JP3150564B2 - 層ごとに密度の異なる複層フェルトの製造方法 - Google Patents

層ごとに密度の異なる複層フェルトの製造方法

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JP3150564B2 JP6264095A JP6264095A JP3150564B2 JP 3150564 B2 JP3150564 B2 JP 3150564B2 JP 6264095 A JP6264095 A JP 6264095A JP 6264095 A JP6264095 A JP 6264095A JP 3150564 B2 JP3150564 B2 JP 3150564B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱硬化性バインダーを
含むフェルト層と、低融点の熱可塑性樹脂繊維を含むフ
ェルト層とで構成され層ごとに密度の異なる複層フェル
トの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特公平2−459号公報、特公平2−4
61号公報、特公平2−6865号公報、特公平3−3
2390号公報、特開平5−272041号公報等に示
されるように、これまで、密度や構成繊維のことなる複
数種のフェルトを積層してなる複層フェルトおよびその
製造方法が数多く提案されている。これらは、遮音性や
断熱性等、この種のフェルトに対するより高度の要求を
満たそうとして提案されてきたものであり、いずれもニ
ードリングや接着によって複数種のフェルト層を積層し
ている。従って、フェルト層の境界部は、はっきり分か
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の複層フェルトはニードリングあるいは接着により、異
なる種類のフェルト層を積層していたので、以下に示す
ような問題点があった。
【0004】(ニードリングの問題点) ニードリングする針の長さ、形状、密度を調整したと
しても、目的とする繊維分布を正確に得ることは難し
い。特に、複層フェルトの場合は音響特性等、より高度
の機能が要求されるので、乱雑で不規則な繊維の絡み合
いが起こっては、目標とする特性をもった複層フェルト
を得ることは困難である。
【0005】フェルト層間の十分な接合強度を得るた
めに、ニードリング度(回数、密度、深さ)を高めて繊
維間の絡み合いを強める必要があるが、ニードリング度
を高めるとフェルトの密度も増加してしまう。遮音性を
向上させるためには、フェルトの密度を0.03g/c
3 以下とするのが効果的であるが、ニードリングでこ
のような低密度のフェルトを得ることは難しい。
【0006】ニードリングに要する設備と工程が増加
し、それにより製品のコスト上昇を招く。
【0007】フェルトの表面にニードリング跡が残る
ことが避けられない。また、層の表面に他の層の繊維が
表出してしまうことも考えられる。従って、外観が損な
われ、意匠性を問われる部位には使用できない場合があ
る。
【0008】(接着の問題点)接着の場合は、両フェル
ト層の間に接着性フィルムを挟むなどしてフェルト層同
士の接合を図ることもあるが、十分な接合強度が得られ
ないことが多く、接着剤費用や工数の増加の割にはメリ
ットのないものが多かった。
【0009】そこで本発明は、ニードリングや接着によ
らずに、簡単な工程でかつ十分な接合強度が得られ、し
かも遮音性等の物理的性質や外観が損なわれない複層フ
ェルトの製造方法を提供することを目的とするものでも
ある。
【0010】
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため
本発明の複層フェルトの製造方法は、熱硬化性バインダ
ーを含むフェルト層と、低融点の熱可塑性樹脂繊維を含
むフェルト層とで構成され層ごとに密度の異なる複層フ
ェルトの製造方法であって、予め開繊された繊維が独立
して取り込まれる複数の領域と、前記複数の領域のうち
隣接する領域に共通の排出口とを有するウェブ形成装置
