JP3155748U - アオコ事前検知システム - Google Patents

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圭太郎 山根
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英輝 桃崎
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康彦 酒井
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健一郎 西林
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Abstract

【課題】藍藻測定の手間を減少して、容易に測定値を得て、気象環境予報値を使い藍藻の増殖消滅を予測する藍藻数量予測システムを得る。【解決手段】藍藻数量予測システム6は蛍光光度計11、水温計12、データ処理装置2とこれらを無線通信で結ぶ通信手段4からなる。蛍光光度計11と水温計12は自律航行船1に艤装されている。自動で得た蛍光測定値を換算して測定藍藻数値を得て、当該測定藍藻数値に気象環境予報数値を適用し演算して、第X日後である予測日における各予測点での風考慮推定藍藻数値を得る。【選択図】図1

Description

本考案は、ダム湖、湖沼などの水域におけるアオコの発生を事前に検知するシステムに関するものである。
アオコとはダム湖や湖沼で増殖した藍藻が水面に集中し、湖水の著しい変色やスカムを形成する現象をいい、気象・水象・栄養塩の供給などの条件が整うと湖水内の藍藻が異常に繁殖し、細胞内に持つガス胞による浮力で水面に浮上した藍藻が水面の流れと風によって集積した結果として発生するといわれている。アオコを構成する藍藻類としてミクロキスティス属やアナベナ属が知られている。アオコが発生すると下流の生態系の変容、水際の景観阻害・悪臭の発生、カビ臭の発生による利水障害などがおこる。
アオコが発生するダム湖や水源地などでは、回収船による除去や曝気循環装置による発生抑制などの対策が進められている。しかし、より効果的、効率的なアオコの抑制を行うためには、発生の可能性を事前に検知し、アオコとして顕在化する前に対策を講じるといった能動的な方策が望まれる。
従来の藍藻類の観測は、採水した水を顕微鏡下で観察し、藍藻類を計数していた。また、従来、蛍光光度計を用いて、水中の藍藻類プランクトンの濃度を測定する方法が報告されている。(例えば特許文献1参照)
一方、従来、水圏の藍藻類など縣濁物質を測定するために、水圏内の液を拡大して撮影し撮像を波形解析して縣濁物質を測定する測定方法と、縣濁物質を測定し、さらに、観測水圏を含む地域の気象などを測定し水質汚染度の変化を予測する水圏監視装置が提案されている。(例えば特許文献2参照)
特開平8−242886号公報 特開平5−332915号公報
アオコは広い水域の中で微小な水面で発生するため、水域全体を単一として扱ったり、いくつかの代表地点のみを観察し当該位置での藍藻類の増殖と消滅を扱ったりでは、その予測が不正確となる。アオコの発生を事前に検知するためには、毎日、広範囲に数多くの地点で藍藻類の増減を把握する必要がある。
しかし、広い水域で広範囲に観測データを取得するためには、従来行われている顕微鏡下での計数や、従来提案されている撮像分析では時間と費用がかかりすぎて現実的ではない。
また、蛍光分光光度計のような観測機器による測定であっても、採水や測定などを人力で行うと、やはり時間と費用がかかりすぎる。
本考案が解決しようとする課題は、藍藻測定の手間を減少して、対象水域中の広範囲かつ多数の地点での藍藻測定値を初期値とすることが可能で、さらに気象環境予報値を使い藍藻の増殖消滅を予測する藍藻数量予測システムを構築することにある。
上記の課題を解決する手段を述べる。理解を容易にするために、本考案の実施例にかかる実施態様に対応する符号を付けて説明するが、本考案は当該実施態様に限定されるものではない。
本考案の一の態様にかかる藍藻数量予測システムは、
観測日に対象水域内で水質測定を行い、観測日からX日間(Xは1以上の正の整数)経過後の予測日における対象水域内のアオコ発生を予測するための藍藻数量予測システムであって、
蛍光光度計(11)、水温計(12)、データ処理装置(2)と通信手段(4)からなり、
