JP3153439B2 - 文書画像傾き検出方法 - Google Patents

文書画像傾き検出方法

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JP3153439B2
JP3153439B2 JP12812995A JP12812995A JP3153439B2 JP 3153439 B2 JP3153439 B2 JP 3153439B2 JP 12812995 A JP12812995 A JP 12812995A JP 12812995 A JP12812995 A JP 12812995A JP 3153439 B2 JP3153439 B2 JP 3153439B2
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真 鳥越
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、文書画像の傾き検出
方法に関し、特に文書中に縦書き及び横書きが混在して
いる場合や文書中に写真、図、或は表が含まれている場
合に用いて好適な文書画像の傾き検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】文書画像について、文字認識処理などの
処理を行なうために文字行の切出しや文字の切出しを行
なったり、表内の文字の検出のために表の罫線の抽出を
行なう場合、画像が傾いていると正常に処理が行なえな
い場合がある。
【0003】このため文書画像の傾きを検出するための
方法として、例えば特公昭63−25391にも開示さ
れているように、走査方向を複数の方向として文書画像
を走査して、各走査方向毎に黒画素ヒストグラムを作成
し、このヒストグラムが最も急峻に変化する走査方向を
文書画像の傾きとする方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
従来技術では、ヒストグラムが最も急峻に変化する走査
方向を文書画像の傾きとするので、原理的に、文書画像
の傾きを検出することができない場合がある。例えば縦
書き及び横書きの文字行が混在している場合や文書内に
写真や図表が含まれている場合に、傾き検出が困難であ
る。
【0005】また上述した従来技術では、傾き検出の精
度を向上させるため、各走査方向毎に、数画素行例えば
40〜80画素行にわたって文書画像を走査して、ヒス
トグラムを作成する必要がある。さらに走査方向が文書
画像の傾きから僅かにずれただけで、ヒストグラムの変
化が小さくなり、従って傾き検出の精度を向上させるた
めには、小さな角度間隔例えば0.1°〜0.2°間隔
で走査方向を少しずつ回転させて、各走査方向毎にヒス
トグラムを作成する必要がある。これがため、傾き検出
の精度を向上させるには文書画像の走査量が膨大とな
り、特に大きく傾いた文書画像の傾きを検出する場合
に、時間がかかるという問題点があった。
【0006】この発明の第一の目的は、縦書き及び横書
きの文字行が混在している場合や、文書内に写真や図表
が含まれている場合でも、文書画像の傾き検出を行なう
ことのできる文書画像傾き検出方法を提供することにあ
る。
【0007】この発明の第二の目的は、第一の目的に加
え、少ない走査量でも傾き検出精度を向上させることの
できる文書画像傾き検出方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】第一の目的を達
成するため、この発明は、処理対象文書を走査して得た
文書画像の傾きを検出するに当り、処理対象文書の複数
の角隅部分の余白領域及び文字図形領域に対応した角隅
余白ブロック及び角隅文字図形ブロックを含む複数の部
分画像を格納する部分画像記憶部を設け、部分画像記憶
部に格納された複数の角隅部分に対応する複数の部分画
像に対しそれぞれ、(処理a)部分画像内の角隅文字図
形ブロックに外接する外接矩形を検出する処理と(処理
b)処理aで検出した外接矩形の辺のうち角隅余白ブロ
ック及び角隅文字図形ブロックの境界にほぼ沿って位置
する辺を着目辺とし、着目辺上の文字図形画素のうち着
目辺の端点との距離が最短となる文字図形画素を検出す
る処理と(処理c)走査線を、着目辺に平行な位置から
最短の文字図形画素の回りに回転させ、走査線回転方向
を、最短の文字図形画素よりも画素に対応する最短の端
点の側に位置する走査線部分が角隅文字図形ブロックか
ら遠ざかるように回転する方向とし、外接矩形内の走査
線上で文字図形画素が検出されない最大の回転角度を、
文書画像の傾き候補として検出する処理とを行ない、複
数の部分画像に対して得られた複数の傾き候補の全部又
は一部の平均値を、文書画像の傾きとして検出すること
を特徴とする。
【0009】この発明は、一般的な処理対象文書では、
文書紙面の上下左右の縁部分に所定幅の余白領域を設
け、これら上下左右の余白領域で囲まれた文書紙面中央
部に文字図形領域を設けるという点に着目して成された
ものであり、このような文書の角隅部分では余白領域と
文字図形領域とはほぼ直線状に境界を成して存在する可
能性が高い。
【0010】この発明によれば、部分画像記憶部には、
これら複数の角隅部分の余白領域及び文字図形領域に対
応した角隅余白ブロック及び角隅文字図形ブロックを含
んだ複数の部分画像を格納する。そして、処理対象文書
の複数の角隅部分に対応する複数の部分画像に対しそれ
ぞれ(a)〜(c)を行い複数の傾き候補を検出する。
【0011】まず部分画像内の角隅文字図形ブロックに
外接する外接矩形を検出し、この外接矩形の辺のうち角
隅余白ブロック及び角隅文字図形ブロックの境界にほぼ
沿って位置する辺を着目辺とする。より具体的には、処
理対象文書の左上角隅部分に対応する部分画像の場合に
は外接矩形の左側縦辺及び又は上側横辺を着目辺とし、
処理対象文書の左下角隅部分に対応する部分画像の場合
には外接矩形の左側縦辺及び又は下側横辺を着目辺とす
る。また処理対象文書の右上角隅部分に対応する部分画
像の場合には外接矩形の右側縦辺及び又は上側横辺を着
目辺とし、処理対象文書の右下角隅部分に対応する部分
画像の場合には外接矩形の右側縦辺及び又は下側横辺を
着目辺とする。
【0012】そして着目辺上の文字図形画素のうち当該
