JP3146355B2 - セルオートマトンを用いたデータ記録及び伝送システム - Google Patents

セルオートマトンを用いたデータ記録及び伝送システム

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JP3146355B2 JP5557599A JP5557599A JP3146355B2 JP 3146355 B2 JP3146355 B2 JP 3146355B2 JP 5557599 A JP5557599 A JP 5557599A JP 5557599 A JP5557599 A JP 5557599A JP 3146355 B2 JP3146355 B2 JP 3146355B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディジタル信号の伝
送システムに関するもので、詳しくはディジタル信号の
データ圧縮装置及び圧縮されたデータの再生装置を有す
るデータ伝送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】音、音声、映像、医療用心電信号、脳
波、脳磁波、などなどのデータは通常アナログ信号であ
るが、現代の電子技術によってディジタル化されて符号
化されて受け手に送る方法が広く用いらている。その際
にデータは時間軸ではサンプリングによるディジタル化
が行われ、各離散時刻におけるデータ値そのものは、量
子化の手続きを経てディジタル化する方法が広く利用さ
れている。このようなディジタル化方法を用いた場合に
は、通常そのデータ量は膨大なものとなる。このため、
通信ネットワークを経由してかかる信号のディジタル化
情報にかかるデータ伝送を行ったり、あるいは商品とし
て受け手に磁気記録媒体や光ディスク等の各媒体を経て
供給する際に、大きな困難を引き起こすという問題点が
あった。
【0003】かかる問題を解決する手段として、例え
ば、符号化された信号の時間軸上での有無を検出し、信
号の無い区間を圧縮して高能率伝送する方式や、信号の
符号化すべきパラメータをベクトルとしてとらえ、前も
って準備しておいた全体の歪みが最小となるようなパタ
ーンを有するコードブックと比較し、歪みが最小となる
最適なベクトルパターンを選択してブロック符号化し、
このブロック符号を伝送する方式が用いられていた。
【0004】しかし、信号の無い区間を圧縮して高能率
伝送する方式は、画像等の伝送においては好適である
が、音声、医療用心電信号、脳波等、信号の無い区間が
少ない信号の圧縮においては高い圧縮率を期待すること
ができない。
【0005】また、ベクトル符号化方式を使用する場合
は、前もって専門的知識を駆使して、音声、画像、医療
用心電信号、脳波等に対し、それぞれ個々の信号に対応
して、発生頻度が大きくそして全体の歪みが最小となる
ようなパターンを有するコードブック作成し準備してお
かなければならなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、例えば音、
音声、映像、医療用心電信号、脳波、脳磁波、などのア
ナログ信号に係るディジタル化された膨大なデータを、
特有のコードブック等を予め準備することなく、一定の
ルールに基づき適切に圧縮して高能率伝送することが可
能な装置を提供するものである。
【0007】このため、本発明は、送信側が定められた
区間ごとにディジタル化されたデータの初期状態とセル
オートマトンのルールと変換回数とを送り、そして、受
信側では、定められたデータ区間のデータを、受信した
初期状態とセルオートマトンのルールの繰り返し適用に
よってディジタル化されたデータを再現するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、有限個の離散
的状態を有し互いに連続して配置された第1のセルと、
前記第1のセルの各セルの出力の状態の所定の時刻にお
けるセル全体を俯瞰して得られる状態集合に関し、それ
ぞれのセルの次の時刻における状態が、当該セルと自分
自身を含めて二個以上連結している相手セルの状態の少
なくともいずれかに依存してその取る状態が決定される
ようなセルオートマトン機構をもって状態が時間的に変
化して行くように制御する第1の制御手段と、ここで前
記第1の制御手段は、任意のデータが与えられたとき、
そのデータが前記セルの取りうる状態数を基数とし、前
記セルの総数がその桁数を与えるような方法によって量
子化されたものとして、その適切に分割されたデータ区
分において初期状態を示す区分の先頭のデータと当該区
分に割り当てられたセル状態更新規則によって区分内の
データが設定許容誤差範囲内で再現されるという過程の
連鎖を繰り返して前記データが変換されるように制御
し、前記初期状態と前記連鎖の繰り返しを示すルール番
号とを出力する手段とを有する信号圧縮符号化装置と、
有限個の離散的状態を有し互いに連続して配置された第
2のセルと、前記第2のセルの各セルの出力の状態のそ
の時刻におけるセル全体を俯瞰して得られる状態集合に
関し、それぞれのセルの次の時刻における状態が、当該
セルと自分自身を含めて二個以上連結している相手セル
の状態の少なくともいずれかに依存してその取る状態が
決定されるようなセルオートマトン機構をもって状態が
時間的に変化して行くように制御する第2の制御手段と
を有し、受信された前記初期状態と前記ルール番号に基
づき復符号化を行う信号復符号化装置とを有するデータ
伝送システムである。
【0009】さらに本発明は、前記信号圧縮符号化装置
に、アナログ信号に対し任意に設定された標本化周波数
をもってサンプリングが行われた離散時間的に変化する
振幅データがその振幅値が二値符号化法によって適切な
桁数をもって量子化され、定まった幅のビット列の時系
列信号データとして与えられた場合、前記第1の制御手
段はその適切に分割された時間区分において初期状態を
示す区分の先頭のデータと当接時間区分に割り当てられ
た2状態3近傍のセルオートマトンによって当該時間区
分のデータが設定許容誤差範囲内で再現されるという過