前記蛍光光度計と前記水温計は対象水域を自律航行する自律航行船(1)に艤装され、前記蛍光光度計は前記自律航行船近傍の水におけるフィコビリン色素に由来する蛍光強度を連続して測定し、前記水温計は前記自律航行船近傍の水温を連続して測定するものであり、
前記データ処理装置は、予測演算手段(21)、数値換算手段(22)、測定値メモリ(23)、水面データメモリ(24)、気象係数メモリ(25)、換算測定値メモリ(26)、気象係数設定手段(31)と航行制御手段(32)からなり、
前記水面データメモリに、予め、対象水域内の複数の測定点と前記自律航行船の航路を記憶し、
前記航路制御手段が水面データメモリから前記航路を読み出し前記通信手段を経由して前記自律航行船に送り前記自立航行船の操船を行い、前記水面データメモリから前記測定点を読み出し前記自律航行船が前記測定点に達した時点で前記蛍光光度計と前記水温計から測定値を読み出して、前記通信手段を経由して測定値メモリに観測点毎の測定値を記憶し、
前記気象係数設定手段から、対象水域を含む地域の気象係数である、第N日最低気温、第N日最高気温、第N日日射係数、第N日風向と第N日風速(Nは1からXまでの正の整数、前記各気象係数は気象予報値であり、日射係数は予想雲量値である)を前記気象係数メモリに記憶し、
前記数値換算手段が前記測定値メモリに記憶された蛍光強度を藍藻細胞数に換算して当該数値を測定藍藻数値とし、
前記数値換算手段が前記測定値メモリに記憶された全観測点における水温測定値を読み出して当該数値の平均値を算出して当該平均値を水温平均値とし、
数値演算手段が前記気象係数メモリに記憶された各日毎の日射係数を読み出して当該数値を推定日射量に換算し当該換算数値を第N日推定日射量とし、第N日推定日射量を前記換算測定値メモリに記憶し、
さらに、前記予測演算手段が各測定点をそれぞれ各予測点とみなして、
前記予測演算手段が、前記水温平均値と、前記気象係数メモリに記憶された第1日最低気温、第1日最高気及び前記換算測定値メモリに記憶された第1日推定日射量から対象水域全体の第1日推定水温を算出し、
前記予想演算手段が、測定藍藻数値から、第1日推定水温と第1日推定日射量を使って、各予測点における第1日無風推定藍藻数値を算出し、続いて、第1日無風推定藍藻数値から第1日風向と第1日風速を使って、各予測点における第1日風考慮推定藍藻数値を算出し、
次に、前記予想演算手段が、各予測点における第1日風考慮推定藍藻数値から、第2日推定水温と第2日推定日射量を使って、各予測点における第2日無風推定藍藻数値を算出し、続いて、第2日無風推定藍藻数値に第2日風向と第2日風速を使って、各予測点における第2日風考慮推定藍藻数値を算出し、
以後同一予測演算をX日に至るまで繰り返して、
各予測点における第X日風考慮推定藍藻数値を、予測日における各予測点の予測藍藻数値として出力する。
本考案の好ましい実施態様である藍藻数量予測システムは、
対象水域中又は近傍に設けた気象観測点において、前記観測日における最高気温と最低気温、日射量、風向、風速観測を行い、
前記気象係数設定手段から設定する前記気象係数の中で、
第1日最低気温と第1日最高気温は前記観測値、
第1日日射係数は日射量、
第1日風向と第1日風速は特定時刻における観測風向と観測風速として、
前記第一日日射係数について行う、前記数値換算手段による日射係数から推定日射量への換算は換算係数を1として行うものであってもよい。
本考案の他の好ましい実施態様である藍藻数量予測システムは、
前記観測点について、複数の隣接する観測点が含まれる一定水面を予測ブロックとし、複数の隣接する観測点の蛍光値データを平均して、予測ブロック測定藍藻数値を算出し、当該数値に同一予測演算を行い予測ブロック毎の予測藍藻数値を出力するものであってもよい。
本考案にかかる藍藻数量予測システムは、その他の種々の構成要素とともに、自律航行船に艤装された連続測定を行う蛍光光度計を備えており、複数観測点で蛍光光度を測定し当該値が藍藻数値に換算される。そして、これらを初期値として気象環境値から、藍藻の増殖を予測して各日の予測値を積み重ねて予測日における藍藻数値を出力する。
測定は自動で行われるから、対象水域内において広範囲かつ多数の地点で短時間でかつ容易に藍藻数を測定できる。これらを予測の初期データとするから、初期データが対象水域を代表する確率が高くなり、予測の信頼性が増す。さらに、気象環境には、温度と日射量だけでなく、風向と風速を加入し、藍藻の風による移動を加味した予測を行うので、風で集積するアオコの実体に一層即した予測値を得ることができる。