着目辺の端点との距離が最短となる文字図形画素を検出
し、走査線を、着目辺に平行な位置から最短の文字図形
画素の回りに回転させる。この際、走査線回転方向を、
最短の文字図形画素よりも当該画素に対応する最短の端
点の側に位置する走査線部分(以下、走査線部分aと表
す)が角隅文字図形ブロックから遠ざかるように回転す
る方向とする。
【0013】ここで最短の文字画素を挟んで走査線部分
aとは反対側の走査線部分を走査線部分bと表せば、走
査線部分bは外接矩形内の角隅余白ブロックから角隅文
字図形ブロックへ向けて回転して外接矩形内を移動する
こととなる。
【0014】従って外接矩形内の走査線上、より具体的
には外接矩形内の走査線部分b上で文字図形画素が検出
されない最大の回転角度を検出することは、角隅余白ブ
ロック及び角隅文字図形ブロックが成すほぼ直線状の境
界の位置を検出することとほぼ等価であり、この発明で
は、この最大の回転角度すなわち角隅の余白及び文字図
形ブロックの境界位置を、文書画像の傾き候補として検
出するものである。
【0015】このように複数の部分画像に関して直線状
の境界の位置を、傾き候補として検出することにより、
文書中に縦書き及び横書きの文字行が混在する場合や文
書中に図、表或は写真が含まれている場合でも、文書画
像の傾きを検出することができる。
【0016】そして複数の部分画像に対して得られた複
数の傾き候補の全部又は一部の平均値を算出し、この平
均値を文書画像の傾きとする。このように平均値を文書
画像の傾きとするのは、文書画像の傾きを精度よく得る
ためである。
【0017】またこの発明によれば、それぞれの部分画
像に関して走査線上の文字図形画素の有無に応じて、傾
き候補を検出するので、文書画像の走査量が少なくても
文書画像の傾き検出の精度を向上することができる。
【0018】
【0019】
【0020】さらに第二の目的を達成するため、この発
明は、処理対象文書を走査して得た文書画像の傾きを検
出するに当り、処理対象文書の角隅部分の余白領域及び
文字図形領域に対応した角隅余白ブロック及び角隅文字
図形ブロックを含む部分画像を格納する部分画像記憶部
を設け、部分画像記憶部に格納された部分画像に対し、
(処理a)部分画像内の角隅文字図形ブロックに外接す
る外接矩形を検出する処理と(処理b)外接矩形の辺の
うち角隅余白ブロック及び角隅文字図形ブロックの境界
にほぼ沿って位置する縦辺及び横辺をそれぞれ着目辺と
し、これら2種の着目辺毎に着目辺上の文字図形画素の
うち着目辺の端点との距離が最短となる文字図形画素を
検出する処理と(処理c)2種の着目辺毎に走査線を、
着目辺に平行な位置から最短の文字図形画素の回りに回
転させ、走査線回転方向を、最短の文字図形画素よりも
画素に対応する最短の端点の側に位置する走査線部分が
角隅文字図形ブロックから遠ざかるように回転する方向
とし、外接矩形内の走査線上で文字図形画素が検出され
ない最大の回転角度を、文書画像の傾き候補として検出
する処理とを行ない、2種の着目辺に対して得られた複
数の傾き候補の全部又は一部の平均値を、文書画像の傾
きとして検出することを特徴とする。
【0021】このように境界にほぼ沿って位置する縦辺
及び横辺をそれぞれ着目辺として、それぞれの着目辺に
ついてそれぞれ傾き候補を検出し、これら複数の傾き候
補を用いて文書画像の傾きを得ることにより、文書画像
の走査量が少なくても、文書画像の傾き検出の精度を向
上することができる。
【0022】さらに第二の目的を達成するため、この発
明は、検出された複数の傾き候補を、値の大きさの順に
並べ、並べた傾き候補を、所定角度間隔以内で連続する
グループ毎に、グループ分けし、グループを構成する傾
き候補の個数が最多のグループが1つの場合は、最多の
グループを構成する傾き候補の平均値を文書画像の傾き
として検出し、グループを構成する傾き候補の個数が最
多のグループが複数の場合は、これら最多のグループに
関して、各グループ毎に、グループを構成する傾き候補
の平均値を求め、平均値の絶対値が最小となるグループ
の、平均値を文書画像の傾きとして検出することを特徴
とする。
【0023】このように複数の傾き候補をグループ分け
して、グループを構成する傾き候補の個数が最多のグル
ープの傾き候補を用いて、文書画像の傾きを検出するこ
とにより、文書画像の走査量が少なくても、文書画像の
傾き検出の精度を向上させることができる。
【0024】
【実施例】図1はこの発明の実施に用いて好適な文書画
像傾き検出装置の構成の一例を示す機能ブロック図であ
る。
【0025】同図に示す文書画像傾き検出装置10は、
部分画像記憶部12、傾き候補検出部14及び傾き検出
部16を備える。傾き候補検出部14及び傾き検出部1
6は、マイクロコンピュータ18により構成される。
【0026】部分画像記憶部12は、処理対象文書の角
隅部分の余白領域及び文字図形領域に対応した角隅余白
ブロック及び角隅文字図形ブロックを含む部分画像が格
納される記憶部である。
【0027】傾き候補検出部14は、部分画像記憶部1
2に格納された部分画像に対し、次に述べる(処理a)
〜(処理c)を行なう。
【0028】(処理a)部分画像内の角隅文字図形ブロ
ックに外接する外接矩形を検出する処理。
【0029】(処理b)処理aで検出した外接矩形の辺
のうち角隅余白ブロック及び角隅文字図形ブロックの境
界にほぼ沿って位置する辺を着目辺とし、着目辺上の文
字図形画素のうち当該着目辺の端点との距離が最短とな
る文字図形画素を検出する処理。
【0030】(処理c)走査線を、着目辺に平行な位置
から最短の文字図形画素の回りに回転させ、この走査線
回転方向を、最短の文字図形画素よりも当該画素に対応
する最短の端点の側に位置する走査線部分が角隅文字図
形ブロックから遠ざかるように回転する方向とし、外接
矩形内の走査線上で文字図形画素が検出されない最大の
回転角度を、文書画像の傾き候補として検出する処理。
【0031】傾き検出部16は、文書画像の傾き候補の
全部又は一部の平均値を、文書画像の傾きとして検出す
る。
【0032】さらにこの文書画像傾き検出装置10は、
文書画像記憶部20、部分画像切出し装置22及びノイ
ズ除去装置24を備える。
【0033】文書画像記憶部20は、処理対象文書全面
