JP3148992U - 自動車のための直接噴射による内燃ディーゼルエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンのサイズを可能な限り小さく維持しつつ、エンジンを十分に冷却して、安定した高性能、低燃費、高い信頼性を実現する。【解決手段】自動車のための排気量の小さい直接噴射ディーゼルエンジンが開示されている。このエンジンは、一直線上に配置された多数のシリンダを備えている。各シリンダには2つの吸気バルブと2つの排気バルブとが設けられており、これらは、シリンダヘッド内に配置された2つのカムシャフトによってロックアームで駆動される。吸気開口部(2、3)および排気開口部(4、5)は、エンジン全体のサイズを大幅に減じるとともに、インジェクタ装置がそれらの中央に収容され、また、予熱プラグがその片側において1つの吸気開口部と1つの排気開口部との間に収容できるように配置されている。さらに、吸気管および排気管(6、7、8)が形成されており、エンジン性能を最大限とし、燃料消費を最小限としている。【選択図】図1

Description

本考案は、自動車のための直接噴射による内燃ディーゼルエンジンに関する。このエンジンは、一列に並ぶ多数のシリンダを備えている。
さらに詳しくは、本考案は、そのようなタイプの排気量の小さい(各シリンダについて、550cc程度、またはそれよりも小さく、250cc程度まで)エンジンに関する。このエンジンは、寸法が非常に小さく、燃料消費も少ない。
このタイプのエンジンにおいては、一方において、安定した高性能、低燃費、高い信頼性が要求されている。これらのためには、エンジンを十分に冷却することが要求される。また他方においては、多様な吸気管および排気管、インジェクタおよび予熱プラグのためのシート(seat)、冷却液のための流路、およびバルブ駆動機構のためのスペースを確保することが要求される。これらのことは、エンジンのサイズを可能な限り小さく維持しつつ行われる。
本考案は、上述のすべての要求を十分に満たすことである。
本考案によって、上述のタイプのエンジンが提供される。本考案のエンジンは、以下の特徴を組み合わせてなる。
a)エンジンは、各シリンダに対して、それぞれが吸気バルブを受ける2つの吸気開口部と、それぞれが排気バルブを受ける2つの排気開口部とを備えるシリンダヘッドを備えている。各開口部は、吸気管および排気管の端部によって形成されている。吸気管および排気管は、シリンダヘッド内に形成されており、該ヘッドの長手方向に平行な対向する長手方向側壁上に開口している。各シリンダは、この長手方向に沿って配置されている。
b)各シリンダに関連する2つの吸気開口部および2つの排気開口部の各軸は、それぞれ2つの平面内に配置されている。これらの平面は、シリンダヘッドの長手方向を実質的に横断する方向に延びており、吸気管および排気管の終端部は、各開口部に開口している。少なくとも1つの吸気開口部および1つの排気開口部に関しては、各管がシリンダに対して接線方向に延びている。
c)各シリンダに関連する2つの吸気開口部および2つの排気開口部は、平面図において、台形のコーナ部に配置されている。この台形の基部(すなわち、台形の底辺)は、シリンダヘッドの長手方向側壁に対して平行である。
d)シリンダヘッドは、各シリンダのインジェクタのためのシートを備えている。各シートは、シリンダの中央に配置されている。
e)2つの吸気バルブは、下方側の一点に向かって集中するように延びる軸に沿って配置されている。各軸は、鉛直方向に対して4°以下の角度(好ましくは、2〜3°)で傾斜している。
f)2つの排気バルブは、下方側の一点に向かって集中するように延びる軸に沿って配置されている。各軸は、鉛直方向に対して4°以下の角度(好ましくは、2〜3°)で傾斜している。
g)吸気バルブおよび排気バルブは、シリンダヘッド内に設けられた2つのカムシャフトによってロックアーム(rocker arm)で駆動される。
h)2つの吸気管のうちの1方は、その終端部に絞り部を有している。この絞り部によって、流れは、実質的にシリンダに対して接線方向に向くこととなる。
i)シリンダヘッドは、各シリンダに対して予熱プラグのためのシートを備えている。このシートは、シリンダヘッドの一方側を向いた吸気開口部と排気開口部との間において、傾斜した軸に沿って配置されている。
第1の具体例においては、第1の吸気開口部は、シリンダに対して接線方向に向けられた管の終端部に配置されている。これに対して、第2の吸気開口部は、渦巻き形状の管の端部に配置されている。第2の吸気開口部は、シリンダ内に流入する流れの方向で考えて、第1の吸気開口部の下流側に配置されている。
