JP3151867U - 撚糸およびモップ - Google Patents

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Abstract

【課題】毛羽が出にくく、しかも吸水性および保水性の良好な、モップの払拭部に用いるのに好適な撚糸を提供する。【解決手段】0.01〜10デニールの極細単糸11の繊維束で構成された長繊維10と、短繊維の紡績糸20と、を撚り合わせて撚糸1を構成したのである。短繊維のみの撚糸よりも毛羽が抑制され、耐洗濯性が得られる。また極細単糸11の繊維束からなる長繊維10が毛細管現象ですばやく水分を吸水し、これを短繊維20が保水するので、双方の連動により良好な吸水保水性が得られる。この撚糸1をモップの払拭部の全体に用いると、ムラのない均一な吸水保水性が得られる。【選択図】図1

Description

この考案は、モップの払拭部に用いるのに好適な撚糸、および払拭部がその撚糸からなるモップに関する。
モップの払拭部に用いる撚糸として、綿等の紡績された短繊維(ステープル)同士を撚り合せた紡績糸がよく用いられている。
これは短繊維からなる紡績糸は吸水性、保水性に優れるためであるが、一方でこのような紡績糸は、洗濯等すると毛羽が立ちやすい欠点がある。
ここでモップは繰り返し洗濯して使用するため、その払拭部に用いる撚糸に毛羽が出やすいのは好ましくない。
他方でモップの払拭部に用いる撚糸として、洗濯等しても毛羽が出ないように、ナイロン等の長繊維(フィラメント)同士を撚り合せたものを用いることも考えられる。
しかし、このような撚糸は、繊維自体には吸水性がなく、毛細管現象のみによって吸水するため、保水性が不十分である。そのため、モップの水切れがよすぎて、清掃作業時に給水をおこなう頻度が高くなってしまい、手間がかかる。
さらに、モップの払拭部に短繊維からなる撚糸と長繊維からなる撚糸とを混合して用いることも考えられる。特許文献1には、マットであるが、短繊維からなる撚糸と長繊維からなる撚糸とを混合して用いる例が示されている。
この場合は、短繊維からなる撚糸のみで払拭部を構成した場合に比べて毛羽が立ちにくく、また長繊維からなる撚糸のみで払拭部を構成した場合に比べて吸水性および保水性が高い。
しかし、短繊維からなる撚糸の部分と長繊維からなる撚糸の部分とで吸水性および保水性のムラが生じてしまう問題がる。
実開平6−48571号公報
そこで、この考案の解決すべき課題は、毛羽が出にくく、しかも吸水性および保水性の良好な、モップの払拭部に用いるのに好適な撚糸を提供することである。
上記した課題を解決するため、考案にかかる撚糸を、0.01〜10デニールの単糸の繊維束で構成された長繊維と、短繊維の紡績糸と、を撚り合わせて構成したのである。
そして、この撚糸からなる払拭部を備えるモップを構成したのである。
長繊維と短繊維を撚り合わせて撚糸を形成したので、短繊維のみからなる撚糸よりも毛羽が抑制され、耐洗濯性が得られる。
また、極細の単糸の繊維束で構成された長繊維が毛細管現象ですばやく水分を吸水し、これを短繊維が保水するので、長繊維と短繊維が連動して非常に良好な吸水保水性が得られる。
さらに、この撚糸をモップの払拭部の全体に用いると、短繊維からなる撚糸と長繊維からなる撚糸とを混合して用いる場合と異なり、払拭部の全域でムラのない均一な吸水保水性が得られる。
なお、この撚糸の用途は、モップに限られず、マット類、カーペット類などに用いてもよい。
また、長繊維は、単糸が0.4〜1デニールの繊維束で構成されているのがより好ましい。短繊維の紡績糸の繊度はとくに限定されないが、1〜1000デニールが好ましく、15〜25デニールがより好ましい。
考案にかかる撚糸を以上のように構成したので、毛羽が出にくく、しかも吸水保水性が良好となった。
撚糸の平面図
以下、図面を参照しつつ、この考案の実施形態について説明する。
図1に示す実施形態の撚糸1は、モップの払拭部として好適に用いられる。
この撚糸1は、長繊維10と、短繊維の紡績糸20と、を撚り合わせ、場合により熱融着糸30で融着して構成されており、短繊維の毛羽立ちが抑制されている。
詳しくは、長繊維10は、繊度が0.01〜10デニール、より好ましくは0.4〜1デニールの極細単糸11の繊維束から構成される。
この極細長繊維10の材質はとくに限定されないが、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンが例示される。
また、長繊維10の本数はとくに限定されないが、1〜20本が例示される。同様に、長繊維10を構成する極細単糸11の本数もとくに限定されないが、1〜500本が例示される。
一方、短繊維の紡績糸20は、その繊度はとくに限定されないが、たとえば綿であれば10〜20番手が例示される。
この短繊維の紡績糸20の材質はとくに限定されないが、綿、ウール、麻、アクリル、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンが例示される。
また、短繊維の紡績糸20の本数もとくに限定されないが、たとえば1〜20本である。なお、この紡績糸20は、短繊維の中に熱融着性のわたを混入し繊維を融着して構成してもよい。
より具体的には、0.52デニールの単糸(モノフィラメント)11を288本集めた繊維束からなる長繊維(マルチフィラメント)10と、10本の20番手の綿糸(短繊維の紡績糸)20とを、1本の低融点の熱融着糸30を中心に撚り合わせ、熱セットしてモップ用の撚糸を構成することが例示できる。
以上の構成の撚糸1をモップの払拭部に用いると、まず極細単糸11の繊維束からなる長繊維10が毛細管現象ですばやく水分を吸収し、ついでその水分を短繊維20が内部に保持する。
このように長繊維10と短繊維20が連動することで、それぞれを個別に用いていた場合では得られない非常に良好な吸水保水性が得られる。またそれぞれを個別に用いていた場合と異なり、ムラのない吸水保水性が得られる。
実施形態の撚糸1は、モップの他にも、カーペット、タイルカーペット、センターラグ、ダストコントロールマット、バスマット等にも用いることができる。
長繊維10と短繊維20の撚り合せの順番、構造はとくに限定されない。たとえば、複数の長繊維10同士を撚り合せ、複数の短繊維20同士を撚り合せた後に、その撚り合せた長繊維10と撚り合せた短繊維20とをさらに撚り合わせて撚糸1としてもよい。また、単数の長繊維10と単数の短繊維20とを撚り合せ、こうしてできた撚糸を複数本さらに撚り合せて撚糸1としてもよい。また各工程における撚り合せの方向を同じ方向としてもよいし、逆方向としてもよい。
1 撚糸
10 長繊維
11 極細単糸
20 紡績糸
30 熱融着糸

Claims (2)

  1. 0.01〜10デニールの単糸11の繊維束で構成された長繊維10と、短繊維の紡績糸20と、を撚り合わせてなる撚糸。
  2. 複数の請求項1に記載の撚糸1からなる払拭部を備えるモップ。
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