JP3146121B2 - 符号化復号化装置 - Google Patents

符号化復号化装置

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JP3146121B2
JP3146121B2 JP03665495A JP3665495A JP3146121B2 JP 3146121 B2 JP3146121 B2 JP 3146121B2 JP 03665495 A JP03665495 A JP 03665495A JP 3665495 A JP3665495 A JP 3665495A JP 3146121 B2 JP3146121 B2 JP 3146121B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、MPEG(ムービン
グ・ピクチャー・エキスパート・グループ)/AUDIO,M
D(ミニディスク),DCC(デジタル・コンパクト・カセッ
ト)等のようなオーディオ機器に用いられるデジタルオ
ーディオデータのうち、人間にとって意味のない情報成
分を削除する符号化復号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、人間の聴覚特性を利用してデ
ータ成分のうちある成分を削除することによってデジタ
ルオーディオデータを圧縮符号化する方法がある。これ
は、音楽の観賞等のように人間が聴くことを前提とした
ものであって、デジタルオーディオデータのデータ成分
のうち人間の耳で感知できない成分を削除することによ
ってデータ量を減少させるものである。
【0003】例えば、人間の耳には感度の良い周波数と
悪い周波数(各周波数で聴こえる限界を最小可聴限と呼
ぶ)がある。そして、感度が低い周波数部分では認識で
きる音の大きさが粗くなり、多少量子化誤差が大きくな
っても発生するノイズを人間の聴覚では認識できなくな
るのである。
【0004】また、音情報の構成によっては、人間の耳
に対して感度が変わる場合(ある音成分は他の音成分の
感度を悪くするマスキング効果を有する)がある。この
マスキング効果には、ある時点の入力信号の周波数成分
から発生する同時マスキングと時間的変化によって発生
する経時マスキングの2種類がある。しかしながら、上
記同時マスキングの方が影響が大きいので、以下の説明
は同時マスキングに絞って行うことにする。
【0005】何れにしても、通常のオーディオデータは
時間波形データであり、周波数で考えると総ての周波数
で均一の情報精度を持っている。これに対して、先に述
べたように、人間の聴覚の周波数特性は不均一であるの
で、周波数毎に必要な情報精度が異なる。つまり、元の
オーディオデータの中には人間にとって必要以上の情報
精度でデータを持っている成分が存在することになる。
そこで、この不要な情報を削除すれば、オーディオデー
タ全体の情報総量を減少させることができるのである。
【0006】次に、デジタルオーディオデータを圧縮符
号化する一般的な処理方法について説明する。先ず、時
間軸領域のデジタル波形データとして表されるデジタル
オーディオデータに窓を掛け、有限長の波形に分けて更
に周波数領域データに変換する。そして、この周波数領
域データと人間の聴覚モデルから夫々の周波数でどの程
度の量子化誤差が認識できるかを算出し、この算出結果
に基づいて夫々の周波数領域データの量子化ビット数
(つまり、符号化の際のワード長)を求め、このビット数
で量子化を行なうのである。その際に、上記量子化を行
なうべき周波数帯域別の波形データを生成する際の時間
領域から周波数領域への変換と、聴覚モデルを用いてど
の程度の量子化ノイズを認識できるか調べる場合に使用
する周波数領域データを生成する際の変換とは、別々に
実行しても差し支えない。また、上記時間領域と周波数
領域との変換には、高速フーリエ変換(FFT),離散余
弦変換(DCT),変調離散余弦変換(MDCT)および帯
域フィルタバンク分析等による正変換と逆変換が用いら
れる。
【0007】次に、上記量子化に付いては、各周波数帯
域の波形データ1個毎にワード長を決めると、ワード長
データの総量が大きくなり圧縮の効果が薄れる。そこ
で、支障のない周波数範囲で波形データのグループ分け
を行って、夫々のグループ毎にワード長を決めるのであ
る。また、上記波形データの変動が大きい場合には上位
のビットが無駄になる場合が生ずるために、浮動小数点
の数値における指数部に相当するスケールファクタを定
める。このスケールファクタはグループ毎に求められ、
これを使用して正規化した周波数帯域別の波形データを
聴覚モデルによって求められたワード長で量子化を行な
うのである。
【0008】こうして行われた量子化によって、元のオ
ーディオデータから欠落する成分が生じてデータ量は減
少する。その際に、圧縮されたオーディオデータは、夫
々のグループ毎のワード長,スケールファクタおよび各
周波数帯域別の波形データのサンプルを量子化したデー
タで構成される。尚、復号化に際しては、上述の圧縮符
号化処理の逆の手順に従って逆量子化を行えばよい。
【0009】上述のような圧縮符号化に際しては、人間
の聴覚特性に基づいて、入力信号の各周波数領域データ
から、量子化する際のワード長が何ビット以上あれば量
子化ノイズが聞こえないかを算出する必要がある。この
量子化ノイズが聞こえない限界ワード長の算出は以下の
ようにして行う。
【0010】元来、人間には聴くことが可能な最小限度
を示す最小可聴限と呼ばれるものがあり、人間はこの最
小可聴限以下の量子化ノイズを認識することはできな
い。これは、入力信号に依存せず一定の値をとる。図1
2に、上記最小可聴限の周波数特性を示す。一方、個々
の信号成分が他の信号成分を聴きとれなくするマスキン
グ効果があり、入力信号自身のみならず周辺の周波数に
も影響を与えて聴こえ難くする。個々の入力信号に対す
るマスキングの値は計算可能であり、図13に算出され
たマスキング値の周波数特性であるマスキング曲線を示
す。
【0011】図13に示すマスキング曲線を図12に示
す最小可聴限曲線に重畳することによって、図14に示
すような最小可聴限を考慮に入れたマスキング曲線(以
下、単にマスキング曲線と言う)が得られる。つまり、
ある入力信号に対して、このマスキング曲線よりも小さ
なパワーの量子化ノイズは、人間の聴覚では認識できな
いのである。そこで、種々のワード長で周波数領域デー
タを量子化した際の量子化ノイズとマスキング曲線とを
比較して、量子化ノイズがマスキング曲線を下回るよう
なワード長を求めて上記限界ワード長とするのである。
尚、実際にマスキング曲線を求める際には、マスキング
値が入力信号に依存するので、入力信号とマスキング値
との比(信号対マスキング比)の形で算出する。これに対
して、入力信号と量子化ノイズとの比(信号対量子化ノ
イズ比)は、入力信号のフルレンジと量子化ノイズの最
大値から求めることができる。以上のことから、総ての
周波数において信号対マスキング比の値が信号対量子化
ノイズ比の値より小さければ量子化ノイズが認識されな
いことになる。
【0012】上述のように、入力音のデータを削減して
符号化を行なったオーディオデータから復号化した再生
音は物理的には元の入力音と異なってはいるが、削除さ
れているデータ成分は人間の聴覚で認識できない成分で
あるので、主観的に人間が元の音と聞き比べても差を識
別することができないのである。
【0013】上記圧縮符号化を行う具体的な符号化装置
の一例を図15に示し、その復号化装置を図21に示
す。先ず、図15に従って符号化装置の動作について説
明する。
【0014】サブバンド解析部1で、入力信号としての
ディジタル音楽データに基づいて、後述するようなサブ
バンドデータを生成する。すなわち、上記サブバンド解
析部1は、周波数帯域分割フィルタで構成されており、
入力されたディジタルオーディオデータを同じ広さを有
する複数の周波数帯域の波形データに分割する。ここ
で、例えばX個の帯域に分割したとすると、ディジタル
オーディオデータはSB0〜SBx-1なる周波数帯域の波
形データに分割されることになる。その際における周波
数帯域をサブバンドと呼ぶ。また、夫々のサブバンドの
波形データをサブバンドサンプルデータと呼ぶ。
【0015】上記サブバンドサンプルデータは、入力さ
れたディジタルオーディオデータを等分割したデータで
あるからディジタルオーディオデータの1/Xの周波数
領域上での長さを有する。ところが、このサブバンドサ
ンプルデータの時間領域上での長さは長く且つデータ数
が多いために、以下の符号化処理を有限のフレーム単位
で行なうのである。ここで、各サブバンドにおいてN個
のフレームを抽出するとすると、夫々のサブバンドはS
0〜SN-1なるサブバンドサンプルデータを持つことにな
る。以後、このX*N個のサブバンドサンプルデータ全
体をサブバンドデータと呼ぶことにする。
【0016】スケールファクタ計算部2は、各サブバン
ド毎にサブバンドサンプルデータを−1〜+1の範囲に
正規化するために、サブバンドサンプルデータに掛ける
スケールファクタを求める。このスケールファクタはテ
ーブル化されて記憶部3に格納されており、以下の手順
で上記テーブルから最適要素値を選出することによって
求める。先ず、上記サブバンドにおけるサブバンドサン
プルデータの絶対値の最大値を求めてサブバンドサンプ
ルデータのレンジを調べる。そして次に、このレンジの
最大値に掛けて“1"未満になるもっとも大きなスケー
ルファクタの値を記憶部3のテーブルから選出するので
ある。この動作を各サブバンド毎に行ってサブバンド毎
のスケールファクタSF0〜SFX-1を繰り返して求め
る。
【0017】マスキング計算部4は、以下のようにして
最小可聴限を考慮に入れた信号対マスキング比を算出す
る。すなわち、上記フレームに対応した部分のサブバン
ドサンプルデータにFFTを行って周波数領域データに
変換する。そして、その周波数領域データから、人間の
聴覚モデルに基づいて最小可聴限値とマスキング値を周
波数毎に計算する。こうして算出された最小可聴限値お
よびマスキング値とサブバンド解析部1で得られたサブ
バンドサンプルデータとから、各サブバンド毎の最小可
聴限を考慮に入れた信号対マスキング比SMR0〜SM
X-1を計算する。
【0018】必要ビット数計算部5は、上記信号対マス
キング比の値と種々のワード長での信号対量子化ノイズ
比の値とを比較して、圧縮/伸長した音と原音とを人間
が区別できないようにするために各サブバンドに必要な
量子化の際のワード長のビット数を計算する。このビッ
