JP3152446U - 動物実験手技訓練用サル模型 - Google Patents

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智恵子 大野
智恵子 大野
文子 小野
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佐知 岡林
昭雄 冷岡
昭雄 冷岡
通弘 鈴木
通弘 鈴木
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Abstract

【課題】訓練者が、サル類の保定、採血、経口投与、気管挿管等の様々な手技を、生きた動物を用いた操作に近い条件下で訓練できる動物実験手技訓練用サル模型の提供。【解決手段】サル類の生体の形状を模して成形された外装材と、該外装材の内部に詰められた充填材とからなり、少なくとも、首部1、肩関節部2,2、肘関節部3,3、股関節部4,4、膝関節部5,5及び尾根部が可動に構成された動物実験手技訓練用サル模型Aを提供する。【選択図】図1

Description

本考案は、動物実験に供されるサル類の取り扱いを訓練、習得するために用いられる動物実験手技訓練用サル模型に関する。
マウスやウサギ、イヌ、ヤギ、サル等の実験動物が、医学や薬学、生理学等の生命科学領域における動物実験に供されている。このうち、ヒトに最も近縁な実験動物であるサル類は、特に医薬品の前臨床試験や神経科学領域の実験などにおいて、げっ歯類等を用いた実験では得られない貴重な実験データをもたらしている。
サル類を扱う実験動物取扱者は、実験を的確かつ迅速に遂行するため、サル類の保定、挿管、採血等の様々な手技に習熟していることが必要である。また、動物福祉の観点から、動物への身体的・精神的苦痛を軽減するためにも、実験動物取扱者には、これらの手技の習熟が求められる。
本考案に関連して、特許文献1には、「動物模型の口部につながる気管並びに食道及び胃の模型を有し、且つ該動物模型の胸部及び腹部は透明な軟質合成樹脂で形成した動物実験手技訓練用動物模型」が開示されている。この動物模型は、マウス、ラット、モルモットなどの小動物の取り扱いを訓練するためのものである。
登録実用新案第2502797号公報
本考案は、訓練者が、サル類の保定、挿管、採血等の様々な手技を、生きた動物を用いた操作に近い条件下で訓練できる動物実験手技訓練用サル模型を提供することを主な目的とする。
上記課題解決のため、本考案は、サル類の生体の形状を模して成形された外装材と、該外装材の内部に詰められた充填材とからなり、少なくとも、首部、肩関節部、肘関節部、股関節部、膝関節部及び尾根部が可動に構成された動物実験手技訓練用サル模型を提供する。
本考案に係る動物実験手技訓練用サル模型においては、大腿四頭筋群の形状を模して成形された第一の筋肉部材と内転筋群の形状を模して成形された第二の筋肉部材とを、股関節側端において両部材間に間隙が生じるように大腿部内に配置し、前記外装材の前記間隙上に位置する箇所を視認可能に標識している。
本考案に係る動物実験手技訓練用サル模型の前記外装材には、前記生体における膣口と肛門に対応する部位に、これらの形状を模して開孔された模擬膣口と模擬肛門を設け、前記模擬膣口から陥入して、少なくとも膣及び子宮を含む生殖器を模して成形された盲管状の模擬生殖器を配し、前記肛門から陥入して、直腸を模して成形された管状の模擬直腸を配している。さらに、本考案に係る動物実験手技訓練用サル模型は、前記模擬生殖器内に挿入され、妊娠時又は非妊娠時における子宮の大きさ及び/又は弾性を反映した大きさ及び/又は弾性を有する弾性部材を具備する。
また、本考案に係る動物実験手技訓練用サル模型の眼瞼の前記外装材には、着脱可能なゴムシートが配される。
