JP3163578B2 - 支柱の固定方法 - Google Patents

支柱の固定方法

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JP3163578B2 JP21623697A JP21623697A JP3163578B2 JP 3163578 B2 JP3163578 B2 JP 3163578B2 JP 21623697 A JP21623697 A JP 21623697A JP 21623697 A JP21623697 A JP 21623697A JP 3163578 B2 JP3163578 B2 JP 3163578B2
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伸一 岡田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば転落防止
柵,境界フェンス,テニスコート周囲の防球フェンス,
駐車場の車止め,看板,標識等の支柱を地盤に固定する
ための、支柱の固定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】前記のような支柱を地面に固定するに際
し、軸方向の一端側が尖った杭をその尖端部から地盤に
圧入したのち引き抜いて支柱固定穴を形成する方法は、
本出願人による特願平4−182768号に既に提案さ
れている。
【0003】しかし、前記従来方法では、直径110mm
内外の比較的細い杭を用いて支柱固定穴を形成する場合
は問題はなかったが、例えば直径160mmといった比較
的太い杭を用いて内径の大きい支柱固定穴を形成しよう
とすると、地盤の固さや地質等によっては以下のような
問題の生じることがあった。すなわち、太い杭は地盤へ
の圧入が困難なうえ、圧入された杭を地盤から引き抜く
のが更に困難で、それに手間取って作業効率が悪くなる
場合があった。また、杭を圧入したり引き抜いたりする
際に杭の周囲の土が地面上に盛り上がり、施工後の外観
が損なわれる等の問題が生じた。さらに、太い杭を用い
た場合は形成された支柱固定穴の内周壁がやや荒れたよ
うな状態となって、充分な強度が得られないこともあっ
た。
【0004】ところで、支柱を立設する際には、基礎強
度を向上させるために鋼管やコンクリート製の基礎ブロ
ックといった筒状基礎材を支柱固定穴に埋設し、この筒
状基礎材に支柱を固定する場合もあるが、このような場
合は支柱を直接支柱固定穴に固定する場合よりも内径の
大きい支柱固定穴を形成する必要があるので、前記従来
方法では対応できないことが多かった。
【0005】そこで従来、筒状基礎材として鋼管を用い
る場合は主として、図13(a)のように大ハンマ40
で鋼管23の上端面を叩打して地盤に鋼管23を打ち込
み、次いで鋼管23内の土を一定量だけ取り出し(図1
3(b)参照)、その部分に支柱26の下端部を挿入し
て鋼管23の内周面と支柱26との間にモルタル27を
充填していた(図13(c)参照)。しかし、この方法
では、鋼管23を傾いた状態に打ち込んでしまったり、
深く打ち込み過ぎたりすることがないように細心の注意
を払いながら作業しなければならないので、施工性が悪
かった。
【0006】他方、筒状基礎材として基礎ブロックを用
いる場合、従来は基礎ブロックの埋設に適した大きさの
穴をスコップ又はパワーショベル等で堀り、この穴の中
へ基礎ブロックを直立状に入れてから基礎ブロックの周
囲を土で埋め戻し、この埋め戻した部分の土を突き固め
て基礎ブロックが動かないようにしたのち、基礎ブロッ
クの内孔に支柱の下端部を挿入してモルタルを充填して
いた。しかし、この方法では、基礎ブロック埋設用の穴
を掘る作業に労力がかかるうえ、埋め戻しの際に基礎ブ
ロックの体積分の土が残り、この残土の処理に手間と費
用がかかるという問題があった。また、埋め戻した部分
の地盤が軟弱にならざるを得ないので、基礎ブロックが
沈降したり、固定した支柱からの転倒モーメントによっ
