JP3150371U - 加工機 - Google Patents

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Abstract

【課題】工具取付台に複数のスピンドルモータを装着した加工機において、複数のスピンドルモータを旋回させるにも拘わらず電線の捩れを抑制する加工機を提供する。【解決手段】工具取付台2を回転させ複数の中から選択されたスピンドルモータ3を加工材料に対向させる回転割出機構6と、スピンドルモータ3に接続されたモータ側コネクタが着脱可能に接続される複数の中継側コネクタ、及び回転中心に配設され外方に延設された筒状の延設部13を有する中継ユニット5と、延設部13に連結され中継ユニット5と一緒に回転するとともに、環状の導通部を軸心方向に所定の間隔で且つ互いに絶縁状態となるように複数個並設してなる通電リングと、延設部13の内部を通して配線され、中継側コネクタと導通部の内周面とを接続する複数の中継線と、導通部の外周面に対して摺接された複数のブラシとを備え、複数のブラシの中から選択されたブラシに対して給電する。【選択図】図1

Description

本考案は、加工機に関するものであり、特に、回転式の工具取付台と、その工具取付台に着脱可能に取付けられた複数のスピンドルモータとを備え、選択された任意のスピンドルモータによって切削加工等を行うことが可能な加工機に関するものである。
マシニングセンタ等の工作機械には、切削可能な回転数で回転する主軸構造が備えられており、加工材料を削るためのバイトが主軸構造に取付けられている。ところで、この種の工作機械においては、主軸構造において振動を発生させず、しかも長時間の加工に耐える得ることができるように、主軸の回転数の許容範囲が定められている。つまり、許容範囲を逸脱した回転数で回転させることができないようになっている。このため、例えば、主軸を15000rpmで回転させることが可能な工作機械では、切削加工を行うことができるが、切削加工を行った後、最終仕上工程として磨き工程を行おうとしても、その工作機械では、磨き加工に必要な回転数(例えば60000rpm)を得ることができない。したがって、従来は、切削加工用の工作機械と、磨き加工用の工作機械とを、別々に用意しなければならず、ひいては設備費が高額になるとともに、広い設置スペースを確保する必要があった。
そこで、工作機械にバイトを取付けるために設けられたクランプ機構を利用し、バイトの代りにスピンドルモータを装着することが行われている(例えば特許文献1)。スピンドルモータは、回転刃物(いわゆる「ビット」)を保持するためのチャック部(コレットともいう)を先端に有する主軸と、その主軸に回転力を付与するモータ本体(具体的にはブラシレスモータ)とを、ハウジング内に備えて構成したものであり、このスピンドルモータを装着することにより、回転刃物を例えば60000rpmで回転させ、磨き加工を行うことが可能になる。
また、互いに異なる回転刃物が装着された複数のスピンドルモータを、回転可能な工具取付台(いわゆる「タレット」)を介して取付け、工具取付台の回転割出しを行うことで、複数のスピンドルモータの中から選択された任意のスピンドルモータによって加工を行わせるように構成したものも知られている。これによれば、スピンドルモータを取替えることなく一連の加工を自動的に行ったり、多品種少量生産にも容易に対応することが可能になる。
しかし、スピンドルモータには、駆動用電力の供給を必要とするモータ本体や、モータ本体の状態を検出するセンサが備えられており、それらに接続された電力供給線や信号線(まとめて単に「電線」という)がハウジングの外へ延出された状態となっているため、複数のスピンドルモータをタレットを介して旋回可能に装着したものでは、それぞれのスピンドルモータから延出された複数の電線が、タレットの回転に伴って捩れてしまい、ひいては断線したりタレットを円滑に回転させることが困難になるおそれがあった。また、タレットの回転可能な範囲が制限されるため、タレット上に多くのスピンドルモータを装着することができず、多品種の加工に対してスピンドルモータの取替えが必要となっていた。特に安全性を確保するために複数の電線を安全カバー等で覆うようにしたものでは、タレットの回転可能範囲や電線の本数が一層制限されることになり、上記の不具合が助長されていた。
そこで、本考案は、上記の実状に鑑み、工具取付台に複数のスピンドルモータを装着した加工機において、複数のスピンドルモータを旋回させるにも拘わらず、電線の捩れを抑制するとともに、工具取付台を自由に回転させることが可能な加工機の提供を課題とするものである。
本考案にかかる加工機は、「回転可能に支持された工具取付台と、
回転刃物を保持するためのチャック部を先端に有する主軸、該主軸に回転力を付与するモータ本体、及び前記主軸及び前記モータ本体を収容するハウジングを備えて構成される複数のスピンドルモータと、
それぞれの該スピンドルモータを、前記工具取付台に対して着脱可能に保持する複数のホルダーと、
前記工具取付台を回転させ、前記複数のスピンドルモータの中から選択された一つのスピンドルモータを加工材料に対向させる回転割出機構と、
前記各スピンドルモータの前記モータ本体に対して接続されるとともに、先端にモータ側コネクタを有する複数の電力供給線と、
前記工具取付台に取付けられ該工具取付台と一緒に回転するユニット本体、該ユニット本体に設けられ前記モータ側コネクタが着脱可能に接続される複数の中継側コネクタ、及び前記ユニット本体の回転中心に配設され且つ外方に延設された筒状の延設部、を有する中継ユニットと、
該中継ユニットの前記延設部の先端に連結され、前記中継ユニットと一緒に回転するとともに、通電可能な環状の導通部を軸心方向に所定の間隔で且つ互いに絶縁状態となるように複数個並設してなる通電リングと、
前記延設部の内部を通して配線され、それぞれの前記中継側コネクタと前記通電リングにおける前記導通部の内周面とを個々に接続する複数の中継線と、
前記各導通部の外周面に対して摺接された複数のブラシと、
前記加工材料に対向する前記スピンドルモータにのみ駆動用電力を供給するように、前記複数のブラシの中から選択されたブラシに対して給電する電力供給制御手段と
を具備する」ものである。
ここで、本考案の加工機は、マシニングセンタに適用してもよく、NC旋盤またはNCフライス盤に適用してもよい。さらには、バリ取り機や基板分割機等の専用機において適用することも可能である。また、「回転刃物」によって行われる加工としては、ドリル加工、切削加工、研磨加工、切断加工、または溝加工等を例示することができる。さらに「加工材料」としては樹脂、金属、または木材を例示することができる。