さらに、本考案に係る動物実験手技訓練用サル模型は、開口可能に構成され、口腔の形状を模して成形された模擬口腔に連通して、気管を模して管状に成形された模擬気管と食道を模して管状に成形された模擬食道が配されている。模擬口腔の模擬口腔と模擬気管への連通部分に、喉頭蓋を模して弁状に成形された模擬喉頭蓋を口腔側に突出して配することができる。この他、本考案に係る動物実験手技訓練用サル模型は、模擬鼻孔と模擬鼻腔、模擬尿道口と模擬尿管と模擬膀胱、模擬リンパ節、腰椎及び/又は骨盤の形状を模して成形された骨格部材、前記外装材表面に装着される模擬血管を具備することができる。
本考案に係る動物実験手技訓練用サル模型において、前記外装材は、特にオナガザル科マカク属のサル類の生体の形状を模して成形されることが好適となる。
本考案により、訓練者が、サル類の保定、挿管、採血等の様々な手技を、生きた動物を用いた操作に近い条件下で訓練できる動物実験手技訓練用サル模型が提供される。
本考案に係るサル模型の全体構成とこれを用いた気管挿管の訓練方法を説明する模式図である。 本考案に係るサル模型を用いた保定の訓練方法を説明する模式図である。 本考案に係るサル模型の大腿部の構成を説明する模式図である。 本考案に係るサル模型の模擬生殖器等の構成及びこれを用いた妊娠診断の訓練方法を説明する模式図である。 本考案に係るサル模型を用いたツベルクリン反応試験の訓練方法を説明する模式図である。 本考案に係るサル模型を用いた髄液採取の訓練方法説明する模式図である。
以下、本考案を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本考案の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本考案の範囲が狭く解釈されることはない。
1.外装材と充填材
本考案に係る動物実験手技訓練用サル模型は、サル類の生体の形状を模して成形された外装材と、外装材の内部に詰められた充填材とからなる。
外装材は、動物実験に供される種々のサル類の生体形状に成形され、サル類の種類、年齢、性別等に応じて適当な大きさ及び形状に成形され得る。生命科学領域における動物実験には、オナガザル科(Cercopithecidae)マカク属(Macaca)のサル類が汎用されていることから、外装材はこれらのサル類の生体形状に成形することが特に好ましい。マカク属のサルとしては、カニクイザル(Macaca fascicularis)、アカゲザル(Macaca mulatta)、ニホンザル(Macaca fuscata)、ブタオザル(Macaca nemestrina)等が挙げられる。
外装材には、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維等の合成繊維や、麻、綿、羊毛等の天然繊維からなる織布や編布、さらにこれらの繊維の不織布等に合成ゴム類、軟質合成樹脂類等を含浸させた伸縮性のある布地などが用いられる。サル類の生体表皮に近似した触感を与えるため、外装材には、フェルトやボア、ベロア等の布地を使用することが好ましい。
サル類の生体の形状に成形された外装材の内部には、形状維持のための充填材が詰められる。充填材には、ポリエステル綿やポリウレタン綿等の弾力性を有するが繊維綿が用いられる。
外装材の表面には、以下に説明する模擬鼻孔や模擬膣口、模擬肛門、模擬尿道口等が、生体における鼻孔、膣口、肛門、尿道口等の位置に対応する部位に開孔として設けられる。そして、これらの開孔に連絡して、管状又は袋状の構造とされた模擬鼻孔や模擬生殖器、模擬泌尿器等が外装材の内部に配置される。また、外装材の内部には、以下に説明する筋肉部材や骨格部材が埋設される。これらを合計した本考案に係る動物実験手技訓練用サル模型の全重量は、サル類の種類、年齢、性別等に応じて適当な重量とされ、例えばカニクイザル成体では3kg前後とされる。ただし、運搬や訓練時の取り扱いを容易にするため、全重量は適宜調整することができ、例えば、500g程度とすることも可能である。