一変形例においては、両方の吸気開口部がシリンダに対して接線方向に向けられた管の終端部に配置される。
図示の例においては、本考案のエンジンは、4つのシリンダを一直線上に備えている。図1は、1つのシリンダについてシリンダヘッドの一部分を示している。他のシリンダは、シリンダヘッドの長手方向X-Xに沿って位置決めされている。参照数字1で示されるシリンダヘッド本体は、軽合金で作られている。各シリンダの本体1は、2つの吸気開口部2、3と2つの排気開口部4、5を有している。吸気開口部2、3および排気開口部4、5は、シリンダ内へと開口する2本の吸気管6、7および1本の排気管8の開口端部によって構成されている。排気管8は、2つの部分に枝分かれして、排気開口部4、5へと至っている。各管6、7、8の吸気開口部2、3および排気開口部4、5とは反対側の端部は、シリンダヘッドの2つの長手方向側壁9、10上に開口している。これらの側壁9、10はヘッド1の長手軸X-Xに対して平行である。
図1に明瞭に示されているように、2つの吸気開口部2、3の軸は、実質的には、長手方向X-Xを横断する平面内に位置している。この結果、吸気管6の端部は、吸気開口部3に連通する。また、吸気管6は、シリンダに対して接線方向に延びることとなるように吸気開口部2の周辺に設けなければならない。これによって、エンジン作動時に、燃焼チャンバ内における流体の動的コンディションを非常に良好に維持することができる。
同様に、2つの排気開口部4、5の軸も、実質的には、シリンダヘッド1の長手方向X-Xを横断する平面内に位置している。
図2を参照すると、排気開口部4、5には、排気バルブ11、12が設けられている。同様に、吸気開口部2、3には、吸気バルブ(図示せず)が設けられている。ヘッドのすべてのシリンダの排気バルブ11、12および吸気バルブは、2つのカムシャフト13、14によって駆動される。これらのカムシャフト13、14は、ヘッド1の上表面に固定された蓋17によって、軸15、16を中心として回転可能に支持されている。公知の構成によれば、バルブは、カムシャフト13、14のカムによってロックレバー18、19を介して駆動される。各レバーは、20および21で示される部分において流体タペットに連結されており、その反対側の端部22、23においてバルブを操作する。
ロックレバーは、その中央領域に、自由回転ローラ24、25を備えている。これらのローラは、それぞれカムシャフトのカムと協働し、そのときにスライドすることはない。
図2に明瞭に示されるように、吸気バルブおよび排気バルブの軸線は、鉛直線に対してごく僅かに(好ましくは、3°以下)傾斜しており下方にある一点で交わる。この特徴により、4つのバルブの間に、各シリンダと関連するインジェクタ装置のためのシート26を配置するスペースを提供することができる。シート26は、各シリンダの4つのバルブ間の中央において、インジェクタ装置を鉛直に支持できる形状とされている。バルブが傾斜しているので、この領域に残されたスペースは、インジェクタ装置、関連する流体ライン(供給ラインおよび戻しライン)、および関連する電気ワイヤを配置するとともに、シート壁部内に冷却チャンネルを確保するのに十分なものとなっている。
さらなる特徴によれば、2本の吸気バルブと2本の排気バルブとが平面図(図1)において台形のコーナ部に配置されており、その台形の基部(すなわち、台形の底辺)は、シリンダヘッド1の長手方向側壁9、10と平行である。特に、吸気バルブ3と排気バルブ5との間隔は、他の2つのバルブ間の間隔よりも大きい。このように、バルブ3と5との間には、各シリンダに関連する予熱プラグのためのシート27を配置するのに十分なスペースが残されている。
本考案のさらに重要な特徴は、吸気管7が水平面に対してごく僅かに傾斜した方向に沿って配置されていることである。この特徴により、吸気開口部2を介してシリンダ内に向かう流れは、その成分のほとんどがシリンダの軸に垂直な面にほぼ平行方向となり、シリンダの軸方向に沿う方向成分はごく僅かとなる。これによって、エンジン作動時に、燃焼チャンバ内において大変良好な流体の動的コンディションを確保することができる。
さらなる特徴は、吸気管7が絞り部28を吸気開口部2の近傍に有していることである。この絞り部によって、吸気開口部2を介して流入する流れが、より接線方向に近づき、またその速度が増加される。