ト数の計算は、以下のようにして行われる。すなわち、
先ず、上記サブバンド解析部1で得られたサブバンドサ
ンプルデータとワード長wlでの量子化ノイズとの比SN
wlを各サブバンド毎に求める。そして、各サブバンド
毎に SNRWl≧SMR ここで、xはサブバンドの番号(1≦x≦X) を満たす最も小さいワード長wl(ビット数単位)を選択す
ることによって行われるのである。以下、このビット数
のことを必要ビット数と言う。
【0019】ビット配分部6は、1フレームに配分可能
なビット数等の符号化システムの条件に応じて、必要ビ
ット数計算部5で求められた必要ビット数(つまり、必
要ワード長)に基づいて、夫々のサブバンドのワード長
を調整して配分する。量子化部7は、上記サブバンド解
析部1で得られたサブバンドサンプルデータを上記スケ
ールファクタ計算部2で求められたスケールファクタで
正規化し、この正規化値を、量子化器によって、ビット
配分部6で決定されたワード長で量子化する。こうして
得られた上記サブバンドサンプルデータの量子化値が、
量子化の際に用いられた上記ワード長とスケールファク
タと共に、圧縮データとして出力される。
【0020】上記量子化器としては、図16に示すよう
に量子化値“0"を取るミッドトレッド量子化器と、図
17に示すように量子化値“0"を取らないミッドライ
ザー量子化器の2種類がある。そして、量子化部7をミ
ッドトレッド量子化器のみで構成して量子化に際しては
総てミッドトレッド量子化器を使用する場合と、量子化
部7を両量子化器で構成して量子化に際しては固定され
た所定ワード長よりも長いワード長に対してのみミッド
ライザー量子化器を使用する場合がある。
【0021】このように、所定ワード長より短いワード
長に対してミッドトレッド量子化器を用いるのは、次の
理由による。すなわち、上記量子化器が量子化値“0"
を取れないような場合には、“0"または“0"に極めて
近い信号が量子化器に入力された際に量子化ノイズが発
生するために信号対量子化ノイズ比の値が非常に小さな
値となり、ワード長をある程度長く取ってもマスク値が
量子化ノイズの値を上回ることができなくなるためであ
る。つまり、量子化ノイズが聴こえないようにできない
のである。そこで、“0"または“0"に極めて近い入力
信号が量子化器に入力された際に量子化値が極めて
“0"に近い値を取れるように、非常に長いワード長を
用いて(つまり、量子化ステップを非常に小さくして)量
子化することが必要となる。ところが、非常に長いワー
ド長を用いると、量子化値の表現に必要なビット数が多
くなって圧縮率が悪くなるという問題が生じるのであ
る。
【0022】上述のようなことは、次のようなことによ
って生ずる。すなわち、上記スケールファクタを用いて
−1から+1までの範囲に正規化されたサブバンドサン
プルデータを量子化すると、そのパワーの範囲は量子化
値“0"を取れるミッドトレッド量子化器の場合には0
から1となるのに対し、“0"を取ることができないミ
ッドライザー量子化器の場合には(1/(2∧(ワード
長)))∧2から1となる。つまり、ミッドライザー量子
化器では常に何らかのパワーを有することになって入力
信号が十分小さい場合には量子化した信号が入力信号よ
りも大きくなり、量子化ノイズが入力信号に対して十分
大きくなり得るのである。
【0023】上記ミッドライザー量子化器を用いた際に
上述のことを防ぐためには、ミッドライザー量子化器の
パワーの範囲を表す上記の式から、ワード長を長くして
パワーの取り得る範囲を広げれば良いことが分かる。以
下、このことを図を用いて簡単に説明する。図18は、
上記スケーリングファクタによって正規化されたサブバ
ンドサンプルデータの一例を示す。また、図19は、図
18に示すような入力信号をミッドトレッド量子化器を
用いてワード長“3ビット"で量子化した結果を示す。
また、図20はミッドライザー量子化器を用いてワード
長“3ビット"で量子化した結果を示す。尚、図19,図
20の何れにおいても、入力信号の正規化値を棒グラフ
で表し、その量子化値を“×"で表している。
【0024】上記ミッドライザー量子化器の場合には、
図20における右端に示すサンプルデータのように殆ど
パワーが無い(略−0.07)入力データが量子化によっ
て拡大されて大きな量子化値を持つことになる。これに
対して、ミッドトレッド量子化器の場合には“0"を表
現できるために、図19における右端のサンプルデータ
のようにパワーが十分小さい入力データをパワー“0"
(つまり音がない)として表現できるのである。すなわ
ち、人間の聴覚特性が音の大きさに対して対数的である
ということと、上述の如く入力データに対する量子化ノ
イズの大きさとを考え併せれば、ワード長が十分長くな
い場合には、量子化部7の量子化器としてミッドトレッ
ド量子化器を使う必要があるのである。
【0025】また、図15の符号化装置によって上述の
ようにして得られた圧縮データの伸長は、図21に示す
ような復号化装置を用いて以下のようにして行われる。
図21において、逆量子化部11は、入力された圧縮デ
ータ中のサブバンドサンプルデータの量子化値をワード
長を用いてこのワード長に応じた逆量子化器によって逆
量子化し、さらに、スケールファクタを用いて逆正規化
して各サブバンドサンプルデータに戻す。サブバンド合
成部12は、逆量子化部11で得られた各サブバンドサ
ンプルデータを合成して再生音を生成する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の符号化装置においてミッドトレッド量子化器とミッ
ドライザー量子化器とを併用する場合には、上述のよう
に、所定ワード長より短いワード長で量子化を行う場合
には“0"に極めて近い入力信号を量子化値“0"に変換
可能なようにミッドトレッド量子化器を用いるので、以
下のような問題がある。すなわち、上記ミッドトレッド
量子化器では、図17に示すように、“0"を取らずに
正負対称な量子化レベルを取るのでその量子化レベル数
は偶数となる。したがって、ワード長がビット単位であ
る場合には、ワード長が0,1,2,3,…,iビットの際
に表現可能な符号数(つまり、取り得るコード数)は0,
2(=21),4(=22),8(=23),…,2iと必ず偶数とな
る。これに対して、図16に示すように、“0"を取っ
て“0"を中心として正負対称な量子化レベルを取るミ
ッドトレッド量子化器では、その量子化レベル数は奇数
となる。
【0027】そのために、上記ワード長が0,1,2,3,
…,iビットの際には、0,1(=21−1),3(=22
1),7(=23−1),…,(2i−1)の量子化レベルしか必
要とせず、必ず使用されない符号が1個生じる(図16
の場合には、符号“100"が使用されていない)。
【0028】このように、上記ミッドトレッド量子化器
とミッドライザー量子化器とでは同じワード長で量子化
する際における量子化レベル数が異なる。その結果、量
子化レベル数の多いミッドライザー量子化器の方が量子
化ノイズが少なく、表1に示すようにS/N比が大きく
なるのである。
【表1】
【0029】表1より、上記ワード長が短い程量子化レ
ベル数の差異による影響が大きいことが分かる。したが
って、短いワード長による量子化の際には、ミッドライ
ザー量子化器が使用可能なワード長の範囲ではミッドラ
イザー量子化器を用いた方がS/N比の点で有利になる
のである。ところが、上述のように、従来の符号化復号
化装置では、総てのサブバンドに対して固定された所定
ワード長を境界として使用する量子化器を切り替えるよ
うにしている。一方、上記ミッドライザー量子化器が使
用可能な範囲の下限はサブバンドによって異なる。した
がって、サブバンドによっては、ミッドライザー量子化
器が使用可能でありながら上記所定ワード長以下である
が為にミッドトレッド量子化器が使用される場合や、逆
の場合場所が生じてくる。
【0030】すなわち、固定された所定ワード長より短
いワード長で量子化する際にミッドライザー量子化器か
らミッドトレッド量子化器に切り替えるような従来の符
号化装置においては、圧縮精度や圧縮率が悪くなって圧
縮効率の低下が生ずるという問題が生ずるのである。
【0031】そこで、この発明の目的は、各サブバンド
毎に、ミッドライザー量子化器とミッドトレッド量子化
器との切り替えワード長を可変にして圧縮効率の高い圧
縮符号化を可能にする符号化復号化装置を提供すること
にある。
【0032】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、入力信号を周波数変換して
成る周波数領域データに基づいて信号対マスキング比を
求めるマスキング計算部と,上記周波数領域データを量
子化した場合の信号対量子化ノイズ比の値が上記信号対
マスキング比の値以上となる最小のワード長を必要ビッ
ト数として求める必要ビット数計算部と,1フレームに
配分可能なビット数に応じて上記必要ビット数を配分す
るビット配分部と,このビット配分部で配分された必要
ビット数のワード長で上記入力信号を量子化して圧縮デ
ータを出力する量子化部を有する符号化装置,および,上
記符号化装置で得られた圧縮データを上記量子化時のワ
ード長で逆量子化する逆量子化部を有する復号化装置で
構成された符号化復号化装置において、上記符号化装置
は,ミッドライザー量子化器における“0"に最も近い量
子化レベルに掛からない最小入力パワーが上記入力信号
の最小パワー以下になるような最小ワード長である境界
ビット数を求める境界ビット計算部を備え、上記量子化
部は,ミッドトレッド量子化器とミッドライザー量子化
器との2つの量子化器,および,用いた量子化器を表す量
子化器情報を圧縮データに付加する量子化器情報付加手
段を有し、上記必要ビット数計算部は,上記両量子化器
夫々の必要ビット数を求め,上記ミッドライザー量子化
器に係る必要ビット数と上記境界ビット数との比較結果
に基づいて,量子化時におけるワード長と用いる量子化
器とを設定する量子化器設定手段を有し、上記ビット配
分部は,上記配分した後のワード長と上記境界ビット数
とを比較して最終的なワード長と用いる量子化器とを決
定し,この決定したワード長を上記量子化器に送出する
量子化器決定手段を有し、上記符号化装置は,さらに,上
記ビット配分部によって決定された量子化器に上記入力
信号を選択的に送出する選択部を備え、上記逆量子化部
は,ミッドトレッド逆量子化器とミッドライザー逆量子
化器との2つの逆量子化器を有し、上記復号化装置は,
上記量子化部からの圧縮データに付加されている量子化