本考案の好ましい実施態様においては、気象観測値を第1日の気象係数として藍藻推定値を予測演算するので、より一層、対象水域気象の実体を反映する予測システムとなる。
本考案の他の好ましい実施態様においては、隣接する測定点を平均してブロックを形成し、当該ブロック内の藍藻数を均質とみなして予測演算を行う。このため、予測システムと出力が単純化され、正確性と取り扱い容易性を兼ね備える予測システムとなる。
以上述べたように本考案によれば、対象水域中の微小な面内で発生するアオコに追随できるアオコ発生の時期と出現地点を予測可能な藍藻数量予測システムを得ることが出来る。
図1は藍藻数量予測システムを示す説明図である。 図2はデータ処理装置を示す説明図である。 図3は測定値メモリの記憶内容を示す説明図である。 図4は水面データメモリの記憶内容を示す説明図である。 図5は気象係数メモリの記憶内容を示す説明図である。 図6は換算測定値メモリの記憶内容を示す説明図である。 図7は予測演算手段が行う演算を説明する演算フローチャートである。
以下、図面を参照しながら本考案にかかる藍藻数量予測システムをさらに説明する。本考案の実施例に記載した部材や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載のない限りは、この考案の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は藍藻数量予測システムを示す説明図である。藍藻数量予測システム6は蛍光光度計11、水温計12、データ処理装置2とこれらを通信で結ぶ通信手段4からなる。通信手段4は、通常、無線LANであるが、無線と有線を共に使用するLAN、携帯電話会社が提供しているデータ通信網、あるいは、特定省電力無線での通信などでもよい。
自律航行船1はデータ処理装置2からの信号に従い、対象水域8内を自律航行する。蛍光光度計11と水温計12は自律航行船1に艤装されている。自律航行船1は、船外の水が自由に出入りする生簀室を備えていて、蛍光光度計11の励起光発光部位と蛍光受光部位は当該生簀室内に配置されている。また、水温計12の温度センサ部位は当該生簀室内に配置されている。
当該配置により、蛍光光度計11は自律航行船1近傍の水の蛍光測定を行うことができる。同様に当該配置により、水温計12は自律航行船1近傍の水の温度測定を行うことができる。
蛍光光度計11はフィコビリン色素に由来する蛍光強度を測定する。フィコビリン色素は藍藻類に特有の色素であり、当該蛍光強度を測定することにより藍藻類を定量することが出来る。フィコビリン色素に由来する蛍光は、通常、励起光590nmであり蛍光680nmである。しかし、波長のズレは許容される。よって、当業者に公知の励起波長と蛍光波長を選択すればよく、あるいは、励起光用フィルターと蛍光光用フィルターを選択すればよい。蛍光光度計11は、自律航行船1が航行中は常に測定を行っていて、測定データ転送処理の信号を受信した時点の測定値をデータ処理装置に転送する。同様に水温計12は、自律航行船1が航行中は常に測定を行っていて、測定データ転送処理の信号を受信した時点の測定値を、通信手段4を経由してデータ処理装置に転送する。
通信手段4は、中継局5で中継されるものであってもよい。中継局は単一であっても複数であってもよい。
気象観測点7を対象水域8中又はその近傍に設けてもよい。気象観測点7は、気温、日射量、風向と風速を連続あるいは断続的に測定する。気象観測点7の測定値は、通信手段4を経由してデータ処理装置2に転送され、気象観測データベースに自動的に記憶されてもよい。気象観測点を設け気象を観測すれば、気象予報値よりも対象水域の気象に即した気象データを得ることができ、当該データを予測に使用すれば予測の精度が高まる。
データ処理装置2は、例えば、コンピュータである。データ処理装置2は、予測演算手段21と数値換算手段22の各演算手段、測定値メモリ23、水面データメモリ24、気象係数メモリ25、換算測定値メモリ26と予測値メモリ28の各記憶手段と気象係数設定手段31と航行制御手段32を有している。
