JP3163688U - 複数の柱状発熱体を靴底又は中敷に埋設する履物 - Google Patents
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Abstract
【課題】足冷えを防止するために、履き心地を損なわずに足下全面をほぼ万遍なく一様に緩やかに長時間暖め、そのために使われる発熱物体の使用前後の挿入・取出しが容易にでき、簡単な加工技術しか要せず、利用範囲が極めて広い、発熱物体を内蔵した加温履物を提供する。【解決手段】靴本体1において、中敷2あるいは靴底面3に、縦溝4および横溝5を加工し、このいずれかに通気性筒に酸化発熱剤を充填した柱状発熱体9を埋設する構成による。【選択図】図1
Description
本考案は、各種履物に関し、その底部に複数の柱状発熱体を埋設し、もって足下を温めることができる履物に関する。
寒冷期、寒冷環境において、あるいは体質的に足冷えに悩む人は多い。この問題を緩和するために、従来は靴下などの二重履きや、厚手のものを履くなどの初歩的対応がなされてきた。しかし、このような消極的手法では若干の効果はあるものの、面倒であり、履き心地、見栄えなどに難点がある上、根本的解消は望み得ない。
これに対して、積極的に足下などを加温する考案がなされている。
1 靴本体底面部の下、ミッドソールとアウトソールの間に、足指付け根付近から土踏まずにかけて、薄い厚さの細長い長方形の空間を複数個設け、アウトソールの踵付近に切り欠き形成された開口部から薄い扁平形状のカイロを差し込んで収容し、この開口部には蓋を着脱可能に嵌入する構成のもの(特許文献1)、
2 靴底−蓄熱材−電気ヒーター−断熱材の多層構造で、加熱電力は外部から供給するもの(特許文献2)、
3 PTC特性を有する面状発熱体を靴底下に装着し、電源を靴の内又は外に装着したもの(特許文献3)、
4 室内履きに関し、足全体を包むような履物の底部、足指付け根付近に保温用品を挿入するもの(特許文献4)、
5 スキー靴に関し、靴指先付近上部にポケット1ヵ所を設け、カイロを挿入し、蓋をする構成のもの(特許文献5)、
6 スリッパ、靴などに関し、足指付け根付近から土踏まず手前までの範囲にカイロ収容部を設け、これに使い捨てカイロを収容するが、カイロ出し入れ用開閉手段を設けたもの(特許文献6)、
7 長靴などに関し、発熱材を通気性を有する成人足型に形成された袋に入れ、これを密封袋に入れた使い捨てカイロを提供するもの(特許文献7)、
8 靴の甲の部分を中敷の分だけ高くして、暖房材入りの中敷を入れたもの(特許文献8)、
9 靴の中に着脱できる保温材を装着し足指を加温するもの(特許文献9)、
10 つま先から足親指付近の間に窪み状のポケットを設け、そこにカイロを入れ、中敷を敷くもの(特許文献10)、
11 足の保温に蓄熱生地を長靴内表面に内張りした構造のもの(特許文献11)、
12 靴下の踵部分に挿入口を設けたポケットをつけ、足底全体を加温するカイロを挿入するもので、熱くなった時には取り出して、低温やけどの防止を計るるもの(特許文献12)、
13 加温中敷を提供するもので、中敷表面部分のうち、土踏まずに対応する表面と、足指部分に対応する表面に、発熱粉を入れた通気性袋をを貼着するもの(特許文献13)、
14 一面は通気性シート、他の一面は断熱性柔軟シートからなる使い捨て足暖めカイロにおいて、その柔軟シート側に粘着剤を塗布し、土踏まず又は足の甲から指先の素足、又は靴下の土踏まずに相当する部分、又は靴下の足の甲から指先に相当する部分に貼るもの(特許文献14)、
15 靴の中敷の発熱したい部分に穴を開けて発熱体を納め、この中敷の両面に金属網電極を貼付し、この一端に接続端子を接続し、両面に保護カバーを貼付したもの(特許文献16)、
