JP3165203U - 磁力式固定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】工作機械において、クランプ本体にベース面に対して少なくとも一方向への移動を規制する移動機構を設けた磁力式固定装置を提供する。【解決手段】磁力式固定装置は、磁力によるクランプ力を増加させずに磁力式固定装置がベース部材に対して位置ズレするのを抑制する又は/或いはクランプ対象物が磁力式固定装置に対して位置ズレするのを抑制することを目的とする。そのため、外部のベース部材Bのベース面B1に固定可能な第1固定面11と、この第1固定面11に平行で且つワークや金型などのクランプ対象物Wを固定可能な第2固定面12とを有するクランプ本体1と、このクランプ本体1に組み込まれ第1固定面11をベース面B1に磁力により固定する第1磁力発生機構及び第2固定面12にクランプ対象物Wを磁力により固定する第2磁力発生機構とを設ける。さらに、クランプ本体1をベース面B1に対して少なくとも一方向への移動を規制する第1移動規制機構4を、クランプ本体1に設けた。【選択図】図4

Description

本発明は、磁力式固定装置において、特に、工作機械のテーブルなどのベース部材のベース面に磁力により固定可能な第1固定面とワークなどのクランプ対象物を磁力により固定可能な第2固定面とを有するクランプ本体を備え、このクランプ本体にベース面に対して少なくとも一方向への移動を規制する移動規制機構を設けた磁力式固定装置に関する。
従来より、マシニングセンタ等の工作機械において、機械加工に供するワークは、ワーク単体で又はワークパレットに固定された状態で工作機械に投入される。この投入されたワーク又はワークパレットは、工作機械のテーブルなどのベース部材のベース面に載置されて固定される。このため、ベース部材には、ワーク又はワークパレットなどのクランプ対象物をクランプする為の1又は複数のクランプ装置(手段)が装備されている。
上記のクランプ装置として、クランプ対象物を磁力によりベース部材側に固定するクランプ装置やクランプ機構が実用化されている。例えば、特許文献1には、プレス機械の下部テーブルの上に、3層構造のダイホルダを装備している。このダイホルダは、下から順に、締付け固定ダイホルダ、直交ダイホルダ、平行ダイホルダとを有する。直交ダイホルダの上面部の角溝には2条のマグネット部材が装着され、平行ダイホルダの下面側の2つの突条が2条のマグネット部材に接触し吸着される。平行ダイホルダの上面部の角溝には
2条のマグネット部材が装着され、これらのマグネット部材により平行ダイホルダに載置したワークを吸着固定するようになっている。
この特許文献1のクランプ機構では、特定のプレス機械に専用のクランプ機構として組み込まれており、平行ダイホルダの下面が平坦面でないため、ベース部材の平坦な上面にワークを固定する等の用途に適したものではない。
一方、本願出願人は、特許文献2に示すような磁力式クランプ装置を実用化している。この磁力式クランプ装置は、射出成形機のプラテンに装備して金型の固定に使用するものである。この磁力式クランプ装置は、厚いクランププレートの裏面側に複数のマグネットユニットを組み込むと共にクランププレートの表面側に複数のマグネットユニットを組み込んだものである。他方、本願出願人は、鋼製の直方体状のブロックの裏面側と表面側の複数のマグネットユニットを組み込んだ磁力式クランプ装置を実用化している。
特開2008−18451号公報 特開2008−200927号公報
前記特許文献2の磁力式クランプ装置には、このクランプ装置をプラテンに位置規制する位置規制機構が設けられていないため、何からの原因で金型やクランププレートに異常な力が作用した場合に、位置ズレが発生する虞がある。
前記磁力式クランプ装置によりワークをベース部材に固定した状態で機械加工する際、繰り返し切削加工の振動が作用するだけでなく、所定の方向に大きな切削力が作用する場合には、磁力式クランプ装置がベース部材から位置ズレしてしまったり、磁力式クランプ装置に対してワークが位置ズレしてしまう虞がある。このように、磁力式クランプ装置がクランプ対象物やベース部材に対してズレた状態のまま、クランプ対象物の切削加工を継続すると、不良品が発生したり、工作機械が損傷する虞がある。
一般的に、磁力式クランプ装置は、固定面に対して垂直方向の吸着クランプ力は強いが、吸着クランプ力方向の吸着力は摩擦力に依存するため、吸着クランプ力の約1/10程度の弱い力である。従って、固定面と平行方向への負荷に対しては吸着クランプ力を増大させて対処することになる。
本考案の目的は、クランプ本体をベース面に対して少なくとも一方向への移動を規制可能な磁力式固定装置を提供する、クランプ対象物をクランプ本体に対して少なくとも一方向への移動を規制可能な磁力式固定装置を提供すること、磁力によるクランプ力を増加させずに位置ズレを抑制可能な磁力式固定装置を提供すること、などである。
請求項1の磁力式固定装置は、外部のベース部材のベース面に固定可能な平坦な第1固定面と、この第1固定面に平行で且つワークや金型などのクランプ対象物を固定可能な平坦な第2固定面とを有するクランプ本体と、このクランプ本体に組み込まれ第1固定面をベース面に磁力により固定する第1磁力発生機構及び第2固定面にクランプ対象物を磁力により固定する第2磁力発生機構とを備えた磁力式固定装置であって、前記クランプ本体を前記ベース面に対して少なくとも一方向への移動を規制する第1移動規制機構を、前記クランプ本体に設けたを特徴としている。
請求項2の磁力式固定装置は、請求項1の考案において、前記第1磁力発生機構は、前記第1固定面に臨む磁性部材と、この磁性部材の外周側に配設された複数の永久磁石と、前記磁性部材の背面側に配設されたアルニコ磁石と、このアルニコ磁石の極性を切り換える為のコイルとを備え、吸着状態と非吸着状態とに切り換え可能に構成され、前記第2磁力発生機構は、前記第2固定面に臨む磁性部材と、この磁性部材の外周側に配設された複数の永久磁石と、前記磁性部材の背面側に配設されたアルニコ磁石と、このアルニコ磁石の極性を切り換える為のコイルとを備え、吸着状態と非吸着状態とに切り換え可能に構成されたことを特徴としている。
請求項3の磁力式固定装置は、請求項1の考案において、前記第1移動規制機構は、前記クランプ本体の第1固定面を前記ベース面に対して位置決めする為の第1位置決め機構であって、前記第1固定面に突出状に且つ着脱可能に設けられた1又は複数のピン部材を有する第1位置決め機構であることを特徴としている。
請求項4の磁力式固定装置は、請求項3の考案において、前記第1位置決め機構は、前記クランプ本体の側面に着脱可能に固定されたブロック部材を含むことを特徴としている。
請求項5の磁力式固定装置は、請求項3の考案において、前記クランプ本体の側面に第1,第2固定面と平行な角溝が形成され、前記第1位置決め機構は、前記角溝に嵌合されてクランプ本体にボルトにて固定されたブロック部材を含むことを特徴としている。
請求項6の磁力式固定装置は、請求項1の考案において、前記クランプ本体の第2固定面に前記クランプ対象物を少なくとも一方向への移動を規制する第2移動規制機構を、前記クランプ本体に設けたことを特徴としている。
請求項7の磁力式固定装置は、請求項6の考案において、前記第2移動規制機構は、前記クランプ本体の第2固定面に前記クランプ対象物を位置決めする為の第2位置決め機構であって、前記第2固定面に突出状に且つ着脱可能に設けられた1又は複数のピン部材を有する第2位置決め機構であることを特徴としている。