上記の各手段は、コンピュータに組み込まれたプログラムとCPU、RAM、ROMなど、また、コンピュータのIOデバイスなどにより実現できる。上記の各メモリは、例えば、コンピュータのハードメモリー内の一定部分でもよく、外部メモリでもよい。さらに、データ処理装置2は単一のコンピュータでもよく、2以上のコンピュータを通信手段4あるいはその他の通信回線で接続したものであってもよい。
測定値メモリ23は測定点毎の蛍光強度と水温を記憶する。蛍光強度と水温は、自律航行船の航路進行と併行して集積され記憶される。
水面データメモリ24は、測定点241、航路242、これらに加えて、必要に応じて単位ブロックデータ243を記憶する。測定点241は、複数の測定点について点毎に位置を特定するデータである。単位ブロックデータは、藍藻数量を予測ブロック毎に予測する場合に、どの測定点(複数)の蛍光強度測定値を平均するかを記述したデータである。なお、当該複数の測定点は隣接している。水面データメモリ24内のデータは、通常、自律航行船の始動前に予め入力される。
気象係数メモリ25は、第1日から第X日までの気象係数を記憶する。図5を参照して、実線で囲まれる長方形枠内に記入した文字記号が記憶されるデータである。その他の文字はデータ内容の説明文言である。
気象係数は、最低気温、最高気温、日射係数、風向、風速であり、各日毎にこれら5の係数が単一セットとして与えられる。セットの数はXセットである。つまり、蛍光強度測定日を第1日とし、予測日(第1日からX日経過後に日である)であるX日までのXセットである。
第1日から第X日まで、気象係数は全て気象予報値を用いてもよい。気象予報値を用いる場合に、日射係数は(予想)雲量値で与えられる。後に説明する藍藻数量の予測演算に用いる日射係数は推定日射量であり、雲量値は推定日射量に換算される。
一方、第1日気象係数は実測値を用いてもよい。この場合、機械観測される日射係数は日射量である。このため、気象係数設定手段31から入力する第1日日射係数は日射量となる。
このように入力し、記憶された第1日日射量はそのまま藍藻数量予測演算に用いることが出来るので、換算は不要である。言い換えれば、換算係数1として換算すればよい。
さらに、実測値を用いる場合、第1日風向と第1日風速は当該日における風向と風速を代表する値であればどのような値でもよい。例えば、午前9時の風向値と風速値を使用することができる。また、例えば、午前9時から午前10時までの間の風向と風速の平均値を使用してもよい。
気象係数は、通常、第1日の蛍光観測終了後に、気象係数設定手段31から入力する。
換算測定値メモリ26は水温平均値261と測定藍藻数値262を記憶する。また、必要に応じて、測定藍藻数値262の代わりにブロック平均測定藍藻値263が記憶されることがある。
藍藻数量予測システム6は、観測日に対象水域8内で水質測定を行い、観測日からX日間(Xは1以上の正の整数)経過後の予測日における藍藻数量を予測するシステムである。
続いて、藍藻数量予測システム6の動作を説明する。
航行制御手段32が水面データメモリ24から航路242を読み出し通信手段4を経由して自律航行船1に送り自立航行船1の操船を行う。同時に水面データメモリ24から測定点を読み出し自律航行船1が一の測定点に達した時点で蛍光光度計11と水温計12から測定値を読み出して、通信手段4を経由して測定値メモリ23に観測点毎の蛍光強度と水温を記憶する。自律航行船1が進行して、次の測定点に達した時点で同様に測定値の取り込みを行う。このようにして、対象水域8の複数の測定点で蛍光強度と水温を測定する。
次に気象係数を設定する。気象係数は対象水域を含む地域の気象予報値である。気象係数設定手段31から、第N日最低気温、第N日最高気温、第N日日射係数、第N日風向と第N日風速(Nは1からXまでの正の整数であり、日射係数は予想雲量値である)を入力し、気象係数メモリ25に記憶する。すでに述べたように、第1日にかかる気象係数を、予報値でなく観測値にしてもよい。
気象係数の設定は、蛍光強度などの測定に先立って行ってもよい。
次に、数値換算手段22が測定値メモリ23に記憶された個々の測定点における蛍光強度を藍藻細胞数に換算して当該数値を測定藍藻数値として、換算測定値メモリ26に記憶する。
数値換算手段22が測定値メモリ23に記憶された全観測点における水温測定値を読み出して当該数値の平均値を算出して当該平均値を水温平均値として、換算測定値メモリ26に記憶する。