16 靴底のつま先全体に気体タンク室を設け、靴を形作る胛皮と気体タンクの間に設置した電気ヒータにより加熱し、温度センサーにより温度調節を行うもの(特許文献17)、
などが考案されている。
これに対して、積極的に足下などを加温する考案がなされている。
1 靴本体底面部の下、ミッドソールとアウトソールの間に、足指付け根付近から土踏まずにかけて、薄い厚さの細長い長方形の空間を複数個設け、アウトソールの踵付近に切り欠き形成された開口部から薄い扁平形状のカイロを差し込んで収容し、この開口部には蓋を着脱可能に嵌入する構成のもの(特許文献1)、
2 靴底−蓄熱材−電気ヒーター−断熱材の多層構造で、加熱電力は外部から供給するもの(特許文献2)、
3 PTC特性を有する面状発熱体を靴底下に装着し、電源を靴の内又は外に装着したもの(特許文献3)、
4 室内履きに関し、足全体を包むような履物の底部、足指付け根付近に保温用品を挿入するもの(特許文献4)、
5 スキー靴に関し、靴指先付近上部にポケット1ヵ所を設け、カイロを挿入し、蓋をする構成のもの(特許文献5)、
6 スリッパ、靴などに関し、足指付け根付近から土踏まず手前までの範囲にカイロ収容部を設け、これに使い捨てカイロを収容するが、カイロ出し入れ用開閉手段を設けたもの(特許文献6)、
7 長靴などに関し、発熱材を通気性を有する成人足型に形成された袋に入れ、これを密封袋に入れた使い捨てカイロを提供するもの(特許文献7)、
8 靴の甲の部分を中敷の分だけ高くして、暖房材入りの中敷を入れたもの(特許文献8)、
9 靴の中に着脱できる保温材を装着し足指を加温するもの(特許文献9)、
10 つま先から足親指付近の間に窪み状のポケットを設け、そこにカイロを入れ、中敷を敷くもの(特許文献10)、
11 足の保温に蓄熱生地を長靴内表面に内張りした構造のもの(特許文献11)、
12 靴下の踵部分に挿入口を設けたポケットをつけ、足底全体を加温するカイロを挿入するもので、熱くなった時には取り出して、低温やけどの防止を計るるもの(特許文献12)、
13 加温中敷を提供するもので、中敷表面部分のうち、土踏まずに対応する表面と、足指部分に対応する表面に、発熱粉を入れた通気性袋をを貼着するもの(特許文献13)、
14 一面は通気性シート、他の一面は断熱性柔軟シートからなる使い捨て足暖めカイロにおいて、その柔軟シート側に粘着剤を塗布し、土踏まず又は足の甲から指先の素足、又は靴下の土踏まずに相当する部分、又は靴下の足の甲から指先に相当する部分に貼るもの(特許文献14)、
15 靴の中敷の発熱したい部分に穴を開けて発熱体を納め、この中敷の両面に金属網電極を貼付し、この一端に接続端子を接続し、両面に保護カバーを貼付したもの(特許文献16)、
16 靴底のつま先全体に気体タンク室を設け、靴を形作る胛皮と気体タンクの間に設置した電気ヒータにより加熱し、温度センサーにより温度調節を行うもの(特許文献17)、
などが考案されている。
しかしながら以上の技術に関して、加温に電気を利用する技術においては、その構成を完結するにおいて簡単でなく、時間的一様な暖かさの維持が困難であり、当該靴を相当時間使用する際には多数回の面倒な給電を必要とし、また、電池を携帯するなど日常品として利用するには利便性に欠ける。特にPTC特性を有する面状ヒータを利用する場合は、靴使用の経過において繰り返し荷重が掛かり、疲労などによる面状ヒータの損傷が予測される欠陥がある。(特許文献2、3、16)