2.関節部の構成及び保定の訓練方法
以下、本考案に係る動物実験手技訓練用サル模型(以下、単に「サル模型」ともいう)の構成及びこれを用いた各種操作の訓練方法について具体的に説明する。
はじめに、図1及び図2を参照して、本考案に係るサル模型の関節部の構成及び保定の訓練方法について説明する。図1は、本考案に係るサル模型の全体構成及びこれを用いた気管挿管の訓練方法を、図2は、保定の訓練方法を示す模式図である。
動物の搬送や挿管、採血等の際には、処置を行い易くするため、動物を手や器具で保持して保定する必要がある。この保定の訓練のため、動物模型は、手や器具で保持される際に、生きた動物と類似の動きや姿勢をとることが望ましい。
図1中、符号Aで示すサル模型は、少なくとも首部1、肩関節部2,2、肘関節部3,3、股関節部4,4、膝関節部5,5及び尾根部6(図2参照)が可動に構成されている。これらの各部位を可動に構成したことにより、サル模型Aは、生体に近い動きや姿勢をとることができる。そのため、サル模型Aによれば、生きた動物を用いた操作に近い条件下で保定の訓練を行うことができる。
図2に、保定の訓練方法の一例を示す。この保定方法では、まず、両前肢を肩関節部2から背後に回し、一方の手の親指で左前肢の肘関節部3を押さえ、中指から小指を用いて右前肢の肘関節部3を押さえる。そして、尾根部6から上体側に上げた尾を、保持した左前肢と右前肢との間から出した人差指で押えて、左前肢と右前肢とによって挟みこむようにして保持する。また、他方の手の人差指を背後から股に差し入れ、人差指と親指との間で左後肢を挟み、人差指と中指から小指との間で右後肢を挟んで保持する。この保定方法では、肩関節部2,2、肘関節部3,3、股関節部4,4及び尾根部6が可動に構成されていることで、生きた動物と同じような保定操作を行うことが可能とされている。
3.挿管の訓練方法
図1を参照して、サル模型Aを用いた気管挿管の訓練方法について説明する。気管挿管は、吸入麻酔装置や呼吸維持装置に接続されたチューブを気管内に挿入するために行われる操作である。
サル模型Aは、開口可能に構成されており、口腔の形状を模して成形された模擬口腔7に連通して、気管を模して管状に成形された模擬気管8と、食道を模して管状に成形された模擬食道9が配されている。また、模擬口腔7と模擬気管8及び模擬食道9との間には、喉頭蓋を模して弁状(靴べら形状)に成形された模擬喉頭蓋(図示省略)を突設することもできる。模擬喉頭蓋は、模擬口腔7の模擬気管8及び模擬食道9への連通部分に模擬口腔7側に突出する靴べら状の弁状体として配される。さらに、模擬口腔7内には、模擬舌を配設してもよい。
模擬気管8及び模擬食道9としては、例えば、天然ゴム、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ゴム、低密度ポリエチレン、ブチルゴム、軟質ポリ塩化ビニル、アクリル酸エステルの共重合体等のアクリル系ゴム、ポリエステル系エラストマー、ポリエステルポリウレタン、ポリウレタン、シリコーンゴムなどの合成ゴム類や軟質合成樹脂類により形成した弾性チュ−ブが配される。これらの弾性チュ−ブは、サル類の種類、年齢、性別等に応じて適当な径及び肉厚とされる。模擬喉頭蓋及び模擬舌は、外装材と同様の素材を用いて、好適には天然ゴムや合成ゴム類等を用いて、柔軟に形成することが望ましい。模擬喉頭蓋は、柔軟な弁状体として形成し、模擬気管8及び模擬食道9側に転倒、展開され得るように構成する。
