JP3164315B2 - 読取装置 - Google Patents

読取装置

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JP3164315B2
JP3164315B2 JP22406991A JP22406991A JP3164315B2 JP 3164315 B2 JP3164315 B2 JP 3164315B2 JP 22406991 A JP22406991 A JP 22406991A JP 22406991 A JP22406991 A JP 22406991A JP 3164315 B2 JP3164315 B2 JP 3164315B2
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正徳 大川
行造 山崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体レーザ発振器を光
源として備え、半導体レーザ発振器からレーザ走査線を
形成するレーザ光走査装置に関し、特に商品のバーコー
ドを読み取るバーコードリーダ等のレーザ光走査装置に
関する。
【0002】バーコードを利用する情報管理システム
は、ストア・オートメーションを中心とするPOSシス
テム(point-of-sales system;販売地点情報管理システ
ム)をはじめ、様々な分野のOA(office automation
),FA(factory automation)システムに適用され
つつある。POSシステムにおいて、バーコードの情報
を入力する装置としてはPOSスキャナがある。一般的
に、バーコードを読み取るPOSスキャナはバーコード
リーダと呼ばれている。このバーコードリーダには、レ
ーザビームを所望のパターンで走査して、その反射光か
ら図形等の読み取りを行う定置式のレーザスキャナが利
用されている。このレーザスキャナの光源となるレーザ
は気体レーザが多い。気体レーザを使用した装置は気体
と気体を封じ込める管とが必要となるため、装置全体が
大きくなる。
【0003】ところで、スーパーマーケット等ではバー
コードリーダをキャッシュ・レジスタとともにテーブル
上に設置している。そのため、手に持った商品を移動さ
せながらバーコードを読み取らせている。現状では、こ
れらのキャッシュ・レジスタおよびバーコードリーダに
よって売場面積を圧迫している。したがって、キャッシ
ュ・レジスタおよびバーコードリーダの占有面積を縮小
するために、バーコードリーダの小型化が望まれてい
る。この要望に対して、レーザスキャナの光源となるレ
ーザに半導体レーザを利用して、レーザ走査線を形成す
る装置が提案されている。また、半導体レーザを利用す
ることによって、バーコードリーダのようなPOSスキ
ャナのみならず、レーザプリンタ等の他の情報機器の小
型化も可能となる。
【0004】
【従来の技術】従来、POSシステムのバーコードリー
ダに使用されているレーザは気体レーザが多い。図7は
従来のバーコードリーダを示す図である。He−Neレ
ーザ発振器11はレーザビームを発生させる発振器であ
る。ポリゴンミラー22は正多角形の形状をなす反射鏡
であり、モータ22mを使用して回転する。走査線分割
ミラー23a〜23cはレーザビームを走査させる方向
(例えば、縦、横および斜め方向)を定める。底面ミラ
ー24は走査線分割ミラー23a〜23cによって下方
向に反射されたレーザビームを逆に上方向に反射させ
る。凹面ミラー25は内面に湾曲反射面を有する貫通穴
26を備えた反射鏡である。なお、凹面ミラー25の後
方には、図には示されない反射ミラーが貫通穴26に対
向して設けられている。読み取り窓面のホロウィンド3
1は波長依存性素子の一つであり、帯状のホログラムが
複数本形成され、レーザビームの走査を集束させる機能
を有するものである。仮想垂直面40はホロウィンド3
1で回折したレーザビームが結像される走査面であり、
ホロウィンド31の面に対して鉛直な面である。また、
仮想垂直面40は一般的に商品等の物体面である。
【0005】図7において、He−Neレーザ発振器1
1で発生したレーザビームはポリゴンミラー22側から
凹面ミラー25側に出射される。この出射光は図には示
されない反射ミラーにより反射される。そして、ポリゴ
ンミラー22の反射面の傾きと回転により所定範囲に走
査され、走査線分割ミラー23a〜23cを走査するレ
ーザ走査光となる。このレーザ走査光は、走査線分割ミ
ラー23a〜23cおよび底面ミラー24を介して読み