請求項8の磁力式固定装置は、請求項6の考案において、前記第1,第2移動規制機構の少なくとも一方は、前記クランプ本体に形成されたシリンダ穴と、このシリンダ穴に進退可能に装着された可動部材と、この可動部材を進出側へ付勢する進出付勢機構とを備え、前記可動部材の先端部に摩擦係数の大きい摩擦部材が取り付けられたことを特徴としている。
請求項9の磁力式固定装置は、請求項6の考案において、前記第1,第2移動規制機構の少なくとも一方は、前記クランプ本体に形成された凹部に装着された弾性部材を備え、この弾性部材が、第1固定面又は第2固定面から所定高さ突出していることを特徴としている。
請求項1の考案によれば、クランプ本体をベース面に対して少なくとも一方向への移動を規制する第1移動規制機構を、クランプ本体に設けたので、クランプ本体をベース面に対して少なくとも一方向への移動を規制することができ、磁力によるクランプ力を増加させずに、磁力式固定装置がベース部材に対して位置ズレするのを抑制することができる。
請求項2の考案によれば、第1磁力発生機構は、第1固定面に臨む磁性部材と、複数の永久磁石と、アルニコ磁石と、このアルニコ磁石の極性を切り換える為のコイルとを備え、吸着状態と非吸着状態とに切り換え可能に構成されたので、コイルへの通電方向を切り換えるだけで、第1磁力発生機構を吸着状態と非吸着状態とに切り換えることができる。
第2磁力発生機構は、第2固定面に臨む磁性部材と、複数の永久磁石と、アルニコ磁石と、このアルニコ磁石の極性を切り換える為のコイルとを備え、吸着状態と非吸着状態とに切り換え可能に構成されたので、コイルへの通電方向を切り換えるだけで、第2磁力発生機構を吸着状態と非吸着状態とに切り換えることができる。
請求項3の考案によれば、第1移動規制機構は、クランプ本体の第1固定面をベース面に対して位置決めする為の第1位置決め機構であって、第1固定面に突出状に且つ着脱可能に設けられた1又は複数のピン部材を有する第1位置決め機構であるので、1又は複数のピン部材をベース部材側に嵌合することで、クランプ本体をベース面に対して少なくとも一方向に位置決めすることができる。
請求項4の考案によれば、第1位置決め機構は、クランプ本体の側面に着脱可能に固定されたブロック部材を含むので、ブロック部材をベース部材の側面に当接することで、ブロック部材と1又は複数のピン部材とが協働して、クランプ本体を位置決めすることができる。
請求項5の考案によれば、クランプ本体の側面に第1,第2固定面と平行な角溝が形成され、第1位置決め機構は、角溝に嵌合されてクランプ本体にボルトにて固定されたブロック部材を含むので、ブロック部材と1又は複数のピン部材とが協働して、クランプ本体を位置決めすることができる。
請求項6の考案によれば、クランプ本体の第2固定面にクランプ対象物を少なくとも一方向への移動を規制する第2移動規制機構を、クランプ本体に設けたので、クランプ対象物をクランプ本体に対して少なくとも一方向への移動を規制することができ、クランプ力を増加させずに、クランプ対象物が磁力式固定装置に対して位置ズレするのを抑制することができる。
請求項7の考案によれば、第2移動規制機構は、クランプ本体の第2固定面にクランプ対象物を位置決めする為の第2位置決め機構であって、第2固定面に突出状に且つ着脱可能に設けられた1又は複数のピン部材を有する第2位置決め機構であるので、1又は複数のピン部材をクランプ対象物側に嵌合することで、クランプ対象物をクランプ本体に対して少なくとも一方向に位置決めすることができる。
請求項8の考案によれば、第1,第2移動規制機構の少なくとも一方は、クランプ本体に形成されたシリンダ穴と、このシリンダ穴に進退可能に装着された可動部材と、この可動部材を進出側へ付勢する進出付勢機構とを備え、可動部材の先端部に摩擦係数の大きい摩擦部材が取り付けられたので、進出付勢機構により摩擦部材をベース面又はクランプ対象物に当接させることで、第1固定面とベース面との間の又はクランプ対象物と第2固定面との間の摩擦力を増加させることができる。
請求項9の考案によれば、第1,第2移動規制機構の少なくとも一方は、クランプ本体に形成された凹部に装着された弾性部材を備え、この弾性部材が、第1固定面又は第2固定面から所定高さ突出しているので、第1固定面がベース面に又はクランプ対象物が第2固定面に磁力により固定された場合、弾性部材が凹部内に押圧されて圧縮状態になり、第1固定面とベース面との間の又はクランプ対象物と第2固定面との間の摩擦力を増加させることができる。
本発明の実施例1にかかるクランプ対象物を固定した状態のクランプ対象物とベース部材と磁力式固定装置の正面図である クランプ対象物の固定を解除した状態のクランプ対象物とベース部材と磁力式固定装置の正面図である 磁力式固定装置の平面図である。 磁力式固定装置の正面図である。 磁力式固定装置の側面図である。 マグネットユニットの分解斜視図である。 磁力式固定装置の吸着状態(着磁状態)の断面図である。 磁力式固定装置の非吸着状態(脱磁状態)の断面図である。 実施例2にかかる磁力式固定装置の平面図である。 磁力式固定装置の要部拡大断面図である。 実施例3に係る磁力式固定装置の要部拡大断面図である。 実施例4に係る磁力式固定装置の要部拡大断面図である。 実施例5に係る磁力式固定装置の平面図である。 磁力式固定装置の正面図である。 実施例6に係る磁力式固定装置の正面図である。 実施例7に係る磁力式固定装置の正面図である。 実施例8に係る磁力式固定装置の側面図である。 実施例9に係る磁力式固定装置の側面図である。 実施例10に係る磁力式固定装置の正面図である。
以下、本考案を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
先ず、本発明の磁力式固定装置Cを工作機械Mに適用した状態について説明する。
図1,図2に示すように、マシニングセンタ等の工作機械Mにおいて、テーブルなどのベース部材Bのベース面B1とワークや金型などのクランプ対象物Wの被支持面W1との間に、2組の磁力式固定装置Cが配置されている。これら磁力式固定装置Cは、そのクランプ本体1にベース部材Bとクランプ対象物Wを磁力により夫々吸着状態にすることで、クランプ対象物Wをベース部材Bに固定するものである。クランプ対象物Wがクランプされた後は、クランプ対象物Wは回転ドリルDなどにより切削加工される。図1はクランプ対象物Wをベース部材Bに固定した吸着状態を示し、図2はクランプ対象物Wをベース部材Bから固定解除した非吸着状態を示している。尚、磁力式固定装置Cの数は、2組に限定する必要はなく、ベース部材Bやクランプ対象物Wのサイズに応じて、1又は2組以上の複数組配置しても良い。
次に、磁力式固定装置Cの全体構成ついて説明する。
図1〜図5に示すように、磁力式固定装置Cは、クランプ本体1と、第1,第2磁力発生機構2,3と、第1,第2移動規制機構4,5と、第1,第2磁力発生機構2,3に電流を供給する為の電気信号ケーブル9が接続可能なコネクタ6と、第1,第2磁力発生機構2,3の作動状態を表示する1組のインジケータ7,8などを備えている。尚、2組の磁力式固定装置Cは同じ構成なので、以下の説明では、図1,図2の左側の磁力式固定装置Cについて説明する。また、図1,図2,図4の上下左右を上下左右として説明する。
次に、クランプ本体1について説明する。
図1〜図5に示すように、クランプ本体1は、鋼製部材から直方体状に構成され、外部のベース部材Bのベース面B1に固定解除可能な下端面である平坦な第1固定面11と、この第1固定面11に平行で且つクランプ対象物Wの被支持面W1を固定解除可能な上端面である平坦な第2固定面12とを有する。クランプ本体1の左側面には、コネクタ6と1組のインジケータ7,8が設けられている(図3,図4参照)。尚、クランプ本体1の形状は直方体状に限定する必要はなく、クランプ本体1に組み込まれる第1,第2磁力発生機構2,3の形状や数に応じて適宜変更可能である。