に対応する文書画像が格納される記憶部である。部分画
像切出し装置22は、文書画像記憶部20に格納されて
いる文書画像から、処理対象文書の角隅部分に対応する
部分画像を切り出し、この部分画像を部分画像記憶部1
2に格納する。ノイズ除去装置24は、記憶部12に格
納されている部分画像のノイズを除去する。
【0034】図2は処理対象文書の一例を示す図であ
る。同図にも示すように、一般的な処理対象文書26に
あっては、文書26の上下左右の縁部分に余白領域28
1〜284を設け、これら余白領域281〜284で囲
まれた文書中央部に文字図形領域30を設けている。文
字図形領域30には、文字行、図、表、写真或はそのほ
かの文字図形が印刷され若しくは手書きされている。図
2中、文書26の外形を表す矩形の内側において、点を
付した領域はヘッダ、フッタ、或は文字行を概念的に表
し、また実線は罫線を表す。
【0035】文書画像の傾き検出に用いる部分画像とし
ては、文書26の左上角隅部分321、左下角隅部分3
22、右上角隅部分323或は右下角隅部分324に対
応する画像を用いる。
【0036】図からも理解できるように、角隅部分32
1〜324にあっては、行頭或は行末が揃っていたり、
フィールドセパレータ例えば罫線が存在しているため、
余白領域281〜284と文字図形領域30とは、ほぼ
直線状の境界(以下、単に直線状境界と表す)を成して
存在している可能性が非常に高い。言い換えれば、角隅
部分321〜324には、直線状境界を形成するのに適
した成分例えば行頭、行末或はフィールドセパレータが
存在する可能性が高い。
【0037】直線状の境界の傾きは、文書画像の傾き候
補として用いて好適であり、角隅部分321〜324か
ら抽出される部分画像は、直線状境界の傾きを検出する
のに適している。
【0038】図3は文書画像の格納領域及び部分画像の
抽出領域を示す図であって、図中、34は文書画像記憶
部20上に設定された文書画像の格納領域、361〜3
64は文書画像記憶部20上に設定された部分画像の抽
出領域を示す。抽出領域361〜364は格納領域34
の一部である。図3及び図2を参照して、文書画像記憶
部20上の抽出領域361〜364と処理対象文書26
の角隅部分321〜324との対応関係について説明す
る。
【0039】文書画像記憶部20及び部分画像記憶部1
2上には、相対応するX−Y座標系を仮想的に設定して
おり、この座標系で表されるX、Y座標をアドレスに用
いて、これら記憶部20及び12に対して文書画像及び
部分画像の書き込みを行ない或はこれら記憶部20及び
12から文書画像及び部分画像の読み出しを行なうこと
ができる。
【0040】一方、処理対象文書26の角隅部分32i
(i=1、2、3、4)に、目安領域38iを設定す
る。目安領域38iは、角隅部分32iから、傾き候補
の検出に適した部分画像を抽出するための目安となる領
域である。
【0041】処理対象文書26の横幅方向及び縦幅方向
と文書画像記憶部20上のX軸方向及びY軸方向とが平
行となるように、文書画像が格納領域34に格納された
場合を、文書画像が傾いていない場合とすれば、この場
合の目安領域38i内の文書画像を部分画像として抽出
できるように、抽出領域36iを設定してある。
【0042】従って文書画像が傾いていない場合は、抽
出領域36iから抽出した部分画像は目安領域38i内
の文書画像と一致する。しかしながら、文書画像が傾い
ている場合は、抽出領域36iから抽出した部分画像
は、目安領域38i内の文書画像とは一致せず目安領域
38i内の文書画像の一部と目安領域38iの近傍領域
内の文書画像とを含む画像となる。
【0043】このように文書画像が傾いた場合でも、傾
き候補の検出に適した部分画像が得られるように、目安
領域38i及び抽出領域36iの設定位置や広さを設定
する必要がある。この点を考慮しつつ、目安領域38i
及び抽出領域36iを例えば次のように設定する。
【0044】ここでは、目安領域38iを、横辺及び縦
辺が処理対象文書26の横幅方向及び縦幅方向に平行な
i ドット×bi ドットの矩形領域とする。目安領域3
8iを広く設定すれば、目安領域38i内に存在する直
線状境界を長くすることができ、従って傾き候補として
検出する直線状境界の傾きをより精度良く検出すること
ができる。部分画像の走査量が過大になるのを回避しつ
つ、実用上充分な検出精度を確保するには、例えば文書
画像を得るために用いるスキャナの読取り分解能が40
0DPIである場合にはai =bi =800ドットとし
て、約5cm四方の正方形領域を目安領域38iとすれ
ば良い。
【0045】そして目安領域38iを、文書26の横幅
方向において文書26の端縁からmi ドットだけ文書中
央部側へ離間させた位置に配置し、かつ、目安領域38
iを、文書26の縦幅方向において文書26の端縁から
i ドットだけ文書中央部側へ離間させた位置に配置す
る。
【0046】具体的には、左上角隅部分321に設定す
る目安領域381を、文書26の左端縁からm1 ドット
及び上端縁からn1 ドット離間させ、左下角隅部分32
2に設定する目安領域382を、文書26の左端縁から
2 ドット及び下端縁からn2 ドット離間させる。また
右上角隅部分323に設定する目安領域383を、文書
26の右端縁からm3 ドット及び上端縁からn3 ドット
離間させ、右下角隅部分324に設定する目安領域38
4を、文書26の右端縁からm4 ドット及び下端縁から
4 ドット離間させる。
【0047】このように位置をずらすのは、スキャナに
よる文書画像の読み込みの段階でノイズを生じ易い箇所
の画像が部分画像中に含まれるのを回避するためであ
る。mi 及びni の値は、一般的な文書における余白領
域291等の幅よりも小さくする。例えば、文書画像を
得るために用いるスキャナの読取り分解能が400DP
Iである場合には、mi =ni =160ドットとし、目
安領域38iを文書26の端縁から1cm程度離間させ
る。
【0048】同様にして、抽出領域36iを、文書画像
格納領域34の横幅方向(X軸方向)及び縦幅方向(Y
軸方向)に平行なai ドット×bi ドットの矩形領域と
する。例えば文書画像を得るために用いるスキャナの読
