JP3156714U - Tfcc縫合用手術器具及びtfcc縫合用手術ユニット - Google Patents

Tfcc縫合用手術器具及びtfcc縫合用手術ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】鏡視下でTFCCをFoveaに縫合する作業の複雑さ及び困難さを大幅に低減することができるとともに、手術の手間と時間を削減でき、近傍の靭帯が傷つけられてしまうことを防止することができるTFCC縫合用手術器具を提供する。【解決手段】ガイドパイプ部11は、長手方向に沿って縫合糸が挿通される挿通孔13が設けられた管状に形成され、先端部14が手に刺入されてTFCCに当接した状態に配置される。ガイドパイプ部11は、長手方向において湾曲して形成された湾曲部分11aを有するとともに、挿通孔13において、縫合糸が挿通される貫通孔が形成された孔あき線材であるメニスカススティチャーが挿通される。【選択図】図6

Description

本考案は、三角繊維軟骨複合体(TFCC:Triangular fibrocartilage complex)を縫合糸によって縫合する手術において用いられるTFCC縫合用手術器具、及びそのTFCC縫合用手術器具を備えるTFCC縫合用手術ユニットに関する。
外傷又は変性による三角繊維軟骨複合体(以下、「TFCC」ともいう)の損傷、特にTFCCにおける尺骨茎状突起基部(以下、「Fovea」ともいう)での剥離が原因で起こる遠位橈尺関節不安定性の病態は従来あまり認識されておらず、未治療に終わることが多かった。昨今、TFCCの構造の解明により、この疾患の病態が明らかになった。そして、遠位橈尺関節の不安定性というのは、尺骨が橈骨に対して完全に脱臼するのではなく、亜脱臼の状態、即ち、TFCCのゆるみのため、遠位橈尺関節内でのスムーズな動きが失われ、橈骨尺骨窩と尺骨頭との間でTFCCを介してインピンジメント(衝突)するような病態と考えられている。
上記の病態に関し、臨床症状として、患者は、手関節の亜脱臼感、あるいは手関節回内外時の有痛性クリックを伴った不安定感を訴える。また、検査所見としては、MRI(magnetic resonance imaging)及び遠位橈尺関節造影で尺骨小窩からTFCCが剥離していることで診断される。
上記の病態の場合、TFCCを縫合糸によってFoveaに縫合する手術が必要となる。しかし、関節鏡によって上記のような診断ができても、TFCCの近傍に刺入された関節鏡で確認しながらその鏡視下でTFCCの縫合を行うことは非常に複雑で困難な作業となる。鏡視下でTFCCの縫合を行う作業としては、例えば、次のような手法を用いた作業を行うことができる。
まず、キルシュナー鋼線(Kirschner wire)であらかじめ尺骨骨幹部に孔をあけ、その孔に対して、太さ規格が18Gの注射針(外径1.20mmで内径が0.94mmの注射針)を挿入し、更にその注射針の先端部をTFCCに対して貫通させる。そして、その注射針(以下、「1本目の注射針」ともいう)の孔の内側に対して、縫合糸(以下、「1本目の縫合糸」ともいう)を二重折にしてループを形成した状態でそのループの先端側から挿通させ、その二重折のループの先端を注射針の孔を貫通させて更に注射針の先端部から関節内で露出させる。
次に、キルシュナー鋼線を用いて、尺骨骨幹部に対してもう1つ孔をあけ、その孔に対しても、上記とは別の18Gの注射針(以下、「2本目の注射針」ともいう)を挿入し、更にその注射針の先端部をTFCCに対して貫通させる。そして、その2本目の注射針の孔の内側に対して、2本目の縫合糸を真っ直ぐな状態のままで挿通させ、更にその2本目の注射針の先端部から2本目の縫合糸の先端部を関節内で突き出させる。この状態で、鏡視下において、2本目の注射針の先端部から突き出した2本目の縫合糸を1本目の注射針から露出している1本目の縫合糸のループの孔に挿通させる。そして、そのループの孔に2本目の縫合糸を挿通させたままの状態で、1本目の縫合糸を1本目の注射針から引き抜く。これにより、2本目の縫合糸が、2本目の注射針を貫通してTFCCを通過し、更に1本目の注射針を貫通した状態となる。この状態で、1本目及び2本目の注射針が引き抜かれ、2本目の縫合糸の端部の処置が適宜行われることで、この縫合糸によってTFCCがFoveaに縫合された状態になる。このように、複雑で困難な作業を行うことで、T
FCCをFoveaに縫合することができる。
尚、骨折に対して、キルシュナー鋼線を用いてその骨折部を継ぎ合わせる手術として、骨折経皮的鋼線刺入固定術が知られている(特許文献1を参照)。特許文献1においては、骨折経皮的鋼線刺入固定術において用いられてキルシュナー鋼線の刺入をガイドする骨折経皮的鋼線刺入用ガイドとして、キルシュナー鋼線が貫通可能な長さ約10cmの硬質金属パイプの先端部を鋭角に切断して製造した器具が開示されている。TFCCをFoveaに縫合する前述の手術を行う際のキルシュナー鋼線の刺入作業において、上記の骨折経皮的鋼線刺入用ガイドを用いることも考えられる。しかし、この場合も、注射針を用いてTFCCをFoveaに縫合する作業は同じであり、非常に複雑で困難な作業となる。
特開平5−269144号公報
