JP3155098B2 - ルシフェラーゼ活性の連続的測定方法 - Google Patents
ルシフェラーゼ活性の連続的測定方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はルシフェラーゼ活性の測
定方法に関し、更に詳しくは、細胞内で発現しているル
シフェラーゼの活性を、細胞を生かし続けながら連続的
に測定する方法に関する。
定方法に関し、更に詳しくは、細胞内で発現しているル
シフェラーゼの活性を、細胞を生かし続けながら連続的
に測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生物が環境にうまく適応し生存を維持し
ていけるのは、外部環境や内部環境の変化に即応するよ
うに遺伝子発現が調節されているからである。また、1
個の授精卵から細胞が分裂を繰返し特異細胞に分化しな
がら特定の形を作り上げ体を構築してゆくことができる
のは、細胞分裂や個体発生などのステージで遺伝子の発
現が精妙かつ高度に制御されているからである。生命現
象を理解するためには、この遺伝子発現制御の機構を解
明することが必要である。これまで、細胞内遺伝子発現
量を測定する方法としては、培養菌体を集菌し酵素処理
や超音波処理等により菌体を破砕した後、RNAを抽出
しメッセンジャーRNA(mRNA)量を測定する方
法、あるいは細胞抽出液中のタンパク質(あるいは、レ
ポータータンパク)の活性を測定する方法等がとられて
きた。しかしながら、このような菌体破砕を伴う測定法
では、多くの時間と労力を要する。このため、測定の連
続自動化は不可能である。更に、発現量を知りたい時点
から測定結果がでるまでに大きな時間差を生じ、更に、
時間分解能が劣るという欠点がある。一方、非破壊系の
測定法も存在する。これは、バクテリアル・ルシフェラ
ーゼをレポータータンパクとして利用する方法である。
目的タンパクのプロモーターの下流若しくは目的タンパ
クをコードする遺伝子の下流にフレームを合せ挿入す
る。この遺伝子をプラスミド等のベクターを用い宿主菌
を形質転換する。発現量の測定は、この形質転換体の培
養液を逐次サンプリングし、これに基質であるアルカナ
ール(デカナール、ドデカナール、テトラデカナール
等)を加え、これによって生じる生物発光を計測する。
しかしながら、この際、アルカナールには毒性があるの
で測定に用いた菌体は死滅する。また、破壊的測定法と
同様に時間分解能に限界がある。
ていけるのは、外部環境や内部環境の変化に即応するよ
うに遺伝子発現が調節されているからである。また、1
個の授精卵から細胞が分裂を繰返し特異細胞に分化しな
がら特定の形を作り上げ体を構築してゆくことができる
のは、細胞分裂や個体発生などのステージで遺伝子の発
現が精妙かつ高度に制御されているからである。生命現
象を理解するためには、この遺伝子発現制御の機構を解
明することが必要である。これまで、細胞内遺伝子発現
量を測定する方法としては、培養菌体を集菌し酵素処理
や超音波処理等により菌体を破砕した後、RNAを抽出
しメッセンジャーRNA(mRNA)量を測定する方
法、あるいは細胞抽出液中のタンパク質(あるいは、レ
ポータータンパク)の活性を測定する方法等がとられて
きた。しかしながら、このような菌体破砕を伴う測定法
では、多くの時間と労力を要する。このため、測定の連
続自動化は不可能である。更に、発現量を知りたい時点
から測定結果がでるまでに大きな時間差を生じ、更に、
時間分解能が劣るという欠点がある。一方、非破壊系の
測定法も存在する。これは、バクテリアル・ルシフェラ
ーゼをレポータータンパクとして利用する方法である。
目的タンパクのプロモーターの下流若しくは目的タンパ
クをコードする遺伝子の下流にフレームを合せ挿入す
る。この遺伝子をプラスミド等のベクターを用い宿主菌
を形質転換する。発現量の測定は、この形質転換体の培
養液を逐次サンプリングし、これに基質であるアルカナ
ール(デカナール、ドデカナール、テトラデカナール
等)を加え、これによって生じる生物発光を計測する。
しかしながら、この際、アルカナールには毒性があるの
で測定に用いた菌体は死滅する。また、破壊的測定法と
同様に時間分解能に限界がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】個々の遺伝子の発現が
どの様な制御を受けているかを解析するためには、細胞