を用い、前記ウェブ形成装置の隣接する前記領域の一方
熱硬化性バインダーを含む繊維を導入するとともに他
方に低融点の熱可塑性樹脂繊維を含繊維を導入してウ
ェブを形成し、前記ウェブを前記排出口から排出した
後、前記排出口から排出されたウェブを圧縮しつつ加熱
して、前記低融点の熱可塑性樹脂繊維を溶融させるとと
もに前記熱硬化性バインダーを反応させて繊維同士の結
合を得た後、圧縮力を取り除いて厚みを復元させること
を特徴とする。
【0013】
【0014】
【0015】本発明の複層フェルトの製造方法では、開
繊された繊維がそれぞれ独立して取り込まれる複数の領
域と、各領域のうち隣接する領域に共通の排出口とを有
するウェブ形成装置を用い、隣接する前記領域の一方に
熱硬化性バインダーを含む繊維を導入するとともに他方
低融点の熱可塑性樹脂繊維を含繊維を導入してウェ
ブを形成する。形成されたウェブは、前記共通の排出口
から排出されるが、このとき、それぞれのウェブの合流
部では両ウェブの繊維が混在しており、排出口から排出
されたウェブは、境界部において構成繊維の比率が連続
的に変化したものとなる。そして、このウェブに加熱処
理を施して繊維間を結合する。この加熱処理工程におい
て、排出口から排出されたウェブは、上記の異なる種類
の繊維が積層された積層ウェブとなる。この積層ウェブ
の各層は、一方が熱硬化性バインダーを含む繊維で構成
され他方が熱可塑性樹脂繊維を含む繊維で構成されてい
るので、それぞれ加熱処理に対する挙動が異なる。すな
わち、加熱処理とはウェブを圧縮しつつ加熱するもので
あり、圧縮力を取り除いたときの復元力が異なる。その
結果、最終的には層ごとに密度の異なる複層フェルトが
得られる。また、隣接する領域にそれぞれ取り込まれた
繊維を共通の排出口から排出させることによって、フェ
ルト層の境界部では両フェルト層の構成繊維が互いに絡
み合っているので、相接するフェルト層間の接合強度は
十分なものとなる。しかも、ニードリングによらずにフ
ェルト層が積層されているので、外観も損なわれない。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0017】図1は、本発明の複層フェルトの一実施例
の摸式的断面図である。図1において、この複層フェル
ト1は、密度または構成繊維の少なくとも一方が互いに
異なる第一のフェルト層2と第二のフェルト層4とを積
層した2層構造の複層フェルト1である。上層側は、第
一のフェルト層2の繊維2aの比率がほぼ100%とな
り、下層側は、第二のフェルト層4の繊維4aの比率が
ほぼ100%となっている。また、第一のフェルト層2
と第二のフェルト層4との境界部3では、両フェルト層
2、4の繊維2a、4aが絡み合いながら混在してい
る。しかも、第一のフェルト層2側から第二のフェルト
層4側へ向かって第一のフェルト層2の繊維2aの比率
がほぼ100%から0%まで連続的に減少し、それに伴
って、第二のフェルト層4の繊維4aの比率がほぼ0%
から100%まで連続的に増加している。
【0018】このように、第一のフェルト層2の繊維2
aと第二のフェルト層4の繊維4aを互いに絡み合って
両フェルト層2、4が積層されているので、全体として
は従来の単層フェルトと同様に繊維2a、4aが絡み合
っている。従って、境界部3での繊維2a、4a間の結
合状態は第一のフェルト層2および第二のフェルト層4
でのそれぞれの繊維2a、4a間の結合状態と同様であ
り、両フェルト層2、4の接合強度は十分なものとな
る。しかも、ニードリングによらずに両フェルト層2、
4が一体となっているので、外観上の不具合もない。ま
た、第一のフェルト層2の繊維2aと第二のフェルト層
4の繊維4aの構成比率をほぼ100%から0%まで連
続的に変化させて積層されているので、遮音性等の物理
的性質についても、複層フェルト1に要求される機能を
満たすことができる。
【0019】上述した複層フェルト1の製造には、例え
ば、図2および図3に示すような製造装置が用いられ
る。図2は本発明の複層フェルトを製造するための製造
装置の一例の、ウェブ形成工程までの部分の概略構成図