前述のように、キルシュナー鋼線を用いて尺骨骨幹部に孔をあけ、更に複数の注射針を用いた複雑な作業を経て縫合糸をTFCC及びFoveaに貫通させて、TFCCをFoveaに縫合することができる。しかしながら、関節内において、更に鏡視下で、1本目の縫合糸のループの孔に2本目の縫合糸を挿通させる作業は、非常に複雑で困難な作業となる。また、1本目の縫合糸のループの孔に2本目の縫合糸を挿通させた状態でこの1本目の縫合糸を1本目の注射針から引き抜く際に、1本目の注射針内で上記のループの孔から2本目の縫合糸が抜けてしまうことも発生し易い。このため、更に手術の手間と時間とを要することになり、手術時間の延長も招いてしまうことになる。また、注射針の先端部をTFCCに対して貫通させる際に、その貫通方向の先に位置している近傍の靭帯が傷つけられてしまう虞がある。
本考案は、上記実情に鑑みることにより、鏡視下でTFCCをFoveaに縫合する作業の複雑さ及び困難さを大幅に低減することができるとともに、手術の手間と時間とを削減でき、近傍の靭帯が傷つけられてしまうことを防止することができるTFCC縫合用手術器具を提供することを目的とし、また、そのTFCC縫合用手術器具を備えるTFCC縫合用手術ユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1考案に係るTFCC縫合用手術器具は、三角繊維軟骨複合体(TFCC)を縫合糸によって縫合する手術において用いられるTFCC縫合用手術器具に関する。そして、第1考案に係るTFCC縫合用手術器具は、長手方向に沿って縫合糸が挿通される挿通孔が設けられた管状に形成されるとともに、先端部が手に刺入されて三角繊維軟骨複合体に当接した状態に配置されるガイドパイプ部を備え、前記ガイドパイプ部は、長手方向において湾曲して形成された湾曲部分を有するとともに、前記挿通孔において、縫合糸が挿通される貫通孔が形成された孔あき線材であるメニスカススティチャーが挿通されることを特徴とする。
この考案によると、鏡視下でTFCCをFoveaに縫合する作業が行われる際には、まず、TFCC縫合用手術器具のガイドパイプ部が手に刺入されてそのガイドパイプ部の先端部がTFCCに当接した状態に配置される。次いで、縫合糸が貫通孔に挿通されたメニスカススティチャーがガイドパイプ部の挿通孔に挿通される。そして、そのメニスカススティチャーの先端部がガイドパイプ部からFoveaに向けて刺入され、更に、尺骨を通過して皮膚上に突き出されて皮膚の外へメニスカススティチャーが引き抜かれる。これ
により、1本の縫合糸がTFCCとFoveaとを貫通した状態となる。
尚、先端部がTFCCに当接した状態で配置されて手に刺入されるガイドパイプ部には、湾曲部分が形成されている。このため、術者が患者の手に対して刺入させ易い方向に挿通孔の開口方向を配置し、湾曲部分に沿ってメニスカススティチャーの進行方向をスムーズに変更した後、Fovea及び尺骨を貫通させて皮膚上に突き出させてメニスカススティチャーを通過させるように、ガイドパイプ部を構成することができる。このため、メニスカススティチャーをガイドパイプ部に沿って通過させた後にTFCCとFoveaとを通過させる作業をスムーズに行うことができる。
また、上述のように、1本の縫合糸がTFCCとFoveaとを貫通した状態になると、次に、その縫合糸におけるTFCCを貫通している側と反対側でガイドパイプ部から外に露出している部分が、メニスカススティチャーの貫通孔に挿通される。次いで、このメニスカススティチャーが、再び、ガイドパイプ部の挿通孔に挿通される。そして、そのメニスカススティチャーの先端部がガイドパイプ部からFoveaに向けて刺入され、更に、尺骨を通過して皮膚上に突き出されて皮膚の外へメニスカススティチャーが引き抜かれる。これにより、関節内でループを形成した1本の縫合糸の両端側がTFCCとFoveaとを貫通した状態を形成することができ、TFCCをFoveaに縫合することができる。
このように、本考案においては、先端部をTFCCに当接させたガイドパイプ部に対して、縫合糸を通したメニスカススティチャーを挿通させることで、従来のように複数の注射針を用いた作業のような複雑な作業や困難な作業を行うことなく、鏡視下で、TFCCをFoveaに縫合することができる。また、ガイドパイプ部の挿通孔に沿った一方向の刺入による縫合が可能となるため、より容易な縫合作業を実現することができる。そして、TFCCに対して尺骨と反対側である遠位側からメニスカススティチャーを刺入する縫合作業が可能となるため、より手術の安全性を向上させることができる。また、従来のように注射針内で1本目の縫合糸のループの孔から2本目の縫合糸が抜けてしまうような状態が生じることもないため、手術の手間と時間とを削減することができる。更に、従来のように注射針の先端部をTFCCに対して貫通させることがないため、近傍の靭帯が傷つけられてしまうことも防止できる。
従って、本考案によると、鏡視下でTFCCをFoveaに縫合する作業の複雑さ及び困難さを大幅に低減することができるとともに、手術の手間と時間とを削減でき、近傍の靭帯が傷つけられてしまうことを防止することができるTFCC縫合用手術器具を提供することができる。
第2考案に係るTFCC縫合用手術器具は、第1考案のTFCC縫合用手術器具において、前記湾曲部分の曲率半径が25mm以上で45mm以下の範囲に設定されていることを特徴とする。
この考案によると、ガイドパイプ部の湾曲部分の曲率半径が、25mm以上45mm以下に設定されている。これにより、術者は、メニスカススティチャーを挿入し易い方向からガイドパイプ部に挿入して挿通孔に沿って引っ掛かりを発生させずに通過させ、Fovea及び尺骨を貫通させて皮膚上に突き出させる作業をよりスムーズ且つ確実に行うことができる。メニスカススティチャーの先端部は、骨に刺入させる必要があるため、鋭利に形成されており、湾曲部分の曲がり方が急であると、メニスカススティチャーがガイドパイプ部の挿通孔を通過する際に、ガイドパイプ部の内周面との接触によって引っ掛かりが生じやすくなる。これに対し、本願考案者は、鋭意研究を重ねた結果、湾曲部分の曲率半径が25mm以上に設定されていることによって、ガイドパイプ部の内周面との接触によ
