JP3150320B2 - 光学装置 - Google Patents

光学装置

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JP3150320B2
JP3150320B2 JP34093189A JP34093189A JP3150320B2 JP 3150320 B2 JP3150320 B2 JP 3150320B2 JP 34093189 A JP34093189 A JP 34093189A JP 34093189 A JP34093189 A JP 34093189A JP 3150320 B2 JP3150320 B2 JP 3150320B2
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貴志 白石
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、レーザプリンタ等の装置に用いられる走
査式光学装置、特に、半導体レーザからの光ビームを、
レンズ群及び光偏向装置を介して走査対象物へ導く結像
光学装置の改良に関する。
(従来の技術) 一般に、レーザプリンタなどの装置に組込まれる走査
式光学装置では、光ビームを集束させる第一結像光学系
(レンズ群)、第一結像光学系からの光ビームを第二結
像光学系(fθレンズなど)に向かって等角速度で反射
させる光偏向装置及び光偏向装置で反射された光ビーム
を感光体などの走査対象物に対して結像させる第二結像
光学系を備えている。
光源から発生された光ビームは第一結像光学系によっ
て集束され、その集束された光ビームは光偏向装置によ
って第二結像光学系に向かって等角速度で反射され、第
二結像光学系によって感光体などの走査対象物に対して
結像される。
非球面ガラスレンズ、プラスチックレンズなどが組合
わせられている前記第一結像光学系は、発散性である光
ビームを平行光或いは集束光に変換する。
所定の方向に回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)
である前記光偏向装置は、前記平行化または集束された
光ビームを等角速度で反射し、第二結像光学系を介して
走査対象物の面上に走査する。
fθレンズ等で構成され回転多面鏡と走査対象物の間
に配置された第二結像光学系は、回転多面鏡によって反
射された等角速度で走査されている光ビームを走査対象
物の面上に結像させる。
特開昭55−13008号には、回転多面鏡よりも光源側に
光偏向素子を配置し、反射面が凸状に構成された回転多
面鏡を用いた例が開示されている(プレオブジェクト型
光偏向装置)。また、特開昭52−49851号には、反射面
が凸状でしかもfθ特性の改善のために非球面円筒面状
に構成された回転多面鏡が用いた例が開示されている。
さらに、特開昭60−123414号及び特開昭61−156020号に
は、反射面が凸状で少なくとも偏向点から走査対象物ま
での距離の1/2よりも大きな曲率半径を有する円筒或い
は球面によって構成された像面湾曲補正機能を備えた回
転多面鏡が用いた例が開示されている(ポストオブジェ
クト型光偏向装置)。
(発明が解決しようとする課題) 上述特開昭55−13008号の発明によれば、光偏向素子
が回転多面鏡よりも光源側に配置されるためレンズ構成
が複雑になるとともにレンズの口径が大きくなる。ま
た、特開昭52−49851号の発明では、像面湾曲の補正が
できないため走査対象物の面上でのビームスポットの変
動が大きくなる。さらに、特開昭60−123414号及び特開
昭61−156020号の発明による回転多面鏡では像面湾曲補
正のみがなされるので、fθ特性或いは光強度に関して
は他の付加的補正手段を配置する必要がある。
以上に説明したように、これまでに用いられている走
査式光学装置においては、一枚のレンズでfθ特性の改
善、像面湾曲及び面倒れ補正における補正のすべてを実
行することは不可能であり付加的補正手段を用いて補正
する必要があるという問題が見られる。
この発明は、簡単な構成でfθ特性、像面湾曲及び面
倒れ補正を同時に補正する走査式光学装置を提供するこ
とを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、光
