JP3146054U - 発電シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 押圧による圧電フィルムの変形を生じやすくすると共に、圧電フィルムを用いた発電装置の構成及び組立を簡単にする。
【解決手段】 発電シート100は、厚さ100μm程度の圧電フィルム10からなるシート(PVDFシート)に球面の一部をなす突起20を所定間隔毎に3行3列に計9個押圧成形してなる。その後、圧電フィルム10の両面に銀を含んだ導電性接着剤を厚さ0.1μm〜0.5μm程度にスプレー塗布し屈曲可能な電極とし、さらに前記電極の保護被膜としてシリコン樹脂を厚さ0.5μm〜数μm程度の厚さにスプレー塗布した構成。
【選択図】 図1
【解決手段】 発電シート100は、厚さ100μm程度の圧電フィルム10からなるシート(PVDFシート)に球面の一部をなす突起20を所定間隔毎に3行3列に計9個押圧成形してなる。その後、圧電フィルム10の両面に銀を含んだ導電性接着剤を厚さ0.1μm〜0.5μm程度にスプレー塗布し屈曲可能な電極とし、さらに前記電極の保護被膜としてシリコン樹脂を厚さ0.5μm〜数μm程度の厚さにスプレー塗布した構成。
【選択図】 図1
Description
本考案は、圧電フィルムを用いた発電シートに関する。
プラスチックシートの両面にそれぞれ電極を配設した圧電フィルムを備え、かつ衣類に装着されることを特徴とする衣類用発電装置として例えば特開2002−218769号公報が提案されている。また、圧電フィルムを用いた起電スイッチ装置として特開2003−224315号公報が提案されている。
特開2002−218769号公報
特開2003−224315号公報
しかし特許文献1における発電装置は、圧電フィルムからなるシートがフラットなため押圧による変形が生じにくく発電量も小さい。特許文献2における発電装置は、圧電フィルムの断面形状が略台形状を成し変形しやすいものの、個々に分離した複数の圧電フィルムを用いて構成されており、組立工数が大きく、コストが高くなる恐れがあった。
本考案は圧電フィルムからなるシートを押圧した際、変形を生じやすくすると共に発電量を大きくすることを目的とする。また、前記圧電フィルムを用いた発電装置の構成及び組立を簡単にすることを目的とする。
本考案にかかる発電シートは、圧電フィルムからなるシートに球面の一部をなす突起(断面形状が円弧状の突起)を多行多列に所定間隔毎に複数配設し、前記突起のいずれか一つを押圧することにより発電することを特徴としたもので、これにより圧電フィルムに曲率を持たせると押圧により変形が生じやすく圧電効果が効率よく現れる。その結果、発電量(起電力)を大きくできる。また、発電装置の構成及び組立を簡単にできコストを低減できる。
さらに本考案にかかる発電シートは、上記発電シートにおいて圧電フィルムをポリフッ化ビニリデンとしたことを特徴としたもので、これにより起電力を大きくできる。また、押圧に対する繰り返し強度を高くできる。
上記構成により本考案の発電シートは、球面の一部をなす突起のいずれか一つを押圧することにより発電できる。球面の一部をなす突起は押圧により変形を生じやすく圧電効果が効率よく現れる。また、弾性復帰が瞬時に行われる。その結果、発電量(起電力)を大きくできる。また、発電装置の構成及び組立を簡単にできコストを低減できる。
本考案にかかる発電シートは上述の通りである。発電シートを構成する圧電フィルム(圧電性高分子)の代表的なものとしてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)がよく知られている。ポリフッ化ビニリデンは優れた柔軟性、加工性、耐衝撃性、耐水性、化学的安定性を兼ね備えており、圧電セラミックスのチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)と比較した場合、およそ20倍に及ぶ高耐電圧性と、およそ10倍の高い電圧出力を得られる。
圧電フィルムの利点は、高い高耐電圧性と電圧出力の他、その柔軟性と耐衝撃性にある。圧電セラミックスでは不可能な押圧力が働いても、圧電セラミックスでは破損してしまう衝撃力を加えても、問題無く電圧を発生する。また、圧電フィルムは軽く、柔らかで、特定の固有振動数を持ちにくい。
圧電フィルムは例えば、厚さ10μm〜100μmなどのシート状に成形される。しかし、圧電効果で発生する電力は静電気に似ており、電極が無ければ発生した電力を取り出すことはできない。従って、圧電フィルムの表面、裏面に各々全面にわたる導電性の皮膜層を設けて電極とし、無用な電荷の漏れ防止を図っている。さらに、全体を絶縁体の保護皮膜で覆ったものを発電部材として使用するのが好ましい。同様の構造のものがピエゾフィルムと呼称され、両面の電極や保護皮膜を含めて40μm〜200μmの厚さの起電用圧電フィルムが製造・販売されている。例えば、株式会社東京センサのホームページにピエゾフィルムLTDシリーズなどが記載されている。