程の連鎖を繰り返して前記データが変換されるように制
御し、前記信号復符号化装置が、所定の通信手段によっ
て送信されるか、あるいは磁気ディスク、光ディスク、
または光磁気ディスクの固定記録化手段によって運搬さ
れた前記初期状態と前記ルール番号に基づき復符号化を
行うデータ伝送システムである。
【0010】さらに本発明は、前記信号圧縮符号化装置
の前記第1の制御手段及び前記信号復符号化装置の前記
第2の制御手段が、セルオートマトンによる状態更新規
則に関し2状態4近傍のセルオートマトンを用いるデー
タ伝送システム、または、前記信号圧縮符号化装置の前
記第1の制御手段及び前記信号復符号化装置の前記第2
の制御手段が、セルオートマトンによる状態更新規則に
関し2状態5近傍のセルオートマトンを用いるデータ伝
送システムである。
【0011】また本発明は、前記信号圧縮符号化装置
に、アナログ信号に対し設定された数値的方法によりフ
ーリエ変換が行われてその周波数スペクトルが計算さ
れ、設定された周波数の離散的値毎に、その振幅値が二
値符号化法によって適切な桁数をもって量子化され、入
力信号のスペクトル分布が定まった幅のビット列の離散
的信号系列データとして与えられた場合、前記第1の制
御手段はその適切に分割されたデータ区分において初期
状態を示す区分の先頭のデータと当該区分に割り当てら
れた2状態3近傍のセルオートマトンによって当該時間
区分のデータが設定許容誤差範囲内で再現されるという
過程の連鎖を繰り返して前記データが変換されるように
制御し、前記信号復符号化装置が、所定の通信手段によ
って送信されるか、あるいは磁気ディスク、光ディス
ク、または光磁気ディスクの固定記録化手段によって運
搬された前記初期状態と前記ルール番号に基づき復符号
化を行うデータ伝送システムである。
【0012】さらに本発明は、前記離散的信号系列デー
タに関し前記圧縮符号化装置の第1の制御手段及び前記
信号復符号化装置の第2の制御手段が、セルオートマト
ンによる状態更新規則に関し2状態4近傍のセルオート
マトンを用いるデータ伝送システムであり、または、前
記離散的信号系列データに関し前記圧縮符号化装置の第
1の制御手段及び前記信号復符号化装置の第2の制御手
段がセルオートマトンによる状態更新規則に関し2状態
5近傍のセルオートマトンを用いるデータ伝送システム
である。
【0013】さらに本発明は、強弱変換手段により振幅
に対し設定された強弱変換が施されたアナログ信号につ
いて信号圧縮符号化及び信号復符号化が行われるデータ
伝送システムである。
【0014】また本発明は、前記データがアナログ状態
で抽出された音信号をディジタル化した信号であるデー
タ伝送システム、前記データがアナログ的に測定して抽
出された心臓の心電信号をディジタル化した信号である
データ伝送システム、または前記データがアナログ的に
測定して抽出された脳波信号をディジタル化した信号で
あるデータ伝送システムである。
【0015】また本発明は、セルオートマトンに係る情
報を記録した記録媒体であって、前記情報は、初期状態
を表現するディジタル化された符号の列からなるデータ
と、ある時刻における符号の列全体を俯瞰して得られる
状態集合に関し、それぞれの符号の次の時刻における状
態が、当該符号と自分自身を含めて二個以上連結してい
る相手符号の状態の少なくともいずれかに依存してその
取る状態が決定されるセルオートマトン機構をもって状
態が時間的に変化して行く連鎖の繰り返しを示すルール
番号とを有する記録媒体であり、この録媒体は磁気ディ
スク、光ディスク、光磁気ディスクのいずれかである記
録媒体である。
【0016】また本発明は、ディジタル化された符号の
列からなる所定の初期データを第1の記録手段に記録す
るステップと、それぞれの符号の次の時刻における状態
が、当該符号と自分自身を含めて二個以上連結している
相手符号の状態の少なくともいずれかに依存してその取
る状態が決定されるような所定のセルオートマトン変換
を行う制御手段により前記初期データの符号の列を順次
変化させるステップと、前記符号の各変化の状態と、こ
れに対応する変化の回数を第2の記録手段に記録するス
テップと、前記データと同じ桁数を有する複数のデータ
について、前記データそれぞれと前記符号の変化の状態
とを比較手段により比較し、前記変化の状態が所定の許
容誤差範囲内で前記各のデータを再現する変化の回数を
求めるステップとを有し、前記初期データとデータを再
現する各変化の回数により前記複数のデータを表すデー
タ圧縮方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。セルオ−
トマンの概念はJ.von Neumann によって提案され(J.vo
n Neumann:"Thery of self-reproducing automata",Uni
v.of Illinoise Press,1996.)、その後多くの研究者に
より詳細に研究された(例えば、S.Wolfram:Physica 10
D,pp.1-35,1984、相沢洋二、永井喜則:物性研究 48 N
o.4,pp.316-320,1987など)。これらの研究により、セ
ルオ−トマン法を使用することにより、単純なルールを
用いて、例えば、カオス状態などの複雑な事象、生物や
生体に類似する複雑なパターン等々を導くことが可能で
あることが知られている。
【0018】本発明は、時間的に変化するディジタル化
されたデータの圧縮及びこの圧縮されたデータの再生に
セルオ−トマンの概念を適用するものである。セルオ−
トマンの概念を適切に利用することにより、ディジタル
化されたデータの圧縮、再生を効率良く行え得ることが
わかった。
【0019】まず本発明において用いる一次元セルオ−
トマンの内容について説明する。一次元セルオ−トマン
においては、横1列に並んだ一次元セルについて、時間
ステップ0において各セルに初期状態が与えられると、
それ以降の時間ステップ1、2、3・・・・の各セルの
状態の変化は、その状態以前の近傍のセルの状態により
一定のルールに基づき定まるというものである。
【0020】一次元セルオ−トマンの上記概念を一般化
