JP3154295U - 浮上油回収装置 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、装置をユニット化したものでは、遠心分離法を採用している関係上、装置の設置安定性、振動吸収性などが重要な問題となり、アンカー脚などで固定設置する必要があった。従って、やはり回収槽が複数箇所に設置される場合には、回収槽の数だけ、同様の設備が必要になる(浄化システムとしての移動使用ができない)という問題があった。
本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであって、上部開口面積がそれほど広くない回収槽でも設置可能であって、そのうえで浮上油の吸引が効率よく行えるものとし、また複数の回収槽に対しての流用などが可能なように移動可能とし、更にメンテナンス時などの液漏れを防止できるようにした浮上油回収装置を提供することを目的とする。
即ち、本考案に係る浮上油回収装置は、被処理液Wを装置内へ取り込む被処理液流入部10と濾過後の処理済み液を装置外へ取り出す処理済み液流出部12とが設けられた処理装置2と、この処理装置2の被処理液流入部10に外部接続される可撓性の回収ホース3とを有し、前記処理装置2の装置本体2a内部に、被処理液流入部10の下流部に連結されていて被処理液W中から浮上油を除去する濾過器30と、この濾過器30の下流部に連結されていて被処理液Wを吸引する吸引ポンプ31とが配置されており、更にこの吸引ポンプ31の排出部が前記処理済み液流出部12に連結されており、前記被処理液流入部10には前記回収ホース3の接続端を着脱自在に接続する継ぎ手部11がホース挿口を上向きにして設けられていることを特徴とする。
そして、処理装置2の被処理液流入部10に設けられた継ぎ手部11では、回収ホース3を着脱自在に接続するためのホース挿口が上向きのものとされているので、回収ホース3を外したときでも液漏れが防止されることになる。
このようにすることで、回収槽4内の被処理液Wに対し、その水面へ向けて回収ホース3の吸引口3a(ホース先端部)を配置することが簡単に行え、また維持できるようになる。そのため、効率のよい浮上油の回収が可能となる。
このようにすることで、回収ホース3を外したときの液漏れ防止作用を一層高めることができるようになる。また、回収ホース3の接続高さが極端に高すぎず且つ低すぎない状態になるので、回収ホース3の着脱作業が容易に行えるものであり、また回収槽4との配管距離を可及的に短くできる利点もある。
このようにすると、濾過器30に送られる前に濾過前配管部32を通過する被処理液Wの状態(汚れ程度)と、濾過器30から送り出された後に濾過後配管部33を通過する被処理液Wの状態(浄化程度)とを視覚を通じて比較することができる。この比較の結果に基づき、濾過器30の濾過能力が有効であるか、或いは低下したかを容易且つ確実に判断することができるようになる。
前記処理装置2の装置本体2aには移動用車輪15が設けられており、前記処理済み液流出部12にはホース挿口を上向きにした継ぎ手部13が設けられたものとするのが好適である。
図1乃至図8は、本考案に係る浮上油回収装置1の一実施形態を示している。図1に示すように、この浮上油回収装置1は処理装置2と回収ホース3とを有したものであって、NC工作機械などを経由して回収槽4へ回収した冷却水や潤滑油などの被処理液Wを、回収ホース3で処理装置2内へ吸引し、処理装置2内にて浄化し、その後、排出ホース5で二次浄化器6を通すか又は通さないで、再びNC工作機械などへ供給するといった設置状態とする。
処理装置2には、被処理液Wを装置内へ取り込むための被処理液流入部10が設けられており、この被処理液流入部10に対して連結された継ぎ手部11を介して、回収ホース3を着脱することができるようになっている。この継ぎ手部11はエルボ(又はティ)に管継手を螺合して形成されており、ホース挿口(管継手の開口)を上向きにして設けられており、従って当然に、回収ホース3はその接続用ホース端を下向きにさせた状態で継ぎ手部11と接続されることになる。
なお、移動用車輪15のうち2輪又は4輪全部を首振り自在なものとしておくのが好適である。また、ブレーキ機構(車輪15の回転止め)が装備されたものを2輪程度、含ませておくのが好適である。更には、ブレーキ機構に加えて(又は置換して)、装置本体2aの下方へ向けて突出動作可能にしたアンカーボルトを設けるようにしてもよい。
天板部21は前位置から後方へ向けて、中仕切板部22及び底板部23の半分程度又はそれより小さい奥行き寸法で形成されており、これによって中仕切板部22の上面は、後方へ向けて開放された作業テーブルを形成するようになっている。
装置本体2aの左右両側には、中仕切板部22から天板部21へ向けて立ち上がる状態でパーテーション壁27が設けられており、従って中仕切板部22上(作業テーブル)で行う作業は、前方及び左右両側方から視覚的にも、また実質的(物理的)にも遮断されるようになっている。なお、パーテーション壁27は、ケーシング20と一体に設けられたものであっても別体に設けられたものであってもよい。
