人の手指と手首に対応付けて設けられたリングを介して人の手指と手首に装着し、手指と手首に対する各装着用リング間を連結部材で連結して手指、手首若しくは手甲を飾ることができるようにした装身具としては、下記特許文献1〜5に示されたものがある。
下記特許文献1には、1つの小リングと大リングを1本の金属製チェーンで連結し、小リングを手指に装着し、大リングを手首に装着するようにした手飾り具が示されている。
下記特許文献2には、3つの小リングのそれぞれと1つの大リングを合計3本の金属製チェーンで連結し、各小リングを複数の手指に装着し、大リングを手首に装着するようにしたブレスレットが示されている。
下記特許文献3には、3つの小リングのそれぞれと1つの大リングを合計3本の金属製チェーンで連結し、かつ、各チェーン間を何本かの短いチェーンで連結し、各小リングを複数の手指に装着し、大リングを手首に装着するようにしたブレスレットが示されている。
下記特許文献4には、1つの指輪とブレスレットとの間を3本の金属製チェーンで連結し、指輪を手指に装着し、ブレスレットを手首に装着するようにした指輪付ブレスレット・アクセサリーが示されている。
下記特許文献5には、腕時計バンド式に巻径を調節できるように構成したブレスレットと指輪の間を三角形状の伸縮性シート素材からなる手甲装飾部で連結し、指輪を手指に装着し、大リングを手首に装着するようにした手甲用装飾品が示されている。
下記特許文献6〜10には、使用者の手の甲又は足の甲を飾る装飾品についての発明若しくは考案が示されている。
上述した各従来技術にあっては、指に取り付ける小リングと手首に取り付ける大リングとの間を連結する連結部材は、固定の長さからなっており、どんなサイズの手にも合わせることができるようにはなっていなかった。
また、小リング、大リング、連結部材は別々の部品からなっていたため、部品点数が多く、コスト高の原因となる。また、装身具としての美観の面でも、統一性に欠けることもあった。
更に、指に取り付ける小リングと手首に取り付ける大リングとの間を連結する連結部材は、手の甲を飾るための主体であるにも拘わらず、連結部材それ自体(例えばチェーンそれ自体)の材質又は形状のみによってしか装飾性を表現することができなかった。そのため、本格的な手の甲を飾るための装飾具として実用性に優れたものは従来存在していなかった。
本考案は上述の点に鑑みてなされたもので、人の手指と手首(又は足指と足首でもよい)に装着し、手指と手首間の手甲(又は足甲でもよい)を飾ることができるようにした装身具において、構成部品点数の少ないシンプルな構造を提供すること、種々の異なるサイズに容易に調整できるようにすること、及び、豊かな装飾性を表現できるようにするための構造を提供すること、のいずれか少なくとも1つを達成できるようにすることを目的とする。
請求項1に係る本考案の装身具は、柔軟かつ細長の長尺部材と、前記長尺部材の両端寄りの部位同士を連結して該長尺部材をループ状に形成する第1の留め具と、前記ループ状に形成された長尺部材の2箇所の部位同士を連結する第2の留め具であって、前記第1の留め具と該第2の留め具との間の前記長尺部材の部分によって第1のリング部を形成する前記第2の留め具と、前記ループ状に形成された長尺部材のうち前記第1のリング部以外の2箇所の部位同士を連結して、端部寄りに第2のリング部を形成する第3の留め具とを備え、前記第2及び第3の留め具が使用者の手又は足の甲の側に位置するように前記第1のリング部を使用者の手首又は足首に装着し且つ前記第2のリング部を同じ手又は足の指に装着する装身具であって、前記第1及び第2の留め具が前記長尺部材に対する止め位置をそれぞれ可変しうる構成からなり、前記第1のリング部を使用者の手首又は足首に通し且つ前記第2のリング部を同じ手又は足の指に掛けた状態で前記第1の留め具の止め位置を調整することにより、当該装身具が使用者の手又は足に密着するように装着できることを特徴とする。例えば、これは図1の実施例に対応する。