ビームを発光する光源と、凸状の反射面を有し、この凸
状の反射面にて前記光源から発光された光ビームを反射
し、走査対象物に向けて前記光ビームを走査する回転多
面鏡と、トーリック面を有し、前記回転多面鏡にて走査
された光ビームを前記走査対象物上に結像する結像レン
ズとを具備し、 前記回転多面鏡の反射面から前記走査対象物間での距
離をZ(mm)、 前記結像レンズのトーリック面側のレンズ面の主走査
方向での光軸中心における曲率をCとしたとき、 0.6≦|C・Z|≦0.85 を満たすように構成したことを特徴とする光学装置を提
供するものである。
(作用) この発明によれば、反射面が主走査方向には凸状に、
副走査方向には平面に構成される回転多面鏡と、トーリ
ック面を有する歪曲収差を補正する一種のfθレンズが
組合せられて用いられることから像面湾曲及び面倒れを
同時に補正できる。さらに、回転多面鏡の反射面が円筒
形に形成されることで、偏向後の結像光学系は、一枚の
レンズのみによって形成することが出来、また、画角を
大きくすることが可能となる。従って、結像光学系全体
が小形化されるとともに、レンズの加工方法が簡素化さ
れコストが低減される。
(実施例) 以下、図面を用いてこの発明の一実施例を説明する。
第1A図及び第1B図には、この発明の折返しミラー、鏡
筒及びハウジングを省略したレーザプリンタなどに用い
られる光学装置の展開図が示されている。第1A図は平面
図、第1B図は、副走査方向における偏向角0゜の状態を
示す断面図である。
この走査式光学装置は、光ビームを発生する半導体レ
ーザ素子2、光学ガラスによって製造された鏡筒及び押
え部材への取付用フランジを有するレンズ4、ハウジン
グへの取付用フランジがその周囲に形成され、位置決め
用の突起又は凹みが主走査方向のほぼ中心に形成されて
いるプラスチック例えばPMMA(ポリメチルメタクリル)
によって製造されている第1プラスチックレンズ6及び
第2プラスチックレンズ8を有し、且つ、レンズ4とレ
ンズ6が例えば亜鉛ダイカストによって製造される(図
示しない)鏡筒によって一体的に形成されている第一結
像光学系、プラスチック例えばPMMA(ポリメチルメタク
リル)によって製造される第3プラスチックレンズ12及
び防塵ガラス14を有する第二結像光学系、前記有限レン
ズ4と前記第1プラスチックレンズ6の間に配置される
絞り30、第一結像光学系と第二結像光学系の間に配置さ
れ、ダイレクトベアリング24を有するアキシャルギャッ
プ型のスキャナモータ22のロータ上に配置され、止め輪
28及びばね材49によってロータ上の座面に押付けられる
ことで固定されて所定の方向に回転される偏向反射鏡10
及び水平同期検出用反射ミラー18を備えている。
半導体レーザ素子2(以下LDとする)から放射された
光ビームは、レンズ4によって集束光或いは平行光に変
換され、絞り30によって所定のビームスポットに制限さ
れて、主走査方向へは負のパワーを有し副走査方向へは
僅かに負のパワーを有する第1プラスチックレンズ6へ
導かれる。レンズ6を通過した光ビームは、主走査方向
においては平行光に、また、副走査方向では集束光に変
換され、主走査方向に関しては正のパワーを有し、副走
査方向に対しては負のパワーを有する第2プラスチック
レンズ8へ導かれる。
レンズ8を通過した光ビームは、主走査方向及び副走
査方向ともに集束光に変換され、主走査方向の断面が凸
で半径Rの円筒面の一部を反射面として有する4面の回
転多面鏡である偏向反射鏡10へ導かれる。回転多面鏡10
へ導かれた光ビームは、第2結像光学系の面倒れを補正
する一種のfθレンズである第3プラスチックレンズ12
へ向かって反射される。このレンズ12は、主走査方向へ
は反射面の回転角θに対して像高を比例させたh=fθ
を満たす形状で、副走査方向へは主走査方向への偏向角
が大きくなるに連れてパワーが小さくなる曲率が与えら
れた一種のfθレンズであって、主走査方向においては
前記光ビームの像面湾曲の影響を低減し、且つ、歪曲収
差を適切な値にするとともに、副走査方向では前記光ビ
ームが感光体16に照射される際の感光体のすべての面上
における面倒れ補正面を感光体16上の所定の直線上に一
致させる。