「モータ本体」としては交流のブラシレスモータを挙げることができる。また、工具取付台を回転させるための「回転割出機構」は、モータと、モータの回転軸及び工具取付台の軸を連結する無端のベルトとを備えて構成することができる。
本考案によれば、回転可能に支持された工具取付台に、複数のスピンドルモータが、ホルダーを介して着脱可能に装着されている。加工を行う際には、まず工具取付台を回転割出機構によって任意の位置まで回転させ、複数のスピンドルモータの中から選択された一つのスピンドルモータを加工材料に対向させる。その後、加工材料に対向したスピンドルモータに電力を供給する。すると、スピンドルモータのハウジング内に設けられたモータ本体が駆動し、主軸及びその先端に備えられたチャック部を回転させる。チャック部には回転刃物が保持されているため、その刃物によって加工材料を切削することが可能になる。
ところで、加工材料に対向するスピンドルモータにのみ駆動用電力が供給されるように、電力供給制御手段を備えており、複数のブラシの中から選択されたブラシに対して電力が供給されるようになっている。当該ブラシには、通電リングの導通部、中継線、及び電力供給線が順に接続されており、これらを介してモータ本体に電力が送られる。
電力を供給するための構成について、モータ本体側から順に説明すると、電力供給線の先端にはモータ側コネクタが設けられ、中継線の一端には中継ユニットのユニット本体に配置された中継側コネクタが設けられている。また、中継線は、ユニット本体の延設部の中を通して配線され、その他端が通電リングにおける導通部の内周面に接続されている。このため、スピンドルモータを工具取付台に装着する際、モータ側コネクタを中継側コネクタに接続すると、電力供給線と中継線が接続され、電力供給線、中継線、及び導通部が導通状態となる。特に中継ユニットは工具取付台に取付けられ、且つ中継ユニットの回転中心に配設された延設部の先端が通電リングに連結されているため、工具取付台が回転すると中継ユニット及び通電リングも一緒に回転する。このため、工具取付台が回転し、複数のスピンドルモータに接続された複数の電力供給線が旋回しても、電力供給線、中継線、及び導通部の間では、電線は捩れることなく工具取付台と一緒に回転する。また、これらの電線は、回転中心に配設された延設部の中を通って配線されるため、大きな遠心力を受けることなく直線状態を保ったまま回転する。
一方、通電リングの外側には、複数のブラシが固定状態で配置されており、それぞれのブラシは環状の導通部の外周面に摺接されている。このため、通電リングが工具取付台と一緒に回転しても、導通部及びブラシを常に接触状態に保つことができる。したがって通電リングの回転位置にかかわらず、ブラシに給電された電力を、導通部、中継線、及び電力供給線を順に介してモータ本体に送ることが可能になる。
また、本考案にかかる加工機は、「回転可能に支持された工具取付台と、
回転刃物を保持するためのチャック部を先端に有する主軸、該主軸に回転力を付与するモータ本体、及び前記主軸及び前記モータ本体を収容するハウジングを備えて構成される複数のスピンドルモータと、
それぞれの該スピンドルモータを、前記工具取付台に対して着脱可能に保持する複数のホルダーと、
前記工具取付台を回転させ、前記複数のスピンドルモータの中から選択された一つのスピンドルモータを加工材料に対向させる回転割出機構と、
前記各スピンドルモータの前記モータ本体に対して接続されるとともに、先端にモータ側コネクタを有する複数の電力供給線と、
前記工具取付台に取付けられ該工具取付台と一緒に回転するユニット本体、該ユニット本体に設けられ前記モータ側コネクタが着脱可能に接続される複数の中継側コネクタ、及び前記ユニット本体の回転中心に配設され且つ外方に延設された筒状の延設部、を有する中継ユニットと、
該中継ユニットの前記延設部の先端に連結され、前記中継ユニットと一緒に回転するとともに、通電可能で且つ周方向において前記スピンドルモータの個数分だけ分割された複数の円弧状の導通部を互いに絶縁状態となるように設けてなる通電リングと、
前記延設部の内部を通して配線され、それぞれの前記中継側コネクタと前記通電リングにおける前記導通部の内周面とを個々に接続する複数の中継線と、
前記各導通部の外周面に対して摺接可能なブラシと、
該ブラシに対して給電することにより、前記複数の導通部のうち前記ブラシに摺接する前記導通部を介して、前記加工材料に対向する前記スピンドルモータにのみ駆動用電力を供給する電力供給源と
を具備する」ものである。
本考案は、先述の考案と比べて、中継ユニットまでの構成、すなわち工具取付台、スピンドルモータ、ホルダー、回転割出機構、電力供給線、及び中継ユニットの構成については同一であり、通電リングの構成及び電力供給手段の構成を異にしている。このため、ここでは異なる構成を主として説明する。
本考案の通電リングにおいても、通電可能な導通部が設けられているが、この導通部は、互いに絶縁状態となるように周方向において分割された複数の導通部から構成されており、それぞれの導通部は略円弧状の形状を呈している。特に、導通部の数はスピンドルモータの数と一致しており、各導通部の内周面には、それぞれのスピンドルモータに繋がった中継線が接続されている。このため、工具取付台とともに通電リングが回転すると、ブラシに接する導通部が順に切替わり、ひいては電力が供給されるスピンドルモータが順に切替わることになる。特に、任意のスピンドルモータが加工材料に対向した際に、そのスピンドルモータに対して通電可能な導通部が丁度ブラシに接するように構成されている。このため、ブラシに対して給電するだけで、ブラシに摺接する導通部を介して、加工材料に対向するスピンドルモータにのみ駆動用電力を供給することが可能になる。したがって、本考案にかかる加工機では、通電リングの変位によって、ブラシに摺接する導通部を切り替えることから、通電回路を機械的に切替えることが可能になり、切替えるための制御手段を省くことができる。
本考案にかかる加工機において「前記各スピンドルモータの前記ハウジング内に配置され前記モータ本体の状態を検出するセンサと、
該センサと該センサに対応する前記モータ側コネクタとを接続し、前記センサの検出信号を出力する信号出力線と、
前記通電リングに設けられた複数の信号用導通部と、
前記各中継側コネクタと前記信号用導通部の内周面とを接続する複数の信号中継線と、
前記各信号用導通部の外周面に対して摺接された信号用ブラシと、
該信号用ブラシに出力される前記検出信号を認識し、前記モータ本体の状態が正常か否かを判別する状態判別手段と
をさらに具備する」ように構成してもよい。
ここで、センサとしては、モータ本体の周囲の温度を検出する温度センサ、モータ本体の負荷を検出する負荷検出センサ、またはモータへの通電量を検出する通電量検出センサ等、周知の異常検出センサを挙げることができる。
