JP3147399U - 波力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1基の設置で高い発電能力を発揮可能であり、しかも設置面積に比して大出力を得ることができる新たな波力発電技術を提供する。
【解決手段】複数の架台2,2が波の進退方向に合致する向きに平行に固設し、無端帯4が海面上所定高さ位置を維持して周回自在となるよう組み込まれると共に、該無端帯4外周の周回方向所定単位長毎に、同所定単位長よりも短い縦寸法とした翼板5,5,……が、波の進行方向に抗して無端帯4外周に鉛直姿勢を保持し、波の後退方向には鉛直姿勢を解除して倒伏自在とする支持機構6を介して連結され、同無端帯4軌道の下方位がわでは、先端がわを海水8内に没しさせてしまうようにした上、無端帯4の周回駆動力で発電機7を駆動し得るものとした。
【選択図】図5

Description

この考案は、波力発電に関するものであり、波力発電装置を製造する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
近年、世界各地で様々な異常気象、およびそれに伴う旱魃や砂漠化、集中豪雨、洪水、竜巻、台風の大型化などの自然災害が多発しており、その原因物質として化石燃料を燃やすときに発生する二酸化炭素の大気中に占める割合が長期的に増加し続けていることが指摘されている外、化石燃料には、いずれは枯渇してしまうという懸念や、新興国のエネルギー需要の増加による需給情勢の悪化などの不安があり、世界規模で化石燃料の使用量を削減する努力がなされるようになり、国内でも太陽電池や自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機などの普及が盛んに行われるようになってきている。
このような発電や給湯システムの外にも、水力、地熱、風力および波力など様々な持続可能なクリーンエネルギー利用の発電技術が開発されているが、現在実用化されている発電装置の殆どは太陽光発電や風力発電であり、海に四方を囲まれ、波力発電に適すると考えられる我が国にあっても、海底や海岸付近に設置しなければならない水力発電装置は、それ以外の発電装置に比較して曳航費用や海上およい海底工事費用などの設備投資が嵩み、設置後もメンテナンス作業やその安全の確保が難しいなどの課題があって、これまでは少数の実用化がなされているのに留まっているというのが実情であった。
(従来の技術)
こうした状況を憂慮し、例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、発電機の回転軸に連結させた長軸に多数の径、長さが同じか異なる翼を放射状に取り付け、これらの翼を横に切断し、それらの片面同士を同一方向に順次、定めた方向には折れるが、その逆方向には、水平以上開けないよう蝶番等で繋ぎ、波に平行に、この長軸がその下に軸回転出来るように保持されたものとし、沖から押し寄せる波の上昇時に一方の水平の片翼は折れず、対の他方の片翼は折れて、その受圧面積に差を生じて回転し、波の下降時にもこの逆の事がおこるが周回方向は変わらず、更に波長に適した翼長により、長軸には常に平滑な一定方向の回転力が発生するようにしてなるものや、同特許文献1(2)に見られるような、海面下に縮流部を設けた漏斗状構造物を浮体によって海面上に設置し、上下動する波力エネルギーを縮流部を通過する往復水流に変換し、この往復水流の周期に同期して反転揺動する動翼を備えた軸流タービンによって回転主軸を一方向に回転させて発電機によって発電を行うようにしたものなどが散見される。
しかし、前者特許文献1(1)に示されているような1本の軸毎に複数枚の翼を設けてなるようなものは、軸毎に得られる発電力が低く、効率的な発電が難しいものであり、大出力を得ようとする場合には多数基の設置が不可欠となり、経済的に不利であるという欠点を有するものであり、また、後者特許文献1(3)に代表するタービンを内蔵した縮流部を海面下に設けたようなものは、上下動する波力エネルギーを縮流部を通過する往復水流に変換した後に、タービンを回転するようにしたものであり、縮流部に流入した水流のエネルギーしか取り出すことができず、縮流部から外れた波のエネルギーは全く取り出すことができず、効率的な発電が難しいということが懸念されるものであった。
