JP3156066U - 可動庇 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽の位置に応じて太陽エネルギー利用装置の傾斜角度を変化可能として、太陽エネルギーの利用効率をより高めることができ、しかも、夏は陽射しをより多く遮り、冬は陽射しをより多く室内に取り込むといった庇の本来の機能を有する可動庇を提供する。【解決手段】太陽エネルギー利用装置(太陽電池パネル300)を取付けたフレーム200と、フレーム200の傾斜角度を変化させる傾斜角度可変装置400とを有し、傾斜角度可変装置400は、フレーム200の傾斜角度を水平面に対して大きくする際には、フレーム200の後端辺を上方向に移動させながらフレーム200の先端辺を外壁120に近づける方向に移動させ、フレーム200の傾斜角度を水平面に対して小さくする際には、フレーム200の後端辺を下方向に移動させながらフレームの先端辺を外壁120から遠ざける方向に移動させるようにフレーム200を駆動する。【選択図】図1

Description

本考案は、太陽電池パネルなどの太陽エネルギー利用装置を取り付けるための可動庇に関する。
近年、地球の温暖化を防止するための技術が様々な分野で提案されている。自然エネルギーを利用した発電装置もその一つであり、なかでも太陽電池パネルを用いた太陽光発電装置は、一般家庭や企業などにおいて広く普及しつつある。
太陽光発電装置(太陽電池パネルという。)を一般家庭において設置する場合は、屋根に設置することが多い。しかしながら、太陽電池パネルを屋根に設置すると、太陽電池パネルの重量により、屋根に大きな荷重が加わる。また、太陽電池パネルを屋根に設置する際は、強風などに十分耐えうるようにボルトなどによって強固に固定する必要があるため、屋根の損傷にもつながるといった問題がある。
そこで、建物の南側に空きスペースがある一戸建ての家屋においては、庇に太陽電池パネルを取り付けることも行われている。これによれば、建物の屋根に重量物を載せることなく太陽電池パネルを設置することができる。
ところで、太陽電池パネルを屋根又は庇などに固定的に設置する場合、発電効率をより高めるために、太陽電池パネルを設置する場所の緯度に相当する傾斜角度かそれよりも小さい傾斜角度としておくのが好ましいとされる。例えば、北緯35度の地点であれば、水平面に対する傾斜角度を35度かそれよりも小さい傾斜角度とすることが好ましいとされている。
しかしながら、太陽電池パネルの発電効率を高めるためには、太陽光を如何に効率よく太陽電池パネルに取り込むかが極めて重要となる。すなわち、同じ時刻であっても太陽の位置は季節によって大きく異なり、また、一日のうちでも時刻によって太陽の位置は異なる。このため、太陽電池パネルが固定的に設置されている場合には、季節及び時刻によって発電効率に大きな開きが生じるといった問題がある。
このような課題を解決するために、太陽電池パネルの傾斜角度を所定範囲で変化させることができるようにした技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に開示された技術(従来技術という。)は、太陽電池パネルを取り付けた庇が建物の外壁に設けられた軸を中心に上下方向に回動可能となっていて、軸を中心に庇を所定角度だけ上下方向に回動させることによって、太陽電池パネルの傾斜角度を可変するというものである。
特開2000−204735号公報
上記した従来技術は、例えば、冬季のように太陽の位置が低い場合(太陽光の入射角度が水平面に対して小さい場合)には、太陽電池パネルの傾斜角度が水平面に対して大きくなるように、庇を下方向に回動させる。これにより、太陽光を効率よく太陽電池パネルに取り込むことができる。
しかしながら、従来技術においては、庇を下方向に回動させると、庇の先端が窓などの採光面に覆いかぶさるような状態となり、庇が陽射しを遮ってしまう。特に、冬季においては、昼間でも庇を下方向に回動させた状態となる。冬季において庇を下方向に回動させてしまうと、建物内に入る陽射しの量が庇によって大きく減少してしまうこととなる。建物内に入る陽射しの量が減少すると、陽射しによる暖房効果が低下するため、同じ暖房運転を行っても暖房効率が低下するといった問題がある。
庇は夏季において陽射しを遮り、冬季においては陽射しをより多く室内に取り込むといった機能が庇本来の機能であるが、従来技術においては、特に冬季において、庇本来の機能が失われてしまう。このような課題は、太陽電池パネルに限られるものではなく、その他の太陽エネルギー利用装置(例えば、太陽熱発電装置や太陽熱給湯装置など)を取り付けた可動庇全般について言えることである。
そこで本考案は、太陽の位置に応じて太陽エネルギー利用装置の傾斜角度を変化させることができるようにすることによって、太陽エネルギーの利用効率をより高めることができ、しかも、夏は陽射しをより多く遮り、冬は陽射しをより多く室内に取り込むといった庇の本来の機能を有する可動庇を提供することを目的とする。
[1]本考案の可動庇は、建物の採光面を有する外壁又は外壁の近傍に設けられ、太陽エネルギー利用装置が取り付けられたフレームと、前記フレームの傾斜角度を変化させる傾斜角度可変装置とを有し、前記傾斜角度可変装置は、前記フレームの傾斜角度を水平面に対して大きくする際には、前記フレームにおける前記外壁に近い側の端辺(後端辺という。)を上方向に移動させながら前記フレームにおける前記後端辺と反対側の端辺(先端辺という。)を前記外壁に近づける方向に移動させ、前記フレームの傾斜角度を水平面に対して小さくする際には、前記フレームの前記後端辺を下方向に移動させながら前記フレームの前記先端辺を前記外壁から遠ざける方向に移動させるように前記フレームを駆動することを特徴とする。
本考案の可動庇によれば、フレームの傾斜角度を変化させることができるようにしているので、太陽の位置に応じて太陽エネルギー利用装置の傾斜角度を最適傾斜角度とすることができる。これにより、太陽エネルギー利用装置が太陽光を効率よく取り込むことができ、太陽エネルギーの利用効率をより高めることができる。
また、フレームの傾斜角度を変化させる際のフレームの動きは、フレームの傾斜角度を大きくする際には、フレームの後端辺が上方向に移動しながらフレームの先端辺が外壁に近づく方向に移動し、フレームの傾斜角度を小さくする際には、フレームの後端辺が下方向に移動しながらフレームの先端辺が外壁から遠ざかる方向に移動する。フレームがこのような動作を行うことにより、例えば、冬季において、フレームの傾斜角度を大きくする場合、フレームの先端辺の上下方向の位置は大きくは変化しない。これにより、フレームに取り付けられた太陽エネルギー利用装置が建物の採光面に覆いかぶさることがないので、太陽光を室内に十分に取り込むことができる。
なお、本考案の明細書においては、フレームの先端辺及びフレームの後端辺というのは、フレームの建物の外壁に近い側をフレームの後端辺とし、その反対側をフレームの先端辺としている。また、傾斜角度可変装置は、直接的にはフレームの傾斜角度を変化させるものであるが、フレームと太陽エネルギー利用装置とは一体となっており、両者は同時に傾斜角度が変化するものであるため、フレームの傾斜角度は、太陽エネルギー利用装置の傾斜角度をも表すものである。
[2]本考案の可動庇においては、前記フレームの傾斜角度が太陽の位置に対して最適傾斜角度となるように前記傾斜角度可変装置を太陽の位置を示す情報に基づいて制御する制御装置をさらに有することが好ましい。
このように、傾斜角度可変装置を太陽の位置を示す情報に基づいて制御することによって、太陽の位置に応じた最適傾斜角度の設定を自動的に行うことができる。
[3]本考案の可動庇においては、月日を示す情報、時刻を示す情報、当該可動庇を設置する場所の緯度を示す情報、当該可動庇を設置する場所の経度を示す情報及び太陽に対する地球の軌道に関する情報に基づいて前記太陽の位置を示す情報を算出する太陽位置算出装置をさらに有することが好ましい。
このような構成とすることにより、当該可動庇を設置する場所において、月日及び時刻に対応した適切な太陽の位置を示す情報を得ることができ、それによって、月日及び時刻に応じた最適傾斜角度を取得することができる。なお、本明細書においては、「月日」は、例えば、「1月」、「2月」、・・・というように「月」のみを指す場合もあり、また、例えば、1月1日、2月1日というように各月における「日」を含む場合もある。