取り分解能が400DPIである場合にはai =bi
800ドットとする。
【0049】そして抽出領域36iを、文書画像格納領
域34の横幅方向において文書画像格納領域34の端縁
からmi ドットだけ文書画像格納領域34の中央部側へ
離間させた位置に配置し、かつ、抽出領域36iを、文
書画像格納領域34の縦幅方向において文書画像格納領
域34の端縁からni ドットだけ文書画像格納領域34
の中央部側へ離間させた位置に配置する。
【0050】具体的には、左上角隅部分321の目安領
域381に対応する抽出領域361を、文書画像格納領
域34の左端縁からm1 ドット及び上端縁からn1 ドッ
ト離間させ、左下角隅部分322の目安領域382に対
応する抽出領域362を、文書画像格納領域34の左端
縁からm2 ドット及び下端縁からn2 ドット離間させ
る。また右上角隅部分323の目安領域383に対応す
る抽出領域363を、文書画像格納領域34の右端縁か
らm3 ドット及び上端縁からn3 ドット離間させ、右下
角隅部分324の目安領域384に対応する抽出領域3
64を、文書画像格納領域34の右端縁からm4 ドット
及び下端縁からn4 ドット離間させる。例えば、文書画
像を得るために用いるスキャナの読取り分解能が400
DPIである場合には、mi =ni =160ドットとす
る。
【0051】次に文書画像傾き検出装置10の動作の説
明とともにこの発明の文書画像検出方法の実施例につい
ても説明する。
【0052】まず、処理対象文書26をその全面にわた
って、スキャナにより走査して、処理対象文書全面に対
応する文書画像を、文書画像記憶部20の格納領域34
に格納する。文書画像は、量子化された電気信号であ
る。ここでは、文書画像を白黒2値の電気信号とし、こ
の文書画像の黒画素を文字図形画素としてまた白画素を
余白画素として取り扱う。
【0053】次に部分画像切出し装置22は、文書画像
記憶部20上の抽出領域361〜364のいずれかひと
つ例えば抽出領域361に格納されている画像を、部分
画像として切り出し、切り出した部分画像を部分画像記
憶部12に格納する。
【0054】図4は部分画像の具体例のひとつを示す図
であって、図中の符号40は部分画像記憶部12上に設
定された部分画像の格納領域、42はノイズを示す。同
図にあっては、格納領域40内に格納された部分画像中
の白画素を白地で及び黒画素を黒地で表して、左上角隅
部分321から得られる部分画像の一例を示してある。
【0055】次にノイズ除去装置24は、部分画像記憶
部12の格納領域40に格納されている部分画像から、
ノイズを除去する。ここでは一般的な平滑化処理の手法
として知られている収縮処理及び拡散処理を組み合わせ
た手法により、ノイズを除去する。この手法によれば、
ノイズとして微小な黒画素の塊を除去でき、従って傾き
候補の検出精度を向上させることができる。
【0056】図5はノイズ除去のために行なう収縮処理
の説明に供する図である。図5にも示すように、収縮処
理では、部分画像中の黒画素に順次に着目してゆき、注
目黒画素の上下左右に位置する4個の画素のうち1つで
も白画素があった場合に、当該黒画素を白画素に置き換
える。この収縮処理により、ノイズ42として微小な黒
画素の塊を除去できる。
【0057】図6はノイズ除去のために行なう拡散処理
の説明に供する図である。図5にも示すように、拡散処
理では、部分画像中の黒画素に順次に着目してゆき、注
目黒画素の上下左右に位置する4個の画素中に白画素が
あった場合に、当該白画素を黒画素に置き換える。
【0058】収縮処理をα回繰り返して行なった後に拡
散処理をそれと同じ回数αだけ繰り返し行なう。これに
より、傾き候補の検出に用いる直線状境界を忠実に再現
しつつ、ノイズ42を除去できる。処理の繰り返し回数
αは、ノイズ42とみなすべき黒画素の塊の大きさをど
れ位の大きさとするかによって、決定される。例えばス
キャナの読取り分解能を400DPIとした場合には、
α=2程度とすれば良い。
【0059】図7はノイズ除去後の部分画像の具体例の
ひとつを示す図である。同図にあっては、図4に示す格
納領域40内の部分画像から、上記収縮及び拡散処理に
よってノイズ42を除去した後の、部分画像を示してあ
る。但し図7中には、後述する説明の便宜を図るために
走査線を表す一点鎖線と外接矩形を表す二点鎖線とを書
き加えてあるが、これら走査線及び外接矩形は部分画像
中には含まれていないものである。
【0060】次に傾き候補検出部14は、処理対象文書
26の複数の角隅部分ここでは4個の角隅部分321、
322、323及び324に対応する複数の部分画像に
対しそれぞれ、(処理a)〜(処理c)を行なって、複
数の傾き候補を検出する。さらに傾き候補検出部14
は、(処理a)で検出した外接矩形の縦辺及び横辺であ
って角隅余白ブロック及び角隅文字図形ブロックの境界
にほぼ沿って位置する縦辺及び横辺をそれぞれ着目辺と
し、これら2種の着目辺に対しそれぞれ(処理b)〜
(処理c)を行なって、複数の傾き候補を検出する。従
って、処理対象文書26から合計8個の傾き候補を検出
する。この傾き候補の検出処理の流れを、図8に示す。
また傾き候補の検出において、角隅部分321、32
2、323及び324から得られる各部分画像に関し、
外接矩形のいずれの辺を着目辺とし、さらに走査線の回
転方向をどのような方向とするかについて、具体的に表
にしてまとめたものを図9に示す。
【0061】最初の部分画像が部分画像記憶部12に格
納されると、傾き候補検出部14は動作を開始し(開
始)、部分画像記憶部12の部分画像を走査して、部分
画像内の角隅文字図形ブロックに外接する外接矩形44
を検出する(S1:処理a)。図7中に、検出された外
接矩形44の一例を、二点鎖線で表す。
【0062】この外接矩形44の上側端縁位置をYU
下側端縁位置をYD 、左側端縁位置をXL 及び右側端縁
位置をXR と表せば、外接矩形44は、YU ≦Y≦YD
かつXL ≦X≦XR なる矩形領域である。
【0063】上側端縁位置YU の検出に当っては、格納
領域40の横辺に平行な走査線従ってX軸に平行な走査
線を、格納領域40の上側の横辺から下側の横辺へ向け
て線順次に移動させ、走査線上の文字図形画素の有無を
判定する。線順次に移動させて行く過程で最初に文字図