て傾斜または転倒する虞もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
従来技術の問題点を解消するためになされたものであっ
て、その目的とするところは、筒状基礎材を介して支柱
を地盤に固定する場合において、施工性を良好にできる
とともに、周囲の土の盛り上がりや残土の発生を防止で
き、しかも、支柱が沈降、傾斜、又は転倒することがな
いようにしっかりと固定することが可能な支柱の固定方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る支柱の固定方法は、軸方向の一端側が
尖った杭をその尖端部から地盤に圧入したのち引き抜い
て案内穴を形成し、次いでこの案内穴に少なくとも一部
分の直径が前記杭の直径よりも大きい別の杭を圧入した
のち引き抜いて地盤に支柱固定穴を形成し、この支柱固
定穴の底部に骨材を投入して底基礎を形成したのち、支
柱固定穴に筒状基礎材を挿入して、底基礎に筒状基礎材
の下端面を支持せしめるとともに、支柱固定穴の内周面
と筒状基礎材との間に砂,から練りモルタル等の充填材
を充填して筒状基礎材を支柱固定穴に固定し、さらに、
この固定された筒状基礎材の内部に骨材を所定高さまで
投入して筒内基礎を形成したのち、筒状基礎材内に支柱
の下端部を挿入して、筒内基礎に支柱の下端面を支持せ
しめるとともに、筒状基礎材の内周面と支柱の下端部と
の間にモルタルを充填することを特徴とするものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1〜図5は、本発明方法の実施に
使用する支柱固定穴形成装置を示しており、図中に全体
を符号1で示される支柱固定穴形成装置は本出願人によ
る特願平4−182768号に提案されたものと同様、
互いに平行する一対のガイド杆2,2を有している。ガ
イド杆2,2は、その上端に連設された吊り下げ部材3
を介してクレーンのブーム4の先端に吊り下げられ、上
下方向に配されるようになっている。
【0010】ガイド杆2,2間には空気ハンマ5が設け
られている。図2に示すように、空気ハンマ5は、その
左右に設けられた円筒状の摺動部5a,5aがガイド杆
2,2にそれぞれ摺動自在に外嵌され、ガイド杆2,2
に案内されながら上下に移動できるようになっている。
また、空気ハンマ5には、コンプレッサ6で圧縮された
高圧空気を供給するホース7が接続されている。空気ハ
ンマ5の上面にはフック5bが設けられており、クレー
ンのブーム4の先端に上下動自在に吊り下げられたフッ
ク4aと前記フック5bとがワイヤロープを環状に形成
してなる連結具8を介して係脱自在に連結されている。
【0011】図1に示すように、空気ハンマ5の下方に
は円柱状の杭9が、その円錐状の尖端部9aを下に向け
た状態で設けられている。すなわち、杭9の上端近傍に
杭9を直径方向に貫通する横孔9bが形成されていて、
両端に環状部が形成されたワイヤロープからなる連結具
10をガイド杆2,2間に挿通し、この連結具10両端
の環状部を横孔9bに挿通したピン11の両端部にそれ
ぞれ係止することにより、杭9が空気ハンマ5に係脱自
在に吊り下げられている。
【0012】また、図2に示すように空気ハンマ5の下
端には杭9の上端部を下方から挿入可能な円筒体5bが
取り付けられるとともに、図1に示すようにガイド杆
2,2の下端には杭9を摺動自在にガイドするガイド枠
12が取り付けられている。図3に示すように、ガイド
枠12には側方に開口するU字状の切欠部12aが形成
されるとともに、この切欠部12aの開口を塞ぐ閉止具
12bがボルト12c,12cで着脱自在に取り付けら
れていて、閉止具12bを取り付けた状態でガイド枠1
2の中央に杭9を挿通可能な円形の杭挿通孔12dが形
成されるようになっている。また、閉止具12bを取り
外せば、杭9をガイド枠12の側方から杭挿通孔12d
に出し入れできるようになっている。
【0013】次いで、前記支柱固定穴形成装置1の使用
方法について説明する。先ず、フック5b及び連結具8