気管挿管の訓練は、図1に示すように、開口させたサル模型Aの模擬口腔7に器具Bを用いてチューブCを挿入し、模擬気管8内に差し入れることにより行うことができる。この際、模擬喉頭蓋及び模擬舌が配されている場合には、模擬舌を引き出し、模擬喉頭蓋を展開して、模擬気管8の開口を目視にて確認しながらチューブCを挿入するようにする。
また、同様にして、カテーテルを模擬食道9内に差し入れることにより、食道挿管の訓練を行うこともできる。食道への挿管は、経口投与や胃内容物の採取のために行われる操作である。
さらに、サル模型Aには、模擬鼻孔10,10と模擬鼻腔11が設けられており、経鼻投与のためのチューブを模擬鼻孔10,10から模擬鼻腔11内に挿入する訓練を行うこともできる。また、図示は省略するが、サル模型Aには、模擬尿道口と、少なくとも模擬尿管と模擬膀胱を含む模擬泌尿器を設け、採尿のためのカテーテルを、模擬尿道口から模擬尿管を経て模擬膀胱内に挿入する訓練を行うことができるように構成してもよい。模擬膀胱を、図4中、符号20により示す。
4.採血の訓練方法
図3を参照して、サル模型Aの大腿部の構成及び大腿静脈採血の訓練方法について説明する。図3は、サル模型Aの大腿部の構成を示す模式図である。
サル類からの採血は、大腿部の内側皮静脈から行われる場合が多い。大腿静脈は、太く、表皮近くに存在しているため、その位置を正確に特定できれば、容易に注射針を刺入することができる。しかし、大腿静脈は体表からの視認が困難なため、その位置を正確に特定するためにはある程度の習熟が必要となる。
膝関節を折り曲げた状態で股関節を開いて後肢を開脚すると、大腿四頭筋群(外側広筋、大腿直筋、中間広筋、内側広筋の総称)と内転筋群(薄筋、長内転筋、短内転筋、大内転筋、恥骨筋の総称)との間に表皮の窪みが生じる。大腿静脈は、この窪んだ表皮の皮下に位置することが知られている。
そこで、サル模型Aでは、この窪みが生じる部位を視認可能に標識することにより、訓練者が大腿静脈の位置を容易に特定して、同静脈からの採血を訓練できるように工夫している。
具体的には、サル模型Aでは、大腿部に、大腿四頭筋群の形状を模して成形された第一の筋肉部材12と内転筋群の形状を模して成形された第二の筋肉部材13とを配している。そして、これら第一の筋肉部材12と第二の筋肉部材13とを、股関節部4側端において間隙Lが生じるように配置している。これにより、図3に示すように、膝関節部5を折り曲げた状態で股関節部4を開いて後肢を開脚させると、大腿四頭筋群と内転筋群との間隙Lに起因して、外装材に生体と同じような窪みが生じる。サル模型Aでは、この窪み部分を標識14によって視認可能に標識している。
第一の筋肉部材12及び第二の筋肉部材13は、充填材に用いるポリエステル綿やポリウレタン綿等を圧縮して、大腿四頭筋群又は内転筋群の形状を模した四角柱形や四角錘形、円柱形、円錐形等の形状したものとできる。なお、同様に、ポリエステル綿等を種々の形状に圧縮して、外装材内の適当な箇所に埋設することによって、大腿四頭筋群や内転筋群以外の模擬筋肉や模擬リンパ節(例えば、鼠径リンパ節や腋下リンパ節)等の器官を、外装材表面から触知可能に配置することができ、筋肉内投与の訓練やリンパ節触診の訓練に利用することができる。
標識14は、第一の筋肉部材12と第二の筋肉部材13との間隙L上に位置する外装材の箇所(窪み部分)の色や質感を、外装材の他の箇所と変えることによって視認可能に構成できる。また、標識14は、窪み部分の外装材上に、さらに外装材とは色や質感が異なる他の布地を積層することにより構成してもよい。
