JP3167446U - 配管支持金具 - Google Patents
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Abstract
【課題】金具のズリ下がりを防止できると共に、上方移動調整操作も容易に行うことができる配管支持金具を提供する。【解決手段】縦板部11の前面上下に係止板部12a,12bを突設すると共に、前記係止板部の側辺に、抜け止め用鉤片部13a,13bを備えて吊杆部材Aを挿通状態で嵌合する装着凹部14a,14bを設け、且つ縦板部11の前面に吊杆部材Aに対する押圧用バネ板部18を設けてなる保持体部1と、縦板部11の背面に設けた配管支持体部2とで構成される配管支持金具において、一方の装着凹部14aに対応する押圧板部を省略する。上方係止板部12aを、上外方に折曲形成し、吊杆部材Aへの装着状態における傾斜係止板部(上方係止板部12a)の装着凹部14aの水平開口幅が、吊杆部材Aの直径よりの幅狭となるように設ける。【選択図】図1
Description
本考案は、主として建物内天井裏部分に吊下設置して天井板を支持するアンカーボルト(吊杆部材)に、天井裏配管を支持させる配管支持金具に関するものである。
天井アンカーボルトを利用する配管支持具は、アンカーボルトに装着する保持体部と、配管を抱持する配管支持体部で構成され、保持体部が、縦板部の上下に係止板部を突設すると共に、前記係止板部の側辺に鉤状の装着凹部を設け、且つ縦板部の表面(係止片部の突設側の面)にアンカーボルトへの押圧用バネ板を設けてなるもので、配管支持体部は、前記縦板部の背面側に、先端を縦板部に係止自在に設けて、支持対象の配管を縦板部と抱持するようにしたものである(特許文献1、2、3)。
前記の配管支持具は、直立方向に設けられているアンカーボルトに対して、アンカーボルトが上下の装着凹部内に位置させ、押圧用バネ板でアンカーボルトを押圧することで、アンカーボルトを装着凹部における鉤状部分(装着凹部の前方部分)に位置させて、金具の横方向への抜けを防止して取り付けられる。
具体的には、特許文献1(特開平5−60272号公報)に開示されている金具は、上下の装着凹部に対応してバネ板部におけるアンカーボルトと当接する押圧面の先端をアンカーボルト側に折曲し、アンカーボルトのネジ山に食い込むようにさせている。
特許文献2(特開平11−210932号公報)に開示されている金具は、縦板部の上下中間個所に折り返し形状のバネ板部を設けて、上下装着凹部の中間個所のアンカーボルトを押圧するようにしている。
更に特許文献3(特開2001−343088号公報)に開示されている金具は、バネ板を末広がり状に傾斜させて設け、上下のバネ板部の弾性復元力でアンカーボルト(吊杆部材)を押圧するようにしている。
前記の金具における上下の装着凹部内からのアンカーボルト(吊杆部材)の抜け止めは、バネ板部による押圧作用のみで行われている。従って上下装着凹部近傍の二か所に対して押圧作用が働く構造が必要であり(引用文献1,3の金具)、一か所に対しての押圧作用の場合には、上下装着凹部に対しての作用がバランスよくなされる構造が必要である。そこで本考案は、押圧作用が一方の装着凹部に対する構成で充分として構造の簡素化を実現する金具を提供するものである。
またアンカーボルト(吊杆部材)に装着する配管支持金具は、配管によって荷重が加わってズリ下がらないようにしなければならない。然し特許文献2に開示されている金具のように、装着凹部の前内縁のみがアンカーボルトのネジ山に食い込むものでは、外力が加わると前記の食い込みが容易に外れ、金具がズリ落ちてしまう。
更に特許文献1、3記載の金具は、装着凹部の前内縁部分と共にバネ板部の先端もアンカーボルトのネジ山に食い込むので、荷重が加わっても金具のズリ下がりが生ずる虞は無いが、金具の位置調整操作において問題がある。
即ち天井配管を金具に取り付ける作業が行い易いように、金具の上方空間が広いほうが良いので、配管支持金具は、天井アンカーボルトの下方部分に一旦装着し、その後上方に移動させると便利であるが、前記金具では、上方のバネ板部の先端がアンカーボルトのネジ山に食い込むので、上方への移動操作が非常に行い難い。
そこで本考案は、更に配管の荷重が加わってもズリ下がることなく、且つ上方への移動も容易に行うことのできる新規な配管支持金具を提案したものである。
