JP3158701U - タイヤ交換補助装置 - Google Patents

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【課題】タイヤ交換作業を、簡単かつ短時間に行うことができるタイヤ交換補助装置を提供する。【解決手段】タイヤ交換補助装置1は、正面フレーム10と、正面フレームから背面方向に延出する二つの支持部11a、11bと、地面上を転動可能な移動用ローラ15a〜15dとを有する架台フレーム2と、正面フレームに連結される操作ハンドル3とを備える。各支持部は回転可能な支持ローラ12a、12bを有し、両側の支持ローラで立たせた状態のタイヤTを回転可能に支持を行い、支持ローラは、架台フレームの手前側から奥側へ所定角度で傾斜される。操作ハンドルは、接地部を有し、梃子の作用により、連結部と反対側の端部を押下・引上したときに、連結部および正面フレームが上昇・下降して、架台フレームが傾動しながら所定量の上昇・下降移動をする。【選択図】図1

Description

本考案は、タイヤ交換補助装置に関し、さらに詳細には、車両のホイールが付いた状態のタイヤを人手によって交換する際に、交換作業を補助するタイヤ交換補助装置に関する。
特に、北海道、東北、信越、北陸地方など冬季に積雪や道路の凍結などがある地域では、冬季の始まりにおいて自動車等のタイヤをノーマルタイヤからスノータイヤもしくはスタッドレスタイヤへ交換し、また、冬季が終わるとその逆の交換を行っており、毎年少なくとも2回のタイヤ交換作業が慣行となっている。
ここで、タイヤ交換作業を補助する装置の例として、特許文献1記載のタイヤ交換台100が提案されている(図6参照)。このタイヤ交換台100は、キャスター付きで自由に台が移動出来、ジャッキにてタイヤの上下が可能なため、簡単に自動車の車軸に合わせてタイヤ交換ができるというものである。
特開2006−290321号公報
上記の通り、特定の地域で季節慣行となっているタイヤ交換作業は、タイヤの重量が重いことと、且つ、タイヤを持ち上げた状態で、精緻に構成された車軸ボルトと交換タイヤホイールの穴を一致させる作業を行わなければならないことから、かなりの労力と経験が必要となり、一般の自動車所有者が自ら行うには大変な作業となっている。特に、高齢者や女性では極めて困難な作業となってしまうという課題がある。
その一方で、自動車の種類によって、交換するタイヤの外径、および車軸ボルトの本数・間隔等が異なっているため、タイヤ交換作業を補助する汎用的な装置が無いのが現状である。
ここで、例えば、上記のタイヤ交換台100は、タイヤを持ち上げる方法が交換台の中央に備えたボルトネジであり、ネジを回転させながら持ち上げるため、ボルトネジを回転させるのに力が必要なこと、および交換するタイヤが回転できるようになっていないため、持ち上げながらボルトと交換タイヤホイールの穴合わせに比較的長く時間を要するという課題が生じ得る。
本考案は、タイヤ交換作業、特にタイヤの水平移動・上下移動、および車軸ボルトと交換タイヤホイールの穴を一致させ嵌合させる作業を、より簡単かつ短時間に行うことができるタイヤ交換補助装置を提供することを目的とする。
本考案は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
