JP3165564B2 - 超硬合金 - Google Patents
超硬合金Info
- Publication number
- JP3165564B2 JP3165564B2 JP20066193A JP20066193A JP3165564B2 JP 3165564 B2 JP3165564 B2 JP 3165564B2 JP 20066193 A JP20066193 A JP 20066193A JP 20066193 A JP20066193 A JP 20066193A JP 3165564 B2 JP3165564 B2 JP 3165564B2
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- Japan
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- cemented carbide
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- toughness
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- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超硬合金に関し、特にト
ンネル掘削用シールド掘進機に取付けられるカッタービ
ットあるいは工作機械用切削工具に用いられる超硬合金
に関し、超硬合金製チップを取付けて使用する岩盤ある
いはコンクリート切削用のカッター等、超硬合金を使用
する各種製品に有利に適用しうる超硬合金に関する。
ンネル掘削用シールド掘進機に取付けられるカッタービ
ットあるいは工作機械用切削工具に用いられる超硬合金
に関し、超硬合金製チップを取付けて使用する岩盤ある
いはコンクリート切削用のカッター等、超硬合金を使用
する各種製品に有利に適用しうる超硬合金に関する。
【0002】
【従来の技術】カッタービット等の建設工具に使用され
ている従来の超硬合金はWC粒径が1〜10μmで、か
つ、比較的粒径が均等な材質が多く、微粒〜粗粒を混粒
化した材質のものはなく、また結合相のCo含有量は7
〜16重量%のものが一般的である。
ている従来の超硬合金はWC粒径が1〜10μmで、か
つ、比較的粒径が均等な材質が多く、微粒〜粗粒を混粒
化した材質のものはなく、また結合相のCo含有量は7
〜16重量%のものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カッタービット等、超
硬合金工具の長寿命化を達成するためには、超硬合金の
硬さと靱性を共に向上させて耐摩耗性と耐欠損性を高め
る必要がある。WC−Co超合金では、一般に硬質相の
WC粒径を小さくするか、または結合相のCo量を少な
くするにつれてWC粒境界のCo層の厚さが低下するた
め、硬さは向上するが靱性は低下する傾向がある。ま
た、WC粒径を大きくするか、またはCo量を多くすれ
ば逆に靱性は向上するが硬さは低下する。以上のよう
に、硬さと靱性を両立させて共に向上させることは困難
であり、これが従来材の問題点である。
硬合金工具の長寿命化を達成するためには、超硬合金の
硬さと靱性を共に向上させて耐摩耗性と耐欠損性を高め
る必要がある。WC−Co超合金では、一般に硬質相の
WC粒径を小さくするか、または結合相のCo量を少な
くするにつれてWC粒境界のCo層の厚さが低下するた
め、硬さは向上するが靱性は低下する傾向がある。ま
た、WC粒径を大きくするか、またはCo量を多くすれ
ば逆に靱性は向上するが硬さは低下する。以上のよう
に、硬さと靱性を両立させて共に向上させることは困難
であり、これが従来材の問題点である。
【0004】本発明は上記技術水準に鑑み、硬さと靱性
を両立させて共に向上させた超硬合金を提供しようとす
るものである。
を両立させて共に向上させた超硬合金を提供しようとす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はWCを硬質相、
Coを結合相として焼結されてなる超硬合金において、
1.5〜3μm粒径のWC粉末:20〜30vol%、
5〜8μm粒径のWC粉末:20〜30vol%及び1
0〜30μm粒径のWC粉末:40〜60vol%の粒
径分布を有するWC粉末に、Co:7〜10重量%含有
させた組成よりなることを特徴とする超硬合金である。
Coを結合相として焼結されてなる超硬合金において、
1.5〜3μm粒径のWC粉末:20〜30vol%、
5〜8μm粒径のWC粉末:20〜30vol%及び1