レンズ12を通過した光ビームは、光学系ハウジング
(図示しない)内のレンズなどを密閉するための防塵ガ
ラス14を介して、情報記録媒体即ち感光体16へ導かれ
る。感光体16は図示しない他の駆動源によって駆動され
所定の方向に回転し、その外周面に画像が露光される。
この感光体16に露光された画像は、図示しない顕像手段
によって現像され転写用材料に転写される。
また、一種のfθレンズ12を通過した光ビームの一部
は、主走査方向におけるスキャン毎に水平同期検出用反
射ミラー18へ導かれ、同期信号検出器20へ向かって反射
されて水平同期が検出される。
第2図には、この発明の一実施例である第3レンズの
光軸がゴースト光防止のためにそのレンズへの入射光の
主光線に対して回転多面鏡へ向かう入射光の側へシフト
された配置を示す第1A図に示した光学装置の副走査方向
における偏向角0゜の状態が示されている。この発明の
光学装置においては、副走査方向を含む面内において第
一結像光学系の光軸と第二結像光学系の光軸とがある角
度を有している。このため、第3レンズ12の光軸が前述
の入射光の側と反対の側へシフトされたならば、ゴース
ト光及び画像情報光を分離するために必要なシフト量を
大きくする必要が生じることから、コマ収差成分が増大
し像面における光ビームにフレアがでやすくなる。従っ
て、第3レンズ12は、第2図に示したように第一結像光
学系から回転多面鏡へ向かう入射光の側へシフトされる
ことが望ましい。
第3A図及び第3B図には、LD2、レンズ4及び絞り30を
固定する手段が示されている。第3A図は、第1A図及び第
1B図に示した走査式光学装置に用いられる、LD2、有限
レンズ4及び絞り30を一つのユニットとする鏡筒部分の
側面図、第3B図は第3A図の線A−Aにおける断面図であ
る。
LD2は、ねじ40によってLDホルダ32に固定されてい
る。レンズ4は、ウェーブワッシャ36を介して押え部材
38によって鏡筒34へ固定されている。このレンズ4は、
ねじ部を有する押え部材38を回転することで矢印Bの方
向の所定の位置に配置される。また、レンズ4は凸状の
フランジを有し押え部材38とは線接触するので、押え部
材38を回転するためのトルクは小さくできる。押え部材
38は、その長さ方向に円筒部とねじ部を有し、円筒部に
よって光軸に対して押え部材自身が傾くことを防止する
ことにより、レンズ4が傾くことを防止している。この
押え部材38は、専用工具のための穴46を有し、この穴46
に専用工具が挿入され、押え部材38が回転されることで
レンズ4の位置を調整する。また、この押え部材のねじ
部は、弾性体(ウェーブワッシャ)36によって常にレン
ズと反対の方向へ力を受けることから、押え部材38及び
鏡筒34のねじ部のねじ山の隙間によってレンズ4にガタ
が生じることが防止できる。絞り30は、鏡筒34における
レンズ4の後側焦点の位置に接着によって固定されてい
る。LDホルダ32は、ばね座金51及び平座金52を介してね
じ50により鏡筒34に所定の圧力で押え付けられるととも
に、鏡筒34に対して矢印C或いはDの方向に任意に調整
可能であって、LD2から発生される光ビームの光軸調整
を可能にしている。
第4図には、絞り30の位置によるレンズ4を通過する
光量の関係が示されている。第4図では、LD2の発光点
が仮想的に符合48,49で示されている。絞り30がレンズ
4の後側焦点位置よりも離れた位置、例えば、点線31で
示される位置に配置されたならば、LD2の僅かなズレ即
ち発光点48が49に移動することによって、光ビームの光
量が大きく変化してしまう。絞り30が第4図の31で示さ
れた位置に配置された場合には、光量は、約1/2にな
る。従って、絞り30をレンズ4の後側焦点位置に配置す
ることで、LD2から放射される光ビームの光軸調整時
に、光量がばらつくことを防ぐことができる。上述のよ
うに、レンズ4は簡単な構造の押付け部材によって所定
の位置に配置されるとともに、確実にしかも精度よく鏡
筒34に固定される。
第5図乃至第7図には、この発明による一種のfθレ
ンズと偏向回転多面鏡を組合わせて用いた像面湾曲或い
はfθの特性を補正する原理が示されている。一般に、
回転多面鏡10のみを用いて像面湾曲を補正するには、回