本考案に係るタイヤ交換補助装置は、車両のホイールが付いた状態のタイヤを交換する際に、交換作業を補助するタイヤ交換補助装置であって、長手方向を水平にして設けられる正面フレームと、該正面フレームの左右それぞれの位置から背面方向に延出する二つの支持部と、地面上を転動可能な移動用ローラとを有する架台フレームと、前記正面フレームに正面方向から連結される操作ハンドルと、を備え、前記二つの支持部は、それぞれ、延出方向を回転軸方向として回転可能な支持ローラを有し、左側の支持ローラと右側の支持ローラとはタイヤの外径よりも狭い間隔で配設されて、両側の支持ローラに立たせた状態のタイヤの踏面を当接させて回転可能に支持を行い、前記支持ローラは、前記操作ハンドルが連結される前記架台フレームの手前側から奥側へ向かう方向に沿って地上高が低くなるように所定角度で傾斜させて配設され、前記操作ハンドルは、地面に接地可能な接地部を有し、該接地部を支点、該操作ハンドルの正面フレームとの連結部を作用点とする梃子の作用によって、該操作ハンドルの該連結部と反対側の端部を押下・引上したときに、該連結部および正面フレームが上昇・下降して、架台フレームが傾動しながら所定量の上昇・下降移動をすることを要件とする。
また、本考案に係るタイヤ交換補助装置は、車両のホイールが付いた状態のタイヤを交換する際に、交換作業を補助するタイヤ交換補助装置であって、長手方向を水平にして設けられる正面フレームと、該正面フレームの左右それぞれの位置から背面方向に延出する二つの支持部と、地面上を転動可能な移動用ローラとを有する架台フレームと、前記正面フレームに正面方向から連結される操作ハンドルと、を備え、前記二つの支持部は、それぞれ、延出方向を回転軸方向として回転可能な支持ローラを有し、左側の支持ローラと右側の支持ローラとはタイヤの外径よりも狭い間隔で配設されて、両側の支持ローラに立たせた状態のタイヤの踏面を当接させて回転可能に支持を行い、前記支持ローラを回転軸方向に移動させるスライド機構が設けられ、前記操作ハンドルは、地面に接地可能な接地部を有し、該接地部を支点、該操作ハンドルの正面フレームとの連結部を作用点とする梃子の作用によって、該操作ハンドルの該連結部と反対側の端部を押下・引上したときに、該連結部および正面フレームが上昇・下降して、架台フレームが傾動しながら所定量の上昇・下降移動をすることを要件とする。
本考案によれば、特に、タイヤの水平移動・上下移動、および車軸ボルトと交換タイヤホイールの穴を一致させ嵌合させる作業を、より簡単かつ短時間に行うことができるため、車両のホイールが付いた状態のタイヤを交換する作業を短時間できわめて容易に行うことが可能となる。
本考案の実施形態に係るタイヤ交換補助装置の例を示す概略図である。 図1のタイヤ交換補助装置の操作ハンドルの例を示す概略図である。 図1のタイヤ交換補助装置によりタイヤを支持した状態を示す概略図である。 図1のタイヤ交換補助装置の作用を説明する説明図である。 本考案の他の実施形態に係るタイヤ交換補助装置の例を示す概略図である。 従来の実施形態に係るタイヤ交換補助装置の例を示す概略図である。
本考案の実施形態に係るタイヤ交換補助装置1の例を説明する概略図を図1に示す。ここで、図1(a)は背面図、図1(b)は平面図、図1(c)は正面図、図1(d)は左側面図である。なお、図1(a)〜1(c)においては操作ハンドル3の図示を省略し、図1(d)においてはタイヤTを支持した状態として図示している。また、操作ハンドル3の拡大図(概略図)を図2に示す。
このタイヤ交換補助装置1は、車両のホイールが付いた状態のタイヤの交換作業を人手によって行う際に、タイヤの支持、水平移動、および所定量の上下移動を行って当該交換作業を補助するための装置である。
本実施形態に係るタイヤ交換補助装置1は、図1(a)〜1(d)に示すように、長手方向を水平にして設けられる正面フレーム10と、正面フレーム10の左右それぞれの位置から背面方向に延出する二つの支持部11a、11bと、地面上を転動可能な移動用ローラ15a、15b、15c、15dとを有する架台フレーム2を備える。さらに、正面フレーム10に正面方向から背面方向に向かって(矢印A方向)連結される操作ハンドル3を備える。なお、操作ハンドル3は、正面フレーム10の鍔状部10aに設けられた嵌合孔10bに連結される(詳細は後述)。