(1)特開2000−154774号公報 (2)特許公開平9−144642号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種の波力発電装置は、大出力を得るには、多数基の設置が必要であったり、あるいは、設置面積に相当する波力の一部しか発電に用いることができないものであるなど、設置に要する費用が大きい割に、発電力を大きく確保することが困難なものであるという欠点があったことから、1基設置するだけで、従来型の装置を複数基設置したのと同等の発電力を発揮可能であり、しかも設置面積に比して大出力を得ることが可能となる波力発電技術については未だ存在しないという状況にある。
(考案の目的)
そこで、この考案は、1基の設置で高い発電能力を発揮可能であり、しかも設置面積に比して大出力を得ることができる新たな波力発電技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の波力発電装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(考案の構成)
図面に示すこの考案を代表する実施例からも明確に理解されるように、この考案の波力発電装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、所定間隔を隔てて平行する複数の架台が、夫々の向きを波の進退方向に合致させ、海面上所定高さ位置を維持するようにした配置具合として固設された上、各架台には、各々の軸線を通る垂直面かそれに平行する面かの何れかの面内で、所定間隔置きに配した回転支軸を経由して周回自在となるようにした無端帯を組み込むと共に、これら無端帯の中、対峙する架台間において相対することとなる無端帯外周には、その周回方向所定単位長毎に、同所定単位長よりも短い縦寸法であって、対峙する無端帯の間隔に収まる横幅寸法とした翼板が、何れも波の進行方向に抗して無端帯外周に鉛直姿勢を保持し、波の後退方向には鉛直姿勢を解除して倒伏自在とする支持機構を介して連結され、同無端帯軌道の下方位がわでは、その自重で自動的に鉛直姿勢に移行して海水内に先端がわを没しさせてしまうようにした上、少なくとも何れか1本の回転支軸か、無端帯の適所かの中の少なくとも何れか一方で発電機を駆動し得るものとした構成を要旨とする波力発電装置である。
この基本的な構成からなる波力発電装置をより具体的なものとして示すと、所定間隔を隔てて平行する複数の架台が、夫々の向きを波の進退方向に合致させ、海面上所定高さ位置を維持するようにした配置具合として固設された上、各架台には、各々の軸線を通る垂直面かそれに平行する面かの何れかの面内で、所定間隔置きに配した回転支軸を経由して周回自在となるようにした無端ベルト製、無端索条製または無端チェーン製の1あるいは複数の無端帯を側面長円形状となるよう組み込むと共に、これら無端帯の中、対峙する架台間において相対することとなる無端帯外周には、その周回方向所定単位長毎に、同所定単位長よりも短い縦寸法であって、対峙する無端帯の間隔に収まる横幅寸法とした翼板が、何れも波の進行方向に抗して無端帯外周に鉛直姿勢を保持し、波の後退方向には鉛直姿勢を解除して倒伏自在とする支持機構を介して連結され、同無端帯軌道の下方位がわでは、その自重で自動的に鉛直姿勢に移行して海水内に先端がわを没しさせてしまうようにした上、少なくとも何れか1本の回転支軸か、無端帯の適所かの中の少なくとも何れか一方で発電機を駆動し得るものとした構成からなる波力発電装置となる。