本考案(請求項1)に係る配管支持金具は、縦板部の前面上下に係止板部を突設すると共に、前記係止板部の側辺に、前方側に抜け止め用鉤片部を備えて吊杆部材を挿通状態で嵌合する装着凹部を設け、且つ縦板部の前面に吊杆部材に対する押圧用バネ板部を設けてなる保持体部と、前記縦板部の背面に設けた配管支持体部とで構成される配管支持金具において、係止板部の何れか一方を、上下外方に折曲形成し、吊杆部材への装着状態における傾斜係止板部の装着凹部の水平開口幅が、吊杆部材直径よりの幅狭となるように設けたことを特徴とするものである。
而して吊杆部材に対して縦板部が上下方向で傾斜し、且つ左右方向でも傾斜している状態(吊杆部材をZ軸とした場合におけるX−Y軸方向においての傾斜)で、傾斜係止板部の装着凹部内に吊杆部材が挿通状態となるように引っ掛け、そして金具全体を、縦板部が吊杆部材と平行になるようにしながら他方の係止板部の装着凹部内に吊杆部材を挿通状態とすると、バネ板部が押し込まれるので、バネ板部の復帰力で吊杆部材を押圧し、金具が吊杆部材に取り付けられることになる。
特に傾斜係止板部の装着凹部において、縦板部が傾斜している取り付け前の状態では、装着凹部の前後内縁の間隔が広く、吊杆部材の挿入が容易になされるが、取り付け後は装着凹部の前後内縁の間隔が狭くなって、吊杆部材の抜けが防止されるもので、傾斜係止板部においては、特に吊杆部材に対する押圧を必要としない。
また本考案(請求項2)に係る配管支持具は、前記の金具において、特に上方係止板部を上外方に折曲してなると共に、縦板部の略上下中間に固着したバネ板部を、吊杆部材への押圧作用を為すように下方へ傾斜起立させて設けてなるものである。
従って金具装着時には、上下装着凹部の前内縁がアンカーボルトのネジ山に食い込むと共に、下方装着凹部に対向して斜め上方から食い込むので、配管の荷重を受けてもズリ下がることが無い。また上下装着凹部の前内縁のネジ山の食い込みを外すと、下方のバネ板部は下向き傾斜となっているので、金具の上方移動操作を容易に行うことができる。
本考案は上記の通りの構成で、吊杆部材を挿通する一方の係止板部を傾斜させて設けているものであるから、バネ板による押圧作用が無くても傾斜係止板部の装着凹部における吊杆部材の抜け止めを実現することができ、更に傾斜係止板部を上方係止板部に採用し、下方装着凹部に対応するバネ板部を下方向き傾斜とすることで、金具のズリ下がりを防止できると共に、上方移動調整操作も容易に行うことができるものである。
次に本考案の実施形態について説明する。実施形態に示した金具は、保持体部1と配管支持体部2で構成される。
保持体部1は、全体の側面視をコ状に形成しているもので、適宜幅及び高さを有する縦板部11の上下を前面側に折曲して係止板部12a,12bを突設したものであり、特に上方係止板部12aは、先方(前方)を上方に傾斜させて傾斜係止板部としてなるものである。
この係止板部12a,12bの一方の側辺(上下同一側)には、抜け止め用の鉤片部13a,13bを備えて吊杆部材Aを挿通状態で嵌合する装着凹部14a,14bを設けてなる。
前記装着凹部14a,14bは、鉤片部13a,13bを越えて装着対象の吊杆部材Aが側方から差し入れ可能である大きさで、且つ前後縁間隔を吊杆部材Aの直径に近似する幅としたものである。
また縦板部11の上方適宜個所に配管支持体部2の装着用の横孔15を形成すると共に、前記横孔15の上部内縁には、係止突部16を垂設してなる。
更に縦板部11の前面には、バネ板17を設けたもので、バネ板17の下方部分は、跳ね上げ状態に設けて、先端を下方装着凹部14bの上方位置まで突出させてバネ板部18に形成し、バネ板17の上方部分は、先端が横孔15の一部を閉塞し、且つ係止突部16の下縁に一致するようにして、抜止部19に形成してなるものである。
配管支持体部2は、全体が湾曲コ状に形成して縦板部11とで支持すべき配管Bを抱持できる形状としたもので、下方先端部(枢止部)21を、縦板部11の下側に穿設した枢結孔に挿通折曲して枢止し、上方部分を開口自在に設けたものである。
上方先端部(連結部)22は、前記した縦板部11に設けた横孔15に挿入可能に形成すると共に、係止突部16に対応する嵌合孔23を設けたものである。
而して吊杆部材Aに対して前記金具を装着するものであるが、最初に上方係止板部12aが吊杆部材Aに対して直交する状態で、上方係止板部12aの上方装着凹部14a内に吊杆部材Aが挿通状態となるように引っ掛ける(図2)。
次に前記状態で金具の下方を右方(装着凹部の開口側が吊杆部材Aに対面する方向)に捩じりながら、下方係止板部12bの下方装着凹部14b内に吊杆部材Aが挿通状態となるように引っ掛けると、縦板部11は吊杆部材Aに装着される(図3)。