これによれば、架台フレーム2上にタイヤTを支持した状態の架台フレーム2を、操作ハンドル3で押動もしくは引動することにより、ホイールが嵌合されて重量のあるタイヤTを、労力をかけずに地面G上を水平移動させることができる。
同図1(a)〜1(d)に示すように、本実施形態における架台フレーム2は、正面フレーム10に対向して背面フレーム14が設けられて、二つの支持部11a、11bの両端部がそれぞれ、正面フレーム10および背面フレーム14に固定されて支持されている。さらに、正面フレーム10の左右両端部と背面フレーム14の左右両端部とをそれぞれ連結するサイドフレーム13a、13bが設けられ、それらの下面に移動用ローラ15a、15b、15c、15dが設けられている。なお、移動用ローラ15a、15b、15c、15dの取り付け位置は、サイドフレーム13a、13bに限定されるものではなく、正面フレーム10、支持部11a、11b、背面フレーム14等に取り付ける構造としてもよい。
一例として、正面フレーム10、背面フレーム14、サイドフレーム13a、13b、支持部11a、11bは金属材料を用いて構成され、移動用ローラ15a、15b、15c、15dは、ナイロン樹脂またはその他の材質よりなるキャスターを用いて構成される。ただし、これらの材料、構成に限定されるものではない。
ここで、架台フレーム2の他の実施形態として、背面フレーム14を省略して、正面フレーム10のみによって二つの支持部11a、11b、およびサイドフレーム13a、13bを片持ち支持する構造としてもよい。さらに、サイドフレーム13a、13bを省略してもよく、その場合は移動用ローラ15a、15bを正面フレームに、移動用ローラ15c、15dを支持部11a、11bの先端部に取り付ければよい(図5参照)。
本実施形態における架台フレーム2は、一例として、縦(支持部11a、11bの長さ方向)が350[mm]、横(正面フレーム10の長さ方向)が400[mm]程度の大きさで、図1(b)に示すように二つの支持部11a、11bで挟まれた領域が空間部となる枠状に形成されている。
また、二つの支持部11a、11bは、それぞれ、延出方向を回転軸方向として回転可能な支持ローラ12a、12bを備える。当該二つの支持ローラ12a、12bは、タイヤの外径よりも狭い間隔で平行に配設される。一例として、支持ローラ12a、12bは直径20[mm]程度、長さ200[mm]程度、外周上面までの地上高は70[mm]程度であり、二つの支持ローラ12a、12bの中心軸間の距離は290[mm]程度に構成される。なお、一例として、支持ローラ12a、12bは金属材料を用いて構成されるが、これに限定されるものではなく、設置個数も左右各一個に限定されるものではない。
上記構成によれば、二つの支持ローラ12a、12bにタイヤTの踏面を当接させることによって、タイヤTを立たせた状態で支持することが可能となる(図1(d)参照)。また、図3(a)に示す軽自動車用タイヤ(一例として外径D1=530[mm]、幅155[mm]程度)から、図3(b)に示すRV車用タイヤ(一例として外径D2=730[mm]、幅245[mm]程度)までのタイヤに対応でき、すなわち地面GとタイヤTとが接触させることなく支持を行うことができる。このように、自動車、タイヤの種類に関わらず当該タイヤの支持を行うことが可能となるため、汎用的な装置として用いることができる。
上記のように、タイヤTを立たせた状態で支持することが可能な支持ローラ12a、12bが回転可能である構成によれば、タイヤ交換作業(特に、車両に取り付ける作業時)において、一方の手で操作ハンドル3(詳細は後述)を操作してタイヤTを持ち上げた状態で、他方の手で支持ローラ12a、12bにより支持されたタイヤTを容易に回転させること可能となる。