図示の例においては、吸気開口部3に至る吸気管6の端部が渦巻状部分(scroll-shaped portion)を有しており、これによって、そこから流出する流れが渦を巻くようになる。図1から明らかなように、吸気開口部3に関連する渦巻状部分は、シリンダ内へと向かう流れの接線方向を基準として考えた場合に、第1の吸気開口部2よりも下流側に設けられている。この構成は選択されたものであって、その結果、渦巻状部分はインジェクタシート26の方を向く薄い壁部を有することとなる。これにより、インジェクタシートのために利用可能なスペースがより多く残され、渦巻きの設計を制限なく最適化することができる。吸気開口部3に関連する渦巻状部分は第1吸気開口部2の下流側に設けられているが、吸気開口部2を介してシリンダに流入する流れが渦巻状部分から流入する流れに影響を及ぼすことはない。何故なら、絞り部28の位置および形状によって、流れの方向がより接線方向に近づくとともにその速度も増加し、流れがシリンダ壁部に向けて強く押圧されるからである。そして、この流れは、実質的に流れの方向を一致させた状態で、吸気管6の渦巻状部分から流入する螺旋状の流れと出会うのである。これによって、有害な干渉を回避することができる。渦巻状部分が流れ方向下流側に配置されている場合、通常ではこのような干渉が生じる。他方において、このような渦巻状部分の配置は有利である。何故なら、このような配置を採用することによって、吸気管6の端部が完全に接線方向となり、シリンダ軸に対する距離を最も大きくすることができるからである。既に説明したように、吸気開口部3に関連する渦巻状部分を他方の吸気開口部よりも上流側に配置しても、インジェクタシートのための十分なスペースは確保できないと考えられる。何故なら、渦巻状部分のインジェクタの方を向く壁部が厚くなるからである。さらに、このような渦巻状部分を上流側に配置する構成では、スクリューを固定するためのボス40と吸気管7の端部との間に吸気管6を形成することができない。吸気管7を渦巻き状に形成すると、鉛直方向にも半径方向にもサイズが大きくなり、バルブ戻しスプリング(図2において参照数字29で示している)の支持面の位置が高くなる。この結果、カムシャフト13、14の軸の位置も上方へと移動させなければならない。
絞り部28の他の利点は、該絞り部28が、冷却液のためのチャンネルを形成するのに十分なスペースを吸気開口部2と排気開口部4との間に残しているということである。この結果、冷却液チャンネルを吸気管7の下方に形成する必要がなくなり、吸気管7を水平面に対してごく僅かに傾斜した方向に沿って形成することができる。これによって、シリンダ内に流入する流れのシリンダ軸方向成分が非常に小さくなるという上述の利点を達成することができる。
既に説明したように、燃焼チャンバの小さなサイズや形状、および有効な分解(fraction)に影響を及ぼすことのない範囲でバルブが鉛直方向に対して僅かに傾斜していてもよい(好ましくは、2〜3°)。このようにして、バルブサイズを減じることなく、バルブスプリングやインジェクタ、およびインジェクタに関連するシートを収容するのに必要なスペースをさらに確保することができる。このことは、全体サイズが一定のシリンダヘッドに対して、バルブの軸をより外側に配置する場合に必要となるであろう。
既に説明したように、バルブを台形のコーナ部に配置することによって、ヘッド本体の予熱プラグハウジングとそれに隣接するバルブとの間に存在する部分の良好な冷却を確保しつつ、予熱プラグを容易に収容することができる。さらに、台形状の配置によって、流体の動的特性を犠牲にすることなく、固定ネジのボス40と吸気管7の端部部分との間に吸気管6を通すための十分なスペースを確保することができる。さらに、エンジン全体のサイズを変更することなく、また、バルブ駆動機構をシンプル、軽量、かつ低摩擦に保ったままで、すべての要素に必要なスペースを確保することができ、試験結果も良好である。公知の解決方法においては、この問題は、バルブを四角形のコーナ部に配置することによって解決していた。ただ、その四角形は、反時計回り方向に10〜20°だけ回転していた(図1を基準として)。しかしながら、この解決方法はあまり有利ではない。何故なら、複雑で、重量が高く、高価なバルブ駆動機構が必要となるからである。その理由は、バルブを傾けて配置するのが困難であって、バルブシートおよびガイドの加工を異なる面内にしなければならないからである。
予熱プラグを上述のように挿入することができるので、バルブの傾斜を上述の制限以下に減じることができる。