[4]本考案の可動庇においては、太陽の光に基づいて太陽の位置を示す情報を出力する太陽位置検出センサーをさらに有することもまた好ましい。
これは、太陽の位置を示す情報を太陽位置検出センサーによって検出するものであり、このような太陽位置検出センサーを用いることによっても太陽の位置を示す情報を的確に取得することができる。これによれば、刻々と変化する太陽の位置に応じた最適傾斜角度を取得することができ、太陽の位置に追従して連続的にフレームの傾斜角度を変化させることが可能となる。また、連続的ではなく、所定の月日ごと又は所定の時刻ごとに太陽位置検出センサーで検出された太陽の位置を示す情報によって、所定の月日ごと又は所定の時刻ごとにフレームの傾斜角度を変化させることも可能である。なお、太陽位置検出センサーとしては、太陽の光を検出する光センサーなどを用いることができる。
[5]本考案の可動庇においては、前記太陽の位置を示す情報と前記最適傾斜角度とを対応付けて記憶している記憶装置をさらに有し、前記制御装置は、前記太陽の位置を示す情報に対応した前記最適傾斜角度を前記記憶装置から取得することが好ましい。
このような構成とすることによって、制御装置は記憶装置を参照するだけで、現時点における最適傾斜角度を取得することができ、フレームの傾斜角度を最適傾斜角度に容易に設定することができる。
[6]本考案の可動庇においては、太陽の位置を示す情報は、月日を示す情報又は時刻を示す情報の少なくとも一方の情報であって、前記記憶装置は、前記月日を示す情報又は時刻を示す情報の少なくとも一方の情報と前記最適傾斜角度とを対応付けて記憶していることが好ましい。
このように、月日を示す情報又は時刻を示す情報の少なくとも一方の情報と前記最適傾斜角度とを対応付けて記憶装置に記憶させておくことにより、所定の月日に対応した最適傾斜角度を容易に取得することができ、また、一日のうちの各時刻に対応した最適傾斜角度をも容易に取得することができる。
[7]本考案の可動庇においては、前記制御装置は、前記太陽エネルギー利用装置における太陽エネルギーの利用効率、太陽光の入射量の調節を行う庇としての機能及び前記建物の内部の冷房効率又は暖房効率のどれを優先するかに応じて前記傾斜角度可変装置を制御することが好ましい。
このように、太陽エネルギー利用装置における太陽エネルギーの利用効率、庇としての機能及び建物の内部の冷房効率又は暖房効率のどれを優先するかに応じて傾斜角度可変装置を制御することにより、フレームの傾斜角度をそれぞれの目的に応じた最適傾斜角度とすることができ、それぞれの目的を効率よく達成することができる。
[8]本考案の可動庇においては、前記太陽エネルギー利用装置は、太陽光発電装置、太陽熱発電装置及び太陽熱給湯装置の少なくとも1つであることが好ましい。
このように、太陽エネルギー利用装置としては、太陽光発電装置、太陽熱発電装置及び太陽熱給湯装置(太陽熱を利用した給湯装置)のいずれをも用いることができる。また、本考案の可動庇は、これらを組み合わせて使用する場合にも適用することができる。
[9]本考案の可動庇においては、前記傾斜角度可変装置は、前記フレームが取り付けられる第1アームと、一端部が前記第1アームの一端部に回動自在に連結される第2アームと、前記第1アームと第2アームとのなす角度を180度以内の任意の角度に設定可能なアーム駆動手段とを有し、前記第1アームは、当該第1アームの前記一端部の側が前記フレームの前記先端辺と後端辺との間の所定部分に位置し、当該第1アームの他端部の側が前記フレームの前記先端辺又は前記後端辺に位置するように前記フレームが取り付けられており、前記アーム駆動手段によって前記第1アームと第2アームとのなす角度が180度以内の任意の角度に設可されることによって前記フレームの傾斜角度を水平方向に対して90度以内の任意の角度に設定可能とすることが好ましい。
傾斜角度可変装置をこのような構造とすることにより、フレームの傾斜角度を水平方向に対して大きくする際には、フレームの後端辺を上方向に移動させながらフレームの先端辺を外壁に近づける方向に移動させ、フレームの傾斜角度を水平方向に対して小さくする際には、フレームの後端辺を下方向に移動させながらフレームの先端辺を外壁から遠ざける方向に移動させるようにフレームを駆動することができる。
[10]本考案の可動庇においては、前記傾斜角度可変装置は、前記第1アームの他端部と前記第2アームの他端部とを結ぶ線が前記外壁に対してほぼ直交する方向となるように設置され、かつ、前記第2アームが前記外壁に近い側となるように設置されることが好ましい。
傾斜角度可変装置をこのように設置することによって、本考案の可動庇を一般的な一戸建ての建物に設置することができる。これは、特に、一戸建ての建物の南側に空きスペースが存在するような場合、その空きスペースに太陽エネルギー利用装置を取り付けた庇を設けるような場合を想定したものである。
[11]本考案の可動庇においては、前記傾斜角度可変装置は、前記第1アームの他端部と前記第2アームの他端部とを結ぶ線が前記外壁に沿った方向となるように設置され、かつ、前記第2アームが前記外壁に沿った方向における下側となるように設置されることも好ましい。
傾斜角度可変装置をこのように設置することによって、学校、病院及び役所などの建物(ビルディング)の外壁においても本考案の可動庇を取り付けることができる。
[12]本考案の可動庇においては、前記傾斜角度可変装置は、前記フレームの前記後端辺が上方向又は下方向に移動可能となるように前記後端辺と前記先端辺との間の第1部分を支持する縦方向ガイドレールと、前記フレームの前記先端辺が前記外壁に近づく方向又は前記外壁から遠ざかる方向に移動可能となるように前記第1部分よりも前記先端辺の側の第2部分を支持する横方向ガイドレールと、前記フレームを前記縦方向ガイドレール及び横方向ガイドレールに沿って移動させるためのフレーム駆動手段とを有する構成であってもよい。
傾斜角度可変装置をこのような構成とすることによっても、フレームの傾斜角度を水平方向に対して大きくする際には、フレームの後端辺を上方向に移動させながらフレームの先端辺を外壁に近づける方向に移動させ、フレームの傾斜角度を水平方向に対して小さくする際は、フレームの後端辺を下方向に移動させながらフレームの先端辺を外壁から遠ざける方向に移動させるようにフレームを駆動することができる。
実施形態1に係る可動庇10について説明するための図である。 実施形態1に係る可動庇10におけるユニットU1〜U3のうちの1つのユニットU1を取り出して拡大して示す図である。 傾斜角度可変装置400の一例を示す図である。 傾斜角度可変装置400によってフレーム200の傾斜角度を60度とした場合を示す図である。 実施形態1に係る可動庇10の動作と従来の一般的な可動庇の動作との比較を示す図である。 1月〜12月の各月日における最適傾斜角度を示す図である。 最適傾斜角度に設定されたフレーム200の傾斜状態の例を模式的に示す図である。 ある1日のうちの日の出の時刻から日の入りの時刻までの各時刻における最適傾斜角度を概略的に示す図である。 実施形態2に係る可動庇20におけるユニットU1〜U3のうちの1つのユニットを取り出して拡大して示す図である。 実施形態3に係る可動庇30を説明するための図である。 実施形態3に係る可動庇30においてフレーム200の傾斜角度を約25度とした場合を示す図である。 実施形態4に係る可動庇40において用いられる傾斜角度可変装置500を説明するための図である。
以下、本考案の実施形態について説明する。なお、本考案の実施形態においては、太陽エネルギー利用装置としては、太陽光発電装置としての太陽電池パネルを例にとって説明する。また、本考案の各実施形態においては、各実施形態に係る可動庇の設置場所は北半球であるとする。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る可動庇10について説明するための図である。図1(a)は斜視図であり、図1(b)は側面図である。実施形態1に係る可動庇10は、建物100の採光面110を有する外壁120又は外壁120の近傍(建物100の軒先とする。)に設けられ、傾斜角度を変化させることができるフレーム200と、フレーム200を支持する骨組み構造のフレーム支持部材250及びフレーム支持部材250を複数個所で支持する複数の支柱260と、フレーム200に取り付けられた太陽電池パネル300と、フレーム200の傾斜角度を変化させる傾斜角度可変装置400と、フレーム200の傾斜角度が最適傾斜角度となるように傾斜角度可変装置400を太陽の位置を示す情報(太陽位置情報という。)に基づいて制御する制御装置600(図2参照。)と、太陽位置情報とフレーム200の最適傾斜角度とを対応付けて記憶している記憶装置700(図2参照)と、当該可動庇10を設置する場所における太陽位置情報を算出する太陽位置算出装置900(図2参照。)とを有している。