その結果、従来は、重量のあるタイヤを人手によって持ち上げた状態で、精緻に構成された車軸ボルトと交換タイヤホイールの穴を一致させる作業を行わなければならなかったため、かなりの労力と経験が必要であったに対し、多大な労力および経験を必要とせず、交換タイヤのホイール穴と車両の車軸ボルトとを一致させる作業を極めて容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態に特徴的な構成として、図1(d)に示すように、支持ローラ12a、12bは、架台フレーム2の手前側(操作ハンドル3が連結される側)から奥側へ向かう方向すなわち正面フレーム10の正面側から背面側へ向かう方向(矢印A方向)に沿って地上高が低くなるように所定角度で傾斜させて配設されている。一例として、傾斜角度θ=4[°]程度としている。
通常、ホイールに嵌合された状態のタイヤTは、回転軸方向の重芯がホイールのナット装着面寄りに偏心しているため、水平に配設した支持ローラ12a、12bでタイヤTの踏面を支持して立たせようとしても、当該ナット装着面側に向かって倒れてしまう。しかし、上記構成によれば、支持ローラ12a、12bが、正面フレーム10の正面側から背面側へ向かう方向すなわちホイールのナット装着面から車体取付面に向かう方向に沿って、地上高が低くなるように傾斜しているので、重芯が偏心した状態のホイール付きタイヤTを支持ローラ12a、12b上に立たせた状態で支持することが可能となる。
なお、支持ローラ12a、12bの配設構造に関する他の実施形態として、上記の平行で且つ傾斜させる構造に代えて、支持ローラ12a、12bを矢印A方向に沿って間隔が広がるように、且つ傾斜させずに水平に配設してもよい(不図示)。これによっても、重芯が偏心した状態のホイール付きタイヤTを支持ローラ12a、12b上に立たせた状態で支持することが可能となる。
また、本実施形態に特徴的な構成として、支持ローラ12a、12bは、回転軸方向に移動可能なスライド機構を介して各支持部11a、11bに固定されている。
本実施形態においては、支持部11a、11bを断面円形のシャフトを用いて構成すると共に、当該シャフトの中心軸を回転軸として支持ローラ12a、12bが回転可能な回転機構と、当該回転軸方向に移動可能なスライド機構とを兼用する軸受を用いて、支持ローラ12a、12bを支持部11a、11bに固定している。これにより、支持ローラ12a、12bが回転軸方向にスライド可能となる。
なお、変形例として、レール等を用いたスライド機構(不図示)を支持部11a、11bに設けて、当該スライド機構に支持ローラ12a、12bを回転可能に固定する構造としてもよい。
この構成によれば、支持ローラ12a、12b上にタイヤTを支持した状態で、当該支持ローラ12a、12bをスライドさせることができる。すなわち、タイヤ交換作業(特に、車両に取り付ける作業時)において、タイヤTを車両に徐々に近づけて、取り付けるタイヤTのホイール穴を車両の車軸ボルトに嵌合させる作業を行う際に、タイヤTが支持された支持ローラ12a、12bのみをスライドさせることによって、タイヤTを回転軸方向に移動させて、当該嵌合作業を容易に行うことが可能となる。
ここで、架台フレーム2の全体を移動させて嵌合作業を行う方法の場合には、タイヤTを回転軸方向へ移動する作用を移動用ローラ15a、15b、15c、15dが担うため、直線移動の精度が劣ることがあり得る。しかし、上記のスライド機構を備える構成では、架台フレーム2の全体を移動させる方法と比較して、直線移動を高精度且つ容易に行うことができるため、当該嵌合作業の確実化および容易化が共に達成される。