この基本的な構成からなる波力発電装置を表現を変えて示すと、所定間隔を隔てて平行する複数の架台が、夫々の向きを波の進退方向に合致させ、海面上所定高さ位置を維持するようにした配置具合として固設された上、各架台には、各々の軸線を通る垂直面かそれに平行する面かの何れかの面内で、所定間隔置きに配した回転支軸を経由して周回自在となるようにした無端帯を組み込むと共に、これら無端帯の中、対峙する架台間において相対することとなる無端帯外周には、設置海域平常時の平均波間長値を1単位とする周回方向単位長毎に、同単位長よりも短い縦寸法であって、対峙する無端帯の間隔に収まる横幅寸法とした翼板が、何れも波の進行方向に抗して無端帯外周に鉛直姿勢を保持し、波の後退方向には鉛直姿勢を解除して倒伏自在とする支持機構を介して連結され、同無端帯軌道の下方位がわでは、その自重で自動的に鉛直姿勢に移行して海水内に先端がわを没しさせてしまうようにした上、少なくとも何れか1本の回転支軸か、無端帯の適所かの中の少なくとも何れか一方で発電機を駆動し得るものとした構成からなる波力発電装置となる。
さらに、別の表現で示すと、所定間隔を隔てて平行する複数の架台が、夫々の向きを波の進退方向に合致させ、海面上所定高さ位置を維持するようにした配置具合として固設された上、各架台には、各々の軸線を通る垂直面かそれに平行する面かの何れかの面内で、所定間隔置きに配した回転支軸を経由して周回自在となるようにした無端帯を組み込むと共に、これら無端帯の中、対峙する架台間において相対することとなる無端帯外周には、設置海域平常時の平均波間長値の約数または倍数の何れか一方を1単位とする周回方向単位長毎に、同単位長よりも短い縦寸法であって、対峙する無端帯の間隔に収まる横幅寸法とした翼板が、何れも波の進行方向に抗して無端帯外周に鉛直姿勢を保持し、波の後退方向には鉛直姿勢を解除して倒伏自在とする支持機構を介して連結され、同無端帯軌道の下方位がわでは、その自重で自動的に鉛直姿勢に移行して海水内に先端がわを没しさせてしまうようにした上、少なくとも何れか1本の回転支軸か、無端帯の適所かの中の少なくとも何れか一方で発電機を駆動し得るものとした構成からなる波力発電装置となる。
以上のとおり、この考案の波力発電装置によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、進退移動する海域か、一定方向に流れのある海域かの何れか一方に適切に設置した1基の設置にて、1軸型の従来のものに比較して各段に高い発電能力を発揮可能であり、しかも設置面積に比して大型の翼板を複数枚設置可能として大出力を得ることができるものとなり、発電効率を各段に高めることができるという秀れた特徴が得られるものである。
加えて、無端ベルト製、無端索条製または無端チェーン製の1あるいは複数の無端帯を側面長円形状となるよう組み込まれたものは、無端帯それ自体の周回抵抗を大幅に低減するものとなって、より一段と効率的な発電を実現化するものとなり、無端帯外周の設置海域平常時の平均波間長値を1単位とする周回方向単位長毎に、同単位長よりも短い縦寸法の翼板を設けたものの場合には、連続して押し寄せる波頭の一つ一つが各翼板の配置に一致して、波力を効果的に受けて発電効率を各段に高めることが可能となり、また、無端帯外周への各翼板の配置を、設置海域平常時の平均波間長値の約数または倍数の何れか一方を1単位とする周回方向単位長毎に設定し、各翼板の縦寸法を同単位長よりも短く設定したものの場合は、押し寄せる波頭の間隔が均一でない場合にも、各翼板の中の何れかが必ず波頭をとらえるものとなり、強風や微風などの天候の変化に左右されず、波力を効率的に受けて、さらに高い発電力を発揮するものとなる。
そして、複数の架台を、浅瀬に設置したものは、水深の深い海域に設置したものに比較して、浅い海底に乗り上げて推進力を高めた波を確実に捉えることが可能となり、一段と高く安定した発電力を維持できるものになるという効果が得られる。
上記したとおりの構成からなるこの考案の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
架台は、1または複数の無端帯をその周回方向が、波の進退方向に合致し、海面上所定高さ位置を維持するようにした配置具合とするよう、周回自在に支持可能とするものであり、荒天に伴う荒波にも十分に耐え得る強度を持つよう建造されたものとしなければならず、例えば所定間隔を隔てて平行する合計3以上の架台を設置し、それら平行する対峙面間の夫々に合計2以上の無端帯を装置したものとすることが可能であり、また、当該波力発電装置の複数基を、波の進退方向に直交する方向に隣接するよう横列状に設置したものとすることが可能であって、例えば、後述する実施例に示すように、波の進退方向が確然である水深2mないし10cmの浅瀬に設置してなるものとするのが望ましい。
