JP3165195U - 引出し構造体を備えた家具 - Google Patents

Abstract

【課題】収納位置と引出し位置の少なくとも１つの位置で引出し構造体の抜け落ちを防ぎ、かつ引出し構造体の取外しが容易な家具を提供する。【解決手段】家具は、本体に形成された収納口に、着脱自在かつ摺動自在に収納される引出し構造体を備え、前記引出し構造体が、前記収納口に収納された位置と前記収納口から引き出された位置の少なくとも１つの位置において、前記収納口の内部および前記引出し構造体の一方に設けられた磁石１５ａ，１５ｂと他方に設けられた強磁性体２１ａ，２１ｂまたは磁石との吸引力によって固定される。【選択図】図２

Description

本考案は、引出し構造体を備えた家具に関する。より詳しくは膳引きを備えた仏壇に関する。

従来より、前方に引出し自在に収納された膳引きを備え、この膳引きにお供え物や香炉等を載置する仏壇は、特許文献１に例示されるようによく知られているが、ストッパー機能を有する膳引きや抽斗、スライド棚などの引出し構造体において、引出し構造体の抜け落ちの防止と、引出し構造体のより簡単な取外しとを両立することができる家具の創出が求められている。

特開２００２−１７２０３２号公報

本考案は、収納位置と引出し位置の少なくとも１つの位置で引出し構造体の抜け落ちを防ぎ、かつ引出し構造体の取外しが容易な家具を提供することを目的とする。

本考案の家具は、本体に形成された収納口に、着脱自在かつ摺動自在に収納される引出し構造体を備え、前記引出し構造体が、前記収納口に収納された位置と前記収納口から引き出された位置の少なくとも１つの位置において、前記収納口の内部および前記引出し構造体の一方に設けられた磁石と他方に設けられた強磁性体または磁石との吸引力によって固定されてなることを特徴としている。

本考案の仏壇は、本体に形成された収納口に、着脱自在かつ摺動自在に収納される引出し構造体を備え、前記引出し構造体が、前記収納口に収納された位置と前記収納口から引き出された位置の少なくとも１つの位置において、前記収納口の内部および前記引出し構造体の一方に設けられた磁石と他方に設けられた強磁性体または磁石との吸引力によって固定されてなることを特徴としている。

本考案の家具は、引出し構造体の収納口の内部および引出し構造体の一方に設けられた磁石と他方に設けられた強磁性体または磁石との吸引力によって、収納位置と引出し位置の少なくとも１つの位置で引出し構造体の位置決めを行うことができ、かつ、磁石の吸引力に抗して引出し構造体を引くだけでその取外しを容易に行うことができる。そのため、引出し構造体の抜け落ちの防止と簡単な取外しとを両立することができ、安全性が高く、引出し構造体の修理交換がしやすく、清掃等の手入れを容易に行うことができる。

本考案の実施の形態による仏壇の概略正面図である。 図１の仏壇の収納口における水平断面図である。 図１の仏壇の縦断面図であって、仏壇下部の拡大図である。 図１の仏壇と膳引きの模式水平断面図による膳引きの動作説明図であって、（ａ）は膳引きが収納口に収納された状態を示した図であり、（ｂ）は膳引きが収納口から引き出された状態を示した図である。

本考案の実施の形態による仏壇について、添付図面に沿って以下詳細に説明する。

図１は、本考案の実施の形態による仏壇の概略正面図であり、図２は、図１の仏壇の収納口における水平断面図であり、図３は、図１の仏壇の縦断面図であって、仏壇下部の拡大図である。

図１に示されるように、仏壇１は、前面に開口を有する箱状の本体５と、開口を開閉するためにヒンジ等により本体５に取り付けられた両開きの扉６ａ，６ｂと、位牌等を安置するための安置板７ａ，７ｂ，７ｃとから構成される須弥壇とからなる。最下部の安置板７ｃの下部には、さらに、お供え物や香炉等を載置する板状の膳引き１０、および数珠等を収納する抽斗１１が引出し自在に順次収納されている。本体５、扉６ａ，６ｂ、膳引き１０および抽斗１１は、共に木や合成樹脂で作製されている。

図２および図３に示されるように、膳引き１０は、本体５の安置板７ｃと抽斗１１との間に形成された収納口に、摺動自在に収納されている。膳引き１０の両側面には、膳引き１０の引出し側から見て奥手に磁石１５ａ，１５ｂが固定されている。なお、磁石の形状は特に限定されるものではなく、種類も特に限定されるものではないが、取扱いが容易なフェライト磁石やネオジム磁石などの永久磁石を用いることが好ましく、磁石としてマグネットシートを用いることもできる。