取り窓面へ出射される。読み取り窓面に導かれたレーザ
走査光は、読み取り窓面に予め形成されたホログラムに
より回折され、仮想垂直面40で結像される。この場
合、図7の線分A−Bのように、仮想垂直面40に沿っ
てホロウィンド31の面とは鉛直方向に対して走査する
レーザ走査線41は、ホロウィンド31における回折方
向とレーザ走査方向が同一である。後述するような多モ
ード競合状態では、ホログラムはレーザビームを波長毎
に分散して回折させるため、レーザ走査線41のビーム
径はバーコードを読み取るために必要な実効ビーム径よ
りも大きくなる。
【0006】ここで、He−Neレーザのような気体レ
ーザを利用したレーザ光走査装置は気体と気体を封じ込
める管が必要となるため、装置自体が大型になる。した
がって、装置を小型化するために、気体レーザの代わり
に半導体レーザを用いることが求められている。しか
し、半導体レーザは気体レーザにはない固有の特性が認
められている。
【0007】図8は半導体レーザの発振波長─温度特性
を示す図である。図8(a)は温度(T)に対する発振
波長(λ)を表すグラフである。温度T1,2 では、半
導体レーザの発振波長はそれぞれλ1,λ2 と単一波長に
なる。このときの発振スペクトル特性は図8(b)のよ
うになる。このように、ある温度において、単一の波長
のレーザが生ずる状態をシングルモード状態という。
【0008】ところが、温度T3 およびその近傍の温度
領域のように、一定の温度領域では複数の波長が生ず
る。このような現象をモードホッピングという。すなわ
ち、基準波長λ3 に対してわずかに異なる波長λ3 +Δ
λ,λ3 ─Δλ等が発生する。このときの発振スペクト
ル特性は図8(c)のようになる。このように、一定の
温度領域において、複数の波長のレーザが生ずる状態を
多モード競合状態という。また、モードホッピングが起
こる温度領域は、規格による半導体レーザの使用可能な
温度範囲において、ほぼ2〜4度おきに散在する。
【0009】ところで、レーザを用いたシステムに限ら
ず一般的なシステムでは、電源投入時から各種の素子か
ら発する熱により、環境温度が変化するために、レーザ
発振器自体の温度が変化する。このため、半導体レーザ
を使用する場合には、温度変化に対応させるため、常に
多モード競合状態を考慮する必要がある。以下、半導体
レーザのシングルモード状態および多モード競合状態に
ついて説明する。
【0010】図9はシングルモード状態のレーザビーム
の走査を示す図である。図8における温度T1,2 での
レーザビームの走査を、図7における従来例を示す図の
側面から透視した図である。半導体レーザ発振器を光源
とするレーザビームはポリゴンミラー22、走査線分割
ミラー23、底面ミラー24およびホロウィンド31を
介して、仮想垂直面40で結像する。この状態では、半
導体レーザ発振器10から発したレーザビームは仮想垂
直面40で結像するまで単一の波長を保つ。したがっ
て、仮想垂直面40で結像するレーザビームの実効ビー
ム径はほとんど大きくならない。
【0011】図10は多モード競合状態のレーザビーム
の走査を示す図である。図8において、温度T3 および
その近傍でのレーザビームの走査を、図7における従来
例を示す図の側面から透視した図である。半導体レーザ
発振器を光源とするレーザビームはポリゴンミラー2
2、走査線分割ミラー23、底面ミラー24およびホロ
ウィンド31を介して、仮想垂直面40で結像する。こ
の状態では、半導体レーザ発振器10から発したレーザ
ビームはホロウィンド31によって波長毎に異なる回折
角で回折されるため、複数に分散する。この理由は、ホ
ロウィンド31に入射するレーザビームの入射角が同一
に固定されていても、波長が変化すれば回折角が異なる
からである。この波長分散により、複数のレーザビーム
が仮想垂直面40に到達することになるため、ホロウィ
ンド31の面に対して鉛直方向に拡大したビームとして
結像することになる。このため、多モード競合状態では
ホロウィンド31の面に対して鉛直方向に走査されたレ
ーザ走査線によるバーコード読み取り精度が低下する。
【0012】以上から、従来の半導体レーザ発振器と波
長依存性を有する回折素子を利用したレーザ光走査装置
における走査パターンについては、次のような現象が生
じる。図11は従来のレーザビームの走査を示す図であ
る。半導体レーザ発振器を光源とするレーザビームはホ
ロウィンド31を介して、仮想垂直面40で結像する。