数値演算手段22が気象係数メモリ25に記憶された各日毎の日射係数である雲量から推定日射量を算出し当該数値を第N日日射量とし、換算測定値メモリ26に記憶する。
次に、予測演算手段が藍藻の推定量を算出する。通常、各測定点がそれぞれ藍藻数値を算出する予測点となる。この場合、予測演算手段21が各測定点をそれぞれ各予測点とみなす。
図7に示す予測演算手段21の演算フローチャートを参照しつつ説明する。各工程に付した記号番号のSはステップを示している。
S01で、換算測定値メモリ26に記憶された水温平均値に、気象係数メモリ25に記憶された第1日最低気温、第1日最高気及び換算測定値メモリ26に記憶された第1日推定日射量を適用し演算して対象水域全体の第1日推定水温を算出する。
S02で、測定藍藻数値に、第1日推定水温と第1日推定日射量を適用し演算して、各予測点における第1日無風推定藍藻数値を算出する。第1日無風推定藍藻値は、測定時に存在した藍藻が推定水温下、かつ、推定日射量下に一日間増殖(あるいは消滅)した結果として現れるであろう藍藻数を予測する値である。当該第1日無風推定藍藻数値は、全ての予測点毎に、全ての予測点について算出する。算出された第1日無風推定藍藻数値は予測値メモリ28に記憶される。
S03で、第1日無風推定藍藻数値に、第1日風向と第1日風速を適用し演算して、第1日風考慮推定藍藻数値を算出する。第1日風考慮推定藍藻数値は、予測点に存在する藍藻が風で移動した結果として現れるであろう藍藻数を予測する値である。当該第1日風考慮推定藍藻数値は、全ての予測点毎に、全ての予測点について算出する。算出された第1日風考慮推定藍藻数値は予測値メモリ28に記憶される。
S04で変数kにk=2を代入する。本実施例は蛍光光度測定日からX日後である予測日における藍藻数を予測するものであり、変数kを用いて第何日目の推定値を表すことにする。以下S07まで、k=2として実際の経過日を用いて説明する。
S05で第2日における推定水温(第2日推定水温)を求める。第1日推定水温に、第2日最低気温、第2日最高気及び換算測定値メモリ26に記憶された前記第2日推定日射量から対象水域全体の第2日推定水温を算出する。
S06で第1日風考慮推定藍藻数値に、第2日推定水温と第2日推定日射量を適用し演算して、各予測点における第2日無風推定藍藻数値を算出する。当該第2日無風推定藍藻数値は、全ての予測点毎に、全ての予測点について算出する。算出された第2日無風推定藍藻数値は予測値メモリ28に記憶される。
S07で第2日無風推定藍藻数値に、第2日風向と第2日風速を適用し演算して、第2日風考慮推定藍藻数値を算出する。当該第2日風考慮推定藍藻数値は、全ての予測点毎に、全ての予測点について算出する。算出された第2日風考慮推定藍藻数値は予測値メモリ28に記憶される。
S08で変数kに1を加算する。S09でkとXの値を比較する。k<Xの場合はS05に戻り引き続く日の推定値を演算する。
S09でk=Xの場合はS10に移行する。k=Xの場合は予測日における数値が算出されたことを意味する。
S10で各予測点における第X日風考慮推定藍藻数値を、予測日における各予測点の予測藍藻数値として出力する。
以上、個々の測定点を予測点とする藍藻数量予測システムを説明した。
本考案にかかる藍藻数量予測システムは、自律運行船に艤装した蛍光光度計に用いて、自動で測定藍藻数値を測定する。このため、測定が容易であり、システムが出力する予測値を容易に検証することができる。よって、予測演算手段の行う演算式なども改良、検証が容易である。
本考案の好ましい実施態様にあっては、測定点について、複数の隣接する測定点が含まれる一定水面を予測ブロックとし、複数の隣接する観測点の蛍光値データを平均して、当該蛍光値からブロック平均測定藍藻値を算出し、これを初期値としてブロック毎に藍藻数量の予測値を算出してもよい。
この場合図7に示す予測演算手段21の演算フローチャートは、測定藍藻数値がブロック平均測定藍藻数値に置き換わる変更があるだけである。
本考案にかかる藍藻数量予測システムは、例えば、ダム湖、湖沼などの水域におけるアオコ発生の予測と、事前対策などに用いることができる。
1 自律航行船
2 データ処理装置
4 通信手段
5 中継局
6 藍藻数量予測システム
11 蛍光光度計
12 水温計
21 予測演算手段
22 数値換算手段
23 測定値メモリ
24 水面データメモリ
25 気象係数メモリ
31 気象係数設定手段
32 航行制御手段

Claims (3)