を用いて空気ハンマ5とクレーンのフック4aとを連結
するとともに、連結具10及びピン11を用いて空気ハ
ンマ5と杭9とを連結したのち、フック4aを巻き上げ
て、空気ハンマ5及び杭9をある程度の高さまで上昇さ
せておく(図1の状態)。そして、この状態でクレーン
を操作して支柱固定穴形成装置1を所望の場所まで移動
させたのち、クレーンのブーム4を杭9の尖端部9aが
地面に接するまで降下させる。
【0014】杭9の尖端部9aが地面に接すると、次い
でクレーンのフック4aを降下させて、杭9の上端部が
円筒体5cに挿入され、空気ハンマ5の下端面が杭9の
上端面と接するようにしたのち、連結具8,連結具1
0,及びピン11を取り外す。(必要に応じ、ここで杭
9に水準器を当てながらブーム4を水平方向に僅かに動
かして、杭9が地面に対して略垂直になるように調整す
る。)そして、この状態で、コンプレッサ9からの高圧
空気で空気ハンマ5を作動させると、空気ハンマ5内部
のピストン(不図示)が上下運動を反復連続的に行な
い、空気ハンマ5の下端面が杭9の上端面を叩打するの
で、杭9は尖端部9aの側から地盤に略垂直に圧入され
ながら、空気ハンマ5とともに降下してゆく(図4参
照)。
【0015】杭9が所定の深さまで圧入されると空気ハ
ンマ5を停止させ、クレーンのフック4aを空気ハンマ
5の近傍まで降下させたのち、連結具8,連結具10,
及びピン11を再び前記と同様に取り付け、フック4a
を巻き上げる(図5参照)。これにより、空気ハンマ5
と杭9とがフック4aに引っ張られて上昇し、杭9は地
盤から引き抜かれて、そのあとに穴が形成される。
【0016】次いで、以上のような支柱固定穴形成装置
1を用いて行われる本発明方法の一実施形態を図6及び
図7に基づいて説明する。なお、以降の各実施形態に係
る各図においては、支柱固定穴形成装置1の図示を省略
する。先ず、前記支柱固定穴形成装置1を用い、比較的
細い(例えば直径115mm程度の)杭9をその尖端部9
aを下にして地面GLから地盤に圧入してゆく(図6
(a)参照)。そして、所定の深さまで圧入されると、
空気ハンマ5を停止させて杭9を上方へ引き抜く。これ
により、杭9の直径と等しい内径を有する案内穴20が
地盤に形成される(図6(b)参照)。
【0017】次いで、支柱固定穴形成装置1に前記杭9
に代えて杭9よりも太い(例えば直径165mm程度の)
杭19をセットし、杭19の尖端部19aを案内穴20
の上端開口に係合させた状態から空気ハンマ5を作動さ
せて杭19を案内穴20に圧入してゆく(図6(c)参
照)。そして、杭19が案内穴20に案内されながら降
下し、尖端部19aが案内穴20の下端に達すると、空
気ハンマ5を停止させて杭19を上方へ引き抜く。これ
により、案内穴20の内径が拡げられ、杭19の直径と
等しい内径を有する支柱固定穴21が形成される(図6
(d)参照)。
【0018】以上のようにして形成された支柱固定穴2
1には、例えば以下のようにして支柱を立設・固定す
る。すなわち、支柱固定穴21に砕石又はクラッシャ
(砕石と砂とが混じったもの)等の骨材22を投入して
支柱固定穴21底部に底基礎を形成し(図6(e)参
照)、この支柱固定穴21に鋼管23を挿入して、その
下端面を底基礎上に支持させる(図7(f)参照)。次
いで、支柱固定穴21の上端開口から支柱固定穴21の
内周面と鋼管23との間に砂又はから練りモルタル(砂
とセメントとを水を加えずに混ぜ合わせたもの)等の充
填材24を投入・充填して、鋼管23を支柱固定穴21
に固定する(図7(g)参照)。そして、固定された鋼
管23の内部に砕石,クラッシャ等の骨材22を所定高
さまで投入して筒内基礎を形成し(図7(h)参照)、
この鋼管23内に支柱26の下端部を挿入してその下端
面を筒内基礎上に支持させ(図7(i)参照)、さらに
鋼管23の内周面と支柱26の下端部との間に水を加え
て練った通常のモルタル27を充填する(図7(j)参
照)。これにより、支柱固定穴21に鋼管23を介して
支柱26が固定されたことになる。