ところで、ホロウィンド31に入射するレーザビームp
1 はホロウィンド31上の点pで回折する。このとき、
環境温度が図8における温度T3 およびその近傍なら
ば、回折した後のレーザビームはモードホッピングによ
る波長の変化のため、本来のレーザビームp2 (波長λ
3 )のほかに、r2 (波長λ3 +Δλ)およびq2 (波
長λ3 ─Δλ)等の複数の波長のレーザビームに分散さ
れる。したがって、仮想垂直面40で結像するときのビ
ーム径は、バーコードを読み取るための実効ビーム径よ
りも大きくなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】気体レーザは発振波長
が安定している反面、大型である。このため、半導体レ
ーザ発振器を光源とするバーコードリーダが望まれる。
しかし、気体レーザにはない半導体レーザ固有の発振波
長変動を抑制するために、例えばペルチェ素子等の温度
制御手段が必要となり、結果として装置が大型になると
いう問題点があった。加えて、温度制御手段を付加する
ことにより、コストが高くなるという問題点もあった。
また、半導体レーザ発振器と波長依存性を有する回折素
子とを利用したバーコードリーダにおいて、一定の温度
領域ではレーザビームが波長依存性を有する回折素子に
おいて波長毎に分散する。したがって、レーザビームが
結像するときにはバーコードを読み取るために必要な実
効ビーム径よりも大きくなるため、バーコードの読み取
り精度が低下するという問題点があった。
【0014】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、半導体レーザ発振器を光源として備え、半導
体レーザ発振器からレーザ走査線を形成するレーザ光走
査装置において、多モード競合状態が生ずる温度領域で
あっても、結像するときのビーム径の拡大を抑制するレ
ーザ光走査装置を、提供することを目的とする。さら
に、本発明の他の目的は、より小型なレーザ光走査装置
を提供することである。また、本発明の他の目的は、バ
ーコードの読み取り精度を向上させるレーザ光走査装置
を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】図1は上記目的を達成す
る本発明の原理図である。図において、半導体レーザ発
振器10はレーザビームを発生させる発振器である。レ
ーザ走査手段20は半導体レーザ発振器10から波長依
存性素子30に至るレーザビームの光路に設けられ、レ
ーザビームを波長毎に分散させる手段である。回折素子
21はレーザビームを回折させるものであって、波長依
存性素子30で生じるモードホッピング状態の基本波、
側波を含めた複数の波長分散を、レーザビーム毎に、
め打ち消すように、レーザ走査手段20の光路内に設け
られる。波長依存性素子30は帯状の透過型ホログラム
を形成した素子であり、波長依存性素子30に入射した
レーザビームは波長依存性素子30の面に対する入射角
と波長に応じた角度で出射する。走査面40はレーザビ
ームが走査する面であり、波長依存性素子30の面に対
して鉛直な面である。また、走査面40は一般的に商品
等の物体面である。レーザ走査線41は走査面40にレ
ーザビームを走査して描かれる線分である。なお、図で
斜線が施されているものは、ホログラムを形成した素子
であることを示す。
【0016】半導体レーザ発振器10で発生したレーザ
ビームp0 は、回折素子21で回折してレーザビームp
1 となる。多モード競合状態において、複数波長のレー
ザビームが入射する場合、入射するレーザビームに応じ
てレーザビーム毎に回折角が変わり、レーザビームq1,
1等の複数の波長のレーザビームが生ずる。これらの
複数の波長のレーザビームは、波長依存性素子30でそ
れぞれ回折し、波長分散を打ち消すように走査面40で
結像する。すなわち、レーザビームp1 は波長依存性素
子30上の点pで入射し、波長依存性素子30の面に対
する入射角と波長に応じた角度で出射してレーザビーム
2 になる。また、波長分散によって生じたレーザビー
ムq1 は回折素子21の位置から点pと比べて遠方の波
長依存性素子30上の点qで入射し、レーザビームp2
の出射角よりは小さな角度で出射してレーザビームq2
になる。レーザビームr1 は回折素子21の位置から点
pと比べて近方の波長依存性素子30上の点rで入射
し、レーザビームp2 の出射角よりは大きな角度で出射
してレーザビームr2 になる。したがって、回折素子2
1で波長分散したレーザビームは、波長依存性素子30