を破壊することなく生理条件下で生育させながら連続的
に発現量を追跡していく必要がある。少数の試料であれ
ば試料から時間ごとにサンプリングする方法も考えられ
るが、遺伝子組換えの技術を用いて、特に、ある一定の
発現様式を有する遺伝子をスクリーニングするような場
合、サンプリング法では多大の労力を必要とし事実上実
施不可能である。そのため、生きた培養液を用いてサン
プリングすることなく、連続的かつ自動的に遺伝子の発
現量を検出できる方法が望まれていた。本発明の目的
は、細胞を生かし続けながら連続的にルシフェラーゼ活
性を測定する方法を提案することにある。
どの様な制御を受けているかを解析するためには、細胞
を破壊することなく生理条件下で生育させながら連続的
に発現量を追跡していく必要がある。少数の試料であれ
ば試料から時間ごとにサンプリングする方法も考えられ
るが、遺伝子組換えの技術を用いて、特に、ある一定の
発現様式を有する遺伝子をスクリーニングするような場
合、サンプリング法では多大の労力を必要とし事実上実
施不可能である。そのため、生きた培養液を用いてサン
プリングすることなく、連続的かつ自動的に遺伝子の発
現量を検出できる方法が望まれていた。本発明の目的
は、細胞を生かし続けながら連続的にルシフェラーゼ活
性を測定する方法を提案することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は細胞内で発現しているルシフェラーゼの活性を連
続的に測定する方法に関し、基質としてアルカナールを
用い、密閉系の中で培養液と基質溶液を分けた状態で設
置し、基質の揮発性を利用して該基質を該培養液へ連続
供給し、かつ該基質の濃度を細胞の致死濃度未満に維持
することを特徴とする。
発明は細胞内で発現しているルシフェラーゼの活性を連
続的に測定する方法に関し、基質としてアルカナールを
用い、密閉系の中で培養液と基質溶液を分けた状態で設
置し、基質の揮発性を利用して該基質を該培養液へ連続
供給し、かつ該基質の濃度を細胞の致死濃度未満に維持
することを特徴とする。
【0005】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
の方法に用いる基質のアルカナールとしてはルシフェラ
ーゼの活性測定に用いられるものであれば何でもよい
が、長鎖アルカナールが好ましい。長鎖アルカナールと
しては、例えばメソッズ イン エンザイモロジー(Me
thods in Enzymology)、第57巻、第136〜152頁
(1978)に記載されている炭素数10〜14のもの
が挙げられる。
の方法に用いる基質のアルカナールとしてはルシフェラ
ーゼの活性測定に用いられるものであれば何でもよい
が、長鎖アルカナールが好ましい。長鎖アルカナールと
しては、例えばメソッズ イン エンザイモロジー(Me
thods in Enzymology)、第57巻、第136〜152頁
(1978)に記載されている炭素数10〜14のもの
が挙げられる。
【0006】本発明の方法に用いる基質のアルカナール
には毒性があるため測定に用いる細胞を死滅せず、かつ
細胞への毒性を示さない程度の基質濃度で細胞を生かし
続けながら連続的に活性測定を行うために、ルシフェラ
ーゼ反応に伴い消費される基質をその消費分だけ絶えず
供給してやればよい。基質を供給する方法としては、基
質濃度を細胞の致死濃度未満に維持できる方法であれば
何でもよく、例えば培養液に直接滴下する方法、密閉系
の中に培養液と基質溶液を共存させ基質の揮発性を利用
して連続供給する方法が挙げられる。なお、密閉系であ
っても、遺伝子発現の制御の研究のために必要な時間だ
け細胞が生き続ければ特に問題はない。
には毒性があるため測定に用いる細胞を死滅せず、かつ
細胞への毒性を示さない程度の基質濃度で細胞を生かし
続けながら連続的に活性測定を行うために、ルシフェラ
ーゼ反応に伴い消費される基質をその消費分だけ絶えず
供給してやればよい。基質を供給する方法としては、基
質濃度を細胞の致死濃度未満に維持できる方法であれば
何でもよく、例えば培養液に直接滴下する方法、密閉系
の中に培養液と基質溶液を共存させ基質の揮発性を利用
して連続供給する方法が挙げられる。なお、密閉系であ
っても、遺伝子発現の制御の研究のために必要な時間だ
け細胞が生き続ければ特に問題はない。
【0007】本発明の方法に用いるための自動化の装置
