JP3154274B2 - フッ化物ガラス光導波路母材の製造方法 - Google Patents

フッ化物ガラス光導波路母材の製造方法

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義隆 飯田
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    • C03B19/02Other methods of shaping glass by casting molten glass, e.g. injection moulding
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/80Non-oxide glasses or glass-type compositions
    • C03B2201/82Fluoride glasses, e.g. ZBLAN glass

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として光通信システ
ムの中継部に使用される光増幅用光導波路(光ファイバ
を含む)に関するものである。
【0002】
【従来技術】光通信システムは発光部、中継部および受
光部から構成され、これらの間は光導波路で結ばれてい
る。この中継部は伝送する信号光が光導波路中を伝搬す
る際の伝送損失およびパルスの広がりを補償するもので
あり、従来その構成は信号光を一度電気信号に変換して
補償した後、半導体レーザを用いて信号光に変換すると
いうものであった。しかしながら、この方法は装置の構
成が極めて複雑であるため高価であるという欠点があっ
た。そこで最近、発光源として希土類元素、例えばPrを
用いて、これをホストガラスにドープしたものをコア部
として光導波路を作製し、この光導波路により波長が
1.3μmまたは1.55μmの信号光を直接増幅することが
試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Pr、具
体的には例えば PrF3 をドープした ZBLAN系ガラスのシ
ングルモード型光導波路では 1.3μmでの光増幅が可能
であるものの、高出力のレーザを用いて励起しなければ
低い利得しか得られないという問題があった。具体的に
は、 1.3μmで約10dBの利得を得るためには、波長が1.
02μmで 500〜900mW の励起光をコアに入れる必要があ
り、この出力はチタンサファイアレーザを用いれば達成
可能であるものの、汎用の半導体レーザ (出力約 100〜
150mW)では達成不可能の値である。
【0004】
【目的】本発明の目的は、低出力のレーザによる励起で
も 1.3μmで高利得となる光増幅用光導波路を得るため
の母材の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、組成が主とし
て ZBLAN系のフッ化物ガラスに、Prを含有してなるフッ
化物ガラスの原料を溶解し鋳込むことによって、フッ化
物ガラス光導波路の母材を製造する方法において、溶解
・鋳込み後のガラスを粉砕し、しかる後、再度これを溶
解し、かつ再度鋳込むという一連の工程を一回以上繰り
返して、光導波路母材、具体的にはロッド状のガラスま
たは必要によりパイプを製造することを特徴とするもの
である。
【0006】
【作用】本発明を見いだすに至った技術的背景を以下に
述べる。 1.3μmの光増幅のためには、Prの電子準位から考え
て、中心波長が約1.02μmのレーザを用いた励起が必要
であるが、本質的にこの波長における吸収は少ない。し
かしながら、ガラス中のPrが効率よくエネルギーを吸収
すればより低出力での励起でも利得が向上するはずであ
る。Prが効率よくエネルギーを吸収しない原因としてガ
ラス中でのPrのクラスター生成が考えられ、このためエ
ネルギーを吸収するPrの割合が少なくなっているものと
考えられる。 そこでガラスを粉砕し再度溶解・鋳込みをするという
工程を数回繰り返してコア用ガラスを作製することによ
り、Prをガラス中に均一に分散させる。そうすれば、低
出力のレーザ光でも高利得を得ることができるようにな
る。
【0007】
【実施例】以下に本発明の実施例1を詳細に説明する。
Prを 2000ppmと 8mol%のPbを含む ZBLAN系ガラスを得る
ため、原料の秤量、溶解および急冷、鋳込みを行った。
このようにして得たコア用ガラス (総重量50g)を粉末状
(粒径は約 100μm〜 500μm) に粉砕し、再度溶解お
よび急冷し、鋳型に鋳込むことにより、外径が15mmのコ
ア用ロッドを作製した。前記ロッドを機械的に研磨した
後、不活性ガス、具体的には窒素ガス中で加熱、延伸し