で集光し、走査面40で結像することになる。このた
め、バーコードを読み取るための実効ビーム径以内にビ
ーム径の拡大が抑制される。
【0017】
【作用】まず、回折素子21は半導体レーザ発振器10
で発生したレーザビームを、ホログラムの分散作用によ
り波長依存性素子30における入射位置および入射角に
応じて変化させる。回折素子21で分散作用により変化
したレーザビームは、波長依存性素子30の回折作用に
よってレーザビームを集光させ、走査面40で結像させ
る。したがって、レーザビームが走査面40で結像して
形成されるレーザ走査線41は、バーコードを読み取る
ための実効ビーム径以内に抑えられる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図2は本発明の実施例を示す図である。図にお
いて、半導体レーザ発振器10はレーザビームを発生さ
せる発振器である。ポリゴンミラー22は正多角形をな
す反射鏡であり、半導体レーザ発振器10で発生したレ
ーザビームを走査線分割ミラー23a〜23c上を走査
させるために回転する。走査線分割ミラー23a〜23
cには反射型ホログラムが形成されており、ポリゴンミ
ラー22によって走査されたレーザ走査ビームを回折さ
せ、多モード競合状態における複数波長のレーザビーム
が発振する場合にはそれぞれの波長に応じて回折角を変
化させ、分散させる。また、走査線分割ミラー23a〜
23cのようにミラーが複数存在するのは、それぞれの
ミラーにより異なるレーザ走査線を形成させるためであ
る。ホロウィンド31は波長依存性素子の一つであり、
読み取り窓面に帯状の透過型ホログラムが形成されてい
る。また、ホロウィンド31はホログラムの回折および
結像作用により、走査線分割ミラー23aで波長分散し
たレーザビームの集光を行うことにより、図1に示すレ
ーザ走査線41を形成する。なお、図で斜線が施されて
いるものは、ホログラムを形成した素子であることを示
す。
【0019】図3は上記実施例の側面から透視した模式
図である。仮想垂直面40はレーザビームが走査する面
であり、ホロウィンド31の面に対して鉛直な面であ
る。また、仮想垂直面40は一般的に商品等の物体面で
ある。そして、仮想垂直面40以外の符号であって、図
2と同一符号は同一の素子および装置である。なお、図
2と同様に斜線が施されているものは、ホログラムを形
成した素子であることを示す。
【0020】次に、本発明の実施例の動作について説明
する。半導体レーザ発振器10で発生したレーザビーム
は、ポリゴンミラー22で反射してレーザビームp0
なる。ポリゴンミラー22によって反射されたレーザビ
ームp0 は走査線分割ミラー23aに設けられたホログ
ラムで回折してレーザビームp1 となる。また、一定の
温度領域では入射するときの波長に応じてレーザビーム
1,r1 等の複数の波長のレーザビームに分散する。こ
れらの複数の波長のレーザビームは、ホロウィンド31
でそれぞれ回折し、波長分散を打ち消すように仮想垂直
面40で結像する。
【0021】すなわち、レーザビームp1 はホロウィン
ド31上の点pで入射し、ホロウィンド31の面に対す
る入射角と波長に応じた角度で出射してレーザビームp
2 になる。また、波長分散によって生じたレーザビーム
1 は走査線分割ミラー23aの位置から点pと比べて
遠方のホロウィンド31上の点qで入射し、レーザビー
ムp2 の出射角よりは小さな角度で出射してレーザビー
ムq2 になる。レーザビームr1 は走査線分割ミラー2
3aの位置から点pと比べて近方のホロウィンド31上
の点rで入射し、レーザビームp2 の出射角よりは大き
な角度で出射してレーザビームr2 になる。このため、
走査線分割ミラー23aで波長分散したレーザビーム
は、ホロウィンド31で集光し、仮想垂直面40で結像
する。したがって、バーコードを読み取るための実効ビ
ーム径以内にビーム径の拡大が抑制される。
【0022】また、ポリゴンミラー22によって反射さ
れたレーザビームp0 は同様に、走査線分割ミラー23
b,23cに設けられたホログラムで回折する。一定の
温度領域では入射する波長に応じて分散する。そして、
走査線分割ミラー23b,23cで反射したレーザビー
ムはホロウィンド31で回折し、仮想垂直面40で結像
する。ここで、本実施例では走査線分割ミラー23a〜
23cのすべてのミラーにホログラムを形成したが、一
部の走査線分割ミラー(例えば、23b)にホログラム
を形成しなくとも走査方向にビーム径が拡大せず、バー