回転支軸は、海面上所定高さ位置を維持するようにした配置具合として固設された複数の架台に、無端帯を周回自在となるように組み込み可能とする機能を果たし、無端帯が円滑に周回可能とするよう、十分な強度をもって支持可能なものとしなければならず、必要に応じて無端帯の周回移動による回転力を発電機に伝達可能とする機能を兼ねたものとすることができ、無端帯を側面長円形状となるよう支持可能なものとするのが望ましく、必要に応じて中途適所に無端帯の材質や形状などの条件に応じたベルト車、プーリー、スプロケット、歯車などを設けたものとすることができる。
無端帯は、その外周に複数の翼板が、それらの周回軌道の下方位がわにて、各先端がわが海水内に没するよう、自動的に鉛直姿勢に移行可能とするよう連結されてなるものとする機能を果たし、各架台の各々の軸線を通る垂直面かそれに平行する面かの何れかの面内で、所定間隔置きに配した回転支軸を経由して周回自在となるように組み込まれたものとしなければならず、十分な強度を持って回転支軸を経由して周回自在となるように装着し、その外周に各翼板を連結したものとすべきであり、より具体的には無限軌道状か、またはベルトコンベアー状の無端ベルト製、無端索条製または無端チェーン製などとすることができる。
翼板は、海面の進退する波の動きを受けて、無端帯が一定方向にのみ周回駆動可能とするよう、同無端帯の外周に沿って波力伝達可能とする機能を果たすものであり、
周回方向所定単位長毎に、同所定単位長よりも短い縦寸法であって、対峙する無端帯の間隔に収まる横幅寸法とし、波の進行方向に抗して無端帯外周に鉛直姿勢を保持し、波の後退方向には鉛直姿勢を解除して倒伏自在とする支持機構を介して連結されたものとしなければならず、設置海域平常時の平均波間長値を1単位とする周回方向単位長毎に、同単位長よりも短い縦寸法であって、対峙する無端帯の間隔に収まる横幅寸法としたものとすることが可能な外、設置海域平常時の平均波間長値の約数または倍数の何れか一方を1単位とする周回方向単位長毎に、同単位長よりも短い縦寸法であって、対峙する無端帯の間隔に収まる横幅寸法としたものとすることができる。
支持機構は、無端帯外周に対して、波の進行方向に抗して無端帯外周に鉛直姿勢を保持し、波の後退方向には鉛直姿勢を解除して倒伏自在となり、波の進行方向の波力のみを受けて無端帯を周回駆動可能とするよう各翼板を連結可能とする機能を果たし、十分な連結強度をもち、しかも鉛直姿勢から倒伏姿勢へ、また、倒伏姿勢から鉛直姿勢へと円滑に姿勢転換可能なものとしなければならず、後述する実施例に示すように、姿勢制限付きのヒンジ機構や軸着機構とすることができる。
発電機は、少なくとも何れか1本の回転支軸の回転力か、無端帯の周回移動力かの中の少なくとも何れか一方の運動エネルギーを電力に変換可能とするものであり、設置海域の波力から得られる運動エネルギー量に応じて適切な発電力を有するものとしなければならず、回転支軸に直接か、ベルト車やギアボックスなどを介して間接的にかの何れかにて接続されたものとすることができる外、主軸端に設けたベルト車、プーリー、スプロケットまたは歯車などを無端帯の表面か裏面に回転自在に接触して、無端帯の周回駆動力を回転力として取り出し、発電できるようにしたものや、無端帯の帯幅端縁や中央などの適所の全周に渡り、永久磁石をN極、S極交互に連続状に一体化したものとし、電磁誘導による誘導起電力を発生するものなどとすることが可能である。