なお、可動庇10が設置される建物100の外壁120は垂直であって、当該外壁120に直交する方向(庇の張り出し方向)をx軸とし、水平面上においてx軸に直交する方向をy軸とし、垂直方向をz軸として説明する。
また、「最適傾斜角度」というのは、太陽光を最も効率よく太陽電池パネル300に取り込むことのできる傾斜角度であり、理想的には、太陽光の入射角度が太陽電池パネル300に対して、ほぼ90度となるようなフレーム200の傾斜角度である。また、フレーム200の傾斜角度は、水平面に対する傾斜角度であるとする。
傾斜角度可変装置400は、フレーム200の傾斜角度を大きくする際は、フレーム200の後端辺(外壁120に近い側の端辺)220を上方向に移動させながらフレーム200の先端辺210を外壁120に近づける方向に移動させ、フレーム200の傾斜角度を小さくする際は、フレーム200の後端辺220を下方向に移動させながらフレーム200の先端辺210を外壁120から遠ざける方向に移動させるようにフレーム200を駆動するものである。傾斜角度可変装置400の構成及びその動作については後述する。なお、実施形態1に係る可動庇10においては、上方向又は下方向は垂直方向であるとし、外壁120に近づける方向又は外壁120から遠ざける方向は水平方向であるとする。
また、傾斜角度可変装置400は、直接的にはフレーム200の傾斜角度を変化させるものであるが、フレーム200と太陽電池パネル300とは一体的に動作するため、フレーム200の傾斜角度は、太陽電池パネル300の傾斜角度をも表すものであるとする。したがって、以下では、太陽電池パネル300の傾斜角度ともいう。
また、太陽位置算出装置900は、日付を示す情報、時刻を示す情報、当該可動庇を設置する場所の緯度を示す情報、経度を示す情報及び太陽に対する地球の軌道に関する情報とに基づいて当該可動庇を設置する場所における太陽の位置を算出するものであり、算出された太陽の位置は、当該可動庇を設置する場所において、太陽の位置を高精度に表すものとなる。なお、経度を示す情報を用いることにより、経度の違いによる太陽の位置と時刻との関係をより高精度に求めることができる。
太陽位置算出装置900は、例えば、パーソナルコンピュータなどにその機能を持たせることができる。なお、制御装置600及び記憶装置700もパーソナルコンピュータ(PCという。)にそれぞれの機能を持たせることができる。また、記憶装置700は、PCに搭載されているハードディスクであってもよく、また、CD(コンパクトディスク)などPCが読み取り可能な記憶媒体であってもよい。
また、太陽位置算出装置900によって算出された太陽の位置は、太陽位置情報として出力される。太陽位置算出装置900から出力された太陽位置情報は、制御装置600及び記憶装置700のいずれか又は両方に与えることができるようになっている。
太陽位置算出装置900から出力された太陽位置情報が制御装置600に与えられた場合は、制御装置600は、太陽位置算出装置900から与えられた太陽位置情報に基づいて最適傾斜角度を求める。これは、例えば、現時点における最適傾斜角度をリアルタイムで求める場合であり、この場合、例えば、当日の日付、時刻、当該可動庇を設置する場所の緯度、経度及び太陽に対する地球の軌道に関する情報を太陽位置算出装置900に与える。なお、当該可動庇を設置する場所の緯度、経度及び太陽に対する地球の軌道に関する情報などは固定情報として予め太陽位置算出装置900に与えておくようにしてもよい。
これにより、太陽位置算出装置900においては、当日の日付け(何月何日)と現時点の時刻に対応した太陽位置情報を算出し、算出した太陽位置情報を制御装置600に与える。制御装置600では、太陽位置算出装置900から与えられた太陽位置情報に基づいて最適傾斜角度を算出する。なお、制御装置600が太陽位置情報に基づいて最適傾斜角度を算出する際は、太陽電池パネルが真南の向きである場合以外は、当該太陽電池パネルの方角を考慮して最適傾斜角度を算出する。
また、太陽位置算出装置900によって所定の月日及び時刻に対応する太陽位置情報を予め算出し、算出した太陽位置情報に基づいた最適傾斜角度を設定しておき、所定の月日及び時刻と最適傾斜角度とを対応付けて記憶装置700に記憶させておくこともできる。この場合は、制御装置600は、記憶装置700を参照することにより、当該月日及び時刻に対応する最適傾斜角度を取得することができる。なお、所定の月日としては、一年の365日分のすべてであってもよく、また、各月ごとであってもよく、各季節ごとあってもよい。
また、制御装置600は、太陽位置算出装置900からの太陽位置情報に基づいて最適傾斜角度を算出する機能、月日及び時刻に対応する最適傾斜角度を記憶装置700から取得する機能の他に、算出又は取得した最適傾斜角度に基づいて傾斜角度可変装置400を制御する機能をも有している。
最適傾斜角度に基づいて傾斜角度可変装置400を制御する機能としては、現時点におけるフレーム200の傾斜角度と算出又は取得した最適傾斜角度との差分を求め、求めた差分だけフレーム200の傾斜角度を変化させるに必要な制御信号を生成して、生成した制御信号によって傾斜角度可変装置400を制御するといった機能を例示することができる。なお、現時点におけるフレーム200の傾斜角度は、フレーム200の現時点の傾斜角度を検出する角度検出装置(図示せず。)などから取得することができる。例えば、角度検出装置から得られた現時点におけるフレーム200の傾斜角度が35度であって、算出又は取得した最適傾斜角度が45度であったとすると、その差分(10度)だけフレーム200の傾斜角度を大きくするような制御信号を生成して、生成した制御信号によって傾斜角度可変装置400を制御する。
また、差分だけフレームの傾斜角度を大きくするような制御信号によって傾斜角度可変装置400を制御するのではなく、角度検出装置からの角度情報を監視しながらフレーム200の傾斜角度が算出又は取得した最適傾斜角度となるように傾斜角度可変装置400を制御するようにしてもよい。例えば、角度検出装置から得られた現時点におけるフレーム200の傾斜角度が35度であって、算出又は取得した最適傾斜角度が45度であったとすると、角度検出装置からの角度情報が45度に達するまで傾斜角度可変装置400を制御する。
また、可動庇10は、3つのユニットU1〜U3によって構成されており、各ユニットU1〜U3には、9枚の太陽電池パネル300が設けられているものとする。また、傾斜角度可変装置400は、ユニットU1〜U3ごとに設けられているものとする。
図2は、実施形態2に係る可動庇10におけるユニットU1〜U3のうちの1つのユニットを取り出して拡大して示す図である。図2においては、ユニットU1について示されているが、他のユニットU2,U3も同様の構成となっている。
ユニットU1は、図2に示すように、9枚の太陽電池パネル(太陽電池パネル300,300,・・・)と、9枚の太陽電池パネルを取り付けるためのフレーム200と、傾斜角度可変装置400と、制御装置600と、記憶装置700とを有している。
フレーム200は、矩形の枠形状をなし、その内側には、9枚の太陽電池パネルを支持するための複数の支持部材(図示せず)が設けられるとともに、中央部には中央部材240が設けられている。中央部材240は、フレーム200のx軸に沿って設けられており、傾斜角度可変装置400の駆動力を受けてユニットU1全体を動かす部材である。
なお、制御装置600及び記憶装置700は、他のユニットU2,U3に対しても共用となっている。そして、各ユニットU1〜U3に対応する傾斜角度可変装置400は、各ユニットU1〜U3の各フレーム200が同じ傾斜角度となるように制御装置600によって制御される。
図3は、傾斜角度可変装置400の一例を示す図である。傾斜角度可変装置400は、自動車用などのジャッキとしてとして一般的に用いられているパンタグラフジャッキと類似した構造を有している。