次に、第1,第2磁力発生機構2,3について説明する。
図1,図2,図6〜図8に示すように、第1磁力発生機構2は、クランプ本体1に組み込まれ第1固定面11をベース面B1に磁力により固定する為のものであり、2組のマグネットユニット21から構成されている。マグネットユニット21は、第1固定面11に臨む鋼製ブロック22と、この鋼製ブロック22の外周側に配設された複数の(例えば、8個の)永久磁石23と、鋼製ブロック22の背面側に配設されたアルニコ磁石24と、このアルニコ磁石24の外周側に配置されてアルニコ磁石24の極性を切り換える為のコイル25とを備え、吸着状態(着磁状態)(図7参照)と非吸着状態(脱磁状態)(図8参照)とに切り換え可能に構成されている。
図1〜図3,図6〜図8に示すように、第2磁力発生機構3は、第2固定面12にワークや金型などのクランプ対象物Wを磁力により固定する為のものであり、2組のマグネットユニット31から構成されている。マグネットユニット31は、第2固定面12に臨む鋼製ブロック32と、この鋼製ブロック32の外周側に配設された複数の(例えば、8個の)永久磁石33と、鋼製ブロック32の背面側に配設されたアルニコ磁石34と、このアルニコ磁石34の外周側に配置されてアルニコ磁石34の極性を切り換える為のコイル35とを備え、吸着状態(着磁状態)(図7参照)と非吸着状態(脱磁状態)(図8参照)とに切り換え可能に構成されている。
図6に示すように、マグネットユニット21,31においては、鋼製ブロック22,32とアルニコ磁石24,34は正方形状に形成され、鋼製ブロック22,32にはボルト穴26,36が形成され、アルニコ磁石24,34には穴部27,37が形成されている。凹部28,38にアルニコ磁石24,34とコイル25,35が配置され、これらアルニコ磁石24,34とコイル25,35を、鋼製ブロック22,32とクランプ本体1の底壁部との間に挟み込んだ状態で、これらがボルト穴26,36と穴部27,37を挿通する非磁性体(例えば、SUS304)からなる6角穴付きボルト29,39により、クランプ本体1に締結されている。複数の永久磁石23,33は、何らかの固定手段により鋼製ブロック22,32やクランプ本体1に固着されている。尚、隣接するマグネットユニット21,31間の永久磁石23,33は、それら双方のマグネットユニット21,31に兼用されている。
第1,第2固定面11,12には、複数のマグネットユニット21,31が夫々組み込まれている。例えば、図3に示すように、第2固定面12には、2組のマグネットユニット21を左右方向に隣接状に配設している。第1固定面11の2組のマグネットユニット32の配置に関しても同様である。
次に、第1移動規制機構4について説明する。
図3〜図5,図7,図8に示すように、第1移動規制機構4は、クランプ本体1をベース面B1に対して少なくとも一方向への移動を規制する為にクランプ本体1の下端部に設けられたものである。具体的に、第1移動規制機構4は、クランプ本体1の第1固定面11をベース面B1に対して位置決めする為の第1位置決め機構41である。この第1位置決め機構41は、第1固定面11に突出状に且つ着脱可能に設けられた1又は複数(例えば2組)のピン部材42と、これらピン部材42が夫々嵌合される1又は複数(例えば2組)の嵌合穴43とを有する。
ピン部材42は、鋼製の円柱状に形成されている。ピン部材42の内部には、ボルト部材44の頭部が収容される収容穴45と、ボルト部材44のネジ軸部が挿通される挿通孔46とが形成されている。ピン部材42は、ベース部材Bに形成されたT溝B2の縦溝部に嵌合可能であり、クランプ本体1をベース部材Bに対してT溝B2と直交する方向に位置決めすることができる。2組のピン部材42は、クランプ本体1の第1固定面11の長手方向に第1磁力発生機構2を挟んで対向状に且つ幅方向の中央部分に形成された嵌合穴43に夫々装着されている。
嵌合穴43は、第1固定面11に下方に開放状に形成されている。嵌合穴43の深さは、ピン部材42の上下方向の長さの約1/2程度である。嵌合穴43の内径は、ピン部材42の外径より僅かに大きく形成されている。嵌合穴43の底部には、クランプ本体1の奥側に向かうネジ穴47が形成されている(図7,図8参照)。ピン部材42をこの嵌合穴43に挿入して嵌合し、ボルト部材44を下方からピン部材42の挿通孔46に挿通してクランプ本体1のネジ孔47に螺合することで、ピン部材42がクランプ本体1の下端部に固定される。ボルト部材44の頭部は、ピン部材42の下端部より下方に突出しないように収容穴45に収容される。
次に、第2移動規制機構5について説明する。
図3〜図5,図7,図8に示すように、第2移動規制機構5は、クランプ本体1の第2固定面12にクランプ対象物Wを少なくとも一方向への移動を規制する為にクランプ本体1の上端部に設けられたものである。具体的に、第2移動規制機構5は、クランプ本体1の第2固定面12にクランプ対象物Wを位置決めする為の第2位置決め機構51である。第2位置決め機構51は、第2固定面12に突出状に且つ着脱可能に設けられた1又は複数(例えば2組)のピン部材52と、これらピン部材52が夫々嵌合される1又は複数(例えば2組)の嵌合穴53とを有する。
ピン部材52は、クランプ対象物Wに形成された溝部W2に嵌合可能であり、クランプ対象物Wをクランプ本体1に対して溝部W2と直交する方向に位置決めすることができる。2組のピン部材52は、クランプ本体1の第2固定面12の長手方向に第2磁力発生機構3を挟んで対向状に且つ幅方向の中央部分に形成された嵌合穴53に夫々装着されている。この第2位置決め機構51のピン部材52の構成は、第1位置決め部材41のピン部材42の構成と同様であるので詳細な説明は省略する。
嵌合穴53は、第2固定面12に上方に開放状に形成されている。この嵌合穴53は、第1固定面11に形成された嵌合穴43と同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。ピン部材52をこの嵌合穴53に上方から夫々挿入して嵌合し、ボルト部材54を上方からピン部材53の挿通孔56に挿通してクランプ本体1のネジ孔57に螺合することで、ピン部材52がクランプ本体1の上端部に固定される。ボルト部材54の頭部は、ピン部材52の上端部より上方に突出しないように頭部が収容穴57に収容される。
尚、第1,第2位置決め機構41,51において、2つのピン部材42を結ぶ線と、2つのピン部材52を結ぶ線が平行になっているが、2つのピン部材42を結ぶ線と2つのピン部材52を結ぶ線が互いに直交するように、ピン部材42,52をクランプ本体1に固定しても良いし、位置決め機能を奏するのであれば、ピン部材42,52の固定箇所は適宜変更可能である。また、ピン部材42,52の形状は、特に円柱状に限定する必要はなく、角柱状や楕円柱状など種々の形状のものであっても良い。さらに、ピン部材42,52の数は、2組に限定する必要はなく2組以上の複数組設けても良い。
次に、コネクタ6について説明する。
図1〜図5に示すように、クランプ本体1の左側面には、コネクタ6が設けられている。このコネクタ6は、第1,第2磁力発生機構2,3に図示外の制御装置の指令に基づき電流を供給する為の電気信号ケーブル9が、接続・分離可能に接続されるものである。具体的に、第1,第2磁力発生機構2,3の吸着状態と非吸着状態とを切り換える場合に、コネクタ6に電気信号ケーブル9が接続され、第1,第2磁力発生機構2,3のコイル25,35に電流が供給される(図2参照)。コイル25,35に通電して吸着状態又は非吸着状態に切り換えた後は、電気信号ケーブル9をコネクタ6から分離しても良い。