濾過器30は天板部21の上部に一部を露出させ、その他大部分を天板部21と棚板24との上下間に収納させる状態で設けられている。すなわち、この濾過器30は装置本体2aの上部位置に配置されていることになる。これに対して吸引ポンプ31は底板部23上に設置されており、装置本体2aの下部位置に配置されていることになる。
従って、被処理液流入部10の継ぎ手部11からは、濾過前配管部32が上方へ立ち上がるように縦配管されて、その後に濾過器30と接続されることになり、濾過器30からは濾過後配管部33が下方へ垂下するように縦配管されて、その後に吸引ポンプ31へ接続されることになり、吸引ポンプ31からは排水導管34が略水平方向に横引き配管されて、その後に処理済み液流出部12の継ぎ手部13へと接続されることになる。
濾過器30は、上部を開口させた有底容器として形成された濾過ケース40と、この濾過ケース40内に上部開口を介して出し入れ自在な状態で収納されるフィルタ41と、濾過ケース40の上部開口を開閉するケース蓋42とを有している。本実施形態では濾過ケース40及びフィルタ41が円筒形に形成され、またケース蓋42も平面視円形に形成されたものとしているが、それらの外形状は特に限定されるものではない。
濾過ケース40は天板部21や棚板24に対して固定されており、この濾過ケース40に対し、天板部21の上方でケース蓋42を開閉させることができるようになっている。濾過ケース40とケース蓋42とは、ヒンジやリンク機構などを介して揺動開閉する状態に連結しておいてもよいし、連結せずにケース蓋42を着脱(結合分離)できるようにしておいてもよい。本実施形態では連結せずに着脱できる構造を採用してある。
ケーシング20には、濾過前配管部32の透明管部37及び濾過後配管部33の透明管部38をケーシング20の外から視認可能にするための点検部58,59が形成されている。本実施形態では、濾過前配管部32の縦配管部分及び濾過後配管部33の縦配管部分が、いずれもケーシング20の前面を貫通して前方へ突出するようにクランク状に曲げて配管されたものとしてある。
従って、濾過器30に送られる前に濾過前配管部32を通過する被処理液Wの状態(汚れ程度)と、濾過器30から送り出された後に濾過後配管部33を通過する被処理液Wの状態(浄化程度)とを視覚を通じて比較することができる。この比較の結果に基づき、濾過器30の濾過能力(即ち、フィルタ41の詰まり具合)が有効であるか、或いは低下したかを容易且つ確実に判断することができるようになる。
図5に示すように、装置本体2aの背板25に対し、この吸引ポンプ31のオンオフスイッチ63を設けるとよい。また必要に応じ、吸引ポンプ31の運転時間を制限するタイマーを設けて、そのタイマー設定スイッチ64をオンオフスイッチ63の近傍へ設けるようにしてもよい。
本実施形態で採用した保形手段65は、多数の管状ピース66が相互連結された構造のものとしてある。各管状ピース66の一端部は球状に膨出する嵌入管端部67として形成されており、他端部は球状凹面によって嵌入管端部67を嵌合可能にする外嵌め管端部68として形成されたものとなっている。
嵌入管端部67と外嵌め管端部68とが互いに水密的な面接触状態にあることで、それらの接触面間には適度な摩擦抵抗が生じ、管状ピース66間を曲げた状態は手を離しても保形されることになる。そのため、図1に例示したように、回収槽4内の被処理液Wに対し、その水面へ向けて回収ホース3の吸引口3a(ホース先端部)を配置させるように、管状ピース66間の曲げ具合を調節すると、吸引口3aの配置は以降、維持されるようになる。
以上詳説したところから明かなように、本考案に係る浮上油回収装置1では、処理装置2と回収ホース3とが別体であり、処理装置2に吸引ポンプ31が設けられていることから、回収ホース3の先端部にフロートや吸引ポンプを設ける必要がない。それ故、回収槽4において上部開口面積がそれほど広くない場合でも設置可能である。
濾過器30内でフィルタ41を通過することで浮上油が濾過された処理済み液は、濾過後配管部33から吸引ポンプ31内を経て、処理済み液流出部12から排出ホース5(必要に応じて二次浄化器6)を介して再びNC工作機械などへ供給されるようになる。
別所に設けられた回収槽4に対してこの浮上油回収装置1を使用する場合は、処理装置2の被処理液流入部10(継ぎ手部11)から上側に立てた状態にし、吸引ポンプ31を1度駆動して回収ホース3内の被処理液を吸引し、回収ホース3内から被処理液を略完全に排出した状態で、被処理液流入部10から回収ホース3を外す。また、排出ホース5も吸引ポンプ31を1度駆動して空気を送った後に、処理済み液流出部12(継ぎ手部13)から上側に立てた状態にしてから外し、そして、この処理装置2を移動用車輪15によって移動させる。
すなわち、周辺への液漏れを防止しつつ、処理装置2を回収槽4の設置された任意場所へと移動させることができるものである。
[その他]