これによれば、前記第2及び第3の留め具が使用者の手又は足の甲の側に位置するように前記第1のリング部を使用者の手首(又は足首)に装着し且つ前記第2のリング部を同じ手(又は足)の指に装着することで、前記第1のリング部と前記第2のリング部との間の前記長尺部材部分が使用者の手(又は足)の甲に配置されることとなり、この長尺部材部分で使用者の手(又は足)の甲を飾ることができる。ここで、前記第2の留め具のみならず前記第1の留め具が前記長尺部材に対する止め位置を可変しうる構成からなり、前記第1のリング部を使用者の手首又は足首に通し且つ前記第2のリング部を同じ手又は足の指に掛けた状態で前記第1の留め具の止め位置を調整することにより、当該装身具が使用者の手又は足に密着するように装着できるので、装着しやすく、また、装着後に手又は足をどのように動かしても本装身具が外れることがなく、機能性に優れている。また、全体として、1連の柔軟な長尺部材と、複数の留め具とで構成されているので、手(又は足)の甲を飾る装身具において、構成部品点数の少ないシンプルな構造を提供することができる、という効果を奏する。また、1連の柔軟な長尺部材(例えば貴金属製チェーン)で第1及び第2のリング部とその間の連結部を含む全体が構成されるので、統一性が取れることで装身具としてのデザイン性に優れ、美観向上に寄与する。
また、前記第2の留め具が、前記長尺部材に対する止め位置を可変しうるものであることにより、使用者の手首(又は足首)に掛けられた前記第1のリング部の根元(第2の留め具の位置)から同じ手(又は足)の指に掛けられた前記第2のリング部までの前記長尺部材部分の長さを調整することができることとなり、使用者の手(又は足)の甲のサイズに合わせたサイズ調整を容易に行うことができる、という効果を奏する。また、前記第1の留め具の可変調整と相まって、該第2の留め具を可変調整することにより、当該装身具が使用者の手又は足により一層フイットするように装着できる。
一例として、前記第3の留め具は、前記長尺部材に対する止め位置を可変しうるものである。これにより、指に掛けられる前記第2のリング部のサイズを可変調整することができ、使用者の指のサイズに合わせた調整を容易に行うことができるようになる。
また、前記第1の留め具が前記長尺部材に対する止め位置を可変しうるものであることにより、手首(又は足首)に掛けられる前記第1のリング部のサイズを可変調整することができ、使用者の手首(又は足首)のサイズに合わせた調整を容易に行うことができるようになる。また、第1の留め具の止め位置の調整により、長尺部材のループサイズを調整することができ、第1及び第2のリング部が柔軟性を持つことと相俟って、結果的に、使用者の手(又は足)の甲のサイズに合わせた調整を行うことができることにもなる。
本考案の一実施態様によれば、前記第1のリング部と前記第2のリング部との間の前記長尺部材の任意の部位においてその止め位置を可変しうるように少なくとも1つの追加の留め具を更に備え、該追加の留め具には飾り部品が取り付けられていること特徴とする。前記第1のリング部と前記第2のリング部との間の前記長尺部材の部分は、使用者の手(又は足)の甲を飾る部分であり、この部分に飾り部品が取り付けらた追加の留め具を配置したことにより、使用者の手(又は足)の甲を飾り部品によって飾ることができることとなり、豊かな装飾性を表現できるようにするための新規な構造を提供することができる、という効果を奏する。加えて、追加の留め具の止め位置を可変することにより、使用者の手(又は足)の甲における飾り部品の配置位置を使用者が自由に変更することができる、という効果を奏する。
本考案の別の一実施態様によれば、前記第1乃至第3の留め具の少なくとも1つには飾り部品が取り付けられていること特徴とする。このように各留め具に飾り部品が取り付けることにより、豊かな装飾性を表現できるようにするための新規な構造を提供することができる。
請求項3に係る本考案の装身具は、柔軟かつ細長の長尺部材と、前記長尺部材の両端寄りの部位同士を連結して該長尺部材をループ状に形成する第1の留め具と、複数の第2の留め具であって、該第2の留め具の各々が前記ループ状に形成された長尺部材の2箇所の部位同士をそれぞれ連結し、これにより1つの第1のリング部を形成すると共に該第1のリング部から枝状に延びた複数の第2のリング部を形成するものとを備え、前記第2の留め具が使用者の手又は足の甲の側に位置するように前記第1のリング部を使用者の手首又は足首に装着し且つ前記複数の第2のリング部を同じ手又は足の指に装着する装身具であって、前記第1及び第2の留め具が前記長尺部材に対する止め位置をそれぞれ可変しうる構成からなり、前記第1のリング部を使用者の手首又は足首に通し且つ前記複数の第2のリング部を同じ手又は足の指に掛けた状態で前記第1の留め具の止め位置を調整することにより、当該装身具が使用者の手又は足に密着するように装着できることを特徴とする。これによっても、前記請求項1に係る本考案と同様の効果を奏する。例えば、これは図6の実施例に対応する。