る引っ掛かりの発生を防止できることを知見した。また、本願考案者は、湾曲部分の曲率半径が45mm以下に設定されていることによって、術者がメニスカススティチャーを刺入させ易い方向に開口するとともにFovea及び尺骨を貫通させるようにスムーズに通過させるガイドパイプ部を実現することができることを知見した。
第3考案に係るTFCC縫合用手術器具は、第1考案又は第2考案のTFCC縫合用手術器具において、前記ガイドパイプ部に対して固定された状態で結合されて把持操作が可能なハンドル部が更に備えられていることを特徴とする。
この考案によると、ガイドパイプ部に固定された把持操作用のハンドル部が更に設けられている。このため、ガイドパイプ部の先端部を手に刺入させてTFCCに当接させた状態に配置する作業を行う際に、術者は、ハンドル部を把持操作することでガイドパイプ部の向きや位置を所望の状態に容易に移動させることができる。そして、ガイドパイプ部の先端部が手に刺入された状態においても、ハンドル部とガイドパイプ部との位置関係に基づいて、ガイドパイプ部の先端部の位置や向きを確認することができる。
第4考案に係るTFCC縫合用手術器具は、第3考案のTFCC縫合用手術器具において、前記ハンドル部は軸状の部分として設けられ、前記ハンドル部が軸状に延びる方向であるハンドル軸方向と、前記湾曲部分が湾曲して延びる方向である湾曲方向とが、同一の平面に沿って配置されていることを特徴とする。
この考案によると、ハンドル軸方向とガイドパイプ部の湾曲方向とが同一の平面に沿って配置される。これにより、ガイドパイプ部の挿通孔を通過するメニスカススティチャーは、術者が把持しているハンドル部の軸方向と同一平面に沿って進行することになるため、術者は、挿通作業中のメニスカススティチャーの先端部がガイドパイプ部の先端部から突き出す方向を想定し易くなる。このため、より操作性を向上させることができる。
第5考案に係るTFCC縫合用手術器具は、第4考案のTFCC縫合用手術器具において、前記ガイドパイプ部は、前記湾曲部分に連続して形成されるとともに当該湾曲部分に対して接線方向に沿って直線状に延びるように形成された直線部分を更に有し、前記ハンドル軸方向と前記直線部分が直線状に延びる方向とが垂直に交差して配置されていることを特徴とする。
この考案によると、ガイドパイプ部において湾曲部分に連なって設けられる直線部分の方向と、ハンドル軸方向とが、垂直に交差するように配置される。このため、手に刺入された湾曲部分からその接線方向に延びる直線部分に対してハンドル軸方向が同一平面内で垂直に配置されることになり、ハンドル軸方向が、患者の手が延びる方向と略平行な方向に沿って配置されることになる。これにより、術者は、患者の手が延びる方向と略平行な方向でハンドル部を把持しながら患者の手に向かって略垂直な方向に沿ってメニスカススティチャーを繰り出しながらガイドパイプ部に挿入でき、更に、メニスカススティチャーの先端部がガイドパイプ部の先端部から突き出す方向を容易に想定することができる。よって、操作性を更に向上させることができる。
また、他の観点の考案として、上述したいずれかのTFCC縫合用手術器具を備えるTFCC縫合用手術ユニットの考案を構成することもできる。即ち、第6考案に係るTFCC縫合用手術ユニットは、第1考案乃至第5考案のいずれかのTFCC縫合用手術器具と、縫合糸が挿通される貫通孔が形成された孔あき線材であるメニスカススティチャーと、を備え、前記メニスカススティチャーは、前記TFCC縫合用手術器具において管状に形成されたガイドパイプ部に設けられて縫合糸が挿通される挿通孔において挿通されることを特徴とする。
この考案によると、鏡視下でTFCCをFoveaに縫合する作業の複雑さ及び困難さを大幅に低減することができるとともに、手術の手間と時間とを削減でき、近傍の靭帯が傷つけられてしまうことを防止することができるTFCC縫合用手術ユニットを提供することができる。
第7考案に係るTFCC縫合用手術ユニットは、第6考案のTFCC縫合用手術ユニットにおいて、前記ガイドパイプ部は、長手方向において湾曲して形成された湾曲部分を有し、前記湾曲部分における前記挿通孔の内周に接する内接円の直径寸法が、前記挿通孔に挿通された前記縫合糸及び前記メニスカススティチャーの長手方向と垂直な断面における直径寸法の和よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする。
この考案によると、挿通孔の内周に接する内接円の直径寸法が最も小さくなる湾曲部分において、その直径寸法が、縫合糸及びメニスカススティチャーの直径寸法の和よりも大きくなるように設定される。このため、挿通孔に縫合糸とメニスカススティチャーとが両方挿通されている状態においても、挿通孔の内周面と、縫合糸及びメニスカススティチャーとの間のクリアランス(隙間)が確実に確保されることになる。これにより、挿通孔に縫合糸が挿通された状態で再度メニスカススティチャーを挿通孔に挿通させる作業を更にスムーズに行うことができる。
本考案によると、鏡視下でTFCCをFoveaに縫合する作業の複雑さ及び困難さを大幅に低減することができるとともに、手術の手間と時間とを削減でき、近傍の靭帯が傷つけられてしまうことを防止することができる。