本考案によれば、それぞれのスピンドルモータにはセンサが設けられており、各センサから出力される検出信号は、信号出力線、信号中継線、通電リングの信号用導通部、及び信号用ブラシを順に介して状態判別手段に送られるようになっている。
ここで、信号出力線の先端はモータ側コネクタに接続されており、信号中継線の一端は中継側コネクタに接続されている。また、信号中継線の他端が通電リングにおける信号導通部の内周面に接続されている。このため、モータ側コネクタを中継側コネクタに連結すると、信号出力線と信号中継線とが接続され、信号出力線、信号中継線、及び信号導通部が導通状態となる。したがって、工具取付台が回転し、複数のスピンドルモータに接続された複数の信号出力線が旋回しても、信号出力線、信号中継線、及び信号導通部の間では、電線は捩れることなく工具取付台と一緒に回転する。
また、通電リングの外側には、複数の信号用ブラシが固定状態で配置されており、それぞれの信号用ブラシは信号導通部の外周面に摺接されているため、通電リングが工具取付台と一緒に回転しても、信号導通部と信号用ブラシとの接触状態を維持することができ、ひいては通電リングの回転位置にかかわらず、それぞれのセンサによって検出された検出信号を、信号出力線、信号中継線、信号導通部、及び信号用ブラシを順に介して状態判別手段に送ることが可能になる。
本考案にかかる加工機において、「前記スピンドルモータの前記ハウジング内に形成され前記モータ本体及び前記主軸の周囲に冷却用空気を流すための冷却通路と、
該冷却通路に連通するとともに先端にモータ側連結部を有する空気供給管と、
前記中継ユニットに設けられ前記モータ側連結部を着脱可能に接続させることが可能な中継側連結部と、
前記通電リングの回転中心に配置され前記通電リングと一緒に回転する筒状のパイプ部材と、
前記中継側連結部と前記パイプ部材の一端側とを繋ぐ空気案内管と、
前記パイプ部材の他端側に連結され、該パイプ部材を回転可能に支持する支持管と、
前記支持管に対して接続され、該支持管、前記パイプ部材、前記空気案内管、及び前記空気供給管を通して前記冷却通路に前記冷却用空気を供給する空気供給源と
をさらに具備する」ように構成してもよい。
本考案によれば、スピンドルモータのハウジング内に冷却通路が形成されており、この冷却通路に対して外部から空気を送ることにより、モータ本体及び主軸(軸受を含む)の周囲の過熱を防止することが可能になる。
ところで、本考案では、冷却通路に冷却用空気を供給することができるように、空気供給源と、支持管、パイプ部材、空気案内管、及び空気供給管からなる空気通路とを備えており、空気供給源によって供給された冷却用空気が、支持管、パイプ部材、空気案内管、及び空気供給管を順に通ってスピンドルモータの冷却通路に送られるようになっている。
ここで、空気供給管の先端にはモータ側連結部が設けられ、空気案内管の一端には中継ユニットに配置された中継側連結部が設けられている。このため、スピンドルモータを工具取付台に装着する際、モータ側連結部を中継側連結部に接続すると、空気供給管と空気案内管とが連通状態となる。一方、パイプ部材は通電リングの回転中心に配設されており、通電リングと一緒に回転するように構成されている。そして、このパイプ部材に、空気案内管の他端が接続されているため、空気供給管、空気案内管、及びパイプ部材が一体となって、工具取付台と一緒に回転する。
また、パイプ部材の他端側は、支持管に連結されるとともに回転可能に支持されている。このため、工具取付台が回転し、複数のスピンドルモータに接続された複数の空気供給管が旋回しても、空気供給管、空気案内管、及びパイプ部材は、捩れることなく工具取付台と一緒に回転する。
このように、本考案の加工機では、工具取付台が回転し複数のスピンドルモータに接続された複数の電力供給線が旋回しても、捩れることなく工具取付台と一緒に回転させることができ、ひいては工具取付台の回転範囲が制限されたり、電力供給線の本数が制限されたりすることを防止できる。
第一実施形態の加工機の構成を概念的に示す概念図である。 スピンドルモータの構成を模式的に示した構成図である。 図1の加工機における、工具取付台、スピンドルモータ、ホルダー、及び中継ユニットの構成を一部断面で示した側面図である。 (a)は中継ユニットの正面図であり、(b)は中継ユニットの断面図である。 図1の加工機における通電連結ユニットの構成を示す断面図である。 図5のA−A断面を簡略的に示した断面図である。 第二実施形態の加工機における通電連結ユニットの断面を簡略的に示した断面図である。
以下、本考案の第一実施形態である加工機1について、図1乃至図6に基づき説明する。本実施形態の加工機1は、マシニングセンタ、NC旋盤、またはNCフライス盤等の工作機械(図示しない)に、クランプ機構等(図示しない)を介して着脱自在に取付けられるものである。なお、これらの工作機械及びクランプ機構は周知のものであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図1に示すように、加工機1は、回転可能に支持された工具取付台2と、工具取付台2に対して複数個(本例では四個)のスピンドルモータ3を着脱可能に保持するためのホルダー4と、工具取付台2を回転させ複数のスピンドルモータ3の中から選択された一つのスピンドルモータ3を加工材料に対向させる回転割出機構6と、工具取付台2の中央部分に取付けられスピンドルモータ3への駆動用電力の供給を中継する中継ユニット5と、を具備して構成されている。また、中継ユニット5には、筒状の延設部13が、回転中心から外方に延設されており、その先端には通電連結ユニット8が配設されている。なお、詳細は後述するが、この通電連結ユニット8は、スピンドルモータ3の旋回による電線の捩れを防止するために設けられたものである。
また、本例の加工機1には、主コントローラ9、通電制御手段10、及び切替制御手段11が備えられている。主コントローラ9は、予め入力された加工材料や加工条件等に基づいて、工具取付台2の回転やそれぞれのスピンドルモータ3の動作を制御するための指令を出力するものである。通電制御手段10は、主コントローラ9にケーブル15を介して接続され、主コントローラ9から送信された出力信号に基づいてスピンドルモータ3への通電量を制御するものであり、切替制御手段11に対してスピンドルモータ3の駆動用電力を供給するとともに、どのスピンドルモータ3を動作させるのかを示す情報を出力するようになっている。切替制御手段11は、制御対象のスピンドルモータ3にのみ駆動用電力が供給されるように通電連結ユニット8への通電回路を切替えるものである。なお、通電制御手段10と切替制御手段11とは、一組の通信ケーブル17及び電力供給ケーブル16によって電気的に接続され、切替制御手段11と通電連結ユニット8とは、スピンドルモータ3の個数に相当する四本の接続ケーブル20によって電気的に接続されている。ここで、通電制御手段10及び切替制御手段11を組合せたものが本考案の電力供給制御手段に相当する。