図1において、本考案の一実施例に係る装身具1は、1連の貴金属製のチェーン10と、複数の留め具21〜24と、そのうちのいくつかの留め具22〜24の上に取り付けた貴金属製の飾り部品32〜34とで構成されている。なお、図1においては、飾り部品32〜34が取り付けられた留め具22〜24は該飾り部品32〜34の下側に位置しているので見えていない。また、図示例では、各飾り部品32〜34は桜の花びらを模したデザインからなっているが、これに限らず、どのようなデザイン及び材質等からなるものであってもよいのは勿論である。
第1の留め具21は、チェーン10の両端寄りの部位同士を連結するためのものであり、該チェーン10をループ状に(エンドレスに)形成する。この例では、チェーン10の一端10aに第1の留め具21が容易には離脱しないように取り付けられており、この第1の留め具21内の円筒空間にチェーン10の他端10b寄りの部分が挿入されている。図中、番号10cは、2つ折りされたチェーン10の折点に該当する部位を参考のために示している。勿論、チェーン10は柔軟であるため、折点に該当する部位10cは固定された部位ではない。第1の留め具21は、スライド式留め具としてこの技術分野では公知のものであり、全体として1つの円筒形状を成した第1の留め具21の外側円筒は貴金属製であり、その内側にシリコン等の幾分の硬さと弾力性とを兼ね備えた素材からなる円筒部材が収納されている。留め具21内の円筒空間に挿入されたチェーン10の部分は、内側のシリコン円筒部材によって圧迫されることで、所定以上の大きな力が加えられない限りそのままの位置で止められる。例えば、使用者の手に装着する前に各部分のサイズを調整する場合は、取り扱い者の一方の手の指で留め具21を押さえて、他方の手の指で留め具21内の円筒空間に挿入されたチェーン10をつまんで矢印方向(長さ方向)に動かすことにより、留め具21に対してチェーン10が変位し、これにより、チェーン10に対する留め具21の止め位置を可変調整することができる。勿論、使用者の手に装着した状態においても、上記に準じたやり方で、各部分のサイズを適宜調整することができる。なお、チェーン10の他端10bには任意の飾り部品31が設けられており、この飾り部品31は飾り機能を果たすのみならず、チェーン10の他端10bが留め具21から外れることを防止するストッパーとしても機能する。
第2の留め具22は、上記のようにループ状に(エンドレスに)形成されたチェーン10の2箇所の部位同士を連結するためのものであって、これにより第1のリング部L1を形成する。図示の例では、第1の留め具21と該第2の留め具22との間のチェーン10の2本の部分によって第1のリング部L1が形成される。
図2は、留め具22を裏側から見た拡大斜視図である。この留め具22は、2つの円筒状のスライド式留め具22a,22bを隣接して平行配置してなり、これらのスライド式留め具22a,22bをフレーム22c内に収納して接着又はかしめ加工又はその他の手段によってフレーム22cに固定している。また、図2において裏面を見せている飾り部品32は接着等の手段によってフレーム22cに固定され、留め具22と飾り部品32とが一体化される。第2の留め具22における各スライド式留め具22a,22bは、前述の第1の留め具21と同様の構造からなっており、それぞれの円筒空間にチェーン10を挿入してなり、挿入されたチェーン10の部分は内側のシリコン円筒部材によって圧迫されることで、所定以上の大きな力が加えられない限りそのままの位置で止められる。例えば、取り扱い者の一方の手の指で留め具22を押さえて、他方の手の指で留め具22内の円筒空間に挿入されたチェーン10の2本の部分のうちの一方又は両方をつまんで矢印方向(長さ方向)に動かすことにより、留め具22に対してチェーン10が変位し、これにより、チェーン10に対する留め具22の止め位置を可変調整することができる。