  1. 観測日に対象水域内で水質測定を行い、観測日からX日間(Xは1以上の正の整数)経過後の予測日における対象水域内のアオコ発生を予測するための藍藻数量予測システムであって、
    蛍光光度計、水温計、データ処理装置と通信手段からなり、
    前記蛍光光度計と前記水温計は対象水域を自律航行する自律航行船に艤装され、前記蛍光光度計は前記自律航行船近傍の水におけるフィコビリン色素に由来する蛍光強度を連続して測定し、前記水温計は前記自律航行船近傍の水温を連続して測定するものであり、
    前記データ処理装置は、予測演算手段、数値換算手段、測定値メモリ、水面データメモリ、気象係数メモリ、換算測定値メモリ、気象係数設定手段と航行制御手段からなり、
    前記水面データメモリに、予め、対象水域内の複数の測定点と前記自律航行船の航路を記憶し、
    前記航路制御手段が水面データメモリから前記航路を読み出し前記通信手段を経由して前記自律航行船に送り前記自立航行船の操船を行い、前記水面データメモリから前記測定点を読み出し前記自律航行船が前記測定点に達した時点で前記蛍光光度計と前記水温計から測定値を読み出して、前記通信手段を経由して測定値メモリに観測点毎の測定値を記憶し、
    前記気象係数設定手段から、対象水域を含む地域の気象係数である、第N日最低気温、第N日最高気温、第N日日射係数、第N日風向と第N日風速(Nは1からXまでの正の整数、前記各気象係数は気象予報値であり、日射係数は予想雲量値である)を前記気象係数メモリに記憶し、
    前記数値換算手段が前記測定値メモリに記憶された蛍光強度を藍藻細胞数に換算して当該数値を測定藍藻数値とし、
    前記数値換算手段が前記測定値メモリに記憶された全観測点における水温測定値を読み出して当該数値の平均値を算出して当該平均値を水温平均値とし、
    数値演算手段が前記気象係数メモリに記憶された各日毎の日射係数を読み出して当該数値を推定日射量に換算し当該換算数値を第N日推定日射量とし、第N日推定日射量を前記換算測定値メモリに記憶し、
    前記予測演算手段が各測定点をそれぞれ各予測点とみなして、
    前記予測演算手段が、前記水温平均値と、前記気象係数メモリに記憶された第1日最低気温、第1日最高気及び前記換算測定値メモリに記憶された第1日推定日射量から対象水域全体の第1日推定水温を算出し、
    前記予想演算手段が、測定藍藻数値から、第1日推定水温と第1日推定日射量を使って、各予測点における第1日無風推定藍藻数値を算出し、続いて、第1日無風推定藍藻数値から第1日風向と第1日風速を使って、各予測点における第1日風考慮推定藍藻数値を算出し、
    次に、前記予想演算手段が、各予測点における第1日風考慮推定藍藻数値から、第2日推定水温と第2日推定日射量を使って、各予測点における第2日無風推定藍藻数値を算出し、続いて、第2日無風推定藍藻数値から第2日風向と第2日風速を使って、各予測点における第2日風考慮推定藍藻数値を算出し、
    以後同一予測演算をX日に至るまで繰り返して、
    各予測点における第X日風考慮推定藍藻数値を、予測日における各予測点の予測藍藻数値として出力する藍藻数量予測システム。
  2. 対象水域中又は近傍に設けた気象観測点において、前記観測日における最高気温と最低気温、日射量、風向、風速観測を行い、
    前記気象係数設定手段から設定する前記気象係数の中で、
    第1日最低気温と第一日最高気温は前記観測値、
    第1日日射係数は日射量、
    第1日風向と第1日風速は特定時刻における観測風向と観測風速として、
    前記第一日日射係数について行う、前記数値換算手段による日射係数から推定日射量への換算は換算係数を1として行うことを特徴とする請求項1に記載した藍藻数量予測システム。
  3. 前記測定点について、複数の隣接する測定点が含まれる一定水面を予測ブロックとし、複数の隣接する観測点の蛍光値データを平均して、予測ブロック測定藍藻数値を算出し、当該数値に同一予測演算を行い予測ブロック毎の予測藍藻数値を出力することを特徴とする請求項1乃至2いずれかの記載した藍藻数量予測システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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