して数式化すると以下のようになる。一次元セルのうち
i番目のセルのステップtの状態ai t は、その前の状
態により下記の数式(1)により表現される。
【0021】 ai t =f(ai-r t-1 、ai-r+1 t-1 、・・・ai t-1 ・・・ ai+r-1 t-1 、ai+r t-1 ) (1) ここで、i はセルの位置座標であり、t は時間ステップ
である。ai t は位置iのセルの時間ステップtでの状
態を表す。
【0022】セルiの時間ステップtの状態ai t は、
セルi自身を含め近傍のセルとしてai-r t-1 からa
i+r t-1 までの2r+1個を考慮し、2r+1個の近傍
のセルの状態を変数とする遷移関数fとして与えられ
る。すなわちセルiの時間ステップtの状態は、2r+
1個の近傍のセルの時間ステップt−1の状態により決
定される。各セルの取り得る状態は例えば0と1の2状
態とするのが一般的であるが、必要があれば3状態等の
多値状態とすることも可能である。近傍のセルの数は任
意に取り得るが、ディジタル化データの圧縮には計算機
の処理能力または処理速度に対応して例えば3〜5個の
範囲とすることができる。
【0023】一次元2状態3近傍セルオ−トマンの場
合、離散時刻t(t=0,1,2・・)、位置i(i=
1,・・・・N)での状態ai t (=0、または1)は
数式(2)により表現される。
【0024】 ai t =f(ai-1 t-1 、ai t 、ai+1 t-1 ) (2) 例えば変換のルールをai t =ai-1 t-1 +ai+1
t-1 とし、両隣りの状態値の和を2で割ったあまりを整
数化して次の時間ステップの値とすると、時刻t−1の
データが 110100101 と並んでいる場合、 時刻t−1 110 101 010 100 001 010 101 時刻t 1 0 0 1 1 0 0 と変換され、時刻tにおいては2値信号 01011010 に変
換される。この場合、時刻t−1における左端および右
端のデータは、左隣または右隣のデータがないので上記
のように桁数が減少しないよう、特別の処理ルールを定
めておく。例えば例示のデータが連続するデータの一部
である場合は、連続する両隣の各データを用いるなどで
ある。またこのデータが連続していない場合には、例え
ば、その端部については別の規則を設けるとか、または
データがリング状であると仮定して互いに他の端部のデ
ータを用いるなどである。
【0025】初期状態の選択と、変換ルールによる変換
を繰り返すことにより所望の数列に変換することが可能
となる。従って所望の数列を初期状態と変換の規則及び
変換の回数により表すことが可能となる。
【0026】一般的に2状態3近傍セルオ−トマンの遷
移関数は式(2)より8(=23 )種類あり、それらを
i (i=0、1、・・・、7)とすると、各fi は0
または1である。式(2)で示す遷移関数を用いてルー
ル番号を式(3)のように定義する。
【0027】 f0 +2f1 +22 2 +・・・・・+27 7 (3) このように定義するとルール番号は0〜255までの2
56通りとなる。そしてこのようにしてルール番号を与
えることにより、データ変換の遷移関数が規定できる。
【0028】音声のデータ圧縮に利用した場合について
以下述べる。図1は本発明の一実施の形態によるデータ
処理の流れと装置の模式的構成を示す図である。例えば
オーケストラ演奏などの音源1から音信号2が生成され
ると受信器3により電気信号に変換される。
【0029】音信号2はアナログ信号であるが、空間的
にも時間的にも離散化して取り扱うことができる。例え
ば時間的に離散化する場合AD変換機4は、離散時刻t
(標本化)、振幅量子化数I 、(I=0,1,...,P-1 、(P
は量子化数))のi番目のビット値をai t (=0また
は1)とすると、離散化された音信号はP個の成分を持
つベクトルat の時系列として変換する。音信号を含む
アナログ信号については、周知の強弱変換手段により、
振幅に対し設定された強弱変換をした後の信号を使用す
ることもできる。
【0030】このようにして得られた音信号の振幅を表
現するベクトルat は時系列的に並べられる。データの
配列の一例を5に示す。データはその他、音信号に対し
設定された数値的方法によりフーリエ変換を行い、その
周波数スペクトルを計算し、設定された周波数の離散的
値毎に、その振幅値が二値符号化法によって適切な桁数
をもって量子化し、音信号のスペクトル分布が定まった
幅のビット列の離散的信号系列データとして与えられる
フーリエスペクトルデータでも良い。
【0031】かかるデータを一次元2状態3近傍のセル
オ−トマンの状態ベクトルとルール番号により記述す
る。なお記述の方法は2状態3近傍セルオ−トマンに限
定するものではなく任意の方法が可能で、例えば、2状
態2近傍のセルオートマトン、2状態4近傍のセルオー
トマトン、2状態5近傍のセルオートマトンを用いるこ
とも可能である。これらの例を図2の(a)〜(e)に
示す。これらの例では各近傍のセルは連続したものが用
いられているが、例えば近傍のセルをとびとびに選ぶこ
とも可能であり、また自分自身の前の状態は考慮しない
ような選択も可能である。
【0032】図3はセルオートマトンを用いた圧縮符号
化装置6における状態変化の動作を示す。図1において
得られた2値データの並びをセルオートマトンを用い圧
縮符号化する模式図である。符号として初期状態と定ま
った状態更新ルールを与えることによりデータの並びを
セルの状態の時間変化で再現することができる。この例
では図3(a)に示すように、2値データの並びが行ご
とにセルオートマトン変換される。図にはn行めとn+
1行めのデータの一部が示されている。
【0033】2状態3近傍のセルオートマトンによるセ
ルの状態の時間変化を図3(b)に示す。白は1の状態
を、黒は0の状態を示している。時刻tにおける3個の
近傍セルの状態に基づき、時刻t+1において所定のセ
ルオートマトンのルールにより変換が行われた状態を示
している。
【0034】図1の5に示す2値データのデータ量は膨