傾斜角度可変装置400は、図3に示すように、当該傾斜角度可変装置400を側面から見たときに、底辺と2つの斜辺を有する三角形状(二等辺三角形とする。)を形成可能であって、2つの斜辺のうちの一方の斜辺に対応する位置に設けられ、フレームが固定される第1アーム410と、2つの斜辺のうちの他方の斜辺に対応する位置に設けられる第2アーム420と、三角形の底辺に対応する位置に設けられ、第1アーム410と第2アーム420とのなす角度αを180度以内の任意の角度に設定可能なアーム駆動手段430とを有している。なお、第1アーム410の一端部(二等辺三角形の頂点側端部)と第2アーム420の一端部(二等辺三角形の頂点側端部)は、回動自在に連結されている。
アーム駆動手段430は、軸方向における中心軸を中心に時計方向又は反時計方向に回転可能なネジ棒431と、ネジ棒431を時計方向又は反時計方向に回転させるモータ432と、モータ432の回転を減速してネジ棒431に伝達する動力伝達部433とを有している。
そして、第1アーム410の他端部(二等辺三角形の底辺側端部)411は、ネジ棒431の先端側431a側に螺合され、第2アーム420の他端部(二等辺三角形の底辺側端部)421は、ネジ棒431の後端側431bに取り付けられている。なお、第2アーム420の他端部421は、ネジ棒431に沿った方向の動きが規制された状態で、回動自在にネジ棒431の後端側431bに取り付けられている。
傾斜角度可変装置400がこのような構成となっているため、ネジ棒431が時計方向又は反時計方向に回転することによって、第1アーム410がネジ棒431に沿ってx方向又はx’方向に移動し、それによって第1アーム410と第2アーム420とのなす角度αが変化する。
例えば、ネジ棒431が時計方向に回転することによって、第1アーム410が矢印x方向に移動し、それによって第1アーム410及び第2アーム420のなす角度αが小さくなり、逆に、ネジ棒431が反時計方向に回転することによって、第1アーム410が矢印x’方向に移動し、それによって第1アーム410及び第2アーム420のなす角度αが大きくなる。
なお、ネジ棒431は、フレーム200の中央部材240に対応する位置の平面(水平面とする。)に設けられている。また、ネジ棒431の長さは、フレーム200の後端辺220から先端辺210までの長さにほぼ等しい長さを有している。
また、第1アーム410にはフレーム200が固定される。具体的には、フレーム200の中央部材240が第1アーム410に固定されている。そして、第1アーム410の一端部(二等辺三角形の頂点側端部)の側がフレーム200の先端辺210と後端辺220とのほぼ中間に位置し、第1アーム410の他端部411の側がフレーム200の先端辺210又は後端辺220(図3においては先端辺210)に位置するようにフレーム200が取り付けられている。
また、傾斜角度可変装置400は、制御装置600によって制御されるものである。すなわち、制御装置600からの制御信号に基づいてモータ432が回転し、モータ432の回転力が動力伝達部433を介してネジ棒431に伝達される。それによって、ネジ棒431が時計方向又は反時計方向に回転し、第1アーム410及び第2アーム420のなす角度αが変化する。なお、第1アーム410にはフレーム200が固定されているため、第1アーム410及び第2アーム420のなす角度αが変化することによってフレーム200の傾斜角度θ(水平面に対する傾斜角度)が変化する。
具体的には、ネジ棒431が時計方向に回転することにより、第1アーム410及び第2アーム420のなす角度αが小さくなり、それによって、フレーム200の傾斜角度θが大きくなる。また、逆に、ネジ棒431が反時計方向に回転することにより、第1アーム410及び第2アーム420のなす角度αが大きくなり、それによって、フレーム200の傾斜角度θが小さくなる。
図4は、傾斜角度可変装置400によってフレーム200の傾斜角度θを60度とした場合を示す図である。なお、図4においては、フレーム200と傾斜角度可変装置400のみが示されている。図4は傾斜角度をθを60度とした場合であるが、傾斜角度可変装置400によってフレーム200の傾斜角度θを所定範囲(ほぼ0度からほぼ90度)まで自在に変化させることができる。
なお、傾斜角度θを変化させる際のフレーム200の動きは、フレーム200の後端辺220が矢印z−z’方向に移動しながら先端辺210がネジ棒431に沿って矢印x−x’方向に移動する。すなわち、フレーム200の先端辺210は常にネジ棒431の存在する平面(水平面)上を移動することとなるため、フレーム200の先端辺210における上下方向(矢印z−z’方向)の位置は変化しない。
例えば、ほぼ水平(傾斜角度θがほぼ0度)の状態となっているフレーム200が、図4の状態に変化する場合においては、フレーム200の後端辺220が図4における矢印z方向にせり上がりながらフレーム200の先端辺210がネジ棒に沿って矢印x方向に移動して行く。
フレーム200がこのような動作を行うことにより、例えば、冬季において、フレーム200の傾斜角度θが大きくなった場合であっても、フレーム200の先端辺210の上下方向(矢印z−z’方向)の位置は変化せず、フレーム200の先端辺210は、常にネジ棒431と同じ平面上に存在する。これにより、建物100の採光面110に入る太陽光が太陽電池パネル300によって遮られてしまうということがなく、太陽光を室内に十分に取り込むことができる。また、フレーム200が建物100に近づいた状態となることによって、より多くの太陽光を室内に取り込むことができる。
図5は、実施形態1に係る可動庇10の動作と従来の一般的な可動庇の動作との比較を示す図である。なお、従来の一般的な可動庇(可動庇50とする。)としては、可動庇50の後端辺に設けられた軸52を支点に可動庇50が矢印a−a’方向に所定角度だけ回動可能となっているものを例示している。このような可動庇50は、軸52を支点にして可動庇50を回動させることによって、その傾斜角度θを所定範囲で変化させることができる。なお、図5においては、実施形態1に係る可動庇10及び従来の一般的な可動庇50の傾斜角度θをそれぞれ60度とした場合を例示している。
可動庇10は、図5(a)に示すように、可動庇10の先端辺(フレーム200の先端辺210)がネジ棒431の存在する平面上を移動するため、可動庇10が採光面110に覆いかぶさることがなく、採光面110から太陽光を室内に十分に取り込むことができる。なお、フレーム支持部材250は骨組み構造となっているので、陽射しはフレーム支持部材250を通過して室内に十分入り込んでくる。
一方、従来の一般的な可動庇50は、図5(b)に示すように、可動庇50の後端辺側の軸52を支点に回動することによって傾斜角度θを変化させるものである。図5(b)に示すように、可動庇50の傾斜角度θ(この場合、θ=60度)を大きくした場合、可動庇50が採光面110に覆いかぶさってしまい、採光面110に入射する太陽光の多くを遮ってしまう。なお、図5(b)においては極端な例が示されているが、可動庇50の後端辺側の軸52を支点に回動するような構造の可動庇においては、可動庇の傾斜角度θをある程度大きくすると、採光面110に入射する太陽光の多くを遮ってしまうことは否めない。
次に、フレーム200の傾斜角度θの具体的な制御例について説明する。制御装置600は、フレーム200の傾斜角度θが太陽の位置に対して最適傾斜角度となるように傾斜角度可変装置400を太陽の位置を示す情報に基づいて制御する。このとき、太陽位置情報と最適傾斜角度とを対応付けて記憶装置700に記憶させておき、制御装置600は、太陽位置情報に対応した最適傾斜角度を記憶装置700から取得し、取得した最適傾斜角度に基づいて傾斜角度可変装置400を制御する。
なお、太陽位置情報は、月日を示す情報又は時刻を示す情報の少なくとも一方の情報とする。したがって、記憶装置700は、月日を示す情報又は時刻を示す情報の少なくとも一方の情報と最適傾斜角度とを対応付けて記憶している。
ここでは、まず、月日を示す情報と最適傾斜角度とを対応付けて記憶装置700に記憶させておく場合について説明する。この場合、1月から12月までのすべての日(1月1日、1月2日、・・・、12月31日の365日分)に対応した最適傾斜角度を記憶装置700に記憶させておくようにしてもよいが、各月に対応した最適傾斜角度及び各季節(例えば、各季節を代表する月)に対応した最適傾斜角度を記憶させておくことも可能である。