一方、架台フレーム2の背面フレーム14は、二つの支持ローラ12a、12bの間の形状が、当該二つの支持ローラ12a、12bに当接させた状態のタイヤTの地上高よりも低い地上高となるように形成されている(図1(a)参照)。これによれば、タイヤ交換作業(特に、車両から取り外す作業時)において、車両をジャッキアップして、取り外そうとするタイヤTが浮いた状態で、架台フレーム2をタイヤTの直下に移動させる際に、背面フレーム14が浮いたタイヤTの最下部に抵触して移動できなくなってしまうことを防止できる。すなわち、浮いたタイヤTが支持ローラ12a、12bに当接しない程度の最低限の車両ジャッキアップ量を確保するだけで、架台フレーム2(支持ローラ12a、12b)を当該タイヤTの直下位置までスムーズに進入させることが出来る。これは、タイヤ交換作業の労力軽減に大きな効果をもたらすものである。
次に、本実施形態における操作ハンドル3は、図2に示すように、略L字状の棒状部材を用いて形成される本体部3a、長手方向の中間位置に地面に接地可能な接地部3cを有している。なお、本実施形態では、接地部3cに地面上を転動可能な移動用ローラ21を配設して、当該移動用ローラ21を地面に接地させる構造としている。
また、操作ハンドル3は、先端部3bが他の部分よりも小径となる段付きの突起状に形成されて、架台フレーム2(本実施形態では正面フレーム10)に設けられた嵌合孔10bに対して、着脱自在且つ傾動自在(図4(a)、4(b)参照)に形成される。より詳しくは、嵌合孔10の直径を先端部3bの小径部よりも大きく且つ先端部3bの大径部よりも小さく形成される。さらに、嵌合孔10は長孔状であってもよい。これによって、操作ハンドル3と架台フレーム2(本実施形態では正面フレーム10)とが相互に可動するように連結される連結部が構成される。
なお、他の実施形態として、操作ハンドル3と架台フレーム2とを着脱不能なように蝶番等の機構を用いて連結して、連結部が可動式となるように構成してもよい(不図示)。
上記の構成によれば、図4(a)(グリップ部3dが引上された位置の図である)、4(b)(グリップ部3dが押下された位置の図である)に示すように、操作ハンドル3の連結部と反対側の端部(グリップ部3d)を押下・引上することによって、接地部3c(本実施形態では移動用ローラ21)を支点、操作ハンドル3と正面フレーム10との連結部を作用点とする梃子の作用によって、連結部すなわち正面フレーム10が上昇・下降して、その結果、架台フレーム2が、移動用ローラ15c、15が地面Gに接地し且つ移動用ローラ15a、15bが地面Gから浮き上がるように傾動しながら所定量の上昇・下降移動をする。
これによって、架台フレーム2の支持部11a、11b(ここでは支持ローラ12a、12b)に支持されたタイヤを簡単に上下移動させることが可能となる。なお、本実施形態においては、全長300[mm]程度のハンドル3によって、架台フレーム2の正面フレーム10側の位置を、25[mm]程度上昇させることが可能となる。ちなみに、当該上昇量は、タイヤの高さ方向の位置調整に際して十分な範囲である。
また、接地部3cに移動用ローラ21を配設しているため、上記の梃子作用によって架台フレーム2の正面フレーム10側を上昇させた状態で、当該架台フレーム2を水平方向、例えば、タイヤTを車両に近づける方向に移動させることができる。すなわち、タイヤ交換作業(特に、車両に取り付ける作業時)において、タイヤTを車両に近づける方向に移動させながら、車軸ボルトの高さに合うようにタイヤTの高さ位置を調整することができるという顕著な効果を奏する。その結果、取り付けようとするタイヤTのホイール穴を車両の車軸ボルトに嵌合させる作業を容易に行うことができる。この効果は、前記支持ローラ12a、12bのスライド機構が設けられて、さらに顕著に達成される。
続いて、タイヤ交換補助装置1を用いたタイヤ交換作業について説明する。
先ず、車載等の汎用ジャッキを用いて、タイヤ交換を行う車両のジャッキアップを行う。このとき、交換(取り外し)対象のタイヤ取付位置の下(すなわちタイヤの下)にタイヤ交換補助装置1を進入させるために、タイヤの下面までの地上高さが35〜40[mm]程度となるようにジャッキアップを行う。なお、車軸ボルトに締結されているホイールナットはジャッキアップの前に緩めておく。