これに対して、鉄粉を主成分とする酸化発熱粉体を中袋に納めるカイロを利用する技術に関して、足下全面を加温する技術においては、足形に合わせた使い捨てカイロを提供しているが、足に接する通気性シートが薄いことから、当該靴使用、つまり歩行の初期段階において、指部、土踏まず部、踵部など足裏での荷重の違いが発熱粉末の動きを促してカイロ厚みの偏り・不均一を生ぜしめ、これが酸化発熱の進行とともに発熱材が硬化することで足裏の履き心地を次第に低下させ、違和感を感じるようになることが予測される。更に、市販の衣類に張るカイロでは、最高温度63℃、平均温度53℃と記載されていることを根拠にすれば、この通気側の薄い発熱シートと足裏がほとんど直接的に接触することから、かなり厚手の靴下をはかない限り低温やけどの危険も予測され、これを避けようとして二重履きをすれば、履き心地も窮屈になる難点がある。なお、高温になった時はカイロを取り出し、冷えた時点での再挿入でよいとしているが、時と場所を選ばずに起こることであり、相当な頻度で起きうる可能性も含めて、面倒で煩わしく使い勝手は極めて悪い(特許文献7)。このことは、靴下の足底にカイロを挿入する技術についてもほぼ同様のことが言え、見栄えに劣り、外出向きにはそぐわないことも難点といえる。更に、ほとんどの文献について言えることだが、使い終えたカイロ袋を廃棄することになるのも昨今の趨勢にそぐわず、時代の要求に対する配慮が足りない(特許文献12)。
足下あるいは足の甲を局所的に加温する技術のうち、靴のミッドソールとアウトソール間に、足指の付け根付近から土踏まずにかけて、二つのソールに溝加工を施すことで薄い長方形板状の数個のスペースを設け、これにスティック状カイロを、靴の踵のすぐ前、地面に向けて開けられた長方形開口部から挿入し、この開口部に蓋を嵌入し、水封を完全に行うとする技術においては、一見して明らかなように、溝や開口部のすみの加工は非常に面倒な作業であり、また、開口部からのスティックの挿入は、スティックが柔らかくても硬くても、開口部近辺の形状から見て相当難儀することであり、なお且つ水封に関しては、一つには歩行の際にこの部分に最も曲げ荷重が掛かるところであり、しかも頻度が高いことから、通常の嵌入では蓋に緩みが生じ、進んでは蓋の脱落もあり得、水封はきわめて困難であり、二つには、もしこの負荷に耐え、水封が完全に行われるためにはよほど強固に嵌入・固定されねばならず、かくあれば、少なくとも日に一度は行われるカイロの交換の際の蓋の脱着は、女性や子供はいうに及ばず、男性においても容易ではなく、難渋することは必定である。更に、靴底部・ミッドソール・アウトソールの厚みが加わり、靴底の厚みが相当に厚くなる難点がある。また、実施例の他に、つま先や踵に開口部形成の可能性を主張しているが、開口部が備うべき完全な水封性などの要件を満たす構成の実現において、その可能性、具体性に欠ける。更に、加温部分が足指付け根付近から土踏まず手前までに限定されているため、足下が加温部分と非加温部分に分かれ、それによって足裏の前と後ろに大きな温度差が長時間生じ、その結果足裏に熱ストレスが発生し生理的にも良くない結果を招来する難点がある。また、第二実施例に関しては、第一実施例とほぼ同じことが指摘できるが、カイロ収容スペースの加工が非常に困難であると思われる点が特記できる(特許文献1)。
靴の中敷の足指付近と、土踏まず付近に別個のカイロを粘着して加温する技術に関しては、それぞれのカイロをポケットに入れず、直接靴底に粘着するため、靴を履いたときの違和感が避けられないこと、土踏まず用のカイロは履き心地に強く影響し、土踏まずの個人差もあって、その位置決めは微妙であり簡単ではないこと、局所発熱による温度不平衡で足裏に熱ストレスが生じること、相当厚手の靴下を履かないと低温やけどの危険があり、熱くなったときの対応が難しいこと、発熱が進行して発熱剤の硬化が進むと、足裏全体はもちろん、特に指付近の違和感が次第に強くなること、などの難点がある(特許文献14、18)。更には上記局所加温技術においても、使い終えたカイロ袋の始末に関して既述したように、再利用に関する配慮が欠けている。その他、主としてつま先付近を局所的に加温する技術において共通する難点は、足下が加熱部分と非加熱部分に別れ、それによって足裏の前と後ろに大きな温度差が生まれ、その結果足裏に熱ストレスが発生し生理的にも良くない結果を生じることである(特許文献6,9,10、13)。
