部に挿入すると、遠心濾過フィルター3の底部に形成された環状凸部9が下部チューブ2の頂部の内周面を外側方向に押圧することにより、下部チューブ1の頂部が外側方向に押し出され、遠心濾過フィルター3の底部に形成された環状凸部9が下部チューブ2の頂部に形成された環状凹部10に、「カチッ」というクリック音と共に嵌合する。
さらに、遠心濾過フィルター3の頂部の外周面および遠心濾過フィルター3の底部の外周面の両方に環状凸部9が形成されていても良い。この場合は、上部チューブ1の底部の内周面および下部チューブ2の頂部の内周面に環状凹部10が形成される。
また、環状凸部と環状凹部が入れ替わっていても良い。つまり、遠心濾過フィルター3の頂部または/および底部の外周面に環状凹部が形成されており、上部チューブ1の底部の内周面または/および下部チューブ2の頂部の内周面に環状凸部が形成されていても良い。
本実施例の効果としては、次のものがあげられる。
第1に、上部チューブ1の底部が開口していて、遠心濾過フィルター3の頂部に嵌着でき、かつ、上部チューブ1の頂部開口部は着脱可能なキャップ4により閉塞されていることから、洗浄用または溶出用の溶媒を充填する際には、着脱可能なキャップ4を取り外して、上部チューブ1の頂部開口部から直接に上部チューブ1内に溶媒を容易に入れることができる。従って、遠心分離用チューブの天地を逆にすることなく、常に一方向で溶媒をチューブに入れることができるので、従来の遠心濾過フィルター付きの遠心分離用チューブでは必要であった何度も天地を逆にする煩雑な操作が不要になり、操作が簡便になった。
第2に、最初の遠心濾過と次の洗浄操作の間で下部チューブ2を取り外す必要が無く、下部チューブ2を取り外す必要があるのは洗浄操作と溶出操作の間のみであることから、有害な環境汚染物質や微生物の懸濁溶液などを取り扱う際に、実験者への該物質や該微生物の曝露が従来の操作に比べて軽減した。
第3に、従来の遠心濾過フィルターを具備したチューブを使用した場合では密閉されていたためにチューブ内が負圧になって濾過が妨げられることがあったが、キャップ4に空気取入孔を形成したり、セプタムを具備したり、またはスクリューキャップの場合はキャップ4を緩めることにより、遠心濾過に際してチューブ内に空気を取り入れることができることから、チューブ内が負圧とならず濾過がスムーズに行えるようになり濾過速度が向上した。
第4に、上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位、または下部チューブ2の内周面のうち頂部開口部から遠心濾過フィルター3の底部が挿入される位置までの部位は、前記遠心濾過フィルター3が挿入される開口部に向かって広くなるテーパー状になっており、前記テーパーの角度は1〜3°の範囲にある。さらに、該部位は粗面加工されている場合もある。これらにより、操作者が遠心濾過フィルター3を上部チューブ1または下部チューブ2に嵌着させることが容易になった。
第5に、遠心濾過フィルター3の頂部または底部の外周面に環状凸部または環状凹部が形成されるとともに、前記環状凸部または環状凹部と嵌合する環状凹部または環状凸部が上部チューブ1の底部または下部チューブ2の頂部の内周面に形成され、上部チューブ1または下部チューブ2を遠心濾過フィルター3に挿入すると、遠心濾過フィルター3の頂部または底部の外周面に形成されている前記環状凸部または環状凹部が、上部チューブ1の底部または下部チューブ2の頂部の内周面に形成されている前記環状凹部または環状凸部と嵌合する。これにより、上部チューブ1または下部チューブ2と遠心濾過フィルター3の嵌着が完了したことを「カチッ」というクリック音で操作者が確認することができ、かつ上部チューブ1または下部チューブ2と遠心濾過フィルター3がより一層外れにくくなった。
第1に、上部チューブ1の底部が開口していて、遠心濾過フィルター3の頂部に嵌着でき、かつ、上部チューブ1の頂部開口部は着脱可能なキャップ4により閉塞されていることから、洗浄用または溶出用の溶媒を充填する際には、着脱可能なキャップ4を取り外して、上部チューブ1の頂部開口部から直接に上部チューブ1内に溶媒を容易に入れることができる。従って、遠心分離用チューブの天地を逆にすることなく、常に一方向で溶媒をチューブに入れることができるので、従来の遠心濾過フィルター付きの遠心分離用チューブでは必要であった何度も天地を逆にする煩雑な操作が不要になり、操作が簡便になった。
第2に、最初の遠心濾過と次の洗浄操作の間で下部チューブ2を取り外す必要が無く、下部チューブ2を取り外す必要があるのは洗浄操作と溶出操作の間のみであることから、有害な環境汚染物質や微生物の懸濁溶液などを取り扱う際に、実験者への該物質や該微生物の曝露が従来の操作に比べて軽減した。
第3に、従来の遠心濾過フィルターを具備したチューブを使用した場合では密閉されていたためにチューブ内が負圧になって濾過が妨げられることがあったが、キャップ4に空気取入孔を形成したり、セプタムを具備したり、またはスクリューキャップの場合はキャップ4を緩めることにより、遠心濾過に際してチューブ内に空気を取り入れることができることから、チューブ内が負圧とならず濾過がスムーズに行えるようになり濾過速度が向上した。
第4に、上部チューブ1の内周面のうち底部開口部から遠心濾過フィルター3の頂部が挿入される位置までの部位、または下部チューブ2の内周面のうち頂部開口部から遠心濾過フィルター3の底部が挿入される位置までの部位は、前記遠心濾過フィルター3が挿入される開口部に向かって広くなるテーパー状になっており、前記テーパーの角度は1〜3°の範囲にある。さらに、該部位は粗面加工されている場合もある。これらにより、操作者が遠心濾過フィルター3を上部チューブ1または下部チューブ2に嵌着させることが容易になった。