としては例えば図1に示すものを挙げることができる。
すなわち密閉系の中で培養液と基質溶液を分けた状態で
設置する。基質は揮発性のため、その希薄溶液は気相と
平衡状態になり、更に、この気相と培養液との間で平衡
が成り立つ。培養液中においてルシフェラーゼ反応によ
り消費された基質は、気相よりその消費分だけ補われ
る。このようにして、基質は、菌体に対して毒性を示さ
ない低濃度を維持しつつ供給されうる。
としては例えば図1に示すものを挙げることができる。
すなわち密閉系の中で培養液と基質溶液を分けた状態で
設置する。基質は揮発性のため、その希薄溶液は気相と
平衡状態になり、更に、この気相と培養液との間で平衡
が成り立つ。培養液中においてルシフェラーゼ反応によ
り消費された基質は、気相よりその消費分だけ補われ
る。このようにして、基質は、菌体に対して毒性を示さ
ない低濃度を維持しつつ供給されうる。
【0008】次に基質溶液と培養液からなる密閉された
サンプルバイアルから発せられる蛍光をホトマルチプラ
イヤー(Photomultiplier)で直接検出する。ホトマルチ
プライヤーの出力はA/Dコンバーターを通してコンピ
ューターに送られ、測定、解析される。このようにして
ルシフェラーゼ活性を連続かつ自動的に測定できる。な
お、測定装置に使用する各パーツの大きさ、形状等は本
発明の方法に使用できるものであれば何でもよく、用い
る細胞の種類や培養温度に合せて適宜選択すればよい。
サンプルバイアルから発せられる蛍光をホトマルチプラ
イヤー(Photomultiplier)で直接検出する。ホトマルチ
プライヤーの出力はA/Dコンバーターを通してコンピ
ューターに送られ、測定、解析される。このようにして
ルシフェラーゼ活性を連続かつ自動的に測定できる。な
お、測定装置に使用する各パーツの大きさ、形状等は本
発明の方法に使用できるものであれば何でもよく、用い
る細胞の種類や培養温度に合せて適宜選択すればよい。
【0009】本発明者らはシネココッカス スピーシー
ズ(Synechococcus sp.)PCC7942株(以下、シネ
ココッカスと略記する)の光合成に関与する光化学系II
(photosystem II)を構成する主要タンパク質の1つで
あるD1をコードする遺伝子のプロモーター領域 PpsbA
I の下流にバクテリアル ルシフェラーゼ遺伝子luxAB
を接続し、プラスミドpAM977を作製した。次に、該プラ
スミドを利用してシネココッカスの染色体にPpsbAI:: l
uxAB領域を組込み、形質転換体AMC149を作製した。次
に、該形質転換体の生物発光を図1に示す装置を用いて
連続的かつ自動的に測定した。その結果、従来のルシフ
ェラーゼ活性測定法で到底得ることができないシネココ
ッカスの遺伝子発現の制御に関する詳細な知見を得るこ
とができた。
ズ(Synechococcus sp.)PCC7942株(以下、シネ
ココッカスと略記する)の光合成に関与する光化学系II
(photosystem II)を構成する主要タンパク質の1つで
あるD1をコードする遺伝子のプロモーター領域 PpsbA
I の下流にバクテリアル ルシフェラーゼ遺伝子luxAB
を接続し、プラスミドpAM977を作製した。次に、該プラ
スミドを利用してシネココッカスの染色体にPpsbAI:: l
uxAB領域を組込み、形質転換体AMC149を作製した。次
に、該形質転換体の生物発光を図1に示す装置を用いて
連続的かつ自動的に測定した。その結果、従来のルシフ
ェラーゼ活性測定法で到底得ることができないシネココ
ッカスの遺伝子発現の制御に関する詳細な知見を得るこ
とができた。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。
これらの実施例に限定されるものではない。
【0011】実施例1 (1) プラスミドベクターの構築 ジ エンボ ジャーナル(The EMBO Journal)、第5巻、
第2789〜2798頁(1986)に記載のプラスミ
ドpDH140から前述のプロモーター領域PpsbAIを含む約
2.1kbのHind III− SalI断片を調製した。同様に、
前出のジ エンボジャーナルに記載のプラスミドpLAV1
からluxAB 遺伝子を含むHind III−SalI 断片を調製
し、前出の断片と接続した。次に得られた断片から、Pp
sbAI::luxAB 断片を2.8kbのPvu II断片として回収し