転多面鏡の回転角が0のときの偏向点から情報記録媒体
面までの距離Zと上記回転角θの間に、Rを回転多面鏡
の反射面の曲率を規定する円の半径とし、上記回転角θ
の際の偏向点から情報記録媒体面までの距離ZθがZ=
θで示されるとき、 R/Z ={1/cosθ+cosθ/(1+cosθ)−1} の関係が成立つ必要がある。
この場合、右辺は、すべてのθに対して0.5以上にな
ってしまう。その結果、 fθ特性=(h−fθ)/fθ×100 で示されるfθ特性は、偏向角θの絶対値が大きくなる
につれて、「−」から「+」側へ大きくずれてしまう。
これを補正するには、中心部よりも端部で屈折力の大き
な一種のfθレンズが必要になり、このようなレンズを
挿入すると、偏向角が大きくなるにつれて像面湾曲が回
転多面鏡側へ移動するという問題が生じる。
この実施例では、回転多面鏡のみを用いたばあいには
回転角が大きくなるにつれて像面湾曲が回転多面鏡と反
対の側へ移動するようにRが設定され、その後で一種の
fθレンズによって一種のfθ特性及び像面湾曲が補正
されている。このばあい、回転多面鏡は、 R<0.5Z の条件をみたすことによって定義され、この実施例で
は、 R=79.65,Z=187.12 が与えられている。
第5図を用いて、副走査方向における偏向反射面の法
線と入射光のなす角がγであるときの光線の特性を説明
する。
偏向点c(0,0,0)における偏向面の法線をベクトルC
D、入射光をベクトルAC、ベクトルCDとベクトルCEのな
す角がθのときの反射光をベクトルCD(ベクトルCEの長
さ=ベクトルCFの長さ=1とする)とするとき、ベクト
ルCBのxz平面への投影像は、(−tanγ,0,−cos2θ)と
なる。従って、fθレンズが座標z3にあるとき、第3レ
ンズとの交点x3は、 x3=−z3tanγ/cos2θ で現される。即ち、θが大きくなるにつれて(θ<π/2
では)第3レンズ光軸位置からのズレΔx3が小さくな
る。(絶対値としては大きくなる。)この結果、主走査
平面(yz平面)と平行な軸を回転対象軸としたトーリッ
ク面を持つレンズにより面倒れを補正するレンズ(fθ
レンズ)が用いられる場合には、fθレンズをx3
「+」側即ち副走査方向に対して偏向反射面の入射光側
へfθレンズの光軸をシフトして配置することにより偏
向角の絶対値が大きな領域即ち副走査方向の曲率半径の
小さなレンズの主走査方向における中心付近ではレンズ
への入射光とレンズ光軸の副走査方向(x軸方向)のズ
レ、即ち、fθレンズを通過する光ビームの主光線とレ
ンズの光軸の距離の絶対値が小さく(Δx3が大きく)、
偏向角の絶対値が小さな領域即ち副走査方向の曲率半径
の大きなレンズの主走査方向における両端部分ではズレ
の絶対値が大きく(Δx3が小さく)なり、ゴースト光を
小さな移動量で、画像情報光線から分離することが出
来、また、光軸をシフトすることによる光ビームの波面
収差の劣化を小さく抑えることが可能となる。
第6図には、第3レンズの光軸に対してある距離分シ
フトされて入射された光ビームの特性が示されている。
ここで、半径rで示される反射面の焦点距離fは、 f=r/2 で表される。
第3レンズへ入射する光ビームの副走査方向に対する
入射角は、全域で概ね0゜であると近似でき、第3レン
ズの像面側の副走査方向の断面形状は、概ね平面に近似
できる。従って、レンズの光軸に対して同じズレを有す
る光ビームが入射された場合、s2面で反射された光ビー
ムはs1面で再び反射されてゴースト光となって現れる。
ここで、主走査方向の光軸付近、及び、副走査方向の振
り角の大きな領域における光学特性を、それぞれ、ζ,L
を用いて示すと、偏向角の小さい領域に対応するゴース
ト光lζ、偏向角の大きい領域に対応するゴースト光l
の光ビームの主光線に対する傾きは、それぞれ、2x
3ζ/rζ,2x3L/rLで与えられる。
第6図に示されているように、ゴースト光の傾きはr
に反比例するのでrが小さい領域ではゴースト光lζ
傾きが大きく、rが大きい領域ではゴースト光lLの傾き
が小さくなる。また、傾きは、第3レンズの光軸と光ビ
ームの交点のズレ量Δx3に比例する。この方向に光軸を
シフトさせた第3レンズでは、偏向角によりΔx3が変化
するため、rの小さい部分では|Δx3|が小さく、rの