第5に、遠心濾過フィルター3の頂部または底部の外周面に環状凸部または環状凹部が形成されるとともに、前記環状凸部または環状凹部と嵌合する環状凹部または環状凸部が上部チューブ1の底部または下部チューブ2の頂部の内周面に形成され、上部チューブ1または下部チューブ2を遠心濾過フィルター3に挿入すると、遠心濾過フィルター3の頂部または底部の外周面に形成されている前記環状凸部または環状凹部が、上部チューブ1の底部または下部チューブ2の頂部の内周面に形成されている前記環状凹部または環状凸部と嵌合する。これにより、上部チューブ1または下部チューブ2と遠心濾過フィルター3の嵌着が完了したことを「カチッ」というクリック音で操作者が確認することができ、かつ上部チューブ1または下部チューブ2と遠心濾過フィルター3がより一層外れにくくなった。
1 上部チューブ
2 下部チューブ
3 遠心濾過フィルター
4 キャップ
5 ハウジングユニット
6 ハウジングユニットの上部
7 ハウジングユニットの下部
8 濾紙
9 環状凸部
10 環状凹部
2 下部チューブ
3 遠心濾過フィルター
4 キャップ
5 ハウジングユニット
6 ハウジングユニットの上部
7 ハウジングユニットの下部
8 濾紙
9 環状凸部
10 環状凹部
Claims (7)
- 遠心分離機に用いられる遠心分離用チューブであって、
遠心分離により液体と固体を濾別するための遠心濾過フィルターと、
前記遠心濾過フィルターの頂部に嵌着する、試料、溶媒または固相を注入できる無底筒状の上部チューブと、
前記遠心濾過フィルターの底部に嵌着する、濾過された濾液を受ける有底筒状の下部チューブと、
前記上部チューブの頂部開口部を閉塞する着脱可能なキャップとから構成されており、
前記遠心濾過フィルターは、
前記上部チューブから前記下部チューブの方向に液体のみを通過させる薄板状の濾紙および該濾紙を支持するための内周面が円筒状のハウジングユニットとから構成されていることを特徴とする遠心分離用チューブ。 - 前記キャップはスクリューキャップであり、前記上部チューブの外周または内周には該スクリューキャップと螺合するネジ部を有することを特徴とする請求項1に記載の遠心分離用チューブ。
- 前記キャップは前記上部チューブとスナップ式の接続により結合されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離用チューブ。
- 前記キャップの頂部には空気を前記上部チューブ内に供給するための空気取入孔が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の遠心分離用チューブ。
- 前記上部チューブの内周面のうち底部開口部から前記遠心濾過フィルターの頂部が挿入される位置までの部位、または前記下部チューブの内周面のうち頂部開口部から前記遠心濾過フィルターの底部が挿入される位置までの部位は、前記遠心濾過フィルターが挿入される開口部に向かって広くなるテーパー状になっており、前記テーパーの角度は1〜3°の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の遠心分離用チューブ。
- 前記上部チューブの内周面のうち底部開口部から前記遠心濾過フィルターの頂部が挿入される位置までの部位、または前記下部チューブの内周面のうち頂部開口部から前記遠心濾過フィルターの底部が挿入される位置までの部位は、粗面加工されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の遠心分離用チューブ。
- 前記遠心濾過フィルターの頂部または底部の外周面に環状凸部または環状凹部が形成されるとともに、前記環状凸部または環状凹部と嵌合する環状凹部または環状凸部が前記上部チューブの底部または前記下部チューブの頂部の内周面に形成され、前記上部チューブまたは前記下部チューブを前記遠心濾過フィルターに挿入すると、前記遠心濾過フィルターの頂部または底部の外周面に形成されている前記環状凸部または環状凹部が、前記上部チューブの底部または前記下部チューブの頂部の内周面に形成されている前記環状凹部または環状凸部と嵌合することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の遠心分離用チューブ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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ID=54882352
Family Applications (1)
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JP2011005624U Expired - Lifetime JP3172219U (ja) | 2011-09-27 | 2011-09-27 | 遠心分離用チューブ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3172219U (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2011
- 2011-09-27 JP JP2011005624U patent/JP3172219U/ja not_active Expired - Lifetime
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