0〜30μm粒径のWC粉末:40〜60vol%の粒
径分布を有するWC粉末に、Co:7〜10重量%含有
させた組成よりなることを特徴とする超硬合金である。
【0006】
【作用】本発明の超硬合金は硬質相であるWCの粒径を
1.5〜3μmの比較的微粒なものから、従来例には使
われていない10〜30μmの粗大粒まで広範囲に分布
させたものである。本発明は硬さを維持した上で靱性を
向上させることにある。靱性を上げるにはWCの粗粒化
によって結合相であるCo層を厚くすることが適切であ
るので、先ず、10〜30μmの粗大粒を主体として、
この粒径のものを全体の40〜60vol%になるよう
にした。しかし、粗大粒のみでは硬さが得られないの
で、WC層を緻密にして硬さを確保するため、粗大粒の
隙間を中粒、細粒のWC粒子で埋めるようにしたもので
ある。この場合、粗大WC粒間を埋めて緻密化し過ぎる
と結合層であるCo層が薄くなって靱性の向上が困難と
なるので、1.5〜3μmの粒径(細粒)のものを20
〜30vol%、5〜8μmの粒径(中粒)のものを2
0〜30vol%として、全体の平均粒径は従来材に比
べてかなり粗大側(全体の平均粒径:約8μm)になる
ようにしたものである。また、結合相としてのCo含有
量は硬さを従来材以上に維持するために、10wt%以
下とし、靱性を確保するために7wt%以上とした。
1.5〜3μmの比較的微粒なものから、従来例には使
われていない10〜30μmの粗大粒まで広範囲に分布
させたものである。本発明は硬さを維持した上で靱性を
向上させることにある。靱性を上げるにはWCの粗粒化
によって結合相であるCo層を厚くすることが適切であ
るので、先ず、10〜30μmの粗大粒を主体として、
この粒径のものを全体の40〜60vol%になるよう
にした。しかし、粗大粒のみでは硬さが得られないの
で、WC層を緻密にして硬さを確保するため、粗大粒の
隙間を中粒、細粒のWC粒子で埋めるようにしたもので
ある。この場合、粗大WC粒間を埋めて緻密化し過ぎる
と結合層であるCo層が薄くなって靱性の向上が困難と
なるので、1.5〜3μmの粒径(細粒)のものを20
〜30vol%、5〜8μmの粒径(中粒)のものを2
0〜30vol%として、全体の平均粒径は従来材に比
べてかなり粗大側(全体の平均粒径:約8μm)になる
ようにしたものである。また、結合相としてのCo含有
量は硬さを従来材以上に維持するために、10wt%以
下とし、靱性を確保するために7wt%以上とした。
【0007】本発明の超硬合金と従来の超硬合金材のき
裂部のミクロ組織の模式図を図1、図2に示す。従来材
では、図2に示すように、WC粒径が比較的均等で、粗
大粒を含まないため、き裂1はWC粒2の境界に沿って
直線的に伝播し易く、破壊に要するエネルギーが小さく
なるため低靱性となる。一方、本発明による粗大粒を混
粒化した材質では、図1に示すように、き裂が粗大WC
粒3の境界に沿って回り込む経路を伝播し易く、破壊に
要するエネルギーが大きくなるとともに、粗大粒3がき
裂の伝播阻止効果を与える。したがって靱性が向上す
る。粗大粒3のみの均等粒径では、公知のようにCo層
4が厚くなるため、靱性は向上するが、硬さが得られな
い。本発明の材質では、これを補うため1.5〜8μm
の比較的小粒径のWC粒5を混粒化してCo層の厚さを
従来材並びに保っているため、硬さ低下を防止できる。
裂部のミクロ組織の模式図を図1、図2に示す。従来材
では、図2に示すように、WC粒径が比較的均等で、粗
大粒を含まないため、き裂1はWC粒2の境界に沿って
直線的に伝播し易く、破壊に要するエネルギーが小さく
なるため低靱性となる。一方、本発明による粗大粒を混
粒化した材質では、図1に示すように、き裂が粗大WC
粒3の境界に沿って回り込む経路を伝播し易く、破壊に
要するエネルギーが大きくなるとともに、粗大粒3がき
裂の伝播阻止効果を与える。したがって靱性が向上す
る。粗大粒3のみの均等粒径では、公知のようにCo層
4が厚くなるため、靱性は向上するが、硬さが得られな
い。本発明の材質では、これを補うため1.5〜8μm
の比較的小粒径のWC粒5を混粒化してCo層の厚さを
従来材並びに保っているため、硬さ低下を防止できる。
【0008】
【実施例】本発明実施例の組成、ビッカース硬さ、破壊
靱性及びカッタビットを製作して礫層切削を行った結果
を従来材2種類と比較して表1に示す。この実施例で
は、原料として平均粒径20μm(粒径分布:10〜2
5μm)の粗大粒WC粉末を50vol%、平均粒径6
μm(粒径分布:5.5〜7.5μm)と平均粒径2.