次に、1組のインジケータ7,8について説明する。
図5に示すように、1組のインジケータ7,8は、第1,第2磁力発生機構2,3が吸着状態か非吸着状態を夫々示すものである。具体的に、下側インジケータ7は、第1固定面11に対応するマグネットユニット21の状態を示し、上側インジケータ8は、第2固定面12に対応するマグネットユニット31の状態を示す。インジケータ7,8は、透明ケース部材71,81と、この透明ケース部材71,81内に進退可能に設けられた指標部材72,82とを有する。吸着状態時には、指標部材72,82はクランプ本体1内から透明ケース部材71,81内に進出駆動され、非吸着状態には、指標部材72,82はクランプ本体1内に退入駆動され、外部から識別可能に設けられている。
次に、磁力式固定装置Cの作用について説明する。
ベース部材Bのベース面B1に複数の(例えば、2組の)磁力式固定装置Cを固定する場合、先ずは、2組の磁力式固定装置Cを、第1固定面11を下側にしてベース面B1の所定の位置に配置する。このとき、第1位置決め機構41である2組のピン部材42を、ベース部材Bに形成されたT溝B2の縦溝部に上方から夫々嵌入し、クランプ本体1をT溝B2と直交する方向に位置決めする。
次に、コネクタ6に電気信号ケーブル9を接続し、図示外の制御装置の駆動部から直流がマグネットユニット21のコイル25に数秒間通電され、図7の下側に示すように、アルニコ磁石24による磁束の向きが永久磁石23による磁束の向きと同じになるように、アルニコ磁石24の磁極が切換えられ、ベース部材Bを磁路の一部とする磁気回路が形成される。従って、ベース部材Bとクランプ本体1に破線で示すように磁束が通り、ベース部材Bが第1固定面11に吸着されて固定され、各マグネットユニット21は着磁状態に切換えられ、下側のインジケータ7の表示が非吸着状態から吸着状態に切り換わる。
次に、磁力式固定装置Cの第2固定面12に被支持面W1が当接するようにクランプ対象物Wを載置する。このとき、クランプ対象物Wに形成された溝部W2に、第2位置決め機構51である2組のピン部材52を下方から夫々嵌入し、クランプ対象物Wを溝部W2と直交する方向に位置決めする。
次に、制御装置の駆動部から直流がマグネットユニット31のコイル35に数秒間通電され、図7の上側に示すように、アルニコ磁石34による磁束の向きが永久磁石33による磁束の向きと同じになるように、アルニコ磁石34の磁極が切換えられ、クランプ対象物Wを磁路の一部とする磁気回路が形成される。従って、ベース部材Bとクランプ対象物Wに破線で示すように磁束が通り、クランプ対象物Wが第2固定面12に吸着されて固定され、各マグネットユニット31は着磁状態に切換えられ、上側のインジケータ8の表示が非吸着状態から吸着状態に切り換わる。そして、必要に応じて、コネクタ6から電気信号ケーブル9を分離する。
一方、クランプ対象物Wを第2固定面12から固定解除する場合、電気信号ケーブル9を分離している場合は、電気信号ケーブル9をコネクタ6に接続し、制御装置の駆動部から前記吸着時の直流とは逆向きの直流がマグネットユニット31のコイル35に数秒間通電する。すると、図8の上側に示すように、アルニコ磁石34の磁極が反転し、アルニコ磁石34による磁束が第2固定面12外へ出なくなり、クランプ対象物Wには磁力が作用しなくなって、各マグネットユニット31が脱磁状態に切換えられるため、クランプ対象物Wを第2固定面12から取り外すことができる。このとき、上側のインジケータ8の表示が、吸着状態から非吸着状態に切り換わる。
そして、磁力式固定装置Cの第1固定面11をベース面B1から固定解除する場合、制御装置の駆動部から前記吸着時の直流とは逆向きの直流がマグネットユニット21のコイ25に数秒間通電され、図8の下側に示すように、アルニコ磁石24の磁極が反転し、アルニコ磁石24による磁束が第1固定面11外へ出なくなり、クランプ対象物Wには磁力が作用しなくなって、各マグネットユニット21が脱磁状態に切換えられるため、第1固定面11をベース面B1から取り外すことができる。このとき、下側のインジケータ7の表示が、吸着状態から非吸着状態に切り換わる。
次に、磁力式固定装置Cの効果について説明する。
クランプ本体1をベース面B1に対して少なくとも一方向への移動を規制する第1移動規制機構4を、クランプ本体1に設けたので、クランプ本体1をベース面B1に対して少なくとも一方向、つまり、T溝B2と直交する方向への移動を規制することができ、磁力によるクランプ力を増大させずに、磁力式固定装置Cがベース部材Bに対して位置ズレするのを抑制することができる。
第1移動規制機構4は、クランプ本体1の第1固定面11をベース面B1に対して位置決めする為の第1位置決め機構41であって、第1固定面11に突出状に且つ着脱可能に設けられた1又は複数のピン部材42を有する第1位置決め機構41であるので、1又は複数のピン部材42をベース部材Bに開放状に形成されたT溝B2に嵌合することで、クランプ本体1をベース面B1に対して少なくとも一方向に、つまり、T溝B2と直交する方向に位置決めすることができる。
クランプ本体1の第2固定面12にクランプ対象物Wを少なくとも一方向への移動を規制する第2移動規制機構5を、クランプ本体1に設けたので、クランプ対象物Wをクランプ本体1に対して少なくとも一方向、つまり、溝部W2と直交する方向への移動を規制することができ、磁力によるクランプ力を増加させずに、クランプ対象物Wが磁力式固定装置Cに対して位置ズレするのを抑制することができる。
第2移動規制機構5は、クランプ本体1の第2固定面12にクランプ対象物Wを位置決めする為の第2位置決め機構51であって、第2固定面12に突出状に且つ着脱可能に設けられた1又は複数のピン部材52を有する第2位置決め機構51であるので、1又は複数のピン部材52をクランプ対象物Wに形成された溝部W2に嵌合することで、クランプ対象物Wをクランプ本体1に対して少なくとも一方向に、つまり、溝部W2と直交する方向に位置決めすることができる。
第1磁力発生機構2は、第1固定面11に臨む鋼製ブロック22(磁性部材)と、複数の永久磁石23と、アルニコ磁石24と、このアルニコ磁石24の極性を切り換える為のコイル25とを備え、吸着状態と非吸着状態とに切り換え可能に構成されたので、コイル25への通電方向を切り換えるだけで、第1磁力発生機構2を吸着状態と非吸着状態とに切り換えることができる。
第2磁力発生機構3は、第2固定面12に臨む鋼製ブロック32(磁性部材)と、複数の永久磁石33と、アルニコ磁石34と、このアルニコ磁石34の極性を切り換える為のコイル35とを備え、吸着状態と非吸着状態とに切り換え可能に構成されたので、コイル35への通電方向を切り換えるだけで、第2磁力発生機構3を吸着状態と非吸着状態とに切り換えることができる。
本実施例2の磁力式固定装置CAは、前記実施例1の第1,第2移動規制機構4,5の構造を変更したものである。尚、実施例1と同様の構成要素には同様の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
先ず、第1移動規制機構4Aについて説明する。
図9、図10に示すように、第1移動規制機構4Aは、クランプ本体1Aの第1固定面11の4隅部に設けられた4組の第1摩擦生成機構101を有している。第1摩擦生成機構101は、クランプ本体1Aに形成されたシリンダ穴102と、このシリンダ穴102に進退可能に装着された可動部材103と、この可動部材103を進出側へ付勢するバネ収容室107に収容されたバネ部材104とを備え、可動部材103の先端部に摩擦係数の大きい摩擦部材105が取り付けられている。