第3の留め具23は、上記のようにループ状に(エンドレスに)形成されたチェーン10のうち前記第1のリング部L1以外の2箇所の部位同士を連結するためのものであって、これにより第2のリング部L2を形成する。図示の例では、該第3の留め具23とチェーン10の折り返し(10c)との間の該チェーン10の部分によって第2のリング部L2が形成される。第3の留め具23の構造は、上述した第2の留め具22と同様であり、フレーム内に2つの円筒状のスライド式留め具を隣接して平行配置し、かつ上面に飾り部品33を取り付けてなる。こうして、チェーン10に対する第3の留め具23の止め位置を可変調整することができる。
第4の留め具24は、オプションとして追加的に設けられるものであり、第1のリング部L1と第2のリング部L2との間のチェーン10の2箇所の部位同士を連結する。第4の留め具24の構造は、上述した第2の留め具22と同様であり、フレーム内に2つの円筒状のスライド式留め具を隣接して平行配置し、かつ上面に飾り部品34を取り付けてなる。こうして、チェーン10に対する第4の留め具24の止め位置を可変調整することができる。この第4の留め具24は、手(又は足)の甲を飾り部品34で飾るための飾り部品取り付け構造として機能するものであり、かつ、その止め位置を可変調整できることにより、手(又は足)の甲を飾るための飾り部品34の配置を使用者が自由に変更できる、という優れた機能を提供するものである。なお、第4の留め具24のような追加の留め具は1個に限らず、複数個設けてもよい。あるいは、そのような追加の留め具24を省略してもよい。また、第4の留め具24の構造は、チェーン10の2箇所の部位同士を連結する構造に限らず、チェーン10の1箇所の部位でのみ任意に止めることができるような構造(つまり、1つの円筒状のスライド式留め具からなる構造)であってもよい。
一例として、この実施例に係る装身具1は手の甲を飾るためのものである。この装身具1の身体への装着法について説明する。まず、チェーン10に対する第2の留め具22の止め位置を可変調整することで、第1のリング部L1と第2のリング部L2との間のチェーン10の部分の長さを使用者の手の甲のサイズに合わせて調整することができる。つまり、図1において、概ね、折点10cから第2の留め具22までの長さを該第2の留め具22の止め位置を調整することで可変することができ、これにより、使用者の手の甲のサイズに合わせたサイズ調整をすることができる。また、第1の留め具21の止め位置を適宜調整することで第1のリング部L1のサイズを、使用者の手首サイズに合わせることができる。また、第3の留め具23の止め位置を適宜調整することで第2のリング部L2のサイズを、使用者の手指のサイズに合わせることができる。こうして、各留め具の止め位置調整を行った上であるいは行いつつ、図3に示すように、第1のリング部L1を使用者の手首に装着し、第2のリング部L2を同じ手のいずれかの指(例えば人指し指)に装着する。これにより、第2乃至第4の留め具22〜24に取り付けられた複数の飾り部品32〜34で使用者の手の甲を飾ることができ、かつ、それらの飾り部品32〜34の配置を自由に動かすことができる。なお、上記とは逆に、第1のリング部L1を指に装着し、第2のリング部L2を手首に装着してもよく、そのような使用形態も本考案の範囲に含まれる。つまり、「第1」と「第2」の関係を逆にしても考案の要旨は変わらない。
上記実施例においては、全ての留め具21〜24がチェーン10に対する止め位置を可変できるものとしているが、その全部又は一部のチェーン10に対する止め位置が可変できない(固定されている)ものであってもよい。例えば、全ての留め具21〜24がチェーン10に対する止め位置を可変できない(固定されている)構成にあっては、全体として、1連の柔軟な長尺部材(チェーン10)と、複数の留め具とで構成されているので、手(又は足)の甲を飾る装身具において、構成部品点数の少ないシンプルな構造を提供することができる、という効果を奏する。