大きい部分では|Δx3|が大きくなる。
この結果、第5図に示されている回転多面鏡と第6図
に示されている第3レンズを組み合わせ、光ビームの主
光線とレンズの光軸が距離を持つよう第3レンズを配置
(シフト)することによって、ズレの大きさが小さくと
もゴースト光と光ビームを分離できる。
ところで、光ビームの主光線に対して第3レンズの光
軸をシフトする方法として、第一結像光学系から回転多
面鏡へ向かう入射光の側へシフトする方法と、第一結像
光学系から回転多面鏡へ向かう入射光と反対の側へシフ
トする方法が考えられる。しかしながら、この発明の光
学装置においては、副走査方向を含む面内において第一
結像光学系の光軸と第二結像光学系の光軸とがある角度
を有しているため、第3レンズの光軸が前述の入射光の
側と反対の側へシフトされたならば、第3レンズを通過
した光ビーム及びゴースト光を分離するために必要なシ
フト量を大きくする必要が生じることから、像面におけ
る波面収差の劣化の要因となるので、第3レンズは第一
結像光学系から回転多面鏡へ向かう入射光の側へシフト
されることが望ましい。
上述したように、光軸をシフトすることによるゴース
ト光と光ビームの分離角は、ズレの絶対値が大きいほど
大きく曲率半径の絶対値が小さいほど大きくなるので、
像面において同じx座標へ結像させるに際して偏向角の
大きな領域、即ち、像高hが大きな領域では、第3レン
ズを通過する光ビームの主光線とレンズの光軸の距離を
大きくすることができ、レンズのシフト量が少ないにも
拘らずゴースト光をレンズの周辺部まで除去できる。
第7図は、主走査方向の光学装置に関して薄肉光学系
を考えたものである。ここにcは第5図における偏向点
と同じ点を表し、第3レンズが12で像面が16で示されて
いる。(uは傾きを表し、図示の方向を負とする。ま
た、z軸方向は、第5図と反対方向に示されている。) ここで、薄肉レンズの高さy3(y3>0の場合のみを考
える)の位置での等価パワーφ(y3)を考えると、薄肉
レンズの式より、 u′(y3)−u(y3)=y3ψ(y3) …(1) 即ち、 u′(y3)=u(y3)+y3ψ(y3) …(2) が得られる。これをy3に対して微分すると、 となる。
また、第3レンズがない場合の結像位置から第3レン
ズの位置までの距離をζ(y3)、第3レンズがある場合
の結像位置から第3レンズの位置までの距離をζ′
(y3)とすると、ζ′(y3)は、y3の大きさに関係なく
第3レンズと像面間距離となることが望ましく、式
(1),(2)は、 1/ζ′(y3)=1/ζ(y3)+ψ(y3) …(4) 即ち、 ψ(y3)=1/ζ′(y3)−1/ζ(y3) …(5) と変形される。
ところで、第3レンズにh=fθの特性を与えるため
には、 u′(y3)−u(y3)が、y3の増加に対して単調増加す
る必要があり、式(3)の左辺は、0より大きくなけれ
ばならない。即ち、 が満たされる必要がある。
ここで、第3レンズの環境依存性を考慮すると、式
(4),(5)において、ψ(y3)=0のときにその変
動量が最小になる。従って、第3レンズのパワーψ
(y3)を、ψ(y3)≒0とすると、式(6)は、 ∂ψ(y3)/∂y3>0 …(7) と表すことができる。
式(5)において、y3=0のとき、ψ(0)≒0とす
ると、 1/ζ′(y3)−1/ζ(y3)=ψ(y3),ψ(y3)>0 が得られ、この結果、 1/ζ′(y3)>1/ζ(y3) ゆえに、 ζ′(y3)<ζ(y3) となる。
この条件は、式(2)においてすべてのθに対し、結
像位置と像面が一致しないことを示すものである。従っ
て、 R/Z<0.5 の条件も満たすものである。
第8図には、第7図に示した第3レンズ及び像面の配
置がより具体的に示されている。第8図において、回転
多面鏡の反射面の一辺の長さを規定する回転多面鏡に内
接する円の半径をL、及び、回転多面鏡の反射面の主走
査方向の曲率を規定する円周を与える円の半径Rとする
とき、L/Rを変化するとuが変化する。
第9図には、第8図におけるL/Rの変化に対するuの
変化が示されている。
第10A図及び第10B図には、この発明による第3レンズ
と偏向回転多面鏡を組合わせて用いて像面湾曲或いは歪
曲収差を補正した例の一例が示されている。曲線aは、