例えば、濾過器30は複数台を直列に配置してもよく、遠心分離器などを採用することも可能である。
濾過前配管部32及び濾過後配管部33の透明管部37,38は、処理装置2のケーシング20に対して前方突出状態で設けることが限定されるわけではない。前方突出させない場合は、ケーシング20に対して各透明管部37,38に対応させた覗窓を開口形成させて、これをもって点検部58,59とさせればよい。
2 処理装置
2a 装置本体
3 回収ホース
10 被処理液流入部
11 継ぎ手部
12 処理済み液流出部
13 継ぎ手部
15 移動用車輪
20 ケーシング
30 濾過器
31 吸引ポンプ
32 濾過前配管部
33 濾過後配管部
37 透明管部
38 透明管部
40 濾過ケース
41 フィルタ
42 ケース蓋
55 連絡管
56 導入管
58 点検部
59 点検部
65 保形手段
W 被処理液
Claims (6)
- 被処理液(W)を装置内へ取り込む被処理液流入部(10)と濾過後の処理済み液を装置外へ取り出す処理済み液流出部(12)とが設けられた処理装置(2)と、この処理装置(2)の被処理液流入部(10)に外部接続される可撓性の回収ホース(3)とを有し、
前記処理装置(2)の装置本体(2a)内部に、被処理液流入部(10)の下流部に連結されていて被処理液(W)中から浮上油を除去する濾過器(30)と、この濾過器(30)の下流部に連結されていて被処理液(W)を吸引する吸引ポンプ(31)とが配置されており、更にこの吸引ポンプ(31)の排出部が前記処理済み液流出部(12)に連結されており、
前記被処理液流入部(10)には前記回収ホース(3)の接続端を着脱自在に接続する継ぎ手部(11)がホース挿口を上向きにして設けられていることを特徴とする浮上油回収装置。 - 前記回収ホース(3)には、曲げた形状を保形させる保形手段(65)が長手方向のほぼ全長にわたって又は一部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の浮上油回収装置。
- 前記処理装置(2)は、被処理液流入部(10)に設けられる継ぎ手部(11)が当該処理装置(2)における吸引ポンプ(31)よりも高い中間高さに配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の浮上油回収装置。
- 前記処理装置(2)は、前記濾過器(30)が装置本体(2a)の上部位置に前記吸引ポンプ(31)が装置本体(2a)の下部位置にそれぞれ配置されており、
被処理液流入部(10)と濾過器(30)とを連結する濾過前配管部(32)及び濾過器(30)と吸引ポンプ(31)とを連結する濾過後配管部(33)には透明管部(37,38)が設けられていると共に、装置本体(2a)には外周を覆うケーシング(20)が設けられていて、このケーシング(20)には濾過前後の両配管部(32,33)に設けられた各透明管部(37,38)をケーシング(20)外から視認可能にする点検部(58,59)が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の浮上油回収装置。 - 前記濾過器(30)は、上部を開口させた濾過ケース(40)と、この濾過ケース(40)内に上部開口を介して出し入れ自在な状態で収納されるフィルタ(41)と、濾過ケース(40)の上部開口を開閉するケース蓋(42)とを有しており、被処理液流入部(10)と濾過器(30)とを連結する濾過前配管部(32)は、ケース蓋(42)を貫通する状態で一端が連結されていて連結したままケース蓋(42)の開閉を許容する可撓性の連絡管(55)と、この連絡管(55)の他端と被処理液流入部(10)とを連結する導入管(56)とを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の浮上油回収装置。
- 前記処理装置(2)の装置本体(2a)には移動用車輪(15)が設けられており、前記処理済み液流出部(12)にはホース挿口を上向きにした継ぎ手部(13)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の浮上油回収装置。
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JP2009005186U JP3154295U (ja) | 2009-07-24 | 2009-07-24 | 浮上油回収装置 |
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WO2013021410A1 (ja) * | 2011-08-05 | 2013-02-14 | 永進テクノ株式会社 | スラッジ分離除去装置 |
KR20190001874U (ko) * | 2018-01-16 | 2019-07-24 | 에스엠티주식회사 | 진공을 이용한 공작기계 절삭유 정화 회수 장치 |
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