コード読み取り精度に問題がない場合には、ホログラム
を形成しなくてもよい。
【0023】図4は本発明の他の実施例を示す図であ
る。図において、半導体レーザ発振器10はレーザビー
ムを発生させる発振器である。ポリゴンミラー22は正
多角形をなす回転反射鏡であって、各面に反射型ホログ
ラムが形成されており、一定の温度領域では半導体レー
ザ発振器10で発生したレーザビームを波長毎に分散さ
せる。走査線分割ミラー23a〜23cは、ポリゴンミ
ラー22によって波長分散されたレーザビームをホロウ
ィンド31に反射させる。また、走査線分割ミラー23
a〜23cのようにミラーが複数存在するのは、それぞ
れ異なるレーザ走査線を形成させるためである。ホロウ
ィンド31は波長依存性素子の一つであり、読み取り窓
面に帯状の透過型ホログラムが形成されている。また、
ホロウィンド31はホログラムの回折作用により、ポリ
ゴンミラー22で波長分散したレーザビームを集光さ
せ、その結果、例えば図1に示すレーザ走査線41を形
成する。なお、図で斜線が施されているものは、ホログ
ラムを形成した素子であることを示す。
【0024】図5は上記他の実施例の側面から透視した
模式図である。仮想垂直面40はレーザビームが走査す
る面であり、ホロウィンド31の面に対して鉛直な面で
ある。また、仮想垂直面40は一般的に商品等の物体面
である。そして、仮想垂直面40以外の符号であって、
図4と同一符号は同一の素子および装置である。なお、
図4と同様に斜線が施されているものは、ホログラムを
形成した素子であることを示す。
【0025】次に、本発明の他の実施例の動作について
説明する。半導体レーザ発振器10で発生したレーザビ
ームは、ポリゴンミラー22で回折してレーザビームp
0 となる。また、一定の温度領域では入射するときの波
長に応じてレーザビームq0,r0 等の複数の波長のレー
ザビームに分散する。ポリゴンミラー22によって回折
された複数の波長のレーザビームp0,q0,r0 等は、走
査線分割ミラー23aで反射し、それぞれレーザビーム
1,q1,r1 等となる。これらの複数の波長のレーザビ
ームは、ホロウィンド31でそれぞれホロウィンド31
の面に対する入射角と波長に応じた角度で出射するよう
に回折し、波長分散を打ち消すように、仮想垂直面40
で結像する。
【0026】すなわち、レーザビームp1 はホロウィン
ド31上の点pで入射し、ホロウィンド31の面に対す
る入射角と波長に応じた角度で出射してレーザビームp
2 になる。また、波長分散によって生じたレーザビーム
1 は走査線分割ミラー23aの位置から点pと比べて
遠方のホロウィンド31上の点qで入射し、レーザビー
ムp2 の出射角よりは小さな角度で出射してレーザビー
ムq2 になる。レーザビームr1 は走査線分割ミラー2
3aの位置から点pと比べて近方のホロウィンド31上
の点rで入射し、レーザビームp2 の出射角よりは大き
な角度で出射してレーザビームr2 になる。したがっ
て、走査線分割ミラー23aで波長分散したレーザビー
ムは、ホロウィンド31で集光し、仮想垂直面40で結
像する。したがって、ポリゴンミラー22で波長分散し
たレーザビームは、ホロウィンド31で集光し、仮想垂
直面40で結像する。なお、ポリゴンミラー22によっ
て回折されたp0,q0,r0 等の複数の波長のレーザビー
ムが走査線分割ミラー23b,23cで反射する場合に
ついても同様の動作をなす。
【0027】図6はバーコードリーダを示す斜視図であ
る。図において、半導体レーザ発振器10はレーザビー
ムを発生させる発振器である。反射ミラー12は半導体
レーザ発振器10で発生したレーザビームを反射させる
ミラーである。ポリゴンミラー22は正多角形をなす反
射鏡であり、半導体レーザ発振器10で発生したレーザ
ビームを走査線分割ミラー23a〜23cに反射させる
ために、モータ22mを使用して回転する。走査線分割
ミラー23a〜23cは、ポリゴンミラー22によって
波長分散されたレーザビームをホロウィンド31に反射
させる。また、走査線分割ミラー23a〜23cのよう
にミラーが複数存在するのは、それぞれ傾斜の異なるレ
ーザ走査線41a〜41eを互いに交叉して形成させる
ためである。ここで、ホロウィンド31は内部構造を分
かりやすく図示するために便宜的に描いたものであり、
本来は矢印で表すように破線により示す31aに位置す
る。
【0028】底面ミラー24は、走査線分割ミラー23
a〜23cによって下方向に反射されたレーザビームを