そこで、本考案は、靴に発熱体を装着していても、いなくても、履き心地が通常の靴と同じようであり、加温が始まれば足下全体がほぼ一様に緩やかに暖められ、適度な温度に長時間維持され、この間、温度分布や発熱材の硬化などによる履き心地への影響は無く、また、その製作にあたっては簡単な加工技術しか要求せず、加温物体の靴への装着が容易に行え、しかも、発熱体の交換も簡単に行え、更には発熱粉体を収容する筒の再利用にも配慮した、靴の種類を選ばない暖房履物を提供することを課題とする。
これに対して、鉄粉を主成分とする酸化発熱粉体を中袋に納めるカイロを利用する技術に関して、足下全面を加温する技術においては、足形に合わせた使い捨てカイロを提供しているが、足に接する通気性シートが薄いことから、当該靴使用、つまり歩行の初期段階において、指部、土踏まず部、踵部など足裏での荷重の違いが発熱粉末の動きを促してカイロ厚みの偏り・不均一を生ぜしめ、これが酸化発熱の進行とともに発熱材が硬化することで足裏の履き心地を次第に低下させ、違和感を感じるようになることが予測される。更に、市販の衣類に張るカイロでは、最高温度63℃、平均温度53℃と記載されていることを根拠にすれば、この通気側の薄い発熱シートと足裏がほとんど直接的に接触することから、かなり厚手の靴下をはかない限り低温やけどの危険も予測され、これを避けようとして二重履きをすれば、履き心地も窮屈になる難点がある。なお、高温になった時はカイロを取り出し、冷えた時点での再挿入でよいとしているが、時と場所を選ばずに起こることであり、相当な頻度で起きうる可能性も含めて、面倒で煩わしく使い勝手は極めて悪い(特許文献7)。このことは、靴下の足底にカイロを挿入する技術についてもほぼ同様のことが言え、見栄えに劣り、外出向きにはそぐわないことも難点といえる。更に、ほとんどの文献について言えることだが、使い終えたカイロ袋を廃棄することになるのも昨今の趨勢にそぐわず、時代の要求に対する配慮が足りない(特許文献12)。
足下あるいは足の甲を局所的に加温する技術のうち、靴のミッドソールとアウトソール間に、足指の付け根付近から土踏まずにかけて、二つのソールに溝加工を施すことで薄い長方形板状の数個のスペースを設け、これにスティック状カイロを、靴の踵のすぐ前、地面に向けて開けられた長方形開口部から挿入し、この開口部に蓋を嵌入し、水封を完全に行うとする技術においては、一見して明らかなように、溝や開口部のすみの加工は非常に面倒な作業であり、また、開口部からのスティックの挿入は、スティックが柔らかくても硬くても、開口部近辺の形状から見て相当難儀することであり、なお且つ水封に関しては、一つには歩行の際にこの部分に最も曲げ荷重が掛かるところであり、しかも頻度が高いことから、通常の嵌入では蓋に緩みが生じ、進んでは蓋の脱落もあり得、水封はきわめて困難であり、二つには、もしこの負荷に耐え、水封が完全に行われるためにはよほど強固に嵌入・固定されねばならず、かくあれば、少なくとも日に一度は行われるカイロの交換の際の蓋の脱着は、女性や子供はいうに及ばず、男性においても容易ではなく、難渋することは必定である。更に、靴底部・ミッドソール・アウトソールの厚みが加わり、靴底の厚みが相当に厚くなる難点がある。また、実施例の他に、つま先や踵に開口部形成の可能性を主張しているが、開口部が備うべき完全な水封性などの要件を満たす構成の実現において、その可能性、具体性に欠ける。更に、加温部分が足指付け根付近から土踏まず手前までに限定されているため、足下が加温部分と非加温部分に分かれ、それによって足裏の前と後ろに大きな温度差が長時間生じ、その結果足裏に熱ストレスが発生し生理的にも良くない結果を招来する難点がある。また、第二実施例に関しては、第一実施例とほぼ同じことが指摘できるが、カイロ収容スペースの加工が非常に困難であると思われる点が特記できる(特許文献1)。