【0019】この実施形態にあっては、先ず杭9で比較
的内径の小さい案内穴20を形成してから、杭19で案
内穴20を拡径して支柱固定穴21を形成するようにし
ているので、杭9及び19の圧入及び引き抜きが無理な
くスムーズに行なえ、太い杭を用いた1回の圧入・引き
抜きで同径の支柱固定穴を形成する場合よりも作業効率
はむしろ向上する。
【0020】また、太い杭をいきなり地盤に圧入すると
杭の進行経路上にある土が急激に半径方向外側へ押し拡
げられるので、逃げ場を無くした土が杭の周囲の地面に
盛り上がったり、支柱固定穴の内周壁が荒れたりする
が、この実施形態では土が段階的に無理なく押し拡げら
れるので、比較的内径の大きい支柱固定穴21を形成し
ているにもかかわらず、杭の周囲の地面が盛り上がるこ
とはなく、しかも、支柱固定穴21の内周壁は土がより
一層高密度に締め固められて、極めて滑らかで強度の高
い状態となる。したがって、基礎強度が高くなり、支柱
26からの転倒モーメントによって鋼管23が傾斜また
は転倒することはない。また、土が盛り上がったり残土
が出たりすることがないので、施工後の外観が損なわれ
ることがなく、残土処理のための手間や費用がかかるこ
ともない。
【0021】また、杭9が圧入の際に傾き、その結果支
柱固定穴21が斜めに形成された場合でも、その傾斜が
ある程度の範囲内であれば、鋼管23を地面に垂直に保
持しつつ充填材24を充填することで、鋼管23は直立
状態に固定できる。また、形成した支柱固定穴21が深
過ぎたり浅過ぎたりした場合には、投入する骨材22の
量を加減して底基礎上端の高さを調整することにより、
鋼管23を所定の高さに固定できる。したがって、鋼管
23を直打ちする従来工法のように細心の注意を払って
作業する必要がないので施工性が良好である。
【0022】さらに、鋼管23の内周面及び外周面は主
として透水性の良好な骨材22と充填材24とに接触し
ているので、鋼管23が主として土と接触している従来
の直打ち工法よりも鋼管23が錆びにくく、基礎強度が
長期間にわたって保持されるという利点も生じる。な
お、充填材24にから練りモルタルを用いた場合には、
施工後の雨水等の浸透によりから練りモルタルが固化す
るので、充填材に砂のみを用いた場合に比べて基礎強度
が一層向上する。
【0023】次いで、前記支柱固定穴形成装置1で支柱
固定穴を形成し、この支柱固定穴に車止め等に用いられ
る昇降自在支柱を固定する方法について説明する。先
ず、図8(a)のように駐車場等のアスファルト舗装3
0を部分的に除去して適宜な大きさの穴31を形成す
る。そして、支柱固定穴形成装置1を用い、穴31内に
前記と同様に先ず細い杭9で案内穴を形成し(図8
(b)参照)、次いでこの案内穴20を太い杭19で拡
径して(図8(c)参照)、支柱固定穴21を形成する
(図8(d)参照)。
【0024】この支柱固定穴21に、次のようにして昇
降自在支柱を固定する。すなわち、支柱固定穴21に砕
石,クラッシャ等の骨材22を投入して底基礎を形成し
(図9(e)参照)、この支柱固定穴21に昇降自在支
柱32を挿入してその下端面を底基礎上に支持させる
(図9(f)参照)。次いで、支柱固定穴21の内周面
と昇降自在支柱32との間に充填材24(ここでは砂)
を投入・充填して、昇降自在支柱32を支柱固定穴21
に固定する(図9(g)参照)。そして、穴31の部分
をアスファルト舗装33で埋める(図9(h)参照)。
なお、この昇降自在支柱32は、その内部に上下摺動自
在に収容されている昇降部32aを図9(h)のように
上昇させるとともに、この昇降部32aに鎖等を張設し
て車両等の進入路を閉鎖するものである。
【0025】このような昇降自在支柱は比較的直径が大
きいので、従来は埋設用の穴をスコップ又はパワーショ
ベル等で堀り、この穴の中へ昇降自在支柱を直立状に入
れてからその周囲を土で埋め戻していたが、この方法で
は周囲の舗装面が土で汚れる欠点が生じるとともに、埋
め戻した部分の軟弱な地盤上を車両が通過すると昇降自
在支柱が沈降したり傾いたりする場合が多かった。これ