次いで、取り外すタイヤの下に本考案のタイヤ交換補助装置1を押動して進入させ、タイヤの直下に支持部11a、11bが配置されるように、所定の位置にセットする。タイヤを車体から取り外して、タイヤ交換補助装置1に載置し、タイヤ交換補助装置1を引き出す。このとき、操作ハンドル3を用いた前記梃子の作用により架台フレーム2を上昇させてタイヤを支持し、操作ハンドル3を引動してタイヤの引き出しを行うことができる。ちなみに、タイヤ交換における取り外し作業は、車軸ボルトとホイールの穴の位置合せのような精緻な作業がないため、取り付け作業と比較すればさほど労力・経験を必要としない。
次いで、取り付けようとするホイール付きタイヤをタイヤ交換補助装置1に載置する。より詳しくは、当該タイヤを支持ローラ12a、12b上に立たせた状態で支持させる。車体の近くまでは、移動用ローラ15a、15b、15c、15dを有する架台フレーム2を操作ハンドル3により押動して、当該タイヤの移動を行う。
次いで、取り付けを行う車体位置にタイヤ交換補助装置1を移動して、車軸中心と取り付けるタイヤの回転軸とを概ね一致させる。
次いで、操作ハンドル3のグリップ部3dを握って下方に押し下げ(図4(b)の矢印B方向)、梃子の作用で架台フレーム2を上昇させて(図4(b)の矢印C方向)、車軸ボルトの高さとホイールの穴の高さとが合うように、高さ位置を調整する。これと並行的に、一方の手でタイヤを回転させて車軸ボルト位置とタイヤホイール穴位置とを周方向において一致させた後、操作ハンドル3を押動してタイヤ交換補助装置1ごとタイヤを車体側に押し込んで、車軸ボルトとホイール穴を嵌合させる。もしくは、前述の支持部11a、11b(支持ローラ12a、12b)におけるスライド機構を作用させて、支持ローラ12a、12bおよびタイヤを車体側に押し込んで、車軸ボルトとホイール穴を嵌合させてもよい。
特に、ホイール付きタイヤを車体の車軸に取り付ける作業に際して、従来は人手によってタイヤを持ち上げながら位置合せを行っていたために多大な労力と経験が必要であったのに対し、上記の通り、一方の手でタイヤの高さ調整および回転軸方向移動(操作ハンドル3を使用)が可能で、他方の手でボルト位置に対するタイヤの周方向位置調整および回転軸方向移動(スライド機構を使用)が可能となるため、極めて短時間に且つ容易にタイヤ交換作業(特に取り付け作業)を行うことが可能となる。
次いで、嵌合させた状態で、車軸ボルトにホイールナットを一箇所だけ仮締結する。
次いで、タイヤの仮締結後に、操作ハンドル3を引上して架台フレーム2を下降させて、操作ハンドル3を引動してタイヤ交換補助装置1を取り付けたタイヤの直下から車体の外まで引き出し、残りのホイールナットの締結を行う。
以下、通常のタイヤ交換作業と同様にジャッキを外してホイールナットの本締結を行う。
以上、説明した通り、本考案に係るタイヤ交換補助装置によれば、一方の手で操作ハンドルを操作してタイヤを持ち上げて高さ調整を行いながら、他方の手で、支持ローラで支持されたタイヤを回転させて車軸ボルトに対する周方向位置の調整を行うことができる。その結果、従来必要であった多大な労力と経験が不要となり、極めて短時間に且つ容易にタイヤ交換作業を行うことが可能となる。
したがって、タイヤ交換を必要とする降雪地域、道路が凍結する地域等において、特に女性や高齢者等、タイヤ交換作業を行う体力あるいは自信の無い人でも本考案に係るタイヤ交換補助装置を利用して容易にタイヤ交換が行うことができる。その結果、タイヤ交換作業を業者に任せることなく自分で行えるため経済的でもある。
また本考案に係るタイヤ交換補助装置は、サイズも小さく、重量も比較的軽いことから常時、車に携帯できるため、緊急時にも簡単且つ容易に使用することができる。