大であるが、セルオートマトンによる変換を採用するこ
とにより、セルの並びに関し初期状態を与えれば後は各
セルが定まった状態更新ルールに従って時間変化をして
行き、それがある与えられたルールにおいてデータを再
現することになる。このため例えば時間変化の都度変化
の状態は記憶され原データとの比較が行われる。所定の
変換の後比較が行われても良い。ルールはこの場合、有
限個しかないため、あらかじめルールに番号を割り振っ
ておきルール番号を決定する。そのルール番号と初期状
態を受け手側に送ることにより、膨大なデータ量を直接
送ることに比べて著しい情報圧縮が達成される。
【0035】このように圧縮符号化装置においては、各
セルの取っている出力の状態のその時刻におけるセル全
体を俯瞰して得られる状態集合に関し、それぞれのセル
の次の時刻における状態が、当該セルと自分自身を含め
て二個以上連結している相手セルの状態に依存してその
取る状態が決定されるようなセルオートマトン機構をも
って状態が時間的に変化する。
【0036】そして、任意のディジタルデータが与えら
れたとき、そのデータがセルの取りうる状態数を基数と
し、セルの総数がその桁数を与えるような方法によって
量子化されたものとして、その適切に分割されたデータ
区分において区分の先頭のデータと当該区分に割り当て
られたセル状態更新規則によって区分内のデータが設定
許容誤差範囲内で再現されるという過程の連鎖を繰り返
して全データが圧縮記述される。
【0037】図4は本発明におけるセルオートマトンを
用いた圧縮符号化装置10の構成図の実施の態様の一例
であり、そのルールを見いだすための処理を行う過程を
具体的に示したものである。図4に基づいて本発明にお
けるセルオートマトンを用いた圧縮符号化装置10の構
成からもたらされる機能を説明する。
【0038】データ入力ライン14からまず一番目のデ
ータが入力され、それが初期状態(記号)として制御計
算機11の記憶装置23(図5参照)に蓄えられる。次
に二番目のデータが入力され、それが制御計算機11に
送られて先に入力されたデータと比較されて先に入力さ
れた状態にセルオートマトンの何番目かのルールを適用
すると二番目の状態が再現されるかを判定しルールが抽
出される。次に三番目のデータが入力され、それが初期
状態から二番目に入力された状態を経て三番目のデータ
が再現されるようにルールが抽出される。
【0039】原音を正確に再現するためには、適切な初
期状態と各離散時刻でのルール番号を正確に抽出する必
要がある。この場合、種々の初期状態を次々に与えるこ
とにより、正確な抽出は可能である。しかし、かかる処
理には膨大な時間を必要とする場合が多く、実際の音声
データの圧縮には適切とはいえない場合がある。従って
以下の方法を採用することができる。
【0040】まずセルオートマンの任意の初期状態を与
える。この任意の初期状態としては例えば原音の最初の
2値データをそのまま与えることができる。各離散時刻
における音声の振幅を16ビットデータとして変換した
場合、16桁として与えることができる。その後は、各
時刻毎に、原音si t とセルオートマンによる変換デー
タai t の誤差(差の絶対値)が最小となるようなルー
ル番号を全数検索により求め、そのルール番号を原音を
規定するルール番号とする。従ってこの場合は初期状態
と変換ルールと各時刻毎のルール番号のみによりデータ
シーケンスが形成される。
【0041】さらに再現の忠実度をあげる場合には、原
音si t とセルオートマンによる変換データai t の誤
差に対し閾値を設けておく。そして、上記方法により求
めた最小となるようなルール番号における誤差が閾値以
下の場合には上記と同様に処理する。しかしもし上記最
小の誤差が閾値以上になった場合は、新たに次の初期状
態が選択される。この初期状態は任意に選択できるが、
一例としてその時刻での原音の2値データを用いること
ができる。以降は上記と同様の処理が繰り返される。
【0042】また、処理速度を向上させるため、原音s
i t とセルオートマンによる変換データai t の誤差に
対し閾値を設けておき、変換の都度誤差と閾値を比較
し、最初に誤差が閾値より小さくなったときの変換によ
り原音を規定するルール番号を定めることも可能であ
る。一個のセルオートマンのルールで何ステップか進
み、得られた状態変化が定められた許容範囲内で原デー
タを再現するようなところまでこの過程を行い、初期条
件と抽出されたルールの組及びその再現ステップ区間を
もってそのデータ区間の圧縮符号化とする。
【0043】もし全てが許容範囲を越える場合は、新た
に初期条件が設定され同様のステップが繰り返される。
従ってこの場合は、変換ルールと、最初の初期状態と設
定されたルール番号により、そして、閾値以上になった
場合に選択された各初期状態とその後の設定されたルー
ル番号の組(初期状態が複数回選択された場合、複数の
組が生ずる)により、圧縮データのデータシーケンスが
形成される。
【0044】制御計算機あるいは専用制御機械11は、
パーソナルコンピュータ、ワークステーション、汎用計
算機、スーパーコンピュータ、等が利用可能であり、ま
た専用制御機械としては汎用の大規模集積回路を用いて
もよいし、状態信号及びセルオートマトンのルールをも
とに次の状態を計算し、またそれを与えられた状態と比
較して制御信号を発生するために設計された専用大規模
集積回路でも良い。
【0045】セル12は、上記制御計算機あるいは専用
制御機械11の出す信号をもとに、有限個の状態を実現
する素子であることを必要とする。したがって、セル1
2としてはトランジスタを用いたもの、ダイオードを用
いたもの、あるいは汎用の大規模集積回路内のメモリを
利用したものでも良く、さらに、セルオートマン専用の
大規模集積回路にセルを組込んでも良い。さらには、多
安定光素子、多安定超伝導素子などを用いても良い。
【0046】セル12間は図3(b)に示す変換が行わ
れるよう結線されており、その結線のためには、セル1
2の材料や構成にしたがって、導線、光ファイバー、空
間伝播などが用いられる。データ入力ライン14に関し
ても上記の結線と同様の材料と構成を用いることができ