であり、図3は図2に示した製造装置の加熱工程以降の
部分の概略構成図である。以下に、図2および図3を参
照しつつ、図1に示した複層フェルト1の製造工程の一
例について説明する。なお、本例では、第一のフェルト
層2は熱硬化性バインダーを含み、第二のフェルト層4
は低融点(100〜170℃)の熱可塑性樹脂繊維を含
む場合について説明する。
【0020】2種のフェルト層2、4を構成する繊維2
a、4aは、それぞれホッパーフィーダー11a、11
bに投入され、大まかな開繊が行われる。ここでは、第
一のフェルト2層を構成する繊維2aが、図2では上側
のホッパーフィーダー11aに投入され、第二のフェル
ト層4を構成する繊維4aが、図2では下側のホッパー
フィーダー11bに投入される。この際、フェルト層
2、4の繊維2a、4aが複数種の材料5a、5bで構
成される場合には、ホッパーフィーダー11a、11b
への投入に先立ち、それぞれの材料5a、5bを所定の
割合で調合機10a、10bに投入し、予め均一に分散
させておく。
【0021】ホッパーフィーダー11a、11bで大ま
かに開繊された繊維2a、4aは、それぞれベルトコン
ベア12a、12bにより開繊機14a、14bに送ら
れ、さらに細かく開繊される。ここで、第一のフェルト
層2aは熱硬化性バインダーを含むので、図2の上側の
ホッパーフィーダー11aと開繊機14aとの間に、熱
硬化性バインダーが貯えられている樹脂タンク13が配
置されている。そして、第一のフェルト層2の繊維2a
が開繊機14aに送られる前に、第一のフェルト層2の
繊維2aには、熱硬化性バインダーが均一に散布され
る。
【0022】各開繊機14a、14bで細かく開繊され
た繊維2a、4aは、それぞれファン15a、15bに
よりウェブ形成装置16に送られる。ウェブ形成装置1
6は、それぞれの繊維2a、4aを独立して内部に取り
込むための、隔壁17によって隔てられた2つの領域に
それぞれ配置された2つのシリンダ18a、18bと、
各シリンダ18a、18bの下方において互いに間隔を
おいて配置された2つの集積ベルト19a、19bとを
備えている。各集積ベルト19a、19bの間はそれぞ
れの繊維2a、4aに共通の排出口20となっており、
各集積ベルト19a、19bは、この排出口20に向か
って回転している。また、隔壁17は排出口20までは
達しておらず、各集積ベルト19a、19bの上方は、
それぞれの繊維2a、4aに共通の空間となっている。
【0023】各シリンダ18a、18bによって内部に
取り込まれた繊維2a、4aは、装置内の気流により拡
散され、集積ベルト19a、19bの上に堆積する。こ
のとき、各集積ベルト19a、19bの上方は共通の空
間となっているので、排出口20の近傍では、各集積ベ
ルト19a、19b上には両繊維2a、4aが混じり合
って堆積する。すなわち、合流部(排出口20付近)で
は両繊維2a、4aがほぼ等しい割合で混合している
が、一方の集積ベルト19aの右端部にいくにつれて第
一のフェルト層2を構成する繊維2aの比率が連続的に
高くなり、他方の集積ベルト19b左端部にいくにつれ
て第二のフェルト層4を構成する繊維4aの比率が連続
的に高くなる。
【0024】得られる複層フェルト1の遮音性等の物理
的性質を向上させるには、各繊維2a、4aの比率の変
化の割合ができるだけなだらかであることが好ましい。
そのために、攪拌装置によって排出口20の近傍の繊維
2a、4aを強制的に混じり合わせてもよい。
【0025】各集積ベルト19a、19bに堆積した繊
維2a、4aは、各集積ベルト19a、19bの回転に
より排出口20へ送られ、排出口20から、各集積ベル
ト19a、19bの直下に配置されたベルトコンベア2
1上に排出される。これにより、ベルトコンベア21上
には、表面から裏面に向かって、第一のフェルト層2を
構成する繊維2aの比率がほぼ100%から0%まで次
第に減少する一方、第二のフェルト4を構成する繊維4
aの比率がほぼ0%から100%まで次第に増加する積
層ウェブ6が形成される。積層ウェブ6の厚みは所望の
厚みの複層フェルト1を得る上で重要であり、各集積ベ