5μm(粒径分布:1.8〜3μm)のWC粉末を各々
25vol%の混粒とし、Coを9wt%配合した。得
られた超硬合金は混練時に若干粉砕されるため、その
分、配合粒径とやゝ異なるが、その粒度分布は原料のそ
れと略同じである。
靱性及びカッタビットを製作して礫層切削を行った結果
を従来材2種類と比較して表1に示す。この実施例で
は、原料として平均粒径20μm(粒径分布:10〜2
5μm)の粗大粒WC粉末を50vol%、平均粒径6
μm(粒径分布:5.5〜7.5μm)と平均粒径2.
5μm(粒径分布:1.8〜3μm)のWC粉末を各々
25vol%の混粒とし、Coを9wt%配合した。得
られた超硬合金は混練時に若干粉砕されるため、その
分、配合粒径とやゝ異なるが、その粒度分布は原料のそ
れと略同じである。
【0009】従来材1は現状のカッタビットに使われて
いる材質であるが、この実施例材の方が硬さ、靱性共に
優れており、切削テスト結果でも従来材1が欠損した条
件下で、この実施例材は欠損していない。また、従来材
2は平均粒径が1.5μmと比較的微粒の均等粒径で、
Co量も従来材1より少なくして硬さを上げたものであ
り、それだけ実施例材より硬さは高いが、靱性が劣って
いる。
いる材質であるが、この実施例材の方が硬さ、靱性共に
優れており、切削テスト結果でも従来材1が欠損した条
件下で、この実施例材は欠損していない。また、従来材
2は平均粒径が1.5μmと比較的微粒の均等粒径で、
Co量も従来材1より少なくして硬さを上げたものであ
り、それだけ実施例材より硬さは高いが、靱性が劣って
いる。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】本発明の超硬合金は従来材に比べて靱性
及び耐欠損性に優れており、硬さも低下することなく現
状のカッタービット材である従来材より優れている。
及び耐欠損性に優れており、硬さも低下することなく現
状のカッタービット材である従来材より優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超硬合金の一実施例のき裂部のミクロ
組織の模式図。
組織の模式図。
【図2】従来の超硬合金の一態様のミクロ組織の模式
図。
図。
Claims (1)
- 【請求項1】 WCを硬質相、Coを結合相として焼結
されてなる超硬合金において、1.5〜3μm粒径のW
C粉末:20〜30vol%、5〜8μm粒径のWC粉
末:20〜30vol%及び10〜30μm粒径のWC
粉末:40〜60vol%の粒径分布を有するWC粉末
に、Co:7〜10重量%含有させた組成よりなること
を特徴とする超硬合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20066193A JP3165564B2 (ja) | 1993-08-12 | 1993-08-12 | 超硬合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20066193A JP3165564B2 (ja) | 1993-08-12 | 1993-08-12 | 超硬合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0754094A JPH0754094A (ja) | 1995-02-28 |
JP3165564B2 true JP3165564B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=16428125
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20066193A Expired - Fee Related JP3165564B2 (ja) | 1993-08-12 | 1993-08-12 | 超硬合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3165564B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102773472A (zh) * | 2012-05-30 | 2012-11-14 | 江汉石油钻头股份有限公司 | 一种聚晶金刚石钻头胎体粉 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102534341B (zh) * | 2012-02-27 | 2013-11-06 | 中南大学 | 消除超粗和特粗晶硬质合金相界处wc晶粒碎裂现象的方法 |
-
1993
- 1993-08-12 JP JP20066193A patent/JP3165564B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102773472A (zh) * | 2012-05-30 | 2012-11-14 | 江汉石油钻头股份有限公司 | 一种聚晶金刚石钻头胎体粉 |
CN102773472B (zh) * | 2012-05-30 | 2014-12-10 | 江汉石油钻头股份有限公司 | 一种聚晶金刚石钻头胎体粉 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0754094A (ja) | 1995-02-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20010130 |
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