以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の打ち寄せる波を受ける波力発電装置の側面図、図2の後退する波を受ける波力発電装置の側面図、図3の波力発電装置の正面図、図4の波力発電装置の平面図、および、図5の架台を波線で示した波力発電装置の側面図に示す事例は、複数の架台2,2が波の進退方向に合致する向きに平行に固設し、無端帯4が海面上所定高さ位置を維持して周回自在となるよう組み込まれると共に、該無端帯4外周の周回方向所定単位長毎に、同所定単位長よりも短い縦寸法とした翼板5,5,……が、波の進行方向に抗して無端帯4外周に鉛直姿勢を保持し、波の後退方向には鉛直姿勢を解除して倒伏自在とする支持機構6を介して連結され、同無端帯4軌道の下方位がわでは、先端がわを海水8内に没しさせてしまうようにした上、無端帯4の周回駆動力で発電機7を駆動し得るものとした、この考案の波力発電装置における代表的な一実施例を示すものである。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この考案の波力発電装置1は、波の進退方向が確然である水深2mないし10cmの浅瀬に設置してなるものであり、左右一対をなす架台2,2が、互いに5,700mmの間隔を隔てて平行し、その上端が海面上2,900mmの高さ位置を維持するよう、海底に固設されたものとし、各架台2,2間には、複数本の回転支軸3,3,……が、所定寸法の側面長円形状に沿うよう配置する如く回転自在に掛け渡されたものとなっていて、それら回転支軸3,3,……の外周には、幅5,000mm、前後長13,000mmの金属製無端軌道状か合成ゴム製無端軌道状かの何れか一方からなる無端帯4を巻掛けたものとしてある。
該無端帯4は、その周回軌道の下方位がわ外周が、設置海域の平常時における平均的波頭80高より400mm高い位置に維持されたものとし、同無端帯4の外周には、設置海域平常時の平均波間長値(3,000mm)の約数である1,500mmを1単位とする周回方向単位長毎に、同単位長よりも短い1,000mmの縦寸法に設定し、対峙する無端帯4の間隔に収まる5,000mmの横幅寸法とした複数枚の翼板5,5,……が、何れも波の進行方向に抗して無端帯4外周に鉛直姿勢を保持し、波の後退方向には鉛直姿勢を解除して倒伏自在とする姿勢規制用凸部61を有した軸着体60からなる支持機構6を介して連結されたものとし、図1中に示すように、海水面8に面する該無端帯4軌道の下方位がわでは、各翼板5,5,……が、その自重にて自動的に鉛直姿勢に移行し、各先端がわを海水面8に没するよう寸法設定されたものとしている。
さらに、図3および図4中に示すように、当該複数本の回転支軸3,3,……の中、最も前後端に配置された各一本ずつの端部には、夫々発電機7,7の各主軸70,70が同心状に接続されたものとし、それらの各出力配線71,71が、図示しない外部充電器や送電線の回路に制御回路などを介して接続されたものとしてある。
(実施例1の作用)
以上のとおりの構成からなるこの考案の波力発電装置1は、図1中の白抜き矢印に示すように、打ち寄せる波8が、無端帯4軌道の下方位がわに位置する各翼板5,5,……に波力を伝えて同白抜き矢印方向へと移動させるものとなり、このとき無端帯4軌道下方位がわとなっている各翼板5,5,……は、夫々の支持機構6,6,……、姿勢規制用凸部61,61,……が該無端帯4外周に対して鉛直姿勢に保持するよう自動的に規制し、各翼板5,5,……の先端がわが海水内に没して波8の圧力を確実に受けるものとなり、加えて、各翼板5,5,……が、無端帯4の周回方向に沿って設置海域平常時の平均波間長値(3,000mm)の約数である1,500mmを、1単位とする周回方向単位長毎に配されているから、波頭80,80,……の進行方向に縦列配置された下方位がわに位置する各翼板5,5,……中の2枚に1枚が、波頭80,80,……に合致するものとなり、効率的な周回動作を生じ得るものとなって、同図1中の実線矢印に示すように、該無端帯4が波力によって一定方向に円滑に周回駆動されるものとなる。
また、図2中の白抜き矢印に示すように、後退する波8が、無端帯4軌道の下方位がわに位置する各翼板5,5,……に接触すると、夫々の支持機構6,6,……が各翼板5,5,……の鉛直姿勢を自動的に解除し、無端帯4軌道の下方位がわに位置する各翼板5,5,……が、夫々の軸着体60,60,……周りに倒伏自在となり、波8の波頭80,80,……に倣って倒伏と鉛直姿勢とに自在に移行し、該無端帯4への波力の伝達が自動的に停止され、同無端帯4の周回が一時的に停止された状態となるものである。