ルト19a、19bに堆積される繊維2a、4aの厚み
に依存する。各集積ベルト19a、19bに堆積される
繊維2a、4aの厚みは、各集積ベルト19a、19b
の回転速度で調整可能である。
【0026】ウェブ形成装置16で形成された積層ウェ
ブ6は、ベルトコンベア21によって加熱炉22へ送ら
れ、加熱処理がなされる。加熱炉22は、積層ウェブ6
を圧縮して搬送する1対の金属製のフィードネット23
を有し、このフィードネット23で積層ウェブ6を搬送
しながら、積層ウェブ6を加熱処理する。これにより、
積層ウェブ6中の低融点の熱可塑性樹脂繊維を溶融させ
るとともに、熱硬化性バインダーを反応させ、繊維同士
の結合を得る。フィードネット23の送り速度、並びに
熱風の温度および流速は、積層ウェブ6の構成に合わせ
て調整される。
【0027】加熱処理が終了したら、内部に冷却水が流
通する1対の冷却ローラ24で圧縮しながら積層ウェブ
6を送り出し、さらに、冷風機25で冷風を吹き付け、
積層ウェブ6を冷却する。その後、裁断機26で所望の
長さに裁断し、最終製品を得る。
【0028】上述した各工程のうち加熱処理の工程にお
いては、積層ウェブ6は、熱硬化性バインダーを含む繊
維2aと熱可塑性樹脂繊維を含む繊維4aとで構成され
るので、熱風に対しての挙動が異なり、その後にフィー
ドネット23および冷却ローラ24による圧縮力を取り
除いたときの復元力が各繊維2a、4aによって異な
る。従って、最終的に密度の異なる複層フェルト1が得
られることになる。
【0029】このことは、上記のような熱硬化性バイン
ダーを含む繊維2aと熱可塑性樹脂繊維を含む繊維4a
との組み合せに限るものではない。例えば、熱可塑性樹
脂繊維を含む繊維同士の積層であっても、繊維の融点と
熱風の温度との関係で、一方の繊維を軟化させ、他方の
繊維で弾性を維持させることもでき、最終的に密度の異
なる複層フェルトを得ることができる。密度は、構成繊
維の種類、混合比率、繊維径、ウェブの堆積密度、堆積
厚さ等に依存し、これらを適宜設定することで、目的と
するフェルト密度が得られる。
【0030】上述した一連の工程は、従来の、熱硬化性
バインダーあるいは熱可塑性樹脂繊維を含む単層フェル
トの製造工程と同様である。そのため、2層化するため
の工程が特に増えるということもなく、設備や工数の増
加もないので、安価な複層フェルト1が達成されること
になる。
【0031】(実験例)ここで、本発明の複層フェルト
に基づく2層フェルトの実験例を示す。本実験を行うに
あたり、それぞれ構成材料が異なる4種類のフェルト層
(ウェブ)を設定した。
【0032】ウェブを構成する原材料は、 反毛繊維(織物類をほぐして得られたもので、綿やエ
ステル等が主体となっている) ポリエステル繊維(太さ8〜10デニール、長さ38
〜64mm) メルト繊維(低融点熱可塑性樹脂繊維として用いる芯
鞘構造の変性ポリエステル繊維である。太さ4デニー
ル、長さ51mm、融点110〜130℃) 熱硬化性バインダー(フェノールホルムアルデヒド重
縮合物および硬化剤からなる。硬化温度180〜190
℃) の4種類である。
【0033】また、本実験例で用いたウェブの材料構成
は表1の通りである。
【0034】
【表1】 そして、これらのウェブを組み合せて、総厚が20mm
の2層フェルトを、図2および図3に示した装置により
上述した方法で作製し、遮音性すなわち機能の面、およ
び製造の容易性すなわち製造コストの面で評価を行っ
た。積層フェルトの製造条件は、ウェブ形成装置16に
ついては、シリンダ18a、18bの回転速度が600
〜800rpm、集積ベルト19a、19bの移動速度
が5〜7m/minとし、加熱炉22については、フィ
ードネット23の間隔が15mm、熱風の温度が160
〜200℃、加熱時間が2〜3分とし、冷却ローラ24
については、ローラの間隔が15mm、冷却水の温度が
20℃とした。
【0035】また、実施例との比較のために、2種類の
単層フェルトと、接着により接合した2層フェルトと、
ニードリングにより接合した2層フェルトとを作製し、
同様の評価を行った。