図10に示すように、シリンダ穴102の下側部分には、スリーブ部材106が内嵌螺合され、スリーブ部材106には挿通孔106aが形成されている。可動部材103は、押圧部103aと鍔部103bとを一体形成したもので、この可動部材103の内部にはバネ収容室107の一部を形成する凹部103cが形成されている。可動部材103はシリンダ穴102と挿通孔106aに摺動自在に装着されている。可動部材103の凹部103cとシリンダ穴102とでバネ収容室107が形成され、バネ部材104が圧縮状に収容されている。尚、圧縮状のバネ部材104が、進出付勢機構に相当する。
バネ部材104の下方への弾性付勢力により、可動部材103が最大限進出した状態では、鍔部103bの環状の下面がスリーブ部材106に係止された状態になる。この状態では、可動部材103の先端部が圧縮状態になってベース面B1に強力に押圧され、ベース面B1に対して大きな摩擦力を発生させる。
次に、第2移動規制機構5Aについて説明する。
図9,図10に示すように、第2移動規制機構5は、クランプ本体1Aの第2固定面12の4隅部に設けられた4組の第2摩擦生成機構111を有している。各第2摩擦生成機構111は、クランプ本体1Aに形成されたシリンダ穴112と、このシリンダ穴112に進退可能に装着された可動部材113と、この可動部材113を進出側へ付勢するバネ部材114と、挿通孔116aが形成されたスリーブ部材116と、バネ部材114が収容されるバネ収容室117などを備え、可動部材113の先端部に摩擦係数の大きい摩擦部材115が取り付けられている。可動部材113は、押圧部113aと鍔部113bとを一体形成したもので、この可動部材113の内部には凹部113cが形成されている。第2移動規制機構5Aの摩擦生成機構111は、第1移動規制機構4Aの摩擦生成機構101と基本的に同様であるので、これ以上の説明は省略する。
摩擦部材105,115は、第1,第2固定面11,12より摩擦係数が大きいゴム製の弾性部材で構成されているが、特にゴム製の弾性部材に限定する必要はなく、合成樹脂材からなるブレーキ部材で構成されても良いし、金属製のスパイク部材で構成されても良い。
次に、磁力式固定装置CAの作用、効果について説明する。
先ず、ベース部材Bのベース面B1にクランプ本体1Aの第1固定面11をマグネットユニット21により固定する場合、第1摩擦生成機構101において、第1固定面11がベース面B1に吸着状態にされることで、可動部材103はシリンダ穴102に退入されるが、このとき、可動部材103はバネ部材104によりベース面B1側に弾性付勢されてベース面B1に押圧された状態になる。このため、ベース面B1と第1固定面11との間には、バネ部材104の弾性付勢力と摩擦部材105の摩擦係数に応じた摩擦力が発生する。
次に、クランプ対象物Wをクランプ本体1の第2固定面12にマグネットユニット31により固定する場合、第2摩擦生成機構111において、クランプ対象物Wが第2固定面12に吸着状態にされることで、可動部材113はシリンダ穴112に退入されるが、このとき、可動部材113はバネ部材114によりクランプ対象物W側に弾性付勢されてクランプ対象物Wに押圧された状態になる。このため、クランプ対象物Wの被支持面W1と第2固定面12との間には、バネ部材114の弾性付勢力と摩擦部材115の摩擦係数に応じた摩擦力が発生する。
このように、第1移動規制機構4Aにおいては、バネ部材104からなる進出付勢機構により摩擦部材105をベース面B1に当接させることで、第1固定面11とベース面B1との間の摩擦力を増加させることができる。第2移動規制機構5Aにおいては、バネ部材114からなる進出付勢機構により摩擦部材115をクランプ対象物Wの被支持面W1に当接させることで、クランプ対象物Wの被支持面W1と第2固定面12との間の摩擦力を増加させることができる。従って、クランプ本体1Aがベース面B1に対して移動するのを抑制すると共に、クランプ対象物Wがクランプ本体1Aに対して移動するのを抑制する事ができる。尚、その他の構成、作用及び効果は実施例1と同様であるので説明は省略する。
尚、本実施例では、第1,第2移動規制機構4A,5Aは同じ構成の摩擦生成機構101,111を夫々備えているが、特に同じ構成のものを備える必要はなく、第1摩擦生成機構101,第2摩擦生成機構111のうちの一方に代えて、実施例1の複数のピン部材42又は複数のピン部材52を採用しても良いし、後述する他の形状の第1,第2位置決め機構41,51を採用しても良い。
本実施例3の磁力式固定装置CBは、実施例2の摩擦生成機構101,111を部分的に変更したものである。尚、実施例1,2と同様の構成要素には同様の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
先ず、第1移動規制機構4Bについて説明する。
図11に示すように、第1移動規制機構4Bは、クランプ本体1Bの第1固定面11の4隅部に設けられた4組の第1摩擦生成機構101Bを有している。第1摩擦生成機構101Bは、可動部材103Bと、油室108と、油路109aとが設けられている。以下、実施例2と異なる構成についてのみ説明する。
可動部材103Bは、押圧部103a’とその上端の鍔部103b’とから一体形成されている。可動部材103Bの鍔部103b’とシリンダ穴102Bとで油室108が形成され、油圧供給源109から油路109aを介して油圧が供給される。油室108は、鍔部103b’の外周部のシール部材により油密に封止されている。尚、油室108とこの油室108に連なる油路109aとこの油路109aを介して油室108に供給される油圧が、第1移動規制機構4Bの進出付勢機構に相当する。
次に、第2移動規制機構5Bについて説明する。
図11に示すように、第2移動規制機構5Bは、クランプ本体1Bの第2固定面12の4隅部に設けられた4組の第2摩擦生成機構111Bを有している。第2摩擦生成機構111Bは、可動部材113Bと、油室118と、油路109bとが設けられている。以下、実施例2と異なる構成についてのみ説明する。
可動部材113Bは、ロッド部113a’とその上端の鍔部113b’とから一体形成されている。可動部材113Bの鍔部113b’とシリンダ穴112Bとで油室118が形成され、油圧供給源109から油路109bを介して油圧が供給される。油室118は、鍔部113b’の外周部のシール部材により油密に封止されている。尚、油室118とこの油室118に連なる油路109bとこの油路109bを介して油室118に供給される油圧が、第2移動規制機構5Bの進出付勢機構に相当する。
尚、第1,第2移動規制機構4B,5Bの進出付勢機構においては、油室108、118に代えてエア室を夫々設け、これらエア室に加圧エア供給源からエア供給路を介して加圧エアを供給し、これら加圧エアを用いて可動部材103B,113Bを進出側へ付勢するように構成しても良い。
次に、磁力式固定装置CBの作用、効果について説明する。
先ずは、ベース部材Bのベース面B1にクランプ本体1Bの第1固定面11をマグネットユニット21により固定する場合、第1移動規制機構4Bの第1摩擦生成機構101Bにおいて、第1固定面11がベース面B1に吸着状態にされると、可動部材103Bはシリンダ穴102Bに退入する。次に、油路109aを介して油室108に油圧が供給されると、可動部材103Bは油圧によりベース面B1側に付勢されてベース面B1に押圧された状態になる。このため、ベース面B1と第1固定面11との間に油圧による付勢力と摩擦部材105の摩擦係数に応じた摩擦力が発生する。