形画素を検出した走査線の座標位置Yを、上側端縁位置
U として検出する。
【0064】下側端縁位置YD の検出に当っては、X軸
に平行な走査線を、辺に平行な走査線を、格納領域40
の下側の横辺から上側の横辺へ向けて線順次に移動さ
せ、走査線上の文字図形画素の有無を判定する。線順次
に移動させて行く過程で最初に文字図形画素を検出した
走査線の座標位置Yを、下側端縁位置YD として検出す
る。
【0065】左側端縁位置XL の検出に当っては、格納
領域40の縦辺に平行な走査線従ってY軸に平行な走査
線を、格納領域40の左側の縦辺から右側の縦辺へ向け
て線順次に移動させ、走査線上の文字図形画素の有無を
判定する。線順次に移動させて行く過程で最初に文字図
形画素を検出した走査線の座標位置Xを、左側端縁位置
L として検出する。
【0066】右側端縁位置XR の検出に当っては、Y軸
に平行な走査線を、格納領域40の右側の縦辺から左側
の縦辺へ向けて線順次に移動させ、走査線上の文字図形
画素の有無を判定する。線順次に移動させて行く過程で
最初に文字図形画素を検出した走査線の座標位置Xを、
右側端縁位置XR として検出する。
【0067】このようにして、部分画像中の角隅文字図
形ブロックに外接する外接矩形44を検出する。角隅文
字図形ブロックは、処理対象文書26の角隅部分に存在
する文字図形領域30に対応した領域である。
【0068】次に傾き候補検出部14は、角隅余白ブロ
ック及び角隅文字図形ブロックの境界にほぼ沿って位置
する外接矩形辺を着目辺とし、着目辺上の文字図形画素
のうち当該着目辺の端点との距離が最短となる文字図形
画素を検出する(S2:処理b)。角隅余白ブロック
は、処理対象文書26の角隅部分に存在する余白領域に
対応する領域である。
【0069】左上角隅部分321に対応する部分画像に
関しては、外接矩形44の上側の横辺或は左側の縦辺
が、角隅余白ブロック及び角隅文字図形ブロックの直線
状境界にほぼ沿って位置する外接矩形辺となるので、外
接矩形44の上側の横辺或は左側の縦辺を着目辺とする
こととなる(図7参照)。
【0070】同様にして、左下角隅部分322に対応す
る部分画像に関しては、外接矩形44の左側の縦辺或は
下側の横辺を着目辺とし、右上角隅部分323に対応す
る部分画像に関しては、外接矩形44の右側の縦辺或は
上側の横辺を着目辺とし、さらに右下角隅部分324に
対応する部分画像に関しては、外接矩形44の右側の縦
辺或は下側の横辺を着目辺とすることとなる。
【0071】そして或る着目辺Aに複数個の文字図形画
素a1 〜an が乗っている場合には、当該辺Aの一方の
端点A1 及び他方の端点A2 (これら端点A1 及びA2
は外接矩形44の頂点でもある)、文字図形画素a1 〜
an の各文字図形画素と端点A1 との距離を距離D11〜
D1n、文字図形画素a1 〜an の各画素と端点A2 との
距離を距離D21〜D2nとするとき、これら距離D11〜D
1n、D21〜D2nのなかで最も短い距離を得た文字図形画
素及び端点を最短の文字図形画素及び最短の端点として
検出する。
【0072】例えば、着目辺Aが外接矩形44の上側又
は下側の横辺である場合には、文字図形画素a1 〜an
のうちX座標の最も小さな画素と着目辺Aの左側の端点
A1との離間距離DL を求め、さらに文字図形画素a1
〜an のうちX座標の最も大きな画素と着目辺Aの右側
の端点A2 との離間距離DR を求め、これら離間距離D
L 、DR のうちより小さな距離を得た文字図形画素及び
端点を、最短の文字図形画素及び最短の端点として検出
する。
【0073】また着目辺Aが外接矩形44の左側又は右
側の縦辺である場合には、文字図形画素a1 〜an のう
ちY座標の最も小さな画素と着目辺Aの上側の端点A1
との離間距離DU を求め、さらに文字図形画素a1 〜a
n のうちY座標の最も大きな画素と着目辺Aの下側の端
点A2 との離間距離DD とを求め、これら離間距離DU
、DD のうち、より小さな距離を得た文字図形画素及
び端点を、最短の文字図形画素及び端点として検出す
る。
【0074】図7の例では、外接矩形44の上側の横辺
或は左側の縦辺を着目辺とすることになり、上側の横辺
に関しては最短の文字図形画素及び最短の端点として符
号aUmin及びAUminを付した画素及び端点が、また左側
の縦辺に関しては最短の文字図形画素及び最短の端点と
して符号aLmin及びALminを付した画素及び端点が検出
されることとなる。
【0075】次に傾き候補検出部14は、走査線を、着
目辺に平行な位置から最短の文字図形画素の回りに回転
させ、この走査線回転方向を、最短の文字図形画素より
も当該画素に対応する最短の端点の側に位置する走査線
部分が角隅文字図形ブロックから遠ざかるように回転す
る方向とし、外接矩形内の走査線上で文字図形画素が検
出されない最大の回転角度を、文書画像の傾き候補とし
て検出する(S3:処理c)。
【0076】ここで正の走査線回転方向を、走査線を時
計回りに回転させる方向とし、負の走査線回転方向を、
走査線を反時計回りに回転させる方向とすると、具体的
な走査線回転方向は以下に述べる如くになる。
【0077】左上角隅部分321に対応する部分画像に
関しては、着目辺を外接矩形44の上側の横辺としたと
き、最短の端点が当該上側の横辺の左側端点或は右側端
点(すなわち外接矩形44の左上頂点或は右上頂点)で
あれば走査線回転方向は正の方向或は負の方向である。
また着目辺を外接矩形44の左側の縦辺としたときは、
最短の端点が当該左側の縦辺の上側端点或は下側端点
(すなわち外接矩形44の左上頂点或は左下頂点)であ
れば走査線回転方向は負の方向或は正の方向である。
【0078】図7の左上角隅部分321に対応する部分
画像の例では、外接矩形44の上側の横辺を着目辺とし
たとき、最短の端点AUminは外接矩形44の左上頂点で
あるので、走査線回転方向は正の方向となる。そして走
査線回転方向を正の方向として、走査線46を最短の文
字図形画素aUminの回りに回転させる。従って着目辺と
走査線46との成す角度β°を、所定角度間隔γ°で変
化させ、各角度β°毎に外接矩形44内の走査線46上
で文字図形画素を検出したか判定する。文字図形画素を