本考案の一実施の形態に係るTFCC縫合用手術ユニットを示す図である。 右手における橈骨及び尺骨の一部と、TFCCと、舟状骨と、月状骨と、三角骨とを模式的に示す図であって、右手の背側から見た状態を示す図である。 右手における橈骨、尺骨及びTFCCについて、図2の矢印A方向から見た状態を模式的に示す図である。 図1に示すTFCC縫合用手術ユニットにおけるメニスカススティチャーについてその両端部分のみを切欠き状態で示す正面図である。 図1に示すTFCC縫合用手術ユニットにおけるTFCC縫合用手術器具を示す正面図である。 図5の一部拡大図である。 右手の一部についてその背側から見た伸筋腱等の配置を示す模式図である。 図1に示すTFCC縫合用手術ユニットを用いたTFCCの縫合作業を説明する模式図である。 図1に示すTFCC縫合用手術ユニットを用いたTFCCの縫合作業を説明する模式図である。 図1に示すTFCC縫合用手術ユニットを用いたTFCCの縫合作業を説明する模式図である。 図1に示すTFCC縫合用手術ユニットを用いたTFCCの縫合作業を説明する模式図である。 図1に示すTFCC縫合用手術ユニットを用いたTFCCの縫合作業を説明する模式図である。 図1に示すTFCC縫合用手術ユニットを用いたTFCCの縫合作業を説明する模式図である。 図1に示すTFCC縫合用手術ユニットにおけるガイドパイプ部の湾曲部分の一部とメニスカススティチャーの先端側の部分とを拡大して示す図である。 図1に示すTFCC縫合用手術ユニットにおいて、縫合糸が挿通されているガイドパイプ部の挿通孔にメニスカススティチャーが挿通された状態におけるガイドパイプ部の湾曲部分の断面を示したものである。
以下、本考案を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本考案は、三角繊維軟骨複合体(TFCC:Triangular fibrocartilage complex)を縫合糸によって縫合する手術において用いられるTFCC縫合用手術器具、及びそのTFCC縫合用手術器具を備えるTFCC縫合用手術ユニットとして広く適用することができるものである。
図1は、本考案の一実施の形態に係るTFCC縫合用手術ユニット1を示す図である。図1に示すTFCC縫合用手術ユニット1は、三角繊維軟骨複合体(以下、「TFCC」ともいう)を縫合糸によって縫合する手術において用いられる。一方、図2は、右手における橈骨100及び尺骨101の一部と、TFCC102と、舟状骨103と、月状骨104と、三角骨105とを模式的に示す図であって、右手の背側(甲側)から見た状態を示す図である。また、図3は、右手における橈骨100、尺骨101及びTFCC102について、図2の矢印A方向から(即ち、右手の手先側から)見た状態を模式的に示す図である。図2及び図3においては、TFCC102及び所定の骨(100、101、103、104、104、105)以外の人体組織の図示を省略している。尚、本実施形態では、右手のTFCC102の縫合が行われる場合を例にとって説明し、左手のTFCCの縫合については同様であるため、説明を省略する。
図2及び図3に示すように、TFCC102は、手首の衝撃を和らげる機能を果たす組織であり、尺骨101の手首関節部分の突起である尺骨茎状突起101aの周囲に配置されている。種々の原因によってTFCC102に断裂による損傷が発生した場合に、図1に示すTFCC縫合用手術ユニット1を用いてTFCC102を尺骨茎状突起101aの基部である尺骨茎状突起基部(以下、「Fovea」ともいう)101bに対して縫合する手術が行われることになる。
図1に示すように、TFCC縫合用手術ユニット1は、本考案の一実施の形態に係るTFCC縫合用手術器具2と、メニスカススティチャー3とを備えて構成されている。
図4は、メニスカススティチャー3についてその両端部分のみを切欠き状態で示す正面図である。図1及び図4に示すメニスカススティチャー3は、縫合糸が挿通される貫通孔3aが形成された孔あき鋼線(本実施形態における孔あき線材)として設けられている。このメニスカススティチャー3は、小径で細長く可撓性を有する針状の鋼材として形成されており、一方の端部に、上記のように、縫合糸挿通用の貫通孔3aが形成されている。また、メニスカススティチャー3の他方の端部である先端部3bは、鋭利な切っ先状に形成されている。メニスカススティチャー3は、後述するように、先端部3bから手に刺入されることになる。
尚、メニスカススティチャー3の貫通孔3aに挿通される縫合糸としては、種々の縫合糸を用いることができ、吸収性の縫合糸及び非吸収性の縫合糸のいずれであっても、また、天然素材の縫合糸及び合成素材の縫合糸のいずれであっても、また、マルチフィラメント及びモノフィラメントのいずれであっても用いることができる。非吸収性の合成素材で構成されてマルチフィラメントタイプのものであれば、例えば、ポリエステル製の縫合糸や、ナイロン製の縫合糸等を用いることができる。
図5は、TFCC縫合用手術器具2を示す正面図である。また、図6は、図5の一部拡大図である。図1、図5及び図6に示すTFCC縫合用手術器具2は、ガイドパイプ部11とハンドル部12とを備えて構成されている。
図5及び図6によく示すように、ガイドパイプ部11は、長手方向に沿って縫合糸が挿通される挿通孔13(図5及び図6において破線で図示)が設けられた管状に形成されている。そして、ガイドパイプ部11の挿通孔13は、貫通孔3aに縫合糸が挿通されたメニスカススティチャー3が挿通可能に構成されている。また、ガイドパイプ部11の先端部14は、手に刺入されてTFCC102に当接した状態に配置される。尚、ガイドパイプ部11は、円管状に形成されており、その円形断面の外径の直径寸法は、ガイドパイプ部11が手に刺入されたときの手の刺入部の創を考慮し、5mm以下に設定される。