なお、本考案は、以上説明した実施例に限定されることなく、本考案を逸脱しない範囲において種々変更可能である。特に、交換対象のタイヤとして、軽自動車からRV車に至る程度の乗用車用タイヤを例にとって説明を行ったが、バス、トラック等の車両用タイヤに対しても適用できることは言うまでもない。
1 タイヤ交換補助装置
2 架台フレーム
3 操作ハンドル
10 正面フレーム
11a、11b 支持部
12a、12b 支持ローラ
13a、13b サイドフレーム
14 背面フレーム
15a、15b、15c、15d、21 移動用ローラ

Claims (4)

  1. 車両のホイールが付いた状態のタイヤを交換する際に、交換作業を補助するタイヤ交換補助装置であって、
    長手方向を水平にして設けられる正面フレームと、該正面フレームの左右それぞれの位置から背面方向に延出する二つの支持部と、地面上を転動可能な移動用ローラとを有する架台フレームと、
    前記正面フレームに正面方向から連結される操作ハンドルと、を備え、
    前記二つの支持部は、それぞれ、延出方向を回転軸方向として回転可能な支持ローラを有し、左側の支持ローラと右側の支持ローラとはタイヤの外径よりも狭い間隔で配設されて、両側の支持ローラに立たせた状態のタイヤの踏面を当接させて回転可能に支持を行い、
    前記支持ローラは、前記操作ハンドルが連結される前記架台フレームの手前側から奥側へ向かう方向に沿って地上高が低くなるように所定角度で傾斜させて配設され、
    前記操作ハンドルは、地面に接地可能な接地部を有し、該接地部を支点、該操作ハンドルの正面フレームとの連結部を作用点とする梃子の作用によって、該操作ハンドルの該連結部と反対側の端部を押下・引上したときに、該連結部および正面フレームが上昇・下降して、架台フレームが傾動しながら所定量の上昇・下降移動をすること
    を特徴とするタイヤ交換補助装置。
  2. 車両のホイールが付いた状態のタイヤを交換する際に、交換作業を補助するタイヤ交換補助装置であって、
    長手方向を水平にして設けられる正面フレームと、該正面フレームの左右それぞれの位置から背面方向に延出する二つの支持部と、地面上を転動可能な移動用ローラとを有する架台フレームと、
    前記正面フレームに正面方向から連結される操作ハンドルと、を備え、
    前記二つの支持部は、それぞれ、延出方向を回転軸方向として回転可能な支持ローラを有し、左側の支持ローラと右側の支持ローラとはタイヤの外径よりも狭い間隔で配設されて、両側の支持ローラに立たせた状態のタイヤの踏面を当接させて回転可能に支持を行い、
    前記支持ローラを回転軸方向に移動させるスライド機構が設けられ、
    前記操作ハンドルは、地面に接地可能な接地部を有し、該接地部を支点、該操作ハンドルの正面フレームとの連結部を作用点とする梃子の作用によって、該操作ハンドルの該連結部と反対側の端部を押下・引上したときに、該連結部および正面フレームが上昇・下降して、架台フレームが傾動しながら所定量の上昇・下降移動をすること
    を特徴とするタイヤ交換補助装置。
  3. 前記操作ハンドルは、前記接地部として、地面上を転動可能な移動用ローラを有すること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載のタイヤ交換補助装置。
  4. 前記支持部の先端部が固定される背面フレームが前記正面フレームに対向して設けられ、
    前記背面フレームは、前記両側の支持ローラの間の形状が、該両側の支持ローラに当接させた状態のタイヤの地上高よりも低い地上高となるように形成されていること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のタイヤ交換補助装置。
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