図1中に示すように、打ち寄せる波8を各翼板5,5,……に受けて一定方向に周回駆動される無端帯4は、各翼板5,5,……が、同無端帯4軌道の下方位がわに移動して行くと、その自重で自動的に鉛直姿勢に移行して海水内に先端がわを没しさせるものとなり、無端帯4の周回に伴い鉛直姿勢と倒伏姿勢とを連続的且つ自動的に繰り返すものとしてあり、さらに、潮位が高まったり、高波が押し寄せたりして無端帯4の全体が水没してしまうことがあっても、該無端帯4軌道の上方位がわに移動した各翼板5,5,……は、支持機構6にて打ち寄せる波(図示せず)に対して倒伏姿勢となって抵抗の発生を最小限に留め、後退する波(図示せず)には、条件を満たせば水圧を受けて自動的に鉛直姿勢状に立ち上がり、後退する波(図示せず)の水圧を受けて無端帯4の一定方向への周回駆動力に加勢するものとなる。
図3ないし図5中に示すように、当該波力発電装置の最も前後端に配置された各発電機7,7には、波力を受けて周回する無端帯4の駆動力が、各回転支軸3を介して回転力として伝達されるものとなり、効率的な発電および出力を可能とする。
(実施例1の効果)
以上のような構成からなる実施例1の波力発電装置1は、前記この考案の効果の項で記載の特徴に加え、無端帯4に金属製無端軌道状か合成ゴム製無端軌道状かの何れか一方のものを採用しており、金属製無端軌道状のものの場合には、耐久強度を大幅に高めることができ、一段と経済的な利用が可能となり、合成ゴム製無端軌道状のものとした場合には、より静粛な稼働を実現化することができるという利点が得られるものとすることができ、また、各翼板5,5,……の支持機構6が、姿勢規制用凸部61を有する軸着体60からなる簡素な構造としてあり、メンテナンスが容易で耐久強度に秀れ、各段に経済性に秀れたものとすることができる。
(結 び)
叙述の如く、この考案の波力発電装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、従前からの波力発電技術に比較し、製造および設置も容易なものとしているだけではなく、何よりも耐用年数の延長化が図れて遥かに経済的なものとすることができる上、潮の満ち引きや荒天による荒波などにも影響を受けずに安定して発電できるという利便性を兼備していることから、厖大な設置コストやメンテナンスが困難などの理由があって、実用化を進めることができずにいた各種の発電機業界はもとよりのこと、このような課題への対応を怠っていた電力業界や発電業界においても高く評価されることとなり、広範に利用、普及が図られていくことになるものと予想される。
図面は、この考案の波力発電装置の技術的思想を具現化した代表的な一実施例を示すものである。
打ち寄せる波を受けて周回する波力発電装置を示す側面図である。 後退する波を受けて周回を停止する波力発電装置を示す側面図である。 波力発電装置を示す正面図である。 波力発電装置を示す平面図である。 波力発電装置の架台形状を波線で示した側面図である。
符号の説明
1 波力発電装置
2 架台
3 回転支軸
4 無端帯
5 翼板
6 支持機構
60 同 軸着体
61 同 姿勢規制用凸部
7 発電機
70 同 主軸
71 同 出力配線
8 波(海水面)
80 同 波頭

Claims (5)

  1. 所定間隔を隔てて平行する複数の架台が、夫々の向きを波の進退方向に合致させ、海面上所定高さ位置を維持するようにした配置具合として固設された上、各架台には、各々の軸線を通る垂直面かそれに平行する面かの何れかの面内で、所定間隔置きに配した回転支軸を経由して周回自在となるようにした無端帯を組み込むと共に、これら無端帯の中、対峙する架台間において相対することとなる無端帯外周には、その周回方向所定単位長毎に、同所定単位長よりも短い縦寸法であって、対峙する無端帯の間隔に収まる横幅寸法とした翼板が、何れも波の進行方向に抗して無端帯外周に鉛直姿勢を保持し、波の後退方向には鉛直姿勢を解除して倒伏自在とする支持機構を介して連結され、同無端帯軌道の下方位がわでは、その自重で自動的に鉛直姿勢に移行して海水内に先端がわを没しさせてしまうようにした上、少なくとも何れか1本の回転支軸か、無端帯の適所かの中の少なくとも何れか一方で発電機を駆動し得るものとしたことを特徴とする波力発電装置。