て外径 3mmのコア用ロッドを得た。また屈折率を下げる
ためにハフニウム(Hf)を50mol%ドープした ZBLAN系ガラ
スを溶解し鋳型に鋳込むことにより外径15mmのロッドを
作製し、これに超音波ドリルで穴開け加工を施してクラ
ッド用のパイプを得た。このパイプに前記コア用のロッ
ドを挿入した状態で両者を約 300℃に加熱して一体化し
た後に、更に延伸することを繰り返してシングルモード
型光導波路用プリフォームを作製した。このプリフォー
ムを常法により線引し、外径 125μm、コア径3.1μ
m、比屈折率差Δ3%のファイバ型の光導波路を得た。図
1に示す測定系を用いてこの光導波路の光増幅特性を調
べたところ、表1に示すように、波長 1.3μmでの利得
は42dBであった。
【0008】図1は、この光導波路の光増幅特性を調べ
るため用いた装置である。チタンサファイアレーザ1か
らの励起光 (波長約1.02μm) をレンズ2aを介してシ
ングルモードのダミーファイバ7aに入射し、他方に半
導体レーザ3から 1.3μmの信号光をダミーファイバ7
bに入射して、これらをカップラー4を用いて合波させ
た。この光をレンズ2bを用いて本発明の光導波路、す
なわちファイバ5に入射し、スペクトルアナライザ6で
測定した。その結果、表1に示すように波長 1.3μmで
42dBの利得が得られた。
【0009】
【表1】
【0010】実施例2として、実施例1と同様に、原料
の秤量、溶解および急冷を行って得たフッ化物ガラスを
粉末状に粉砕した後に、再度溶解および急冷、鋳込みす
ること、すなわち粉砕、溶解・鋳込みの一連の工程を10
回繰り返して最終的に外径15mmのコア用ロッドを作製し
た。このロッドを先の実施例1と同様の方法で作成した
クラッド用パイプと組み合わせてプリフォームの作製お
よび線引を行った。得られたファイバ型の光導波路の利
得を図1に示す測定系で測定したところ、55dBであっ
た。
【0011】比較例として、実施例1、2と同一の組成
でコア用ガラスを作製した後に、粉砕および再溶解を行
わずに単に溶解して鋳込むことによりコア用ガラスロッ
ドを作製して、以下の工程は実施例1、2と全て同様の
方法で作製したフッ化物ガラス光導波路の利得は24dBで
あった。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、光導波路の製造過程に
おいて ZBLAN系ガラスの粉砕および再溶解・再鋳込みを
数回繰り返すことにより、主として低出力のレーザを用
いた励起によっても高利得となる光導波路を得ることが
できる。すなわち、同一の出力による励起でもより高利
得を得られるフッ化物ガラス光導波路を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】光増幅特性測定系の概略図。
【符号の説明】
1 チタンサファイアレーザ 2 レンズ 3 半導体レーザ 4 カップラー 5 ZBLAN 系ファイバ 6 スペクトルアナライザ 7 ダミーファイバ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−183769(JP,A) 特開 昭63−147838(JP,A) 特開 昭64−56331(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 1/00 - 14/00 C03B 8/02 - 8/04 C03B 37/012 - 37/014 C03B 19/00 - 19/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料を溶解し鋳込むことによって、組成
    が主として ZrF4 -BaF2 -LaF3 -AlF3 -NaF (ZBLAN)系の
    フッ化物ガラスに、プラセオジウム (Pr)を含有してな
    るフッ化物ガラス光導波路母材を製造する方法におい
    て、溶解・鋳込み後のガラスを粉砕し、しかる後、再溶
    解・再鋳込みする一連の工程を一回以上繰り返して、前
    記光導波路母材を製造することを特徴とするフッ化物ガ
    ラス光導波路母材の製造方法。
JP17695392A 1992-07-03 1992-07-03 フッ化物ガラス光導波路母材の製造方法 Expired - Fee Related JP3154274B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1086499C (zh) * 1996-05-31 2002-06-19 富士通株式会社 用于将磁盘媒体装入磁盘驱动器的方法

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