器情報に基づいて逆量子化時に用いるべき逆量子化器を
決定して,上記逆量子化部における上記決定された逆量
子化器に選択的に上記圧縮データを送出する逆量子化器
選択部を備えたことを特徴としている。
【0033】また、請求項2に係る発明は、入力信号を
周波数変換して成る周波数領域データに基づいて信号対
マスキング比を求めるマスキング計算部と,上記周波数
領域データを量子化した場合の信号対量子化ノイズ比の
値が上記信号対マスキング比の値以上となる最小のワー
ド長を必要ビット数として求める必要ビット数計算部
と,この必要ビット数のワード長で上記入力信号を量子
化して圧縮データを出力する量子化部を有する符号化装
置,および,上記符号化装置で得られた圧縮データを上記
量子化時のワード長で逆量子化する逆量子化部を有する
復号化装置で構成された符号化復号化装置において、上
記符号化装置は,ミッドライザー量子化器における“0"
に最も近い量子化レベルに掛からない最小入力パワーが
上記入力信号の最小パワー以下になるような最小ワード
長である境界ビット数を求める境界ビット計算部と,1
フレームに配分可能なビット数を上記量子化時のワード
長になるように変更するフレームビット変更部を備え、
上記量子化部は,ミッドトレッド量子化器とミッドライ
ザー量子化器との2つの量子化器を有し、上記必要ビッ
ト数計算部は,上記両量子化器夫々の必要ビット数を求
め,ミッドライザー量子化器に係る必要ビット数と上記
境界ビット数との比較結果に基づいて,量子化時におけ
るワード長と用いる量子化器とを決定し,この決定した
ワード長を上記量子化部における両量子化器に送出する
量子化器決定手段を有し、上記符号化装置は,さらに,上
記ビット配分部によって決定された量子化器に上記入力
信号を選択的に送出する選択部を備え、上記逆量子化部
は,ミッドトレッド逆量子化器とミッドライザー逆量子
化器との2つの逆量子化器を有し、上記復号化装置は、
上記量子化部からの圧縮データの上記ミッドトレッド逆
量子化器による逆量子化データに基づいて信号対マスキ
ング比を求め,上記逆量子化データに基づいてミッドト
レッド量子化器に係る信号対量子化ノイズ比を求め,上
記信号対マスキング比の値と信号対量子化ノイズ比の値
との比較結果に基づいて,上記量子化時に用いられた量
子化器を判定する量子化器判定部と、上記量子化器判定
部による判定結果に基づいて逆量子化時に用いるべき逆
量子化器を決定し,上記逆量子化部における上記決定さ
れた逆量子化器に選択的に上記圧縮データを送出する逆
量子化器選択部を備えたことを特徴としている。
【0034】また、請求項3に係る発明は、入力信号を
周波数変換して成る周波数領域データに基づいて信号対
マスキング比を求めるマスキング計算部と,上記周波数
領域データを量子化した場合の信号対量子化ノイズ比の
値が上記信号対マスキング比の値以上となる最小のワー
ド長を必要ビット数として求める必要ビット数計算部
と,1フレームに配分可能なビット数に応じて上記必要
ビット数を配分するビット配分部と,このビット配分部
で配分された必要ビット数のワード長で上記入力信号を
量子化して圧縮データを出力する量子化部を有する符号
化装置,および,上記符号化装置で得られた圧縮データを
上記量子化時のワード長で逆量子化する逆量子化部を有
する復号化装置で構成された符号化復号化装置におい
て、上記符号化装置は,ミッドライザー量子化器におけ
る“0"に最も近い量子化レベルに掛からない最小入力
パワーが上記入力信号の最小パワー以下になるような最
小ワード長である境界ビット数を求める境界ビット計算
部を備え、上記量子化部は,ミッドトレッド量子化器と
ミッドライザー量子化器との2つの量子化器を有し、上
記必要ビット数計算部は,上記両量子化器夫々の必要ビ
ット数を求め,ミッドライザー量子化器に係る必要ビッ
ト数と上記境界ビット数との比較結果に基づいて量子化
時におけるワード長と用いる量子化器とを設定する量子
化器設定手段を有し、上記ビット配分部は,上記配分し
た後のワード長と上記境界ビット数とを比較して最終的
なワード長と用いる量子化器とを決定し,この決定した
ワード長を上記量子化部における両量子化器に送出する
量子化器決定手段を有し、上記符号化装置は,さらに,上
記ビット配分部によって決定された量子化器が上記ミッ
ドライザー量子化器であって,且つ,このミッドライザー
量子化器で量子化した際に上記ミッドトレッド量子化器
では使用しない符号が用いられる場合には,上記入力信
号を上記量子化部のミッドライザー量子化器に選択的に
送出する一方,それ以外の場合には入力信号を上記ミッ
ドトレッド量子化器に選択的に送出する選択部を備え、
上記逆量子化部は,ミッドトレッド逆量子化器とミッド
ライザー逆量子化器との2つの逆量子化器を有し、上記
復号化装置は,上記量子化部からの圧縮データにミッド
トレッド量子化器では使用されない符号が含まれている
場合には逆量子化時に用いるべき逆量子化器として上記
ミッドライザー逆量子化器を選択する一方,それ以外の
場合には上記ミッドトレッド逆量子化器を選択し,逆量
子化部における上記選択された逆量子化器に選択的に上
記圧縮データを送出する逆量子化器選択部を備えたこと
を特徴としている。
【0035】また、請求項4に係る発明は、請求項1乃
至請求項3の何れか一つに係る発明の符号化復号化装置
において、種々のワード長と各ワード長での上記ミッド
ライザー量子化器における“0"に最も近い量子化レベ
ルに掛からない最小入力パワーの値とを対応付けて成る
テーブルを格納したテーブル格納部を備えると共に、上
記境界ビット計算部は,上記テーブルを検索して上記境
界ビット数を生成するテーブル検索手段を有することを
特徴としている。
【0036】
【作用】請求項1に係る発明では、符号化装置に入力信
号が入力されると、境界ビット計算部によって、上記入
力信号の最小パワーに基づいて上記境界ビットが求めら
れる。また、マスキング計算部によって、入力信号の周
波数領域データに基づいて信号対マスキング比が求めら
れる。さらに、必要ビット数計算部によって、上記周波
数領域データに基づく信号対量子化ノイズ比の値と上記
信号対マスキング比の値との比較結果から上記両量子化
器夫々の必要ビット数が求められ、量子化器設定手段に
よって、ミッドライザー量子化器に係る必要ビット数と
上記境界ビット数との比較結果に基づいて量子化時にお
けるワード長と用いる量子化器とが設定される。ビット
配分部は、1フレームに配分可能なビット数に応じて上
記各必要ビット数を配分し、量子化器決定手段によっ
て、配分後の必要ビット数のワード長と上記境界ビット
数とを比較して最終的なワード長と用いる量子化器を決
定する。そして、この決定されたワード長が量子化部の
ミッドトレッド量子化器とミッドライザー量子化器とに
送出される。そうすると、選択部によって、上記ビット
配分部によって決定された量子化器に上記入力信号が選
択的に送出される。そして、上記量子化部によって、上
記入力信号を受け取った何れかの量子化器で当該入力信
号が量子化され、量子化器情報付加手段によって、用い
た量子化器を表す量子化器情報が付加された圧縮データ
が出力される。
【0037】上述のようにして上記符号化装置から出力
された圧縮データを復号化する際には、上記圧縮データ
が復号化装置に入力される。そうすると、逆量子化器選
択部によって、上記圧縮データに付加されている量子化
器情報に基づいて逆量子化時に用いるべき逆量子化器が
決定され、逆量子化部を構成するミッドトレッド逆量子
化器およびミッドライザー逆量子化器のうち上記決定さ
れた逆量子化器に、上記圧縮データが選択的に送出され
る。そして、上記逆量子化部によって、上記圧縮データ
を受け取った何れかの逆量子化器で当該圧縮データが逆
量子化され、上記入力信号が合成される。
【0038】また、請求項2に係る発明では、請求項1
と同様にして、境界ビット計算部によって上記境界ビッ
トが求められ、マスキング計算部によって信号対マスキ
ング比が求められ、必要ビット数計算部の量子化器決定
手段によって量子化時におけるワード長と用いられる量
子化器とが決定される。そして、この決定されたワード
長が上記量子化部に送出されると共に、フレームビット
変更部によって1フレームに配分可能なビット数が上記
量子化時のワード長になるように変更される。こうし
て、量子化時のワード長として上記必要ビット数が過不
足無く割り当てられる。そうすると、選択部によって、
量子化部における上記必要ビット数計算部によって決定
された量子化器に上記入力信号が選択的に送出される。
そして、上記量子化部によって、上記入力信号を受け取
った何れかの量子化器で当該入力信号が量子化されて圧
縮データが出力される。
【0039】上述のようにして上記符号化装置から出力
された圧縮データを復号化する際には、上記圧縮データ
が復号化装置に入力される。そうすると、量子化器判定
部によって、上記量子化部からの圧縮データのミッドト
レッド逆量子化器による逆量子化データに基づいて信号
対マスキング比およびミッドトレッド量子化器に係る信
号対量子化ノイズ比が求められ、上記信号対マスキング
比の値と信号対量子化ノイズ比の値との比較結果に基づ
いて量子化時に用いられた量子化器が判定される。さら
に、逆量子化器選択部によって、上記量子化器判定部に
よる判定結果に基づいて逆量子化時に用いるべき逆量子
化器が決定される。こうして、上記圧縮データに量子化
器情報を付加することなく、復号化装置側で、量子化時
に用いられた量子化器が判定されて逆量子化時に用いる
べき逆量子化器が決定される。
【0040】また、請求項3に係る発明では、請求項1
に係る発明と同様にして、境界ビット計算部によって上
記境界ビットが求められ、マスキング計算部によって信
号対マスキング比が求められ、必要ビット数計算部によ
って必要ビット数と上記境界ビット数とに基づいて量子
化時のワード長と用いる量子化器とが設定され、ビット
配分部によって最終的なワード長と用いる量子化器とが
決定されて、この決定されたワード長が量子化部のミッ
ドトレッド量子化器とミッドライザー量子化器に送出さ
れる。そうすると、選択部によって、上記ビット配分部
によって決定された量子化器が上記ミッドライザー量子
化器であって、且つ、このミッドライザー量子化器で量
子化した際に上記ミッドトレッド量子化器では使用しな
い符号が用いられる場合には、上記入力信号が上記量子
化部のミッドライザー量子化器に選択的に送出される。
一方、それ以外の場合には、入力信号が上記ミッドトレ