逆に上方向に反射させる。凹面ミラー25は内面に湾曲
反射面を有する貫通穴26を備えた反射鏡である。な
お、凹面ミラー25の後方には、図には示されない反射
ミラーが貫通穴26に対向して設けられている。ホログ
ラムレンズ32a〜32eは波長依存性素子の一つであ
り、ホロウィンド31上に3方向に交差して配置した帯
状の読み取り窓であるホログラム窓に形成されている。
また、ホログラムレンズ32a〜32eは透過型であ
り、ホログラムの回折作用により、走査線分割ミラー2
3a〜23cで波長分散したレーザビームの集光を行
い、レーザ走査線41a〜41eを形成する。
【0029】図6では、ホログラムレンズ32aで回折
したレーザビームがレーザ走査線41aになることを破
線により示している。同様に、ホログラムレンズ32b
〜32eで回折したレーザビームは、それぞれ順にレー
ザ走査線41b〜41eを形成する。これらのレーザ走
査線41a〜41eは図1の仮想垂直面40に対応して
想定される線分として描かれる。商品42の表面にはバ
ーコードが印刷されており、レーザ走査線41a〜41
eのいずれか一つによりこのバーコードが走査される。
バーコードを走査したレーザビームの反射光は、ホロウ
ィンド31および凹面ミラー25等を介して集光され、
光検知器27でこの反射光を解析することにより商品の
情報を取得する。
【0030】なお、半導体レーザ発振器10の発振波長
は規格によって可視光でなければならないため、700
nm以下の波長が使用される。また、ホログラムレンズ3
2a〜32eで生じる波長分散を予め打ち消すためにポ
リゴンミラー22にホログラムが形成される。すなわ
ち、ホログラムはホロウィンド31の面とは鉛直方向に
対して形成されるレーザ走査線41c,41eを形成す
るための光路に対応するポリゴンミラー22の一部の面
に形成する。
【0031】次に、本発明のバーコードリーダの実施例
の動作について説明する。まず、半導体レーザ発振器1
0で発生したレーザビームは反射ミラー12で偏向さ
れ、ポリゴンミラー22側から凹面ミラー25側に出射
される。この出射光は貫通穴26を貫通して図には示さ
れない反射ミラーにより反射され、再び貫通穴26を貫
通してポリゴンミラー22に出射される。
【0032】そして、ポリゴンミラー22の反射面の傾
きと回転により所定範囲に走査され、走査線分割ミラー
23a〜23cを走査するレーザ走査光となる。このレ
ーザ走査光は、走査線分割ミラー23a〜23cおよび
底面ミラー24を介してホロウィンド31へ出射され
る。このとき、一定の温度領域で出射されたレーザ走査
光には、複数の波長成分が含まれている。ポリゴンミラ
ー22に形成されたホログラムにより波長毎に分散す
る。ホロウィンド31上のホログラムレンズ32a〜3
2eに入射し、回折したレーザ走査光はそれぞれレーザ
走査線41a〜41eになる。ホロウィンド31に入射
したレーザ走査光はホログラムレンズ32a〜32eに
より回折され、波長分散を打ち消すように仮想垂直面4
0で結像される。したがって、商品42の表面を走査す
るレーザビームのビーム径は、バーコードを読み取るた
めに必要な実効ビーム径以内に抑えられる。なお、ホロ
グラムはポリゴンミラー22に形成したが、ホロウィン
ド31の面とは鉛直方向に対して形成されるレーザ走査
線41c,41eを形成するための光路に対応する走査
線分割ミラー23a〜23cのいずれか一つに形成して
も同様の動作をなす。
【0033】上記の説明では、波長依存性素子および回
折素子にはホロウィンドのようなホログラムを用いた
が、回折格子あるいはプリズムを用いてもよい。また、
ホログラムを走査線分割手段の一部に設ける場合、一枚
のミラーの全面に設けることなく、一枚のミラーの一
部、例えば一枚のミラーの縦半分あるいは横半分、に設
けてもよい。上記実施例では、走査線分割手段としての
走査線分割ミラーは3枚のミラーで構成したが、必要な
レーザ走査線の本数に応じて、任意の枚数のミラーで構
成してもよい。さらに、レーザ走査手段を構成する回転
反射鏡としてのポリゴンミラーにはその各反射面に反射
型ホログラムを形成することなく、ビーム径の拡大が起
こりやすいレーザ走査線の線分に応じて特定されるポリ
ゴンミラーの一部の面、例えば一面のミラーの縦半分あ
るいは横半分のみに反射型ホログラムを形成するもので
あってもよい。なお、本発明はPOSシステムにおける
バーコードリーダに適用して、その読み取り精度を高め
るものであるが、半導体レーザ発振器と波長依存性を有
する回折素子とを使用するレーザ光走査装置、例えばレ