略述すると、上述のすべての基準は、バルブをエンジンの軸に平行な2つの面上で少し傾斜させ、かつ、パワー吸収が少なくシンプルで信頼性の高いバルブ駆動機構を使用して、非常に良好な性能を有する管を得ることを確実とする。これらのすべては、エンジン高さを増大することなく、オイル環境に対して流体的または電気的なカップリングを与えることもない。本考案のシステムは、通常のタイプのインジェクタ装置に対しても適合するが、主として、いわゆる共同噴射方式システムの電子インジェクタを収容するものと考えられる。この場合、電子インジェクタの上部コントロールユニットを収容するのに十分なスペースを2つのカムシャフトの間に有することが非常に重要である。電子インジェクタは、直径が大きく、上述の3つのコネクションを備えている。
上述の解決方法によって、設計に対する多様な要求間における最善の折衷案を提供でき、したがって、従来技術における全ての解決方法よりも好ましい。
本考案のエンジンの更なる特徴は、冷却液を循環させるためにシリンダヘッド内に形成されたジャケットが以下に起因する形状を有していることである。すなわち、シリンダヘッドを形成するのに使用された鋳型内に、水平方向に2つに分割された分割片を重ね合わせてなる中子が提供されている。また、2つの分割片の間には分割ダイヤフラムが配置されている。この結果、シリンダヘッドが、インジェクタシート近傍において互いに接続された上部ジャケットと下部ジャケットとを備えることとなっている。これらは、シートを囲う環状の形状となっている。このことは、分割ダイヤフラムを途中で中断することによって達成できる。このような構成の結果、下部ジャケット内の冷却液の流れを利用して、特にバルブシート間や、排気バルブのシート5およびこれに関連する排気管8と予熱プラグのシートとの間のブリッジ状部分において、非常に良好な冷却を得ることができる。下部ジャケット内の冷却液は、ヘッド下面に対して平行に、そして、上部ジャケットへの連通通路に向かって実質的に中心向きの方向に流れる。連通通路によって得られる鉛直方向の流れ(シリンダの軸に対して平行)によって、インジェクタシートの冷却が最大限とされる。
図示の具体例は、接線方向の吸気管および渦巻き状の管を備えているが、両方の吸気管を接線方向とすることもできる(図10参照)。この後者の解決方法によれば、エンジンをさらに小型化することができる(各シリンダを250ccまで、またはそれよりも小さく)。このようなことが行われるのは、電子インジェクタ(または通常のインジェクタ)を実質的に同一のサイズに保ちつつシリンダ直径を減じる必要があり、その場合、バルブを収容するために使用できる半径方向のスペースが大幅に減じられるからである。この結果、バルブ直径、そしてさらにはバルブシートの最小径が大幅に減じられる。エンジンに取り入れられる空気に高いモーメントを与えるべきであって、シリンダ直径が減じられるとこのモーメントを増大させるべきであると考えられる。渦巻き状の管を使用した場合、バルブシートの狭い部分を通過する際の渦巻空気の加速が圧力ロスの原因となり、エンジンへの充満が失われる。シリンダ直径が非常に小さい場合、このことが過大となる。この欠点は、直径/ストローク比を1よりもかなり大きくして、バルブ直径の大幅な低下を回避することによって克服できる。しかしながらこのことは、直接噴射のディーゼルエンジンにおいては、燃焼チャンバの有効利用という観点からは過度のロスにつながり、また、表面積/容積比に依存して熱のロスにもつながる。これらの2つのパラメータは、排気量の小さいエンジンにおいてはまだ臨界レベルである。しかしながら、両方とも接線方向である2つの管を使用することによって、バルブシートの狭い領域を通過する渦巻部によって生じる渦状の流れに起因する圧力/エンジンへの充填のロスを除去してこの欠点を克服することができる。もっとも、この場合には、バルブシートの上流側には渦巻きは発生せず、管の絞り部(例えば、図3の部分28)において達成される速度は、シリンダ内におけるディーゼルオイルの混合および燃焼に要求される接線方向速度を生じさせ得るものとなる。上述の管の絞り部はその断面積がバルブシートの断面積よりも小さく、また、バルブシートの上流側には渦巻きが存在しないので、シリンダ内における燃焼を確実とするのに必要な接線方向速度を作り出すために要求される圧力差を越える圧力差が生じることはない。
エンジンサイズをできるだけ小さくするために、本考案による予熱プラグの配置が大変有益であると考えることもまた重要である。
図3は、吸気管7を示しており、CS、CV、CFは、それぞれ、絞り部の中央部、バルブの中央部、管の中央部を示している。この管は、シリンダヘッドの側壁9上に開口している。好ましい具体例においては、CFとCSを結ぶ直線とCFとCVを結ぶ直線とが為す角αは、0〜5°である。また、CVとCSを結ぶ直線がCFとCSを結ぶ直線との間に為す角βは、10〜15°である。