靴の中敷の足指付近と、土踏まず付近に別個のカイロを粘着して加温する技術に関しては、それぞれのカイロをポケットに入れず、直接靴底に粘着するため、靴を履いたときの違和感が避けられないこと、土踏まず用のカイロは履き心地に強く影響し、土踏まずの個人差もあって、その位置決めは微妙であり簡単ではないこと、局所発熱による温度不平衡で足裏に熱ストレスが生じること、相当厚手の靴下を履かないと低温やけどの危険があり、熱くなったときの対応が難しいこと、発熱が進行して発熱剤の硬化が進むと、足裏全体はもちろん、特に指付近の違和感が次第に強くなること、などの難点がある(特許文献14、18)。更には上記局所加温技術においても、使い終えたカイロ袋の始末に関して既述したように、再利用に関する配慮が欠けている。その他、主としてつま先付近を局所的に加温する技術において共通する難点は、足下が加熱部分と非加熱部分に別れ、それによって足裏の前と後ろに大きな温度差が生まれ、その結果足裏に熱ストレスが発生し生理的にも良くない結果を生じることである(特許文献6,9,10、13)。
そこで、本考案は、靴に発熱体を装着していても、いなくても、履き心地が通常の靴と同じようであり、加温が始まれば足下全体がほぼ一様に緩やかに暖められ、適度な温度に長時間維持され、この間、温度分布や発熱材の硬化などによる履き心地への影響は無く、また、その製作にあたっては簡単な加工技術しか要求せず、加温物体の靴への装着が容易に行え、しかも、発熱体の交換も簡単に行え、更には発熱粉体を収容する筒の再利用にも配慮した、靴の種類を選ばない暖房履物を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するために、第一考案は、靴の中敷の片面に、幅および深さがおよそ数mm程度の複数の縦溝および横溝を設け、中敷の溝開口面周縁部には、およそ2mm程度の面取りを施し、縦溝又は横溝の底には、多数箇所の通気用の小孔を設けたことを特徴とする加温履物である。第二考案は、複数の縦溝又は横溝に通気性を有する筒に酸化発熱剤を封じ込めた複数の柱状発熱体を埋設することを特徴とした加温履物である。第三考案は、上記柱状発熱体の交換が、標準寸法で製作した柱状発熱体のスペアーセットを別途用意することによって、靴の寸法に関係なく簡単に行え、しかも使用後の通気性筒の再利用もできることを特徴とした加温履物である。
第一考案、第二考案および第三考案によれば、従来技術が有するあらゆる難点・欠陥を克服することができ、酸化によって発熱する複数の柱状発熱体を、中敷片面に加工した複数本の縦溝あるいは横溝に埋設することによって、足下全面がほぼ一様に長時間緩やかに適度な温度に温められる。この結果、低温やけどの心配もなく、足下が熱くなるための発熱体の出し入れの必要もなく、寒冷時でも薄い靴下で過ごすができ、柱状発熱体の交換も容易であり、使用後の柱状発熱体の通気性筒の再利用ができ、更には、柱状発熱体を使わないときでも、そのまま中敷を履いていても履き心地にほとんど変化はなく、特に夏季などにおいては、中敷の溝とその周縁部の面取り、および多数個の通気孔があることによる空気の動きによって、蒸れが生じ難くなる効果がある。
本考案にかかわる柱状発熱体を埋設した履物の第一実施形態が、短靴の場合について、図1〜図5に示されている。