また、1連の柔軟な長尺部材(チェーン10)で第1及び第2のリング部L1,L2とその間の連結部を含む全体が構成されるので、統一性が取れることで装身具としてのデザイン性に優れ、美観向上に寄与する、という効果を奏する。また、第1の留め具21を除く他の留め具22〜24がチェーン10に対する止め位置を可変できない(固定されている)にあっては、第1の留め具21の止め位置調整によって、チェーン10が構成するループの全体的サイズを調整することができ、第1及び第2のリング部L1,L2が柔軟性を持つことと相俟って、結果的に、使用者の手(又は足)の甲のサイズに合わせた調整を行うことができる、という効果を奏する。別の例として、第3の留め具23がチェーン10に対する止め位置が可変できない(固定されている)ものとする一方で、少なくとも第2の留め具22がチェーン10に対する止め位置を可変しうる構成としてもよく、その場合も、第1のリング部L1と第2のリング部L2との間のチェーン10の部分の長さを使用者の手の甲のサイズに合わせて可変できるようにする、という効果を奏する。つまり、使用者の手首に掛けられた第1のリング部L1の根元の位置(第2の留め具22の位置)を調整することで、該第1のリング部L1の根元の位置(第2の留め具22の位置)をから同じ手(又は足)の指に掛けられた第2のリング部L2までの前記長尺部材部分の長さを調整することができるので、使用者の手(又は足)の甲のサイズに合わせたサイズ調整を行うことができる。
上記第1実施例では、第1のリング部L1を形成するための留め具22と第2のリング部L2を形成するための留め具23とが別々に設けられているが、両者を(第4の留め具24を含めて)一体化してもよい。図4はそのような変更例を第2実施例として示すものである。
図4において、第1の留め具21は、図1の実施例と同様に、一連のチェーン10の両端寄りの部位同士を連結して該チェーン10をループ状に形成する。第2の留め具25は、ループ状に形成されたチェーン10の2箇所の部位同士を連結し、第1の留め具21と該第2の留め具25との間のチェーン10の部分によって第1のリング部L1を形成し、前記ループ状に形成されたチェーン10の残りの部分によって第2のリング部L2を形成する。すなわち、図4の例では、図1における第3及び第4の留め具23,24が省略されている。第2の留め具25の上面には、手(又は足)の甲を飾るための飾り部品35が取り付けられている。図示例では、第2の留め具25に取り付けられる飾り部品35は、図1に示した3つの飾り部品32,33,34を寄せ集めて一体化したものからなっているが、これに限らず、どのような飾り部品を取り付けてもよい。第1及び第2の留め具21,25は、図1及び図2に示した第1及び第2の留め具21,22と同様に、チェーン10に対する止め位置を可変調整できる構造のものからなる。
図4に示す第2実施例に係る装身具40においても、図3と同様に、第1のリング部L1を使用者の手(又は足)首に掛け、第2のリング部L2を使用者の手(又は足)指に掛ける。勿論、その逆であってもよい。第2実施例に係る装身具40においては、第1の留め具21の止め位置調整によって、チェーン10が構成するループの全体的サイズを調整することができ、第1及び第2のリング部L1,L2が柔軟性を持つことと相俟って、結果的に、使用者の手(又は足)の甲のサイズに合わせた調整を行うことができる。また、第2の留め具25の止め位置調整によって、手(又は足)の甲を飾る飾り部品35の配置を、使用者が自由に可変でき、かつ、使用者の手(又は足)首のサイズに合わせた調整を行えることにもなる。
上述では第2の留め具25がチェーン10に対する止め位置を可変できるものとしているが、これに限らず、チェーン10に対する第2の留め具25の止め位置が可変できない(固定されている)ものであってもよい。その場合でも、全体として、1連の柔軟な長尺部材(チェーン10)と、1又は複数の留め具とで構成されているので、手(又は足)の甲を飾る装身具において、構成部品点数の少ないシンプルな構造を提供することができる、という効果を奏する。また、1連の柔軟な長尺部材(チェーン10)で第1及び第2のリング部L1,L2とその間の連結部を含む全体が構成されるので、統一性が取れることで装身具としてのデザイン性に優れ、美観向上に寄与する、という効果を奏する。