次に、クランプ対象物Wをクランプ本体1の第2固定面12にマグネットユニット31により固定する場合、第2移動規制機構5Bの第2摩擦生成機構111Bにおいては、クランプ対象物Wが第2固定面12に吸着されると、可動部材113Bはシリンダ穴112Bに退入する。次に、油路109bを介して油室118に油圧が供給されると、可動部材113Bは油圧によりクランプ対象物W側に付勢されてクランプ対象物Wに押圧された状態となる。このため、クランプ対象物Wの被支持面W1と第2固定面12との間に油圧による付勢力と摩擦部材115の摩擦係数に応じた摩擦力が発生する。
このように、第1移動規制機構4Bにより、油室108と油路109aと油圧からなる進出付勢機構により摩擦部材105をベース面B1に当接させ、第2移動規制機構5Bにより、油室118と油路109bと油圧からなる進出付勢機構により摩擦部材115をクランプ対象物Wの被支持面W1に当接させることで、第1固定面11とベース面B1との間に及びクランプ対象物Wの被支持面W1と第2固定面12との間の摩擦力を増加させることができる。従って、クランプ本体1Bがベース面B1に対して移動するのを抑制すると共に、クランプ対象物Wがクランプ本体1Bに対して移動するのを抑制する事ができる。尚、その他の構成、作用及び効果は実施例1と同様であるので説明は省略する。
尚、本実施例では、第1,第2移動規制機構4B,5Bは同じ構成の摩擦生成機構101B,111Bを夫々備えているが、特に同じ構成のものを備える必要はなく、第1摩擦生成機構101B,第2摩擦生成機構111Bのうちの一方に代えて、実施例1の複数のピン部材42又は複数のピン部材52を採用しても良いし、後述する他の形状の第1,第2位置決め機構41,51を採用しても良い。
本実施例4の磁力式固定装置CCは、実施例1の第1,第2移動規制機構4,5の構造を変更したものである。尚、実施例1と同様の構成要素には同様の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
先ず、第1,第2移動規制機構4C,5Cについて説明する。
図12に示すように、第1,第2移動規制機構4C,5Cは、クランプ本体1Cの第1,第2固定面11,12の4隅部に夫々形成された4つの凹部123,124に装着された弾性部材121,122を夫々備えている。これら弾性部材121,122は、第1固定面11及び第2固定面12から所定高さ、例えば、0.1〜0.3mm程度外側に突出している。弾性部材121,122はゴム製の平面視円形状のものであり、凹部123,124も平面視円形状のものであるが、特に円形状に限定する必要はなく、楕円形状や矩形状など種々の形状のものであっても良い。また、弾性部材121,122や凹部123,124は、特に4つに限定する必要はなく、1又は4以外の複数の凹部を形成して、各凹部に弾性部材121,122を装着するようにしても良い。
次に、磁力式固定装置CCの作用、効果について説明する。
先ずは、ベース部材Bのベース面B1に第1固定面11をマグネットユニット21により固定する場合、第1移動規制機構4Cの弾性部材121においては、第1固定面11がベース面B1に吸着状態にされることで、弾性部材121は凹部123内に押圧されて圧縮状態になる。このため、ベース面B1と第1固定面11との間に弾性部材121の圧縮状態と弾性部材121の摩擦係数に応じた摩擦力が発生する。
次に、クランプ対象物Wを第2固定面12にマグネットユニット31により固定する場合、第2移動規制機構5Cの弾性部材122においては、クランプ対象物Wが第2固定面12に吸着されることで、弾性部材122は凹部124内に押圧されて圧縮状態になる。このため、クランプ対象物Wの被支持面W1と第2固定面12との間に弾性部材122の圧縮状態と弾性部材122の摩擦係数に応じた摩擦力が発生する。
このように、第1,第2移動規制機構4C,5Cは、クランプ本体1Cに形成された凹部123,124に装着された弾性部材121,122を備え、この弾性部材121,122が、第1固定面11及び第2固定面12から所定高さ突出しているので、第1固定面11がベース面B1に密着状に固定され、クランプ対象物Wの被支持面W1が第2固定面12に密着状に固定された場合、弾性部材121,122が凹部123,124内に押圧されて圧縮状態になり、第1固定面11とベース面B1との間とクランプ対象物Wの被支持面W1と第2固定面12との間の摩擦力を増加させることができる。尚、その他の構成、作用及び効果は実施例1と同様であるので説明は省略する。
尚、本実施例では、第1,第2移動規制機構4C,5Cは同じ弾性部材121,122を夫々備えているが、特に同じ弾性部材121,122を備える必要はなく、第1移動規制機構4C又は第2移動規制機構5Cのうちの一方に、弾性部材121,122に代えて実施例1の複数のピン部材42,52を採用しても良いし、後述する他の形状の第1,第2位置決め機構41,51を採用しても良い。
本実施例5の磁力式固定装置CDは、実施例1の第2移動規制機構5の構造を変更したものである。尚、実施例1と同様の構成要素には同様の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
先ずは、第2移動規制機構5Dについて説明する。
図13,図14に示すように、第2移動規制機構5Dは、クランプ本体1Dの第2固定面12にクランプ対象物Wを位置決めする為の第2位置決め機構51Dである。この第2位置決め機構51Dは、第2固定面12に突出状に且つ着脱可能に設けられた実施例1と同様の1又は複数のピン部材52を有すると共に、クランプ本体1Dの側面に着脱可能に固定されたブロック部材130を含むものである。
ブロック部材130は、鋼製の直方体状のものであって、クランプ本体1Dの左側面の上部に、2本のボルト部材131を介して第2固定面12から上方に突出するように縦向きに固定されている。ブロック部材130は、クランプ対象物Wの側面を受け止めることができる。尚、ブロック部材130の形状は、直方体状に限定せずに、クランプ対象物Wの移動を規制する形状のものであれば、種々の形状のものが適用可能である。また、ブロック部材130は、図13,図14に示す実線部分だけでなく、鎖線に示すように設けてもよいし、クランプ対象物Wの端面に当接可能であれば、これ以外の部分に固定しても良い。
次に、磁力式固定装置CDの作用、効果について説明する。
このように、第2位置決め機構51Dは、クランプ本体1Dの側面に着脱可能に固定されたブロック部材130を含むので、クランプ対象物Wを第2固定面12にマグネットユニット31により固定する場合、1又は複数のピン部材52を、クランプ対象物Wの溝部W2に嵌合すると共に、ブロック部材130をクランプ対象物Wの左側面に当接することで、ブロック部材130と1又は複数のピン部材52とが協働して、クランプ対象物Wを溝部W2と直交する方向と溝部W2に沿った少なくとも一方向に位置決めすることができる。尚、その他の構成、作用及び効果は実施例1と同様であるので説明は省略する。
本実施例6の磁力式固定装置CEは、実施例1の第1移動規制機構4の構造を変更したものである。尚、実施例1と同様の構成要素には同様の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
先ずは、第1移動規制機構4Eについて説明する。
図15に示すように、第1移動規制機構4Eは、クランプ本体1Eの第1固定面11をベース面B1に位置決めする為の第1位置決め機構41Eである。この第1位置決め機構41Eは、第1固定面11に突出状に且つ着脱可能に設けられた実施例1と同様の1又は複数のピン部材42を有すると共に、クランプ本体1の側面に着脱可能に固定されたブロック部材135を含むものである。