靴本体1の底部には、中敷2が図2に示される縦溝4および横溝5の開口面を、靴底面3に向けて敷かれている。中敷2には図2に示すように、縦溝4および横溝5が複数本加工されており、縦溝4の間隔は、およそ10mm程度、横溝5のそれは縦溝間隔のおよそ2倍程度である。なお、この中敷には断面A−Aに示すように、酸化に要する空気の補充、流通を考慮して面取りcが加工されている。また、柱状発熱体への若干の空気補充、特に中敷に柱状発熱体を埋設しないで履く場合、特に夏場などの蒸れを緩和するための小孔6が加工されている。なお、中敷が通気性に優れた素材であれば、この小孔は必要としない。
縦溝に埋設されている柱状発熱体の状態が図3に示されている。溝は通常a=bであるが、a>bでもよく、aあるいはbの寸法はおよそ数mm程度である。ここで、柱状発熱体9を埋設した中敷が靴底面に敷かれたとき、柱状発熱体が幾分押しつぶされるように、柱状発熱体の直径を溝幅・深さ寸法より0.5mm程度大きめにする。これは、一つには靴を履いたときの足裏の微細な凹凸感を緩和し、二つには、柱状発熱体を中敷にセットして、靴に挿入するとき、柱状発熱体が脱落しないためである。
柱状発熱体9の構成を図4に示す。不織布や多数のごく小さい孔を開けたプラスティックフィルムなど、適度な通気性を有するシートからなる筒7と、これに鉄粉を主体とし、塩類、水分、木炭などを成分とした、通常使い捨てカイロに使われるような粉体8を充填したもので、一端を密封、他端に柔軟な素材でできた栓10をつけた構成のものである。栓10は、発熱を終えた加温材の取り出し口で、筒7の再利用を可能にするものであり、筒7との嵌めあいはそれほど強くなくとまり嵌め程度である。なお、この柱状発熱体の長さに関して、その直径が比較的小さいため、普通の足裏長さほどのものでは発熱材の充填に困難が予想されるが、例えば、縦溝の長さが26cmであれば、標準寸法10cm程度のもの2本と、標準寸法5cm程度のものを1本の縦溝に埋設することになる。なお、溝長さが多様であることへの対応は、数種類の標準寸法の柱状発熱体を用意することによって行う。この場合、埋設した柱状発熱体間に若干の隙間ができても問題は無い。
スペアーセット11を図5に示す。数種類の長さの標準寸法を設定した、1足分に相当する柱状発熱体9の組み合わせを、薄い透明シート12に整然と真空パックしたものである。この提供によって日常的に行われる発熱体の交換を簡単かつ短時間に行うことができる。
本実施形態の具体的手順を説明する。まず、それぞれの溝長さになるように標準寸法を組み合わせてある柱状発熱体をスペアーセットから取り出し、順に中敷の縦溝に押し込み加減に設置する。次いで、この中敷を、溝開放面を靴底面にむけて挿入する。この作業はいかなる種類の靴でも簡単に行える。
靴本体1の底部には、中敷2が図2に示される縦溝4および横溝5の開口面を、靴底面3に向けて敷かれている。中敷2には図2に示すように、縦溝4および横溝5が複数本加工されており、縦溝4の間隔は、およそ10mm程度、横溝5のそれは縦溝間隔のおよそ2倍程度である。なお、この中敷には断面A−Aに示すように、酸化に要する空気の補充、流通を考慮して面取りcが加工されている。また、柱状発熱体への若干の空気補充、特に中敷に柱状発熱体を埋設しないで履く場合、特に夏場などの蒸れを緩和するための小孔6が加工されている。なお、中敷が通気性に優れた素材であれば、この小孔は必要としない。
縦溝に埋設されている柱状発熱体の状態が図3に示されている。溝は通常a=bであるが、a>bでもよく、aあるいはbの寸法はおよそ数mm程度である。ここで、柱状発熱体9を埋設した中敷が靴底面に敷かれたとき、柱状発熱体が幾分押しつぶされるように、柱状発熱体の直径を溝幅・深さ寸法より0.5mm程度大きめにする。これは、一つには靴を履いたときの足裏の微細な凹凸感を緩和し、二つには、柱状発熱体を中敷にセットして、靴に挿入するとき、柱状発熱体が脱落しないためである。