また、接続ケーブル20には、スピンドルモータ3への駆動用電力を供給する電力供給線だけではなく、センサ36(後述する)によって検出されるスピンドルモータ3内の状態(検出信号)を通電連結ユニット8から切替制御手段11側にフィードバックするための信号線も含まれている。
さらに、通電連結ユニット8と切替制御手段11とは、一本のエアホース19によっても連結されており、空気供給源12からエアホース18を介して送られた圧縮空気を、切替制御手段11内に配設されたバルブ(図示しない)を介して、通電連結ユニット8側に供給するように構成されている。なお、本例では、バルブへの通電を停止することにより、通電連結ユニット8側への空気の供給を停止するように構成しているが、通電連結ユニット8側に圧縮空気を常時供給する場合には、切替制御手段11を介さずに、空気供給源12を通電連結ユニット8に直接接続するようにしてもよい。
なお、スピンドルモータ3は、図2に示すように、複数のベアリング32によって回転可能に支持された主軸33と、主軸33の先端に設けられ回転刃物(図示しない)を保持するためのチャック部34と、主軸33の後端側に連結され主軸33に回転力を付与するモータ本体35と、モータ本体35の周辺の温度を検出するセンサ36と、チャック部34以外の部材を収容する円筒状のハウジング31とを備えて構成されている。また、ハウジング31内には、モータ本体35及び主軸33の周囲に冷却用空気を流すための冷却通路37が形成されている。そして、モータ本体35に駆動用電力を供給する電力供給線40と、冷却通路37に連通する空気供給管45とが、ハウジング31の外部に延出されている。なお、それぞれの電力供給線40は、モータ本体35に接続される複数本の電線と、センサ36に接続された信号出力線42とを束ねたワイヤーハーネスから構成されており、その先端には、中継ユニット5に対して着脱可能なモータ側コネクタ39(図3参照)が設けられている。また、空気供給管45は可撓性のホースからなり、その先端には、中継ユニット5に対して着脱可能なモータ側連結部44(図3参照)が設けられている。
以下、上記の各構成について具体的に説明する。図3に示すように、工具取付台2は、略円盤状のベース板21と、ベース板21の背面側に組付けられたケース22とを備えて構成されている。ベース板21の中央には、円形凹状に窪んだ収容部21aが形成されており、さらに、その中心部分には、前方(図2では左側)から中継ユニット5を挿入し取付可能とする大きさの前側開口部26が設けられている。一方、ケース22は、円環状の前面部材23と、前面部材23の背面外周に組付けられた略円筒状の周面部材25と、その後端側に組付けられた後面部材24とから構成され、内部に中継ユニット5を収容するための空間が形成されている。なお、前面部材23の開口部23aは、ベース板21の収容部21aが挿入可能な大きさとなっており、ベース板21は、収容部21aの後部側がケース22内に挿入された状態でケース22の前面に固定されている。また、後面部材24の中心部分には後面側開口部27が設けられており、中継ユニット5の延設部13が工具取付台2の後方に延設されるようになっている。
ホルダー4は、工具取付台2に対してそれぞれのスピンドルモータ3を着脱可能に支持するものであり、特に本例では、スピンドルモータ3の配置(すなわちチャック部34の向き)に合わせて適切なホルダー4を選択することが可能になっている。具体的には、スピンドルモータ3のチャック部34が工具取付台2の回転に対して径方向(遠心方向)を向くように配置する場合には、スピンドルモータ3を鉛直方向に支持する第一ホルダー47が用いられ、一方、チャック部34が回転軸心方向と平行な方向を向くように配置する場合には、スピンドルモータ3を水平方向に支持する第二ホルダー48が用いられる。なお、第一ホルダー47及び第二ホルダー48は、何れも工具取付台2の周面部材25に、ボルト(図示しない)を介して取付可能であり、チャック部34がベース板21よりも前方に位置するようにスピンドルモータ3を支持するようになっている。なお、ホルダー4は、図4の上部に模式的な平面図で示したように、スピンドルモータ3のハウジング31が嵌入可能な円形の貫通孔4aと、貫通孔4aに連通して切欠かれたスリ割り4bと、スリ割り4bを境として一方に形成された雌ネジ部4c及び他方に形成された透孔4dと、透孔4dを通して雌ネジ部4cに螺合された締付ボルト49とを備えており、締付ボルト49を締付けることにより、スリ割り4bの間隔を狭くし、貫通孔4aの内周面によってスピンドルモータ3を保持することが可能になっている。
中継ユニット5は、図3及び図4に示すように、工具取付台2の中央部分に取付けられ工具取付台2と一緒に回転するユニット本体51と、ユニット本体51の前面側に設けられ電力供給線40のモータ側コネクタ39が着脱可能に接続される四つの中継側コネクタ61と、ユニット本体51の前面側に設けられ空気供給管45のモータ側連結部44が着脱可能に接続される中継側連結部63と、ユニット本体51の回転中心に配設され且つ後方に延設された円筒状の延設部13と、を具備して構成されている。
ユニット本体51は、図4に示すように、円盤状の前面板52と、前面板52の背面に組付けられた円筒状の周面部材54と、その後面を塞ぐように組付けられた後面部材53とを備えている。なお、周面部材54の前端及び後端には、組付用のネジ(図示しない)を螺合可能なネジ孔58が形成され、それらのネジ孔58に対向する前面板52及び後面部材53の所定位置には、ネジの頭部を収容可能な大きさの座ぐり59が形成されている。また、周面部材54の外径は、工具取付台2(図3参照)のベース板21における前側開口部26の内径と略一致する大きさであり、前面板52の外形は、ベース板21における収容部21aの内径と略一致する大きさとなっている。つまり、ユニット本体51は、周面部材54を前側開口部26に挿入し、且つ前面板52の後面外縁付近を収容部21aの前面に当接した状態で取付けられている。なお、前面板52の外周近傍には、座ぐり60が形成されており、座ぐり60を通してネジ(図示しない)を螺合させることにより、ユニット本体51がベース板21に固定されている。また、後面部材53には、前面に向って凹状に窪んだ凹部56、及び凹部56の中心に穿設された開口部57が形成されており、延設部13(図3参照)の先端側をユニット本体51内に挿入させるとともに、先端側に形成された径大部13aを凹部56内に挿入させることが可能になっている。