回転多面鏡10のみによる像面湾曲及びfθ特性の補正に
よる効果を、曲線bは、回転多面鏡10とfθレンズ12を
用いた場合の像面湾曲及びfθ特性の補正による効果を
それぞれ示している。
次に、第3レンズ即ち一種のfθレンズ12が像面に近
接して配置される場合の像面におけるビームスポットの
大きさについて考慮する。この実施例に示した走査式光
学装置は、レーザプリンタなどに用いられることから、
像面周辺には、画像顕像化手段に用いられるトナー等の
微粉体が存在する。従って、第3レンズが像面に近接し
て配置される場合に、ビームスポットの微小化による極
小さなビームスポットがトナー等の微粉体によって散乱
されたり回折されることのないよう或いはトナーそのも
のによって遮蔽されても(ケラレても)実用上問題のな
い程度のビームスポットが得られるよう第3レンズをあ
る距離だけ像面から遠ざけておく必要がある。
レーザプリンタなどに用いられるトナーの大きさは、
概ね10〜20μmであるから、ビームがトナーによって散
乱或いは回折されない或いはトナーによって遮蔽されて
も(ケラレても)実用上問題のない程度のビームスポッ
トが得られるためには、1/e2で規定される像面における
ビームスポットのエネルギーの変動を15%以下にするこ
とが好ましい。ビームスポットのエネルギー分布が正規
ガウス分布である場合には、上記エネルギー変動を15%
以下にするためにはそのビームスポット径wは概ねトナ
ー径の10倍となり、この実施例では、100μm〜200μm
が与えられる。
この結果、ζ(回転多面鏡の反射面から第3レンズ
前側主点までの距離)を変化することによって第3レン
ズ上でのビーム半径を100μm以上にするための第3レ
ンズと像面の距離は、 Z−ζ≧πw0/λ×0.1 で表される。(w0はビームウエストでの1/e2半径) また、第3レンズの副走査パワーを変化することによ
っても像面におけるビームスポットを制御可能である。
この場合、光軸位置即ち偏向角0゜における副走査方向
光軸上でのパワーをψとするとき、 4/Z<ψ であるときに、面倒れ補正、主走査方向におけるfθ特
性、及び、像面湾曲を実用範囲内に収めることが可能で
あることがシミュレーションから確認されている。
ここで、第3レンズの面上におけるビームスポット径
wが前記トナー径よりも十分(概ね10倍以上)に大きく
なるためには、 ψ≒1/(Z−ζ)+1/ζ ψ<(10λ/πw0)+1/(Z−w0/10λ)が満たさ
れる必要がある。
この結果、第3レンズの副走査パワーを変化すること
によって像面におけるビームスポットを制御するために
は、 4/Z<ψ、 ψ<(10λ/πw0)+1/(Z−πw0/10λ)且つ、 ζ>Z/2 によって第3レンズの実用可能範囲が規定される。
さらに、第3レンズのトーリック面側の主走査方向で
の光軸中心における曲率Cを変化することによっても像
面におけるビームスポット径w、像面湾曲、fθ特性及
び面倒れ補正を制御可能である。即ち、トーリック面側
の主走査方向での母線に形状Z′を光軸及びレンズ面の
交点を含む光軸に垂直方向の座標yに対応するZ方向の
位置とするとき、 但し、y2,y4,y6,y8およびy10は、それぞれ主走査方向の
座標 で表されるレンズを用いた場合、この曲率C及びZの積
の絶対値|C・Z|が、所定の範囲に存在する場合には、実
用可能なレンズを規定できることがシミュレーションに
より確認されている。
以下、上記シミュレーションの結果例1乃至例3を表
1乃至表3及び第11A図乃至第11F図に示す。尚、例1乃
至例3における|C・Z|の数値は、次のようになる。
例1:|C・Z|=0.82, 例2:|C・Z|=0.673, 例3:|C・Z|=0.621 第11A図乃至第11F図には、|C・Z|の数値を変化させた
際の回転多面鏡の反射面に集束された光ビームのビーム
スポットの変化及びfθ特性の変化が示されている。第
11A図、第11C図及び第11E図は、それぞれ、上記例1乃
至3の条件におけるfθ特性の変化、第11B図、第11D図
及び第11F図は、それぞれ、上記例1乃至例3の条件に
おける周辺光の集光状態の変化を示している。
以上説明したように例1乃至例3及び多くの実験か