一方、収納口の両内側面には、膳引き１０を収納口から引き出した位置において、磁石１５ａ，１５ｂと対向する箇所に、磁石１５ａ，１５ｂに吸引される鉄製の強磁性体２１ａ，２１ｂが固定されている。なお、強磁性体は鉄に限定されるものではなく、強磁性を有するステンレスを用いることもでき、また、磁石１５ａ，１５ｂと吸引しあう磁石を用いることもできる。また、磁石や磁性体の固定方法は特に限定されるものではないが、磁石の形状に対応する凹部を形成し埋込み固定する方法やピン、ネジ、接着剤によってなされる。

次に、膳引きの引出し動作について説明する。図４は、図１の仏壇と膳引きの模式水平断面図による膳引きの動作説明図であって、（ａ）は膳引きが収納口に収納された状態を示した図であり、（ｂ）は膳引きが収納口から引き出された状態を示した図である。

図４の（ａ）に示されるように、膳引き１０は、本体５に形成された収納口に収納されている。そして、お供え物や香炉等を載置するために膳引き１０を引き出す。すると、図４の（ｂ）に示されるように、引き出された膳引き１０は、膳引き１０の磁石１５ａ，１５ｂが強磁性体２１ａ，２１ｂをそれぞれ吸引し、磁石１５ａ，１５ｂと強磁性体２１ａ，２１ｂとが対向する位置において引き出された状態で安定する。この状態のとき、膳引き１０上にお供え物や香炉等を載置する。膳引き１０は磁石の吸引力で固定されているので、抜け落ちにくい。

膳引き１０を磁石の吸引力に抗してさらに引き出すと、膳引き１０を容易に取り外すことができる。このように、本考案の仏壇は、収納位置と引出し位置の少なくとも１つの位置で膳引きの位置決めを行うことができ、かつ、磁石の吸引力に抗して膳引きを引くだけでその取外しを容易に行うことができる。そのため、膳引きの抜け落ちが防止される一方、膳引きの修理交換がしやすく、清掃等の手入れを容易に行うことができる。

なお、本実施の形態は膳引きを備えた仏壇であったが、これに限定されるものではなく、本考案の構成を箪笥や食器棚、テーブルなどの家具全般に適用することができ、また、引出し構造体は膳引きに限定されるものではなく、抽斗やスライド棚、伸縮テーブルであっても良い。

また、本実施の形態では、引出し構造体である膳引きは収納口に収納された位置と収納口から引き出された位置の１つの位置で移動可能に固定されていたが、これに限定されるものではなく、引出し構造体は、収納口に収納された位置と収納口から引き出された位置の少なくとも２つの位置において固定されていても良い。収納位置と引出し位置の２つの位置で膳引きの位置決めを行う場合、引出し方向に対して手前側と奥側の両方に磁石が設けられていても良いが、両方になくても良く、奥側に磁石があり、収納口側の引出し方向の異なる２箇所に強磁性体が設けられていれば、収納位置と引出し位置の２つの位置で膳引きの位置決めを行うことができる。同様に、収納口側にも引出し方向に対して奥側と手前側の２箇所に強磁性体が設けられていても良いが、奥側の強磁性体はなくても良く、膳引きの引出し方向に対して奥側と手前側の２箇所に磁石が設けられていれば、収納位置と引出し位置の２つの位置で膳引きの位置決めを行うことができる。

さらに、本実施の形態では、磁石は膳引きの両側面に設けられていたが、これに限定されるものではなく、一方の側面や下面に設けられていても良い。また、膳引きに強磁性体を固定し、収納口に磁石を固定することもできる。

１ 仏壇
５ 本体
６ａ，６ｂ 扉
７ａ，７ｂ，７ｃ 安置板
１０ 膳引き
１１ 抽斗
１５ａ，１５ｂ 磁石
２１ａ，２１ｂ 強磁性体

Claims (2)

1. 本体に形成された収納口に、着脱自在かつ摺動自在に収納される引出し構造体を備え、
   前記引出し構造体が、前記収納口に収納された位置と前記収納口から引き出された位置の少なくとも１つの位置において、前記収納口の内部および前記引出し構造体の一方に設けられた磁石と他方に設けられた強磁性体または磁石との吸引力によって固定されてなることを特徴とする家具。
2. 本体に形成された収納口に、着脱自在かつ摺動自在に収納される引出し構造体を備え、
   前記引出し構造体が、前記収納口に収納された位置と前記収納口から引き出された位置の少なくとも１つの位置において、前記収納口の内部および前記引出し構造体の一方に設けられた磁石と他方に設けられた強磁性体または磁石との吸引力によって固定されてなることを特徴とする仏壇。

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