ッド量子化器に選択的に送出される。そして、上記量子
化部によって、上記入力信号を受け取った何れかの量子
化器で入力信号が量子化されて圧縮データが出力され
る。
【0041】上述のようにして上記符号化装置から出力
された圧縮データを復号化する際には、上記圧縮データ
が復号化装置に入力される。そうすると、逆量子化器選
択部によって、上記量子化部からの圧縮データにミッド
トレッド量子化器では使用されない符号が含まれている
場合には、逆量子化時に用いるべき逆量子化器として上
記ミッドライザー逆量子化器が選択される。一方、それ
以外の場合には、上記ミッドトレッド逆量子化器が選択
される。そして、逆量子化部における上記選択された逆
量子化器に選択的に上記圧縮データが送出される。そし
て、上記量子化部によって、上記圧縮データを受け取っ
た何れかの逆量子化器側で当該圧縮データが逆量子化さ
れ、上記入力信号が合成される。
【0042】また、請求項4に係る発明では、上記境界
ビット計算部のテーブル検索手段によって、種々のワー
ド長と各ワード長での上記ミッドライザー量子化器にお
ける“0"に最も近い量子化レベルに掛からない最小入
力パワーの値とを対応付けて成るテーブルが検索されて
上記境界ビット数が生成される。
【0043】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。 <第1実施例>図1は本実施例の符号化復号化装置にお
ける符号化装置のブロック図である。図1において、サ
ブバンド解析部21,スケールファクタ計算部22およ
びマスキング計算部24は、図15に示す従来の符号化
装置におけるサブバンド解析部1,スケールファクタ計
算部2およびマスキング計算部4と同様の構成を有して
同様に動作する。
【0044】境界ビット計算部25は、後に詳述するよ
うにして、各サブバンドにおいて、ワード長が何ビット
以上あれば量子化の際にミッドライザー量子化器が使用
可能であるかを計算する。ここで、図2に示すように、
ミッドライザー量子化器は量子化値として“0"を取る
ことができないために、量子化に際しては、小さなパワ
ーのサブバンドサンプルデータであろうとも必ず何らか
の符号が割り当てられて音が生ずることになる。その際
に問題となるのは、元のサブバンドサンプルデータのパ
ワーよりも量子化ノイズのパワー方が大きくなって、人
間の聴覚の閾値以下のパワーで本来聴こえない筈の音が
量子化によって量子化値Dを有することになって聴こえ
てしまうことである。
【0045】この現象は、原音からのサブバンドサンプ
ルデータの値がミッドライザー量子化器における“0"
に最も近い量子化レベルに掛かる値(図2における入力
値I0以下の値)である場合に生じ、それ以外の場合には
生じない。つまり、サブバンドサンプルデータの絶対値
の最小値がミッドライザー量子化器における“0"に最
も近い量子化レベルに掛からない値であれば、量子化に
際してミッドライザー量子化器を使用できるのである。
本実施例においては、この「ミッドライザー量子化器に
おける“0"に最も近い量子化レベルに掛からない」こと
を、「ミッドライザー量子化器が使用可能」であると言
う。
【0046】そこで、上記境界ビット計算部25は、上
述のことを利用して、記憶部23に上述のスケールファ
クタ・テーブルに加えて格納されている表2を用いて、
各サブバンド毎に量子化の際にミッドライザー量子化器
が使用可能なワード長(境界ビット数)を求めるのであ
る。ここで、上記表2は、種々のワード長と各ワード長
による量子化の際にミッドライザー量子化器が使用可能
な最小パワーの値(図2における入力値I0に相当)とを
対応付けた表である。図3は、上記境界ビット計算部2
5によって実行される境界ビット数算出処理動作のフロ
ーチャートである。以下、図3に従って、境界ビット数
算出処理動作について詳細に説明する。
【0047】ステップS1で、上記サブバンド解析部2
1で得られたサブバンドサンプルデータを上記スケール
ファクタ計算部22で求められたスケールファクタで正
規化する。ステップS2で、上記ステップS1において正
規化されたサブバンドサンプルデータに基づいて、各サ
ブバンド内におけるサブバンドサンプルデータのパワー
同士が比較されて最小パワーの値が各サブバンド毎に求
められる。ステップS3で、各サブバンドにおける最小
パワーの値に基づいて、記憶部23に格納された表2が
参照されて上記境界ビット数が求められる。
【0048】ここで、あるサブバンドにおいて、表2に
おける最小パワーの方がサブバンドサンプルデータの最
小パワー以下であるようなワード長で量子化する場合に
は、ミッドライザー量子化器を使うことが可能である。
したがって、例えば、あるサブバンドにおけるサブバン
ドサンプルデータの最小パワーの値が“0.01"である
場合には、ワード長が5ビット以上の場合に表2におけ
る最小パワーよりも大きくなるので、境界ビット数
“5"が求められるのである。
【表2】 そして、この求められた境界ビット数が必要ビット数計
算部26に送出されて境界ビット数算出処理動作が終了
する。
【0049】以後は、上述のようにして境界ビット計算
部25によって求められた境界ビット数に基づいて、ミ
ッドライザー量子化器が使用可能なワード長の範囲で
は、量子化部29を構成するミッドライザー量子化器3
1で量子化する。一方、それ以外のワード長では、量子
化部29を構成するミッドトレッド量子化器30で量子
化するのである。
【0050】尚、上記境界ビット数算出処理動作によっ
てミッドライザー量子化器31が使用不可能であると判
定されたワード長であってもミッドライザー量子化器3
1が使用できる場合がある。そこで、境界ビット計算部
25は、図4に示す境界ビット数算出処理動作のフロー
チャートに従って境界ビット数の算出処理を行なうよう
にすれば、更なる圧縮精度の向上を図ることができるの
である。
【0051】ステップS11で、上記サブバンド解析部2
1で得られたサブバンドサンプルデータがスケールファ
クタ計算部22で求められたスケールファクタで正規化
されて、各サブバンド毎にパワーが計算される。そし
て、得られた各サブバンドサンプルデータの最小パワー
と記憶部23に格納された表2の最小パワーとが比較さ
れ、サブバンドサンプルデータの最小パワーよりも大き
な最小パワーを有する表2のワード長にマークが付加さ
れる。例えば、サブバンドサンプルデータのパワーが
“0.01"であれば、ワード長1〜ワード長4にマーク
が付加されるのである。
【0052】ステップS12で、上記記憶部23内に設定
されてワード長wlが書き込まれるレジスタWLに“0"
がセットされる。ステップS13で、上記記憶部23の表
2におけるレジスタWLの内容に該当するワード長のマ
ーク欄がチェックされる。ステップS14で、当該ワード
長のマーク欄に上記マークが付加されているか否かが判
別される。その結果、付加されていればステップS15に
進む一方、そうでなければステップS18に進む。
【0053】次に、上記ステップS11においてマークが
付加されて、ミッドライザー量子化器31が使用不可で
あると判定されたワード長で、実際に圧縮伸長して得ら
れたデータに対してマスキングによるチェックが行われ
る。このチェックは以下のようにして行われる。ステッ
プS15で、上記量子化部29のミッドライザー量子化器
31を用いて、当該ワード長で、上記ステップS11にお
ける比較の際に使用されたサブバンドサンプルデータが
実際に量子化される。そして、得られた量子化値が後に
詳述する復号化装置におけるミッドライザー逆量子化器
で逆量子化され、更に逆正規化器でスケールファクタを
掛けて逆正規化されて得られた伸長データのパワーが算
出される。ステップS16で、上記マスキング計算部24
で算出された信号対マスキング比に基づく該当する周波
数のマスキング値のパワーが上記ステップS15において
算出された伸長データのパワーの値より大きいか否かが
判別される。その結果、マスキングパワーの方が大きけ
ればステップS17に進み、そうでなければステップS18
に進む。
【0054】ステップS17で、上記ステップS11におい
てマークが付加されたワード長で実際に圧縮伸長した結
果、ミッドライザー量子化器31が使用可能であると判
定されたので、一旦記憶部23におけるマーク欄に付け
られたマークが消去される。ステップS18で、上記レジ
スタWLの内容がインクリメントされる。ステップS19
で、上記レジスタWLの内容がワード長の最大値より大
きいか否かが判別される。その結果、最大値より大きけ
ればステップS20に進み、そうでなければ上記ステップ
S13に戻って、次のワード長に係るチェックに移行す
る。
【0055】ステップS20で、上記記憶部23に格納さ
れた表2におけるマーク欄が、全サブバンドについて再
度チェックされる。ステップS21で、上記ステップS20
におけるチェックの結果、マークが付加されているサブ
バンドの場合にはステップS22に進み、マークが付加さ
れていないサブバンドの場合にはステップS23に進む。
ステップS22で、上記マークが付加されている最大ワー
ド長の次のワード長が境界ビット数として出力される。
そうした後、境界ビット数算出処理動作を終了する。ス
テップS23で、総てのワード長でミッドライザー量子化
器が使用可能であるから、境界ビット数“0"が出力さ
れる。そうした後、境界ビット数算出処理動作を終了す
る。
【0056】以上のようにして、ワード長が何ビット以
上であればミッドライザー量子化器が使用可能であるか
を求めて境界ビット数を得るのである。ここで、ミッド
ライザー量子化器が使用可能な範囲と使用不可能な範囲
とをあるワード長を境界として分けることができるの
は、ミッドライザー量子化器31を用いたために生じる
ノイズの大きさがワード長の増加に応じて単調減少する
ためである。
【0057】必要ビット数計算部26は、図15におけ
る必要ビット数計算部5と同様にして、サブバンド解析
部21からのサブバンドサンプルデータに基づく信号対
量子化ノイズ比とマスキング計算部24で算出された信
号対マスキング比とに基づいて圧縮/伸長した音と原音
とを人間が区別できないようなワード長のビット数(必
要ビット数)を求める。ここで、上記ミッドトレッド量
子化器30とミッドライザー量子化器31とでは必要ビ
ット数が異なるために、ミッドトレッド量子化器30が
用いられたと仮定した場合とミッドライザー量子化器3
1が用いられたと仮定した場合の両方に付いて上記必要
ビット数を求める。そして、求められた必要ビット数に
基づいて各サブバンドに対するビットの割当てを行い、