た。該Pvu II断片を、ジャーナルオブ バクテリオロジ
ー(Journal of Bacteriology)、第173巻、第752
5〜7533頁(1991)に記載のプラスミドpAM854
の SmaI部位に挿入し、プラスミドpAM977を構築した。
なお、プラスミドの調製、制限酵素反応、DNA断片の
回収、組換えプラスミドの構築等は、コールドスプリン
グ ハーバー ラボラトリー発行、T.マニアティス
(T.Maniatis) ら著、モレキュラー クローニング
ア ラボラトリー マニュアル(Molecular Cloning,
A Laboratory Manual) 、(1982)に記載の方法で
行った。
第2789〜2798頁(1986)に記載のプラスミ
ドpDH140から前述のプロモーター領域PpsbAIを含む約
2.1kbのHind III− SalI断片を調製した。同様に、
前出のジ エンボジャーナルに記載のプラスミドpLAV1
からluxAB 遺伝子を含むHind III−SalI 断片を調製
し、前出の断片と接続した。次に得られた断片から、Pp
sbAI::luxAB 断片を2.8kbのPvu II断片として回収し
た。該Pvu II断片を、ジャーナルオブ バクテリオロジ
ー(Journal of Bacteriology)、第173巻、第752
5〜7533頁(1991)に記載のプラスミドpAM854
の SmaI部位に挿入し、プラスミドpAM977を構築した。
なお、プラスミドの調製、制限酵素反応、DNA断片の
回収、組換えプラスミドの構築等は、コールドスプリン
グ ハーバー ラボラトリー発行、T.マニアティス
(T.Maniatis) ら著、モレキュラー クローニング
ア ラボラトリー マニュアル(Molecular Cloning,
A Laboratory Manual) 、(1982)に記載の方法で
行った。
【0012】(2) PpsbAI :: luxAB 領域の染色体への組
込み プラスミドpAM854はスペクチノマイシン耐性遺伝子を有
しその両側にシネココッカスの生命活動に必須でない領
域 (non-essential region) の染色体DNA断片が組込
まれている。したがって、細胞内に導入されたプラスミ
ドは染色体由来DNA領域を利用して相同的組換えを起
こし、細胞の染色体DNA上の生命活動に必須でない領
域にPpsbAI :: luxAB 領域が組込まれた形質転換体をス
ペクチノマイシン耐性の表現型で選択することができ
る。相同的組換えを利用した組換体の作製法は、メソッ
ズ イン エンザイモロジー、第167巻、第714〜
727頁(1988)に記載されている。上記方法によ
り形質転換体AMC149を得た。
込み プラスミドpAM854はスペクチノマイシン耐性遺伝子を有
しその両側にシネココッカスの生命活動に必須でない領
域 (non-essential region) の染色体DNA断片が組込
まれている。したがって、細胞内に導入されたプラスミ
ドは染色体由来DNA領域を利用して相同的組換えを起
こし、細胞の染色体DNA上の生命活動に必須でない領
域にPpsbAI :: luxAB 領域が組込まれた形質転換体をス
ペクチノマイシン耐性の表現型で選択することができ
る。相同的組換えを利用した組換体の作製法は、メソッ
ズ イン エンザイモロジー、第167巻、第714〜
727頁(1988)に記載されている。上記方法によ
り形質転換体AMC149を得た。
【0013】実施例2 生物発光連続自動測定装置の作
製 図1に示す生物発光連続自動測定装置を作製した。ライ
ト−タイト ボックス(Light-tight box) としては縦2
40mm、横160mm、高さ120mmのものを、サンプル
バイアルとしては直径24mm、高さ40mmのものを、シ
ャッターとしてはコパル610型を、ホトマルチプライ
ヤーとしては浜松ホトニクス931B型を使用した。
製 図1に示す生物発光連続自動測定装置を作製した。ライ
ト−タイト ボックス(Light-tight box) としては縦2
40mm、横160mm、高さ120mmのものを、サンプル
バイアルとしては直径24mm、高さ40mmのものを、シ
ャッターとしてはコパル610型を、ホトマルチプライ
ヤーとしては浜松ホトニクス931B型を使用した。
【0014】実施例3 生物発光の連続自動測定 形質転換体AMC149をスペクチノマイシン(40μg/m