また、ガイドパイプ部11には、その長手方向に沿って設けられる湾曲部分11aと直線部分11bとが備えられている。湾曲部分11aは、ガイドパイプ部11における先端側に配置され、ガイドパイプ部11の長手方向において湾曲して形成された部分として設けられている。図6において矢印Rで示す湾曲部分11aの曲率半径Rは、25mm以上で45mm以下の範囲の半径寸法となるように設定されている。直線部分11bは、湾曲部分11aに連続して形成されるとともに湾曲部分11aに対して接線方向に沿って直線状に延びるように形成された部分として設けられている。尚、挿通孔13は、湾曲部分11aから直線部分11bに亘って連続してガイドパイプ部11の長手方向に貫通するように形成されており、先端部13は湾曲部分11aの端部として設けられている。
図5及び図6に示すように、ハンドル部12は、軸状の部分として設けられており、パイプ支持軸12aとグリップ12bとを備えて構成されている。パイプ支持軸12aは、ガイドパイプ部11を支持する真っ直ぐな丸棒状に形成されており、端部に形成された孔15にガイドパイプ部11の直線部分11bが貫通した状態で固定されている。また、グリップ12bは、パイプ支持軸12aに対して、孔15が設けられる側と反対側の端部において同方向で直列に固定され、術者による把持操作が可能な部分として設けられている。そして、グリップ12bは、パイプ支持軸12aよりも径寸法が大きくなるように形成され、外周には、周方向に亘って延びる深さの浅い溝が複数形成され、術者による把持操作を容易にするように構成されている。このように、ハンドル部12は、ガイドパイプ部11に対して固定された状態で結合されて把持操作が可能な部分として設けられている。
また、図6によく示すように、TFCC縫合用手術器具2においては、ハンドル部12が軸状に延びる方向であるハンドル軸方向P1(図中において両端矢印を付した一点鎖線P1で示す方向)と、湾曲部分11aが湾曲して延びる方向である湾曲方向P2(図中において両端矢印を付した一点鎖線P2で示す方向)とが、同一の平面に沿って配置されている。また、ハンドル軸方向P1と、直線部分11bが直線状に延びる方向P3(図中において両端矢印を付した一点鎖線P3で示す方向)とは、垂直に交差して配置されている。
次に、TFCC縫合用手術ユニット1を用いることによってTFCC102がFovea101bに対して縫合される手術について説明する。この手術は患者の体位が仰臥位で行われ、患者の上腕は手台に乗せられて駆血帯が装着され、更に、抑制帯でその上腕が手台に固定される。そして、示指、中指に牽引装具が装着され、垂直方向に牽引されて橈骨手根関節が十分に広げられる。牽引装具による牽引の程度は、5kgから7kg程度の牽引力で、中手指節間関節にやや凹みができる程度に設定される。また、患者の手関節については、回内(内ひねり)及び回外(外ひねり)ともに自由に動かせる状態に設定される。
図7は、右手の一部についてその背側から見た伸筋腱等の配置を示す模式図である。上述した状態において、手術が開始される。手術では、まず、麻酔下で遠位橈尺関節のゆるみが確認される。術者は、図7において破線で示す3−4portal(114)から関節鏡を刺入し、関節内の所見を十分に観察する。次いで、図7において破線で示す4−5portal(115)からprobingし(探り針で探り)、TFCC102の実質部の弾力性を確認する。尚、このとき、組織を切除しながら吸引する手術器具であるシェーバーを用いて吸引を行うと、TFCC102において丸く凹んだ領域であるRecess(凹所)102a(図2及び図3参照)の背側橈側のいわゆるFovea付着部が浮き上がってくる所見が得られることになる。また、DRUJ鏡(遠位橈尺関節鏡)を用いるとFovea101bでの断裂がよくわかることになる。Fovea101bの部分は比較的新鮮例では断裂部が見えるが、多くの症例では一見靭帯と思われるFovea101bに向かう繊維様瘢痕が認められ、probe(探り針)で引っ張ると容易に裂けてしまうことになる。この部分をシェーバーや関節鏡用やすりでdebridement(創面切除)する。
ここで、上記の3−4portal(114)及び4−5portal(115)の位置について説明する。図7に示すように、手首の内部の背側においては、筋膜によって第1から第6までの6つのコンパートメントに区画されている。第1コンパートメントには、長母指外転筋腱106及び短母指伸筋腱107が配置されている。第2コンパートメントには、長橈側手根伸筋腱108及び短橈側手根伸筋腱109が配置されている。第3コンパートメントには、長母指伸筋腱110が配置されている。第4コンパートメントには、総指伸筋腱111が配置されている。第5コンパートメントには、小指伸筋腱112が配置されている。第6コンパートメントには、尺側手根伸筋腱113が配置されている。そして、3−4portal(114)は、第3コンパートメントと第4コンパートメントとの間の領域となる。また、4−5portalは、第4コンパートメントと第5コンパートメントとの間の領域となる。
前述のように、TFCC102の状態が確認されると、次に、TFCC縫合用手術ユニット1を用いたTFCC102のFovea101bに対する縫合作業が行われる。図8乃至図13は、TFCC縫合用手術ユニット1を用いた縫合作業を説明する模式図である。尚、図8乃至図13では、右手の一部について背側から見た状態を示しており、橈骨100、尺骨101及びTFCC102について破線で示している。