この割り当てられたミッドライザー量子化器31での必
要ビット数が境界ビット計算部25で計算された境界ビ
ット数以上であるか否かによって、各サブバンド別に量
子化する際におけるワード長と用いる量子化器とを決定
する。
【0058】ビット配分部27は、図15におけるビッ
ト配分部6と同様にして、1フレームに配分可能なビッ
ト数等の符号化システムの条件に応じて、夫々のサブバ
ンドのワード長を調整する。ここで、本実施例において
は、上記ミッドトレッド量子化器とミッドライザー量子
化器の2つの量子化器を用いるので、上記調整によって
ワード長が変化するに際して同時に量子化器の再選択を
行なう必要が生ずる場合がある。つまり、ワード長を増
加する際に上記境界ビット数を越えた場合には、用いる
量子化器をミッドトレッド量子化器30からミッドライ
ザー量子化器31に変更する。一方、ワード長を減らす
際に上記境界ビット数を越えた場合には、用いる量子化
器をミッドライザー量子化器31からミッドトレッド量
子化器30に変更する。このように、用いる量子化器が
変更された場合には必要とするビット数が変わるので、
配分途中のビット総量を再計算する必要がある。こうし
てワード長と用いる量子化器とが最終的に決定され、こ
の決定されたワード長が量子化部29の両量子化器3
0,31に送出される。
【0059】選択部28は、上記ビット配分部27にお
いてワード長と共に決定された量子化器に、サブバンド
解析部21からのサブバンドサンプルデータを送出す
る。量子化部29は、上述のように、ミッドトレッド量
子化器30とミッドライザー量子化器31との2種類の
量子化器を有している。そして、ビット配分部27によ
る決定に従って、選択部28からサブバンドサンプルデ
ータが送出された量子化器によってビット配分部27か
ら送出されてくるワード長でミッドトレッド量子化ある
いはミッドライザー量子化を行なう。そして、こうして
得られたサブバンドサンプルデータの量子化値と用いら
れたワード長とスケーリングファクタとで成る圧縮デー
タが作成されて出力される。
【0060】ここで、本実施例における量子化部29
は、上記圧縮データに、各サブバンド毎に何れの量子化
器を用いて量子化を行なったかを示す1ビットの量子化
器フラグ(例えば、ミッドライザー量子化器:0、ミッ
ドトレッド量子化器:1)を付加する。この量子化器フ
ラグの構造は、表3に示すように、各サブバンド毎に1
ビツトのデータを並べた構造である。
【表3】
【0061】上記符号化装置によって上述のようにして
ディジタル音楽データを圧縮符号化して得られた圧縮デ
ータは、図5に示す復号化装置によって、以下のように
して伸長復号化される。
【0062】先ず、逆量子化器選択部41は、入力され
た圧縮データにおける量子化器フラグを参照して量子化
の際に用いられた量子化器の種類を判定し、ミッドトレ
ッド逆量子化器43およびミッドライザー逆量子化器4
4のうち逆量子化に際して用いるべき逆量子化器を選択
する。そして、選択結果に従って、符号化装置の量子化
部29におけるミッドトレッド量子化器30で量子化さ
れたサブバンドに係る圧縮データを、逆量子化部42の
ミッドトレッド逆量子化器43に送出する。一方、符号
化装置のミッドライザー量子化器31で量子化されたサ
ブバンドに係る圧縮データをミッドライザー逆量子化器
44に送出する。
【0063】上記逆量子化部42におけるミッドトレッ
ド逆量子化器43は、逆量子化器選択部41から送出さ
れてくる圧縮データにおける量子化されたサブバンドサ
ンプルデータに対してミッドトレッド逆量子化を行な
う。一方、ミッドライザー逆量子化器44はミッドライ
ザー逆量子化を行なう。逆正規化部45は、上記ミッド
トレッド逆量子化器43による逆量子化結果とミッドラ
イザー逆量子化器44による逆量子化結果とを各サブバ
ンド毎に時系列で組み合わせ、圧縮データ中のスケール
ファクタを用いて逆正規化して、各サブバンドサンプル
データを再構成する。サブバンド合成部46は、上記逆
正規化部45で得られた各サブバンドサンプルデータを
合成して再生音を生成する。
【0064】このように、上記実施例の符号化装置にお
いては、境界ビット計算部25と選択部28を有する。
また、記憶部23には、種々のワード長と各ワード長で
の量子化の際にミッドライザー量子化器が使用可能な最
小パワーとを対応付けた表2を記憶しておき、量子化部
29にはミッドトレッド量子化器30とミッドライザー
量子化器31とを設けている。そして、必要ビット数計
算部26による上記必要ビット数の算出に先立って、境
界ビット計算部25によって、上記表2を参照して、量
子化に際してミッドライザー量子化器31が使用可能な
最小ワード長である境界ビット数を求める。
【0065】上記必要ビット数計算部26は、ミッドト
レッド量子化器30とミッドライザー量子化器31とに
関して、圧縮/伸長した音を原音と区別できないように
する為のワード長である上記必要ビット数を計算し、ミ
ッドライザー量子化器に係る必要ビット数と上記境界ビ
ット数との比較結果に基づいて使用量子化器を設定す
る。そして、ビット配分部27でワード長を調整して使
用量子化器を決定する。そうすると、量子化部29は、
ビット配分部27で最終的に決定されたワード長および
量子化器で、サブバンド解析部21からのサブバンドサ
ンプルデータを量子化し、各サブバンド別に量子化の際
に用いた量子化器の種類を表す量子化器フラグを圧縮デ
ータに付加して出力する。
【0066】一方、復号化装置は、逆量子化器選択部4
1を有すると共に、逆量子化部42にはミッドトレッド
逆量子化器43とミッドライザー逆量子化器44とを設
けている。そして、逆量子化器選択部41は、圧縮デー
タ中の量子化器フラグの内容に基づいてサブバンド毎に
用いる逆量子化器を選択し、選択された逆量子化器に圧
縮データを送出するようにしている。
【0067】したがって、本実施例によれば、量子化に
際してのミッドトレッド量子化器30とミッドライザー
量子化器31との切り替えワード長を可変にして、各サ
ブバンド毎のワード長がミッドライザー量子化器31が
使用可能な範囲内にある場合にはミッドライザー量子化
器31を用いて量子化をおこなうので、ミッドライザー
量子化器31が使用できるのにミッドトレッド量子化器
30が用いられたり、ミッドライザー量子化器31が使
用できないのにミッドライザー量子化器31が用いられ
たりするのを防止して、高い圧縮効率で圧縮符号化でき
る。また、上記ミッドライザー量子化器31が使用不可
能な短ワード長の場合にはミッドトレッド量子化器30
を用いて量子化するので、“0"に極く近い小パワーの
入力信号の場合には量子化値“0"を出力することがで
き、人間の聴覚では認識できない音が量子化することに
よって聞こえてしまうことを防止できる。
【0068】<第2実施例>第1実施例においては、復
号化装置によって逆量子化するに際しては、符号化装置
からの圧縮データに付加された量子化器フラグの内容を
参照して圧縮符号化に際して用いた量子化器の種類を判
定している。本実施例では、上記圧縮データに量子化器
フラグを付加することなく、復号化装置側で圧縮符号化
に際して用いた量子化器の種類を判定するものである。
【0069】上記ミッドトレッド量子化器とミッドライ
ザー量子化器とを用いて同じワード長で量子化した際に
は、図16および図17から分かるように、ミッドライ
ザー量子化器の方が量子化レベル数が1つ多いために量
子化ノイズが小さく、その結果S/N比が大きくなる。
そこで、本実施例においては、符号化装置において量子
化する際に、上記必要ビット数丁度のワード長で量子化
する。そして、復号化装置側において逆量子化する際
に、ミッドトレッド逆量子化器で逆量子化した際の逆量
子化データの信号対マスキング比の値を求める一方、ミ
ッドトレッド量子化器を用いた場合の信号対量子化ノイ
ズ比を求める。そして、この求められた信号対マスキン
グ比と信号対量子化ノイズ比とを比較することによっ
て、量子化時に用いられた量子化器がミッドライザー量
子化器であるか否かを判断するのである。
【0070】図6は、本実施例における符号化復号化装
置における符号化装置のブロック図である。サブバンド
解析部51,スケーリングファクタ計算部52,記憶部5
3,マスキング計算部54,境界ビット計算部55および
選択部57は、第1実施例におけるサブバンド解析部2
1,スケーリングファクタ計算部22,記憶部23,マス
キング計算部24,境界ビット計算部25および選択部
28と同様の構成を成して同様に動作する。
【0071】上記必要ビット数計算部56は、第1実施
例において述べたようにしてミッドトレッド量子化器を
用いた場合の必要ビット数とミッドライザー量子化器を
用いた場合の必要ビット数とを求める。そして、この必
要ビット数に基づいて、境界ビット計算部55で求めら
れた境界ビット数を参照して、各サブバンド別に量子化
時のワード長と用いる量子化器を決定する。
【0072】本実施例においては、上述のように、上記
必要ビット数丁度のワード長で量子化する。そこで、必
要ビット数計算部56は、決定したワード長を量子化部
58の両量子化器59,60にそのまま送出する。そし
て、選択部57は、必要ビット数計算部56で決定され
た量子化器に、サブバンド解析部51からのサブバンド
サンプルデータを送出するのである。このように、本実
施例におけるワード長として、人間の聴覚で量子化ノイ
ズを認識できないようにするための必要ビット数を過不
足無く割り当てるのである。また、そのために、フレー
ムビット数変更手段を有して1フレーム毎のデータ数を
可変にし、1フレームに配分可能なビット等の符号化シ
ステムの条件に応じたワード長の調整は行わないのであ
る。
【0073】こうして、決定されたワード長とサブバン
ドサンプルデータが決定された量子化器に送出される
と、上記量子化部58の各量子化器59,60は、必要
ビット数計算部56からのワード長で、対応する量子化
方法によって、選択部57からのサブバンドサンプリン
グデータを量子化する。そして、得られたサブバンドサ
ンプルデータの量子化値と用いられたワード長とスケー
リングファクタとで成る圧縮データが生成されて出力さ
れる。
【0074】その際に、本実施例における上記量子化部
58は、出力する圧縮データには、各サブバンド毎に何
れの量子化器を用いて量子化を行ったかを示す上記量子
化器フラグを付加しないのである。そして、それに代わ
って、1フレーム毎のデータ数を可変にし、常に人間の
聴覚で量子化ノイズを認識できないようにするためのワ