それぞれの中継側コネクタ61は、図4に示すように、同一円周上において90°間隔で配置されており、モータ側コネクタ39(図3参照)が連結される部分を前面板52よりも前方に突出させた状態で前面板52に穿設された透孔内に装着されている。中継側コネクタ61には、内部の端子(図示しない)に接続された複数の中継線62が後端から延出されており、これらの中継線62はユニット本体51の内部及び延設部13の内部空間を通って通電連結ユニット8まで配線されている。一方、それぞれの中継側連結部63は、中継側コネクタ61よりも中心よりである同一円周上において90°間隔で配置されており、モータ側連結部44(図3参照)が接続される部分を前面板52よりも前方に突出させた状態で装着されている。なお、中継側連結部63に対応する前面板52には、四つの中継側連結部63と連通する集合経路68が形成されており、前面板52の背面には、一本の空気案内管64が継手64aを介して集合経路68に接続されている。つまり、空気案内管64によって送られてきた冷却用空気を集合経路68において分配し、全ての空気供給管45に同時に供給することが可能になっている。なお、空気案内管64は、中継線62と同様、ユニット本体51の内部及び延設部13の内部空間を通って通電連結ユニット8まで配管されている。また、中継ユニット5には、それぞれの中継側連結部63に対応する冷却空気調整器65(所謂「スピードコントローラ」)が設けられており、スピンドルモータ3に供給する空気量を調節することが可能になっている。
図3に示すように、延設部13は、工具取付台2の回転中心に配設されており、前述のように中継線62及び空気案内管64を通電連結ユニット8側に案内するガイドとして作用する他、工具取付台2の回転軸としても作用している。つまり、図1に示すように、本例の加工機1では、延設部13に回転力を付与する回転割出機構6が備えられており、回転割出機構6を動作させることにより、延設部13の先端部分に連結された中継ユニット5を回転させ、ひいては工具取付台2及び複数のスピンドルモータ3を回転させることが可能になっている。また、詳細は後述するが、延設部13の後端側には通電連結ユニット8の通電リング84が連結されており、通電リング84も中継ユニット5と一緒に回転するようになっている。なお、回転割出機構6は、例えば回転用モータ70と、回転用モータ70の出力軸に設けられた駆動プーリ73と、延設部13の外周面に固定された従動プーリ72と、従動プーリ72及び駆動プーリ73を繋ぐ無端のベルト74とから構成することができる。また、図示していないが、回転割出機構6には、工具取付台2の回転位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段によって検出される現在の回転位置が、目標回転位置(選択されたスピンドルモータ3を加工材料に対向させる得る回転位置)に一致するように回転用モータ70を回転制御する回転制御手段とが備えられている。
次に、通電連結ユニット8について詳細に説明する。図5及び図6に示すように、通電連結ユニット8は、本体ベース7(図1参照)に取付けられた筐体81と、筐体81内に配置され筐体81に対して固定状態で組付けられた支持ユニット82と、支持ユニット82の内部においてベアリング83を介して回転可能に支持された通電リング84と、を備えて構成されている。
筐体81は、円筒状の筒状部材86と、筒状部材86の一端側を閉塞する蓋部材87と、筒状部材86の他端側に組付けられ中央部分に円形の開口部89を有する前面部材88とを備えており、前面部材88をネジ(図示しない)によって本体ベース7に取付けることにより、固定状態に取付けられている。また、蓋部材87には四つの透孔90と、透孔90よりも小径である一つの透孔92が設けられており、接続ケーブル20(図1参照)を連結可能とする出力コネクタ91がそれぞれの透孔90に嵌挿して配設されるとともに、エアホース19(図1参照)を連結可能とする入力側連結部93が透孔92に嵌挿して配設されている。なお、筐体81内における入力側連結部93の先端には、後述する連結部109を、回転可能で且つ連通状態に支持する支持管110が設けられている。
一方、支持ユニット82は、略円筒状の支持ケース95と、支持ケース95の外周面の一部に設けられ互いに対峙する一対の端子台96と、一方の端子台96に隣接して配設された一つの信号用コネクタ118とを備えて構成されている。なお、それぞれの端子台96には、複数の接続端子97が設けられており、端子台96と筒状部材86の間を通って配線された複数本の接続線100を介して、それぞれの接続端子97と出力コネクタ91とが電気的につながれている。また、図示していないが、信号用コネクタ118も接続線100を介して出力コネクタ91に接続されている。
図6に示すように、端子台96の内側には、それぞれの接続端子97に対して別々に接続された金属製のブラシ98が設けられている。ブラシ98は弾性変形可能な腕部98aと、腕部98aの先端に形成され、後述する導通部114の外周面に摺接可能な摺接部99とを備え、摺接部99が導通部114の外周面に圧接するように取付けられている。つまり、ブラシ98は、導通部114が回転しても、端子台96の接続端子97と導通部114とを電気的に接続させることが可能となっている。なお、信号用コネクタ118に対しても、その内部に設けられた各端子に対し別々に接続された信号用ブラシ117が設けられており、後述する信号用導通部116の外周面に摺接することで、信号用導通部116と信号用コネクタ118とを電気的に接続している。なお、信号用ブラシ117はブラシ98と同様の構成である。
一方、通電リング84は、図5及び図6に示すように、ベアリング83を介して直接支持された一対の回転体ベース105と、一対の回転体ベース105の中心を繋ぐとともに、回転体ベース105よりも小径の内側筒部材106と、内側筒部材106の内部空間に配置され冷却用空気を通過させることが可能なパイプ部材107と、内側筒部材106の外周面に配設され軸心方向に沿って所定の間隔で複数個(端子台96における接続端子97と同じ個数)並設された非導電性の円板部112と、円板部112の外周面に沿って円環状に設けられ通電可能な導通部114と、を備えて構成されている。さらに詳しく説明すると、回転体ベース105は、外周が円形であり、中央部分には前後方向に突出するパイプ支持部108が設けられており、両側のパイプ支持部108によってパイプ部材107を貫通状態で支持することにより、パイプ部材107を回転体ベース105と一体的に回転させることが可能になっている。なお、パイプ部材107は通電リング84の回転中心に配設されており、通電リング84が回転しても偏心することなく回転するようになっている。また、パイプ部材107の一端側(図5では左端)には、延設部13を通って配管された空気案内管64(図4参照)の先端が接続され、パイプ部材107の他端側(図5では右端)には、連結部109が接続され、支持管110に介して回転可能に支持されている。つまり、パイプ部材107が空気案内管64と一緒に回転しても捩れることなく支持されるようになっている。