縫合作業は、3−4portal(114)から挿入された関節鏡による鏡視下で確認されながら行われる。そして、probe(探り針)が抜き取られた4−5portal(115)から、図8に示すように、TFCC縫合用手術器具2のガイドパイプ部11の先端部14が刺入されてその先端部14がTFCC102に当接した状態で配置される。このとき、ガイドパイプ部11の先端部14は、Recess102aのやや橈側、背側に当てられる。尚、図8では、TFCC102がFovea101bに対して付着しておらず断裂した状態を示している。
ガイドパイプ部11の先端部14が手に刺入されてTFCC102に当接するよう配置されると、次いで、図9に示すように、縫合糸116が貫通孔3aに挿通されたメニスカススティチャー3がガイドパイプ部11の挿通孔13に挿通される。尚、縫合糸116としては、例えば、直径が0.3mmから0.339mmまでの範囲のものでポリエステル製で非吸収性の編み糸が用いられる。
図14は、ガイドパイプ部11の湾曲部分11aの一部とメニスカススティチャー3の先端側の部分とを拡大して示す図である。この図14に示すように、メニスカススティチャー3がガイドパイプ部11の挿通孔13に挿通されると、メニスカススティチャー3の
先端部3bは、挿通孔13に沿って進行方向を変化させながら移動することになる。即ち、湾曲部分11aの曲率半径が25mm以上に設定されているため、メニスカススティチャー3の先端部3bは、湾曲部分11aにおける挿通孔13の内周面に引っ掛かることなく、ガイドパイプ部11の先端部14に向けてスムーズに移動することになる。
メニスカススティチャー3の先端部3bがガイドパイプ部11の先端部14に達すると、その先端部3bは、ガイドパイプ部11からFove101bに向けて刺入される。そして、先端部3bが尺骨101を通過して皮膚上に突き出され(図9参照)、皮膚の外へメニスカススティチャー3が引き抜かれる。これにより、図10に示すように、1本の縫合糸116がTFCC102とFovea101bとを貫通した状態となる。
尚、ガイドパイプ部11には湾曲部分11aが形成されているため、術者が患者の手に対して刺入させ易い方向に挿通孔13の開口方向が配置される。そして、湾曲部分11aに沿ってメニスカススティチャー3の進行方向がスムーズに変更され、更に、Fovea101b及び尺骨101を貫通して皮膚上に突き出すようにメニスカススティチャー3が通過していくことになる。このため、術者は、メニスカススティチャー3をガイドパイプ部11に沿って通過させた後にTFCC102とFovea101bとを通過させる作業をスムーズに行うことができる。
また、上述のように、1本の縫合糸116がTFCC102とFovea101bとを貫通した状態になると、次に、図10に示すように、その縫合糸116におけるTFCC102を貫通している側と反対側でガイドパイプ部11から外に露出している部分が、メニスカススティチャー3の貫通孔3aに挿通される。次いで、このメニスカススティチャー3が、再び、ガイドパイプ部11の挿通孔13に挿通される。
尚、図15(a)は、縫合糸116が挿通されているガイドパイプ部11の挿通孔13に再びメニスカススティチャー3が挿通された状態における湾曲部分11aの断面を示したものである。また、図15(b)は、図15(a)に示す断面における湾曲部分11a、縫合糸116及びメニスカススティチャー3の寸法関係を説明するための図である。縫合糸116が挿通された挿通孔13に再びメニスカススティチャー3が挿通されると、図15(a)に示すように、挿通孔13内では、縫合糸116とメニスカススティチャー3とがガイドパイプ部11の長手方向に沿って並んで配置されることになる。
ガイドパイプ部11の湾曲部分11aが曲げ加工により形成されている場合、加工時の変形によって、挿通孔13の断面形状は楕円状の形状となる。そして、挿通孔13の断面形状が楕円形状の場合、図15(b)に示すように、湾曲部分11aにおける挿通孔13の内周に接する仮想の内接円16(図中において二点鎖線で示す円)の直径寸法D1(図中において両端矢印D1で示す寸法)は、楕円断面形状の短軸の長さとなる。また、図15(b)においては、縫合糸116における長手方向と垂直な断面の直径寸法D2(図中において両端矢印D2で示す寸法)及びメニスカススティチャー3における長手方向と垂直な断面の直径寸法D3(図中において両端矢印D3で示す寸法)についても示している。図15(b)では、縫合糸116及びメニスカススティチャー3の断面が挿通孔13の楕円断面の短軸方向に沿って配置された状態を示している。この図15(b)によく示すように、TFCC縫合用手術ユニット2においては、湾曲部分11aにおける挿通孔13の内周に接する内接円16の直径寸法D1が、挿通孔13に挿通された縫合糸116及びメニスカススティチャー3の断面の直径寸法の和(D2+D3)よりも大きくなるように設定されている(即ち、D1>D2+D3となるように設定されている)。このため、図15(b)中において両端矢印Cで示すように、挿通孔13の内周面と、縫合糸116及びメニスカススティチャー3との間のクリアランス(隙間)寸法Cが確保されることになる。
上記のように、メニスカススティチャー3は、挿通孔13に縫合糸116が一旦挿通された状態で、再び、挿通孔13に挿通される。そして、図11に示すように、そのメニスカススティチャー3の先端部3bがガイドパイプ部11からFovea101bに向けて刺入され、更に、尺骨101を通過して皮膚上に突き出されて皮膚の外へメニスカススティチャー3が引き抜かれる。