ード長として上記必要ビットを可不足なく割り当てるの
である。
【0075】上記符号化装置によって上述のようにして
ディジタル音楽データを圧縮符号化して得られた圧縮デ
ータは、図7に示す復号化装置によって、以下のように
して伸長復号化される。
【0076】逆量子化マスキング計算部61は上記量子
化器判定部を構成して、図8に示す量子化器判断処理動
作のフローチャートに従って、各サブバンド毎に、ミッ
ドトレッド逆量子化器を用いて逆量子化した信号の信号
対マスキング比を算出して、量子化時に使用された量子
化器を判定する。ステップS31で、上記符号化装置によ
って得られた圧縮データ中における量子化されたサブバ
ンドサンプルデータに対して、逆量子化部63を構成す
るミッドトレッド逆量子化器64によって逆量子化さ
れ、逆正規化部66によって逆正規化されて、サブバン
ドサンプルデータが再構成される。ステップS32で、上
記ステップS31において再構成されたサブバンドサンプ
ルデータに基づいて、上記符号化装置のマスキング計算
部54と同様にして、信号対マスキング比の値が算出さ
れる。ステップS33で、上記ステップS31において再構
成されたサブバンドサンプルデータおよび上記圧縮デー
タ中における当該サブバンドのワード長に基づいて、必
要ビット数計算部56と同様の処理によって、ミッドト
レッド量子化器を用いた場合の信号対量子化ノイズ比の
値が算出される。
【0077】ステップS34で、上記ステップS32におい
て算出された信号対マスキング比の値が信号対量子化ノ
イズ比の値より大きいか否かが判別される。その結果、
大きければステップS35に進む一方、そうでなければス
テップS36に進む。ステップS35で、上記符号化装置に
よる量子化の際にはミッドライザー量子化器31が用い
られたと判定されて、例えば内部メモリ等に設定された
使用量子化器フラグに“0"がセットされる。そうした
後、量子化器判断処理動作を終了する。ステップS36
で、上記符号化装置による量子化の際にはミッドトレッ
ド量子化器30が用いられたと判定されて、上記使用量
子化器フラグに“1"がセットされる。そうした後、量
子化器判断処理動作を終了する。
【0078】本実施例においては、上述のようにして、
用いられた量子化器の種類を復号化装置側で判断できる
のは次の理由による。すなわち、表1に示すように、同
一ワード長におけるS/N比(つまり、信号対量子化ノイ
ズ比)はミッドトレッド量子化器59よりもミッドライ
ザー量子化器60の方が大きい。また、上述のように、
本実施例における符号化装置においては量子化の際のワ
ード長として上記必要ビット数が可不足なく割り当てら
れている。したがって、上記符号化装置においてミッド
ライザー量子化器60で量子化した量子化データのミッ
ドトレッド逆量子化器64による逆量子化データをミッ
ドトレッド量子化器で量子化した場合には、上記ワード
長を必要ビット数丁度に割り当てることによって人間の
聴覚で認識できない(つまり、最小可聴限を考慮に入れ
たマスキング値を越えない)最大値に設定されていた量
子化ノイズが、拡大されて上記マスキング値を越えるこ
とになる。その結果、上記逆量子化データに基づくミッ
ドトレッド量子化器に係る信号対量子化ノイズ比の値
は、上記逆量子化データに基づく信号対マスキング比の
値よりも小さな値となるのである。
【0079】こうして、量子化データをミッドトレッド
逆量子化器64で逆量子化して得られた伸長データに基
づくミッドトレッド量子化器に係る信号対量子化ノイズ
比の値と、上記逆量子化データに基づく信号対マスキン
グ比の値とを比較することによって、符号化の際に使用
された量子化器がミッドライザー量子化器60であるか
否かが判定できるのである。
【0080】尚、その際に、上記逆量子化データに基づ
いて求められる信号対マスキング比および信号対量子化
ノイズ比の値は、符号化装置におけるマスキング計算部
54で求められる信号対マスキング比の値および必要ビ
ット数計算部56で求められる信号対量子化ノイズ比の
値の近似値となる必要がある。このことは、符号化復号
化装置は、復号化装置で復号化されたデータは元のサブ
バンドサンプルデータの近似値となることを前提として
いるのであるから、当然、上記必要条件は成立すると言
える。
【0081】逆量子化器選択部62は、上記逆量子化マ
スキング計算部61の内部メモリに設定された使用量子
化器フラグの内容を参照して、逆量子化部63による逆
量子化の際に用いる逆量子化器を選択する。そして、そ
の選択結果に従って、符号化装置の量子化部58におけ
るミッドトレッド量子化器59で量子化されたサブバン
ドに係る圧縮データを逆量子化部63のミッドトレッド
逆量子化器64に送出する。一方、符号化装置のミッド
ライザー量子化器60で量子化されたサブバンドに係る
圧縮データをミッドライザー逆量子化器65に送出す
る。
【0082】上記逆量子化部63におけるミッドトレッ
ド逆量子化器64は、逆量子化器選択部62から送出さ
れてくる圧縮データにおける量子化されたサブバンドサ
ンプルデータに対してミッドトレッド逆量子化を行な
う。一方、ミッドライザー逆量子化器65はミッドライ
ザー逆量子化を行なう。
【0083】逆正規化部66およびサブバンド合成部6
7は、第1実施例における逆正規化部45おけるサブバ
ンド合成部46と同様に動作して、上記両逆量子化器6
4,65による逆量子化結果を各サブバンド毎に時系列
で組み合わせて逆正規化して各サブバンドサンプルデー
タを再構成し、この各サブバンドサンプルデータを合成
して再生音を生成する。
【0084】このように、上記実施例においては、符号
化装置における1フレーム毎のデータ数を可変にする。
そして、必要ビット数計算部56によって、算出した上
記必要ビット数に基づいて、境界ビット計算部55で求
められた境界ビット数を参照して、各サブバンド別に量
子化時のワード長と用いる量子化器を決定し、この決定
したワード長を量子化部58における両量子化器59,
60にそのまま送出する。こうして、ワード長に上記必
要ビット数を過不足無く割り当てる。また、選択部57
によって、必要ビット数計算部56で決定された量子化
器に、サブバンド解析部51からのサブバンドサンプル
データを送出する。
【0085】一方、復号化装置には、逆量子化マスキン
グ計算部61を設ける。そして、この逆量子化マスキン
グ計算部61によって、符号化装置からの圧縮データの
ミッドトレッド逆量子化器64による逆量子化データに
基づいて、ミッドトレッド量子化器に係る信号対量子化
ノイズ比の値を求める。さらに、上記逆量子化データに
基づいて信号対マスキング比の値を求め、この信号対量
子化ノイズ比の値と信号対マスキング比の値とを比較し
て、符号化の際に使用された量子化器がミッドライザー
量子化器60であるか否かを判定するようにしている。
【0086】したがって、本実施例によれば、第1実施
例のように、符号化装置によって得られる圧縮データに
量子化器フラグを付加する必要が無く、圧縮符号化の際
における圧縮効率を更に高めることができる。
【0087】<第3実施例>本実施例は、第2実施例と
同様に、上記圧縮データに量子化器フラグを付加するこ
となく、復号化装置側で圧縮符号化に際して用いた量子
化器の種類を判定するものである。
【0088】上述したように、上記ミッドトレッド量子
化器とミッドライザー量子化器とで同一ワード長で量子
化した場合には、ミッドトレッド量子化器の方が使用す
る符号数が1個少ない。そして、ミッドライザー量子化
器では使用するがミッドトレッド量子化器では使用しな
い符号を予め定めておくことによって、この符号の有無
によって量子化器の種類を判定できるのである。
【0089】そこで、本実施例においては、符号化装置
において量子化する際に、量子化時のワード長が上記境
界ビット数以上であって、ミッドライザー量子化器を用
いて量子化した際にミッドトレッド量子化では用いられ
ない符号が使用されるサブバンドにのみ、ミッドライザ
ー量子化器を用いて量子化する。そして、それ以外はミ
ッドトレッド量子化器を用いて量子化する。一方、復号
化装置においては、上記ミッドトレッド量子化器では用
いられない符号が含まれているサブバンドの圧縮データ
のみをミッドライザー量子化器で量子化されたと判断し
て、ミッドライザー逆量子化器で逆量子化する。そし
て、それ以外はミッドトレッド逆量子化器で逆量子化す
るのである。
【0090】図9は、本実施例における符号化復号化装
置における符号化装置のブロック図である。サブバンド
解析部71,スケーリングファクタ計算部72,マスキン
グ計算部74,境界ビット計算部75,必要ビット数計算
部76,ビット配分部77および量子化部79は、第1
実施例におけるサブバンド解析部21,スケーリングフ
ァクタ計算部22,マスキング計算部24,境界ビット計
算部25,必要ビット数計算部26,ビット配分部27お
よび量子化部29と同様の構成を成して同様に動作す
る。但し、本実施例のビット配分部77は、選択部78
に対しても決定されたワード長を送出する。
【0091】上記記憶部73には、スケーリングファク
タ・テーブルおよび表2に加えて、種々のワード長にお
けるミッドライザー量子化器81では使用するがミッド
トレッド量子化器80では使用しない符号のリストを格
納している。選択部78は、図10に示すような量子化
器選択処理動作のフローチャートに従って、以下のよう
にして、各サブバンド毎に、量子化の際に用いる量子化
器を選択する。
【0092】ステップS41で、第1実施例における選択
部28と同様にして、ビット配分部77からの決定され
た量子化器の情報に基づいて、用いるべき量子化器が選
択される。ステップS42で、上記ビット配分部77から
の決定されたワード長と量子化器との情報に基づいて量
子化部79が制御され、サブバンド毎に、ミッドライザ
ー量子化器81が選択されているワード長で、サブバン
ドサンプリングデータがミッドライザー量子化器81に
よって量子化される。ステップS43で、上記ステップS
42において得られた量子化値が表す符号の内容に基づい
て、記憶部73に格納された符号リストが参照されて、
ミッドライザー量子化器81では使用されるがミッドト
レッド量子化器80では使用されない符号が在るか否か
が判別される。その結果、在ればステップS44に進み、
そうでなければステップS45に進む。
【0093】ステップS44で、量子化時に用いるべき量
子化器はミッドライザー量子化器81であると決定され
て、当該サブバンドのサブバンドサンプリングデータが