採血の練習は、膝関節部5を折り曲げた状態で股関節部4を開いて後肢を開脚させた状態で、標識14を目印とし、その下方に位置する大腿静脈を想定して注射針を刺入することにより行う。標識14の下方には、大腿静脈を模擬して、実際の血管に類似した弾性チューブを埋設しておいてもよい。この場合、注射針は、標識14下方に埋設された弾性チューブ内を目標として刺入する。
模擬血管としての弾性チューブは、天然ゴム、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ゴム、低密度ポリエチレン、ブチルゴム、軟質ポリ塩化ビニル、アクリル酸エステルの共重合体等のアクリル系ゴム、ポリエステル系エラストマー、ポリエステルポリウレタン、ポリウレタン、シリコーンゴムなどの合成ゴム類や軟質合成樹脂類により形成できる。弾性チューブの材質は、特に天然ゴム又はシリコーンゴム等が好ましい。模擬血管の径及び肉厚は、訓練対象となる血管に応じて適宜調整することができる。
模擬血管は、ここで説明したように、採血や血管確保の対象となる血管に対応する部位に予め埋設しておく場合の他、必要に応じて外装材表面に装着する構成としてもよい。この場合、対象血管に対応する外装材表面の部位に弾性チューブを固定、装着して模擬血管とし、注射針の刺入訓練を行う。なお、弾性チューブの外装材表面への固定は、サージカルテープや通常使用される粘着テープ等を用いて行うことができる。
5.妊娠診断の訓練方法
図4を参照して、サル模型Aの模擬生殖器等の構成及び妊娠診断の訓練方法について説明する。
図4中、符号15は、生体における膣口に対応する部位に、膣口の形状を模して外装材に開孔された模擬膣口を示している。また、符号16は、少なくとも膣及び子宮を含む雌生殖器を模して成形された模擬生殖器を示す。模擬生殖器16は、模擬膣口15から陥入する盲管状に成形されている。模擬生殖器16の盲端部には、模擬膣口15から弾性部材19を挿入することができる。
図4中、符号16は、生体における肛門に対応する部位に、肛門の形状を模して外装材に開孔された模擬肛門を示している。また、符号18は、直腸を模して成形された模擬直腸を示す。模擬直腸18は、模擬肛門16から陥入する管状(開管であっても、盲管であってもよい)に成形されている。
サル類の妊娠診断は、人差指又は中指を肛門から挿し入れて、直腸から子宮の大きさ及び触感を判断することによって行われる。非妊娠時の子宮は親指大の大きさで硬いが、妊娠している場合には交配後28日前後になるとウズラ卵大の柔らかく膨れた感じの子宮を触知することができる。
サル模型Aでは、模擬生殖器16の盲端部に挿入される弾性部材19の大きさと弾性を、妊娠時又は非妊娠時における子宮の大きさと弾性を反映したものとすることにより、上述の妊娠診断の訓練を行うことが可能とされている。
具体的には、弾性部材19を、例えば、天然ゴム又は合成ゴム類によってウズラ卵大の中空袋状(ゴムボール状)に成形する。このゴムボール状の弾性部材19を、図4(B)に示すように模擬生殖器16の盲端部に挿入すると、模擬直腸18に差し入れた指先によってウズラ卵大の柔らかく膨れた触感を触知できるため、これをもって妊娠状態の判定を訓練することができる。一方、図4(A)に示すように模擬生殖器16の盲端部に弾性部材19を挿入していない状態では、上記のような触感は触知されず、非妊娠状態と判定される。
弾性部材19は、非妊娠時の子宮に対応する部材と、妊娠時の子宮とに対応する部材の2種類を用意してもよい。例えば、非妊娠時の子宮に対応する弾性部材191は、親指大の硬い部材とし、妊娠時の子宮に対応する弾性部材192は上記のようにウズラ卵大の柔らかい部材とする。そして、模擬生殖器16の盲端部に弾性部材191を挿入したときには、模擬直腸18に差し入れた指先によって親指大の硬い感触が触知され、非妊娠状態と判定できるようにし、弾性部材192を挿入したときには、ウズラ卵大の柔らかく膨れた触感が触知され、妊娠状態と判定できるようにする。なお、弾性部材19の硬さは、天然ゴム又は合成ゴム類の材質や中空構造を変更することによって適宜調整することができる。