最初に検出したの走査線46(462)の一つ前の走査
線46(461)の回転角度β°を、傾き候補として検
出する。
【0079】この場合、図7中の走査線46(461)
及び46(462)からも理解できるように、走査線回
転方向を正の方向とすることにより、最短の文字図形画
素aUminよりも当該画素aUminに対応する最短の端点A
Uminの側に位置する走査線部分46aが角隅文字図形ブ
ロックから遠ざかるように回転し、従って最短の文字図
形画素aUminを挟んで走査線部分46aとは反対側の走
査線部分46bは、外接矩形44内の角隅余白ブロック
から角隅文字図形ブロックへ向けて回転して外接矩形4
4内を移動することとなる。これがため、文字図形画素
を最初に検出した走査線46(462)の一つ前の走査
線46(461)の回転角度β°を、傾き候補として検
出し用いることができる。
【0080】同様に、図7の左上角隅部分321に対応
する部分画像の例において、外接矩形44の左側の縦辺
を着目辺としたときは、最短の端点ALminは外接矩形4
4の左下頂点であるので、走査線回転方向は正の方向と
なる。
【0081】この場合も、図7中の走査線46(46
3)及び46(464)からも理解できるように、走査
線回転方向を正の方向とすることにより、最短の文字図
形画素aLminよりも当該画素aLminに対応する最短の端
点ALminの側に位置する走査線部分46aが角隅文字図
形ブロックから遠ざかるように回転し、従って最短の文
字図形画素aLminを挟んで走査線部分46aとは反対側
の走査線部分46bは、外接矩形44内の角隅余白ブロ
ックから角隅文字図形ブロックへ向けて回転して外接矩
形44内を移動することとなる。これがため、文字図形
画素を最初に検出した走査線46(464)の一つ前の
走査線46(463)の回転角度β°を、傾き候補とし
て検出し用いることができる。
【0082】傾き候補の検出精度は走査線46の回転角
度間隔γ°の値に応じて変化し、従って回転角度間隔γ
°の値を調整することにより、所望の精度で、傾き候補
を検出することができる。傾き候補の検出精度を上げる
には、回転角度間隔γ°の値を小さくすれば良い。例え
ばγ°=0.5°とする。
【0083】左上角隅部分321に対応する部分画像の
場合と同様にして、他の角隅部分322、323及び3
24についても以下に述べるように走査線回転方向を定
めることにより、傾き候補を検出することができる。
【0084】左下角隅部分322に対応する部分画像に
関しては、着目辺を外接矩形44の左側の縦辺としたと
きは、最短の端点が当該左側の縦辺の上側端点或は下側
端点(すなわち外接矩形44の左上頂点或は左下頂点)
であれば走査線回転方向は負の方向或は正の方向とな
る。また着目辺を外接矩形44の下側の横辺としたとき
は、最短の端点が当該下側の横辺の左側端点或は右側端
点(すなわち外接矩形44の左下頂点或は右下頂点)で
あれば走査線回転方向は負の方向或は正の方向となる。
【0085】さらに右上角隅部分323に対応する部分
画像に関しては、着目辺を外接矩形44の右側の縦辺と
したとき、最短の端点が当該右側の縦辺の上側端点或は
下側端点(すなわち外接矩形44の右上頂点或は右下頂
点)であれば走査線回転方向は正の方向或は負の方向と
なる。また着目辺を外接矩形44の上側の横辺としたと
きは、最短の端点が当該上側の横辺の左側端点或は右側
端点(すなわち外接矩形44の左上頂点或は右上頂点)
であれば走査線回転方向は正の方向或は負の方向とな
る。
【0086】右下角隅部分324に対応する部分画像に
関しては、着目辺を外接矩形44の右側の縦辺としたと
きは、最短の端点が当該右側の縦辺の上側端点或は下側
端点(すなわち外接矩形44の右上頂点或は右下頂点)
であれば走査線回転方向は正の方向或は負の方向であ
る。また着目辺を外接矩形44の下側の横辺としたとき
は、最短の端点が当該下側の横辺の左側端点或は右側端
点(すなわち外接矩形44の左下頂点或は右下頂点)で
あれば走査線回転方向は負の方向或は正の方向となる。
【0087】次に傾き候補検出部14は、現在傾き候補
の検出に供している部分画像(以下、現在の部分画像)
に関して、全ての着目辺につき傾き候補の検出を終了し
たか判定する(S4)。
【0088】全ての着目辺につき傾き候補の検出を終了
していなければ、当該現在の部分画像に関して、残りの
着目辺につき傾き候補の検出を行なうべく、傾き候補検
出部14はS2の処理を行なう。
【0089】また全ての着目辺につき傾き候補の検出を
終了していれば、次に傾き候補検出部14は、角隅部分
321〜324に対応する部分画像の全てについて傾き
候補を検出したか判定する(S5)。
【0090】全ての部分画像について傾き候補を検出し
ていない場合には、傾き候補検出部14は、残りの角隅
部分に対応する部分画像についても傾き候補を検出すべ
くS1の処理を行なう。
【0091】全ての部分画像について傾き候補を検出し
終えた場合には、傾き候補検出部14は、傾き候補の検
出処理を完了する(終了)。
【0092】傾き候補検出部14は、例えば角隅部分3
21、322、323及び324の順に順次に、部分画
像に対してS1〜S4の処理を行なって、合計8個の傾
き候補を検出する。
【0093】角隅部分321、322、323及び32
4に対応する部分画像は、S4の判定で全ての部分画像
について傾き候補を検出していないとの判定を得る毎
に、その文書画像記憶部20から切り出して部分画像記
憶部12に格納するようにしても良いし、また角隅部分
321〜324に対応する部分画像を全て、各角隅部分
毎に個別に、部分画像記憶部12に格納した後、傾き候
補検出部14の動作を開始させるようにしても良い。
【0094】傾き候補検出部14が傾き候補の検出処理
を完了したら、次に傾き検出部16は、検出された複数
の傾き候補この例では合計8個の傾き候補を用いて、文
書画像の傾きを検出する。
【0095】ここでは、検出された複数の傾き候補この
例では合計8個の傾き候補を、値の大きさの順に並べ、
これら並べた傾き候補を、所定角度間隔ω°以内で連続
するグループ毎に、グループ分けする。そしてグループ
を構成する傾き候補の個数が最多のグループが1つの場
合は、当該最多のグループを構成する傾き候補の平均値