に対し、本実施形態では残土が一切出ないので舗装面が
汚れることもなく、かつ、支柱固定穴21周囲の地盤は
元来の地盤よりも締め固められているので、車両が通過
しても昇降自在支柱32が沈降したり傾いたりすること
はない。
【0026】次いで、本発明方法のさらに別の実施形態
を図10〜図12に基づいて説明する。図10は一般的
な基礎ブロック35を示している。この基礎ブロック3
5はコンクリート製で、その上端面と下端面とに開口す
る内孔36を有する四角筒状に形成されている。このよ
うな基礎ブロック35を介して支柱を固定する本実施形
態では、前記支柱固定穴形成装置1を用い直径115mm
程度の比較的細い杭9を地面から圧入して地盤に案内穴
20を形成するまでは前記実施形態と同様である(図1
1(a)〜(b)参照)。
【0027】案内穴20を形成すると、次いで支柱固定
穴形成装置1の前記杭9を杭29に交換する。杭29は
図11(c)に示すように、尖端部29aに続く前記杭
9とほぼ等直径の小径部29cと、この小径部29cに
円錐台形部29dを介して続く直径200mm程度の大径
部29eと、この大径部29eに続く挿通部29fとか
ら形成されている。挿通部29fは支柱固定穴形成装置
1の杭挿通孔12dに挿通可能な直径で、かつ、この杭
29の圧入ストロークに若干の余裕を加えた長さに形成
され、その上端近傍にピン11を挿通するための横孔2
9bが形成されている。
【0028】このような杭29を支柱固定穴形成装置1
にセットし、その小径部29cを案内穴20に嵌入した
状態から空気ハンマ5を作動させて、杭29の大径部2
9eを案内穴20に圧入してゆく(図11(c)参
照)。そして、尖端部29aが案内穴20の下端まで達
すると、空気ハンマ5を停止させて杭29を上方へ引き
抜く。これにより、下部が案内穴20とほぼ等しい内径
で、上部が杭29の大径部29eの直径と等しい内径を
有する支柱固定穴37が形成される(図11(d)参
照)。
【0029】次いで、この支柱固定穴37に砕石,クラ
ッシャ等の骨材22を投入して上端が支柱固定穴37の
大径部に達する底基礎を形成し(図12(e)参照)、
この支柱固定穴37に前記基礎ブロック35を挿入し
て、その下端面を前記底基礎上に支持させる(図12
(f)参照)。そして、支柱固定穴37の上端開口から
支柱固定穴37の内周面と基礎ブロック35との間に砂
又はから練りモルタル等の充填材24を投入・充填し
て、基礎ブロック35を支柱固定穴37に固定する(図
12(g)参照)。その後、この固定された基礎ブロッ
ク35の内孔36に支柱(不図示)の下端部を挿入し、
内孔36と支柱との間にモルタル(不図示)を充填して
支柱を固定する。
【0030】このように基礎ブロック35を介して支柱
を固定する場合、支柱固定穴は深さは特に深くなくても
よいが、内径は充分に大きいものとする必要がある。と
ころが、案内穴の内径に対して直径が大幅に大きく、か
つ、その全長にわたって一定の直径に形成された杭を用
いると、圧入時の抵抗で杭が斜めに傾いたり、杭の軸心
位置が半径方向にずれたりする虞が生じる。かと言っ
て、案内穴の内径を大きくすると、今度は案内穴形成用
の杭の圧入及び引き抜きに支障を来す。
【0031】これに対し、この実施形態では、杭29の
小径部29cを案内穴20に嵌合させて、杭29を直立
状態でかつ杭29の軸心が案内穴の中心線とほぼ一致し
た状態に保持しながら大径部29eを圧入してゆくの
で、案内穴20の内径と大径部29eの直径とに2倍近
い開きがあるにもかかわらず、圧入時の抵抗で杭29が
傾いたり、その軸心位置がずれたりせず、内径が特に大
きい支柱固定穴37を所望の位置に正確に形成すること
が可能となる。
【0032】なお、本発明の方法が前記した実施形態に
限定されないのは言うまでもなく、例えば本発明に用い
る支柱固定穴形成装置は、杭をほぼ真っ直ぐに圧入した
り引き抜いたりできるものであれば、前記支柱固定穴形
成装置1に限定されない。また、本発明では支柱26を
鋼管23又は基礎ブロック35といった筒状基礎材を介