更に、図4に示す第2実施例に係る装身具40の変形例として、第1のリング部L1を形成する柔軟かつ細長の長尺部材(チェーン)と、第2のリング部L2を形成する柔軟かつ細長の長尺部材(チェーン)とを別体のチェーンで構成することも可能である。その場合、例えば、飾り部品35を取り付ける第2の留め具25の止め位置は固定されるようになっていてよい。すなわち、第2の留め具25の箇所で第1のリング部L1のチェーンと第2のリング部L2のチェーンとを連結する構造であつてもよい。ただし、少なくとも使用者の手(又は足)首に装着する方の第1のリング部L1のサイズを可変できるように、第1の留め具21を止め位置可変しうる構成とする。すなわち、このような第2実施例の変形例に係る装身具40は、柔軟かつ細長の長尺部材(チェーン10)によってそれぞれ形成され、互いに連結された第1及び第2のリング部L1,L2と、前記第1及び第2のリング部L1,L2の連結箇所に配置された飾り部品35と、前記第1のリング部L1のサイズを調整する手段(第1の留め具21)とを備え、前記第1のリング部L1を使用者の手首又は足首に装着し、前記第2のリング部L2を同じ手又は足の指に装着することを特徴とする。このような変形例によっても、上記第2実施例と同様に、第1の留め具21の止め位置調整によって、柔軟な第1及び第2のリング部L1,L2が構成する2つのループの連結体の全体的サイズを調整することができ、第1及び第2のリング部L1,L2が柔軟性を持つことと相俟って、結果的に、使用者の手(又は足)の甲のサイズに合わせた調整を行うことができる。
上記第1実施例では第1及び第2のリング部L1,L2の両方が一連の長尺部材(チェーン10)によって構成されているが、これに限らず、第1及び第2のリング部L1,L2の一方を長尺部材(チェーン10)によって構成し、他方を別の部品で構成するようにしてもよい。図5はそのような変更例を第3実施例として示すものである。
図5に示す第3実施例においては、本考案の装身具41は、チェーン10と、チェーン10とは別部品からなる第1のリング部LL1とを含んで構成されている。チェーン10、留め具21、22、24、飾り部品31、32、34は、図1に示したものと略同様の構造のものを用いており、指輪からなる第1のリング部LL1の輪の中にチェーン10が通されている。
図5において、第1の留め具21は、第1のリング部LL1にチェーン10を通した状態で該チェーン10の両端寄りの部位同士を連結しており、これにより、該チェーン10をエンドレスに(環状になるように)形成する。そして、第2の留め具22は、エンドレスに形成されたチェーン10の2箇所の部位同士を任意の位置において連結し、第2のリング部LL2を形成する。図示の例では、第1の留め具21と該第2の留め具22との間のチェーン10の2本の部分によって第2のリング部LL2が形成される。前述と同様に第2の留め具22はチェーン10に対する止め位置を可変しうるものであり、これにより、第1のリング部LL1と第2のリング部LL2との間のチェーン10の部分の長さを調整することができる。
図5の実施例においても、第1の留め具21の止め位置を適宜調整することで第2のリング部LL2のサイズを、使用者の手首サイズに合わせることができる。また、チェーン10に対する第2の留め具22の止め位置を可変調整することで、第1のリング部LL1と第2のリング部LL2との間のチェーン10の部分の長さを使用者の手の甲のサイズに合わせて調整することができる。第3実施例においては、第2のリング部LL2を使用者の手首に装着し、第1のリング部LL1を同じ手のいずれかの指(例えば人指し指)に装着する。これにより、第2の留め具22及び追加の留め具24に取り付けられた複数の飾り部品32、34で使用者の手の甲を飾ることができ、かつ、それらの飾り部品32、34の配置を自由に動かすことができる。なお、上記とは逆に、チェーン10とは別部品からなる第1のリング部LL1をブレスレットとして構成して手首に装着し、第2のリング部LL2を手指に装着するように変更してもよい。その場合、チェーン10とは別部品からなる第1のリング部LL1を、ブレスレット等において公知の構造を採用して、そのサイズを可変できるようにしてもよい。また、追加の留め具24は1個に限らず、複数個設けてもよいし、あるいは、追加の留め具24を省略してもよい。