図6は、1月〜12月の各月日における最適傾斜角度を示す図である。図6に示す最適傾斜角度は、太陽位置算出装置900によって算出された太陽位置情報に基づいて設定されたものであるとする。なお、図6においては、実施形態1に係る可動庇10を北緯35度の地点に設置した場合であり、当該地点における各月日の正午の最適傾斜角度が示されている。ただし、図6に示す最適傾斜角度は一例を示すものであって厳密な値ではない。また、図6においては、各月の日(1日〜30日又は31日)は詳細には示されていない。
また、「最適傾斜角度」というのは、当該地点の正午において、太陽光を最も効率よく太陽電池パネル300に取り込むことのできる傾斜角度である。すなわち、当該地点の正午において、太陽光の太陽電池パネル300に対する入射角度がほぼ90度となるようなフレーム200の傾斜角度である。
図6に示すように、冬季(12月〜2月)においては、最適傾斜角度は大きく、特に、冬至の頃の正午においては、最適傾斜角度は約59度である。このため、冬至の頃の正午においては、太陽電池パネル300の傾斜角度を約59度とすることにより、太陽光の太陽電池パネル300に対する入射角度をほぼ90度とすることができる。また、夏季(6月〜8月)においては、最適傾斜角度は小さく、特に、夏至の頃の正午においては、最適傾斜角度は約12度である。このため、夏至の頃の正午においては、太陽電池パネル300の傾斜角度を約12度とすることにより、太陽光の太陽電池パネル300に対する入射角度をほぼ90度とすることができる。
また、春季(3月〜5月)及び秋季(9月〜11月)においては、最適傾斜角度は冬季と夏季の中間であり、例えば、春分の日及び秋分の日の頃の正午においては、最適傾斜角度は約35度である。このため、春分の日及び秋分の日の頃の正午においては、太陽電池パネル300の傾斜角度を約35度とすることにより、太陽光の太陽電池パネル300に対する入射角度をほぼ90度とすることができる。
図6に示すような各月日に対応する最適傾斜角度を記憶装置700に記憶させておく。そして、制御装置600は、例えば、月が変わるごとに記憶装置700から当該月に対応する最適傾斜角度を取得して、取得した最適傾斜角度に対応する制御信号を設定し、設定した制御信号を傾斜角度可変装置400に与える。具体的には、例えば、当該月の初日(1日)の午前零時に、制御装置600が記憶装置700から当該月に対応する最適傾斜角度(当該月の初日の正午における最適傾斜角度)を取得して、取得した最適傾斜角度に対応する制御信号を傾斜角度可変装置400に与える。
これにより、傾斜角度可変装置400は、制御装置600から与えられた制御信号に基づいてフレーム200の傾斜角度を変化させる。具体的には、制御装置600から与えられた制御信号に基づいてモータ432を駆動し、それによって、ネジ棒431を時計方向又は反時計方向に回転させて、フレーム200の傾斜角度を変化させる。この場合、当該月の1ヶ月間においては、フレーム200は当該月の初日に対応する最適傾斜角度が保持される。なお、ここでは、当該月の最適傾斜角度として、当該月の初日の正午における最適傾斜角度を用いた場合を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、当該月の半ば(例えば、15日又はその前後)における最適傾斜角度を当該月の最適傾斜角度としてもよい。
なお、上記した例では、月が変わるごとに最適傾斜角度を設定するようにしたが、日付けが変わるごと、あるいは、季節が変わるごとに行うようにしてもよい。日付けが変わるごとに最適傾斜角度を取得する場合には、例えば、当日の午前零時に、制御装置600が記憶装置700から当該日付けに対応する最適傾斜角度(当該日付けにおける正午の最適傾斜角度)を取得して、取得した最適傾斜角度に対応する制御信号を傾斜角度可変装置400に与える。これにより、傾斜角度可変装置400は、制御装置600から与えられた制御信号に基づいてフレーム200の傾斜角度を変化させる。この場合、当日においては、フレーム200は当該日付けに対応する最適傾斜角度が一日中保持される。
また、季節ごとに最適傾斜角度を設定する場合には、例えば、季節が大きく変わる月日(例えば、春分の日、夏至、秋分の日及び冬至など)ごとに、制御装置600が記憶装置700から当該月日に対応する最適傾斜角度(当該月日における正午の最適傾斜角度)を取得して、取得した最適傾斜角度に対応する制御信号を傾斜角度可変装置400に与え、傾斜角度可変装置400は、制御装置600から与えられた制御信号に基づいてフレーム200の傾斜角度を変化させる。
この場合、当該季節においては、フレーム200は当該季節において設定された傾斜角度が当該季節の間(例えば、春であれば春分の日から夏至まで)、保持される。なお、季節が大きく変わる月日の設定は、春分の日(秋分の日)、夏至及び冬至に限られるものではなく、実際の一日の昼の長さや太陽光の強さの変化に応じて、種々設定可能である。また、当該季節の最適傾斜角度として、当該季節が大きく変わる月日の正午における最適傾斜角度を用いた場合を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、当該季節のほぼ中間(例えば、秋であれば10月15日又はその前後)における最適傾斜角度を当該季節の最適傾斜角度としてもよい。
図7は、最適傾斜角度に設定されたフレーム200の傾斜状態の例を模式的に示す図である。なお、図7は図面を簡単化するために、太陽電池パネル300を含むフレーム200のみが図示されており、傾斜角度可変装置400などの図示は省略されている。図7(a)は春分の日及び秋分の日の正午における最適傾斜角度に設定されたフレーム200の傾斜状態を示し、図7(b)は夏至の正午における最適傾斜角度に設定されたフレーム200の傾斜状態を示し、図7(c)は冬至の正午における最適傾斜角度に設定されたフレームの傾斜状態を示している。
図7に示すように、春分の日及び秋分の日においては、フレーム200の傾斜角度θが35度に設定され、夏至においては、フレーム200の傾斜角度θが12度に設定され、冬至においては、フレーム200の傾斜角度θが59度に設定される。
以上は、月日を示す情報と最適傾斜角度とを対応付けて記憶装置700に記憶させておき、制御装置600が月日を示す情報に基づいて最適傾斜角度を記憶装置700から取得する例を説明したが、記憶装置700には、各々の月日における一日の各時刻ごとの最適傾斜角度を記憶させておくこともできる。
図8は、ある1日のうちの日の出の時刻から日の入りの時刻までの各時刻における最適傾斜角度を概略的に示す図である。図8(a)は春分の日又は秋分の日の場合を示し、図8(b)は夏至の場合を示し、図8(c)は冬至の場合を示している。なお、図8においても、実施形態1に係る可動庇10を北緯35度の地点に設置した場合が示されている。また、日の出及び日の入りの時刻はおおよその時刻であり、また、正午以外の各時刻における最適傾斜角度もおおよその値である。また、図8においては、分(1分〜59分)は詳細には示されていない。
図8に示すように、それぞれの季節によって、一日の時刻における最適傾斜角度が異なる。いずれの季節の場合も、日の出の直後及び日の入りの直前においては、太陽光は水平面に対して小さい角度で入射し、正午には太陽の位置は最も高くなる。したがって、太陽に高さのみで考えれば、いずれの季節の場合も、日の出の直後及び日の入りの直前においては、太陽光は水平面に対して小さい角度で入射するので、フレーム200の傾斜角度は十分に大きくすることが好ましいと考えられる。
しかし、実際には、日の出直後又は日の入り直前などにおいては、図8とは異なった傾斜角度を最適傾斜角度として設定することが好ましい。例えば、夏季においては、北緯35度付近の地点では、太陽は北東に近い方角から出て、北西に近い方角に沈む。一方、太陽電池パネルは南向きに設置されているのが一般的である。
このため、単純に、一日の各時刻(太陽の高さ)のみでフレームの傾斜角度を設定すると、例えば、午前6時頃においては、夏とはいえ、太陽は、まだ、それほどは高くはない。このため、太陽の高さだけを考慮した場合には、フレーム200の傾斜角度は、水平面に対して比較的大きな角度を有するような設定となるが、この時間帯では、太陽光は、太陽電池パネルの横方向又は横方向よりも少し後方から太陽電池パネル300に入射する状態となっている。したがって、このような時間帯においては、太陽電池パネル300に傾斜角度を設けるよりもむしろ水平に近い状態としている方が、太陽光をより効率よく取り込むことができる。