内側筒部材106は、非導電性の部材からなり、隣合う円板部112同士の隙間に連通するように内側筒部材106の周面を貫通する配線用透孔115が穿設されている。そして、延設部13の内部空間を通って配線された各中継線62は、内側筒部材106の内部空間を通過するとともに、別々の配線用透孔115を通って引き出され、対応する導通部114の内周面に接続されている。なお、図5では便宜上、一部の中継線62のみ示している。このように、複数の中継線62は、一端側が、中継ユニット5に設けられた中継側コネクタ61に接続され、他端側が、通電リング84の導通部114に接続されているため、工具取付台2が回転しても捩れることなく接続状態が維持される。なぜなら、中継ユニット5及び通電リング84は延設部13を介して連結され一体的に回転するためである。
さらに、前述したように、導通部114の外側には、導通部114の外周面に摺接するブラシ98が設けられているため、通電リング84が回転しても、導通部114及びブラシ98を常に接触状態に保つことができる。したがって、工具取付台2の回転位置に拘わらず、接続端子97に給電された駆動用電力を、ブラシ98、及び導通部114を介して中継線62に送り、さらに、中継線62から電力供給線40を介してスピンドルモータ3に送ることが可能である。
また、内側筒部材106の奥側(図5では右側)には、導電性を有し円環状の形状を呈した複数の信号用導通部116が、互いに絶縁状態となるように、軸心方向に沿って所定の間隔で並設されており、信号出力線42に接続された複数の中継線62(図5では図示していない)が、信号用導通部116の内周縁部に対して別々に接続されている。そして、信号用導通部116の外側には、信号用導通部116の外周縁に摺接する信号用ブラシ117が設けられているため、通電リング84が回転しても、スピンドルモータ3内に配設されたセンサ36の出力を、信号出力線42及び中継線62を介して信号用導通部116に送り、さらに信号用ブラシ117に送ることが可能である。
次に、本例の加工機1の作用について、主に図1を用いて説明する。
加工を行う際には、まず工具取付台2を回転割出機構6によって任意の位置まで回転させ、複数のスピンドルモータ3の中から選択された一つのスピンドルモータ3を加工材料に対向させる。その後、加工材料に対向したスピンドルモータ3に電力を供給する。すると、スピンドルモータ3のハウジング31内に設けられたモータ本体35が駆動し、主軸33及びその先端に備えられたチャック部34を回転させる。チャック部34には回転刃物(図示しない)が保持されているため、その刃物によって加工材料を切削することが可能になる。
スピンドルモータ3への駆動用電力の供給について詳しく説明する。主コントローラ9から、工具取付台2の回転やスピンドルモータ3の動作を制御するための指令が出力されると、通電制御手段10は、その指令に基づいて、複数のスピンドルモータ3の中から作動させるスピンドルモータ3(すなわち加工材料と対向するスピンドルモータ3)を認識するとともに、スピンドルモータ3への通電量を決定する。つまり、制御対象のスピンドルモータ3における主軸33が設定回転数で回転するように、モータ本体35に必要な駆動用電力の大きさを決定するとともに、決定された大きさの駆動用電力を切替制御手段11に出力する。切替制御手段11は、制御対象のスピンドルモータ3にのみ駆動用電力が供給されるように、通電連結ユニット8への通電回路を切替える。つまり、切替制御手段11に接続された四本の接続ケーブル20のうち、制御対象のスピンドルモータ3に対応する接続ケーブル20にのみ駆動用電力が供給されるように、内部に設けられた通電回路(図示しない)を切替える。
接続ケーブル20に送られた駆動用電力は、出力コネクタ91及び接続線100を介して端子台96の接続端子97に供給される。接続端子97には、ブラシ98が接続され、ブラシ98の摺接部99が導通部114に接触しているため、駆動用電力はブラシ98を介して導通部114に供給され、さらに導通部114に接続された中継線62を介して中継側コネクタ61に送られる。このため、中継側コネクタ61に、電力供給線40のモータ側コネクタ39が連結されている場合には、電力供給線40を介してスピンドルモータ3に駆動用電力が送られる。これにより、スピンドルモータ3のモータ本体35が駆動用電力の大きさに応じた速度で回転し、スピンドルモータ3のチャック部34に取付けられた回転刃物を回転させる。
ところで、中継ユニット5及び工具取付台2は一体的に設けられており、且つ中継ユニット5の回転中心に配設された延設部13の先端が通電リング84に連結されているため、回転割出機構6によって工具取付台2が回転すると中継ユニット5及び通電リング84も回転し、通電リング84における導通部114も一体的に回転する。このため、工具取付台2が回転し、複数のスピンドルモータ3に接続された複数の電力供給線40が旋回しても、電力供給線40、中継線62、及び導通部114の間では、電線は捩れることなく工具取付台2と一緒に回転する。また、これらの電線は、回転中心に配設された延設部13の中を通って配線されるため、大きな遠心力を受けることなく直線状態を保ったまま回転する。
また、導通部114の外側には、複数のブラシ98が固定状態で配置されており、それぞれのブラシ98は環状の導通部114の外周面に摺接されているため、導通部114が工具取付台2と一緒に回転しても、導通部114及びブラシ98が常に接触状態に維持される。したがって工具取付台2の回転位置にかかわらず、通電制御手段10から出力された駆動用電力を、スピンドルモータ3に送ることが可能になる。
一方、切替制御手段11から出力された冷却用空気は、エアホース19及び連結部109を介して、パイプ部材107に送られ、さらに、パイプ部材107に連結された空気案内管64を通して中継側連結部63に送られる。このため、中継側連結部63に、空気供給管45のモータ側連結部44が連結されている場合には、空気供給管45を通してスピンドルモータ3に冷却用空気が送られる。これにより、冷却通路37に空気が流れ主軸33やモータ本体35の過熱が防止される。