上記第1実施例の変更例(第4実施例)として、図6に示すように、一連のチェーン10により、手首に装着される1つの第1のリング部L1と、複数の指のそれぞれに装着される複数の第2のリング部L2a,L2bを形成するようにしてもよい。
図6に示す装身具42においては、第1の留め具21は、チェーン10の両端寄りの部位同士を連結している。そして、複数の第2の留め具22a,22bによりチェーン10の2箇所の部位同士をそれぞれ任意の位置において順次連結し、各第2の留め具22a,22bを起点とした2列並びのチェーン10の腕(枝状の第2のリング部)をそれぞれ形成し、各腕の途中にそれぞれ追加の留め具(第4の留め具)24a,24bを配置すると共にその先端寄りにおいてそれぞれ第3の留め具23a,23bを配置し、該第3の留め具23a,23bでチェーン10の2箇所の部位を連結することで、チェーン10の各腕の先端において第2のリング部L2a,L2bを形成する。一方、第1の留め具21と複数の第2の留め具22a,22bとの間のチェーン10の部分によって1つの第1のリング部L1のみが形成される。第2乃至第4の留め具22a,22b,23a,23b,24a,24に対応して、図1と同様に、飾り部品32a,32b,33a,33b,34a,34bが取り付けられている。また、図1と同様に、各留め具21〜24bは、チェーン10に対するその止め位置を可変調整しうる構造からなっている。一連のチェーン10によって形成する腕の数つまり第2のリング部L2a,L2bの数は、2に限らず、それ以上であってもよい。この第4実施例においても、前記第1実施例に関して前述した変形例を全て適用してよい。すなわち、例えば、全ての留め具がチェーン10に対するその止め位置を可変できないように固定式であってもよいし、あるいは、一部の留め具がチェーン10に対するその止め位置を可変できないように固定式であってもよい。また、各腕A1,A2において、第3、第4の留め具23a,23b,24a,24bを省略し、第2の留め具22a,22bのみを設けるようにしてもよい。
前記第2及び第3実施例に関しても、上記第4実施例と同様の変更を適用することができる。第2実施例(図4)に対して適用する場合は、1個の第1のリング部L1を形成すると共に、複数の第2の留め具25により該第1のリング部L1から複数の第2のリング部L2の枝が延びるように形成する。第3実施例(図5)に対して適用する場合は、チェーン10とは別部品からなる指輪形状の第1のリング部LL1を複数設け、一連のチェーン10によりこれら複数の第1のリング部LL1を連結し、第2のリング部LL2は1つのみ形成し、この第2のリング部LL2から枝状に複数のチェーンの腕が各第1のリング部LL1に延びて、各第1のリング部LL1を通って係合するように構成する。
上記各実施例において、一連のチェーン10の両端寄りの部位同士を連結するための第1の留め具21は、図1に示したような1つの円筒状のスライド式留め具からなるものに限らず、第2乃至第4の留め具22〜24,25のように、2つの円筒状のスライド式留め具を併設したもので構成してもよい。
また、上記各実施例において、各留め具21〜24,25は、上述したような円筒状のスライド式留め具で構成されるものに限らず、他の如何なる構造の留め具を用いてもよい。
更に、チェーン10は、貴金属製に限らず、通常の金属製であってもよく、あるいは合成樹脂製又は金属以外の天然素材製であってもよい。
また、各実施例において、チェーン10に代えて、紐を用いてもよく、要は、柔軟かつ細長の長尺部材からなるものであればよい。紐の素材は、繊維、皮革など、どのようなものからなるものでもよい。繊維、皮革など圧縮可能な素材で紐を構成した場合、留め具としては金属製リングのようなシンプルな構造のものを用いることができる。つまり、紐をリングで圧迫して止める構造を採用することにより、シンプルな構造で止め位置を可変調整できる。また、飾り部品も貴金属に限らず、天然宝石、模造宝石など、どのようなものであってもよい。
上記では、本考案の装身具を手に装着する例について説明したが、足に装着して足の甲を飾ることができるように構成してもよい。