即ち前記の装着状態における上方係止板部(傾斜係止板部)12aの上方装着凹部14aでは、図2に示す取り付け当初の状態において、上方装着凹部14aの開口部個所の間隔は、吊杆部材Aの挿入が容易になされる幅を備えるが、取り付け後においては、上方装着凹部14aの開口間隔(水平方向の幅)が狭くなって、上方装着凹部14aから吊杆部材Aが抜け出るのを防止している。
更に下方係止板部12bの下方装着凹部14bにおいては、吊杆部材Aが挿通状態になると、バネ板部18が縦板部11方向に押し込まれることで、バネ板部18の弾性復帰力で吊杆部材Aを下方装着凹部14bの前内縁に強く押圧される。
従って吊杆部材Aは、鉤片部13a,13bによって装着凹部14a,14bの開口側からの離脱が防止され、吊杆部材Aがネジ棒(アンカーボルト)であれば、装着凹部14a,14bの前内縁がネジ山に食い込むと共に、バネ板部18の先端もネジ山に食い込むみ、金具に配管Bを保持させて荷重が加わったとしても、保持体部1は吊杆部材Aに確りと固定されるものである。特に金具に後述するように配管Bを装着すると、配管Bの荷重によって、金具上方では、背面方向に引っ張られる力が作用するので、上方装着凹部14aの前内縁のネジ山への食い込みが確りと為される。
そして保持体部1が吊杆部材Aに固定された後、配管Bを金具に抱持させるもので、配管Bを配管支持体部2の内方に載置した状態で閉口方向に回動し、先端の連結部22を横孔15に差し入れると共に、抜止部19を前方に押し出す。係止突部16が嵌合孔23の位置に達すると、係止突部16を嵌合孔23に嵌合させ、抜止部19が後退(復帰)して連結部22の下方に位置すると、係止突部16の嵌合孔23への嵌合状態を維持することになり、配管支持体部2が保持体部1に連結されるものである。
更に金具を吊杆部材Aに装着した後(配管Bを装着前後に関わらず)に、金具を上方に移動作用とする場合には、手で金具を保持し、上下の装着凹部14a,14bの前内縁のネジ山への食い込みを解除すると、バネ板部18が下向き傾斜であるので、そのまま上方に移動させることができるものである。
尚本考案は前記実施形態に限定されるものではなく、傾斜係止板部を下方係止板部に適用しても良いし、配管支持体部2の先端を保持体部1の下方に固着し、配管支持体部2の下方適宜個所を枢結構造として、配管支持体部2の開閉を行うようにしても良い。
1 保持体部
11 縦板部
12a 上方係止板部(傾斜係止板部)
12b 下方係止板部
13a,13b 鉤片部
14a 上方装着凹部
14b 下方装着凹部
15 横孔
16 係止突部
17 バネ板
18 バネ板部
19 抜止部
2 配管支持体部
21 枢止部
22 連結部
23 嵌合孔
11 縦板部
12a 上方係止板部(傾斜係止板部)
12b 下方係止板部
13a,13b 鉤片部
14a 上方装着凹部
14b 下方装着凹部
15 横孔
16 係止突部
17 バネ板
18 バネ板部
19 抜止部
2 配管支持体部
21 枢止部
22 連結部
23 嵌合孔
Claims (3)
- 縦板部の前面上下に係止板部を突設すると共に、前記係止板部の側辺に、前方側に抜け止め用鉤片部を備えて吊杆部材を挿通状態で嵌合する装着凹部を設け、且つ縦板部の前面に吊杆部材に対する押圧用バネ板部を設けてなる保持体部と、前記縦板部の背面に設けた配管支持体部とで構成される配管支持金具において、係止板部の何れか一方を、上下外方に折曲形成し、吊杆部材への装着状態における傾斜係止板部の装着凹部の水平開口幅が、吊杆部材直径より幅狭となるように設けたことを特徴とする配管支持金具。
- 上方係止板部を上外方に折曲してなると共に、縦板部の略上下中間に固着したバネ板部を、吊杆部材への押圧作用を為すように下方へ傾斜起立させて設けてなる請求項1記載の配管支持金具。
- 縦板部の上方適宜個所に、上部内縁に係止突部を垂設した装着用横孔を形成し、配管支持体部を、湾曲コ状に形成すると共に、下方適宜個所を枢結し、或いは下方先端部を縦板部の下側に枢支して上方部分を開口自在に設け、上方先端部を前記装着横孔に挿入可能に形成すると共に係止突部の嵌合孔を設け、バネ板部を上方へ延長させて、装着横孔の下方部分を閉塞して装着横孔に挿通して縦板部前面に突出した配管支持体部の上方先端部の支持部として設けてなる請求項2記載の配管支持金具。
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