ところで、中継ユニット5と工具取付台2は一体的に設けられており、且つ中継ユニット5の回転中心に配設された延設部13の先端が通電リング84に連結されているため、回転割出機構6によって工具取付台2が回転すると中継ユニット5及び通電リング84も回転し、通電リング84の中心に配設されたパイプ部材107も一体的に回転する。このため、工具取付台2が回転し、複数のスピンドルモータ3に接続された空気供給管45が旋回しても、空気供給管45、空気案内管64、及びパイプ部材107の間では、捩れることなく工具取付台2と一緒に回転する。また、パイプ部材107の他端側に接続された連結部109は、支持管110によって回転可能に支持されているため、パイプ部材107が工具取付台2と一緒に回転しても、パイプ部材107と入力側連結部93とが常に連通状態に維持される。したがって、工具取付台2の回転位置にかかわらず、切替制御手段11から供給された冷却用空気を、スピンドルモータ3に送ることが可能になる。
一方、センサ36から出力される検出信号は、信号出力線42、中継線62、及び信号用導通部116に送られ、さらに信号用導通部116に対して摺接する信号用ブラシ117を介して接続線100に送られる。接続線100が接続された出力コネクタ91には、接続ケーブル20が連結されているため、接続ケーブル20を介して切替制御手段11に送られ、さらに通信ケーブル17を介して通電制御手段10に送られる。また、通電制御手段10と主コントローラ9とはケーブル15を介して双方向の通信が行われており、主コントローラ9では、検出信号を認識するとともに、検出信号に基づいてスピンドルモータ3の状態が正常か否かを判別する。つまり、主コントローラ9が本考案の状態判別手段として機能している。
ところで、このような信号の伝達経路においても、回転割出機構6によって工具取付台2が回転すると、通電リング84における信号用導通部116も一体的に回転するため、工具取付台2が回転し、複数のスピンドルモータ3に接続された複数の信号出力線42が旋回しても、信号出力線42、中継線62、及び信号用導通部116の間では、電線は捩れることなく工具取付台2と一緒に回転する。また、信号用導通部116の外側には、複数の信号用ブラシ117が固定状態で配置されており、それぞれの信号用ブラシ117は環状の信号用導通部116の外周面に摺接されているため、信号用導通部116が工具取付台2と一緒に回転しても、信号用導通部116及び信号用ブラシ117が常に接触状態に維持される。したがって工具取付台2の回転位置にかかわらず、センサ36から出力された検出信号を、主コントローラ9に送ることが可能になる。
このように、第一実施形態の加工機1によれば、中継ユニット5及び通電連結ユニット8を備えることにより、工具取付台2が回転し複数のスピンドルモータ3に接続された複数の電力供給線40、信号出力線42、及び空気供給管45が旋回しても、捩れることなく工具取付台2と一緒に回転させることができ、ひいては工具取付台2の回転範囲が制限されたり、電力供給線40等の本数が制限されたりすることを防止できる。
続いて、本考案の第二実施形態について図7に基づき説明する。この実施形態の加工機は、第一実施形態の加工機1と比べて、中継ユニット5までの構成、すなわち工具取付台2、スピンドルモータ3、ホルダー4、回転割出機構6、及び中継ユニット5の構成については同一であり、通電連結ユニットの構成及び駆動用電力の給電経路のみが異なっている。このため、ここでは異なる構成について説明する。
本例の通電リング130においても、回転可能な通電リング130が設けられているが、これは、互いに絶縁状態となるように周方向において分割された四個の導通部134を備えて構成されている。それぞれの導通部134は、円周の約1/5に相当する円弧状の形状を呈しており、夫々の間に非導通性の絶縁部材135を介することにより全体として円環状に形成されている。そして各導通部135の内周面には、それぞれのスピンドルモータ3に繋がった中継線62が接続されている。このため、工具取付台2とともに通電リング130が回転すると、ブラシ132の摺接部133に接する導通部134が順に切替わり、ひいては電力が供給されるスピンドルモータ3が順に切替わることになる。特に、任意のスピンドルモータ3が加工材料に対向した際に、そのスピンドルモータ3に対して通電可能な導通部134が丁度ブラシ132に接するように構成されているため、ブラシ132に対して給電するだけで、ブラシ132の摺接部133に摺接する導通部134を介して、加工材料に対向するスピンドルモータ3にのみ駆動用電力を供給することが可能になる。したがって、第一実施形態では、制御対象のスピンドルモータ3に対応したブラシに対してのみ給電するための切替制御手段11が必要であったが、第二実施形態では、通電リング130の変位によって、ブラシ132に摺接する導通部134を切り替えることから、通電回路を機械的に切替えることが可能になり、切替えるための切替制御手段11を省くことができる。つまり、通電制御手段10のみが本考案の電力供給源として機能することになる。しかも、端子台96における接続端子97の数を1/4とすることができ、通電連結ユニットを小型化することも可能である。
なお、この例では、切替制御手段11を備えないことから、空気供給源12から通電連結ユニット8への空気の供給は、通電制御手段10を介して、あるいは空気供給源12から直接供給することとなる。ここで、通電制御手段10を介して空気を供給する場合には、通電制御手段10内に電気的に開閉可能なバルブを備えることにより、通電連結ユニット8への空気の供給を必要に応じて行うことが可能になる。
以上、本考案について好適な実施形態を挙げて説明したが、本考案はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本考案の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の加工機1では、工具取付台2に四つのスピンドルモータ3を取付けるものを示したが、スピンドルモータ3の個数は特に限定されるものではなく、任意に設定することが可能である。
また、上記の加工機1では、通電制御手段10を備えるものを示したが、主コントローラ9に通電制御手段の機能を備え、主コントローラ9によって直接コントロールするように構成してもよい。
さらに、上記の加工機1では、延設部13に回転力を付与し、延設部13を介して中継ユニット5及び工具取付台2を回転させるものを示したが、工具取付台2に回転割出機構を備え、工具取付台2に直接回転力を付与するように構成してもよい。
1 加工機
2 工具取付台
3 スピンドルモータ
4 ホルダー
5 中継ユニット
6 回転割出機構
9 主コントローラ(状態判別手段)
10 通電制御手段(電力供給制御手段,電力供給源)
11 切替制御手段(電力供給制御手段)
12 空気供給源
13 延設部
31 ハウジング
33 主軸
34 チャック部
35 モータ本体