尺骨101を再度通過したメニスカススティチャー3が皮膚の外へ引き抜かれると、図12に示すように、ガイドパイプ部11内でループを形成した1本の縫合糸116が、突き出した皮膚から所定の長さだけ引き出される。これにより、図13に示すように、関節内でループを形成した1本の縫合糸116の両端側がTFCC102とFovea101bとを貫通した状態を形成することができ、TFCC102をFovea101bに縫合することができる。
尚、1本の縫合糸116の両端側がTFCC102とFovea101bとを貫通した状態になると、縫合糸116の両端側が皮膚から突き出している箇所に約1cm程度の長さの皮切が加えられる。そして、尺側手根伸筋や尺骨神経背側枝をよけて、尺骨骨膜上で縫合が行われる。このとき、牽引装具が緩められる。尚、上記の皮切については、メニスカススティチャー3を通過させる前に予め加えておくと、よりスムーズに手術を行うことができる。
上述のようにして、TFCC縫合用手術ユニット1を用いたTFCC102のFovea101bへの縫合作業が行われる。そして、例えば、図8乃至図13に基づいて説明した上記の縫合作業は2度行われ、縫合箇所が2箇所設けられる。
以上説明したTFCC縫合用手術ユニット1及びTFCC縫合用手術器具2によると、先端部3bをTFCC102に当接させたガイドパイプ部11に対して、縫合糸116を通したメニスカススティチャー3を挿通させることで、従来のように複数の注射針を用いた作業のような複雑な作業や困難な作業を行うことなく、鏡視下で、TFCC102をFovea101bに縫合することができる。また、ガイドパイプ部11の挿通孔13に沿った一方向の刺入による縫合が可能となるため、より容易な縫合作業を実現することができる。そして、TFCC102に対して尺骨101と反対側である遠位側からメニスカススティチャー3を刺入する縫合作業が可能となるため、より手術の安全性を向上させることができる。また、従来のように注射針内で1本目の縫合糸のループの孔から2本目の縫合糸が抜けてしまうような状態が生じることもないため、手術の手間と時間とを削減することができる。更に、従来のように注射針の先端部をTFCC102に対して貫通させることがないため、近傍の靭帯が傷つけられてしまうことも防止できる。
従って、TFCC縫合用手術ユニット1及びTFCC縫合用手術器具2によると、鏡視下でTFCC102をFovea101bに縫合する作業の複雑さ及び困難さを大幅に低減することができるとともに、手術の手間と時間とを削減でき、近傍の靭帯が傷つけられてしまうことを防止することができる。
また、TFCC縫合用手術ユニット1及びTFCC縫合用手術器具2によると、ガイドパイプ部11の湾曲部分11aの曲率半径が、25mm以上45mm以下に設定されている。これにより、術者は、メニスカススティチャー3を挿入し易い方向からガイドパイプ部11に挿入して挿通孔13に沿って引っ掛かりを発生させずに通過させ、Fovea101b及び尺骨101を貫通させて皮膚上に突き出させる作業をよりスムーズ且つ確実に行うことができる。尚、湾曲部分11の曲率半径が25mm以上に設定されていることによって、ガイドパイプ部11の内周面とメニスカススティチャー3の先端部3bとの接触
による引っ掛かりの発生を防止できる。また、湾曲部分11aの曲率半径が45mm以下に設定されていることによって、術者がメニスカススティチャー3を刺入させ易い方向に開口するとともにFovea101b及び尺骨101を貫通させるようにスムーズに通過させるガイドパイプ部11を実現することができる。
また、TFCC縫合用手術ユニット1及びTFCC縫合用手術器具2によると、ガイドパイプ部11に固定された把持操作用のハンドル部12が更に設けられている。このため、ガイドパイプ部11の先端部14を手に刺入させてTFCC102に当接させた状態に配置する作業を行う際に、術者は、ハンドル部12を把持操作することでガイドパイプ部11の向きや位置を所望の状態に容易に移動させることができる。そして、ガイドパイプ部11の先端部14が手に刺入された状態においても、ハンドル部12とガイドパイプ部11との位置関係に基づいて、ガイドパイプ部11の先端部14の位置や向きを確認することができる。
また、TFCC縫合用手術ユニット1及びTFCC縫合用手術器具2によると、ハンドル軸方向P1とガイドパイプ部11の湾曲方向P2とが同一の平面に沿って配置される。これにより、ガイドパイプ部11の挿通孔13を通過するメニスカススティチャー3は、術者が把持しているハンドル部12の軸方向P1と同一平面に沿って進行することになるため、術者は、挿通作業中のメニスカススティチャー3の先端部3bがガイドパイプ部11の先端部14から突き出す方向を想定し易くなる。このため、より操作性を向上させることができる。
また、TFCC縫合用手術ユニット1及びTFCC縫合用手術器具2によると、ガイドパイプ部11において湾曲部分11aに連なって設けられる直線部分11bの方向P3と、ハンドル軸方向P1とが、垂直に交差するように配置される。このため、手に刺入された湾曲部分11aからその接線方向に延びる直線部分11bに対してハンドル軸方向P1が同一平面内で垂直に配置されることになり、ハンドル軸方向P1が、患者の手が延びる方向と略平行な方向に沿って配置されることになる。これにより、術者は、患者の手が延びる方向と略平行な方向でハンドル部12を把持しながら患者の手に向かって略垂直な方向に沿ってメニスカススティチャー3を繰り出しながらガイドパイプ部11に挿入でき、更に、メニスカススティチャー3の先端部3bがガイドパイプ部11の先端部14から突き出す方向を容易に想定することができる。よって、操作性を更に向上させることができる。