る。
【0047】データの送り手による音声アナログ信号は
図1のAD変換器4により2値データに変換され、この
データ入力13に対し、制御計算機あるいは専用制御機
械11によってそのデータを与えられた初期状態からル
ールを割り出す処理を行い、初期記号列と再現用のルー
ルを抽出する処理が行われる。
【0048】図5に図4の機能を達成するためのブロッ
ク図の一例を示す。入力部21はAD変換機4で変換さ
れたディジタルデータを受信する。記録部23はセルオ
ートマトン変換データを有限個の離散的状態として定義
し記録するセル領域29、受信されたディジタルデータ
を記録する入力データ記録部30、セル領域29の各時
間変化の状態を記録する記録部31、セルオートマトン
変換の変換ルールを記録する変換ルール記録部32、変
換の回数を示すルール番号を記憶するルール番号記録部
33などを含む。なお、セル領域29は図4においては
セル12として示されている。
【0049】制御部22は近傍セルの選択を制御する近
傍セル選択制御部27、及び選択された近傍セルに対し
セルオートマトン変換を実行するセルオートマトン変換
制御部28を含む。また、セルオートマトン変換制御部
28は、比較部24が所定のルール番号のうち誤差を最
小とするものが閾値以上と判断した場合は、他の初期状
態によるセルオートマトン変換を実行することができ
る。
【0050】比較部24は入力されたディジタルデータ
とセルオートマトン変換の各時間変化の状態を比較す
る。比較は例えば入力データと各時間変化の状態の誤差
を計算する方法により行われる。比較部24はさらに誤
差と予め定められた閾値との比較を行う。選択部25は
比較部の比較データに基づき、所定の選択基準により、
入力データを規定とするルール番号の組を決定する。各
ルール番号の決定は、例えば誤差がゼロとなるルール番
号の選択、または所定のルール番号のうち誤差を最小と
するルール番号の選択等により行われる。出力部26は
選択部25で決定された初期状態とルール番号の組を出
力し、これらは信号復符号化装置に送信される。なお変
換ルール、ルール番号の定義とうは予め信号復符号化装
置に送信しておくことができる。
【0051】上記セルオートマトン専用大規模集積回路
は、図5に示す入力部21、制御部22、記録部23、
比較部24、選択部25、及び出力部26を一体として
形成することができる。または、セル領域29、近傍セ
ル選択制御部27、セルオートマトン変換制御部28な
ど一部を含む専用集積回路を作成し、汎用計算機と共に
使用することにより、セルオートマトン変換処理の高速
化を図ることが可能である。
【0052】図6は本発明におけるセルオートマトンを
用いた信号復符号化装置15の構成図である。圧縮符号
化装置5と同様、制御計算機あるいは専用制御機械11
は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、汎
用計算機、スーパーコンピュータ、等が利用可能であ
り、また専用制御機械としては汎用の大規模集積回路を
用いてもよい。さらに、状態信号及びセルオートマトン
のルールをもとに次の状態を計算し、またそれを与えら
れた状態と比較して制御信号を発生するために設計され
た専用大規模集積回路でも良い。
【0053】図6はデータの受け手が、初期記号列及び
再現用のルールをセル素子16に送り、その状態出力を
もとにルールによって次の状態を生成するという再帰的
な過程によってデータを再生する過程を示している。セ
ル16としては、図4のセル12と同様、トランジス
タ、ダイオード、汎用大規模集積回路、セル用に設計さ
れた専用集積回路、セルオートマトン専用の大規模集積
回路、多安定光素子、多安定超伝導素子などが使用でき
る。セル16は制御計算機あるいは専用制御機械15の
出力する制御信号をもとに有限個の状態を実現する素子
であることを必要とする。データ出力ライン17に関し
ては、セル16の材料や構成にしたがって、導線、光フ
ァイバー、空間伝播などを用いることができる。
【0054】図6に基づいて、本実施の形態におけるセ
ルオートマトンを用いた復符号化装置の機能を説明す
る。まず送られて来た初期状態(記号)を制御計算機1
5を通じてセル16に与える。そして送られて来た再現
ルールを適用して次の状態を求めセル16に与える。こ
の作業を送られてきた再現ステップ区間に至るまで継続
し再現データを生成する。そして再現ステップのデータ
を出力ライン17から送り出す。次に二番目のデータの
組を取り、上記の過程を繰り返す。上記の作業を繰り返
して与えられた全データの復符号化を行う。
【0055】図7に図6の上記機能を達成するためのブ
ロック図の一例を示す。入力部41は初期状態とルール
番号の組を受信する。このデータは通常任意の通信手段
7によって送信されて受信側に到達する8。または、磁
気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク上7に固定記
録化されて送られ、再生装置に入力されても良い8。こ
のセルオートマトンに係る情報を記録した磁気ディス
ク、光ディスク、または光磁気ディスク等の記録媒体に
は、少なくとも初期状態を表現するディジタル化された
符号の列からなるデータと、セルオートマトン機構をも
って状態が時間的に変化して行く連鎖の繰り返しを示す
ルール番号とが記録される。記録媒体としては上記他、
カード状の媒体、テープ状の媒体、又はICカード等を
使用することも可能である。
【0056】記録部43はセルオートマトン変換データ
を有限個の離散的状態として定義し記録するセル領域4
7、受信された初期状態とルール番号を記録する入力デ
ータ記録部48、セル領域47の各時間変化の状態を記
録する記録部49、セルオートマトン変換の変換ルール
を記録する変換ルール記録部50、変換されたデータの
シーケンスを記憶するシーケンス記録部51を含む。な
お、セル領域47は図6においてはセル16として示さ
れている。
【0057】制御部42は近傍セルの選択を制御する近
傍セル選択制御部45、および選択された近傍セルに対