36 センサ
37 冷却通路
39 モータ側コネクタ
40 電力供給線
42 信号出力線
44 モータ側連結部
45 空気供給管
51 ユニット本体
61 中継側コネクタ
62 中継線
63 中継側連結部
64 空気案内管
98 ブラシ
107 パイプ部材
110 支持管
113 通電リング
114 導通部
116 信号用導通部
117 信号用ブラシ
130 通電リング
131 中継線
132 ブラシ
134 導通部
特開2002−301636号

Claims (4)

  1. 回転可能に支持された工具取付台と、
    回転刃物を保持するためのチャック部を先端に有する主軸、該主軸に回転力を付与するモータ本体、及び前記主軸及び前記モータ本体を収容するハウジングを備えて構成される複数のスピンドルモータと、
    それぞれの該スピンドルモータを、前記工具取付台に対して着脱可能に保持する複数のホルダーと、
    前記工具取付台を回転させ、前記複数のスピンドルモータの中から選択された一つのスピンドルモータを加工材料に対向させる回転割出機構と、
    前記各スピンドルモータの前記モータ本体に対して接続されるとともに、先端にモータ側コネクタを有する複数の電力供給線と、
    前記工具取付台に取付けられ該工具取付台と一緒に回転するユニット本体、該ユニット本体に設けられ前記モータ側コネクタが着脱可能に接続される複数の中継側コネクタ、及び前記ユニット本体の回転中心に配設され且つ外方に延設された筒状の延設部、を有する中継ユニットと、
    該中継ユニットの前記延設部の先端に連結され、前記中継ユニットと一緒に回転するとともに、通電可能な環状の導通部を軸心方向に所定の間隔で且つ互いに絶縁状態となるように複数個並設してなる通電リングと、
    前記延設部の内部を通して配線され、それぞれの前記中継側コネクタと前記通電リングにおける前記導通部の内周面とを個々に接続する複数の中継線と、
    前記各導通部の外周面に対して摺接された複数のブラシと、
    前記加工材料に対向する前記スピンドルモータにのみ駆動用電力を供給するように、前記複数のブラシの中から選択されたブラシに対して給電する電力供給制御手段と
    を具備することを特徴とする加工機。
  2. 回転可能に支持された工具取付台と、
    回転刃物を保持するためのチャック部を先端に有する主軸、該主軸に回転力を付与するモータ本体、及び前記主軸及び前記モータ本体を収容するハウジングを備えて構成される複数のスピンドルモータと、
    それぞれの該スピンドルモータを、前記工具取付台に対して着脱可能に保持する複数のホルダーと、
    前記工具取付台を回転させ、前記複数のスピンドルモータの中から選択された一つのスピンドルモータを加工材料に対向させる回転割出機構と、
    前記各スピンドルモータの前記モータ本体に対して接続されるとともに、先端にモータ側コネクタを有する複数の電力供給線と、
    前記工具取付台に取付けられ該工具取付台と一緒に回転するユニット本体、該ユニット本体に設けられ前記モータ側コネクタが着脱可能に接続される複数の中継側コネクタ、及び前記ユニット本体の回転中心に配設され且つ外方に延設された筒状の延設部、を有する中継ユニットと、
    該中継ユニットの前記延設部の先端に連結され、前記中継ユニットと一緒に回転するとともに、通電可能で且つ周方向において前記スピンドルモータの個数分だけ分割された複数の円弧状の導通部を互いに絶縁状態となるように設けてなる通電リングと、
    前記延設部の内部を通して配線され、それぞれの前記中継側コネクタと前記通電リングにおける前記導通部の内周面とを個々に接続する複数の中継線と、
    前記各導通部の外周面に対して摺接可能なブラシと、
    該ブラシに対して給電することにより、前記複数の導通部のうち前記ブラシに摺接する前記導通部を介して、前記加工材料に対向する前記スピンドルモータにのみ駆動用電力を供給する電力供給源と
    を具備することを特徴とする加工機。
  3. 前記各スピンドルモータの前記ハウジング内に配置され前記モータ本体の状態を検出するセンサと、
    該センサと該センサに対応する前記モータ側コネクタとを接続し前記センサの検出信号を出力する信号出力線と、
    前記通電リングに設けられた複数の信号用導通部と、
    前記各中継側コネクタと前記信号用導通部の内周面とを接続する複数の信号中継線と、
    前記各信号用導通部の外周面に対して摺接された信号用ブラシと、
    該信号用ブラシに出力される前記検出信号を認識し、前記モータ本体の状態が正常か否かを判別する状態判別手段と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加工機。
  4. 前記スピンドルモータの前記ハウジング内に形成され前記モータ本体及び前記主軸の周囲に冷却用空気を流すための冷却通路と、
    該冷却通路に連通するとともに先端にモータ側連結部を有する空気供給管と、
    前記中継ユニットに設けられ前記モータ側連結部を着脱可能に接続させることが可能な中継側連結部と、
    前記通電リングの回転中心に配置され前記通電リングと一緒に回転する筒状のパイプ部材と、
    前記中継側連結部と前記パイプ部材の一端側とを繋ぐ空気案内管と、
    前記パイプ部材の他端側に連結され、該パイプ部材を回転可能に支持する支持管と、
    前記支持管に対して接続され、該支持管、前記パイプ部材、前記空気案内管、及び前記空気供給管を通して前記冷却通路に前記冷却用空気を供給する空気供給源と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の加工機。
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DE112017001483T5 (de) 2016-03-23 2018-12-06 Ntn Corporation Spindelkugellager mit eingebautem motor
US10197092B2 (en) 2014-07-22 2019-02-05 Ntn Corporation Ball bearing for spindle with built-in motor
CN113814479A (zh) * 2021-09-30 2021-12-21 济南恒山自动化设备有限公司 一种电动v型开槽振动刀
CN114379390A (zh) * 2022-01-12 2022-04-22 李世国 一种导电结构、导电组件、充电系统及充电方法

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