また、TFCC縫合用手術ユニット1によると、挿通孔13の内周に接する内接円16の直径寸法D1が最も小さくなる湾曲部分11aにおいて、その直径寸法D1が、縫合糸116及びメニスカススティチャー3の直径寸法の和(D2+D3)よりも大きくなるように設定される。このため、挿通孔13に縫合糸116とメニスカススティチャー3とが両方挿通されている状態においても、挿通孔13の内周面と、縫合糸116及びメニスカススティチャー3との間のクリアランス(隙間)が確実に確保されることになる。これにより、挿通孔13に縫合糸116が挿通された状態で再度メニスカススティチャー3を挿通孔13に挿通させる作業を更にスムーズに行うことができる。
以上、本考案の実施形態について説明したが、本考案は上述の実施の形態に限られるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)本実施形態では、湾曲部分とこの湾曲部分の接線方向に連続する直線部分とを有するガイドパイプ部を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよく、ガイドパイプ部の形状については、変更して実施してもよい。例えば、曲率半径の異なる複数の湾
曲部分が連続するガイドパイプ部が設けられるものであってもよい。
(2)本実施形態では、軸状のハンドル部がガイドパイプ部の直線部分に対して垂直に固定された場合を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよく、ハンドル部の形状や配置については、変更して実施してもよい。
(3)本実施形態では、メニスカススティチャーが孔あき鋼線として形成されている場合を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよく、メニスカススティチャーが鋼線以外の孔あき線材として形成されているものであってもよい。
本考案は、三角繊維軟骨複合体(TFCC)を縫合糸によって縫合する手術において用いられるTFCC縫合用手術器具、及びそのTFCC縫合用手術器具を備えるTFCC縫合用手術ユニットとして、広く適用することができるものである。
2 TFCC縫合用手術器具
3 メニスカススティチャー
3a 貫通孔
11 ガイドパイプ部
11a 湾曲部分
13 挿通孔
14 先端部
102 三角繊維軟骨複合体(TFCC)
116 縫合糸

Claims (7)

  1. 三角繊維軟骨複合体(TFCC)を縫合糸によって縫合する手術において用いられるTFCC縫合用手術器具であって、
    長手方向に沿って縫合糸が挿通される挿通孔が設けられた管状に形成されるとともに、先端部が手に刺入されて三角繊維軟骨複合体に当接した状態に配置されるガイドパイプ部を備え、
    前記ガイドパイプ部は、長手方向において湾曲して形成された湾曲部分を有するとともに、前記挿通孔において、縫合糸が挿通される貫通孔が形成された孔あき線材であるメニスカススティチャーが挿通されることを特徴とする、TFCC縫合用手術器具。
  2. 請求項1に記載のTFCC縫合用手術器具であって、
    前記湾曲部分の曲率半径が25mm以上で45mm以下の範囲に設定されていることを特徴とする、TFCC縫合用手術器具。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のTFCC縫合用手術器具であって、
    前記ガイドパイプ部に対して固定された状態で結合されて把持操作が可能なハンドル部が更に備えられていることを特徴とする、TFCC縫合用手術器具。
  4. 請求項3に記載のTFCC縫合用手術器具であって、
    前記ハンドル部は軸状の部分として設けられ、
    前記ハンドル部が軸状に延びる方向であるハンドル軸方向と、前記湾曲部分が湾曲して延びる方向である湾曲方向とが、同一の平面に沿って配置されていることを特徴とする、TFCC縫合用手術器具。
  5. 請求項4に記載のTFCC縫合用手術器具であって、
    前記ガイドパイプ部は、前記湾曲部分に連続して形成されるとともに当該湾曲部分に対して接線方向に沿って直線状に延びるように形成された直線部分を更に有し、
    前記ハンドル軸方向と前記直線部分が直線状に延びる方向とが垂直に交差して配置されていることを特徴とする、TFCC縫合用手術器具。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のTFCC縫合用手術器具と、
    縫合糸が挿通される貫通孔が形成された孔あき線材であるメニスカススティチャーと、
    を備え、
    前記メニスカススティチャーは、前記TFCC縫合用手術器具において管状に形成されたガイドパイプ部に設けられて縫合糸が挿通される挿通孔において挿通されることを特徴とする、TFCC縫合用手術ユニット。
  7. 請求項6に記載のTFCC縫合用手術ユニットであって、
    前記ガイドパイプ部は、長手方向において湾曲して形成された湾曲部分を有し、
    前記湾曲部分における前記挿通孔の内周に接する内接円の直径寸法が、前記挿通孔に挿通された前記縫合糸及び前記メニスカススティチャーの長手方向と垂直な断面における直径寸法の和よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする、TFCC縫合用手術ユニット。
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