ブロック部材135は、鋼製の直方体状のものであって、クランプ本体1の左側面の下部に、2本のボルト部材136を介して第1固定面11から下方に突出するように縦向きに固定されている。ブロック部材135は、ベース部材Bの側面を受け止めることができる。尚、ブロック部材135の形状は、直方体状に限定せずに、ベース部材Bに当接することで、クランプ本体1Eの少なくとも一方向への移動を規制する形状のものであれば、種々の形状のものが適用可能である。また、ブロック部材135は、図15に示す実線部分だけでなく、2点鎖線部分に固定しても良いし、クランプ対象物Wの端面が当接可能であれば、これ以外の部分に固定しても良い。
次に、磁力式固定装置CEの作用、効果について説明する。
第1位置決め機構41Eは、クランプ本体1Eの側面に着脱可能に固定されたブロック部材135を含むので、第1固定面11をベース面B1にマグネットユニット21により固定する場合、1又は複数のピン部材42を、ベース部材BをT溝B2の縦溝部に嵌合すると共に、ブロック部材135を、クランプ対象物Wの側面に当接することで、ブロック部材135と1又は複数のピン部材42とが協働して、クランプ本体1EをT溝B2と直交する方向とT溝B2に沿った少なくとも一方向に位置決めすることができる。尚、その他の構成、作用及び効果は実施例1と同様であるので説明は省略する。
本実施例7の磁力式固定装置CFは、実施例1の第1移動規制機構4に補助的な位置決め部材を追加したものである。尚、実施例1と同様の構成要素には同様の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
先ずは、位置決め部材140について説明する。
図16に示すように、クランプ本体1Fの左側面側には、ベース部材BのT溝B2に固定された位置決め部材140が設けられている。位置決め部材140は、クランプ本体1FをT溝B2に沿った少なくとも一方向への移動を規制するためのものである。位置決め部材140は、ベース面B1に配置された上部ブロック部材141と、T溝B2の横溝部に挿入された下部ブロック部材142と、上部ブロック部材141と下部ブロック部材142とを連結するボルト部材143とを備えている。
この位置決め部材140をベース部材Bに固定する場合、先ずは、下部ブロック部材142をT溝B2の横溝部に挿入して所定の位置に配置する。次に、上部ブロック部材141を下部ブロック部材142の上方に位置するようにベース面B1に配置する。そして、ボルト部材143を上部ブロック部材142の頭部収容穴141aとボルト挿通孔141bに挿入し、T溝B2の縦溝部を通してボルト部材143のネジ部を下部ブロック部材142のネジ孔142aに螺合して、位置決め部材140をベース面B1に固定する。
次に、磁力式固定装置CFの作用、効果について説明する。
クランプ本体1Fの第1固定面11をベース面B1にマグネットユニット21により固定する場合、1又は複数のピン部材42をベース部材BのT溝B2の縦溝部に嵌合すると共に、位置決め部材140をクランプ対象物Wの左側面に当接することで、位置決め部材140と1又は複数のピン部材42とが協働して、クランプ本体1FをT溝B2と直交する方向とT溝B2に沿った少なくとも一方向に位置決めすることができる。尚、その他の構成、作用及び効果は実施例1と同様であるので説明は省略する。
尚、この位置決め部材140は、クランプ本体1Fの左右両端面のうちの一方、左側面側にしか配設されていないが、これに限定する必要はない。つまり、位置決め部材140を、クランプ本体1Fの左右両端面に当接するようにベース面B1に配設されても良い。この場合、2組の位置決め部材140と1又は複数のピン部材42とが協働して、クランプ本体1FをT溝B2と直交する方向とT溝B2に沿った方向に、つまり2方向に位置決めすることができる。
本実施例8の磁力式固定装置CGは、実施例1の第1移動規制機構4の構造を変更したものである。尚、実施例1と同様の構成要素には同様の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
先ずは、第1移動規制機構4Gについて説明する。
図17に示すように、第1移動規制機構4Gは、クランプ本体1Gの第1固定面11をベース面B1に少なくとも一方向に位置決めする為の第1位置決め機構41Gである。第1移動規制機構4Gの第1位置決め機構41Gは、実施例1の第1位置決め機構41の1又は複数のピン部材42を省略して、クランプ本体1Gの角溝16,17に嵌合されてクランプ本体1Gに1又は複数のボルト146にて固定されたブロック部材145を含むものである。角溝16,17は、クランプ本体1Gの前側面と後側面の下側部分に第1,第2固定面11,12と平行に且つ側面視コ字状に形成されている。
ブロック部材145は、鋼製の側面視逆L字状に形成されている。ブロック部材145の横部145aが、1対の角溝16,17のうちの少なくとも一方に(図17では右側角溝16に)嵌合され、横部145aに形成されたボルト挿通孔に1又は複数のボルト146が挿入されてクランプ本体1Gに螺合固定されている。ブロック部材145の縦部145bの下端部は、T溝B2の縦溝部に嵌合される。尚、ブロック部材145は、1つに限定せずに、複数のブロック部材145を角溝16,17のうちの一方に嵌合固定しても良い。
次に、磁力式固定装置CGの作用、効果について説明する。
クランプ本体1Gの側面に第1,第2固定面11,12と平行な角溝16,17が形成され、第1位置決め機構41Gは、角溝16,17に嵌合されてクランプ本体1Gにボルト146にて固定されたブロック部材145を含むので、ブロック部材145をベース部材BのT溝B2に嵌合することで、クランプ本体1をベース面B1に対して少なくとも一方向に、つまり、T溝B2と直交する方向に位置決めすることができる。尚、その他の構成、作用及び効果は実施例1と同様であるので説明は省略する。
本実施例9の磁力式固定装置CHは、実施例1の第1移動規制機構4の構造を変更したものである。尚、実施例1と同様の構成要素には同様の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
先ず、第1移動規制機構4Hについて説明する。
図18に示すように、第1移動規制機構4Hは、クランプ本体1Hの第1固定面11をベース面B1に少なくとも一方向に位置決めする為の第1位置決め機構41Hである。第1位置決め機構41Hは、実施例1の1又は複数のピン部材42を備え、クランプ本体1Hの角溝16,17に嵌合されてクランプ本体1Hに1又は複数のボルト146にて固定されたブロック部材146を含むものである。角溝16,17は、実施例8と同様に、クランプ本体1Hの側面に第1,第2固定面11,12と平行に形成されている。ブロック部材146の構成は、実施例8と同様であるので説明は省略する。
次に、磁力式固定装置CHの作用、効果について説明する。
クランプ本体1の側面に第1,第2固定面11,12と平行な角溝16,17が形成され、第1位置決め機構41Hは、角溝16,17のうちの少なくとも一方に(図18では右側角溝16に)嵌合されてクランプ本体1Hにボルト146にて固定されたブロック部材145を含むので、第1位置決め機構41Hのピン部材42をT溝B2の縦溝部に嵌合し、ブロック部材145の側面をベース部材Bの側面に当接することで、ブロック部材145と1又は複数のピン部材42とが協働して、クランプ本体1Hをベース面B1に対して少なくとも一方向に、つまり、T溝B2と直交する方向に位置決めすることができる。尚、その他の構成、作用及び効果は前記実施例1と同様であるので説明は省略する。
本実施例9の磁力式固定装置CIは、実施例1の第1,第2移動規制機構4,5のピン部材42,52の構造を部分的に変更したものである。尚、実施例1と同様の構成要素には同様の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