を文書画像の傾きとして検出する。またグループを構成
する傾き候補の個数が最多のグループが複数の場合は、
これら最多のグループに関して、各グループ毎に、グル
ープを構成する傾き候補の平均値を求め、この平均値の
絶対値が最小となる(或はより零に近い)グループの、
当該平均値を文書画像の傾きとして検出する。このよう
にすることにより、極端に大きな値を取る傾き候補や、
極端に小さな値を取る傾き候補を用いずに、文書画像の
傾きを検出できるので、文書画像の傾きの検出精度を向
上させることができる。
【0096】ω°は、有為な値のばらつきを有さない複
数の傾き候補を1グループにまとめることができるよう
に、設定する。例えばω°=0.5°とする。
【0097】例えば、傾き候補として、−10.5°、
−10.0°、−9.5°、−8.0°、−8.0°、
−7.5°、−4.0°、−2.0°の合計8個を得た
ものとする。この場合、ω°=0.5°とすれば、第一
のグループとして(−10.5°、−10.0°、−
9.5°)と、第二のグループとして(−8.0°、−
8.0°、−7.5°)と、第三のグループとして(−
4.0°)と、第四のグループとして(−2.0°)と
の4つのグループを得ることができる。このときの最多
のグループは第一のグループと第二のグループの2つで
あるが、これらグループのうち平均値がより小さい方の
グループ(或は零により近い方のグループ)は、第二の
グループであるので、第二のグループに属する傾き候補
の平均値−7.8°を、文書画像の傾きとして検出する
こととなる。
【0098】傾き検出部16は、検出した文書画像の傾
きを次段の装置へ、出力して動作を終了する。次段の装
置は、処理対象となる文書画像が傾いていると処理に支
障がある装置、或は、その傾きを事前に知る必要のある
装置であって、次段の装置として例えば文字認識装置を
挙げることができる。傾き検出部16が検出した文書画
像の傾きに基づき、文書画像の傾きを補正することによ
り、文字認識などの画像処理の精度を向上させることが
できる。
【0099】この実施例の文書画像傾き検出装置10及
びこの装置10により実施される文書画像傾き検出方法
によれば、行頭が揃っていたり、罫線等のフィールドセ
パレータが存在する文書26の角隅部分から得た部分画
像においては、角隅余白ブロックと角隅文字図形ブロッ
クとが直線状の境界を成して存在する可能性が高いとい
う点に着目し、最短の文字図形画素を中心として走査線
46を回転させて、文字図形画素が検出されない最大の
角度を文書画像の傾き候補として検出するので、処理対
象文書26に縦、横の文字行が混在している場合や処理
対象文書26に写真、図、表などが含まれている場合に
も、文書画像の傾きを検出することができる。
【0100】また最短の文字図形画素を中心として走査
線46を回転させて、文字図形画素が検出されない最大
の角度を文書画像の傾き候補として検出するので、傾き
候補検出のために走査する画像の量は、回転角度間隔γ
°毎に1画素行であり、画像の走査量を著しく減少させ
ることができる。また複数の傾き候補ここでは8個の傾
き候補を検出するようにしたとしても、ヒストグラムを
作成して文書画像の傾きを検出する従来手法に比して、
画像の走査量を10分の1から5分の1程度まで低減で
きる。
【0101】しかも下記(1)〜(4)の如くして傾き
候補を検出するので、画像の走査量が少なくても、精度
良く文書画像の傾きを検出することができる。 (1)ノイズを除去した部分画像から傾き候補を検出す
る。 (2)文書画像の上下左右の角隅部分321〜324に
対応する4個の部分画像からそれぞれ傾き候補を検出す
る。 (3)上下左右の角隅部分321〜324に対応する4
個の部分画像に関し、それぞれ2種の着目辺について傾
き候補を検出する。
【0102】(4)複数の傾き候補を検出し、これら傾
き候補をグループ分けして、グループに属する傾き候補
の個数が最多であってかつグループに属する傾き候補の
平均値の絶対値がより零に近いグループを検出し、当該
グループに属する傾き候補の平均値を、文書画像の傾き
とする。
【0103】発明は上述した実施例にのみ限定されるも
のではなく、発明の趣旨の範囲内で種々の変更を行なう
ことができる。
【0104】例えば、上述した文書画像傾き検出装置1
0において、部分画像記憶部12、部分画像記憶部22
及びノイズ除去装置24を設けずに、傾き候補検出部1
4が文書画像記憶部20の抽出領域361〜364内の
各部分画像を走査して、傾き候補を検出するようにして
も良い。すなわちこの発明に係る文書画像傾き検出装置
10及び文書画像傾き検出方法の実施例において、上述
した収縮及び拡散処理を組み合わせたノイズ除去処理を
施していない部分画像から傾き候補を検出するようにし
ても良いし、また文書画像記憶部20を部分画像記憶部
として用いるようにしても構わない。
【0105】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、請
求項1の発明によれば、行頭或は行末が揃っていたり、
罫線等のフィールドセパレータが存在する文書角隅部分
から得た部分画像においては、角隅余白ブロックと角隅
文字図形ブロックとが直線状の境界を成して存在する可
能性が高いという点に着目し、最短の文字図形画素を中
心として走査線を回転させて、外接矩形内の走査線上で
文字図形画素が検出されない最大の角度を文書画像の傾
き候補として検出するので、処理対象文書に縦、横の文
字行が混在している場合や処理対象文書に写真、図、表
などが含まれている場合にも、文書画像の傾きを検出す
ることができる。
【0106】また最短の文字図形画素を中心として走査
線を回転させて、外接矩形内の走査線上で文字図形画素
が検出されない最大の角度を文書画像の傾き候補として
検出するので、傾き候補検出のために走査する画像の量
は、走査線の回転角度間隔毎に1画素行であり、画像の
走査量を著しく減少させることができる。従って文書画
像の傾きの検出精度を向上させるため複数の傾き候補を
検出するようにしたとしても、ヒストグラムを作成して
文書画像の傾きを検出する従来手法に比して、画像の走
査量を少なくすることができる。
【0107】また請求項1の発明において、画像処理対