これは、日の入り前においても同様のことがいえる。例えば、午後6時頃においては、夏とはいえ、太陽は、比較的低い位置となっている。このため、太陽の高さだけを考慮した場合には、太陽電池パネルの傾斜角度は、水平面に対して比較的大きな角度を有するような設定となるが、この時間帯では、太陽光は、太陽電池パネルの横方向又は横方向よりも少し後方から太陽電池パネル300に入射する状態となっている。したがって、このような時間帯においては、太陽電池パネル300に傾斜角度を設けるよりもむしろ水平に近い状態としている方が、太陽光をより効率よく取り込むことができる。
このように、一日の各時刻に対応する最適傾斜角度は、太陽電池パネル300に対する太陽光の入射方向などを考慮して、各時刻ごとの最適傾斜角度を設定することが好ましい。したがって、記憶装置700には、実際の太陽光の入射方向などを考慮して設定された各時刻に対応する最適傾斜角度を記憶させておくことによって、制御装置600は傾斜角度可変装置400をより適切に制御することがき、それによって、太陽光をより効率よく太陽電池パネル300に取り込むことができる。
[実施形態2]
実施形態1に係る可動庇10においては、太陽位置情報を太陽位置算出装置900によって算出する場合を例示したが、実施形態2に係る可動庇20においては、太陽位置検出センサーを設け、この太陽位置検出センサーによって得られた太陽位置情報に基づいて最適傾斜角度を取得し、取得した最適傾斜角度に基づいて傾斜角度可変装置400を制御する。
なお、太陽位置検出センサーとしては、例えば、光センサーなどを例示することができる。すなわち、太陽位置検出センサー(光センサー)を特定の場所に設置しておくことによって、太陽の位置に応じて太陽位置検出センサーの出力が異なるので、太陽位置検出センサーの出力を太陽位置情報として用いることができる。
また、太陽位置検出センサーによって得られた太陽光の位置を示す情報に基づいて最適傾斜角度を取得する方法としては、太陽位置情報と最適傾斜角度とを対応付けて記憶装置700に記憶させておき、制御装置600が記憶装置700を参照することによって太陽の位置に応じた最適傾斜角度を取得するようにしてもよく、また、太陽位置検出センサーで検出された太陽位置情報に対応する最適傾斜角度を制御装置600がリアルタイムで算出するようにしてもよい。
図9は、実施形態2に係る可動庇20のユニットU1〜U3のうちの1つのユニットU1を取り出して拡大して示す図である。図9は図2に対応するものであり、太陽位置検出センサー800が設けられている点が図2と異なり、その他の構成要素は、図1と同様であるので、同一構成要素には同一符号が付されている。また、実施形態1に係る可動庇2の外観的な構成は実施形態1に係る可動庇10(図1参照)と同じである。
実施形態2に係る可動庇20においては、太陽位置情報を太陽位置検出センサー800から連続的に取得して、取得した太陽位置情報に基づいて連続的に傾斜角度可変装置400を制御することも可能であるが、一日のうちの所定の時刻ごと(例えば、9時、12時、15時など)に太陽位置検出センサー800からの太陽位置情報を太陽位置検出センサー800から取得して、取得した太陽位置情報に基づいて所定時刻ごとに傾斜角度可変装置400を制御するようにしてもよい。また、各月(例えば、当該月の初日など)ごとに太陽位置検出センサー800から太陽位置情報を取得して、取得した太陽位置情報に基づいて各月ごとに傾斜角度可変装置400を制御するようにしてもよく、また、季節(例えば、各季節を代表する月)ごとに太陽位置検出センサー800から太陽位置情報を取得して、取得した太陽位置情報に基づいて季節ごとに傾斜角度可変装置400を制御するようにしてもよい。
実施形態2に係る可動庇20おいても実施形態1に係る可動庇10と同様に、太陽の位置に応じて太陽電池パネル300を最適傾斜角度に設定することができる。
[実施形態3]
実施形態1に係る可動庇10においては、可動庇10を一般的な一戸建ての建物100の軒先に設置する場合を想定したものであるが、実施形態3に係る可動庇においては、可動庇を学校、病院及び役所などの建物(ビルディング)の外壁120に取り付けることを可能とする。
図10は、実施形態3に係る可動庇30を説明するための図である。実施形態3に係る可動庇30においては、傾斜角度可変装置400の取り付け方が実施形態1に係る可動庇10と異なる。なお、実施形態3に係る可動庇30においても、実施形態1に係る可動庇10と同様に、可動庇30は、図10では図示されていないが、3つのユニットU1〜U3によって構成されているものとする。
実施形態3に係る可動庇30は、図10に示すように、傾斜角度可変装置400のネジ棒431が建物100の外壁120の上下方向(z軸)に沿うように取り付けられる。このとき、第1アーム410が上側となり、第2アーム420が下側となるような位置関係となる。そして、フレーム200は、実施形態1に係る可動庇10と同様、第1アーム410に取り付けられるが、フレーム200の後端辺220が第1アーム410の他端部411側となる。また、傾斜角度可変装置400は、実施形態1に係る可動庇10と同様に制御装置600(図10では図示せず。)によって制御される。
このような構成とすることにより、ネジ棒431が時計方向に回転すると、第1アーム410はネジ棒431に沿って下方向(矢印z’方向)に移動するため、第1アーム410及び第2アーム420のなす角度αが小さくなり、フレーム200の傾斜角度θが小さくなる。また、逆に、ネジ棒431が反時計方向に回転すると、第1アーム410はネジ棒431に沿って上方向(矢印z方向)に移動するため、第1アーム410及び第2アーム420のなす角度αが大きくなり、フレーム200の傾斜角度θが大きくなる。
図11は、実施形態3に係る可動庇30においてフレーム200の傾斜角度θを約25度とした場合を示す図である。図11は傾斜角度θを約25度とした場合であるが、傾斜角度可変装置400によってフレーム200の傾斜角度θを所定範囲(ほぼ0度からほぼ90度)まで自在に変化させることができる。
なお、実施形態3に係る可動庇30においては、傾斜角度θを変化させる際のフレーム200の動きは、その後端辺220がネジ棒431に沿って(建物の外壁120に沿って)、矢印z−z’方向に移動しながら先端辺210が同一平面(水平面)上を矢印x−x’方向に移動する。例えば、図11に示すような小さい傾斜角度θ(θ=20度)となっているフレーム200が、図10のような大きな傾斜角度θとなるように動作する場合においては、フレーム200の後端辺220がネジ棒431に沿って図4における矢印z方向にせり上がりながらフレーム200の先端辺210が同一平面上を矢印x方向に移動して行く。
このように、実施形態3に係る可動庇においても、フレーム200がその傾斜角度を変化する動作を行う際は、実施形態1に係る可動庇10と同様に、フレーム200の先端辺210は同一平面上を移動する。
フレーム200がこのような動作を行うため、実施形態1に係る可動庇10と同様、例えば、冬季において、フレーム200の傾斜角度θが大きくなった場合であっても、フレーム200の先端辺210の上下方向の位置は変化しない。これにより、建物100の採光面110に入る太陽光が太陽電池パネル300によって遮られてしまうということがなく、太陽光を室内に十分に取り込むことができる。また、フレーム200が建物100に近づいた状態となることによって、より多くの太陽光を室内に取り込むことができる。
なお、太陽位置情報に対応する傾斜角度可変装置400の制御については、実施形態1に係る可動庇10及び実施形態2に係る可動庇20と同様に行うことができるので、ここではその説明は省略する。
[実施形態4]
図12は、実施形態4に係る可動庇40において用いられる傾斜角度可変装置500を説明するための図である。なお、図12においては、1つのユニットU1における傾斜角度可変装置500とフレーム200及び太陽電池パネル300のみが示されている。
実施形態4に係る可動庇40における傾斜角度可変装置500は、図12に示すように、フレーム200の後端辺220が上方向又は下方向に移動可能となるように後端辺220と先端辺210との間の第1部分(後端辺220の両端角部221,222とする。)を支持する縦方向ガイドレール530,540と、フレーム200の先端辺210が外壁に近づく方向又は前記外壁から遠ざかる方向に移動可能となるように第1部分よりも先端辺210の側の第2部分(先端辺210の両端角部211,212とする。)を支持する横方向ガイドレール510,520と、フレーム200を縦方向ガイドレール530,540及び横方向ガイドレール510,520に沿って移動させるためのフレーム駆動手段570とを有している。