ら、|C・Z|が所定の数値を満たされる範囲において、第
3レンズの実用可能範囲が規定されることが確認されて
いる。しかしながら、例1では、図示しない像面湾曲及
び第11A図に示すfθ特性に劣化が見られる。即ち、|C
・Z|の数値には上限が存在する。また、例3が利用され
る場合には、第11E図及び第11F図に示したfθ特性の変
化及び周辺光の集光状態の変化は、例1の第11A図及び
第11B図に示した場合よりも改善されるにも拘わず図示
しない像面湾曲が増大することから、|C・Z|の数値には
同様に下限も存在する。
これらの結果から、 0.6≦|C・Z|≦0.85 の範囲が第3レンズの実用可能範囲として最適である。
(効果) この発明によれば、反射面が主走査方向には凸面状
に、副走査方向には平面状に形成された回転多面鏡と一
枚のトーリックレンズのみが組合わせられることによっ
て、fθ特性及び像面湾曲が同時に補正できる。また、
第二結像光学系のレンズが一枚ですみ、しかも、このレ
ンズはプラスチックであって、成形加工によって精度良
く製造できるので大幅なコストの低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1A図は、この発明の折返しミラー、鏡筒及びハウジン
グを省略したレーザプリンタなどに用いられる光学装置
の平面図、第1B図は、第1A図に示した光学装置の副走査
方向における偏向角0゜の状態を示す断面図、第2図
は、第3レンズの光軸がそのレンズへの入射光の主光線
に対して回転多面鏡へ向かう入射光の側へシフトされた
配置を示す第1A図に示した光学装置の副走査方向におけ
る偏向角0゜の状態における断面図、第3A図は、LD、ガ
ラスレンズ及び絞りを固定する構造を示す側面図、第3B
図は、第3A図に示した鏡筒の線A−Aにおける断面図、
第4図は、絞りをガラスレンズの後側焦点位置に配置す
る詳細を示す概略図、第5図は、回転多面鏡における副
走査方向における偏向反射面の法線と入射光のなす角が
γであるときの光線の特性を示すベクトル図、第6図
は、第3レンズの光軸に対してある距離分ズレて入射さ
れた光ビームの特性を示す概略図、第7図は、この発明
による像面湾曲の補正原理を示す概略図、第8図は、第
7図に示した第3レンズ及び像面の配置をより具体的に
示す概略図、第9図は、第8図におけるL/Rの変化に対
するuの変化の一例を示すグラフ、第10A図及び第10B図
は、回転多面鏡及び第3レンズによる像面湾曲及びfθ
特性の補正による効果を示すグラフ、第11A図乃至第11F
図は、|C・Z|の数値を変化させた際の回転多面鏡の反射
面に集束された光ビームのfθ特性変化及び周辺光の集
光状態の変化を示すグラフである。 2……半導体レーザ素子、4……ガラスレンズ、6……
第1プラスチックレンズ、8……第2プラスチックレン
ズ、10……回転多面鏡、12……第3プラスチックレン
ズ、14……防塵ガラス、16……感光体、30……絞り、32
……LDホルダ、34……鏡筒、36……ウェーブワッシャ、
38……押え部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 成人 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝柳町工場内 合議体 審判長 田部 元史 審判官 町田 光信 審判官 松本 邦夫 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ビームを発光する光源と、 凸状の反射面を有し、この凸状の反射面にて前記光源か
    ら発光された光ビームを反射し、走査対象物に向けて前
    記光ビームを走査する回転多面鏡と、 トーリック面を有し、前記回転多面鏡にて走査された光
    ビームを前記走査対象物上に結像する結像レンズとを具
    備し、 前記回転多面鏡の反射面から前記走査対象物間での距離
    をZ(mm)、 前記結像レンズのトーリック面側のレンズ面の主走査方
    向での光軸中心における曲率をCとしたとき、 0.6≦|C・Z|≦0.85 を満たすように構成したことを特徴とする光学装置。
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