JP3145790U - 滅菌処理用の示温カード - Google Patents

Abstract

【課題】加熱による減菌処理の際の加熱温度及び加熱時間を効率的に確認することができる減菌処理用の示温カードを提供する。
【解決手段】カード状をなした基材の表裏に、化学物質や石油系ワックスの熱融解作用を利用し、予め設定された加熱温度及び加熱時間に反応して不可逆的な変化を行う、同じ特性の感温体をそれぞれ形成して滅菌処理用の示温カードを構成した。
【選択図】図４

Description

この考案は、滅菌処理用の示温カード、詳しくは、加熱による滅菌処理の際の加熱温度及び加熱時間を効率的に確認することが出来る様にした滅菌処理用の示温カードに関するものである。

医療機関、検査機関、食品工場などでは、各種機器、器材、用具等を加熱によって滅菌処理する場合があり、多くの場合は、滅菌処理の対象物を耐熱性を有する透明な袋へ封入し、この袋をオートクレーブなどの加熱装置内に入れ、同装置内において滅菌条件に応じた温度を一定時間加えて滅菌処理することが行われている。

この場合、滅菌処理の対象物を封入した袋に、加熱温度及び加熱時間に反応して色調変化や発色によりその事実を不可逆的に表示する示温カードを入れておき、加熱装置内において加熱作業が終了した後、この示温カードの表示の変化を外側から袋を通して見ることによって、確実に滅菌が行われたかを確認することが行われている。
なし なし

従来において、この滅菌処理の際に用いる示温カードは、カード状をなした基材の一方の面に、各種化学物質の熱融解作用を利用して加熱温度及び加熱時間を色調変化や発色によって不可逆的に表示する感温体を形成したものであった。

この従来の示温カードを滅菌処理の際の加熱温度の確認に用いる場合は、感温体が形成されている側の面が必ず外側即ち、袋を通して外部から視認出来る向きにして袋へ封入しなければならず、こうしなければ加熱処理後に袋を通して感温体の変化を外部からすぐに確認することが出来ないのは言うまでもない。

しかしながら、示温カードの袋への封入作業は、大量の処理対象物に対して、短時間で流れ作業的に行われることが多く、作業員が示温カードの向きにまで常に注意を払うことは実際上なかなかむずかしく、何枚かに一枚は裏側にして袋へ封入してしまう場合もあり、この場合には、袋を開封して示温カードを反転させてから加熱処理後の加熱温度及び加熱時間の確認を行わねばならず、一瞥しただけで加熱温度及び加熱時間の確認が出来るという、示温カードの長所を著しく阻害することになることは明らかである。

本考案者は、加熱による滅菌処理作業における上記問題点を解決すべく研究を行った結果、滅菌処理作業の能率を向上させることが出来る便利な滅菌処理用の示温カードを開発することに成功し、本考案としてここに提案するものである。

カード状をなした基材１の表裏に、化学物質や石油系ワックスの熱融解作用を利用し、予め設定された加熱温度及び加熱時間に反応して不可逆的な変化を行う、同じ特性の感温体２をそれぞれ形成して滅菌処理用の示温カードを構成することにより、上記課題を解決した。

図１はこの考案に係る滅菌処理用の示温カードの実施例１の表面側から見た斜視図、図２はその裏面側から見た斜視図である。

図中１は、カード状をなした基材であり、滅菌処理の際の加熱によって変質したり、有害物質を発生したりしない、高質紙などの素材が用いられる。そして、この基材１の表裏両面には、化学物質や石油系ワックスの熱融解作用を利用して予め設定された温度及び加熱時間に反応して、発色や色調変化によって、その事実を不可逆的に表示する同じ特性の感温体２がそれぞれ形成されており、その表面は透明フィルムによって被覆されている。つまり、基材１の表裏には、全く同じ設定温度及び加熱時間で同じ反応を行う感温体２が形成されているのである。なお、この感温体２自体は、従来から使用されているものと全く同じであるが、石油系ワックスを素材とするものは、毒性がなく無害であるので高温加熱下においてもより安全に使用出来る。この実施例は上記の通りの構成を有するものであり、図４に示す様に、袋３に滅菌処理すべき対象物４を収容した後、袋３の内側面と対象物４の間にこの示温カードを差し込み、感温体２が外側から透けて見える状態にして袋３を封止した後、オートクレーブ等の加熱装置内に入れ、この中で所定の温度を所定の時間加えて滅菌処理を行う。なお、示温カードを袋３へ入れる際、その向きは表裏いずれの向きであっても良い。そして、あらかじめ設定された温度であらかじめ設定された時間が経過したときは、袋３内に入れられているこの示温カードの感温体２はそれに反応し、図３に示す様に、発色や色調変化によって、その事実を不可逆的に表示する。この反応は基材１の表裏いずれかの感温体２においても起こるので、オートクレーブ等の加熱装置から袋３を出した後、袋３の外側から示温カードの感温体２の変化の状況を一瞥すれば、示温カードが表裏いずれの向きであっても、所定の温度で所定の時間加熱され、滅菌処理が正しく行われたかを確認することが出来る。

従って、本考案に係る示温カードにおいては、加熱による滅菌処理を行うに先立ち、袋３へ示温カードを入れる際に、従来のものの様にその表裏の向きを全く気にする必要がなく、表裏いずれの向きで袋３に入れても良いので、示温カードの袋３への挿入作業が極めて容易で、加熱による滅菌処理作業の効率化を図ることが出来る効果を有し、高い実用性を持つ。

医療、食品産業、検査等の分野において利用可能である。

この考案に係る滅菌処理用の示温カードの実施例１の表側から見た斜視図。 同じく、その裏側から見た斜視図。 同じく、感温体２が反応し、発色した状況を示した斜視図。 滅菌処理の対象物を収容した袋へこの考案に係る示温カードを挿入した状態の斜視図。

符号の説明

１ 基材
２ 感温体
３ 袋
４ 対象物

Claims (1)

1. カード状をなした基材の表裏に、化学物質や石油系ワックスの熱融解作用を利用し、予め設定された加熱温度及び加熱時間に反応して不可逆的な変化を行う、同じ特性の感温体をそれぞれ形成したことを特徴とする滅菌処理用の示温カード。

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