【0036】表2に、実験結果を示す。
【0037】
【表2】 表2において、遮音性の評価については、特に500H
z以下の周波数領域について、以下のようにして行っ
た。すなわち、パネル加振法により、1辺が500×4
00mm、厚さが1.6mmの鋼板パネルをフレームで
支持し、その上に評価対象のフェルトを載置し、さらに
このフェルト上に、目付け量が3.7kg/m2 の塩化
ビニル樹脂シートを配して、鋼板パネルを各周波数で振
動させる。この際の、フレームの加速度X2 、および塩
化ビニル樹脂シートの表面中央部での加速度X0 を測定
し、両者の比X2 /X0 によって、振動の減衰度として
評価した。その結果のグラフを図4に示す。
【0038】表2および図4から、実施例1および2
いずれも、単層フェルトである比較例1、2に比べ、遮
音性が優れていることが明らかである。また、比較例
3、4については、遮音性は実施例1および2と同等の
機能を有するが、接着やニードリングのための工程や設
備が増加することに伴い、製造コストの面で実施例1
よび2よりも劣っている。これらを総合的に判断して、
実施例1および2は、比較例1〜4に対して機能および
製造コストの面で優れたものであるということができ
る。
【0039】上述した実施例では、2層フェルトの場合
について説明したが、本発明は、3層以上の複層フェル
トでも適用可能であることは、いうまでもない。
【0040】例えば、3層フェルトを作製する場合、調
合から開繊までの工程を行う装置を3組用意し、ウェブ
形成装置として、図5に示すようなウェブ形成装置56
を用いればよい。図5において、2つの隔壁57で隔て
られた3つの領域には、各領域に設けられたシリンダ5
8a、58b、58cによって、それぞれのフェルト層
を構成する繊維が取り込まれる。そして、各シリンダ5
8a、58b、58cの下方に集積ベルト59a、59
b、59c、59dが配置されるが、中央のシリンダ5
8bの下方には、右のシリンダ58aの下方に配置され
る集積ベルト59aの方向に回転する集積ベルト59b
と、左のシリンダ58cの下方に配置される集積ベルト
59dの方向に回転する集積ベルト59cとが配置され
ている。そして、右側の2つの集積ベルト59a、59
bの間で一方の排出口が形成され、左側の2つの集積ベ
ルト59c、59dの間で他方の排出口が形成される。
【0041】すなわち図5に示したウェブ形成装置56
は、図2に示した2層用のウェブ形成装置16をウェブ
の搬送方向に沿って直列に2つ配置し、そのうち中央の
シリンダを共通にした構造となっている。このようなウ
ェブ形成装置56を用いることによって、中央のフェル
ト層は、その中央部では中央のフェルト層を構成する繊
維の比率がほぼ100%で、その他は2層フェルトの場
合と同様の繊維比率を有する3層フェルトが形成され
る。
【0042】なお、加熱工程以降の装置については、図
3に示した装置をそのまま使用できる。
【0043】また、装置構成としては多少、大がかりに
なるが、図6に示すように、図2に示したものと同様の
ウェブ形成装置66、76をウェブの搬送方向に沿って
直列に2つ配置し、中央のフェルト層を構成する繊維が
中央の2つのシリンダ68a、78bに送り込まれるよ
うに、中央のフェルト層を構成する繊維を供給する配管
81を2つに分岐させた構成としてもよい。
【0044】4層以上の複層フェルトについても、同様
にウェブ形成装置を工夫することで製造することができ
る。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおり構成され
ているので、以下に記載する効果を奏する。
【0046】
【0047】
【0048】本発明の複層フェルトの製造方法は、開繊
された繊維がそれぞれ独立して取り込まれる複数の領域
と、各領域のうち隣接する領域に共通の排出口とを有す
るウェブ形成装置を用い、隣接する前記領域の一方に
硬化性バインダーを含む繊維を導入するとともに他方に
低融点の熱可塑性樹脂繊維を含繊維を導入してウェブ
を形成するので、排出口から排出されたウェブの境界部