量子化部79を構成するミッドライザー量子化器81に
送出される。そうした後、量子化器選択処理動作を終了
する。ステップS45で、量子化時に用いるべき量子化器
はミッドトレッド量子化器80であると決定されて、当
該サブバンドのサブバンドサンプリングデータがミッド
トレッド量子化器80に送出される。そうした後、量子
化器選択処理動作を終了する。
【0094】こうして、決定されたワード長とサブバン
ドサンプルデータが決定された量子化器に送出される
と、上記量子化部79の各量子化器80,81は、ビッ
ト配分部77からのワード長で、対応する量子化方法に
よって、選択部57からのサブバンドサンプリングデー
タを量子化する。そして、得られたサブバンドサンプル
データの量子化値と用いられたワード長とスケーリング
ファクタとで成る圧縮データが生成されて出力される。
【0095】その際に、本実施例における上記量子化部
79は、出力する圧縮データには、各サブバンド毎に何
れの量子化器を用いて量子化を行ったかを示す上記量子
化器フラグを付加しない。
【0096】上記符号化装置によって上述のようにして
ディジタル音楽データを圧縮符号化して得られた圧縮デ
ータは、図11に示す復号化装置によって、以下のよう
にして伸長復号化される。
【0097】逆量子化器選択部91は、サブバンド毎
に、圧縮データにおける量子化されたサブバンドサンプ
リングデータ中にミッドトレッド量子化器80では使用
されない符号が含まれている場合には、逆量子化に際し
て用いるべき逆量子化器としてミッドライザー逆量子化
器を選択する。一方、そうでない場合にはミッドトレッ
ド逆量子化器を選択する。そして、選択結果に従って、
符号化装置の量子化部79におけるミッドトレッド量子
化器80で量子化されたサブバンドに係る圧縮データを
逆量子化部92のミッドトレッド逆量子化器93に送出
する。一方、符号化装置のミッドライザー量子化器81
で量子化されたサブバンドに係る圧縮データをミッドラ
イザー逆量子化器94に送出する。
【0098】逆量子化部92,逆正規化部95およびサ
ブバンド合成部96は、第1実施例における逆量子化部
42,逆正規化部45およびサブバンド合成部46と同
様の構成を有して同様に動作する。そして、上記逆量子
化器選択部91において選択された逆量子化器で当該サ
ブバンドの圧縮データが逆量子化され、両逆量子化器9
3,94による逆量子化結果を各サブバンド毎に時系列
で組み合わせ、圧縮データ中のスケールファクタで逆正
規化して再構成された各サブバンドサンプルデータを生
成して再生音を合成するのである。
【0099】このように、上記実施例においては、上記
符号化装置における選択部78で、ビット配分部77に
おいてミッドライザー量子化器81が選択されたワード
長で対応するサブバンドのサブバンドサンプリングデー
タをミッドライザー量子化器81で量子化する。そし
て、その量子化結果にミッドトレッド量子化器80で使
用しない符号が含まれている場合にのみ、当該サブバン
ドサンプリングデータをミッドライザー量子化器81で
量子化する。一方、上記復号化装置では、逆量子化器選
択部91によって、圧縮データにおける量子化されたサ
ブバンドサンプリングデータ中にミッドトレッド量子化
器80では使用されない符号が含まれている場合には、
逆量子化に際して用いるべき逆量子化器としてミッドラ
イザー逆量子化器94が選択される。そして、その他の
場合にはミッドトレッド逆量子化器93が選択される。
【0100】したがって、本実施例によれば、上記ミッ
ドトレッド量子化器を用いて量子化するに際して可能な
範囲でミッドライザー量子化器を併用することができ、
ミッドライザー量子化器のみを用いることによる量子化
精度の低下をある程度押えることができる。すなわち、
本実施例によれば、圧縮効率の高い圧縮符号化を行うこ
とが可能となる。
【0101】上記各実施例においては、上記サブバンド
解析部21,51,71によって得られたサブバンドサン
プルデータに基づいて、境界ビット数および必要ビット
数の生成や量子化を行っている。しかしながら、この発
明はこれに限定されるものではなく、上記FFT,DC
T,MDCT等によって得られた周波数帯域別の波形デ
ータに基づいて境界ビット数および必要ビット数の生成
や量子化を行っても何ら差し支えない。
【0102】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の符号化復号化装置は、符号化装置に境界ビット
計算部を設けると共に、量子化部にはミッドトレッド量
子化器とミッドライザー量子化器とを設けて、上記境界
ビット計算部によって量子化時にミッドライザー量子化
器が使用可能なワード長の最小値である境界ビット数を
求め、必要ビット数計算部およびビット配分部によっ
て、上記両量子化器夫々の必要ビット数と上記境界ビッ
ト数と1フレームに配分可能なビット数に基づいて最終
的なワード長と用いる量子化器とを決定し、この決定さ
れた量子化器で入力信号を量子化するので、量子化に際
してのミッドトレッド量子化器とミッドライザー量子化
器との切り替えワード長を可変にして、量子化時のワー
ド長がミッドライザー量子化器が使用可能な範囲内に在
る場合には確実にミッドライザー量子化器を用いて量子
化できる。したがって、ミッドライザー量子化器が使用
可能なワード長でミッドトレッド量子化器を使用したり
ミッドライザー量子化器が使用不可能なワード長でミッ
ドライザー量子化器を使用したりすることによる圧縮精
度や圧縮率の低下を防止して、高い圧縮効率で圧縮符号
化できる。
【0103】さらに、上記ミッドライザー量子化器が使
用できないような短ワード長の場合にはミッドトレッド
量子化器を用いて量子化するので、“0"に極く近い小
パワーの入力信号の場合には量子化値“0"を出力で
き、人間の聴覚では認識できない音が量子化によって聞
こえてしまうことを防止できる。
【0104】さらに、上記符号化装置の量子化部は、得
られた圧縮データに、用いた量子化器を表す量子化器情
報を付加して出力する一方、復号化装置には逆量子化器
選択部を設けると共に、逆量子化器にミッドトレッド逆
量子化器とミッドライザー逆量子化器とを設けて、上記
量子化部からの圧縮データに付加されている量子化器情
報に基づいて逆量子化時に用いるべき逆量子化器を決定
するので、量子化に際してのミッドトレッド量子化器と
ミッドライザー量子化器との切り替えワード長が可変で
あっても、量子化の際に使用された量子化器に対応した
逆量子化器で逆量子化できる。
【0105】また、請求項2に係る発明の符号化復号化
装置は、上記必要ビット数計算部で求められた両必要ビ
ット数の値と上記境界ビット数との比較結果に基づい
て、上記量子化時におけるワード長と用いる量子化器と
を決定し、この決定したワード長を上記量子化部におけ
る両量子化器に送出するので、フレームビット数変更部
によって1フレームに配分可能なビット数を上記量子化
時のワード長になるように変更することによって、量子
化時のワード長に上記必要ビット数を過不足無く割り当
てることができる。したがって、復号化に際して、量子
化器判定部によって、上記圧縮データのミッドトレッド
逆量子化器による逆量子化データを用いた信号対マスキ
ング比と信号対量子化ノイズ比の値との比較結果に基づ
いて、量子化時に用いられた量子化器を判定できる。す
なわち、この発明によれば、量子化の際に用いられた量
子化器を復号化装置側で判定でき、上記量子化に際して
圧縮データに量子化器情報を付加する必要がなく、圧縮
率を高めて更なる圧縮効率の向上を図ることができる。
【0106】また、請求項3に係る発明の符号化復号化
装置は、上記選択部によって、上記ビット配分部で決定
された量子化器が上記ミッドライザー量子化器であっ
て、且つ、このミッドライザー量子化器で量子化した際
に上記ミッドトレッド量子化器では使用しない符号が使
用される場合には、上記入力信号を上記量子化部のミッ
ドライザー量子化器に選択的に送出する一方、それ以外
の場合には入力信号をミッドトレッド量子化器に選択的
に送出するので、復号化に際して、逆量子化器選択部に
よって、上記圧縮データにミッドトレッド量子化器では
使用されない符号が含まれている場合には逆量子化時に
用いるべき逆量子化器として上記ミッドライザー逆量子
化器を選択する一方、それ以外の場合には上記ミッドト
レッド逆量子化器を選択することができる。したがっ
て、量子化の際に用いられた量子化器を復号化装置側で
判定でき、上記量子化に際して圧縮データに量子化器情
報を付加する必要がなく、圧縮率を高めることができ
る。
【0107】さらに、上記ミッドトレッド量子化器を使
用して量子化するに際して可能な範囲でミッドライザー
量子化器を併用することによって、圧縮精度を高めるこ
とができる。
【0108】すなわち、この発明によれば、高い圧縮効
率で圧縮符号化できるのである。
【0109】また、請求項4に係る発明の符号化復号化
装置は、種々のワード長と夫々のワード長での上記ミッ
ドライザー量子化器における“0"に最も近い量子化レ
ベルに掛からない最小入力パワーの値とを対応付けて成
るテーブルをテーブル格納部に格納して、上記境界ビッ
ト計算部は、上記テーブルを用いて上記境界ビット数を
求めるので、簡単な処理によって上記境界ビット数を求
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の符号化復号化装置における符号化装
置のブロック図である。
【図2】図1におけるミッドライザー量子化器による小
パワー時の量子化ノイズの説明図である。
【図3】図1における境界ビット計算部によって実行さ
れる境界ビット数算出処理動作のフローチャートであ
る。
【図4】図3とは異なる境界ビット数算出処理動作のフ
ローチャート図である。
【図5】図1に示す符号化装置からの圧縮データを復号
化/伸長する復号化装置のブロック図である。
【図6】図1とは異なる符号化装置のブロック図であ
る。
【図7】図6に示す符号化装置からの圧縮データを復号
化/伸長する復号化装置のブロック図である。
【図8】図7における逆量子化マスキング計算部によっ
て実行される量子化器判断処理動作のフローチャートで
ある。
【図9】図1および図6とは異なる符号化装置のブロッ
ク図である。
【図10】図9における選択部によって実行される量子
化器選択処理動作のフローチャートである。
【図11】図9に示す符号化装置からの圧縮データを復
号化/伸長する復号化装置のブロック図である。
【図12】最小可聴限の周波数特性を示す図である。