なお、模擬肛門16及び模擬直腸18は、体温計測を目的として行われる直腸への体温計挿入の訓練を行うためにも利用できる。
6.ツベルクリン反応試験の訓練方法
図5を参照して、サル模型Aを用いたツベルクリン反応試験の訓練方法について説明する。
ツベルクリン反応試験は、精製ツベルクリン液を皮内に接種し、遅延型アレルギー反応による皮膚発赤や腫脹の程度を観察することによって、結核菌感染の有無を診断するものである。サル類のツベルクリン反応試験においては、体毛がない眼瞼皮内にツベルクリン液を注射する場合が多い。
そこで、サル模型Aでは、眼瞼皮膚を模したゴムシート22(図1も参照)を眼瞼の外装材上に配し、このゴムシート22内に注射液を注入することでツベルクリン液の眼瞼皮内注射を訓練できるように工夫している。
図5(A)中、符号gは外装材、符号22は外装材上に配されたゴムシート22を示している。針(注射針)Dを用いてゴムシート22内に注射液を注入すると、図5(B)に示すように、注入された注射液の圧によってゴムシート22が膨らみ、的確に皮内接種ができていることが視認できる。
ゴムシート22は、内部に注入された注射液によって膨らみ得るような弾性を備えた天然ゴム又は合成ゴム類製とし、眼瞼の外装材g上に着脱可能に配されることが望ましい。外装材gとゴムシート22を、例えば、面ファスナーや両面テープ等を用いて簡易に接着することで、注射液注入後のゴムシート22を新しいシートに交換して、繰り返し訓練を行うことができる。
7.脳脊髄液採取の訓練方法
図6を参照して、サル模型Aを用いた脳脊髄液採取の訓練方法について説明する。
サル模型Aの外装材内部には、腰椎及び/又は骨盤の形状を模して成形された骨格部材21(図3も参照)を、生体における腰椎及び/又は骨盤に対応する部位に埋設している。図6中、符号211は腰椎部材(又は胸椎)を、符号212は骨盤部材を示す。
骨格部材21は、合成樹脂(例えばABS樹脂、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、硬質ポリ塩化ビニル、硬質ウレタン樹脂、ポロシロキサン等)、木材等であって、次に説明する骨髄液採取のための穿刺針を刺入可能な程度の硬度を有する材料を用いて形成する。
脳脊髄液は、一般に、腰椎の椎間に穿刺針を穿刺して脊柱管内から採取されている(腰椎穿刺法)。サル類における腰椎穿刺法は、動物を座位に保定して前屈させた状態で腰椎椎間から硬膜に穿刺針を穿刺し、脳脊髄液を採取することにより行われる。サル模型Aを用いた腰椎穿刺法の訓練では、このような座位前屈状態での保定の練習と、腰椎部材211間への穿刺針の穿刺の練習が可能である。図6中、符号Dは、腰椎部材211間に穿刺される針(穿刺針)を示している。
8.骨髄液採取の訓練方法
サル模型Aでは、上記の脳脊髄液採取と同じようにして、骨髄液採取の訓練を行うこともできる。
骨髄液は、一般に、腸骨の後縁(腸骨稜)又は坐骨結節に穿刺針を穿刺して採取されている(骨盤穿刺法)。図示は省略するが、サル模型Aによれば、骨盤部材212に穿刺針を穿刺することにより、骨盤穿刺法の訓練を行うことも可能である。
本考案に係る動物実験手技訓練用サル模型は、医学や薬学、生理学等の生命科学領域における動物実験においてサル類を扱う実験動物取扱者が、サル類の保定、挿管、採血等の様々な手技を訓練、習得するために有効に用いられる。
A 動物実験手技訓練用サル模型
B 器具
C カテーテル
D 針
g 外装材
L 間隙
1 首部
2 肩関節部
3 肘関節部
4 股関節部
5 膝関節部