なお、フレーム200を横方向ガイドレール510,520及び縦方向ガイドレール530,540に沿って円滑に移動させるために、フレーム200の先端辺210の両端角部211,212及び後端辺220の両端角部221,222に小車輪550をそれぞれ設けることが好ましい。
フレーム駆動手段570としては、実施形態1に係る可動庇10において用いた傾斜角度可変装置400のアーム駆動手段430と同様に、ネジ棒571と、ネジ棒571を時計方向又は反時計向に回転させるモータ(図12においては図示せず)と、モータの回転を減速してネジ棒571に伝達する動力伝達部(図12においては図示せず)とによって構成することができる。そして、ネジ棒571の先端側571aをフレーム200の先端辺210に螺合させておく。
このような構成とすることにより、ネジ棒571を時計方向又は反時計向に回転させることによりフレーム200を矢印x−x’方向に移動させることができる。例えば、ネジ棒571を時計方向に回転させることにより、フレーム200の先端辺210は横方向ガイドレール510,520に沿って矢印x方向に移動する。このとき、後端辺220は、縦方向ガイドレール530,540に沿って矢印z方向に上昇する。また、ネジ棒571を反時計方向に回転させることにより、フレーム200の先端辺210が横方向ガイドレール510,520に沿って矢印x’方向に移動する。このとき、後端辺220は、縦方向ガイドレール530,540に沿って矢印z’方向に下降する。
傾斜角度可変装置500を図12に示すような構成としても、上記各実施形態と同様、傾斜角度θを変化させる際のフレーム200の動きは、フレーム200の後端辺220が縦方向ガイドレール530,540に沿って矢印z−z’方向に移動しながら先端辺210が横方向ガイドレール510,520に沿って矢印x−x’方向に移動する。すなわち、フレーム200の先端辺210は常に横方向ガイドレール510,520に沿って移動することとなるため、フレーム200の先端辺210の上下方向(矢印z−z’方向)の位置は変化しない。
このような傾斜角度可変装置500は、上記した各実施形態に係る可動庇のいずれにも適用可能である。
なお、本考案は上述の実施形態に限られるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記(1)〜(8)に示すような変形実施も可能である。
(1)実施形態1に係る可動庇10においては、所定の月日及び時刻を示す情報に対応した最適傾斜角度を取得する場合は、制御装置600は、当該月日及び時刻を示す情報に対応した最適傾斜角度を記憶装置700から取得して、取得した最適傾斜角度に基づいて傾斜角度可変装置400を制御する場合を例示したが、当該月日及び時刻を示す情報などを太陽位置算出装置900に与えることにより、太陽位置算出装置900において当該月日及び時刻に対応した太陽位置情報をリアルタイムで算出し、制御装置600では、太陽位置算出装置900で算出された現時点の太陽位置情報に基づいて最適傾斜角度を算出して、算出した最適傾斜角度に基づいて傾斜角度可変装置400を制御するようにしてもよい。
(2)上記各実施形態では、太陽電池パネルは、9枚の太陽電池パネルで1つのユニットを構成し、また、ユニット数は3ユニットとしたが、これに限られるものではなく、1つのユニットにおける太陽電池パネルの枚数、ユニット数などは、設置スペースの大きさや発電規模などに応じて種々設定可能である。
(3)上記各実施形態では、太陽電池パネルの発電量すなわち太陽エネルギーの利用効率を優先して傾斜角度可変装置を制御する場合について説明したが、庇としての機能すなわち建物への太陽光の入射量の調節を行う機能を優先して傾斜角度可変装置を制御することも可能であり、また、建物の内部において冷房又は暖房を行っている場合には、当該冷房効率又は暖房効率をより高めることを優先して傾斜角度可変装置を制御することも可能である。
(4)上記各実施形態においては、太陽の位置に基づく最適傾斜角度としては、例えば、春分の日(秋分の日))の頃においては35度、夏至の頃においては12度、冬至の頃においては59度などというように、当該可動庇を設置する場所において算出される傾斜角度そのものとしたが、当該可動庇を設置する場所において算出される傾斜角度そのものとする必要は必ずしもなく、当該可動庇を設置する場所において算出される傾斜角度を参考として、例えば、冬至の頃は60度とするというように、おおよその傾斜角度を設定するようにしてもよい。
(5)実施形態1に係る可動庇10において用いた傾斜角度可変装置400は、ネジ棒431が水平方向となるように傾斜角度可変装置400を設置するようにしたが、ネジ棒431が多少の傾斜角度を有するように傾斜角度可変装置400を設置するようにしてもよい。また、実施形態3においては、ネジ棒431が垂直方向となるように傾斜角度可変装置400を設置するようにしたが、この場合も、ネジ棒431が多少の傾斜角度を有するように傾斜角度可変装置400を設置するようにしてもよい。
また、実施形態4に係る可動庇10において用いた傾斜角度可変装置500においても、必ずしも、縦方向ガイドレール530,540が建物100の外壁120に沿って垂直方向となるように傾斜角度可変装置500を設置する必要はなく、多少の傾斜角度を有した状態で傾斜角度可変装置500を設置するようにしてもよい。
(6)傾斜角度可変装置は実施形態1に係る可動庇10において説明した傾斜角度可変装置400及び実施形態4に係る可動庇40において用いた傾斜角度可変装置500に限られるものではない。
例えば、傾斜角度可変装置400のアーム駆動手段430としては、油圧によって第1アーム410をx−x’方向(例えば、図3参照。)に移動させるような駆動手段を採用したものであってよく、また、ラックとピニオンにより第1アーム410をx−x’方向に移動させるような駆動手段を採用したものであってもよい。
また、実施形態4に係る可動庇40において用いた傾斜角度可変装置500のフレーム駆動手段570においても同様に、油圧によってフレーム200をx−x’方向(図12参照。)に移動させるような駆動手段を採用したものであってよく、また、ラックとピニオンによりフレーム200をx−x’方向に移動させるような駆動手段を採用したものであってもよい。
また、傾斜角度可変装置400における第1アーム410と第2アーム420は、二等辺三角形のそれぞれ等辺に対応するものとして、両者を同じ長さとしたが、両者を同じ長さとする必要は必ずしもなく、例えば、第1アーム410を第2アーム420に比べて長くすることも可能である。
また、傾斜角度可変装置400においては、第1アーム410のみがx−x’方向(例えば、図3参照。)に移動可能であったが、第2フレーム420のみをx−x’方向(例えば、図3参照。)に移動可能としてもよく、また、第1アーム410及び第2アーム420の両方をx−x’方向(例えば、図3参照。)に移動可能としてもよい。
また、傾斜角度可変装置500は、図12においては、縦方向ガイドレール530,540は、フレームの後端辺220の両端角部221,222を支持し、横方向ガイドレール510,520は、フレームの先端辺210の両端角部211,212を支持する構成としたが、必ずしも、両端角部221,222及び両端角部211,212を支持する必要はなく、フレーム200の後端辺220と先端辺210との間の所定の2箇所を指示するような構成であればよい。例えば、縦方向ガイドレール530,540は、フレーム200の後端辺220から先端辺210までの間の中間位置と後端辺220との間の所定位置を支持し、横方向ガイドレール510,520は、フレーム200の後端辺220から先端辺210までの間の中間位置と先端辺210との間の所定位置を支持するような構成とすることも可能である。
また、傾斜角度可変装置500は、図12おいては、フレーム200の両側に縦方向ガイドレール530,540及び横方向ガイドレール510,520を設けた構成としたが、フレーム200の中央部材240に対向する位置に一本の横方向ガイドレール(図示せず。)及び縦方向ガイドレール(図示せず。)を設けて、これら一本の横方向ガイドレール及び縦方向ガイドレールでフレーム200を滑動自在に支持するような構成としてもよい。