  2. 所定間隔を隔てて平行する複数の架台が、夫々の向きを波の進退方向に合致させ、海面上所定高さ位置を維持するようにした配置具合として固設された上、各架台には、各々の軸線を通る垂直面かそれに平行する面かの何れかの面内で、所定間隔置きに配した回転支軸を経由して周回自在となるようにした無端ベルト製、無端索条製または無端チェーン製の1あるいは複数の無端帯を側面長円形状となるよう組み込むと共に、これら無端帯の中、対峙する架台間において相対することとなる無端帯外周には、その周回方向所定単位長毎に、同所定単位長よりも短い縦寸法であって、対峙する無端帯の間隔に収まる横幅寸法とした翼板が、何れも波の進行方向に抗して無端帯外周に鉛直姿勢を保持し、波の後退方向には鉛直姿勢を解除して倒伏自在とする支持機構を介して連結され、同無端帯軌道の下方位がわでは、その自重で自動的に鉛直姿勢に移行して海水内に先端がわを没しさせてしまうようにした上、少なくとも何れか1本の回転支軸か、無端帯の適所かの中の少なくとも何れか一方で発電機を駆動し得るものとしたことを特徴とする波力発電装置。
  3. 所定間隔を隔てて平行する複数の架台が、夫々の向きを波の進退方向に合致させ、海面上所定高さ位置を維持するようにした配置具合として固設された上、各架台には、各々の軸線を通る垂直面かそれに平行する面かの何れかの面内で、所定間隔置きに配した回転支軸を経由して周回自在となるようにした無端帯を組み込むと共に、これら無端帯の中、対峙する架台間において相対することとなる無端帯外周には、設置海域平常時の平均波間長値を1単位とする周回方向単位長毎に、同単位長よりも短い縦寸法であって、対峙する無端帯の間隔に収まる横幅寸法とした翼板が、何れも波の進行方向に抗して無端帯外周に鉛直姿勢を保持し、波の後退方向には鉛直姿勢を解除して倒伏自在とする支持機構を介して連結され、同無端帯軌道の下方位がわでは、その自重で自動的に鉛直姿勢に移行して海水内に先端がわを没しさせてしまうようにした上、少なくとも何れか1本の回転支軸か、無端帯の適所かの中の少なくとも何れか一方で発電機を駆動し得るものとしたことを特徴とする波力発電装置。
  4. 所定間隔を隔てて平行する複数の架台が、夫々の向きを波の進退方向に合致させ、海面上所定高さ位置を維持するようにした配置具合として固設された上、各架台には、各々の軸線を通る垂直面かそれに平行する面かの何れかの面内で、所定間隔置きに配した回転支軸を経由して周回自在となるようにした無端帯を組み込むと共に、これら無端帯の中、対峙する架台間において相対することとなる無端帯外周には、設置海域平常時の平均波間長値の約数または倍数の何れか一方を1単位とする周回方向単位長毎に、同単位長よりも短い縦寸法であって、対峙する無端帯の間隔に収まる横幅寸法とした翼板が、何れも波の進行方向に抗して無端帯外周に鉛直姿勢を保持し、波の後退方向には鉛直姿勢を解除して倒伏自在とする支持機構を介して連結され、同無端帯軌道の下方位がわでは、その自重で自動的に鉛直姿勢に移行して海水内に先端がわを没しさせてしまうようにした上、少なくとも何れか1本の回転支軸か、無端帯の適所かの中の少なくとも何れか一方で発電機を駆動し得るものとしたことを特徴とする波力発電装置。
  5. 架台が、波の進退方向が確然である水深2mないし10cmの浅瀬に設置してなる、請求項1ないし4何れか一項記載の波力発電装置。
JP2008007234U 2008-10-15 波力発電装置 Expired - Lifetime JP3147399U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012002606A1 (ko) * 2010-06-28 2012-01-05 인제대학교 산학협력단 풍력 또는 수력 발전장치의 플레이트를 지지하는 로프 컨베이어 구조

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012002606A1 (ko) * 2010-06-28 2012-01-05 인제대학교 산학협력단 풍력 또는 수력 발전장치의 플레이트를 지지하는 로프 컨베이어 구조

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