しセルオートマトン変換を実行するセルオートマトン変
換制御部46を含む。出力部44は変換されたデータの
シーケンスを出力する。出力部44は例えば図1のDA
変換機10に接続され音信号が再生される10。
【0058】図8は、ある音楽用コンパクトディスクか
ら一秒間の音楽信号をサンプリング(標本化)周波数4
4100ヘルツにより標本化し、音の振幅を16ビット
の二値量子化を行ったデータ時系列に関し、セルオート
マトン操作を1ステップ毎に行って得られたルールにつ
いて、何番目のルールが何回使われたかを、横軸をルー
ルの番号縦軸を使われた回数としてヒストグラムのグラ
フとして描いたものである。これによると、使用される
ルールには著しい偏りがあることがわかる。
【0059】図示はしていないが、別の時点で採用した
同様なデータに関してヒストグラムのグラフを描くと、
殆ど図8と異ならない結果を得た。これは当該音楽の相
当な長さの部分に関して少数のルールによる音楽信号再
現が可能であることを示すものである。
【0060】図10にセルオートマトン操作を繰り返し
て得られた音楽再現波形を示す。比較のために図9に原
音の波形を示す。実際の聴取の限りにおいては原音と再
現波との差は判別できない。
【0061】また図12には得られた再現音に関して一
秒間のデータに対して高速フーリエ変換(FFT)を施
して求めた電力フーリエスペクトルを示す。比較のため
に図11には原音のFFTの結果を示してある。スペク
トルも音波形と同様に目立った差違はなく、本手法によ
る符号化と復符号化が有効なものであることを示してい
る。
【0062】下記表1には、原音と再現音の差をノイズ
とみなした場合の歪み率を求めて、例としてとりあげた
4サンプルについて表にしたものである。
【0063】 サンプル1 サンプル2 サンプル3 サンプル4 歪み率 21.505dB 21.879dB 21.826dB 20.612dB [表1] 表1から読み取れるように、本例の場合はいずれも20
デシベル強程度を示しており、本方法の汎用性と実効性
を表すものである。
【0064】なお、上記入力信号は音信号に限定される
ものではなく、例えば、アナログ的に測定して抽出され
た心臓の心電信号、あるいは、アナログ的に測定して抽
出された脳波信号に適用することもできる。
【0065】この方式はデータ圧縮方式としては全く新
しい方式であり、任意のディジタルデータについて適用
可能である。従来技術との関連で言えば、従来のデータ
圧縮方式と本手法を組み合わせることにより、更なるデ
ータ圧縮を行うことが可能となる。
【0066】したがって、例えば、従来技術において多
く用いられているところの、いわゆるFFT(高速フー
リエ変換)を用いて定められた区間ごとにスペクトル分
布を求め、そのスペクトルを間引いたり、スペクトル強
度の強弱に依存したフィルタをかけたりして圧縮を行う
方式に、本手法を更に適用することにより、圧縮率の著
しい改善をもたらすことが可能になる。
【0067】なおここ記載された本発明の実施の形態は
単なる一例であり、本システムの実施例の形態は、本発
明の技術的範囲を逸脱せずに、種々の変形が可能である
ことは明らかである。
【0068】以上説明したように本発明によれば、従来
のディジタル伝送方式に比較して、次のような効果を奏
する。
【0069】音、音声、映像、医療用心電信号、脳波、
脳磁波、などなどのデータは通常アナログ信号である
が、現代の電子技術によってディジタル化されて受け手
に送られる。その際にデータは時間軸ではサンプリング
によるディジタル化、各離散時刻におけるデータ値その
ものは量子化の手続きを経てディジタル化される。通
常、そのデータ量は膨大なものとなり、通信ネットワー
クあるいは商品として受け手に各媒体を経て供給される
際に大きな困難を引き起こす。
【0070】本発明はその膨大なデータを定められた区
間ごとに初期状態とセルオートマトンのルールを送るこ
とで定められたデータ区間のデータを初期状態とセルオ
ートマトンのルールの繰り返し適用によって圧縮しかつ
再現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるデータ処理の流れ
と装置の模式的構成を示す図である。
【図2】2状態2近傍、3近傍、4近傍、5近傍のセル
オ−トマンを示す図である。
【図3】セルオートマトンを用いた圧縮符号化装置の状
態変化を示す図である。
【図4】本発明におけるセルオートマトンを用いた圧縮
符号化装置を示す図である。
【図5】本発明の圧縮符号化装置のブロック図である。
【図6】本発明におけるセルオートマトンを用いた復符
号化装置の構成図である。
【図7】本発明の復符号化装置のブロック図である。
【図8】ある音楽信号に適用した場合について、横軸を
使われたルールの番号、縦軸をそのルール番号が使われ
た回数とした場合のヒストグラムである。
【図9】音楽も原音の波形を示す図である。
【図10】セルオートマトン操作を繰り返して得られた
音楽再現波形を示す図である。
【図11】原音の高速フーリエ変換による電力フーリエ
スペクトルを示す図である。
【図12】再現音の高速フーリエ変換による電力フーリ
エスペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 …音源 2 …音信号 3 …受信器 4 …AD変換機 5 …データの配列 6 …圧縮符号化装置 7 …通信網あるいは情報通信媒体 8 …情報の入手 9 …信号再現 10 …セルオートマンを用いた圧縮符号化装置 11 …制御計算機あるいは専用制御機械 12 …セル 13 …データ入力 14 …データ入力ライン 15 …復符号化装置 16 …セル 17 …データ出力ライン 20 …圧縮符号化装置 21 …入力部 22 …制御部 23 …記録部 24 …比較部 25 …選択部 26 …出力部 27 …近傍セル選択制御部 28 …セルオートマトン変換制御部 29 …セル領域 30 …入力データ記録部 31 …記録部 32 …変換ルール記録部 33 …ルール番号記録部 40 …復符号化装置 41 …入力部 42 …制御部 43 …記録部 44 …出力部 45 …近傍セル選択制御部 46 …セルオートマトン変換制御部 47 …セル領域 48 …入力データ記録部 49 …記録部 50 …変換ルール記録部 51 …シーケンス記録部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 喜則 神奈川県横須賀市武3−17−12−410 ネアポリス湘南 (72)発明者 鬼頭 政 埼玉県戸田市下戸田1−7−8−601 (56)参考文献 電子情報通信学会論文誌 D−▲I▼ Vol.J80−D−▲I▼ No.11 pp.856−865、「スペクトル解析に よる1次元セルオートマトンの分類」、 蜷川他、1997年11月、(社)電子情報通 信学会発行(文献番号CSNT 199700246001) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有限個の離散的状態を有し互いに連続し
    て配置された第1のセルと、 前記第1のセルの各セルの出力の状態の所定の時刻にお
    けるセル全体を俯瞰して得られる状態集合に関し、それ
    ぞれのセルの次の時刻における状態が、当該セルと自分
    自身を含めて二個以上連結している相手セルの状態の少
    なくともいずれかに依存してその取る状態が決定される
    ようなセルオートマトン機構をもって状態が時間的に変
    化して行くように制御する第1の制御手段と、ここで前
    記第1の制御手段は、任意のデータが与えられたとき、
    そのデータが前記セルの取りうる状態数を基数とし、前
    記セルの総数がその桁数を与えるような方法によって量
    子化されたものとして、その適切に分割されたデータ区
    分において初期状態を示す区分の先頭のデータと当該区
    分に割り当てられたセル状態更新規則によって区分内の
    データが設定許容誤差範囲内で再現されるという過程の
    連鎖を繰り返して前記データが変換されるように制御
    し、 前記初期状態と前記連鎖の繰り返しを示すルール番号と
    を出力する手段とを有する信号圧縮符号化装置と、 有限個の離散的状態を有し互いに連続して配置された第
    2のセルと、 前記第2のセルの各セルの出力の状態のその時刻におけ
    るセル全体を俯瞰して得られる状態集合に関し、それぞ
    れのセルの次の時刻における状態が、当該セルと自分自
    身を含めて二個以上連結している相手セルの状態の少な
    くともいずれかに依存してその取る状態が決定されるよ
    うなセルオートマトン機構をもって状態が時間的に変化
    して行くように制御する第2の制御手段とを有し、受信
    された前記初期状態と前記ルール番号に基づき復符号化
    を行う信号復符号化装置とを有することを特徴とするデ
    ータ伝送システム。
  2. 【請求項2】 前記信号圧縮符号化装置に、アナログ信
    号に対し任意に設定された標本化周波数をもってサンプ
    リングが行われた離散時間的に変化する振幅データがそ
    の振幅値が二値符号化法によって適切な桁数をもって量
    子化され、定まった幅のビット列の時系列信号データと
    して与えられた場合、前記第1の制御手段はその適切に
    分割された時間区分において初期状態を示す区分の先頭
    のデータと当接時間区分に割り当てられたセルオートマ
    トンによって当該時間区分のデータが設定許容誤差範囲
    内で再現されるという過程の連鎖を繰り返して前記デー
    タが変換されるように制御し、 前記信号復符号化装置が、所定の通信手段によって送信
    されるか、あるいは磁気ディスク、光ディスク、または
    光磁気ディスクの固定記録化手段によって運搬された前
    記初期状態と前記ルール番号に基づき復符号化を行うこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータ伝送
    システム。
  3. 【請求項3】 前記信号圧縮符号化装置の前記第1の制
    御手段及び前記信号復符号化装置の前記第2の制御手段
    が、セルオートマトンによる状態更新規則に関し2状態
    4近傍のセルオートマトンを用いることを特徴とする特
    許請求の範囲第2項記載のデータ伝送システム。
  4. 【請求項4】 前記信号圧縮符号化装置の前記第1の制
    御手段及び前記信号復符号化装置の前記第2の制御手段
    が、セルオートマトンによる状態更新規則に関し2状態
    5近傍のセルオートマトンを用いることを特徴とする特
    許請求の範囲第2項記載のデータ伝送システム。
  5. 【請求項5】 前記信号圧縮符号化装置に、アナログ信
    号に対し設定された数値的方法によりフーリエ変換が行
    われてその周波数スペクトルが計算され、設定された周
    波数の離散的値毎に、その振幅値が二値符号化法によっ
    て適切な桁数をもって量子化され、入力信号のスペクト
    ル分布が定まった幅のビット列の離散的信号系列データ
    として与えられた場合、前記第1の制御手段はその適切
    に分割されたデータ区分において初期状態を示す区分の
    先頭のデータと当該区分に割り当てられたセルオートマ
    トンによって当該時間区分のデータが設定許容誤差範囲
    内で再現されるという過程の連鎖を繰り返して前記デー
    タが変換されるように制御し、 前記信号復符号化装置が、所定の通信手段によって送信
    されるか、あるいは磁気ディスク、光ディスク、または
    光磁気ディスクの固定記録化手段によって運搬された前
    記初期状態と前記ルール番号に基づき復符号化を行うこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータ伝送
    システム。
  6. 【請求項6】 前記離散的信号系列データに関し前記圧
    縮符号化装置の第1の制御手段及び前記信号復符号化装
    置の第2の制御手段が、セルオートマトンによる状態更