での構成繊維の比率を連続的に変化させることができ
る。そして、このウェブに圧縮を伴う加熱処理を施して
繊維間を結合した後、圧縮力を取り除くことで、層ごと
の復元力の違いにより、層ごとに密度の異なる複層フェ
ルトを容易に得ることができる。また、各フェルト層
は、その境界部でのそれぞれの構成繊維の絡み合いによ
って一体化されるので、接着によらずに十分な強度でフ
ェルト層間を接合することができる。しかも、フェルト
層間の接合のためにニードリングも必要としないので、
外観上の不具合も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複層フェルトの一実施例の摸式的断面
図である。
【図2】本発明の複層フェルトを製造するための製造装
置の一例の、ウェブ形成工程までの部分の概略構成図で
ある。
【図3】図2に示した製造装置の加熱工程以降の部分の
概略構成図である。
【図4】本発明の複層フェルトの遮音性評価のための、
振動の減衰度と周波数との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の複層フェルトの製造方法による、3層
フェルトを製造するためのウェブ形成装置の一例の概略
構成図である。
【図6】本発明の複層フェルトの製造方法による、3層
フェルトを製造するためのウェブ形成装置の他の例の概
略構成図である。
【符号の説明】
1 複層フェルト 2 第一のフェルト層 2a、4a 繊維 3 境界部 4 第二のフェルト層 5a、5b 材料 6 積層ウェブ 10a、10b 調合機 11a、11b ホッパーフィーダー 12a、12b、21 ベルトコンベア 13 樹脂タンク 14a、14b 開繊機 15a、15b ファン 16、56、66、76 ウェブ形成装置 17、57 隔壁 18a、18b、58a、58b、58c、68a、7
8b シリンダ 19a、19b、59a、59b、59c、59d
集積ベルト 20 排出口 22 加熱炉 23 フィードネット 24 冷却ローラ 25 冷風機 26 裁断機 81 配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金澤 泰憲 愛知県岡崎市小美町字殿街道123番地1 金沢フェルト工業株式会社内 (72)発明者 今村 優仁 愛知県名古屋市中区上前津1丁目4番5 号 林テレンプ株式会社内 (72)発明者 小島 徳久 愛知県名古屋市中区上前津1丁目4番5 号 林テレンプ株式会社内 (72)発明者 後藤 英之 愛知県名古屋市中区上前津1丁目4番5 号 林テレンプ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−352864(JP,A) 特開 平5−263346(JP,A) 特開 平3−220355(JP,A) 特開 平6−220763(JP,A) 特開 昭62−133165(JP,A) 特開 平8−209514(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性バインダーを含むフェルト層
    と、低融点の熱可塑性樹脂繊維を含むフェルト層とで構
    成され層ごとに密度の異なる複層フェルトの製造方法で
    あって、 予め開繊された繊維が独立して取り込まれる複数の領域
    と、前記複数の領域のうち隣接する領域に共通の排出口
    とを有するウェブ形成装置を用い、 前記ウェブ形成装置の隣接する前記領域の一方に熱硬化
    性バインダーを含む繊維を導入するとともに他方に低融
    点の熱可塑性樹脂繊維を含繊維を導入してウェブを形
    成し、前記ウェブを前記排出口から排出した後、 前記排出口から排出されたウェブを圧縮しつつ加熱し
    て、前記低融点の熱可塑性樹脂繊維を溶融させるととも
    に前記熱硬化性バインダーを反応させて繊維同士の結合
    を得た後、圧縮力を取り除いて厚みを復元させることを
    特徴とする複層フェルトの製造方法。
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