6 尾根部
7 模擬口腔
8 模擬気管
9 模擬食道
10 模擬鼻孔
11 模擬鼻腔
12 第一の筋肉部材
13 第二の筋肉部材
14 標識
15 模擬膣口
16 模擬肛門
17 模擬生殖器
18 模擬直腸
19 弾性部材
20 模擬膀胱
21 骨格部材
211 腰椎部材
212 骨盤部際
22 ゴムシート

Claims (13)

  1. サル類の生体の形状を模して成形された外装材と、該外装材の内部に詰められた充填材とからなり、
    少なくとも、首部、肩関節部、肘関節部、股関節部、膝関節部及び尾根部が可動に構成された動物実験手技訓練用サル模型。
  2. 大腿四頭筋群の形状を模して成形された第一の筋肉部材と内転筋群の形状を模して成形された第二の筋肉部材とが、股関節側端において両部材間に間隙が生じるように大腿部内に配置された請求項1記載の動物実験手技訓練用サル模型。
  3. 前記外装材の前記間隙上に位置する箇所が視認可能に標識された請求項2記載の動物実験手技訓練用サル模型。
  4. 前記外装材には、前記生体における膣口と肛門に対応する部位に、これらの形状を模して開孔された模擬膣口と模擬肛門が設けられており、
    前記模擬膣口から陥入して、少なくとも膣及び子宮を含む生殖器を模して成形された盲管状の模擬生殖器が配され、
    前記肛門から陥入して、直腸を模して成形された管状の模擬直腸が配された請求項1記載の動物実験手技訓練用サル模型。
  5. 前記模擬生殖器内に挿入される弾性部材を具備する請求項4記載の動物実験手技訓練用サル模型。
  6. 前記弾性部材は、妊娠時又は非妊娠時における子宮の大きさ及び/又は弾性を反映した大きさ及び/又は弾性を有する請求項5記載の動物実験手技訓練用サル模型。
  7. 眼瞼の外装材上に着脱可能なゴムシートが配される請求項1記載の動物実験手技訓練用サル模型。
  8. 開口可能に構成され、
    口腔の形状を模して成形された模擬口腔に連通して、気管を模して管状に成形された模擬気管と食道を模して管状に成形された模擬食道が配された請求項1記載の動物実験手技訓練用サル模型。
  9. 前記模擬口腔の前記模擬口腔と前記模擬気管への連通部分に、喉頭蓋を模して弁状に成形された模擬喉頭蓋が模擬口腔側に突出して配された請求項8記載の動物実験手技訓練用サル模型。
  10. 模擬鼻孔と模擬鼻腔、模擬尿道口と模擬尿管と模擬膀胱、又は、模擬リンパ節から選択される1以上を有する請求項1記載の動物実験手技訓練用サル模型。
  11. 腰椎及び/又は骨盤の形状を模して成形された骨格部材が、前記生体における腰椎及び/又は骨盤に対応する部位に配置される請求項1記載の動物実験手技訓練用サル模型。
  12. 前記外装材表面に装着される模擬血管を具備する請求項1記載の動物実験手技訓練用サル模型。
  13. 前記外装材が、オナガザル科マカク属のサル類の生体の形状を模して成形された請求項1記載の動物実験手技訓練用サル模型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014032253A (ja) * 2012-08-01 2014-02-20 Azabu Jui Gakuen 参加型獣医学・畜産学教育のための動物模型の開発
CN112037634A (zh) * 2020-09-04 2020-12-04 上海农林职业技术学院 一种犬气管插管训练模型
US20210074184A1 (en) * 2019-09-10 2021-03-11 Iman Alsaden Retroperitoneal surgical simulation model

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