ーザプリンタ等、に適用することによって、レーザ走査
線の実効ビーム径の拡大を効率よく抑制できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、半導体
レーザ発振器から回折素子に至るレーザビームの光路に
ホログラムを設け、多モード競合状態時に回折素子で生
じる異なる波長のレーザ光の波長分散を予めホログラム
によって打ち消すように構成したので、半導体レーザ発
振器がモードホッピング状態になる温度領域でもレーザ
走査線を形成する走査面で結像するときのビーム径の拡
大を抑制することができる。また、ビーム径の拡大を抑
制することができることから、バーコードの読み取り精
度が向上する。このため、発振波長を安定させるための
手段を設けずに半導体レーザ発振器を光源として利用す
ることができ、気体レーザを利用したレーザ光走査装置
よりも小型なレーザ光走査装置にすることができる。ま
た、レーザ光走査装置の製作にかかる工数を減らし、コ
ストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ光走査装置の原理図である。
【図2】本発明の実施例を示す図である。
【図3】本発明の実施例を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す図である。
【図6】バーコードリーダを示す斜視図である。
【図7】従来のバーコードリーダを示す図である。
【図8】半導体レーザの発振波長─温度特性を示す図で
あり、(a)は温度(T)に対する発振波長(λ)を表
すグラフを、(b)は発振波長がλ1 ,λ2 のときの発
振スペクトル特性を、(c)は発振波長がλ3のときの
発振スペクトル特性をそれぞれ示す。
【図9】シングルモード状態のレーザビームの走査を示
す図である。
【図10】多モード競合状態のレーザビームの走査を示
す図である。
【図11】従来のレーザビームの走査を示す図である。
【符号の説明】
10 半導体レーザ発振器 20 レーザ走査手段 21 回折素子 30 波長依存性素子 40 走査面 41 レーザ走査線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 稔幸 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 吉川 浩寧 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−11817(JP,A) 特開 平2−213818(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 読み取り窓から走査光を出射して物品を
    走査し、物品からの反射光を検出して物品に付されたコ
    ードを読み取る読取装置において、 光源としての半導体レーザ発振器と、 前記半導体レーザ発振器から出射されるレーザビームを
    走査するレーザ走査手段と、 前記レーザ走査手段により走査されたレーザビームを回
    折する波長依存性素子と、 前記半導体レーザ発振器から前記波長依存性素子に至る
    レーザビームの光路に設けられ、レーザビームを波長毎
    に分散する回折素子と、 を有し、 前記波長依存性素子で生じるモードホッピング状態の基
    本波、側波を含めた複数の波長分散を、レーザビーム毎
    に予め前記回折素子で打ち消して、物品の走査面でレー
    ザビームを集光させるようにしたことを特徴とする読取
    装置
  2. 【請求項2】 前記波長依存性素子は、読み取り窓面に
    形成されたホログラムであることを特徴とする請求項1
    記載の読取装置
  3. 【請求項3】 前記回折素子は、前記レーザ走査手段に
    より形成される前記レーザ走査線を複数に分割する走査
    線分割手段に設けられていることを特徴とする請求項1
    記載の読取装置
  4. 【請求項4】 前記走査線分割手段は、複数のミラーで
    構成されていることを特徴とする請求項3記載の読取装
  5. 【請求項5】 前記回折素子は、ホログラムであること
    を特徴とする請求項1記載の読取装置
  6. 【請求項6】 前記回折素子は、前記レーザ走査手段を
    構成する回転反射鏡に設けられていることを特徴とする
    請求項1記載の読取装置
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