象文書の4つの角隅部分に対応する4つの部分画像のな
かから選択した、2〜4つの部分画像から検出した複数
の傾き候補を用いて文書画像の傾きを検出するので、文
書画像の走査量が少なくても、文書画像の傾き検出の精
度を向上することができる。
【0108】さらに請求項2の発明によれば、部分画像
から2種の着目辺について傾き候補を検出し、これら複
数の傾き候補を用いて文書画像の傾きを得るので、文書
画像の走査量が少なくても、文書画像の傾き検出の精度
を向上することができる。
【0109】さらに請求項3の発明によれば、請求項1
又は2の発明において、検出された複数の傾き候補をグ
ループ分けして、グループを構成する傾き候補の個数が
最多のグループの傾き候補を用いて、文書画像の傾きを
検出するので、文書画像の走査量が少なくても、文書画
像の傾き検出の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の実施に供する文書画像傾き
検出装置の一例を示す図である。
【図2】処理対象文書の一例を示す図である。
【図3】文書画像及び部分画像の説明に供する図であ
る。
【図4】部分画像の具体的な一例を示す図である。
【図5】ノイズ除去処理で行なう収縮処理の説明に供す
る図である。
【図6】ノイズ除去処理で行なう拡散処理の説明に供す
る図である。
【図7】ノイズ除去後の部分画像の具体的な一例を示す
図である。
【図8】傾き候補の検出処理の流れの一例を示す図であ
る。
【図9】傾き候補を検出する場合の着目辺及び走査線回
転方向の説明に供する図である。
【符号の説明】
10:文書画像傾き検出装置 12:部分画像記憶部 14:傾き候補検出部 16:傾き検出部 18:マイクロコンピュータ 20:文書画像記憶部 22:部分画像切り出し装置 24:ノイズ除去装置
フロントページの続き (72)発明者 鳥越 真 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−584(JP,A) 特開 平2−17586(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06K 9/00 - 9/82

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理対象文書を走査して得た文書画像の
    傾きを検出するに当り、 前記処理対象文書の複数の角隅部分の余白領域及び文字
    図形領域に対応した角隅余白ブロック及び角隅文字図形
    ブロックを含む複数の部分画像を格納する部分画像記憶
    部を設け、 該部分画像記憶部に格納された複数の角隅部分に対応す
    る複数の部分画像に対しそれぞれ、 (処理a)部分画像内の角隅文字図形ブロックに外接す
    る外接矩形を検出する処理と (処理b)前記外接矩形の辺のうち角隅余白ブロック及
    び角隅文字図形ブロックの境界にほぼ沿って位置する辺
    を着目辺とし、該着目辺上の文字図形画素のうち当該着
    目辺の端点との距離が最短となる文字図形画素を検出す
    る処理と (処理c)走査線を、着目辺に平行な位置から最短の文
    字図形画素の回りに回転させ、該走査線回転方向を、最
    短の文字図形画素よりも当該画素に対応する最短の端点
    の側に位置する走査線部分が角隅文字図形ブロックから
    遠ざかるように回転する方向とし、前記外接矩形内の走
    査線上で文字図形画素が検出されない最大の回転角度
    を、文書画像の傾き候補として検出する処理とを行な
    い、 複数の部分画像に対して得られた複数の傾き候補の全部
    又は一部の平均値を、文書画像の傾きとして検出するこ
    とを特徴とする文書画像傾き検出方法。
  2. 【請求項2】 処理対象文書を走査して得た文書画像の
    傾きを検出するに当り、 前記処理対象文書の角隅部分の余白領域及び文字図形領
    域に対応した角隅余白ブロック及び角隅文字図形ブロッ
    クを含む部分画像を格納する部分画像記憶部を設け、 該部分画像記憶部に格納された部分画像に対し、 (処理a)部分画像内の角隅文字図形ブロックに外接す
    る外接矩形を検出する処理と(処理b)前記外接矩形の
    辺のうち角隅余白ブロック及び角隅文字図形ブロックの
    境界にほぼ沿って位置する縦辺及び横辺をそれぞれ着目
    辺とし、これら2種の着目辺毎に着目辺上の文字図形画
    素のうち当該着目辺の端点との距離が最短となる文字図
    形画素を検出する処理と (処理c)前記2種の着目辺毎に走査線を、着目辺に平
    行な位置から最短の文字図形画素の回りに回転させ、該
    走査線回転方向を、最短の文字図形画素よりも当該画素
    に対応する最短の端点の側に位置する走査線部分が角隅
    文字図形ブロックから遠ざかるように回転する方向と
    し、前記外接矩形内の走査線上で文字図形画素が検出さ
    れない最大の回転角度を、文書画像の傾き候補として検
    出する処理とを行ない、 2種の着目辺に対して得られた複数の傾き候補の全部又
    は一部の平均値を、文書画像の傾きとして検出すること
    を特徴とする文書画像傾き検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の文書画像傾き検
    出方法において、 検出された複数の傾き候補を、値の大きさの順に並べ、 該並べた傾き候補を、所定角度間隔以内で連続するグル
    ープ毎に、グループ分けし、 グループを構成する傾き候補の個数が最多のグループが
    1つの場合は、当該最多のグループを構成する傾き候補
    の平均値を文書画像の傾きとして検出し、 グループを構成する傾き候補の個数が最多のグループが
    複数の場合は、これら最多のグループに関して、各グル
    ープ毎に、グループを構成する傾き候補の平均値を求
    め、該平均値の絶対値が最小となるグループの、当該平
    均値を文書画像の傾きとして検出することを特徴とする
    文書画像傾き検出方法。
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