l)を含むBG−11培地で振とう速度:100rpm 、
培養温度:30℃、明/暗サイクル(LDサイクル):
12時間明/12時間暗条件下で培養した(BG−11
培地の培地組成は前出のジャーナル・オブ・バクテリオ
ロジーに記載されている)。明条件での光度(Light fl
uence)は46μmol/m2 s で行った。実験は、12時間
ずれた2つの系で行った。培養が定常期(約109 cell
/ml)に達した時、菌体懸濁液5mlを図1の20ml容のサ
ンプルバイアルに移した。ジメチルスルホキシドに溶解
した1%濃度のn−デカナール溶液を培養液とは分けた
状態でバイアル内に設置しバイアルを密閉した。マイク
ロコンピューターにより箱の上蓋を25分間開き5分間
閉じるよう制御し、25分間の明条件中、菌体を蛍光灯
(日立FL20W)で46μmol/m2 s の光度で照射し
た。菌体からの生物発光は5分間の暗条件中に測定した
(最初の2分間はクロロフィルから出る蛍光が減衰する
ための時間であり、それ以後、1.5分間の生物発光の
測定を2回繰返した)。ホトマルチプライヤーからの出
力を、A/Dコンバーター(シンキー)を通してマイク
ロ・コンピューター(シャープPCE200型)により
読み取り、読み取った値を、平均化し縦座標にプロット
した(1mVは、おおよそバイアルからの105 Photons/
s の光の放出に相当する)。このようにして得られた結
果を図2に示す。すなわち図2は連続した明条件下にお
ける生物発光のリズムを表すグラフであり、縦軸は生物
発光の強度(mV)を、横軸は明/暗条件の時間を表す。な
お横軸の黒色は暗条件、白色は明条件である。これらの
結果より、生物発光は約24時間の周期をもつことがわ
かった。
l)を含むBG−11培地で振とう速度:100rpm 、
培養温度:30℃、明/暗サイクル(LDサイクル):
12時間明/12時間暗条件下で培養した(BG−11
培地の培地組成は前出のジャーナル・オブ・バクテリオ
ロジーに記載されている)。明条件での光度(Light fl
uence)は46μmol/m2 s で行った。実験は、12時間
ずれた2つの系で行った。培養が定常期(約109 cell
/ml)に達した時、菌体懸濁液5mlを図1の20ml容のサ
ンプルバイアルに移した。ジメチルスルホキシドに溶解
した1%濃度のn−デカナール溶液を培養液とは分けた
状態でバイアル内に設置しバイアルを密閉した。マイク
ロコンピューターにより箱の上蓋を25分間開き5分間
閉じるよう制御し、25分間の明条件中、菌体を蛍光灯
(日立FL20W)で46μmol/m2 s の光度で照射し
た。菌体からの生物発光は5分間の暗条件中に測定した
(最初の2分間はクロロフィルから出る蛍光が減衰する
ための時間であり、それ以後、1.5分間の生物発光の
測定を2回繰返した)。ホトマルチプライヤーからの出
力を、A/Dコンバーター(シンキー)を通してマイク
ロ・コンピューター(シャープPCE200型)により
読み取り、読み取った値を、平均化し縦座標にプロット
した(1mVは、おおよそバイアルからの105 Photons/
s の光の放出に相当する)。このようにして得られた結
果を図2に示す。すなわち図2は連続した明条件下にお
ける生物発光のリズムを表すグラフであり、縦軸は生物
発光の強度(mV)を、横軸は明/暗条件の時間を表す。な
お横軸の黒色は暗条件、白色は明条件である。これらの
結果より、生物発光は約24時間の周期をもつことがわ
かった。
【0015】次に、連続した明条件の前に24時間の暗
条件を挿入した条件で、同様にして生物発光を測定し
た。その結果を図3に示す。すなわち図3は暗条件によ
る生物発光リズムのリセットを表すグラフである。縦軸
と横軸は図2と同義である。この結果より生物発光のリ
ズムは明あるいは暗のシグナルによってリセットされる
ことがわかった。また、温度補償性を調べるために、2
6℃、30℃、36℃の3種の温度での生物発光のリズ
ムを前述の方法で調べた。その結果を図4に示す。すな
わち図4は生物発光(mV、縦軸)のリズムと温度(℃、
横軸)の関係を表す図である。この結果より、生物発光
のリズムの周期の長さは、温度にかかわらずほぼ一定で
あることがわかった。
条件を挿入した条件で、同様にして生物発光を測定し
た。その結果を図3に示す。すなわち図3は暗条件によ
る生物発光リズムのリセットを表すグラフである。縦軸