して支柱固定穴に固定するが、例えば図6の支柱固定穴
21や図11の支柱固定穴37の底部に適宜な底基礎を
形成したのち、これらの支柱固定穴に支柱の下端部を直
接挿入して、支柱固定穴の内周壁と支柱との間にモルタ
ル等を充填することも考えられる。このような場合で
も、支柱固定穴の内周壁は土が高密度に締め固められて
滑らかな壁面となっているので、モルタルの水分で内周
壁が崩れることがなく、支柱は充分な強度をもって地盤
に固定される。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る支柱
の固定方法によれば、先ず、支柱固定穴を形成するにあ
たり、後の工程で筒状基礎材を挿入できるような内径が
大きい支柱固定穴を効率良く形成することができ、その
際、穴の周囲の土が盛り上がることもなく、しかも周囲
の土を高密度に締め固めることができるために、支柱固
定穴の内周壁は滑らかで強度の高いものとなる。そし
て、この支柱固定穴に、鋼管や基礎ブロックといった筒
状基礎材を挿入・固定したのち、この固定された筒状基
礎材に支柱の下端部を挿入・固定するので、筒状基礎材
を用いた従来方法のように施工性が悪くなったり残土処
理が必要となったりすることがなく、沈降、傾斜、又は
転倒しないように支柱をしっかりと固定することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施に使用する支柱固定穴形成装
置の正面図である。
【図2】支柱固定穴形成装置の要部拡大正面図である。
【図3】図1のA−A線における拡大断面図である。
【図4】杭を圧入する状態を説明する説明図である。
【図5】杭を引き抜く状態を説明する説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る支柱固定穴の形成工
程と、形成された支柱固定穴への支柱固定工程の一部と
を説明する説明図である。
【図7】図6に続いて支柱固定工程を説明する説明図で
ある。
【図8】別の支柱固定穴の形成工程を説明する説明図で
ある。
【図9】図8で形成された支柱固定穴に昇降自在支柱を
固定する工程を説明する説明図である。
【図10】基礎ブロックの斜視図である。
【図11】本発明のさらに別の実施形態に係る支柱固定
穴の形成工程を説明する説明図である。
【図12】図11で形成された支柱固定穴への基礎ブロ
ックの埋設工程を説明する説明図である。
【図13】従来の鋼管直打ち工程と、この鋼管への支柱
固定工程とを説明する説明図である。
【符号の説明】
1 支柱固定穴形成装置 9,19,29 杭 9a,19a,29a 尖端部 20 案内穴 21,37 支柱固定穴 22 骨材 23 鋼管(筒状基礎材) 24 充填材 26 支柱 27 モルタル 35 基礎ブロック(筒状基礎材)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向の一端側が尖った杭をその尖端部
    から地盤に圧入したのち引き抜いて案内穴を形成し、次
    いでこの案内穴に少なくとも一部分の直径が前記杭の直
    径よりも大きい別の杭を圧入したのち引き抜いて地盤に
    支柱固定穴を形成し、 この支柱固定穴の底部に骨材を投入して底基礎を形成し
    たのち、支柱固定穴に筒状基礎材を挿入して、底基礎に
    筒状基礎材の下端面を支持せしめるとともに、支柱固定
    穴の内周面と筒状基礎材との間に砂,から練りモルタル
    等の充填材を充填して筒状基礎材を支柱固定穴に固定
    し、 さらに、この固定された筒状基礎材の内部に骨材を所定
    高さまで投入して筒内基礎を形成したのち、筒状基礎材
    内に支柱の下端部を挿入して、筒内基礎に支柱の下端面
    を支持せしめるとともに、筒状基礎材の内周面と支柱の
    下端部との間にモルタルを充填することを特徴とする支
    柱の固定方法。
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