また、傾斜角度可変装置500は、図12においては、縦方向ガイドレール530,540の端部と横方向ガイドレール510,520の端部とが直交する形状(L字形状)をなすような構成としたが、縦方向ガイドレール530,540と横方向ガイドレール510,520との間に湾曲部が形成されるような構成としてもよい。例えば、縦方向ガイドレール530と横方向ガイドレール510とが途中に湾曲部を有して連続した一本のガイドレールとして構成されるようにし、また、縦方向ガイドレール540と横方向ガイドレール520とが途中に湾曲部を有して連続した一本のガイドレールとして構成されるようにしてもよい。傾斜角度可変装置500をこのような構成としても、フレーム200の傾斜角度を所定範囲で変化させることができる。
また、傾斜角度可変装置としては、これら以外にも種々のものが考えられる。例えば、傾斜角度可変装置の側面の外形が、上端辺と下端辺と2つの斜辺とを有する台形状の四辺形をなすよう構成としてもよい。この場合、上端辺と下端辺と2つの斜辺とに対応するそれぞれのアームを設け、これら各アームのうちの隣接するアームの各端部が回動自在となるように各アームを連結して構成とする。そして、四辺形の上端辺にフレーム200が載置される。なお、台形状を維持するのはフレームが水平(傾斜角度が0度)である場合においては四辺形は台形となっており、2つの斜辺に対応するアームの傾きを変化させると、台形の形状が崩れ、それによって、上端辺に対応するアームの傾きが変化する。これにより、フレームの傾斜角度を変化させることができる。傾斜角度可変装置をこのような構成としてもフレームの傾斜角度を変化させることができる。
(7)上記各実施形態においては、太陽エネルギー利用装置として、太陽光発電装置(太陽電池パネル)を例にとって説明したが、その他の太陽エネルギー利用装置として例えば、太陽熱発電装置、太陽熱給湯装置などであってもよい。また、太陽電池パネル、太陽熱発電装置及び太陽熱給湯装置などを組み合わせて用いた場合であってもよい。
(8)上記各実施形態においては、フレーム200傾斜角度を制御装置600の制御信号に基づいて傾斜角度可変装置600が自動的に行うようにしたが、制御装置600によって算出又は取得された最適傾斜角度により、人間が手動でフレーム200の傾斜角度を最適傾斜角度とするようにフレーム200の傾斜角度を変化させるようにしてもよい。また、人間が傾斜角度可変装置600を操作してフレーム200の傾斜角度が最適傾斜角度となるようにしてもよい。
100・・・建物、110・・・採光面、120・・・外壁、200・・・フレーム、210・・・先端辺、220・・・後端辺、240・・・中央部材、300・・・太陽電池パネル、400,500・・・傾斜角度可変装置、410・・・第1アーム、420・・・第2アーム、430・・・アーム駆動手段、431・・・ネジ棒、432・・・モータ、433・・・動力伝達装置、510,520・・・横方向ガイドレール、530,540・・・縦方向ガイドレール、570・・・フレーム駆動手段、600・・・制御装置、700・・・記憶装置、800・・・太陽位置検出センサー、900・・・太陽位置算出装置

Claims (12)

  1. 建物の採光面を有する外壁又は外壁の近傍に設けられ、太陽エネルギー利用装置が取り付けられたフレームと、
    前記フレームの傾斜角度を変化させる傾斜角度可変装置と、
    を有し、
    前記傾斜角度可変装置は、前記フレームの傾斜角度を水平面に対して大きくする際には、前記フレームにおける前記外壁に近い側の端辺(後端辺という。)を上方向に移動させながら前記フレームにおける前記後端辺と反対側の端辺(先端辺という。)を前記外壁に近づける方向に移動させ、前記フレームの傾斜角度を水平面に対して小さくする際には、前記フレームの前記後端辺を下方向に移動させながら前記フレームの前記先端辺を前記外壁から遠ざける方向に移動させるように前記フレームを駆動することを特徴とする可動庇。
  2. 請求項1に記載の可動庇において、
    前記フレームの傾斜角度が太陽の位置に対して最適傾斜角度となるように前記傾斜角度可変装置を太陽の位置を示す情報に基づいて制御する制御装置をさらに有することを特徴とする可動庇。
  3. 請求項2に記載の可動庇において、
    月日を示す情報、時刻を示す情報、当該可動庇を設置する場所の緯度を示す情報、当該可動庇を設置する場所の経度を示す情報及び太陽に対する地球の軌道に関する情報に基づいて前記太陽の位置を示す情報を算出する太陽位置算出装置をさらに有することを特徴とする可動庇。
  4. 請求項2に記載の可動庇において、
    太陽の光に基づいて太陽の位置を示す情報を出力する太陽位置検出センサーをさらに有することを特徴とする可動庇。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の可動庇において、
    前記太陽の位置を示す情報と前記最適傾斜角度とを対応付けて記憶している記憶装置をさらに有し、
    前記制御装置は、前記太陽の位置を示す情報に対応した前記最適傾斜角度を前記記憶装置から取得することを特徴とする可動庇。
  6. 請求項5に記載の可動庇において、
    太陽の位置を示す情報は、月日を示す情報又は時刻を示す情報の少なくとも一方の情報であって、
    前記記憶装置は、前記月日を示す情報又は時刻を示す情報の少なくとも一方の情報と前記最適傾斜角度とを対応付けて記憶していることを特徴とする可動庇。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の可動庇において、
    前記制御装置は、前記太陽エネルギー利用装置における太陽エネルギーの利用効率、太陽光の入射量の調節を行う庇としての機能及び前記建物の内部の冷房効率又は暖房効率のどれを優先するかに応じて前記傾斜角度可変装置を制御することを特徴とする可動庇。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の可動庇において、
    前記太陽エネルギー利用装置は、太陽光発電装置、太陽熱発電装置及び太陽熱給湯装置の少なくとも1つであることを特徴とする可動庇。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の可動庇において、
    前記傾斜角度可変装置は、
    前記フレームが取り付けられる第1アームと、
    一端部が前記第1アームの一端部に回動自在に連結される第2アームと、
    前記第1アームと第2アームとのなす角度を180度以内の任意の角度に設定可能なアーム駆動手段とを有し、
    前記第1アームは、当該第1アームの前記一端部の側が前記フレームの前記先端辺と後端辺との間の所定部分に位置し、当該第1アームの他端部の側が前記フレームの前記先端辺又は前記後端辺に位置するように前記フレームが取り付けられており、前記アーム駆動手段によって前記第1アームと第2アームとのなす角度が180度以内の任意の角度に設可されることによって前記フレームの傾斜角度を水平面に対して90度以内の任意の角度に設定可能とすることを特徴とする可動庇。
  10. 請求項9に記載の可動庇において、
    前記傾斜角度可変装置は、前記第1アームの他端部と前記第2アームの他端部とを結ぶ線が前記外壁に対してほぼ直交する方向となるように設置され、かつ、前記第2アームが前記外壁に近い側となるように設置されることを特徴とする可動庇。
  11. 請求項9に記載の可動庇において、
    前記傾斜角度可変装置は、前記第1アームの他端部と前記第2アームの他端部とを結ぶ線が前記外壁に沿った方向となるように設置され、かつ、前記第2アームが前記外壁に沿った方向における下側となるように設置されることを特徴とする可動庇。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の可動庇において、
    前記傾斜角度可変装置は、
    前記フレームの前記後端辺が上方向又は下方向に移動可能となるように前記後端辺と前記先端辺との間の第1部分を支持する縦方向ガイドレールと、
    前記フレームの前記先端辺が前記外壁に近づく方向又は前記外壁から遠ざかる方向に移動可能となるように前記第1部分よりも前記先端辺の側の第2部分を支持する横方向ガイドレールと、
    前記フレームを前記縦方向ガイドレール及び横方向ガイドレールに沿って移動させるためのフレーム駆動手段と、
    を有することを特徴とする可動庇。
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