と横軸は図2と同義である。この結果より生物発光のリ
ズムは明あるいは暗のシグナルによってリセットされる
ことがわかった。また、温度補償性を調べるために、2
6℃、30℃、36℃の3種の温度での生物発光のリズ
ムを前述の方法で調べた。その結果を図4に示す。すな
わち図4は生物発光(mV、縦軸)のリズムと温度(℃、
横軸)の関係を表す図である。この結果より、生物発光
のリズムの周期の長さは、温度にかかわらずほぼ一定で
あることがわかった。
【0016】以上のように、形質転換されたシネココッ
カスの生物発光のリズムは概日性リズムであるための3
つの基準、すなわち一定条件下での持続性(自動継続周
期)、同調性、温度補償性のすべてを満足することが証
明された。
カスの生物発光のリズムは概日性リズムであるための3
つの基準、すなわち一定条件下での持続性(自動継続周
期)、同調性、温度補償性のすべてを満足することが証
明された。
【0017】
【発明の効果】本発明によって、細胞内で発現している
ルシフェラーゼの活性を、細胞を生かし続けながら連続
的かつ自動的に測定する方法が提供された。本発明の方
法は細胞内の遺伝子発現の制御の研究に有用である。
ルシフェラーゼの活性を、細胞を生かし続けながら連続
的かつ自動的に測定する方法が提供された。本発明の方
法は細胞内の遺伝子発現の制御の研究に有用である。
【図1】本発明方法で使用する生物発光連続測定装置の
1例の概略図である。
1例の概略図である。
【図2】連続した明条件下における生物発光のリズムを
表す図である。
表す図である。
【図3】暗条件による生物発光リズムのリセットを表す
図である。
図である。
【図4】生物発光のリズムと温度の関係を表す図であ
る。
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/00 - 1/66 BIOSIS(DIALOG)
Claims (1)
- 【請求項1】 細胞内で発現しているルシフェラーゼの
活性を連続的に測定する方法において、基質としてアル
カナールを用い、密閉系の中で培養液と基質溶液を分け
た状態で設置し、基質の揮発性を利用して該基質を該培
養液へ連続供給し、かつ該基質の濃度を細胞の致死濃度
未満に維持することを特徴とするルシフェラーゼ活性の
連続的測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33680592A JP3155098B2 (ja) | 1992-11-25 | 1992-11-25 | ルシフェラーゼ活性の連続的測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33680592A JP3155098B2 (ja) | 1992-11-25 | 1992-11-25 | ルシフェラーゼ活性の連続的測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06153994A JPH06153994A (ja) | 1994-06-03 |
JP3155098B2 true JP3155098B2 (ja) | 2001-04-09 |
Family
ID=18302853
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33680592A Expired - Fee Related JP3155098B2 (ja) | 1992-11-25 | 1992-11-25 | ルシフェラーゼ活性の連続的測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3155098B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112119153B (zh) * | 2018-05-29 | 2024-03-19 | 株式会社日立高新技术 | 细胞检测装置和细胞检测方法 |
-
1992
- 1992-11-25 JP JP33680592A patent/JP3155098B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06153994A (ja) | 1994-06-03 |
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