柱状発熱体9の構成を図4に示す。不織布や多数のごく小さい孔を開けたプラスティックフィルムなど、適度な通気性を有するシートからなる筒7と、これに鉄粉を主体とし、塩類、水分、木炭などを成分とした、通常使い捨てカイロに使われるような粉体8を充填したもので、一端を密封、他端に柔軟な素材でできた栓10をつけた構成のものである。栓10は、発熱を終えた加温材の取り出し口で、筒7の再利用を可能にするものであり、筒7との嵌めあいはそれほど強くなくとまり嵌め程度である。なお、この柱状発熱体の長さに関して、その直径が比較的小さいため、普通の足裏長さほどのものでは発熱材の充填に困難が予想されるが、例えば、縦溝の長さが26cmであれば、標準寸法10cm程度のもの2本と、標準寸法5cm程度のものを1本の縦溝に埋設することになる。なお、溝長さが多様であることへの対応は、数種類の標準寸法の柱状発熱体を用意することによって行う。この場合、埋設した柱状発熱体間に若干の隙間ができても問題は無い。
スペアーセット11を図5に示す。数種類の長さの標準寸法を設定した、1足分に相当する柱状発熱体9の組み合わせを、薄い透明シート12に整然と真空パックしたものである。この提供によって日常的に行われる発熱体の交換を簡単かつ短時間に行うことができる。
本実施形態の具体的手順を説明する。まず、それぞれの溝長さになるように標準寸法を組み合わせてある柱状発熱体をスペアーセットから取り出し、順に中敷の縦溝に押し込み加減に設置する。次いで、この中敷を、溝開放面を靴底面にむけて挿入する。この作業はいかなる種類の靴でも簡単に行える。
上述の実施形態では、柱状発熱体は中敷に加工された縦溝に埋設されたが、横溝に埋設することも可能であり、第一実施例と同じ効果が得られる。
上述の実施形態では中敷に溝を加工したが、靴製作の過程で、靴底に縦溝および横溝を加工することも可能であり、この場合にも、柱状発熱体を縦溝に埋設する場合と、横溝に埋設する場合が可能であリ、1mm程度の中敷を敷けば、履き心地や加温性能にかんして、第一実施例と同じ効果が得られる。
この実施形態によれば、この考案は季節・環境を選ばず左右一対の中敷を使うだけで目的が達成されるものである。すなわち、寒冷環境下で足下の加温を必要とする場合は、中敷に加工された溝に複数の柱状発熱体を埋設し、これを靴底に敷くという簡単な作業を行えば、中敷に埋設した柱状発熱体の発熱により、足下全体がほぼ一様に適度な温度に温められ、寒冷環境下における足冷えが長時間に亘って解消されるという優れた効果を得ることができ、しかも、使用後の発熱体の交換も容易である。一方、温暖環境下で発熱体を必要としないときは、溝に発熱体を埋設せずにそのまま中敷を利用でき、履き心地を損なうこともなく、足蒸れの解消にもつながるものである。結果として、本考案の利用の範囲は、短靴の他、長靴、ブーツ、登山靴、屋内外作業靴、スポーツシューズ、室内履きなどあらゆる種類の履物に広がるものである。
1靴本体 2中敷 3靴底面 4縦溝 5横溝 6通気用小孔 7通気性筒8酸化発熱剤 9柱状発熱体 10栓 11スペアーセット
Claims (2)
- 靴底に中敷を敷いて使用する加温履物において、当該靴底と当該中敷の合わせ面における一方の部材に形成した複数の縦あるいは横溝のいずれかに柱状発熱体を埋設したことを特徴とする加温履物
- 前記柱状発熱体は、鉄粉を主体とし、塩類などを成分とした酸化発熱剤を、不織布、あるいはごく小さな穴を開けたフィルムなど、通気性を有するシートでできた筒に充填したもので、その一端を密封し、他端に栓を配したもので、使用後の交換に際しては、所要の柱状発熱体がスペアーセットとしてパックされており、これらが中敷あるいは靴底の溝に埋設されていることを特徴とする請求項1記載の加温履物
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