先ず、第1,第2移動規制機構4I,5Iについて説明する。
図19に示すように、第1移動規制機構4Iは、クランプ本体1Iの第1固定面11をベース面B1に対して位置決めする為の第1位置決め機構41Iである。第1位置決め機構41Iは、第1固定面11に突出状に且つ着脱可能に設けられた1又は複数(例えば、2組)のピン部材42Iを有する。この第1位置決め機構41Iは、実施例1のクランプ本体1に形成された嵌合孔43を省略して、実施例1のピン部材42の半分程度の長さのピン部材42Iを備え、これらピン部材42Iは、ボルト部材44Iだけでクランプ本体1Iに固定されている。
第2移動規制機構5Iは、クランプ対象物Wをクランプ本体1Iの第2固定面12に対して位置決めする為の第2位置決め機構51Iである。第2位置決め機構51Iは、第2固定面12に突出状に且つ着脱可能に設けられた1又は複数(例えば、2組)のピン部材52Iを有する。この第2位置決め機構51Iは、前記実施例1のクランプ本体1に形成された嵌合孔53を省略して、実施例1のピン部材52の半分程度の長さのピン部材52Iを備え、これらピン部材52Iは、ボルト部材54Iだけでクランプ本体1Iに固定されている。尚、その他の構成、作用及び効果は実施例1と同様であるので説明は省略する。
次に、前記実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
[1]前記実施例1〜9の磁力式固定装置Cにおいて、マグネットユニット21,31の数や配置は2組に限定する必要はなく、4組のマグネットユニット21,31を左右方向に隣接状に連続的に配設しても良いし、4組のマグネットユニット21,31を上下左右方向に正方形状に配設しても良い。つまり、マグネットユニット21,31の数や配置は、クランプ本体1の形状やサイズ等に応じて適宜変更可能である。
[2]前記実施例1〜9の磁力式固定装置Cにおいて、ピン部材42,52は、ボルト部材44,54によりクランプ本体1に固定されているが、このボルト部材44,54を省略し、ピン部材42,52の外径と嵌合穴43,53の内径を同じ径に形成して強制的に嵌入することで、ピン部材42,52を嵌合穴43,53に密着状に固定するようにしても良い。また、ピン部材42,52を部分的にネジ切りして、嵌合穴43,53をネジ孔に形成することで、ピン部材42,52を嵌合穴43,53に螺合固定しても良い。
[3]前記実施例1〜9において、ベース部材Bに形成されたT溝B2やクランプ対象物Wに形成された溝部Wの形状は、この形状に限定する必要はなく、第1,第2位置決め機構4,5のピン部材42,52が嵌合可能であれば、例えば、ベース面B1や被支持面W1に開口された円形穴や、ベース部材Bやクランプ対象物Wの側面に開口された凹部など、種々の形状に形成しても良い。
[4]前記実施例1〜9の磁力式固定装置における、クランプ本体1の構造、第1,第2移動規制機構4,5の構造などは、一例を示すものであり、これらの構造に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を付加して実施可能である。
本発明に係る磁力式固定装置は、マシニングセンタ等の工作機械やその他の種々の装置のテーブルなどのベース部材のベース面に、ワークや金型などのクランプ対象物を固定する場合に適応可能である。
M 工作機械
B ベース部材
B1 ベース面
W クランプ対象物
C、CA〜CI 磁力式固定装置
1,1A〜1I クランプ本体
2 第1磁力発生機構
3 第2磁力発生機構
4,4A〜4C,4E,4G〜4I 第1移動規制機構
5,5A〜5D,5I 第2移動規制機構
11 第1固定面
12 第2固定面
16,17 角溝
21,31 マグネットユニット
22,32 鋼製ブロック
23,33 永久磁石
24,34 アルニコ磁石
25,35 コイル
41,41E,41G〜41I 第1位置決め機構
42,52 ピン部材
51,51D,51I 第2位置決め機構
101,101B 第1摩擦生成機構
102,112 シリンダ穴
103,103B,113,113B 可動部材
104,114 バネ部材
108,118 油室
111,111B 第2摩擦生成機構
121,122 弾性部材
130,135,145 ブロック部材

Claims (9)

  1. 外部のベース部材のベース面に固定可能な平坦な第1固定面と、この第1固定面に平行で且つワークや金型などのクランプ対象物を固定可能な平坦な第2固定面とを有するクランプ本体と、このクランプ本体に組み込まれ第1固定面をベース面に磁力により固定する第1磁力発生機構及び第2固定面にクランプ対象物を磁力により固定する第2磁力発生機構とを備えた磁力式固定装置であって、
    前記クランプ本体を前記ベース面に対して少なくとも一方向への移動を規制する第1移動規制機構を、前記クランプ本体に設けたを特徴とする磁力式固定装置。
  2. 前記第1磁力発生機構は、前記第1固定面に臨む磁性部材と、この磁性部材の外周側に配設された複数の永久磁石と、前記磁性部材の背面側に配設されたアルニコ磁石と、このアルニコ磁石の極性を切り換える為のコイルとを備え、吸着状態と非吸着状態とに切り換え可能に構成され、
    前記第2磁力発生機構は、前記第2固定面に臨む磁性部材と、この磁性部材の外周側に配設された複数の永久磁石と、前記磁性部材の背面側に配設されたアルニコ磁石と、このアルニコ磁石の極性を切り換える為のコイルとを備え、吸着状態と非吸着状態とに切り換え可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の磁力式固定装置。
  3. 前記第1移動規制機構は、前記クランプ本体の第1固定面を前記ベース面に対して位置決めする為の第1位置決め機構であって、前記第1固定面に突出状に且つ着脱可能に設けられた1又は複数のピン部材を有する第1位置決め機構であることを特徴とする請求項1に記載の磁力式固定装置。
  4. 前記第1位置決め機構は、前記クランプ本体の側面に着脱可能に固定されたブロック部材を含むことを特徴する請求項3に記載の磁力式固定装置。
  5. 前記クランプ本体の側面に第1,第2固定面と平行な角溝が形成され、
    前記第1位置決め機構は、前記角溝に嵌合されてクランプ本体にボルトにて固定されたブロック部材を含むことを特徴とする請求項3に記載の磁力式固定装置。
  6. 前記クランプ本体の第2固定面に前記クランプ対象物を少なくとも一方向への移動を規制する第2移動規制機構を、前記クランプ本体に設けたことを特徴とする請求項1に記載の磁力式固定装置。
  7. 前記第2移動規制機構は、前記クランプ本体の第2固定面に前記クランプ対象物を位置決めする為の第2位置決め機構であって、前記第2固定面に突出状に且つ着脱可能に設けられた1又は複数のピン部材を有する第2位置決め機構であることを特徴とする請求項6に記載の磁力式固定装置。
  8. 前記第1,第2移動規制機構の少なくとも一方は、前記クランプ本体に形成されたシリンダ穴と、このシリンダ穴に進退可能に装着された可動部材と、この可動部材を進出側へ付勢する進出付勢機構とを備え、
    前記可動部材の先端部に摩擦係数の大きい摩擦部材が取り付けられたことを特徴とする請求項6に記載の磁力式固定装置。
  9. 前記第1,第2移動規制機構の少なくとも一方は、前記クランプ本体に形成された凹部に装着された弾性部材を備え、この弾性部材が、第1固定面又は第2固定面から所定高さ突出していることを特徴とする請求項6に記載の磁力式固定装置。
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