【図13】入力信号に対するマスキング値の周波数特性
を示す図である。
【図14】最小可聴限を考慮に入れたマスキング曲線を
示す図である。
【図15】従来の符号化装置のブロック図である。
【図16】ミッドトレッド量子化器の説明図である。
【図17】ミッドライザー量子化器の説明図である。
【図18】正規化されたサブバンドサンプルデータの一
例を示す図である。
【図19】図18に示す入力信号をミッドトレッド量子
化器で量子化した結果の一例を示す図である。
【図20】図18に示す入力信号をミッドライザー量子
化器で量子化した結果の一例を示す図である。
【図21】図15に示す符号化装置からの圧縮データを
復号化/伸長する復号化装置のブロック図である。
【符号の説明】
21,51,71…サブバンド解析部、22,52,72…
スケールファクタ計算部、23,53,73…記憶部、2
4,54,74…マスキング計算部、25,55,75…境
界ビット計算部、26,56,76…必要ビット数計算
部、27,77…ビット配分部、 28,57,7
8…選択部、29,58,79…量子化部、30,59,8
0…ミッドトレッド量子化器、31,60,81…ミッド
ライザー量子化器、41,62,91…逆量子化器選択
部、42,63,92…逆量子化部、43,64,93…ミ
ッドトレッド逆量子化器、44,65,94…ミッドライ
ザー逆量子化器、45,66,95…逆正規化部、
46,67,96…サブバンド合成部、61…逆量子化マ
スキング計算部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を周波数変換して成る周波数領
    域データに基づいて信号対マスキング比を求めるマスキ
    ング計算部と、上記周波数領域データを量子化した場合
    の信号対量子化ノイズ比の値が上記信号対マスキング比
    の値以上となる最小のワード長を必要ビット数として求
    める必要ビット数計算部と、1フレームに配分可能なビ
    ット数に応じて上記必要ビット数を配分するビット配分
    部と、このビット配分部で配分された必要ビット数のワ
    ード長で上記入力信号を量子化して圧縮データを出力す
    る量子化部を有する符号化装置、および、上記符号化装
    置で得られた圧縮データを上記量子化時のワード長で逆
    量子化する逆量子化部を有する復号化装置で構成された
    符号化復号化装置において、 上記符号化装置は、ミッドライザー量子化器における
    “0"に最も近い量子化レベルに掛からない最小入力パ
    ワーが上記入力信号の最小パワー以下になるような最小
    ワード長である境界ビット数を求める境界ビット計算部
    を備え、 上記量子化部は、ミッドトレッド量子化器とミッドライ
    ザー量子化器との2つの量子化器、および、用いた量子
    化器を表す量子化器情報を圧縮データに付加する量子化
    器情報付加手段を有し、 上記必要ビット数計算部は、上記両量子化器夫々の必要
    ビット数を求め、上記ミッドライザー量子化器に係る必
    要ビット数と上記境界ビット数との比較結果に基づい
    て、量子化時におけるワード長と用いる量子化器とを設
    定する量子化器設定手段を有し、 上記ビット配分部は、上記配分した後のワード長と上記
    境界ビット数とを比較して最終的なワード長と用いる量
    子化器とを決定し、この決定したワード長を上記量子化
    器に送出する量子化器決定手段を有し、 上記符号化装置は、さらに、上記ビット配分部によって
    決定された量子化器に上記入力信号を選択的に送出する
    選択部を備え、 上記逆量子化部は、ミッドトレッド逆量子化器とミッド
    ライザー逆量子化器との2つの逆量子化器を有し、 上記復号化装置は、上記量子化部からの圧縮データに付
    加されている量子化器情報に基づいて逆量子化時に用い
    るべき逆量子化器を決定して、上記逆量子化部における
    上記決定された逆量子化器に選択的に上記圧縮データを
    送出する逆量子化器選択部を備えたことを特徴とする符
    号化復号化装置。
  2. 【請求項2】 入力信号を周波数変換して成る周波数領
    域データに基づいて信号対マスキング比を求めるマスキ
    ング計算部と、上記周波数領域データを量子化した場合
    の信号対量子化ノイズ比の値が上記信号対マスキング比
    の値以上となる最小のワード長を必要ビット数として求
    める必要ビット数計算部と、この必要ビット数のワード
    長で上記入力信号を量子化して圧縮データを出力する量
    子化部を有する符号化装置、および、上記符号化装置で
    得られた圧縮データを上記量子化時のワード長で逆量子
    化する逆量子化部を有する復号化装置で構成された符号
    化復号化装置において、 上記符号化装置は、ミッドライザー量子化器における
    “0"に最も近い量子化レベルに掛からない最小入力パ
    ワーが上記入力信号の最小パワー以下になるような最小
    ワード長である境界ビット数を求める境界ビット計算部
    と、1フレームに配分可能なビット数を上記量子化時の
    ワード長になるように変更するフレームビット変更部を
    備え、 上記量子化部は、ミッドトレッド量子化器とミッドライ
    ザー量子化器との2つの量子化器を有し、 上記必要ビット数計算部は、上記両量子化器夫々の必要
    ビット数を求め、ミッドライザー量子化器に係る必要ビ
    ット数と上記境界ビット数との比較結果に基づいて、量
    子化時におけるワード長と用いる量子化器とを決定し、
    この決定したワード長を上記量子化部における両量子化
    器に送出する量子化器決定手段を有し、 上記符号化装置は、さらに、上記ビット配分部によって
    決定された量子化器に上記入力信号を選択的に送出する
    選択部を備え、 上記逆量子化部は、ミッドトレッド逆量子化器とミッド
    ライザー逆量子化器との2つの逆量子化器を有し、 上記復号化装置は、 上記量子化部からの圧縮データの上記ミッドトレッド逆
    量子化器による逆量子化データに基づいて信号対マスキ
    ング比を求め、上記逆量子化データに基づいてミッドト
    レッド量子化器に係る信号対量子化ノイズ比を求め、上
    記信号対マスキング比の値と信号対量子化ノイズ比の値
    との比較結果に基づいて、上記量子化時に用いられた量
    子化器を判定する量子化器判定部と、 上記量子化器判定部による判定結果に基づいて逆量子化
    時に用いるべき逆量子化器を決定し、上記逆量子化部に
    おける上記決定された逆量子化器に選択的に上記圧縮デ
    ータを送出する逆量子化器選択部を備えたことを特徴と
    する符号化復号化装置。
  3. 【請求項3】 入力信号を周波数変換して成る周波数領
    域データに基づいて信号対マスキング比を求めるマスキ
    ング計算部と、上記周波数領域データを量子化した場合
    の信号対量子化ノイズ比の値が上記信号対マスキング比
    の値以上となる最小のワード長を必要ビット数として求
    める必要ビット数計算部と、1フレームに配分可能なビ
    ット数に応じて上記必要ビット数を配分するビット配分
    部と、このビット配分部で配分された必要ビット数のワ
    ード長で上記入力信号を量子化して圧縮データを出力す
    る量子化部を有する符号化装置、および、上記符号化装
    置で得られた圧縮データを上記量子化時のワード長で逆
    量子化する逆量子化部を有する復号化装置で構成された
    符号化復号化装置において、 上記符号化装置は、ミッドライザー量子化器における
    “0"に最も近い量子化レベルに掛からない最小入力パ
    ワーが上記入力信号の最小パワー以下になるような最小
    ワード長である境界ビット数を求める境界ビット計算部
    を備え、 上記量子化部は、ミッドトレッド量子化器とミッドライ
    ザー量子化器との2つの量子化器を有し、 上記必要ビット数計算部は、上記両量子化器夫々の必要
    ビット数を求め、ミッドライザー量子化器に係る必要ビ
    ット数と上記境界ビット数との比較結果に基づいて、量
    子化時におけるワード長と用いる量子化器とを設定する
    量子化器設定手段を有し、 上記ビット配分部は、上記配分した後のワード長と上記
    境界ビット数とを比較して最終的なワード長と用いる量
    子化器とを決定し、この決定したワード長を上記量子化
    部における両量子化器に送出する量子化器決定手段を有
    し、 上記符号化装置は、さらに、上記ビット配分部によって
    決定された量子化器が上記ミッドライザー量子化器であ
    って、且つ、このミッドライザー量子化器で量子化した
    際に上記ミッドトレッド量子化器では使用しない符号が
    用いられる場合には、上記入力信号を上記量子化部のミ
    ッドライザー量子化器に選択的に送出する一方、それ以
    外の場合には入力信号を上記ミッドトレッド量子化器に
    選択的に送出する選択部を備え、 上記逆量子化部は、ミッドトレッド逆量子化器とミッド
    ライザー逆量子化器との2つの逆量子化器を有し、 上記復号化装置は、上記量子化部からの圧縮データにミ
    ッドトレッド量子化器では使用されない符号が含まれて
    いる場合には逆量子化時に用いるべき逆量子化器として
    上記ミッドライザー逆量子化器を選択する一方、それ以
    外の場合には上記ミッドトレッド逆量子化器を選択し、
    逆量子化部における上記選択された逆量子化器に選択的
    に上記圧縮データを送出する逆量子化器選択部を備えた
    ことを特徴とする符号化復号化装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れか一つに記
    載の符号化復号化装置において、 種々のワード長と各ワード長での上記ミッドライザー量
    子化器における“0"に最も近い量子化レベルに掛から
    ない最小入力パワーの値とを対応付けて成るテーブルを
    格納したテーブル格納部を備えると共に、 上記境界ビット計算部は、上記テーブルを検索して上記
    境界ビット数を生成するテーブル検索手段を有すること
    を特徴とする符号化復号化装置。
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