    新規則に関し2状態4近傍のセルオートマトンを用いる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第5項記載のデータ伝
    送システム。
  7. 【請求項7】 前記離散的信号系列データに関し前記圧
    縮符号化装置の第1の制御手段及び前記信号復符号化装
    置の第2の制御手段がセルオートマトンによる状態更新
    規則に関し2状態5近傍のセルオートマトンを用いるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第5項記載のデータ伝送
    システム。
  8. 【請求項8】 強弱変換手段により振幅に対し設定され
    た強弱変換が施されたアナログ信号について信号圧縮符
    号化及び信号復符号化が行われることを特徴とする特許
    請求の範囲第2項から第7項のいずれか1項に記載のデ
    ータ伝送システム。
  9. 【請求項9】 前記データがアナログ状態で抽出された
    音信号をディジタル化した信号である請求項1ないし8
    のいずれか1項に記載のデータ伝送システム。
  10. 【請求項10】 前記データがアナログ的に測定して抽
    出された心臓の心電信号をディジタル化した信号である
    請求項1ないし8のいずれか1項に記載のデータ伝送シ
    ステム。
  11. 【請求項11】 前記データがアナログ的に測定して抽
    出された脳波信号をディジタル化した信号である請求項
    1ないし8のいずれか1項に記載のデータ伝送システ
    ム。
  12. 【請求項12】 セルオートマトンに係る情報を記録し
    た記録媒体であって、前記情報は初期状態を表現するデ
    ィジタル化された符号の列からなるデータと、ある時刻
    における符号の列全体を俯瞰して得られる状態集合に関
    し、それぞれの符号の次の時刻における状態が、当該符
    号と自分自身を含めて二個以上連結している相手符号の
    状態の少なくともいずれかに依存してその取る状態が決
    定されるセルオートマトン機構をもって状態が時間的に
    変化して行く連鎖の繰り返しを示すルール番号とを有
    し、前記データと前記ルール番号が任意のディジタル符
    号時系列の圧縮記述を行うものであることを特徴とする
    記録媒体。
  13. 【請求項13】 前記記録媒体は磁気ディスク、光ディ
    スク、光磁気ディスクのいずれかであることを特徴とす
    る請求項12に記載の記録媒体。
  14. 【請求項14】 ディジタル化された符号の列からなる
    所定の初期データを第1の記録手段に記録するステップ
    と、 それぞれの符号の次の時刻における状態が、当該符号と
    自分自身を含めて二個以上連結している相手符号の状態
    の少なくともいずれかに依存してその取る状態が決定さ
    れるような所定のセルオートマトン変換を行う制御手段
    により前記初期データの符号の列を順次変化させるステ
    ップと、 前記符号の各変化の状態と、これに対応する変化の回数
    を第2の記録手段に記録するステップと、 前記データと同じ桁数を有する複数のデータについて、
    前記データそれぞれと前記符号の変化の状態とを比較手
    段により比較し、前記変化の状態が所定の許容誤差範囲
    内で前記各データを再現する変化の回数を求めるステッ
    プとを有し、 前記初期データとデータを再現するルール及び各適用回
    数により前記複数のデータを表すことを特徴とするデー
    タ圧縮方法。
  15. 【請求項15】 前記信号圧縮符号化装置に、アナログ
    信号に対し任意に設定された標本化周波数をもってサン
    プリングが行われた離散時間的に変化する振幅データが
    その振幅値が二値符号化法によって適切な桁数をもって
    量子化され、定まった幅のビット列の時系列信号データ
    として与えられた場合、前記第1の制御手段はその適切
    に分割された時間区分において初期状態を示す区分の先
    頭のデータと当該時間区分に割り当てられた2状態3近
    傍セルオートマトンによって当該時間区分のデータが設
    定許容誤差範囲内で再現されるという過程の連鎖を繰り
    返して前記データが変換されるように制御し、 前記信号復符号化装置が、所定の通信手段によって送信
    されるか、あるいは磁気ディスク、光ディスク、または
    光磁気ディスクの固定記録化手段によって運搬された前
    記初期状態と前記ルール番号に基づき復符号化を行うこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータ伝送
    システム。
  16. 【請求項16】 前記信号圧縮符号化装置に、アナログ
    信号に対し設定された数値的方法によりフーリェ変換が
    行われてその周波数スペクトルが計算され、 設定された
    周波数の離散的値毎に、その振幅値が二値符号化法によ
    って適切な桁数をもって量子化され、音信号のスペクト
    ル分布が定まった幅のビット列の離散的信号系列データ
    として与えられた場合、前記第1の制御手段はその適切
    に分割された時間区分において初期状態を示す区分の先
    頭のデータと当該時間区分に割り当てられた2状態3近
    傍セルオートマトンによって当該時間区分のデータが設
    定許容誤差範囲内で再現されるという過程の連鎖を繰り
    返して前記データが変換されるように制御し、 前記信号復符号化装置が、所定の通信手段によって送信
    されるか、あるいは磁気ディスク、光ディスク、または
    光磁気ディスクの固定記録化手段によって運搬された前
    記初期状態と前記ルール番号に基づき復符号化を行うこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータ伝送
    システム。
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