図4を参照すると、吸気管7の断面の上方の輪郭は、バルブシート近傍において実質的に直線状の部分Xを有している。この直線状部分Xは、シリンダヘッド1の基準面に対して角度i1(40〜45°)だけ傾斜している。直線状部分Xは、実質的にバルブシートの内縁まで延びている。吸気管7の断面の下方の輪郭は、角度i2(15〜25°)だけ傾斜しており、バルブシートの内縁から距離S(2〜4mm)だけ離れたP点にまで延びている。図5の断面図においては、シリンダの周縁側を向く側(すなわち、図5の左側)における管断面の輪郭は、従来と同様に凹状である。これに対して、その反対側は、公知のものに反して凸状である。最後に、管の軸は、中央CVとシリンダの軸Yとを結ぶ直線に対して角度δ(90°)+角度γ(0〜30°)だけ傾斜している。
図7〜9は、吸気管6を流れの方向で示している(渦は無い)。吸気管6の終端部は、シリンダヘッド1の基準面に対してφ(25〜35°)だけ傾斜している。管断面(図8参照)は、実質的にバルブの直ぐ上の領域までは矩形であって、側部L1とL2との比率L1/L2は1.1〜1.4である。図7の断面においては、吸気管6の上部の輪郭はバルブシートの内縁まで延びているが、下側の輪郭は、バルブシートの内縁から距離S(2〜4mm)だけ離れた点Pから始まっている。直線CVYは、その終端部においては、吸気管6の軸に対して直角である(δ=90°)。管の直線部分の長さはlであって、このlは、バルブの直径DVの2〜3倍である。またこの例では、図9の断面図において、管は、シリンダの中央を向く側(右側)が凸状である。
本考案のエンジンの他の利点は、吸気バルブと排気バルブとが同一のものであるということである。これによって、バルブシートおよびバルブガイドの加工工程が簡単化される。
純粋に例示として図示し説明したものに対して、本考案の範囲から逸脱することなく、考案の原理は同じままで、構造および具体例の詳細を広範囲に変更できることは当然である。
なお、図11、12には、「吸気側側壁9」「排気側側壁10」「台形形状」「各開口部2、3、4、5」「予熱プラグのシート27」の位置関係を模式的に示した。図11は、図1上に当該位置関係を表したものであり、図2はポイントとなる事項のみを抽出して(デフォルメして)模式的に示したものである。
図12では、思想たる考案の内容をより明確に表すため、図11に比べて台形形状を誇張して描いている。
「吸気側側壁9」と「排気側側壁10」が平行で、「台形の底辺」と「排気側側壁10」が平行で、「台形の上辺」と「吸気側側壁9」が平行であるから、結局、「吸気側側壁9」「排気側側壁10」「台形の底辺」「台形の上辺」のすべてが互いに平行となる。
そして、図12からよく分かるように、吸気管6、7は吸気側側壁9に開口していて、台形の上辺(短辺)は、この吸気側側壁9に面して当該側壁9と平行に配置されている。
ここで、一方の吸気開口部3は台形の底辺(長辺)上に位置し、他方の吸気開口部2は台形の上辺(短辺)上に位置しているので、2つの吸気開口部2、3の両方に対して、吸気側側壁9から当該側壁に直交する直線を並列に描くことができる(参考図2中の矢印A、B)。すなわち、両方の吸気開口部2、3に対して、吸気側側壁9から最短距離で吸気管6、7を設けることができる。
上記構成の結果、「吸気管6、7を通ってシリンダに向かう吸気の空気圧ロスを減じることができる」というメリットが得られる。
一般に、吸気開口部に向かう吸気管は、長くなる程、また湾曲する程に、空気圧のロスが大きくなる。本願考案では、上述の通り、2つの吸気開口部2、3に対して、それぞれ吸気側側壁9から最短距離で吸気管6、7を設けることができるので、空気圧のロスを最小限に抑えることが可能となる。
シリンダヘッドの部分平面図。このシリンダヘッドは、本考案の第1具体例のエンジンの一部を構成する。 図1のII-II線断面図。 図1の詳細を示す別の断面図。 図3のIV-IV線断面図。 図3のV-V線断面図。 図1の詳細を示す他の断面図。 図6のVII-VII線断面図。 図6のVIII-VIII線断面図。 図6のIX-IX線断面図。 本考案の第2具体例に係る、図1の変形例を示している。 本考案における、吸気開口部および排気開口部の台形形状配置を模式的に説明する図。 本考案における、吸気開口部および排気開口部の台形形状配置を模式的に説明する図。
符号の説明
1 本体
2、3 吸気開口部
4、5 排気開口部
6、7 吸気管
8 排気管
9、10 壁部
13、14 カムシャフト
15、16 回転軸
17 蓋
18、19 ロックレバー
24、25 自由回転ローラ
26 インジェクタシート
27 予熱プラグシート
28 絞り部
29 バルブ戻しスプリング
40 ボス