圧電フィルムの表裏面に配設する電極と保護被膜は、圧電フィルムのシート状態で予め配設しておくようにしてもよい。また、球面の一部をなす突起を所定に設けた後、電極と保護被膜を配設する様にしてもよい。前記電極は電気めっき、蒸着、スパッタ、印刷、スプレーなど任意の手段から選択すればよい。電極材料は金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等から選んだ一つまたはその組み合わせを厚さ0.01μm〜1μm程度に配設するのが好ましい。
保護皮膜は樹脂フィルム、例えば、透明性、柔軟性および耐衝撃性のいずれにも優れ、包装材として好適なポリプロピレン系フィルム(PP)やシリコン樹脂等で構成するのが好ましい。PPフィルムの厚さは0.5μm〜数μm程度とするのが好ましい。また、次の要件(1)〜(3)を満たすことが望ましい。(1)JIS K6781に準じて測定したヤング率が10〜500MPaである、(2)0℃で測定した引張衝撃強度が、50〜1000KJ/m2である、(3)光線透過率が85〜99%であり、かつ120℃および30分間の熱水処理後の光線透過率の減少率が0〜15%の範囲にあること。保護皮膜の積層に際し接着剤を用いることの他に、熱圧着(熱接着)、スプレー塗布など任意の手段を用いてよいことは自明である。
発電した電気を取り出してコンデンサなどに蓄積する場合、前記圧電フィルムの表裏面に配設した電極にそれぞれリード線を電気的に接続しておくのが好ましい。リード線の接続は半田付け、または一般的な導電性接着剤等で接続するのが好ましい(図示せず)。
圧電フィルムからなるシートに、球面の一部をなす突起を所定間隔毎に多行多列に複数配設する手段は、押圧成形、真空成形など公知の方法を用いればよい。突起の形状は球面の一部をなすものの他に、平面視が矩形状、または断面形状が台形状など任意としてよい。以下、本考案の一実施例における発電シートを図面とともに説明する。
図1は本考案の一実施例における発電シートの平面図、図2は図1を切断線S−Sで切断した断面図を示す。図1、図2に示す発電シート100は、厚さ100μm程度の圧電フィルム10からなるシート(PVDFシート)に球面の一部をなす突起20を所定間隔毎に3行3列、計9個押圧成形してなる。シートの外形を例えば80mm角、球面の一部をなす突起20の曲率半径を約10mm、シート面から突起20が突出する高さを約4mm、突起20の配設ピッチを縦・横それぞれ25mmとした。その後、圧電フィルム10の両面それぞれに銀を含んだ導電性接着剤を厚さ0.1μm〜0.5μm程度にスプレー塗布し屈曲可能な電極とした。さらに、前記電極の保護被膜としてシリコン樹脂を厚さ0.5μm〜数μm程度の厚さにスプレー塗布してなる。(電極と保護被膜は図示せず。)
上記構成により本考案の発電シート100は、突起20のいずれか一つを押圧することにより容易に変形して発電できる。球面の一部をなす突起は押圧により変形を生じやすく弾性復帰が瞬時に行われる。そして発電量(起電力)が大きい。また、発電装置の構成及び組立を簡単にできコストを低減できる。
なお、上記実施例において、発電シートの外形寸法や形状、突起の大きさや形状、数量等を任意に設定してよいことは自明である。また、圧電フィルムは単層のほか、多層に構成してよいことも同様である。
本考案の発電シートは床や路面に敷くマット、座布団、背もたれ、携帯電話のテンキーを覆うカバー、タッチスイッチのカバー等の形態に構成し発電できる。また、靴の中敷に内蔵し人間の歩行、走行等により発電できる。
10 圧電フィルム(PVDFシート)
20 突起
100 発電シート
20 突起
100 発電シート
Claims (2)
- 圧電フィルムからなるシートに突起を複数配設し、前記突起のいずれか一つを押圧することにより発電するようにしたことを特徴とする発電シート。
- 圧電フィルムをポリフッ化ビニリデンとしたことを特徴とする請求項1記載の発電シート。
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JP2014091296A (ja) * | 2012-11-06 | 2014-05-19 | Takeshi Yamaoka | 圧電フイルム |
EP2985142A4 (en) * | 2013-04-10 | 2016-08-31 | Mitsui Chemicals Inc | LAMINATE |
JP2017195764A (ja) * | 2017-05-30 | 2017-10-26 | 健 山岡 | 圧電フイルム |
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2008
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