Claims (3)

  1. 一直線上に並ぶ多数のシリンダを備える自動車のための直接噴射式の内燃ディーゼルエンジンであって、以下のa)〜i)の特徴を備えることを特徴とする、ディーゼルエンジン。

    a)エンジンは、各シリンダに対して、それぞれが吸気バルブを受ける2つの吸気開口部(2、3)と、それぞれが排気バルブ(11、12)を受ける2つの排気開口部(4、5)とを備えるシリンダヘッド(1)を備えており、
    各開口部(2〜5)は、シリンダヘッド(1)内に形成されるとともにその他端が該ヘッドの長手方向(X-X)に平行に対向して延在する吸気側および排気側の側壁(9、10)上に開口している吸気管(6、7)および排気管(8)の端部によって形成されており、吸気管(6、7)は吸気側側壁(9)上に開口し、排気管(8)は排気側側壁(10)上に開口しており、
    各シリンダは、この長手方向に沿って配置されている。

    b)各シリンダに関連する2つの吸気開口部(2、3)および2つの排気開口部(4、5)の各中心軸は、それぞれ、シリンダヘッド(1)の長手方向(X-X)を実質的に横断する方向に延びる2つの平面内に配置されており、
    吸気管および排気管の終端部が各開口部に開口しており、これらの各管は、シリンダに対して接線方向に延びている。

    c)各シリンダに関連する2つの吸気開口部(2、3)および2つの排気開口部(4、5)は、平面図で見た場合に、これら4つの開口部(2、3、4、5)が台形形状の4つのコーナ部に配置されていて、1つの吸気開口部(3)と1つの排気開口部(5)とを結ぶ当該台形の底辺はシリンダヘッドの排気側側壁(10)に対して平行で、他の吸気開口部(2)と他の排気開口部(4)とを結ぶ当該台形の上辺はシリンダヘッドの吸気側側壁(9)に対して平行である。

    d)シリンダヘッド(1)は、各シリンダのインジェクタのためのシート(26)を備えており、各シートは、シリンダの中央に配置されている。

    e)2つの吸気バルブは、実質的に下方側の一点に向かって集中するように延びる軸に沿って配置されており、各軸は、鉛直方向に対して4°以下、好ましくは、2〜3°の角度で傾斜している。

    f)2つの排気バルブ(11、12)は、実質的に下方側の一点に向かって集中するように延びる軸に沿って配置されており、各軸は、鉛直方向に対して4°以下、好ましくは、2〜3°の角度で傾斜している。

    g)吸気バルブおよび排気バルブは、シリンダヘッド内に設けられた2つのカムシャフト(13、14)によってロックアーム(18、19)で駆動される。

    h)2つの吸気管のうちの1方(7)は、その終端部に絞り部(28)を有しており、この絞り部によって、空気流は、シリンダに対して接線方向に強く方向付けされる。

    i)シリンダヘッド(1)は、各シリンダに対して予熱プラグのためのシート(27)を備えており、このシートは、前記台形の底辺を構成する吸気開口部(3)と排気開口部(5)との間において、前記台形の底辺に沿って配置されている。
  2. 第1の吸気開口部(2)がシリンダに対して接線方向に向けられた管の終端部に設けられており、
    第2の吸気開口部(3)が渦巻き状の管の終端部に配置されており、
    第2の吸気開口部(3)は、シリンダ内における流れの接線方向を基準に考えて第1の吸気開口部(2)の下流側に配置されていることを特徴とする、請求項1記載のディーゼルエンジン。
  3. 両方の吸気開口部(2、3)がシリンダに対して接線方向に向けられた管の終端部に配置されていることを特徴とする、請求項1記載のディーゼルエンジン。
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